説明

電磁溶融発電

【課題】火力発電のように燃料を使用せずに電気を発電し、二酸化炭素を発生させず、原子力発電のような放射能汚染のないクリーンな地球環境に配慮した、安全で安定した発電方法を提供する。
【解決手段】当初は外部電気を利用して、大型のIH電磁調理器2により、錫やその他の金属や鉱物等を溶融させ、その中に湯や蒸気を発生させる圧力容器4を設置し、発生した蒸気を利用して発電機6を回して発電させる。発電を開始すると、外部電力は不要となり、発電した電気でシステムを運転し、連続発電を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気を利用し、大型の設定温度を高くしたIH電磁調理器により、金属溶融鍋を過熱し、金属や鉱物を溶融させ、その鍋の中に別タンクから湯をパイプで送り、更に高い加熱を加える圧力容器に入れ、発生した蒸気で発電機のタービンを回して発電する方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発電方式は火力発電、水力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電等があった。しかし、地球環境の悪化や建設コストの問題、人体に対して放射能汚染の問題、常時発電しない問題等があり、クリーンで再生可能な常時発電方法が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは次のような欠点があった。
(イ) 火力発電は燃料コストが多くかかり、二酸化炭素の発生が多いこと。
(ロ) 水力発電はダムの建設費が高いこと。場所の制約があること。
(ハ) 原子力発電は放射能による健康被害や環境汚染、安全性の問題があること。
(ニ) 風力発電や太陽光発電は、常時発電することが出来ないこと。設置場所の制約があること。
本発明は,これらの欠点を除くためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
金属や鉱物を溶融させるための熱源に電気を使うこと。当初は外部電源に接続し、複数の大型のIH電磁調理器で、金属溶融鍋に入れた錫やその他の金属や鉱物等を溶融させる。その中に湯を加熱させる別の圧力容器をクレーンで吊るして設置する。発生した湯や蒸気を配管パイプで発電機に送り、タービンを回して発電させる。
発電機から出た熱湯はポンプで配管を通って加温タンクに送り、そこで加温された熱湯を圧力容器に送る。このように湯を循環させる。
錫やその他の金属や鉱物等を溶融させたものは温度センサーで管理し、鍋の温度が低下したときは、IH電磁調理器で過熱する。
発電機で発電開始なれば、外部電源の取り込みを中止し、発電した電気でシステムを運転するよう切り替える。こうすることで連続して発電を続けることが可能となる。
本発明は,以上のような構成からなる発電システムである。
【発明の効果】
【0005】
発明は以上のような構造で,当初こそ外部電源を必要とするが、一度発電が開始されると、外部からの電気を必要としない。二酸化炭素の発生もない。燃料を必要としないので発電コストが安くなること。有害物質が出ないので、設備が簡単で建設費用が安く出来ること。設置場所を選ばないこと。保守点検も簡単で、防護服の着用の必要もなく、危険性が低いこと。発展途上国でも導入がしやすいこと。休むことなく連続して発電することが出来る等、地球環境や人類の未来の発展に寄与する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下,本案の実施の形態について図面を参照して説明する。
(イ) IH電磁調理器2は金属溶融鍋1や加温タンク9の下部に複数台を数列に台車14に載せ、手前に引き出せる構造とする。列ごとのIH電磁調理器2は下部から手前にあるハンドルレバー15で鍋に密着させる構造とする。こうすることで、点検や修理交換作業を容易に行えるようにする。
(ロ) IH電磁調理器2は錫やその他の金属や鉱物等3の溶融温度をセンサー13で計測し、全部や一部使用の調整可能とし、連続使用にならないようにする。
(ハ) 発電機6から出てくる熱湯は配管内16や8で温度が低下するので、先に加温タンク9で湯温を上げたものをパイプ10でポンプ11に送りパイプ12を通して圧力容器4に引き込むことにより、圧力容器4の湯温低下を防ぐ。
(ニ) 圧力容器4はクレーンで釣り口22を吊り、圧力容器設置台17に載せておくが、点検修理時は吊り上げて、移動させることが出来る構造とする。
(ホ) 発電用の湯18は蒸発等で減少するので、加温タンク9に外部から給水パイプ19の設備をすること。
(ヘ) 金属溶融鍋1は地震で上部から溶融した鍋やその他の金属や鉱物等3が出ないように、錫やその他の金属や鉱物等の溶融面23から鍋の上部まで充分に余裕をもたせること。
(ト) 錫やその他の金属や鉱物等3の材料は当初は溶融されにくいので、金属溶融鍋1へ少量入れること。溶融を見ながら投入量を増やすこと。
(チ) 小規模発電には溶融が早い錫や鉱物を使い、大型の発電には溶融温度が高い金属や鉱物等を使う。鉛等の環境汚染の心配のある金属は使用しない。
(リ) 金属溶融鍋1はIH電磁調理器2の配置がしやすいよう、円形よりは方形が効率がよい。また、三方向は地震等で倒れないよう基礎部分20はコンクリートにする。
(ヌ) 蒸気発生から以降の配管5から発電機6に引き込む施設については、少し改修すれば既存の火力発電施設を利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の概略の正面図である。
【図2】 本発明の概略の平面図である。
【符号の説明】
【0008】
1・・金属溶融鍋、2・・IH電磁調理器、3・・錫やその他の金属や鉱物等、4・・圧力容器、5・・配管、6・・発電機、7・・ポンプ、8・・配管、9・・加温タンク、10・・配管、11・・ポンプ、12・・配管、13・・温度センサー、14・・台車、15・・ハンドルレバー、16・・配管、17・・圧力容器設置台、18・・発電用の湯、19・・給水パイプ、20・・コンクリート基礎部分、21・・水位計、22・・吊り口、23・・錫やその他の金属や鉱物等の溶融面、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定温度を高くした大型のIH電磁調理器を複数個使用し、水の加熱や、金属や鉱物等を溶融させる容器を有し、その容器の中に湯や蒸気を発生させる圧力容器を有し、発生させた蒸気をパイプで発電機に送り、発電する構造を持った発電システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−241710(P2012−241710A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134589(P2011−134589)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(508123135)
【Fターム(参考)】