説明

電線の端末構造

【課題】モールド構造が廃止されても、取り扱い性の良好な、電線の端末構造を提供する。
【解決手段】電線10の端末構造は、電線10が挿通される筒部31を有するとともに、筒部31に一体に連結されて機器100に取り付けられる取付部32を有するブラケット30と、筒部31内に挿入され、その挿入深さが増すことにより、筒部31の内周面及び電線10の外周面に緊密に当接して、電線10に対するブラケット30の相対変位を規制するチャック部材60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端末構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来における電線の端末構造が開示されている。このものは、電線が挿通されるとともに、機器に取り付けられるブラケットを備える。電線とブラケットとの間には樹脂が充填され、樹脂が充填固化されることにより、電線の端部周りにモールドハウジングが形成される。このため、電線とブラケットとはモールドハウジングを介して一体に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−134898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなモールド構造をとるものでは、モールド成形のための専用機が必要とされるため、設備投資額が高額になるとともに、組立ラインが大規模になるという事情がある。これに対し、設置状況等によっては、厳密な防水が必要とされないことがあり、その場合には、モールド構造をとるまでもなく、より簡易的な手法で済ますことが可能である。しかし、例えば、電線にブラケットを単に挿通させるだけでは、ケースへの取り付け前に、ブラケットが電線に対して軸方向に変位し、取り扱いに難渋するという問題がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、モールド構造が廃止されても、取り扱い性の良好な、電線の端末構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、電線が挿通される筒部を有するとともに、前記筒部に一体に連結されて取付対象に取り付けられる取付部を有するブラケットと、前記筒部内に挿入され、その挿入深さが増すことにより、前記筒部の内周面及び前記電線の外周面に緊密に当接して、前記電線に対するブラケットの変位を規制するチャック部材とを備えるところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記電線の外周に嵌着され、かつ前記筒部内に挿入されるゴム栓を備え、前記チャック部材が前記筒部内に深く挿入されることにより、前記ゴム栓が前記チャック部材と前記筒部の奥壁との間に圧縮されるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記チャック部材を押圧可能な押圧部材を備え、前記押圧部材と前記筒部のいずれか一方には、係合溝が形成され、他方には、前記係合溝に進入する係合突部が形成され、前記押圧部材が前記係合溝の延出方向に回動されることにより、前記係合突部が前記係合溝に沿って変位して、前記チャック部材が前記筒部内に押し込まれるところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記チャック部材の外周面と前記筒部の内周面のいずれか一方には、案内突部が形成され、他方には、案内溝が形成され、前記押圧部材の回動操作に伴って、前記案内突部が前記案内溝の溝面を摺動することにより、前記チャック部材が軸方向に移動案内されるところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記案内溝が前記チャック部材の押し込み方向にその深さを次第に増加させる形態とされ、前記案内突部が前記チャック部材の押し込み方向に前記案内溝との掛り代を次第に増加させる形態とされているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
<請求項1の発明>
チャック部材の筒部内への挿入深さが増すことにより、チャック部材が、筒部の内周面及び電線の外周面に緊密に当接して、電線に対するブラケットの変位が規制されるため、電線とブラケットとがチャック部材を介して一体に保持される。したがって、ブラケットが電線に対して軸方向に変位するのが規制され、モールド構造が廃止されても、取り扱い性の良好な、電線の端末構造が提供される。
【0012】
<請求項2の発明>
チャック部材が筒部内に深く挿入されることにより、ゴム栓がチャック部材と筒部の奥壁との間に圧縮されるため、ゴム栓が、筒部の内周面及び電線の外周面に強く密着して、シール性が高められる。
【0013】
<請求項3の発明>
押圧部材が係合溝の延出方向に回動されることにより、係合突部が係合溝に沿って変位して、チャック部材が筒部内に押し込まれるため、チャック部材の押し込みを容易かつ円滑に行うことができる。
【0014】
<請求項4の発明>
案内突部が案内溝の溝面を摺動することにより、チャック部材が軸方向に移動案内されるため、押圧部材の回動操作にチャック部材が連れ回りされるのが防止され、ひいては電線が捻じれたりするのが回避される。
【0015】
<請求項5の発明>
案内溝がチャック部材の押し込み方向にその深さを次第に増加させる形態とされ、案内突部がチャック部材の押し込み方向に案内溝との掛り代を次第に増加させる形態とされているため、押し込み深さが増すにつれチャック部材の移動姿勢の安定性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1に係る電線の端末構造の斜視図である。
【図2】電線の端末構造の分解斜視図である。
【図3】電線の端末構造の側面図である。
【図4】電線の端末構造の前方からの断面図である。
【図5】電線の端末構造の側方からの断面図である。
【図6】電線の端末構造の上方からの断面図である。
【図7】電線の端末構造の分解断面図である。
【図8】ブラケットが機器に取り付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。本実施形態に係る電線の端末構造は、電線10、端子金具20、ブラケット30、チャック部材60、ゴム栓70、シールリング80、及び押圧部材90を備え、ブラケット30を介して、インバータ装置等の機器100(取付対象)に取り付けられる。なお、電線10及び端子金具20の周囲は、樹脂モールドされていない。
【0018】
機器100は、図8に示すように、導電性のシールドケース101を有している。シールドケース101の側壁には、円形の取付孔102が貫通して形成され、かつ取付孔102の上方に、有底の雌ねじ孔103が外面に開口して形成されている。シールドケース101の内部には、端子金具20と接続可能な導電部104が収容されている。
【0019】
電線10は、導電性の芯線11と、芯線11の周りを覆う絶縁性の被覆12とからなり、非シールドタイプとされている。電線10の端部には、被覆12の除去によって芯線11が露出して配置されている。
【0020】
端子金具20は導電金属製であって、図1に示すように、その略前半部に前後方向に長い平板状の機器接続部21を有し、その略後半部にオープンバレル状の電線接続部22を有している。機器接続部21には、前後方向に長い円形のボルト孔23が開口して形成されている。端子金具20は、ボルト孔23を貫通するボルト200を介して、シールドケース101内の導電部104に接続される。電線接続部22には、底板の両側縁から左右一対のかしめ片24が立ち上げて形成されている。両かしめ片24は、露出した芯線11に左右両側からかしめ付けられる。なお、電線接続部22は、機器接続部21との間に段違い状の連結部25を介することにより、機器接続部21よりも一段高くされている。
【0021】
ブラケット30は合成樹脂製であって、図2に示すように、円筒状の筒部31と、筒部31の前後方向略中央部から一体に立ち上げられる板状の取付部32とを有する。筒部31の内部には、電線10が挿通される電線挿通孔33が貫通して形成されている。
【0022】
取付部32の立ち上げ端部には、円形の挿通孔34が貫通して形成され、挿通孔34の内部には、その内周面に沿ってカラー35が装着されている。ブラケット30が機器100に取り付けられると、取付部32がシールドケース101の側壁外面に後方から当接され、それに伴って挿通孔34が雌ねじ孔103に前後方向に連通され、かつ挿通孔34から雌ねじ孔103に向けてねじ部材300がねじ込まれる。
【0023】
図5に示すように、筒部31の外周面には、取付部32よりも前方に、保持溝36が全周に亘って形成されている。保持溝36には、円環状のシールリング80が嵌着される。ブラケット30の機器100への取り付け時に、筒部31の略前半部が取付孔102内に挿入され、それに伴いシールリング80が取付孔102の内周面に密着してシールがとられる。
【0024】
また、筒部31の前端には、奥壁37が径方向に形成されている。奥壁37の中央部には、電線挿通孔33を絞った形態の電線貫通口38が開口して形成されている。電線貫通口38は、電線10の外径よりもやや大きい開口径を有している。
【0025】
筒部31の内部には、ゴム栓70が収容される第1収容空間39と、チャック部材60が収容される第2収容空間40とが、それぞれ前後に分かれて保有されている。第1収容空間39は、取付部32よりも前方でかつ保持溝36と対向する位置に配置されている。第2収容空間40は、第1収容空間39よりも前後方向に長く、取付部32を跨いて配置されている。そして、第1収容空間39の内周面は、前後方向に略同一径とされている。これに対して、第2収容空間40の内周面は、筒部31の後端から前方へ向けて次第に縮径され、その前端で第1収容空間39の後端に連なるテーパ面41とされている。
【0026】
第2収容空間40の内周面の幅方向両端には、図7に示すように、筒部31の後端から前方へ延びて第1収容空間39の後端に段付き状に連なる左右一対の案内溝42が形成されている。案内溝42の底面は、テーパ面41と交差する向きとなる前後方向に沿って配置されている。このため、案内溝42は、筒部31の後端から前端に向けて次第に深さを増加させる形態とされている。
【0027】
また、筒部31の外周面には、取付部32よりも後方となる幅方向両側の後端部に、左右一対の係合突部43が形成されている。係合突部43は、略円柱の小突起状をなし、筒部31の壁を挟んで案内溝42と対向する位置に配置されている。
【0028】
ゴム栓70はシリコンゴム等のゴム製であって、全体として略円筒状をなしている。ゴム栓70の外周面は、筒部31の内周面に密着可能とされ、ゴム栓70の内周面は、電線10の外周面に密着可能とされている。
【0029】
チャック部材60は、合成樹脂製であって、全体として前方へ向けて縮径される円錐台形状をなし、ブラケット30と電線10との間に位置して両者に緊着される。そして、チャック部材60は、図2に示すように、幅方向中央部の対向縁68を境として互いに分離された左右一対の半割体61によって構成されている。両半割体61は、左右対称であって互いに同形状とされている。詳しくは、半割体61は、円錐台面を有する周壁62と、周壁62の前端に連なって径方向に沿った前端面を有する前壁63と、周壁62の後端に連なって径方向に沿った後端面を有する後壁64とからなる。前壁63及び後壁64の両内縁には、電線10の外周面に当接可能な電線当接部65が切り欠いて形成されている。電線当接部65は、電線10の外周面に沿った略半円形をなし、両半割体61の合体に伴い、両半割体61間の開口径を小さくして電線10を周方向から保持可能とされている。
【0030】
また、周壁62の外周面(外側の円錐台面)には、前後方向に延びる案内突部66が形成されている。案内突部66は、チャック部材60の幅方向両端部に対をなして配置され、チャック部材60が第2収容空間40に挿入される過程で、案内溝42に進入して摺動可能とされている(図4を参照)。案内突部66の外端(突出端)は、円錐台面と交差する方向となる前後方向に沿って配置されている。このため、案内突部66は、半割体61の後端から前端にかけて次第に高さを増加させる形態とされ、言い換えれば、前方へ向けて案内溝42との掛り代を次第に増加させる形態とされている。
【0031】
押圧部材90は合成樹脂製であって、筒部31に対して後方から外嵌可能なキャップ状をなし、チャック部材60を後方から押圧可能とされている。この押圧部材90は、略円形の背板91と、背板91の周縁から前方に突出する周板92とからなる。背板91の中央部には、電線10が貫通する電線貫通孔93が開口して形成されている。
【0032】
周板92には、左右一対の係合溝94が貫通して形成されている。係合溝94は、前後方向と交差するよう螺旋状に延出する形態とされている。係合溝94の入り口は、前後方向に延びて周板92の前端における幅方向両端に開口し、前方から係合突部43を受け入れ可能な導入口95に連なっている。係合溝94の終端は、導入口95から周板92の半周を少し超えた位置にあり、導入口95の後方に並列に配置されている。この係合溝94の終端には、導入口95側に拡径された膨出開口96が形成されている。また、周板92の前端には、円環状のフランジ部97が、導入口95を外側から覆いつつ全周に亘って張り出して形成されている。
【0033】
次に、本実施形態に係る電線10の端末構造の組み付け方法等について説明する。
まず、電線10の端部における芯線11にかしめ片24をかしめ付け、電線10に端子金具20を接続させる。また、筒部31の電線挿通孔33に電線10を挿通させてブラケット30を電線10の端部に位置させるとともに、筒部31の第1収容空間39に後方からゴム栓70を挿入させ、さらに、筒部31の第2収容空間40に後方からチャック部材60を挿入させる。チャック部材60の挿入時には、筒部31の案内溝42に案内突部66を嵌め込むようにし、第2収容空間40に左右一対の半割体61を軽く嵌め入れる。このとき、チャック部材60の後端部は筒部31の後端よりも後方に突出して配置される。
【0034】
次いで、筒部31に後方から押圧部材90を被せ付け、係合溝94の導入口95に係合突部43を進入させる。その状態で、押圧部材90を係合溝94の形成方向に沿って軸周りに回動させつつ前進させる。すると、係合突部43が係合溝94に沿って膨出開口96側に変位させられ、それに伴って背板91の前端面が後壁64の後端面を押圧して、チャック部材60を前方へ押しやる。こうしてチャック部材60が前進して筒部31内に深く挿入されると、周壁62の外周面が筒部31のテーパ面41を摺動して、両半割体61が全体として縮小変形され、かつ電線当接部65の開口寸法が縮径される。また、チャック部材60の移動過程では、案内突部66が案内溝42を摺動することにより、チャック部材60の移動姿勢の安定性が担保される。この場合、案内突部66の案内溝42への掛り代は、チャック部材60の挿入深さが増加するに従って大きくなる。
【0035】
チャック部材60が第2収容空間40の略全長に亘って挿入され、係合突部43が係合溝94の膨出開口96に至ったときには、電線当接部65が電線10の外周面に緊密に当接して、チャック部材60が電線10に対して所定の摩擦力をもって移動規制状態に保持されるとともに、周壁62の外周面が筒部31のテーパ面41に緊密に当接して、チャック部材60がブラケット30に所定の摩擦力をもって移動規制状態に保持される(図1、図3〜図6を参照)。その結果、ブラケット30が、チャック部材60を介して、電線10に対し軸方向への変位を規制された状態で固定される。
【0036】
また、上記のようにチャック部材60が筒部31内に深く挿入されることにより、前壁63の前端面がゴム栓70の後端面を前方へ押圧する。これにより、ゴム栓70が筒部31の奥壁37とチャック部材60の前壁63との間に前後方向に圧縮させられ、それに伴い、ゴム栓70の外周面が筒部31の内周面に強く密着するとともに、ゴム栓70の内周面が電線10の外周面に強く密着する。
【0037】
その後、シールドケース101の内部に、取付孔102を介して、後方から端子金具20を挿入させ、かつシールドケース101の側壁外面に取付部32を当て付ける。その状態で、ねじ部材300を挿通孔34から雌ねじ孔103にねじ込み、ブラケット30をシールドケース101の側壁に取り付ける。また、ボルト200をボルト孔23から導電部104にねじ込み、端子金具20を導電部104に接続させる(図8を参照)。これにより、電線10の端末部が、ブラケット30の取付部32を介して、機器100に取り付けられる。なお、仮に、端子金具20と導電部104とが正規の接続位置から位置ずれしている場合には、押圧部材90を上記とは逆向きに回動させてチャック部材60のチャック状態を解除させ、その状態で、ブラケット30を軸方向に変位させて適正位置に至らせ、再び、押圧部材90を前方へ回動させてチャック部材60をチャック状態とすればよい。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、チャック部材60の筒部31内への挿入深さが増すことにより、チャック部材60が、筒部31の内周面(テーパ面41)及び電線10の外周面に緊密に密着して、電線10に対するブラケット30の相対変位が規制されるため、電線10とブラケット30とがチャック部材60を介して固定される。したがって、シールドケース101への取り付け前に、ブラケット30が電線10に対して軸方向に変位するのが規制され、モールド構造が廃止されても、取り扱い性の良好な、電線10の端末構造が提供される。この場合、ブラケット30と電線10とがチャック部材60を介してリジッドに締結されることにより、電線10の振動時におけるブラケット30のがた付きも防止される。
【0039】
また、チャック部材60が筒部31内に深く挿入されることにより、ゴム栓70がチャック部材60と筒部31の奥壁37との間に圧縮されるため、ゴム栓70が、筒部31の内周面及び電線10の外周面に強く密着して、シール性が高められる。
【0040】
また、押圧部材90が係合溝94の延出方向に回動されることにより、係合突部43が係合溝94に沿って変位して、チャック部材60が筒部31内に押し込まれるため、チャック部材60の押し込みを容易かつ円滑に行うことができる。
【0041】
また、チャック部材60の移動過程では、案内突部66が案内溝42の溝面を摺動することにより、チャック部材60が軸方向に移動案内されるため、押圧部材90の回動操作にチャック部材60が連れ回りされるのが防止され、ひいては電線10が捻じれたりするのが回避される。
【0042】
さらに、案内溝42がチャック部材60の押し込み方向にその深さを次第に増加させる形態とされ、案内突部66がチャック部材60の押し込み方向に案内溝42との掛り代を次第に増加させる形態とされているため、押し込み深さが増すにつれチャック部材60の移動姿勢の安定性が高められる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態とは逆に、係合溝が筒部に形成され、係合突部が押圧部材に形成される構成であってもよい。
(2)上記実施形態とは逆に、案内突部が筒部の内周面に形成され、案内溝がチャック部材の外周面に形成される構成であってもよい。
(3)電線は、芯線と、芯線の外周を覆う絶縁層と、絶縁層の外周を包囲する編組線と、この編組線の外周を覆うシース(被覆)とからなるシールド電線であってもよい。
(4)押圧部材の内周面と筒部の外周面とにねじ構造(雌ねじと雄ねじ)が形成され、押圧部材が筒部にねじ込まれて前進することにより、チャック部材が筒部内に押し込まれる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…電線
20…端子金具
30…ブラケット
31…筒部
32…取付部
37…奥壁
41…テーパ面
42…案内溝
43…係合突部
60…チャック部材
66…案内突部
70…ゴム栓
80…シールリング
90…押圧部材
94…係合溝
100…機器(取付対象)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が挿通される筒部を有するとともに、前記筒部に一体に連結されて取付対象に取り付けられる取付部を有するブラケットと、
前記筒部内に挿入され、その挿入深さが増すことにより、前記筒部の内周面及び前記電線の外周面に緊密に当接して、前記電線に対する前記ブラケットの変位を規制するチャック部材とを備えることを特徴とする電線の端末構造。
【請求項2】
前記電線の外周に嵌着され、かつ前記筒部内に挿入されるゴム栓を備え、前記チャック部材が前記筒部内に深く挿入されることにより、前記ゴム栓が前記チャック部材と前記筒部の奥壁との間に圧縮される請求項1記載の電線の端末構造。
【請求項3】
前記チャック部材を押圧可能な押圧部材を備え、前記押圧部材と前記筒部のいずれか一方には、係合溝が形成され、他方には、前記係合溝に進入する係合突部が形成され、前記押圧部材が前記係合溝の延出方向に回動されることにより、前記係合突部が前記係合溝に沿って変位して、前記チャック部材が前記筒部内に押し込まれる請求項1又は2記載の電線の端末構造。
【請求項4】
前記チャック部材の外周面と前記筒部の内周面のいずれか一方には、案内突部が形成され、他方には、案内溝が形成され、前記押圧部材の回動操作に伴って、前記案内突部が前記案内溝の溝面を摺動することにより、前記チャック部材が軸方向に移動案内される請求項3記載の電線の端末構造。
【請求項5】
前記案内溝が前記チャック部材の押し込み方向にその深さを次第に増加させる形態とされ、前記案内突部が前記チャック部材の押し込み方向に前記案内溝との掛り代を次第に増加させる形態とされている請求項4記載の電線の端末構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−38421(P2012−38421A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174390(P2010−174390)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】