説明

電線皮剥ぎ装置及び電線皮剥ぎ方法

【課題】 細径の電線や被覆の薄い電線でも、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能な電線皮剥ぎ装置及び電線皮剥ぎ方法を提供すること。
【解決手段】 電線皮剥ぎ装置1は、第1のロードセル21,22と第2のロードセル23,24を有する。ロードセル21,22は、ブレード7,8を電線10に切り込ませる際に、ブレード7.8にかかる切込時荷重を検出する。ロードセル23,24は、ブレード7,8を被覆11に切り込ませた状態で端末10a側へ横移動させる際に、ブレード7,8にかかる横移動時荷重を検出する。これら検出した荷重に基づき、皮剥ぎ状態についての良否判定をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯線が被覆された電線を皮剥ぎする電線皮剥ぎ装置及び電線皮剥ぎ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電線皮剥ぎ装置では、芯線が被覆された電線に、その端末から皮剥ぎ長さ離れた位置にて一対のブレードを切り込ませた後、そのまま一対のブレードを端末側へ横移動させて被覆を所定の皮剥ぎ長さ(ストリップ長さ)にわたって皮剥ぎする。このような皮剥ぎ加工はある長さに切断された電線が1本ずつ順に搬送される度になされ、皮剥ぎ加工を終了した電線は、その芯線に端子を圧着する圧着機へ順に搬送される。このような電線皮剥ぎ装置では、図12(B)〜(F)に示すような皮剥ぎ不良が発生する。
【0003】
図12(A)は、被覆101の皮剥ぎが正常になされ、全ての芯線102が所定の皮剥ぎ長さにわたって剥き出しになっている皮剥ぎ良(「ストリップ良品」)の電線100を示している。図12(B)は、ブレードの切り込み深さが大き過ぎたために、ブレードにより芯線102に傷103を付けてしまった皮剥ぎ不良(「芯線傷」)の電線100を示している。図12(C)は、ブレードの切り込み深さが大き過ぎたために、ブレードを端末側へ横移動させる際に外側にある一部の芯線102aが引き出されてしまった皮剥ぎ不良(「芯線引き出し」)の電線100を示している。図12(D)は、ブレードの切り込み深さが図12(B)の場合よりも大きいために、ブレードにより一部の芯線102aが切断されてしまった皮剥ぎ不良(「芯線切れ」)の電線100を示している。図12(E)は、ブレードの切り込み深さが小さ過ぎたために、所定の皮剥ぎ長さの範囲において全ての芯線102が剥き出しにならず、一部の被覆101aが皮剥ぎされずに残ってしまった皮剥ぎ不良(「被覆残余」)の電線100を示している。そして、図12(F)は、ブレードが被覆101に切り込まれなかったために、全ての被覆101が皮剥ぎされずに残ってしまった皮剥ぎ不良(「ストリップ無し」)の電線100を示している。
【0004】
このような皮剥ぎ不良を検出するストリップミス検査装置として、皮剥ぎ不良の検出を光センサを用いて非接触で行う図13に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2の図10参照)。
【0005】
図13に示すストリップミス検査装置200は、電線100の端部の被覆101を皮剥ぎする皮剥ぎ装置300と、皮剥ぎされて剥き出しになった芯線102に端子を圧着する端子圧着機400との間に配置される。このストリップミス検査装置200は、図14に示すように、皮剥ぎ装置300から搬送される皮剥ぎされた電線100の2箇所(剥き出しになった芯線102の部分と被覆101の部分の2箇所)へ光を出射する発光器201,202と、各発光器からの光が入射する受光器203,204とを備える。
【0006】
このストリップミス検査装置200では、各発光器201,202から出射される光が電線100の芯線102の部分と被覆101の部分をそれぞれ通過する時の遮光量(遮光時間)を、各受光器203,204の光電出力を電圧に変換して得る。被覆101の部分による遮光量(図15(A)に示す遮光時間α)に対する、芯線102の部分による遮光量(図15(B)に示す遮光時間β)の比β/αを計算し、その比を予め決められた値と比較することにより、皮剥ぎされた電線の良、不良を判定する。
【0007】
さらに、別の電線皮剥ぎ装置として、皮剥ぎ刃を電線の末端部に向けて相対的に移動させる皮剥ぎ刃相対移動用モータを駆動させることにより得られる該モータにかかるトルク変化データに基づいて、皮剥ぎ状態の良否判定をするものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平6−225423号公報
【特許文献2】特開平7−19819号公報
【特許文献3】特開平11−150825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、皮剥ぎ不良の検出を光センサを用いて非接触で行う上記従来のストリップミス検査装置200では、次のような問題点があった。
【0009】
(1)皮剥ぎ装置300から端子圧着機400への搬送途中である電線100をストリップミス検査装置200に通すため、電線の曲がり癖や搬送時の振動等で電線の皮剥ぎ状態の良、不良について誤判定をすることが多くなる。
【0010】
(2)近年、自動車用電線では、細径化、被覆の薄肉化が進み、被覆の薄肉化により、芯線102の部分より得られた遮光時間値βと被覆101の部分より得られた遮光時間αとの差があまり出なくなってきている。その結果、電線の皮剥ぎ状態についての安定した良否判定を行うのが難しい。
【0011】
また、上記特許文献3に記載された電線皮剥ぎ装置では、皮剥ぎ刃相対移動用モータを駆動させて皮剥ぎ刃を電線の末端部に向けて移動させる際に皮剥ぎ刃相対移動用モータにかかるトルク変化データは、皮剥ぎ刃にかかる荷重以外に、下記の部位での摺動抵抗等の外乱要因による影響分を含んでいる。
(1)皮剥ぎ刃相対移動用モータM−1のボールねじ部分の摺動抵抗。
(2)同モータM−1によって駆動される皮剥ぎ刃ヘッドを前後方向(電線の長手方向)に案内する案内部の摺動抵抗。
(3)皮剥ぎ刃用モータM−2のシャフト部分の回転を、その回転方向を90°変化させて、皮剥ぎ刃ヘッドのナットと螺合したボールねじに伝えるかさ歯車の摺動抵抗。
(4)皮剥ぎ刃ヘッドのナットと螺合したボールねじの摺動抵抗、及び皮剥ぎ刃ヘッドを電線への切り込み方向に案内する案内部の摺動抵抗。
【0012】
ブレード(皮剥ぎ刃)にかかる荷重は非常に小さいため、上記各部位での摺動抵抗等の外乱要因や経時変化により、ブレードにかかる微細な荷重を、刃相対移動用モータにかかるトルク変化データとして正確に検出できない恐れがある。その結果、刃相対移動用モータにかかるトルク変化データに基づいて皮剥ぎ状態の良否判定をすると、良品を不良品と判定したり、その逆の判定をしたり等、誤判定の発生が予想される。このような誤判定の発生は、細径の電線や被覆の薄い電線について皮剥ぎ状態の良否判定をする場合に特に顕著となる。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に着目して為されたもので、その目的は、細径の電線や被覆の薄い電線でも、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能な電線皮剥ぎ装置及び電線皮剥ぎ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、芯線が被覆された電線に、その端末から皮剥ぎ長さ離れた位置にて一対のブレードを切り込ませた後、そのまま一対のブレードを端末側へ電線に対し相対的に横移動させて被覆を皮剥ぎする電線皮剥ぎ装置において、前記一対のブレードを前記電線の被覆に切り込ませる際に前記ブレードにかかる切込時荷重と、前記一対のブレードを前記端末側へ横移動させる際に前記ブレードにかかる横移動時荷重との少なくとも一方を検出する荷重検出手段を備える、ことを特徴とする電線皮剥ぎ装置である。
【0015】
この構成によれば、荷重検出手段により、一対のブレードにかかる切込時荷重と一対のブレードにかかる横移動時荷重との少なくとも一方を検出できる。その切込時荷重は、ブレードが被覆に触れていない状態、被覆に切り込まれている状態、及び芯線に触れている状態によって異なる。また、その横移動時荷重は、被覆に対する一対のブレードの切り込み深さによって異なる。このため、荷重検出手段により検出した切込時荷重と横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、皮剥ぎ状態についての良否判定が可能になる。また、荷重検出手段によりブレードにかかる切込時荷重と横移動時荷重との少なくとも一方を検出する方式であるため、切込時荷重と横移動時荷重は、ブレードにかかる荷重以外の外乱要因による影響分が少ない。このため、ブレードにかかる微細な荷重を正確に検出することができ、検出した荷重に基づいて皮剥ぎ状態についての良否判定を行うことができる。したがって、細径の電線(細径線)や被覆の薄い電線(薄肉線)でも、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能になる。
【0016】
第1の態様において、前記荷重検出手段は、前記切込時荷重を検出する第1の荷重センサと、前記横移動時荷重を検出する第2の荷重センサとを含むことを特徴とする。皮剥ぎ不良(ストリップミス)には大きく分けて、次の二つのパターンがある。一つのパターンは、一対のブレードを電線の被覆に切り込ませる際に、ブレードの切り込み深さが大き過ぎて、ブレードにより芯線に傷を付けてしまうような皮剥ぎ不良(「芯線傷」)である。もう一つのパターンは、ブレードの切り込み深さが小さ過ぎるため、ブレードを被覆に切り込ませたまま端末側へ横移動させる際に、電線端部の皮剥ぎする範囲において一部の被覆が皮剥ぎされずに残ってしまうような皮剥ぎ不良(「被覆残余」)である。
【0017】
特許文献1や特許文献2に記載されているような皮剥ぎ不良の検出を、光センサを用いて行う従来のストリップミス検出装置では、上記芯線傷の検出は、困難である。
【0018】
この構成によれば、第1の荷重センサにより切込時荷重を検出することができるとともに、第2の荷重センサにより横移動時荷重を検出することができる。上記芯線傷の時に検出される切込時荷重は皮剥ぎ良の時に検出される切込時荷重より大きいので、検出した切込時荷重を皮剥ぎ良の時の切込時荷重と比較することで、芯線傷の有無を判定することができる。また、上記被覆残余の時に検出される横移動時荷重は皮剥ぎ良の時に検出される横移動時荷重より小さいので、検出した横移動時荷重を皮剥ぎ良の時の横移動時荷重と比較することで、被覆残余の有無を判定することができる。
【0019】
さらに、ブレードにかかる切込時荷重及び横移動時荷重を第1の荷重センサ及び第2の荷重センサによりそれぞれ検出する構成である。このため、ブレードと第1の荷重センサの距離、及びブレードと第2の荷重センサの距離をそれぞれ短くすることができると共に、ブレードと各荷重センサとの間に介在する構成部品を少なくすることができる。これにより、各荷重センサにより検出される切込時荷重及び横移動時荷重は、ブレードにかかる荷重以外の外乱要因による影響分の少ないものとなる。したがって、ブレードにかかる微細な切込時荷重や横移動時荷重荷重を正確に検出することができ、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能になる。
【0020】
第1の態様において、前記第1の荷重センサにより検出した前記切込時荷重と前記第2の荷重センサにより検出した前記横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、前記端部の被覆が皮剥ぎされた前記電線の皮剥ぎ状態の良否を判定する良否判定手段を有することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、良否判定手段により、検出した切込時荷重と横移動時荷重との少なくとも一方を基準値と比較する等の判定方法で、電線の皮剥ぎ状態の良否を判定することができる。また、上記従来のストリップミス検出装置では、電線皮剥ぎ装置から端子圧着機への搬送途中で電線をストリップミス検査装置に通すため、電線の曲がり癖や搬送時の振動等で電線の皮剥ぎ状態の良、不良について誤判定をすることが多くなる。これに対して、この構成によれば、電線皮剥ぎ装置が良品判定手段を備えており、停止状態にある電線についてその皮剥ぎ状態の良否を判定できるので、電線の皮剥ぎ状態の良、不良について誤判定を減らすことができる。
【0022】
第1の態様において、前記第1の荷重センサにより検出される前記切込時荷重の検出値と、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さを自動設定する切り込み深さ設定手段を有することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、第1の荷重センサにより検出される切込時荷重の検出値と被覆に対するブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、被覆に対するブレードの切り込み深さを自動設定するので、ブレードを被覆に自動設定された最適な切り込み深さまで切り込ませることができる。これにより、電線が細径線や薄肉線でもブレードを被覆に切り込ませる際に上記芯線傷の発生をより一層確実に抑えることができる。また、被覆に対するブレードの適正な切り込み深さを自動設定できることで、上記被覆残余等の皮剥ぎ不良を減らすことができる。
【0024】
第1の態様において、前記ブレードの交換を知らせるブレード交換報知手段を有し、前記切り込み深さ設定手段は、前記ブレードの切り込み深さを自動設定する際に、適正な切り込み深さが有るか否かを判断し、適正な切り込み深さが無いと判断した場合、前記ブレード交換報知手段を動作させることを特徴とする。
【0025】
ブレードが磨耗してくると、ブレードの被覆に対する切り込み深さ方向への移動量と検出される切込時荷重との関係は、ブレードが磨耗していない場合とは異なってくる。ブレードの磨耗が進むにつれて、自動設定できる切り込み深さの範囲が狭くなっていく。この構成によれば、切り込み深さ設定手段は、ブレードの磨耗が進み、適正な切り込み深さが無いと判断した場合、ブレード交換報知手段を動作させるので、ブレードの交換を促すことができる。
【0026】
本発明の第2の態様は、芯線が被覆された電線の被覆に、その端末から皮剥ぎ長さ離れた位置にて一対のブレードを切り込ませた後、そのまま一対のブレードを端末側へ電線に対し相対的に横移動させて被覆を皮剥ぎする電線皮剥ぎ方法において、前記一対のブレードを前記電線の被覆に切り込ませる際に前記ブレードにかかる切込時荷重と、前記一対のブレードを前記端末側へ横移動させる際に前記ブレードにかかる横移動時荷重との少なくとも一方を検出する、ことを特徴とする電線皮剥ぎ方法である。
【0027】
この構成によれば、検出する切込時荷重と横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、皮剥ぎ状態についての良否判定が可能になる。また、切込時荷重と横移動時荷重はブレードにかかる荷重以外の外乱要因による影響分が少ないため、ブレードにかかる微細な荷重を正確に検出することができ、検出した荷重に基づいて皮剥ぎ状態についての良否判定を行うことができる。したがって、細径の電線(細径線)や被覆の薄い電線(薄肉線)でも、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能になる。
【0028】
第2の態様において、検出した前記切込時荷重と前記横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、前記端部の被覆が皮剥ぎされた前記電線の皮剥ぎ状態の良否を判定する、ことを特徴とする。この構成によれば、検出した切込時荷重と横移動時荷重との少なくとも一方を、基準値と比較する等の判定方法で電線の皮剥ぎ状態の良否を判定することができる。特に、芯線傷の有無を判定したり、被覆残余の有無を判定することができる。また、電線の皮剥ぎ状態の良、不良について誤判定を減らすことができる。
【0029】
第2の態様において、検出した前記切込時荷重と前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さを自動設定する、ことを特徴とする。この構成によれば、検出した切込時荷重と被覆に対するブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、被覆に対するブレードの適正な切り込み深さをマップを参照する等して自動設定するので、ブレードを被覆に自動設定された最適な切り込み深さまで切り込ませることができる。これにより、電線が細径線や薄肉線でも上記芯線傷の発生をより一層確実に抑えることができるとともに、上記被覆残余等の皮剥ぎ不良を減らすことができる。
【0030】
第2の態様において、前記ブレードの切り込み深さを自動設定する際に、適正な切り込み深さが有るか否かを判断し、適正な切り込み深さが無いと判断した場合、前記ブレードの交換を知らせることを特徴とする。この構成によれば、ブレードの磨耗が進み、適正な切り込み深さが無いと判断した場合、ブレードの交換を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係る電線皮剥ぎ装置を具体化した各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1および電線皮剥ぎ方法を図1〜図8に基づいて説明する。図1は電線皮剥ぎ装置1の概略構成を示し、図2は電線皮剥ぎ装置1の電気的構成を示している。
【0032】
図1に示す電線皮剥ぎ装置1は、X軸方向(図の左右方向)に移動可能なスライドテーブル2と、このスライドテーブル2の雌ねじ部(図示省略)に螺合したボールねじ3と、このボールねじ3を正逆転させる横移動用モータM1とを有する。スライドテーブル2は、図示を省略した基盤上に、X軸方向に移動可能に支持されている。横移動用モータM1は皮剥ぎ長さ設定用のモータである。スライドテーブル2は、横移動用モータM1が正転駆動されるとボールねじ3が正転してX軸方向の左方へ移動し、移動用モータM1が逆転駆動されるとボールねじ3が逆転してX軸方向の右方へ移動するようになっている。
【0033】
また、電線皮剥ぎ装置1は、スライドテーブル2から垂直上方へ延び、スライドテーブル2に回転可能に支持されたボールねじ4と、このボールねじ4にそれぞれ螺合した雌ねじ部(図示省略)を有するブレード可動用プレート5,6と、ボールねじ4を正逆転させる切込用モータM2とを有する。ブレード可動用プレート5,6の左側端部には、皮剥ぎ用の一対のブレード7,8がそれぞれ固定されている。切込用モータM2が正転駆動されると、ボールねじ4が正転してブレード7,8がY軸方向で互いに近づく方向に、つまりブレード7,8が切り込み深さ方向(図4(A)の矢印方向)に移動する。この移動量をx1とする(図6(A)〜(C)参照)。そして、切込用モータM2が逆転駆動されると、ボールねじ4が逆転してブレード7,8がY軸方向の互いに離れる方向に、つまりブレード7,8が上記切り込み深さ方向とは逆の方向に移動するようになっている。
【0034】
さらに、電線皮剥ぎ装置1は、第1の荷重センサとしての第1のロードセル21,22と、第2の荷重センサとしての第2のロードセル23,24とを有する。
【0035】
第1のロードセル21,22は、ブレード可動用プレート5,6にそれぞれ片持ち支持された起歪部25,26上に配置されている。起歪部25,26には、ブレード7,8の基端部がそれぞれ固定されている。このように配置された第1のロードセル21,22は、ブレード7,8を上記切り込み深さ方向に移動させて電線10の被覆11に切り込ませる際に、ブレード7.8にかかる切込時荷重(図6(A)〜(C)に示す荷重F)をそれぞれ検出するようになっている。
【0036】
第2のロードセル23,24は、ブレード可動用プレート5,6の左側端部(起歪部)上に配置されている。第2のロードセル23,24は、ブレード7,8を皮剥ぎ長さ位置にて被覆11に切り込ませた後、そのままの状態でブレード7,8を電線10の端末10a側へ横移動させる際に、ブレード7,8にかかる横移動時荷重(図8(A)〜(C)に示す荷重F)をそれぞれ検出するようになっている。
【0037】
即ち、第2のロードセル23,24はそれぞれ、ブレード7,8を被覆11に切り込ませた状態で端末10a側へ横移動させる際に、ブレード可動用プレート5,6の各左側端部に図1で左方向へ作用する横移動時荷重(引っ張り荷重)を検出するようになっている。なお、皮剥ぎ長さ位置にあるブレード7,8を電線10の端末10a側へ横移動させる際におけるブレード7,8の移動量をx2とする(図8(A)〜(C)参照)。
【0038】
さらに、電線皮剥ぎ装置1は、図2に示すように、制御ユニット30と、横移動用モータM1を駆動する横移動用モータ駆動回路31と、切込用モータM2を駆動する切込用モータ駆動回路32と、不良品報知ランプ33とを有する。
【0039】
制御ユニット30は、CPU34と、ROM35と、RAM36と、図示を省略したバックアップメモリ及びインターフェイス回路とを備える。CPU34は、第1のロードセル21,22により検出される切込時荷重を表す信号と、第2のロードセル23,24により検出される横移動時荷重を表す信号とに基づき、図3に示す「電線の皮剥ぎ状態判定処理」を実行する。ROM35には、「電線の皮剥ぎ状態判定処理」に用いられる制御プログラムなどが予め記憶されている。RAM36は、「電線の皮剥ぎ状態判定処理」において第1のロードセル21,22により検出される切込時荷重や第2のロードセル23,24により検出される横移動時荷重などを一時的に記憶する。
【0040】
このような構成を有する電線皮剥ぎ装置1では、次のようにして電線10の皮剥ぎ加工を行う。まず、芯線12(図4(A)参照)が被覆11で被覆された電線10が図1に示す皮剥ぎ加工位置に搬送される。この後、一対のブレード7,8を電線10の被覆11に端末10aから皮剥ぎ長さL離れた位置にて切り込ませる(図4(A)参照)。次に、一対のブレード7,8を、図4(B)に示すように被覆11に予め設定された切り込み深さまで切り込ませる。次に、一対のブレード7,8を被覆11に切り込ませたまま、ブレード7,8を端末10a側へ(図4(B)の矢印方向へ)電線10に対し相対的に横移動させる。これにより、被覆11の端部11aが図4(C)に示すように皮剥ぎ長さLだけ皮剥ぎされる。
【0041】
このような電線10の皮剥ぎ加工で用いる「予め設定された切り込み深さ」は、図2では図示を省略したバックアップメモリに記憶されており、電源オフ後もその記憶内容が消えないようにする。そして、電線皮剥ぎ装置1の電源を投入した時には、バックアップメモリに記憶されている切り込み深さの設定値を読み出せるようになっている。
【0042】
このような電線10の皮剥ぎ加工において、ブレード7,8を被覆11に切り込ませる際に、ブレード7,8にかかる切込時荷重は、ブレード7,8が被覆11に触れていない状態、被覆11に切り込まれている状態、及び芯線12に触れている状態によってそれぞれ異なる。
【0043】
つまり、ブレード7,8の切り込み深さ方向への移動量x1が小さくて、ブレード7,8が被覆11に触れていない間では(図5(A)参照)、ブレード7,8にかかる切込時荷重(荷重F)は、図6(A)に示すように零である。また、移動量x1がさらに大きくなり、ブレード7.8が被覆11に突き当たってから被覆11に切り込まれるまでの間では、切込時荷重が急激に増大して第1の極大値(閾値)F1に達する(図6(B)参照)。この後、ブレード7,8が被覆11に実際に切り込まれ始めると、切込時荷重は極大値F1から緩やかに減少していく。また、移動量x1がさらに大きくなって、ブレード7.8が図5(C)に示すように芯線12に突き当たってから芯線12に切り込まれるまでの間では、切込時荷重が急激に増大して第2の極大値(閾値)F2に達する(図6(C)参照)。この後、ブレード7,8が芯線12に実際に切り込まれ始めると、切込時荷重は極大値F2から緩やかに減少していく。そして、移動量x1がさらに大きくなり、ブレード7.8によって芯線12の一部(図11(D)に示す外側にある芯線12a)が切断されると、切込時荷重が急激に減少する(図6(C)参照)。
【0044】
一方、上述した電線10の皮剥ぎ加工において、一対のブレード7,8を被覆11に切り込ませたまま端末10a側へ電線10に対し相対的に横移動させる際に、ブレード7,8にかかる横移動時荷重(荷重F)は、ブレード7,8の被覆11への切り込み深さによって異なる。
【0045】
つまり、その切り込み深さが小さいために、図7(A)に示す皮剥ぎ不良(「被覆残余」)が発生する場合には、ブレード7,8にかかる横移動時荷重は、横移動の初期に最大値F3となり、その後は減少する(図8(A)参照)。また、その切り込み深さが適正であり、図7(B)に示す皮剥ぎ良(「ストリップ良品」)となる場合には、、ブレード7,8にかかる横移動時荷重は、横移動の初期に最大値F4(F4>F3)となり、その後は減少する(図8(B)参照)。そして、その切り込み深さが大き過ぎるために、図7(C)に示す皮剥ぎ不良(「芯線引き出し」)が発生する場合には、ブレード7,8にかかる横移動時荷重は、横移動の初期に最大値F5(F5>F4)となり、その後は減少する(図8(C)参照)。
【0046】
そこで、本実施形態では、ブレード7,8を被覆11に切り込ませる際に、ブレード7,8にかかる切込時荷重を第1のロードセル21,22により検出し、検出した切込時荷重が第2の極大値(閾値)F2に達した場合には、「皮剥ぎ不良」と判定する。また、ブレード7,8を被覆11に切り込ませたまま端末10a側へ電線10に対し相対的に横移動させる際に、ブレード7,8にかかる横移動時荷重を第2のロードセル23,24により検出し、検出した横移動時荷重の最大値が、「良品判定範囲」内に無い場合には「皮剥ぎ不良」と判定する。ここで、「良品判定範囲」は、上記最大値F4を中心とする範囲で、上記最大値F3より大きい荷重値から、上記最大値F5より小さい荷重値までの範囲を言う。
【0047】
このようにして皮剥ぎ状態の良、不良を判定する「電線の皮剥ぎ状態判定処理」を、CPU34が実行する。以下、電線皮剥ぎ装置1においてCPU34が実行する「電線の皮剥ぎ状態判定処理」を図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0048】
まず、図3のステップS100では、電線10が図1に示す皮剥ぎ加工位置に搬送されたか否かを判定する。ステップS100の判定結果がNoの間はステップS100を繰り返し、その判定結果がYesになると、ステップS101へ進む。
【0049】
なお、ここにいう「皮剥ぎ加工位置」は、一定長さに切断された後、電線皮剥ぎ装置1に順次搬送されてくる電線10の端部がブレード7.8の移動軌跡内にあり、電線の端末10aが位置決め部材(図示省略)に突き当たっている位置である。また、電線10が皮剥ぎ加工位置に搬送されたか否かの判定は、例えば搬送されてくる電線10の端末10aが前記位置決め部材に突き当たったか否かを電気的に検出することで行う。
【0050】
そして、ブレード7.8は、順次搬送されてくる電線10の皮剥ぎ加工を行う度に、横移動用モータM1を駆動制御することで、皮剥ぎ加工位置に搬送された電線10の端末10aから皮剥ぎ長さL離れた位置に移動される。つまり、制御ユニット30から横移動用モータ駆動回路31へモータ制御信号を出力して横移動用モータM1を駆動制御することで、ブレード7.8は、端末10aから皮剥ぎ長さL離れた位置まで電線10の長手方向(X軸方向)に移動される。
【0051】
ステップS101では、一対のブレード7,8を電線10に、その端末10aから皮剥ぎ長さL離れた位置にて切り込ませ、被覆11に切れ目を入れる(図5(B)参照)。
【0052】
このとき、制御ユニット30から切込用モータ駆動回路32へモータ制御信号を出力して切込用モータM2を駆動制御させることで、ブレード7,8を切り込み深さ方向への移動量x1が「0」の原点位置から切り込み深さ方向(図5(A)の矢印方向)へ移動させていく。一対のブレード7,8が、切込用モータM2の回転により、前記原点位置から切り込み深さ方向に予め設定された移動量だけ移動すると、切込用モータM2は停止される。
【0053】
この後ステップS102へ進む。ステップS102では、上記ステップ101において一対のブレード7,8を電線10の被覆11に切り込ませる際に、各ブレード7,8にかかる切込時荷重を第1のロードセル21,22により検出し、記憶する。ここでは、第1のロードセル21,22により検出した切込時荷重を、例えば一定時間ごとにRAM36に順次記憶する。
【0054】
この後、ステップS103へ進み、各ブレード7,8を被覆11に切り込ませまま(図5(B)参照)、各ブレード7.8を端末10a側へ(図5(B)の矢印方向へ)電線10に対し相対的に横移動させる。
【0055】
このとき、制御ユニット30から横移動用モータ駆動回路31へモータ制御信号を出力して横移動用モータM1を駆動制御することで、ブレード7,8を、端末10aから皮剥ぎ長さL離れた位置から端末10a側へ電線10に対し相対的に横移動させる。この横移動により、電線10の端部における被覆11が、ブレード7,8によって所定の皮剥ぎ長さLだけ皮剥ぎされる(図4(C)参照)。
【0056】
この後ステップS104へ進む。このステップS104では、上記ステップ103においてブレード7,8を電線10の端末10a側へ横移動させる際に、各ブレード7,8にかかる横移動時荷重を第2のロードセル23,24により検出し、記憶する。ここでは、第2のロードセル23,24により検出した横移動時荷重を、例えば一定時間ごとにRAM36に順次記憶する。
【0057】
この後ステップS105へ進む。ステップ105では、ステップS102で検出した切込時荷重の最大値、即ち検出してRAM36に順次記憶した複数の切込時荷重のうちの最大の切込時荷重が第2の極大値(閾値)F2(図6(C)参照)に達した否かを判定する。
【0058】
ステップS105の判定結果がYesの場合は、ブレード7.8が図5(C)に示すように芯線12に突き当たって芯線12に切り込まれたために切込時荷重が第2の極大値(閾値)F2に達したと判定できるので、ステップS106へ進み、「皮剥ぎ不良」の判定をし、皮剥ぎ不良信号を出力する。この皮剥ぎ不良信号が不良品報知ランプ33へ出力されることで、不良品報知ランプ33が点灯し、この点灯により、皮剥ぎ加工を行った電線10が皮剥ぎ不良であることを作業者は認識できる。この後、図3に示す処理を一旦終了する。
【0059】
一方、ステップS105の判定結果がNoの場合、ステップS107へ進む。ステップS107では、ステップS104で検出した横移動時荷重の最大値、即ち検出してRAM36に順次記憶した複数の横移動時荷重のうちの最大の横移動時荷重が上記「良品判定基準範囲」内にあるか否かを判定する。
【0060】
ステップS107でNoの場合は、ブレード7,8の切り込み深さが小さいために図7(A)に示す「被覆残余」が発生する場合、或はその切り込み深さが大き過ぎるために図7(C)に示す「芯線引き出し」が発生する場合のいずれかであるので、ステップS106へ進む。このステップS106では、「皮剥ぎ不良」の判定をし、皮剥ぎ不良信号を出力する。この皮剥ぎ不良信号が制御ユニット30から不良品報知ランプ33へ出力されることで、不良品報知ランプ33が点灯し、この点灯により、皮剥ぎ加工を行った電線10が皮剥ぎ不良であることを作業者は認識できる。この後、図3に示す処理を一旦終了する。
【0061】
一方、ステップS107でYesの場合は、ブレード7,8の切り込み深さが適正であり、図7(B)に示す「ストリップ良品」となる場合であるので、一旦終了する。この場合、不良品報知ランプ33が消灯したままで点灯されないので、作業者は今皮剥ぎ加工を行った電線10の皮剥ぎ状態が良(正常)であることを認識できる。この後、図3に示す処理を一旦終了する。
【0062】
以上のステップS100〜S107は、電線10が皮剥ぎ加工位置に搬送される度に繰り返される。
【0063】
なお、第1実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1において、第1の荷重センサ21,22により検出した切込時荷重と第2の荷重センサ23,24により検出した横移動時荷重とに基づき、電線10の皮剥ぎ状態の良否を判定する良否判定手段は、制御ユニット30のCPU34によって構成されている。

以上説明した第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。 ・被覆11への切り込み時にブレード7,8にかかる荷重F(切込時荷重)は、各ブレードが被覆11に触れていない状態、被覆11に切り込まれている状態、及び芯線12に触れている状態によって異なる。また、各ブレード7,8を被覆11に切り込ませまま、端末10a側へ横移動させる際にブレード7,8にかかる荷重F(横移動時荷重)は、被覆11に対する各ブレードの切り込み深さによって異なる。このため、第1の荷重センサ21,22により検出した切込時荷重と第2の荷重センサ23,24により検出した横移動時荷重とに基づき、皮剥ぎ状態についての良否判定ができる。
【0064】
・切込時荷重と横移動時荷重は、ブレード7,8にかかる荷重F以外の外乱要因による影響分が少ない。このため、ブレード7,8にかかる微細な荷重を正確に検出することができ、検出した荷重に基づいて皮剥ぎ状態についての良否判定を行うことができる。したがって、細径の電線(細径線)や被覆の薄い電線(薄肉線)でも、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能になる。
【0065】
・ブレード7,8にかかる切込時荷重及び横移動時荷重を第1の荷重センサ21,22及び第2の荷重センサ23,24によりそれぞれ検出する構成である。このため、ブレード7,8と第1の荷重センサ21,2の距離、及びブレードと第2の荷重センサ23,24の距離をそれぞれ短くすることができると共に、ブレードと各荷重センサとの間に介在する構成部品を少なくすることができる。これにより、各荷重センサにより検出される切込時荷重及び横移動時荷重は、ブレードにかかる荷重以外の外乱要因による影響分の少ないものとなる。したがって、ブレードにかかる微細な切込時荷重や横移動時荷重荷重を正確に検出することができ、皮剥ぎ状態についての誤判定の少ない安定した良否判定が可能になる。
【0066】
・上記芯線傷(図11(B)参照)の時に検出される切込時荷重は皮剥ぎ良(図7(B)参照)の時に検出される切込時荷重より大きいので、検出した切込時荷重を皮剥ぎ良の時の切込時荷重と比較することで、芯線傷の有無を判定することができる。
【0067】
・上記被覆残余(図7(A)参照)の時に検出される横移動時荷重は皮剥ぎ良(図7(B)参照)の時に検出される横移動時荷重より小さいので、検出した横移動時荷重を皮剥ぎ良の時の横移動時荷重と比較することで、被覆残余の有無を判定することができる。
【0068】
・上記特許文献1や特許文献2に記載されている従来のストリップミス検出装置のように皮剥ぎ不良の検出を光センサを用いて行うのではなく、検出した切込時荷重と横移動時荷重とに基づいて皮剥ぎ状態についての良否判定を行う。このため、細径の電線(細径線)や被覆の薄い電線(薄肉線)でも、芯線傷の有無を判定できるとともに、被覆残余の有無を判定することができる。
【0069】
・上記従来のストリップミス検出装置では、皮剥ぎ装置300から端子圧着機400への搬送途中である電線をストリップミス検査装置に通すようにしている。これに対して、本実施形態では、電線皮剥ぎ装置1に搬送されて停止状態にある電線10についてその皮剥ぎ状態の良否を、同装置1に搭載された第1のロードセル21,22及び第2のロードセル23,24の各検出値に基づいて行う。このため、上記従来のストリップミス検出装置のように電線の曲がり癖や搬送時の振動等が原因で電線の皮剥ぎ状態の良、不良について誤判定をするのを減らすことができる。
【0070】
・切込時荷重を検出する第1のロードセル21,22と横移動時荷重を検出する第2のロードセル23,24とが搭載された荷重センサ搭載型の電線皮剥ぎ装置1を実現している。そのため、上記特許文献1,2等に記載された従来技術のように、皮剥ぎ装置と端子圧着機との間にストリップミス検査装置を配置する場合と較べて、電線の皮剥ぎ加工から端子の圧着加工までの加工スペースを小さくすることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1および電線皮剥ぎ方法を図9及び図10に基づいて説明する。図9は本実施形態で行う「切り込み深さ自動設定処理」を示すフローチャートであり、図10(A)及び(B)は「切り込み深さ自動設定処理」を説明するための模式図である。
【0071】
上記第1実施形態では、皮剥ぎ加工位置に順次搬送されてくる電線10に対して皮剥ぎ加工を行う際に、ブレード7,8の切り込み深さを作業者が予め設定しておき、ブレード7,8を電線10の被覆11に端末10aから皮剥ぎ長さL離れた位置にて、予め設定された切り込み深さまで切り込ませる。
【0072】
これに対して、第2実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1では、皮剥ぎ加工を開始する前に、装置の電源投入後に最初に搬送される第1番目の電線10を使って、被覆11に対するブレード7,8の切り込み深さAを自動設定する。
【0073】
そのために、第2実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1は、第1のロードセンサ21,22により検出される切込時荷重の検出値と、被覆11に対するブレード7,8の切り込み深さ方向への移動量x1とに基づき、切り込み深さAを自動設定する切り込み深さ設定手段を有する。
【0074】
なお、以下の説明で、図10(A)に示すように、ブレード7,8をx1=0の原点位置から切り込み深さ方向へ移動させる際のブレード7,8の移動量を、「ブレード移動量」と呼ぶ。そして、本実施形態では、「切り込み深さA」を自動設定するために、図10(B)に示すようにブレード7,8を切り込み深さAの位置まで被覆11に切り込ませるための「ブレード移動量xd」(図10(A)参照)を自動設定する。
【0075】
上記切り込み深さ設定手段は、制御ユニット30のCPU34によって構成される。つまり、本実施形態では、CPU34は、上述した「電線の皮剥ぎ状態判定処理」を第2番目以降の電線10に対して実行するとともに、第1番目の電線10に対して、図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」を実行するようになっている。
【0076】
この「切り込み深さ自動設定処理」により自動設定した「ブレード移動量xd」は、図2では図示を省略した上記バックアップメモリに記憶させておき、電源オフ後もその記憶内容が消えないようになっている。そして、バックアップメモリに記憶されたブレード移動量xdは、第1番目の電線10の後に搬送される第2番目以降の電線10の皮剥ぎ加工の際に、読み出して用いられる。
【0077】
以下、制御ユニット30のCPU34が実行する「切り込み深さ自動設定処理」を、図9のフローチャート及び図10に基づいて説明する。
【0078】
まず、ステップS200では、電線皮剥ぎ装置1の電源が投入されたか否かを判定する。この判定結果がNoの場合、図9に示す処理を一旦終了する。
【0079】
ステップS200の判定結果がYesの場合、ステップS201へ進む。ステップS201では、切り込み深さAに対応するブレード移動量xdが上記バックアップメモリに記憶されているか否かを判定する。ステップS201の判定結果がYesの場合、つまりブレード移動量x1が既に自動設定されて上記バックアップメモリに記憶されている場合、ブレード移動量x1の自動設定は不要であるので、図9に示す処理を一旦終了する。
【0080】
一方、ステップS201の判定結果がNoの場合、ステップS202へ進む。ステップS202では、図3に示す上記ステップS100と同様に、電線10が皮剥ぎ加工位置に搬送されたか否かを判定する。ここで、皮剥ぎ加工位置に搬送されたか否かを判定される電線10は、電源投入直後に最初に搬送される第1番目の電線10である。ステップS202の判定結果がNoの場合、ステップS202に戻る。
【0081】
ステップS202の判定結果がYesの場合、ステップS203へ進み、ブレード7,8を電線10に切り込ませる。このとき、制御ユニット30から切込用モータ駆動回路32へモータ制御信号を出力して切込用モータM2を駆動制御させることで、図10(A)の一点鎖線で示す原点位置(X1=0)にあるブレード7,8を切り込み深さ方向へ移動させていく。
【0082】
次に、ステップS204へ進み、図3に示す上記ステップS102と同様に、ブレード7,8にかかる荷重F(切込時荷重)を検出し、記憶する。
【0083】
次に、ステップS205へ進み、図3に示す上記ステップS105と同様に、検出した切込時荷重が第2の極大値(閾値)F2(図6(c)参照)に達したか否かを判定する。この判定結果がNoの場合、ステップS203に戻り、ブレード7,8を切り込み深さ方向へさらに移動させる。
【0084】
ステップS205の判定結果がYesになった場合、即ちブレード7,8が図10(A)に示すように芯線12に突き当たって切込時荷重が閾値F2に達した場合、ステップS206へ進む。なお、ステップS205の判定結果がYesになった時点で、切込用モータM2を停止させる。
【0085】
ステップS206では、切込時荷重が閾値F2に達した時のブレード移動量x1(=xmax)を読み込み、図2では図示を省略したバックアップメモリに記憶する。ブレード7,8が電線10の芯線12に突き当たった状態を図10(A)の実線で示してある。
【0086】
次に、ステップS207へ進み、ブレード移動量xmaxから一定の移動量xcを減算して、切り込み深さAに対応するブレード移動量xdを求め、このブレード移動量xdを上記バックアップメモリに記憶する。ここで、「一定の移動量xc」は、既知である被覆11の厚さBからその移動量xcを減算して得られる切り込み深さAが図7(B)に示すストリップ良品を得るのに最適な値となるように設定されている。
【0087】
ステップS207の終了後、図9に示す処理を一旦終了する。
【0088】
このようにして図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」により自動設定され、上記バックアップメモリに記憶されたブレード移動量xdは、第2番目以降の電線10の皮剥ぎ加工の際に、バックアップメモリから読み出して用いられる。
【0089】
以上説明した第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
【0090】
・第1番目の電線10を使って、最適な切り込み深さAに対応するブレード移動量xdを自動設定することができる。自動設定されてバックアップメモリに記憶されたブレード移動量xdは、第2番目以降の電線10の皮剥ぎ加工の際に、バックアップメモリから読み出して用いることができる。
【0091】
このため、第2番目以降の電線10の皮剥ぎ加工の際に、ブレード7,8を図10(A)の一点鎖線で示す原点位置から実線で示す位置まで常に一定のブレード移動量xdだけ切り込み深さ方向へ移動させることができる。したがって、電線10の皮剥ぎ加工において、被覆11に対するブレード7,8の切り込み深さを、図10(B)に示すように常に最適な切り込み深さAに自動設定することができる。
【0092】
・被覆11に対するブレード7,8の切り込み深さを、常に最適な切り込み深さAに自動設定できるので、電線10が細径線や薄肉線でもブレード7,8を被覆11に切り込ませる際に芯線傷の発生をより一層確実に抑えることができる。
【0093】
・被覆11に対するブレード7,8の適正な切り込み深さAを自動設定できることで、上記被覆残余等の皮剥ぎ不良を減らすことができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1および電線皮剥ぎ方法を図11に基づいて説明する。
【0094】
ブレード7,8が磨耗してくると、図6(C)に示すブレード移動量x1とブレード7,8にかかる荷重F(切込時荷重の検出値)との関係は、ブレードが磨耗していない場合とは異なってくる。
【0095】
具体的には、ブレード7,8が磨耗していない場合、図9に示す上記「切り込み深さ自動設定処理」のステップS203においてブレード7,8を原点位置(X1=0)から切り込み深さ方向へ移動させると、ブレード移動量x1とブレード7,8にかかる荷重Fとの関係は図6(C)に示すようになる。例えば、ブレード7,8を原点位置からブレード移動量xmax(図10(A)参照)だけ移動させると、ブレード7,8が電線10の芯線12に突き当たって閾値F2(図6(C)参照)の切込時荷重が検出される。
【0096】
これに対して、ブレード7,8が磨耗してくると、図6(C)に示すようなブレード移動量x1とブレード7,8にかかる荷重Fとの関係は得られなくなる。具体的には、ブレード7,8が磨耗するにつれて、ブレード7,8を原点位置から切り込み深さ方向へ移動させていった際に、ブレードの切れ味が悪いために、閾値F2に達するような大きな切込時荷重が検出される時のブレード移動量x1はブレード7,8が磨耗していない場合より小さくなっていく。この場合、図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」のステップS207で、閾値F2に達した時のブレード移動量x1(=xmax)から一定の移動量xcを減算して求められるブレード移動量xdの値が小さくなっていく。ブレード移動量xdの値が小さくなっていくと、自動設定できる切り込み深さAの範囲が狭くなっていく。そして、ブレード7,8の磨耗が進み、ブレード移動量xdが、ブレードが被覆11に接するまでのブレード移動量xe(図10A)参照)より小さくなると、適正な切り込み深さAが無いということになる。
【0097】
そこで、本実施形態に係る電線皮剥ぎ装置1では、図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」のステップS207の後に、このステップS207で求めたブレード移動量xdが一定値以下か否かを判定する処理(ステップS208)を行う。この図示を省略したステップS208の判定結果がNoの場合、図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」を一旦終了する。そして、ステップS208の判定結果がYesの場合、次のステップS209(図示省略)で適正な切り込み深さが無いと判断するとともに、図11に示す刃交換報知ランプ50を点灯させる。
【0098】
刃交換報知ランプ50の点灯を見て作業者によりブレード7,8が交換された後、電線皮剥ぎ装置1の電源を投入することにより、図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」が実行されて切り込み深さAを自動設定することができる。

以上説明した第3実施形態によれば、上記第2実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
【0099】
・切り込み深さ設定手段としての制御ユニット30のCPU34は、図9に示す「切り込み深さ自動設定処理」のステップS207の後に、このステップS207で求めたブレード移動量xdが一定値以下か否かを判定する、つまり適正な切り込み深さが有るか否かを判定する処理を行う。この判定結果がYesの場合には、適正な切り込み深さが無いと判断し、刃交換報知ランプ50を点灯させるので、ブレード7,8の交換を促すことができる。
これらの機能を利用し、定期的に、例えば一日に一回等、「切り込み深さ自動設定処理」を行うことにより、ブレードの磨耗状態に応じた切込み深さの設定やブレードの交換を促すことが出来る。
(変形例)
なお、この発明は、以下のように変更して具体化することもできる。 ・上記第1実施形態では、荷重検出手段として、ブレードにかかる切込時荷重を検出する第1のロードセル21,22と、ブレードにかかる横移動時荷重を検出する第2のロードセル23,24との両方が電線皮剥ぎ装置1に搭載されている。しかし、第1のロードセル21,22と、第2のロードセル23,24との少なくとも一方が搭載された電線皮剥ぎ装置にも、本発明は適用可能である。
【0100】
・上記第1実施形態では、切込時荷重を検出する第1の荷重センサ及び横移動時荷重を検出する第2の荷重センサとして、それぞれロードセル21〜24を用いている。しかし、第1の荷重センサ及び第2の荷重センサはそれぞれ、ブレード7,8にかかる荷重を直接或は間接的に検出でき、その荷重に応じた電圧等の電気信号を出力するものであれば良く、ロードセル以外に、歪ゲージ等を使用した構成にも本発明は適用可能である。
【0101】
・上記第1実施形態では、第1の荷重センサとしての第1のロードセル21,22で検出した切込時荷重に基づく皮剥ぎ状態の良否判定と、第2の荷重センサとしての第2のロードセル23,24で検出した横移動時荷重に基づく皮剥ぎ状態の良否判定との両方を行っている。しかし、第1の荷重センサにより検出した切込時荷重と第2の荷重センサにより検出した横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、皮剥ぎ状態の良否を判定する構成の電線皮剥ぎ装置にも本発明は適用可能である。
【0102】
・上記第1実施形態において、不良品報知ランプ33に加えて良品報知ランプを設け、図3に示すステップS107でYesの場合に、その良品報知ランプを点灯させるようにしても良い。
【0103】
・上記第1実施形態において、不良品報知ランプ33に代えて、不良品報知ブザー等、他の報知手段を用いた構成にも本発明は適用可能である。
【0104】
・上記第1実施形態では、被覆11に切り込ませたブレード7,8を、電線10の端末10a側へ横移動させているが、本発明はこのような構成に限定されない。本発明は、ブレードを電線の被覆に切り込ませた後、その電線をブレードに対し横移動させて被覆を皮剥ぎする構成の電線皮剥ぎ装置にも適用可能である。
【0105】
・上記第2実施形態では、ブレード7,8を電線10に切り込ませる際に、ブレード7,8が芯線12に突き当たると大きな値の切込時荷重(閾値F2)が検出されることを利用し、ステップS206では、切込時荷重が閾値F2に達した時のブレード移動量x1(=xmax)を読み込む。この後、ステップS207で、そのブレード移動量xmaxから一定の移動量xcを減算して、切り込み深さAに対応するブレード移動量xdを求めようにしている。しかし、本発明は、このような構成に限らず、第1の荷重センサにより検出される前記切込時荷重の検出値と、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、切り込み深さAを自動設定する切り込み深さ設定手段を備えた構成の電線皮剥ぎ装置にも広く適用可能である。
【0106】
・上記第3実施形態では、ブレード7,8が磨耗するにつれて、閾値F2に達するような大きな切込時荷重が検出される時のブレード移動量x1はブレードが磨耗していない場合より小さくなっていく、ことを利用して適正な切り込み深さが有るか否かを判断している。しかし、本発明は、ブレードの切り込み深さを自動設定する際に、第3実施形態とは別の方法により適正な切り込み深さが有るか否かを判断する構成の電線皮剥ぎ装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1実施形態に係る電線皮剥ぎ装置の概略構成を示す側面図。
【図2】同電線皮剥ぎ装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】同電線皮剥ぎ装置による「電線の皮剥ぎ状態判定処理」を示すブローチャート。
【図4】(A)〜(C)は電線の皮剥ぎ加工手順を示す模式図。
【図5】(A)〜(C)は切り込み深さ方向へのブレード移動量の異なる3つの状態を示す模式図。
【図6】(A)〜(C)は図5の(A)〜(C)にそれぞれ対応し、切り込み深さ方向へのブレード移動量とブレードにかかる荷重の関係を示すグラフ。
【図7】(A)〜(C)は電線の皮剥ぎ状態を示す部分拡大平面図。
【図8】(A)〜(C)は図7の(A)〜(C)にそれぞれ対応するグラフで、電線端末方向へのブレード移動量とブレードにかかる荷重の関係を示すグラフ。
【図9】第2実施形態に係る電線皮剥ぎ装置による「切り込み深さ自動設定処理」を示すフローチャート。
【図10】(A)及び(B)は切り込み深さ自動設定処理を説明するための模式図。
【図11】第3実施形態に係る電線皮剥ぎ装置の電気的構成を示すブロック図。
【図12】(A)〜(F)は電線の皮剥ぎ状態を示す部分拡大平面図。
【図13】従来のストリップミス検査装置の概略構成を示す斜視図。
【図14】同検査装置で電線の芯線部分及び被覆部分と、2つの光線との位置関係を示す側面図。
【図15】(A)は電線の被覆部分による遮光時間を表す波形図、(B)は電線の芯線部分による遮光時間を表す波形図。
【符号の説明】
【0108】
1:電線皮剥ぎ装置、7,8:ブレード、10:電線、10a:端末、11:被覆、12:芯線、M1:横移動用モータ、M2:切込用モータ、21,22:第1のロードセル、23,24:第2のロードセル、30:制御ユニット、34:CPU、50:刃交換報知ランプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線が被覆された電線に、その端末から所定の皮剥ぎ長さ離れた位置にて一対のブレードを切り込ませた後、そのまま一対のブレードを端末側へ電線に対し相対的に横移動させて被覆を皮剥ぎする電線皮剥ぎ装置において、
前記一対のブレードを前記電線の被覆に切り込ませる際に前記ブレードにかかる切込時荷重と、前記一対のブレードを前記端末側へ横移動させる際に前記ブレードにかかる横移動時荷重との少なくとも一方を検出する荷重検出手段を備える、ことを特徴とする電線皮剥ぎ装置。
【請求項2】
前記荷重検出手段は、前記切込時荷重を検出する第1の荷重センサと、前記横移動時荷重を検出する第2の荷重センサとを含むことを特徴とする請求項1に記載の電線皮剥ぎ装置。
【請求項3】
前記第1の荷重センサにより検出した前記切込時荷重と前記第2の荷重センサにより検出した前記横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、前記端部の被覆が皮剥ぎされた前記電線の皮剥ぎ状態の良否を判定する良否判定手段を有することを特徴とする請求項2に記載の電線皮剥ぎ装置。
【請求項4】
前記第1の荷重センサにより検出される前記切込時荷重の検出値と、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さを自動設定する切り込み深さ設定手段を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の電線皮剥ぎ装置。
【請求項5】
前記ブレードの交換を知らせるブレード交換報知手段を有し、前記切り込み深さ設定手段は、前記ブレードの切り込み深さを自動設定する際に、適正な切り込み深さが有るか否かを判断し、適正な切り込み深さが無いと判断した場合、前記ブレード交換報知手段を動作させることを特徴とする請求項4に記載の電線皮剥ぎ装置。
【請求項6】
芯線が被覆された電線の被覆に、その端末から所定の皮剥ぎ長さ離れた位置にて一対のブレードを切り込ませた後、そのまま一対のブレードを端末側へ電線に対し相対的に横移動させて被覆を皮剥ぎする電線皮剥ぎ方法において、
前記一対のブレードを前記電線の被覆に切り込ませる際に前記ブレードにかかる切込時荷重と、前記一対のブレードを前記端末側へ横移動させる際に前記ブレードにかかる横移動時荷重との少なくとも一方を検出する、ことを特徴とする電線皮剥ぎ方法。
【請求項7】
検出した前記切込時荷重と前記横移動時荷重との少なくとも一方に基づき、前記端部の被覆が皮剥ぎされた前記電線の皮剥ぎ状態の良否を判定する、ことを特徴とする請求項6に記載の電線皮剥ぎ方法。
【請求項8】
検出した前記切込時荷重と前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さ方向への移動量とに基づき、前記被覆に対する前記ブレードの切り込み深さを自動設定する、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電線皮剥ぎ方法。
【請求項9】
前記ブレードの切り込み深さを自動設定する際に、適正な切り込み深さが有るか否かを判断し、適正な切り込み深さが無いと判断した場合、前記ブレードの交換を知らせることを特徴とする請求項8に記載の電線皮剥ぎ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−61459(P2008−61459A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238063(P2006−238063)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】