説明

電線被覆用放射線硬化性樹脂組成物

【課題】電線、特に電話線ケーブル、電子機器間又は電子機器内の接続用電線等の被覆用樹脂組成物に関する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(D);
(A)ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、
(B)環状構造及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物、
(D)平均分子量500以上1500未満のポリオール
を含有する電線被覆用放射線硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線、特に電話線ケーブル、電子機器間又は電子機器内の接続用電線等の被覆用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電線、電話線ケーブル、電子機器間又は電子機器内の接続用電線、自動車用電線等は、絶縁体として電気特性、伝送特性に優れたポリエチレン(PE)とし、外側のシースにPEやポリ塩化ビニル(PVC)を用いたものが多い。テレビのリード線などにおいては、PE被覆、又はその外側シースにゴムを用いたものが使用されている。また、自動車用電線の被覆にはPVC、PET、架橋PE等が広く使用されている(特許文献1〜4)。
【特許文献1】特開2001−312925号公報
【特許文献2】特開2005−187595号公報
【特許文献3】特開2006−348137号公報
【特許文献4】特開2007−45952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電線被覆材には、保護材としての強度が強く求められたため、配線施工時の操作性、すなわち被覆層の剥離性についてはほとんど考慮されていなかった。この剥離性については、電線自体が太い場合には問題とならないが、細部の配線に用いられる細い電線の場合には、剥離性が悪いと配線が困難になるという問題があった。
従って、本発明の目的は、十分な強度を有するとともに剥離性が良好な電線被覆用樹脂組成物及び電線被覆材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明者らは、従来のPVCやPEに代わる電線被覆材を開発すべく、ウレタン(メタ)アクリレート系の放射線硬化性樹脂組成物に着目し、種々検討した結果、ウレタン(メタ)アクリレートと、環状構造と1個のエチレン性不飽和基を有するモノマーと、数平均分子量1500以上のポリオールとを組み合せて用いれば、十分な強度を有するにもかかわらず、良好な剥離性を有する電線被覆材が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(D);
(A)ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、
(B)環状構造及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物、
(D)平均分子量500以上1500未満のポリオール
を含有する電線被覆用放射線硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記組成物を硬化させて得られる電線被覆層、及び当該被覆層を有する電線を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の組成物を用いれば、紫外線等の放射線照射により簡便にかつ均一に強度に優れた電線被覆層が形成され、かつ当該保護層は簡便な操作により剥離することができるため、配線操作が容易であり、配線操作時に導体自体を破損することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させることにより製造される。すなわち、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、ポリエステルポリオールの水酸基及び水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基と、それぞれ反応させることにより製造される。ここでポリイソシアネートとしてはジイソシアネートが好ましい。
また、(A)成分は、ポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネート1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート化合物2モルを反応させることにより製造することもできる。かかるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,5(又は2,6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物が挙げられる。
【0008】
この反応としては、例えばポリエステルポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリエステルポリオールを反応させる方法;ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリエステルポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法等が挙げられる。
【0009】
ここで好ましく用いられるポリエステルポリオールの各構造単位の重合様式には特に制限されずランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
【0010】
ポリエステルポリオールとしては、例えば二価アルコールと二塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。上記二価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンポリオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンポリオール、1,9−ノナンポリオール、2−メチル−1,8−オクタンポリオール等が挙げられる。二塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸を挙げることができる。市販品としては、クラレポリオールP−2010、P−2020、P−2030、P−2050、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、株式会社クラレ製)等が入手できる。
【0011】
これらのポリエステルポリオールのうち、二塩基酸として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のような、芳香族ジカルボン酸、又はアジピン酸、セバシン酸のようなアルカンジカルボン酸を用いたものが好ましい。ここでアルカンジカルボン酸のアルカン部分の炭素数は、2〜20、特に2〜14が好ましい。また、芳香族ジカルボン酸の芳香族部分はフェニル基が好ましい。
【0012】
ポリエステルポリオールの具体例としては、下記式(1)で表されるポリエステルポリオールが好ましく、下記式(2)で表されるポリエステルポリオールが特に好ましい。下記式(2)で表されるポリエステルポリオールの市販品としては、クラレポリオールP−2030(数平均分子量2000)等が挙げられる。
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、Rは、二価アルコールに由来する任意の2価の炭化水素基であり、R’は、ジカルボン酸に由来する任意の炭化水素基である。nは、ポリエステルポリオールの数平均分子量が400〜3000の範囲になるように選択される)
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、nは、式(1)の場合と同様である)
【0017】
また、ポリエステルポリオールの数平均分子量は、400〜3000が好ましく、1000〜3000がさらに好ましく、1500〜2500が特に好ましい。数平均分子量は、ポリスチレンを分子量標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により求める。
【0018】
ポリイソシアネート、特にジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(又は2,6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。特に、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
【0019】
これらのポリイソシアネートは、単独あるいは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンポリオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンポリオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(3)又は(4)
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜15の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を使用することもできる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0023】
これらの、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、単独であるいは二種類以上組み合わせて用いることができる。
【0024】
ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリエステルポリオールに含まれる水酸基1当量に対してポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.1〜3当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.2〜1.5当量となるようにするのが好ましい。
【0025】
これらの化合物の反応においては、例えばナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量100質量部に対して0.01〜1質量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
【0026】
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部をイソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材への密着性を高めることができる。
【0027】
これら(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートは、電線被覆層の強度、及び組成物の粘度の点から、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%に対して、通常30〜80質量%配合されるが、好ましくは40〜70質量%配合され、特に好ましくは40〜60質量%配合される。
【0028】
(B)成分である、環状構造及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物は、環状構造を有する重合性単官能化合物である。(B)成分として、この化合物を用いることにより、本発明組成物により得られる電線被覆層の剥離性が向上する。ここで、環状構造としては、脂環式構造、窒素原子又は酸素原子を含む複素環構造、芳香族環等が挙げられ、このうち脂環式構造が特に好ましい。
【0029】
このような、環状構造を有する単官能性化合物(B)としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、下記式(5)〜(7)で表される化合物を挙げることができる。
【0030】
【化4】

【0031】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示し、R4は水素原子又はメチル基を示し、pは好ましくは1〜4の数を示す。)
【0032】
【化5】

【0033】
(式中、R5、R6、R7及びR8は互いに独立で、H又はCH3であり、qは1〜5の整数である)
【0034】
これら重合性単官能化合物(B)のうち、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0035】
これら重合性単官能化合物(B)の市販品としては、IBXA(大阪有機化学工業製)、アロニックスM−111、M−113、M114、M−117、TO−1210(以上、東亞合成製)を使用することができる。
【0036】
これら(B)成分である環状構造を有する単官能化合物は、電線被覆層の強度及び剥離性の点から、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%に対して、10〜60質量%、さらに20〜60質量%、特に20〜50質量%配合されるのが好ましい。
【0037】
本発明においては、(C)成分として、2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を含有することができる。かかる化合物は、ウレタン(メタ)アクリレート以外の重合性多官能性化合物である。(C)成分として、この化合物を0〜5質量%、すなわち5質量%以下の少量配合するか、配合しないことにより、電線被覆層の剥離性が確保できる。
このような重合性多官能化合物(C)としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、1,4−ブタンポリオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンポリオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加体、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体のポリオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体のポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル及び下記式(8)
【0038】
【化6】

【0039】
(ここで、R9及びR10は互いに独立に水素原子又はメチル基であり、nは1〜100の数である)
で表わされる化合物等が挙げられる。
【0040】
これら重合性多官能化合物のうち、上記式(8)で表わされる化合物、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、エチレンオキサイドを付加させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イアオシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、中でも、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0041】
これら重合性多官能化合物の市販品として、例えば、ユピマーUV、SA1002(以上、三菱化学製)、アロニックスM−215、M−315、M−325(以上東亞合成製)を使用することができる。また、アローニックスTO−1210(東亞合成製)を使用することができる。
【0042】
これらの(C)2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%に対して、0〜10質量%配合されるが、好ましくは0〜5質量%であり、特に好ましくは0〜3質量%である。10質量%を超えて配合すると、電線被覆層の剥離性が損なわれる。
【0043】
(D)成分の平均分子量500以上1500未満のポリオール化合物としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びその他のポリオールが挙げられる。これらのポリオールの各構造単位の重合様式には特に制限されずランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
【0044】
これらのうち、ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールあるいは二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られる脂肪族ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルポリオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
【0045】
さらに、ポリエーテルポリオールとしては、例えばビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ポリオール、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ポリオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ポリオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ポリオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ポリオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ポリオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ポリオール、1,4−シクロヘキサンポリオール及びそのアルキレンオキサイド付加ポリオール、トリシクロデカンポリオール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンポリオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール等の環式ポリエーテルポリオールが挙げられる。その他、環式ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイド付加ポリオール、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ポリオール、1,4−シクロヘキサンポリオールのアルキレンオキサイド付加ポリオールなどが挙げられる。これらのポリオールは、直鎖状の分子であってもよいし、分岐構造を有していてもよい。また、これらの併用であってもよい。
【0046】
ポリオールの市販品としては、三洋化成工業製の「サニックスGP−600」、「サニックスGP−1000」、旭硝子ウレタン製の「EXCENOL1020」、「PPG1000」等が挙げられる。
【0047】
(D)成分の配合量は、電線被覆層の剥離性及び強度の点から、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%に対して、1〜30質量%、特に5〜25質量%、さらに5〜20質量%が好ましい。
【0048】
本発明の組成物には、さらに電線被覆層の剥離性及び耐候性の点から、(E)シリコーン化合物を含有させるのが好ましい。当該シリコーン化合物としては、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ウレタンアクリレート変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、エポキシポリエーテル変性シリコーン、アルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらのうちポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンが特に好ましい。また、複数種のシリコーン化合物を併用することもできる。
【0049】
ポリエーテル変性シリコーンとしては、少なくとも1個のケイ素原子に基R14−(R15O)s−R16−(ここで、R14は水酸基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、R15は炭素数2〜4のアルキレン基を示し(R15は2種以上のアルキレン基が混在していてもよい)、R16は炭素数2〜12のアルキレン基を示し、sは1〜20の数を示す)が結合しているポリジメチルシロキサン化合物が好ましい。このうちR15としては、エチレン基、プロピレン基が好ましく、特にエチレン基が好ましい。当該シリコーン化合物の市販品のうち、エチレン性不飽和基等の重合性基を有しないものとしては、例えばSH28PA;ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、東レダウコーニング社、ペインタッド19、54;ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、東レダウコーニング社、FM0411;サイラプレーン、チッソ、SF8428;ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体(側鎖OH含有)、東レダウコーニング社、BYK UV3510(ビックケミー・ジャパン社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)、DC57(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)等を挙げることができる。また、エチレン性不飽和基を有する当該シリコーン化合物の市販品としては、例えば、Tego Rad 2300、2200N、テゴ・ケミー社等を挙げることができる。
【0050】
また、エポキシ変性シリコーンとしては、分子内にエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ジメチルポリシロキサンの側鎖であるメチル基の一部がエポキシ基を有する有機基で置換されたエポキシ変性シリコーンが好ましい。
【0051】
エポキシ変性シリコーンの具体例としては、下記式(9)で表される繰り返し構造及び下記式(10)で表される繰り返し構造を有するエポキシ変性シリコーンを挙げることができる。
【0052】
【化7】

【0053】
(式中、Rは、任意の2価の有機基であり、アルキレン基又はアリーレン基が好ましい)
さらには、下記式(11)で表される構造を有するエポキシ変性シリコーンが好ましい。
【0054】
【化8】

【0055】
(式中、Rは、式(10)の場合と同一である。mおよびnは、それぞれの繰り返し単位のモル%を示し、mは10〜90モル%、nは90〜10モル%(ただし、m+nは100モル%であり、式(11)で表されるエポキシ変性シリコーンの理論分子量は、5000〜15000が好ましい)である)
【0056】
エポキシ基の変性率は、エポキシ変性シリコーンに含まれるジメチルシロキサン構造単位1000〜10000当量当たり1個が好ましい。
また、シリコーンの平均分子量は、3000〜20000、特に5000〜10000であるのが好ましい。
【0057】
このようなエポキシ変性シリコーンとしては、SF8411、SF8413(東レ・ダウコーンイング社製)等の市販品を用いることができる。
【0058】
これらのシリコーン化合物(E)の平均分子量は電線被覆層の剥離性の点から、1500〜35000のものが好ましい。より好ましい平均分子量は1500〜20000であり、さらに1500〜20000が好ましく、特に3000〜15000が好ましい。
また、(E)成分は、エチレン性不飽和基等の重合性基を有しないことが好ましい。(E)成分がエチレン性不飽和基等の重合性基を有しないことにより、良好な剥離性を維持することができる。
【0059】
(E)成分の配合量は、電線被覆層の剥離性及び強度の点から、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%に対して0.1〜5質量%、さらに0.5〜5質量%、特に1〜3質量%が好ましい。
【0060】
さらに、本発明の組成物には、(F)重合開始剤を含有させることができる。重合開始剤としては、光開始剤を用いることができる。ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製);LucirinTPO(BASF製);ユベクリルP36(UCB製)等が挙げられる。また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB製)等が挙げられる。
【0061】
(F)重合開始剤は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%に対して、0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。
【0062】
本発明の組成物には、必要に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で各種添加剤、例えば、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を配合することができる。
【0063】
なお、本発明の組成物は、放射線によって硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
【0064】
本発明組成物は、電線、特に電話線ケーブル、自動車用電線等の比較的細い電線、ケーブルの被覆用放射線硬化性樹脂組成物として有用である。さらに、中心導体及びシールド線を有する電線のシールド線の外側に接するシース層用として有用である。本発明の組成物を塗布して放射線(例えば紫外線)を照射すれば、均一かつ強度に優れた電線被覆層が容易に形成できる。また、本発明により形成された電線被覆層は、優れた強度を有し、かつ剥離性が良好であることから、配線の操作性が良好である。
【実施例】
【0065】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。
【0066】
[製造例1:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成1]
攪拌機を備えた反応容器に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.120g、イソボロニルアクリレート233.12g、トルエンジイソシアナート62.99gを加え、攪拌しながら、15℃まで冷却した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら42.00g滴下した後、湯浴にして40℃にし1時間攪拌した。その後、数平均分子量2000のポリエステル系ジオール(ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−alt−(イソフタル酸):P−2030、株式会社クラレ])380.67を加え、70℃で3時間攪拌させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られた(A)ウレタン(メタ)アクリレートを、UA−1とする。
【0067】
[製造例2:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成2]
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量700のポリプロピレングリコール36.909g、2,4−トリレンジイソシアネート18.366g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.016gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が15℃になるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.054gを仕込み、液温度上昇が見られなくなったことを確認した後、1時間35℃で反応させた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート12.245gを液温度が50℃以上にならないよう制御しながら滴下した後、65℃〜70℃に制御しながら2時間撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時点を反応終了とした。得られたポリエーテル系ウレタンアクリレートをUA−2とする。
【0068】
実施例1〜4及び比較例1
表1に示す組成の各成分を、攪拌機を備えた反応容器に仕込み、液温度を50℃に制御しながら1時間攪拌し、液状硬化性樹脂組成物を得た。
【0069】
試験例
前記実施例及び比較例で得た液状硬化性樹脂組成物を、以下のような方法で硬化させて試験片を作製し、下記の各評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0070】
1.ヤング率:
250μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気下で1J/cm2のエネルギーの紫外線で照射して硬化させ、ヤング率測定用フィルムを得た。このフィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるよう短冊状サンプルを作成し、温度23℃、湿度50%で引っ張り試験を行った。引っ張り速度は1mm/minで2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。
【0071】
2.破断強度及び破断伸び:
引張試験器(島津製作所社製、AGS−50G)を用い、試験片の破断強度及び破断伸びを下記測定条件にて測定した。
引張速度 :50mm/分
標線間距離(測定距離):25mm
測定温度 :23℃
相対湿度 :50%RH
【0072】
3.剥離性(貼り付き力):
実施例及び比較例で得られた組成物に関し、その硬化物の剥離性(貼り付き力)を測定した。液状組成物を125μm厚のアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、5%酸素雰囲気下で0.1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約70μmの硬化フィルムを得た。
この硬化フィルムの空気側表面同士を張り合せ、ガラス板ではさみ、温度23℃、湿度50%下に24時間静置した。その後、この硬化フィルムから延伸部が幅10mmとなるように短冊状サンプルを作成した。このサンプルを引っ張り試験器を用いてJIS Z0237に準拠して密着力試験を行った。引張速度は50mm/minでの抗張力から貼り付き力を求めた。
【0073】
4.剥離性(銅板との密着力):
実施例及び比較例で得られた組成物に関し、その硬化物の密着力を測定した。液状組成物を190μm厚のアプリケーターを用いて銅板上に塗布し、窒素雰囲気下で0.5J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約130μmの硬化フィルムを得た。このサンプルを温度23℃、湿度50%下に24時間静置した。その後、この硬化フィルムから幅10mmとなるように短冊状サンプルを銅板上で作成した。このサンプルを引っ張り試験機を用いてJIS Z0237に準拠して密着力試験を行った。引張速度は50mm/minでの抗張力から金属との密着力を求めた。
【0074】
【表1】

【0075】
表1において、
PPG4000;分子量4000のポリプロピレングリコール(旭硝子ウレタン社製)。
PPG1000;分子量1000のポリプロピレングリコール(旭硝子ウレタン社製)。
SH28PA;ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体(東レ・ダウコーニング社製)。
SF8411;エポキシ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製)。
Irgacure184;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)。
ルシリンTPO;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)。
Irganox245:エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)。
【0076】
表1から明らかなように、成分(A)、(B)及び(D)を含有する本発明の樹脂組成物で形成された硬化物は、電線被覆材として良好な性質を有し、かつ剥離性が良好であることから電線被覆用組成物として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(D);
(A)ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、
(B)環状構造及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物、
(D)平均分子量500以上1500未満のポリオール
を含有する電線被覆用放射線硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
成分(A)が、芳香族構造を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分(B)中にイソボルニル(メタ)アクリレートを含み、その含有量が成分(B)中の50質量%以上である請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
成分(B)が、イソボルニル(メタ)アクリレート及びN−ビニル化合物を含むものである請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
さらに、(E)シリコーン化合物を含むものである請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
成分(E)が、エポキシ変性シリコーンを含むものである請求項5記載の組成物。
【請求項7】
中心導体及びシールド線を有する電線のシールド線の外側に接するシース層用である請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を硬化させて得られる電線被覆層。
【請求項9】
請求項8記載の被覆層を有する電線。

【公開番号】特開2008−277262(P2008−277262A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54616(P2008−54616)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】