説明

電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ

【課題】
従来の電解コンデンサ電極用アルミニウム材において、アルミニウム材のエッチング特性が不十分であるという問題点を解決し、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサを提供する。
【解決手段】
Pb含有量が0.3質量ppm以上2.5質量ppm以下であり、所定の条件での評価用エッチング後のアルミニウム材の所定の方法にて測定したLab系における明度指数(L値)が、前処理時間が30秒の場合25以上56以下あるいは前処理時間が45秒の場合27以上58以下の少なくともいずれかを満足する値とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサに関する。
【0002】
なお、この明細書において「アルミニウム」の語はその合金を含む意味で用い、アルミニウム材には箔と板およびこれらを用いた成形体が含まれる。
【背景技術】
【0003】
アルミニウム電解コンデンサ用電極材料として一般に用いられるアルミニウム材は、静電容量を大きくする目的で、電気化学的あるいは化学的エッチング処理を施して、アルミニウム材の実効面積を拡大することが行われている。
【0004】
直流エッチング法でトンネル状ピットを生成させる電解コンデンサ陽極用アルミニウム材の製造においては、アルミニウムの立方体集合組織を発達させるために500℃前後の温度で不活性雰囲気もしくは真空中で最終焼鈍するのが一般的である。最終焼鈍は、冷間圧延より後の工程で行われる。また、冷間圧延工程の途中において、最終焼鈍後の立方体方位占有率を高めるために必要に応じて焼鈍を実施しても良い。上記冷間圧延工程途中の焼鈍を中間焼鈍と称し、一般には窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で実施される。
【0005】
最終焼鈍後のアルミニウム材表面の酸化皮膜の特性は、特に電解エッチング初期のピット生成と関係があることから、アルミニウム材表面の酸化処理に関する検討が行われている。また、アルミニウム材中に含まれる微量元素もアルミニウム材のエッチング特性に影響を及ぼす。特に、Pbは最終焼鈍時にアルミニウム材表層に濃化し表層を活性化させ初期のピット生成や表面溶解性に影響を及ぼす。また、Cuは電解エッチング時のアルミニウム材の溶解量や初期のピット生成に影響を及ぼすため含有量を適正化させることは重要である。
【0006】
特許文献1には、アルミニウム箔の表面層を除去する工程と、除去後、温度40〜350℃、露点:0〜80℃、時間:30〜1800秒の条件で加熱酸化する工程と、加熱酸化後、非酸化性雰囲気で焼鈍する工程を実施することにより、焼鈍後のアルミニウム箔表面の酸化膜を薄くでき、かつエッチング液中で速やかに溶解除去することが開示されている。
また、特許文献2には、CuおよびPbの濃度が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−201673号公報
【特許文献2】特開2000−239773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、酸化性雰囲気中での加熱により静電容量の向上が図られているものの、PbやCu等のアルミニウム材中に含まれる微量元素に関する記載がない。
【0009】
また、特許文献2では、PbとCuの濃度が規定されており、従来公知の方法で、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、仕上圧延、最終焼鈍を施せばよいと記載されており、最終焼鈍後のアルミニウム箔の特性としてはFeとSiの析出量が示されているものの、得られた最終焼鈍後の箔の特性評価が不十分であるため十分な静電容量向上効果が得られていない。
【0010】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、従来の電解コンデンサ電極用アルミニウム材において、アルミニウム材のエッチング特性が不十分であるという問題点を解決し、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を提供し、さらにはこのアルミニウム材を用いた電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願発明者は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の組成および評価用エッチング特性を適正なものとすることにより、本発明の完成に至った。
【0012】
即ち、本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサは下記の構成を有する。
【0013】
(1)Pb含有量が0.3質量ppm以上2.5質量ppm以下であり、下記に示す評価用エッチング後のアルミニウム材の下記に示す方法にて測定したLab系における明度指数(L値)が、前処理時間が30秒の場合25以上56以下、あるいは前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の少なくともいずれかを満足する電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
[評価用エッチングの方法]
前処理として50℃、2mol/Lのリン酸水溶液に、アルミニウム材を30秒もしくは45秒浸漬したのち水洗し、下記に示す電解液中で電流密度0.4A/cm2にて3秒間直流電解エッチングし、水洗、乾燥する。
【0014】
電解液組成:塩酸1.0mol/L、硫酸2.7mol/L、硫酸アルミニウム1.0mol/L(硫酸アルミニウム水和水として添加)
電解液温度:82℃
対極としてカーボン電極を、アルミニウム材の両側にアルミニウム材との距離17mmを隔てて設置し、両面エッチング(電流密度は投影面積あたりの値)
[Lab系による明度指数(L値)の測定方法]
光学条件:45-n(JIS Z 8722 5.3.1記載の条件a)
測色条件:C光2°視野
試料の配置条件:光線束の中心の光路を含む面の法線であって、試料面中に含まれる法線と、圧延方向が垂直になるように試料を配置して測定。
【0015】
(2)明度指数(L値)が前処理時間が30秒の場合25以上56以下、前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の両方を満足する前項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【0016】
(3)10質量ppm以上150質量ppm以下のCuを含む前項1または前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【0017】
(4)アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上である前項1ないし前項3の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【0018】
(5)中圧用または高圧用陽極材として用いられる前項1ないし前項4の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【0019】
(6)前項1ないし前項4のいずれか1項に記載のアルミニウム材にエッチングが施されていることを特徴とする電解コンデンサ用電極材。
【0020】
(7)エッチングの少なくとも一部が直流電解エッチングにより行われたものである前項6に記載の電解コンデンサ用電極材。
【0021】
(8)さらに化成処理が施されている前項6または前項7に記載の電解コンデンサ用電極材。
【0022】
(9)陽極材として用いられる前項8に記載の電解コンデンサ用電極材。
【0023】
(10)前項8もしくは前項9に記載の電解コンデンサ用電極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
【発明の効果】
【0024】
前項(1)に記載の発明によれば、所定の条件での評価用エッチング後のアルミニウム材の所定の方法にて測定したLab系における明度指数(L値)が、前処理時間が30秒の場合25以上56以下、あるいは前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の少なくともいずれかを満足するから、エッチング時のアルミニウム材表面層の溶解性が均一でエッチング特性に優れ、ひいては静電容量の大きな電解コンデンサ電極用アルミニウム材となしうる。
【0025】
前項(2)に記載の発明によれば、明度指数(L値)が前処理時間が30秒の場合25以上56以下、前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の両方を満足するから、さらにエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材となしうる。
【0026】
前項(3)に記載の発明によれば、10質量ppm以上150質量ppm以下のCuを含むから、さらにエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材となしうる。
【0027】
前項(4)に記載の発明によれば、アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上であるから、不純物によるエッチング特性の劣化を防止することができる。
【0028】
前項(5)に記載の発明によれば、エッチング特性に優れた中圧用または高圧用陽極材となしうる。
【0029】
前項(6)に記載の発明によれば、エッチングにより大きな静電容量を有する電解コンデンサ用電極材となし得る。
【0030】
前項(7)に記載の発明によれば、エッチングの少なくとも一部が直流電解エッチングにより行われたものであるから、深くて太い多数のトンネル状ピットが生成された、大きな静電容量を有する電解コンデンサ用電極材となし得る。
【0031】
前項(8)に記載の発明によれば、エッチング後さらに化成処理が施されているから、陽極材として好適な電解コンデンサ用電極材となし得る。
【0032】
前項(9)に記載の発明によれば、高静電容量の電解コンデンサ用陽極材となし得る。
【0033】
前項(10)に記載の発明によれば、高静電容量のアルミニウム電解コンデンサとなし得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】L値測定用試料の配置条件を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 アルミニウム材
4 光線束
5 中心光路
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願発明者は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材において、アルミニウム材のPbの含有量を0.3質量ppm以上2.5質量ppm以下とし、最終焼鈍後のアルミニウム材を所定時間前処理として、酸に浸漬後、短時間電解エッチング(評価用エッチング)して得た箔の明度指数(L値)が一定の範囲であると、前処理、一次エッチング(電解エッチングによるトンネル状ピットの形成)、二次エッチング(トンネル状ピットの径を太くし面積を拡大する処理)を順次行った後、必要に応じて化成処理したアルミニウム材の静電容量が向上することを見出した。
【0037】
上記評価用エッチングした箔のL値測定は、最終焼鈍後のアルミニウム材の評価法として利用できる。評価用エッチング後のアルミニウム材のL値が低い場合には、エッチピット生成が少ないか、もしくはエッチピットが局部的に集中していることを意味する。また、L値が大きすぎる場合には、ピット生成よりアルミ表面の溶解が優先されている。従ってL値は小さすぎるとピットの分散性が悪く、大きすぎると表面溶解によりアルミニウム材のロスにつながることから、本願発明者は、エッチピット分散性および表面溶解性を評価する評価用エッチング条件を検討し、静電容量向上のためのL値の適正な範囲を見出すに至った。
【0038】
また、電解エッチング時のアルミニウム材の溶解量や初期のピット生成に影響を及ぼすCu濃度を適正化することによりさらに静電容量が向上することを見出した。
【0039】
以下に、電解コンデンサ用アルミニウム材について詳細に説明する。
【0040】
アルミニウム材の純度は、電解コンデンサ電極用に使用される範囲であれば特に限定されないが、純度99.9質量%以上のものが好ましく、特に99.95質量%以上が好ましい。なお、本発明において、便宜的に、アルミニウム材のアルミニウム純度は100質量%からFe, SiおよびCuの合計濃度(質量%)を差し引いた値とする。
【0041】
Pbは最終焼鈍時にアルミニウム材表層に濃化し、エッチピット生成に大きく影響を及ぼす。直流エッチング法によりトンネル状エッチピットを生成させる際に、Pbが少なすぎるとエッチピット分散性が悪く、多すぎるとアルミニウム材の表面溶解が多くなる。本発明では、酸化性雰囲気中のアルミニウム材の加熱によるエッチング特性の向上効果を発揮させるために、Pb含有量を0.3質量ppm以上2.5質量ppm以下と規定する。Pb含有量はさらに、0.4質量ppm以上1.8質量ppm以下が好ましく、特に0.5質量ppm以上1.2質量ppm以下が好ましい。
【0042】
また、エッチピットの分散性をさらに向上させるため、10質量ppm以上150質量ppm以下のCuが含まれていることが好ましい。Cu含有量が10質量ppm未満ではエッチピットの分散性が不十分となる恐れがあり、150質量ppmを超えると、電解エッチング中のアルミニウム材の溶解減量が多くなり静電容量が低下する恐れがある。Cu含有量はさらに15ppm以上100ppm以下が好ましい。
【0043】
最終焼鈍後のアルミニウム材の評価用エッチングおよびL値測定は以下のように実施する。
【0044】
前処理として50℃ 2mol/Lのリン酸水溶液にアルミニウム材を30秒もしくは45秒浸漬したのち水洗し、下記に示す電解液中で電流密度0.4A/cm2にて3秒間直流電解エッチングし、水洗、乾燥し、L値測定用アルミニウム材を得る。
【0045】
電解液組成:塩酸1.0mol/L、硫酸2.7mol/L、硫酸アルミニウム1.0mol/L(硫酸アルミニウム水和水として添加)
電解液温度:82℃
対極としてカーボン電極を、アルミニウム材の両側にアルミニウム材との距離17mmを隔てて設置し、両面エッチングを行う(電流密度はアルミニウム材の投影面積あたりの値)。なお、アルミニウム材の投影面積とは、アルミニウム材の厚さ方向の中間部を、アルミニウム材の表面と平行に切断したときの断面積と同じである。
【0046】
次に、評価用エッチングを施したL値測定用アルミニウム材のLab系による明度指数(L値)は下記の方法にて測定する。
【0047】
光学条件:45-n(JIS Z 8722 5.3.1記載の条件a)
測色条件:C光2°視野
試料の配置条件:試料であるアルミニウム材1は、図1に示すように、測定用の光線束4の中心の光路5を含む面の法線であって、試料面中に含まれる法線Yと、試料(アルミニウム材)1の圧延方向Xが垂直になるように配置して、測定を行う。なお、図1において、2は測定用光線束で試料1を照明する光源(発光部)、3は試料1からの反射光を受光する受光部である。
【0048】
なお、ハンター色差すなわちLab系における色差(ΔE)は次の式で計算される。
【0049】
ΔE=[(Δa)2+(Δb)2+(ΔL)2]1/2
ここで、Δa, Δb, ΔLは2つの色のa,b,L各々の差である。
【0050】
L, a, bと三刺激値X, Y, Zとの関係は以下の通りである。
【0051】
L=10Y1/2
a=17.5(1.02X-Y)/Y1/2
b=7.0(Y-0.847 Z)/Y1/2
本発明において上記評価用エッチング後のアルミニウム材の明度指数(L値)は、前処理時間が30秒の場合25以上56以下、前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の少なくともいずれかを満足するものと規定される。前処理時間が30秒の場合L値が25未満であるとエッチピットの分散性が悪く、56を超えると表面溶解が多くエッチピットが少ないため、二次エッチング後の面積拡大効果が小さくなり静電容量が低下する。前処理時間が45秒の場合のL値が上記のように規定されるのは、前処理30秒の場合と同様の理由である。さらに、L値が、前処理時間が30秒の場合25以上56以下、前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の両方を満足する場合には、さらに静電容量が高くなり好ましい。
【0052】
なお、前処理時間が30秒の場合のL値の範囲は30以上53以下がより好ましく、特に33以上45以下が好ましい。
【0053】
前処理時間が45秒の場合、L値の範囲は30以上55以下がより好ましく、特に40以上53以下が好ましい。
【0054】
さらに、L値が、前処理時間が30秒の場合30以上53以下、前処理時間が45秒の場合30以上55以下、の両方を満足する場合が好ましく、特に、前処理時間が30秒の場合33以上45以下、前処理時間が45秒の場合40以上53以下、の両方を満足することが好ましい。
【0055】
以下に、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法の一例を示す。
【0056】
製造方法の一例として、アルミニウム材の溶解成分調整・スラブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延、仕上げ冷間圧延(低圧下圧延)を含む冷間圧延、最終焼鈍の順に実施され、冷間圧延後最終焼鈍前に酸化性雰囲気中での加熱を実施する方法を例示できる。なお、冷間圧延終了後酸化性雰囲気中での加熱前に洗浄を実施することが好ましい。また、冷間圧延工程の途中において、最終焼鈍後の立方体方位占有率を高めるために、必要に応じて中間焼鈍を実施する。仕上げ冷間圧延の代わりに引張歪を付与しても良い。引張歪の付与方法としては特に限定されないが、WO2004/003248A1公報に記載されている方法を適用することができる。
【0057】
前記アルミニウム材の洗浄に用いる洗浄液は、有機溶剤、界面活性剤を添加した水、アルカリ性水溶液、酸性水溶液を用いることができる。また、水溶性有機溶剤と水の混合物でも良い。
【0058】
洗浄によりアルミニウム材表面層を除去する場合には、アルカリ性水溶液または酸性水溶液の少なくともいずれかを用いる。また、単独の洗浄液を用いてもよく、アルカリ性水溶液を用いて実施した後、酸性水溶液を用いて洗浄してもよい。
【0059】
洗浄に用いる有機溶剤は特に限定されるものではないが、一例として、アルコール、ジオール、トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素、アルカン系炭化水素、シクロヘキサン、ケトン、エーテル、エステル、石油製品等があげられる。
【0060】
上記アルコールの例としては、メタノール(CH3OH)、エタノール(C2H5OH)、1-プロパノール(CH3CH2CH2OH)、2-プロパノール(CH3CH(OH)CH3)、1-ブタノール(CH3CH2CH2CH2OH)、2-ブタノール(CH3CH2CH(OH)CH3)、1-ペンタノール(CH3CH2CH2CH2CH2OH)、2-ペンタノール(CH3CH2CH2CH(OH)CH3)等が挙げられ、CnH2n+1OH(n=1〜10の自然数)で表されるものが好ましい。また、シクロヘキサノール等の脂環式化合物も用いることが出来る。
【0061】
上記ジオールの例としては1,2-エタンジオール(HOCH2CH2OH)、1,2-プロパンジオール(CH3CH(OH)CH2OH)、1,3-プロパンジオール(HOCH2CH2CH2OH)等が例示できる。
【0062】
上記アルカン系炭化水素の例としては、ペンタン(C5H12)、ヘキサン(C6H14)、ヘプタン(C7H16)、オクタン(C8H18)、ノナン(C9H20)、デカン(C10H22)等が挙げられCnH2n+2(n=5〜15の自然数)で表されるものが好ましい。またシクロヘキサン等脂環式炭化水素の適用も可能である。
【0063】
上記ケトンの例としてはアセトン(CH3COCH3)、2-ブタノン(CH3COC2H5)、3-ペンタノン(CH3CH2COCH2CH3)、3-メチル-2-ブタノン(CH3COCH(CH3)2)等が例示でき、R1COR2(R1およびR2:脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の炭素数の合計が8以下)で表されるものが好ましい。また、シクロヘシサノン(C6H10O)等環状ケトンを用いても良い。
【0064】
上記エーテルの例としては、R1-O-R2(R1およびR2:脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の炭素数の合計が8以下)で表される物質、2-メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)、2-エトキシエタノール(CH3CH2OCH2CH2OH)、2-ブトキシエタノール(CH3CH2CH2CH2OCH2CH2OH) 2-(2-エトキシ)エトキシエタノール(CH3CH2OCH2CH2OCH2CH2OH)、等のグリコールエーテルも含まれる。
【0065】
上記エステルの例としては、CH3COOR(R:炭素数1〜5である脂肪族炭化水素基)で表される酢酸エステルが例示できる。
【0066】
上記石油製品の例としては、工業ガソリン(JIS K 2201)、自動車ガソリン(JIS K 2202)、航空ガソリン(JIS K 2206)、灯油(JIS K 2203)、軽油(JIS K 2204)、石油エーテル(JIS K 8593)、石油ベンジン(JIS K 8594)、リグロイン(JIS K 8937)、ケロシン等が挙げられる。
【0067】
前記水に界面活性剤を添加した洗浄液に含まれる界面活性剤は、特に限定されるものではないが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤を用いることが出来る。
【0068】
アニオン界面活性剤として硫酸エステル塩、スルホン酸塩を用いることができる。
【0069】
上記硫酸エステル塩としては、R-OSO3Na(R=炭素数8〜18の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基)が利用でき、具体的にはドデシル硫酸ナトリウム(C12H25OSO3Na)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(C16H33OSO3Na)、ステアリル硫酸ナトリウム(C18H37OSO3Na)、オレイル硫酸ナトリウム(C18H35OSO3Na)等が例示できる。
【0070】
上記スルホン酸塩はR-SO3Na(R=炭素数8〜18の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基)もしくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C12H25-C6H4-SO3Na)等のR-SO3Na(R:アルキル基が炭素数8〜14の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基であるアルキルベンジル基)で表されるものを用いることができる。
【0071】
カチオン界面活性剤としてR-N+(CH3)3・Cl- (R=炭素数8〜16の飽和炭化水素基)で表される第4級アンモニウム塩を用いることができる。
【0072】
非イオン性界面活性剤として、R-O-(-CH2CH2O)nH(R=炭素数8〜16の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基、n=6〜14)またはR-O-(-CH2CH2O)nH(R=アルキル基が炭素数8〜12の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基であるアルキルフェニル基、n=6〜14)で表されるポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤を例示できる。なおnが上記範囲より多いものが非イオン性界面活性剤中に50%以下のモル比で含まれていても良い。
【0073】
上記界面活性剤の少なくとも1種類以上を水に添加し洗浄液として用いることができる。界面活性剤の炭素数が上記範囲より少ない界面活性剤が50%以下のモル比で添加されていても良い。なお、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤を水中で混合させると沈殿が生成するため、混合は避けることが好ましい。
【0074】
界面活性剤の添加濃度は特に規定されないが、洗浄効果を発揮させるために臨界ミセル濃度以上であることが好ましい。
【0075】
洗浄に用いるアルカリ性水溶液中のアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウムを例示でき、これらアルカリの中から選ばれた1種あるいは2種以上を水に溶解させ洗浄液として用いることができる。
【0076】
洗浄に用いる酸性水溶液中の酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン元素を含む酸の中から選ばれる1種または2種以上を用いる。リン元素を含む酸としてはオルトリン酸(以後リン酸と称す)、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸を例示できる。また、過塩素酸及び次亜塩素酸を利用しても良い。
【0077】
アルカリ性水溶液または酸性水溶液によるアルミニウム材の表面層除去量は、アルカリまたは酸の濃度、アルカリ性または酸性水溶液の温度、およびアルミニウム材とアルカリ性または酸性水溶液との接触時間を適正なものにすることにより調節される。また、アルミニウム材表面層の洗浄効果を高める目的で、洗浄液に界面活性剤やキレート剤を添加しても良い。
【0078】
前記洗浄によるアルミニウム材表面層の除去量は、平均値で、アルミニウム材片面あたり1nm以上500nm以下であることが好ましい。表面層除去量が平均値で1nm未満の場合、アルミニウム材表面層の酸化膜の除去が不十分となる恐れがあり、500nmより多く表層を除去するとアルミニウム材表面層のエッチピット核の生成が抑制されるため、却ってエッチング特性が悪く静電容量が低下する恐れがある。洗浄による特に好ましい表面層除去量は、平均値で、アルミニウム材片面あたり1.5nm以上200nm以下であり、さらに5nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上150nm以下がより好ましい。
【0079】
なお、アルミニウム材表面層酸化膜と金属のアルミニウムは、密度が異なるが、本願においてアルミニウム材の表面層除去量D(nm)は洗浄による単位表面積当たりの質量減E(g/cm2)とアルミニウムの密度2.7g/cm3を用いて、D(nm)=E×107/2.7と規定する。
【0080】
洗浄液とアルミニウム材との接触方法としては、特に限定されないが、浸漬、洗浄液表面へのアルミニウム材の接触、スプレー等があげられる。
【0081】
酸化性雰囲気中での加熱方法は限定されないが、送風加熱、輻射加熱などを例示できる。また、加熱されるアルミニウム材の形態も特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ加熱しても良いし、コイルを巻き戻し連続加熱したのちコイルに巻き取っても良い。
【0082】
酸化性雰囲気中でのアルミニウム材の加熱温度は、50〜400℃であることが好ましい。加熱温度が50℃未満では、最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング時のアルミニウム材表面層の溶解性が不均一になる。加熱温度が400℃を越えるとアルミニウム材の表層酸化膜が厚くなりすぎるために、最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング特性が低下する。特に好ましいアルミニウム材の加熱温度は70〜350℃である。
【0083】
加熱時間は3秒以上72時間以下であることが好ましい。加熱時間が3秒未満では、最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング時のアルミニウム材表面層の溶解性が不均一になり、加熱時間が72時間を超えると、アルミニウム材表面層の溶解均一性は殆ど変わらなくなり、加熱時のエネルギー消費によりコスト高となる。特に好ましい加熱時間は10秒以上48時間以下であり、とりわけ70秒以上48時間以下が良い。
【0084】
酸化性雰囲気中での加熱温度と時間は、加熱方法により適正な条件が選択される。例えば、コイルとして巻き取った状態でアルミニウム材を加熱する場合には、50℃〜280℃にて30分から72時間加熱されることが好ましい。また、コイルを巻き解いた状態のアルミニウム材あるいはシート状にカットしたアルミニウム材を加熱する場合の加熱時間t(時間)は、加熱温度をx(℃)とすると、10/(1.44×x1.5)≦t≦72であることが好ましく、さらに10/(1.44×x1.5)≦t≦48であることが好ましい。
【0085】
酸化性雰囲気中でのアルミニウム材の加熱における酸素濃度は、0.1体積%以上であることが好ましい。酸素濃度が0.1体積%未満では、加熱時にアルミニウム材表面が十分酸化されない恐れがある。酸素濃度は特に1体積%以上であることが好ましく、とりわけ5体積%以上であることが好ましく、空気を酸化性雰囲気として好適に利用できる。
【0086】
アルミニウム材の最終焼鈍における処理雰囲気は特に限定されるものではないが、酸化皮膜の厚さを増大させすぎないように、水分および酸素の少ない雰囲気中で加熱するのが好ましい。具体的には、アルゴン、窒素などの不活性ガス中あるいは0.1Pa以下の真空中で加熱することが好ましい。また、最終焼鈍の雰囲気として水素ガスも好適に利用できる。
【0087】
最終焼鈍後のアルミニウム材の立方体方位占有率は90%以上が好ましい。
【0088】
最終焼鈍の方法は特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ焼鈍しても良く、コイルを巻き戻し連続焼鈍したのちコイルに巻き取っても良く、バッチ焼鈍と連続焼鈍の少なくともいずれかを複数回行っても良い。
【0089】
焼鈍時の温度、時間は特に限定されるものではないが、例えばバッチ焼鈍を行う場合には、450〜600℃にて10分〜50時間焼鈍するのが好ましい。温度が450℃未満、時間が10分未満では、エッチピットが均一に生成する表面が得られない恐れがある。逆に600℃を越えて焼鈍すると、アルミニウム材が密着を起こし易くなり、また50時間を超えて焼鈍してもエッチングによる拡面効果は飽和し、却って熱エネルギーコストの増大を招く。特に460〜570℃にて20分〜40時間焼鈍されることが好ましい。
【0090】
また、昇温速度・パターンは特に限定されず、一定速度で昇温させても良く、昇温、温度保持を繰り返しながらステップ昇温・冷却させても良く、焼鈍工程にて450〜600℃の温度域で合計10分〜50時間焼鈍されれば良い。
【0091】
本発明で規定した以外の工程および工程条件については、特に限定されることはなく、常法に従って行えば良い。また、アルミニウム材のエッチング条件との関係で、アルミニウム材の製造方法は適宜変更される。
【0092】
最終焼鈍後に得られる電解コンデンサ電極用アルミニウム材の厚さは特に規定されない。箔と称される200μm以下のものも、それ以上の厚いものも本発明に含まれる。
【0093】
最終焼鈍を経たアルミニウム材には、拡面率向上のためエッチング処理を実施する。エッチング処理条件は特に限定されないが、好ましくは直流エッチング法を採用するのが良い。直流エッチング法によって、前記焼鈍において生成が促進されたエッチピットの核となる部分において、深く太くエッチングされ、多数のトンネル状ピットが生成され、高静電容量が実現される。
【0094】
エッチング処理後、望ましくは化成処理を行って陽極材とするのが良く、特に、中圧用および高圧用の電解コンデンサ電極材として用いるのが良いが、陰極材として用いることを妨げるものではない。また、この電極材を用いた電解コンデンサは大きな静電容量を実現できる。
【0095】
なお、静電容量の測定は常法に従えば良く、化成処理されたエッチド箔について、例えば30℃の80g/Lのホウ酸アンモニウム水溶液中で、ステンレス板を対極として120Hzにて測定する方法を例示できる。
【実施例】
【0096】
以下に本発明の実施例および比較例を示す。
【0097】
表1記載のFe, Si, Cu, Pbを含有するアルミニウムスラブを用意した。アルミニウムスラブを熱間圧延して得られた板を冷間圧延し、窒素雰囲気で260℃18時間中間焼鈍した後、さらに仕上げ冷間圧延を施しアルミニウム材とした。
実施例1
表1中組成6の仕上げ冷間圧延後のアルミニウム材をn-ヘキサンで洗浄した後、空気中で240℃にて6時間加熱し、さらに、アルゴン中にて540℃、16時間の最終焼鈍を施し、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
実施例2
表1中組成6の仕上げ冷間圧延後のアルミニウムを40℃、0.2質量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、アルミニウム材表面層を10nm除去した後、空気中で200℃にて6時間加熱し、さらに、アルゴン中にて540℃12時間の最終焼鈍を施し、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
実施例3
アルミニウム材の組成が表1中組成7であること以外は実施例2と同様にして、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
実施例4〜実施例20
表1中組成1〜13の仕上げ冷間圧延後のアルミニウム材を酸性水溶液、アルカリ水溶液または有機溶剤を用いて洗浄した後、酸化性雰囲気中の加熱、アルゴン中での最終焼鈍を実施し、評価用エッチング後L値の異なる電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
比較例1〜比較例3
表1中組成3,組成14、組成15の仕上げ冷間圧延後のアルミニウム材を洗浄した後、酸化性雰囲気中での加熱を実施せずにアルゴン中で最終焼鈍し電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
【0098】
上記の各実施例および比較例で得られたアルミニウム材を、下記の方法にて評価用エッチングし、下記に示す方法でLab系における明度指数(L値)を測定した。
[評価用エッチングの方法]
前処理として50℃、2mol/Lのリン酸性水溶液にアルミニウム材を30秒もしくは45秒浸漬したのち水洗し、下記に示す電解液中で電流密度0.4A/cm2にて3秒間直流電解エッチングし、水洗、乾燥し評価用エッチングしたアルミニウム材を得た。
【0099】
電解液組成:塩酸1.0mol/L、硫酸2.7mol/L、硫酸アルミニウム1.0mol/L(硫酸アルミニウム水和水として添加)
電解液温度:82℃
対極としてカーボン電極を、アルミニウム材の両側にアルミニウム材との距離17mmを隔てて設置し、両面エッチング(電流密度は投影面積あたりの値)
[評価用エッチングを行ったアルミニウム材のLab系による明度指数(L値)の測定方法]
測定装置として、スガ試験機株式会社製 SC−3−CHを用いて下記の条件で測定した。
【0100】
光学条件:45-n(JIS Z 8722 5.3.1記載の条件a)
測色条件:C光2°視野
試料測定部:直径30mmの円
試料の設置方法:光線束の中心の光路を含む面の法線であって、試料面中に含まれる法線と、圧延方向が垂直になるように試料を設置して測定。
【0101】
測定した明度指数(L値)を表2に示す。
【0102】
上記の各実施例および比較例で得られた最終焼鈍後のアルミニウム材を、エッチングの前処理として50℃、2mol/Lのリン酸性水溶液に30秒もしくは45秒浸漬した後、水洗し、上記明度指数(L値)測定の為に行った評価用エッチングと同じ電解液中で、電流密度0.4A/cm2にて120秒間直流電解エッチングし、トンネル状ピットを形成させた後、さらに電解エッチングと同じ液組成の90℃の溶液に浸漬し、エッチピットを太くさせた。得られたエッチド箔を化成電圧270VにてEIAJ規格に従い化成処理し、静電容量測定用サンプルとした。
【0103】
表2に比較例1の前処理30秒および45秒の静電容量を100としたときの相対静電容量を示す。
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【0106】
上記のように、Pb含有量が0.3質量ppm以上2.5質量ppm以下であり、前述した評価用エッチング後のアルミニウム材の前述した方法にて測定したLab系における明度指数(L値)が、前処理時間が30秒の場合25以上56以下、あるいは前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の少なくともいずれかを満足させることにより、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得ることができる。
【0107】
また、Cu含有量が10ppm以上150ppm以下の実施例は、Cu含有量10ppm未満あるいは150ppmを越える実施例に比べ、より静電容量が高い。
【0108】
一方、比較例1は明度指数(L値)が本願規定の範囲外であるため静電容量が実施例に比べ低い。また、比較例2はPb含有量およびL値が本発明規定の下限未満であり、比較例3はPb含有量およびL値が本発明規定の上限を越えるため、どちらも静電容量が低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Pb含有量が0.3質量ppm以上2.5質量ppm以下であり、下記に示す評価用エッチング後のアルミニウム材の下記に示す方法にて測定したLab系における明度指数(L値)が、前処理時間が30秒の場合25以上56以下、あるいは前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の少なくともいずれかを満足する電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
[評価用エッチングの方法]
前処理として50℃、2mol/Lのリン酸水溶液に、アルミニウム材を30秒もしくは45秒浸漬したのち水洗し、下記に示す電解液中で電流密度0.4A/cm2にて3秒間直流電解エッチングし、水洗、乾燥する。
電解液組成:塩酸1.0mol/L、硫酸2.7mol/L、硫酸アルミニウム1.0mol/L(硫酸アルミニウム水和水として添加)
電解液温度:82℃
対極としてカーボン電極を、アルミニウム材の両側にアルミニウム材との距離17mmを隔てて設置し、両面エッチング(電流密度はアルミニウム材の投影面積あたりの値)
[Lab系による明度指数(L値)の測定方法]
光学条件:45-n(JIS Z 8722 5.3.1記載の条件a)
測色条件:C光2°視野
試料の配置条件:光線束の中心の光路を含む面の法線であって、試料面中に含まれる法線と、圧延方向が垂直になるように試料を配置して測定。
【請求項2】
明度指数(L値)が前処理時間が30秒の場合25以上56以下、前処理時間が45秒の場合27以上58以下、の両方を満足する請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【請求項3】
10質量ppm以上150質量ppm以下のCuを含む請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【請求項4】
アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上である請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【請求項5】
中圧用または高圧用陽極材として用いられる請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアルミニウム材にエッチングが施されていることを特徴とする電解コンデンサ用電極材。
【請求項7】
エッチングの少なくとも一部が直流電解エッチングにより行われたものである請求項6に記載の電解コンデンサ用電極材。
【請求項8】
さらに化成処理が施されている請求項6または請求項7に記載の電解コンデンサ用電極材。
【請求項9】
陽極材として用いられる請求項8に記載の電解コンデンサ用電極材。
【請求項10】
請求項8もしくは請求項9に記載の電解コンデンサ用電極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。

【図1】
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【公開番号】特開2012−255213(P2012−255213A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164530(P2012−164530)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【分割の表示】特願2006−74964(P2006−74964)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)