説明

電解式浄水装置

【課題】 飲用される水の溶存水素量を低下させることなく一定の範囲に保持することができる新規な電解式浄水装置を提供する。
【解決手段】 水を浄水するカーボンフィルタ13等と、この逆浸透膜フィルタ16等を経た水が貯留される冷水タンク22と、この冷水タンク22に貯留された水を吐水する冷水用吐水口3とを備えた浄水装置であって、上記カーボンフィルタ13等を経た水から純水を生成する逆浸透膜フィルタ16と、この逆浸透膜フィルタ16から生成された純水を上記冷水タンク22に供給する供給ルートと、上記逆浸透膜フィルタ16により生成された純水の一部を電気分解することにより水素ガスを生成する電解装置32と、上記冷水タンク22内から処理水を取り出し再び該冷水タンク22に戻す循環ルートと、この循環ルートの中途部に配置され、上記冷水タンク22から取り出された処理水と上記水素ガスとを一緒に該冷水タンク22に戻す循環ポンプ62と、を備えてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水等を浄水し、一般家庭や事業所などにおいて飲用される水を供給するために使用される電解式浄水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向の高まりから、上水道から供給される水道水を浄水する浄水装置が広く普及している。特に、家庭で使用されるものでは、上方から水を注ぐことにより水の自重で活性炭や鉱石等を含む濾過フィルタを通過させるタイプのものや、水道管に接続させ濾過フィルタを通過させた後に弁(蛇口又はコック)を開放することにより水道の水圧を利用して水を吐出させるタイプのもの、さらには水道管から供給された水道水を濾過フィルタ等で濾過した水をタンクに貯留させておき、その水を適宜排出して飲料するタイプのものが実施されている。
【0003】
ところで、こうした浄水装置には、これまで電気分解機能を付加したものが提案されている。すなわち、上水道から供給された水道水を電気分解することにより、水素ガスを生成し、この水素ガスを上記水道水に溶解させる機能を備えた浄水装置である。この浄水装置は、処理水中における溶存水素量を上げて酸化還元電位を低下させることを主目的としたものであり、溶存水素を増加させることにより、健康に有用な水に改質するものである(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−261999号公報
【特許文献2】特許第2605642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記各特許文献に開示された浄水装置では、水の溶存水素量は、時間の経過により徐々に低下し、飲用する際における溶存水素量は極めて微量となってしまう場合が多く、上述した水の改質による効果も時間の経過により半減されて行く。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来の電解式浄水装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、飲用される水の溶存水素量を低下させることなく常に一定の範囲に保持することができる新規な電解式浄水装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)に係る電解式浄水装置は、水を浄水する浄水処理部と、この浄水処理部を経た水が貯留される処理水タンクと、この処理水タンクに貯留された水を吐水する吐水部とを備えた浄水装置であって、上記浄水処理部を経た水から純水を生成する純水生成部と、この純水生成部から生成された純水を上記処理水タンクに供給する供給ルートと、上記純水生成部により生成された純水の一部を電気分解することにより水素ガスを生成する水素ガス生成部と、上記処理水タンク内から処理水を取り出し再び該処理水タンクに戻す循環ルートと、この循環ルートの中途部に配置され、上記処理水タンクから取り出された処理水と上記水素ガスとを一緒に該処理水タンクに戻す循環ポンプと、を備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
この第1の発明では、水道水などの水は、先ず浄水処理部にて浄水され、その後、純水生成部により純水となって一部は処理水タンクに貯留される。他の一部は、水素ガス生成部に送られることにより電気分解される。この電気分解されたことにより水素ガスが生成される。この生成された水素ガスは、循環ポンプにより、上記処理水タンクから取り出された水に溶解しながら上記循環ルートを経て処理水タンクに貯留される。なお、この処理水タンク内の水は、吐水部から外部に吐水され、これを使用者は飲用することができる。したがって、この電解式浄水装置によれば、処理水タンク内に貯留される水は、上記循環ポンプの駆動により循環ルートを経て循環することにより、処理水中の溶存水素量が徐々に増加することとなり、使用者は溶存水素量が飽和状態に近い状態で飲用することが可能となる。
【0009】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、前記第1の発明において、前記循環ルートの中途部であって、前記循環ポンプと処理水タンクとの間には、前記水素ガスの気泡を微細化させる気泡微細化フィルタが配置されてなることを特徴とするものである。
【0010】
この第2の発明に係る電解式浄水装置では、前記気泡微細化フィルタにより水素ガスの気泡を微細化させることから、処理水中の溶存水素量をより高めることができる。
【0011】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、前記第1又は第2の発明において、前記循環ポンプと水素ガス生成部とは、タイマが内蔵された制御装置に接続されてなるとともに、この制御装置には光照度センサが接続され、上記光照度センサを介して上記制御装置が所定の照度であると判別した場合には、タイマを介して、上記循環ポンプと水素ガス生成部とを所定時間に亘って駆動と停止とを繰り返すようにされてなることを特徴とするものである。
【0012】
この第3の発明に係る電解式浄水装置では、光照度センサにより、制御装置が所定の光の照度に達したと判断した場合には、上記循環ポンプと水素ガス生成部とがともに駆動を開始する。そして、これら循環ポンプと水素ガス生成部との駆動が所定時間経過したとタイマを介して制御装置が判別した場合には、所定時間だけ該循環ポンプと水素ガス生成部との駆動を停止し、また更に該循環ポンプと水素ガス生成部との停止が所定時間経過したと制御装置が判別した場合には、再び制御装置は循環ポンプと水素ガス生成部との駆動を開始する。このように、この第3の発明に係る電解式浄水装置では、循環ポンプと水素ガス生成部との駆動の開始及び停止を繰り返すように制御され、常時循環ポンプと水素ガス生成部とが駆動し続けるものではない。したがって、この第3の発明に係る電解式浄水装置によれば、処理水中の溶存水素量を一定量に保つことができるばかりではなく、節電を図ることができる。
【0013】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、前記第1、第2又は第3の発明において、前記水素ガス生成部には、前記純水の電気分解により水素ガスと共に生成された酸素ガスが流通する酸素ガス流通ルートが接続され、この酸素ガス流通ルートの先端は、使用者が吸引する酸素ガスを放出する酸素ガス放出口とされてなることを特徴とするものである。
【0014】
この第4の発明に係る電解式浄水装置では、純水を電気分解することにより水素ガスと共に発生した酸素ガスは、上記酸素ガス流通ルート内を通過して酸素ガス放出口から放出される。したがって、この第4の発明によれば、使用者は、酸素ガス放出口から放出された酸素を体内に取り込むことができ、電気分解により生成された酸素ガスを有効に利用することが可能となる。
【0015】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、前記第4の発明において、前記酸素ガス流通ルートの中途部には前記酸素ガスを送り出すファンが配置されてなるとともに、このファンは、前記制御装置に接続されてなるとともに、該制御装置には、酸素放出用スイッチが接続されてなり、前記循環ポンプと水素ガス生成部の駆動が停止している際に上記酸素放出用スイッチがオン操作されたと上記制御装置が判別した場合には、上記ファンと循環ポンプと水素ガス生成部とが駆動を開始することを特徴とするものである。
【0016】
この第5の発明に係る電解式浄水装置では、前記循環ポンプと水素ガス生成部の駆動が停止している際において、上記酸素放出用スイッチがオン操作されたと上記制御装置が判別した場合には、上記ファンと循環ポンプと水素ガス生成部とが駆動を開始する。したがって、こうした水素ガス生成部と循環ポンプの駆動開始により、水素ガスが生成され処理水タンク内の溶存水素量が強制的に増加するばかりではなく、上記ファンの駆動開始により、酸素ガス流通ルート内に流入した酸素ガスは、所定の圧力により前記酸素ガス放出口から放出される。したがって、この第5の発明に係る電解式浄水装置によれば、循環ポンプと水素ガス生成部の駆動が停止している場合においても、使用者に酸素ガスを吸引する必要性が生じた場合には、いつでも上記スイッチをオン操作することにより酸素ガスを吸引することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明(請求項1記載の発明)では、上記水素ガス生成部により生成された水素ガスは、循環ポンプにより、上記処理水タンクから取り出された水に溶解しながら上記循環ルートを経て処理水タンクに貯留されることから、処理水中の溶存水素量が徐々に増加することとなり、使用者は溶存水素量が飽和状態に近い状態で飲用することが可能であるとともに、飲用される水の溶存水素量を低下させることなく一定の範囲に保持することができる。
【0018】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、前記気泡微細化フィルタにより水素ガスの気泡を微細化させることから、処理水中の溶存水素量をより高めることができ、飲用される水の溶存水素量を低下させることなく一定の範囲に保持することができる。
【0019】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、前記循環ポンプと水素ガス生成部との駆動の開始及び停止を繰り返すように制御され、常時循環ポンプと水素ガス生成部とが駆動し続けるものではないことから、処理水中の溶存水素量を一定量に保つことができるばかりではなく、節電を図ることができる。
【0020】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、純水を電気分解することにより水素ガスと共に発生した酸素ガスは、前記酸素ガス流通ルート内に流入して酸素ガス放出口から放出されることから、使用者は、酸素ガス放出口から放出された酸素ガスを体内に取り込むことができ、電気分解により生成された酸素ガスを有効に利用することが可能となる。
【0021】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)では、前記循環ポンプと水素ガス生成部の駆動が停止している際において、上記酸素放出用スイッチがオン操作されたと上記制御装置が判別した場合には、上記ファンと循環ポンプと水素ガス生成部とが駆動を開始し、こうした水素ガス生成部と循環ポンプの駆動開始により、水素ガスが生成され処理水タンク内の溶存水素量が強制的に増加するばかりではなく、上記ファンの駆動開始により、酸素ガス流通ルート内に流入した酸素ガスは、所定の圧力により前記酸素ガス放出口から放出される。したがって、この第5の発明に係る電解式浄水装置によれば、循環ポンプと水素ガス生成部の駆動が停止している場合においても、使用者に酸素ガスを吸引する必要性が生じた場合には、いつでも上記スイッチをオン操作することにより酸素ガスを吸引することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る電解式浄水装置を示す外形斜視図である。
【図2】図1に示す電解式浄水装置の部分図であって、(a)は表示パネル、(b)は操作パネルをそれぞれ示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電解式浄水装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電解式浄水装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電解式浄水装置を構成する電解装置であって、(a)は正面図、(b)は(a)のA部拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電解式浄水装置を構成する電解装置であって、(a)は側断面図、(b)は(a)のB部拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電解式浄水装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための実施の形態に係る電解式浄水装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
この実施の形態に係る電解式浄水装置1は、家庭で使用される浄水装置であり、図1に示すように、直方体状に成形された筐体2内に、後述する冷水タンク22(本発明の処理水タンク)、温水タンク23、加圧ポンプ15等が収容されている。そして、上記筐体2の正面のやや上方には、凹部2aが形成され、この凹部2a内には、冷水用吐水口3(本発明の吐水部)と、この冷水用吐水口3に並んだ温水用吐水口4とが配置されている。上記冷水用吐水口3は、後述する冷水タンク(本発明を構成する処理水タンク)22内の飲用水が吐水される部位であり、上記温水用吐水口4は、後述する温水タンク23内の飲用水が吐水される部位である。そして、上記冷水用吐水口3の後方には、開閉弁を構成する冷水用開閉操作レバー5が配置され、上記温水用吐水口4の後方には、開閉弁を構成する温水用開閉操作レバー6が配置されている。
【0025】
これら冷水用開閉操作レバー5及び温水用開閉操作レバー6は、何れも図示しない開閉弁に連結されてなるものであって、図示しない弾性材により正面方向(閉方向に)に付勢されてなるものであり、図示しないコップ等の容器を介して(又は使用者の手指により)使用者により後方に押圧されることにより、上記冷水用吐水口3や温水用吐水口4から冷水又は温水を吐水するものである。なお、上記凹部2a内の上記冷水用吐水口3や温水用口4の下方には、図示しないコップが載置できる受板2fが配置されている。この受板2fには、上記冷水用吐水口3や温水用吐水口4から吐水された冷水又は温水が通過する透孔2gが形成され、この透孔2gの下方には、一端が図示しない排水用タンクに接続された図示しない排水用チューブの他端が接続されている。また、図1に示す筐体2の右側板2dには、酸素ガスを吸引するための酸素吸引チューブ7が配置され、この酸素吸引チューブ7の基端が後述する電解装置32(本発明の水素ガス生成部)の酸素ガス吐出口39dに接続されている。
【0026】
また、上記凹部2aの上方には、上正面パネル2bが固定され、この上正面パネル2bには、円形状の表示パネル8と、この表示パネル8の下方に配置された操作パネル9とが配置されている。これらのうち、図2(a)に示す一方の表示パネル8の上方中央には、図4に示す制御装置20に接続された電源作動ランプ8Aが配置され、電解式浄水装置1の電源がONの状態において緑色に点灯され、OFFの状態において消灯される。この電源作動ランプ8Aの下方左側には、制御装置20に接続された温水状態表示ランプ8Bが配置され、後述する温水タンク23内の水温が所定温度に加温されている状態のときに赤色に点灯され、常温の状態のときに消灯される。また、上記電源作動ランプ8Aの下方右側には、制御装置20に接続された冷水状態表示ランプ8Cが配置され、後述する冷水タンク22内の水温が所定温度に冷却されている状態のときに青色に点灯され、常温の状態のときに消灯される。
【0027】
また、上記温水状態表示ランプ8Bの下方には、制御装置20に接続された水素・酸素生成中ランプ8Dが配置され、後述する電解装置32の作動により水素ガス及び酸素ガスが生成中において青色が点灯される。また、上記冷水状態表示ランプ8Cの下方には、制御装置20に接続された水素・酸素休止中ランプ8Eが配置され、後述する電解装置32の作動停止による水素ガス及び酸素ガスの生成休止中において橙色が点灯される。また、これら水素・酸素生成中ランプ8D及び水素・酸素休止中ランプ8Eの下方中央部には、制御装置20に接続されたフィルタ交換警告ランプ8Fが配置されている。このフィルタ交換警告ランプ8Fは、制御装置20に接続されたフィルタ交換タイマ9Gが設定時間に到達した作動信号により、後述するセディメントフィルタ12及びカーボンフィルタ13(本発明の浄水処理部)の交換時期を警告するための赤色が点灯され、常時は消灯されている。なお、上記フィルタ交換タイマ9Gの設定時間は、水道水の浄水性を維持するために約4400時間(約6か月)に設定されている。
【0028】
また、図2(b)に示す他方の操作パネル9の左端には、図4に示す制御装置20に接続され、「OXI」と表示された酸素放出スイッチ9Aが配置されている。この酸素放出スイッチ9Aは、該酸素放出スイッチ9Aが消灯中であるとともに、上記水素・酸素休止中ランプ8Eが点灯中であって、後述する電解装置32により酸素ガスが生成されていない休止中の任意の時期に、手動で押すことにより該酸素放出スイッチ9Aのオン・オフ表示部が点灯されるとともに、該電解装置32の作動が開始されて上記酸素吸引チューブ7から酸素ガスを吸引することができる。また、この酸素放出スイッチ9Aの右側には、制御装置20に接続され、「HOT」と表示された温水温度スイッチ9Bが配置されている。この温水温度スイッチ9Bは、該温水温度スイッチ9Bが点灯中であるとともに、上記温水状態表示ランプ8Bが点灯中であって、後述する温水タンク23内の水温が所定温度に加温されている状態(温水の状態)の任意の時期に、手動で押すことにより該温水温度スイッチ9Bのオン・オフ表示部が消灯されるとともに、後述するヒーター27の作動が停止されて上記温水タンク23内の水温が所定温度に加温されない状態(常温の状態)になる。
【0029】
また、上記温水温度スイッチ9Bの右側には、制御装置20に接続された光照度センサ9Cが配置されている。この光照度センサ9Cは、室内の照度を感知して設定照度におい設定照度に達した場合には明信号を出力し、設定照度に達しない場合には暗信号をするものであって、例えば、室内が設定照度の明るさに達したときには、明信号を出力して電解式浄水装置1を作動開始させ自動運転が維持されるとともに、設定照度よりも暗くなったときには、暗信号を出力して電解式浄水装置1の自動運転を停止させ休止状態が維持される。
【0030】
また、上記光照度センサ9Cの右側には、制御装置20に接続され、「COLD」と表示された冷水温度スイッチ9Dが配置されている。この冷水温度スイッチ9Dは、該冷水温度スイッチ9Dが点灯中であるとともに、上記温冷水状態表示ランプ8Cが点灯中であって、後述する冷水タンク22内の水温が所定温度に冷却されている状態(冷水の状態)の任意の時期に、手動で押すことにより該冷水温度スイッチ9Dのオン・オフ表示部が消灯されるとともに、後述するクーラー24の作動が停止されて、上記冷水タンク22内の水温が所定温度に維持されない状態(常温の状態)になる。また、上記冷水温度スイッチ9Dの右側には、制御装置20に接続され、「RESET」と表示されたタイマリセットスイッチ9Eが配置されている。このタイマリセットスイッチ9Eは、前記フィルタ交換警告ランプ8Fの点灯による警告に基づき、後述するセディメントフィルタ12及びカーボンフィルタ13を交換した後に前記フィルタ交換タイマ9Gの作動を開始させるべく、上記タイマリセットスイッチ9Eを押すことにより該タイマリセットスイッチ9Eのオン・オフ表示部が点灯されるとともに、カウント時間が零(0)にリセットされる。
【0031】
また、上記凹部2aの下方には、下正面パネル2cが着脱自在に取り付けられ、この下正面パネル2cの後方(上記筐体2内)には、後述する冷水タンク22,温水タンク23、排水用タンク(図示は省略)等が収容されている。これらの構成を含めて、以下、図3に示す模式図を参照しながらこの実施の形態に係る電解式浄水装置1を説明する。
【0032】
この電解式浄水装置1は、公共の上水道に配管(符号は省略する。)及び止水弁11を介して接続されており、この配管にはセディメントフィルタ12が接続されている。このセディメントフィルタ12では、図示しない5〜6μmの孔により上水道から給水された水中の錆や砂、塵埃などをはじめ、微細な不純物が取り除かれる。このセディメントフィルタ12には、カーボンフィルタ13が接続され、このカーボンフィルタ13の図示しない活性炭の吸着作用により、上記セディメントフィルタ12を経た水中の塩素化合物や薄い色素,臭気等が吸着される。また、このカーボンフィルタ13には、電磁弁14を介して加圧ポンプ15が接続され、上水道から給水された水が下流側に圧送される。これら電磁弁14及び加圧ポンプ15は、図4に示す制御装置20に接続され、後述する予備タンク18内のフロートスイッチ21の作動により駆動又は停止される。
【0033】
また、図3に示す上記加圧ポンプ15には、逆浸透膜フィルタ16(本発明の純水生成部)が接続され、この逆浸透膜フィルタ16では、0.0001μm(頭髪の約100万分の1)の図示しない微孔を有する半透膜によって、上記加圧ポンプ15から圧送された水から重金属、各種細菌や有機化合物などの不純物が約95%取り除かれた純水が得られるとともに、透過できずに不純物を含む水は下部に接続された排水用チューブ(符号は省略する。)から外部に排出される。また、この逆浸透膜フィルタ16には、一方の鉱石フィルタ17が接続されるとともに、他方の分岐継手(符号は省略する。)を介してイオン交換樹脂フィルタ31が接続されている。
【0034】
これらのうち、一方の鉱石フィルタ17には、図示しない天然鉱石の医王石、長石、トルマリン等が積層されており、該一方の鉱石フィルタ17を純水が通過することにより、該純水にはミネラル成分が溶解される。この鉱石フィルタ17には、さらに予備タンク18が接続され、この予備タンク18内に上記鉱石フィルタ17から吐水された水が貯留される。また、この予備タンク18には、貯留された水を所定量に維持するためのフロートスイッチ21が内設されているとともに、該予備タンク18の下部には、冷水タンク22と、温水タンク23とがそれぞれ接続されている。上記フロートスイッチ21は、中空状に密閉され水面上で浮動可能な浮動体21aと、この浮遊体21aを支持するL字状の支持体21bと、上記浮動体21aの上下動により上記支持体21bを介して電気的にON/OFF作動するマイクロスイッチ21cとにより構成されている。なお、本発明の純水を処理水タンクに供給する供給ルートは、上記鉱石フィルタ17及び予備タンク18により構成されている。
【0035】
したがって、上記予備タンク18内の貯留水量が一定量だけ減少すると上記浮動体21aの先端側が下降し、この下降により上記支持体21bを介して、図4に示す制御装置20に接続されたマイクロスイッチ21cの通電がONとなって、上記電磁弁14が開かれるとともに加圧ポンプ15が駆動され、予備タンク18内に鉱石フィルタ17を通過した水が補充される。また、上記予備タンク18内の貯留水量が所定量に達すると、上記マイクロスイッチ21cの通電がOFFとなって、上記電磁弁14が閉じられるとともに加圧ポンプ15が停止され、予備タンク18内に上記鉱石フィルタ17を通過した水は補充されなくなる。
【0036】
そして、上記予備タンク18の下方には、それぞれ管体(符号は省略する。)を介して冷水タンク22と、温水タンク23が接続されている。上記冷水タンク22には、貯留された水を冷却するためのクーラー24が装着されているとともに、貯留された冷水の温度を所定温度に維持すべく温度検出する冷水用サーモスタット25が、温度検出部25aを水中に配置して装着されている。これらのうち、クーラー24及び冷水用サーモスタット25は図4に示す制御装置20に接続され、冷水タンク22内の水温が所定の温度以上に上昇した場合には、上記冷水用サーモスタット25の通電がONとなることにより、クーラー24が駆動されて上記貯留水の水温が冷却される。これに対して、水温が所定の温度まで下降した場合には、上記冷水用サーモスタット25の通電がOFFとなることにより、クーラー24の駆動が停止される。また、上記冷水タンク22には、先端が冷水を吐水する前記冷水用吐水口3とされた管体(符号は省略する。)が接続されている。したがって、前記冷水用開閉操作レバー5を後方に操作すると、上記冷水タンク22内に貯留された冷水は、自重により上記冷水用吐水口3から吐水され、この吐水量に応じて、前記予備タンク18に貯留された水が落差(自重)により冷水タンク22に補充される。
【0037】
また、上記温水タンク23には、貯留された水を加温するためのヒーター27が装着されているとともに、該温水タンク23に貯留された温水の温度を所定温度に維持すべく温度検出する温水用サーモスタット28が、温度検出部28aを水中に配置して装着されている。これらのうち、ヒーター27及び温水用サーモスタット28は、図4に示す制御装置20に接続され、温水タンク23内の水温が所定の温度以下に下降した場合には、上記温水用サーモスタット28の通電がONとなることにより、ヒーター27が作動されて上記貯留水の水温が加温される。これに対して、水温が所定の温度まで上昇した場合には、上記温水用サーモスタット28の通電がOFFとなることにより、ヒーター27の作動が停止される。また、上記温水タンク23には、先端が前記温水用吐水口4となされた管体(符号は省略する。)が接続されている。また、この温水タンク23への水の補充は、上記温水用吐水口4から温水が吐出されると、前記予備タンク18に貯留された水が管体を介して該温水タンク23に落差(自重)により補充される。
【0038】
また、上述した逆浸透膜フィルタ16から分岐して接続された他方のイオン交換樹脂フィルタ31では、イオン交換樹脂のイオン交換作用により、上記逆浸透膜フィルタ16から圧送された純水中のカルシウムや炭酸ガスなどや、殺菌のために水中に存在する残留塩素が除去された超純水が生成される。このイオン交換樹脂フィルタ31には、該イオン交換樹脂フィルタ31から圧送された超純水を電気分解して、水素ガスと酸素ガスとを生成するための電解装置(本発明の水素ガス生成部)32が接続されている。この電解装置32は、図5及び図6に示すように、水を収容可能な外側容器33と、この外側容器33の内側上部に隙間を形成して配置され内側に水を収容可能な内側容器34と、これら外側容器33及び内側容器34の上端に固定された容器蓋35と、この容器蓋35の上面に固定された支持蓋37と、この支持蓋37に固定された水素ガス用ダクト38及び酸素ガス用ダクト39とから構成された構造体をなしている。
【0039】
これらのうち、上記外側容器33は、図6に示すように、下方側に水(電解液)を貯留可能な胴部33aが形成され、この胴部33aの下方には、貯留された水を排出するための排出口33bが形成されている。この排出口33bには手動により開閉される開閉弁41(図3参照)が配置されている。この開閉弁41による排水は、電解装置32内に後述する電気分解により析出されたスケールなどを除去するための排水であって、この電解装置32内には、前記逆浸透膜フィルタ16及びイオン交換フィルタ31により濾過された純水が供給されることから、スケールなどの蓄積が少なく、約1年に1回程度の排水がなされる。また、上記外側容器33には、上記胴部33aと連続する上方にV字状に傾斜して拡幅された拡幅部33dが形成され、この拡幅部33dと連続する上部に起立された起立部33fが形成されており、これらの図5に示す左右方向の側部は図示しない側板により封止されているとともに、上記起立部33fの上部は、上記容器蓋35に固定されている。
【0040】
また、前記内側容器34は、下端に水が流通可能な流通口34aが形成され、この流通口34aから上方にV字状に傾斜して拡幅された拡幅部34bが形成され、この拡幅部34bと連続する上部に起立された起立部34cが形成されており、この起立部34cの上部は、前記容器蓋35に固定されている。そして、前記外側容器33の拡幅部33d及び起立部33fと、上記内側容器34の拡幅部34b及び起立部34cとの間には、後述する水素ガスが流通可能な水素ガス流路43と、後述する酸素ガスが流通可能な酸素ガス流路44とが形成される。
【0041】
また、前記水素ガス用ダクト38は、下端に上記水素ガス流路43からの水素ガスが流通可能な開口(符号は省略する。)が形成され、この開口と連続する上方に起立された下側起立部38aが形成され、この下側起立部38aと連続する上方に縮幅された縮幅部38bが形成され、この縮幅部38bと連続する上方に起立された水素ガス吐出部38cが形成されている。この水素ガス吐出部38cの上端には、水素ガスを吐出可能に開口された水素ガス吐出口38dが形成され、この水素ガス吐出口38dは配管部材56により図3に示すカーボンエアフィルタ57に接続されている。また、上記縮幅部38bは、図5に示すように、左右から中央に向かって高くなる山形状に形成されており、この山形状の頂部に上記水素ガス吐出部38cが形成されていることから、後述する陰極電解板51により生成された水素ガスが、該水素ガス吐出部38cに効率的に集中させられる。
【0042】
また、前記酸素ガス用ダクト39は、下端に前記酸素ガス流路44からの酸素ガスが流通可能な開口(符号は省略する。)が形成され、この開口と連続する上方に起立された下側起立部39aが形成され、この下側起立部39aと連続する上方に縮幅された縮幅部39bが形成され、この縮幅部38bと連続する上方に起立された酸素ガス吐出部39cが形成されている。この酸素ガス吐出部39cの上端には、酸素ガスを吐出可能に開口された酸素ガス吐出口39dが形成され、この酸素ガス吐出口39dは配管部材58により図3に示す酸素送出用ファン59に接続されている。また、上記縮幅部39bは、図示は省略するが、上記水素ガス用ダクト38の縮幅部38bと同様に、左右から中央に向かって高くなる山形状に形成されており、この山形状の頂部に上記酸素ガス吐出部39cが形成されていることから、後述する陽極電解板52により生成された酸素ガスが、該酸素ガス吐出部39cに効率的に集中させられる。
【0043】
また、上記電解装置32には、上記容器蓋35に、図5及び図6に示すように、給水継手46が固定され、この給水継手46には、前記イオン交換樹脂フィルタ31からの超純水を供給するための給水穴46cが形成されている。この給水継手46の上端側には、上記イオン交換樹脂フィルタ31の吐出口と接続するチューブ(符号は省略する)を固定するためのチューブ固定部46aが成形され、このチューブ固定部46aの下方には、後述するフロート弁体47を装着する弁体装着部46bが一体的に成形されている。この弁体装着部46bには、上記給水穴46cよりも大径の吐出穴46dが形成され、この吐出穴46dの上端には、上記給水穴46cに向かって縮径するテーパ面を有するテーパ穴46fが形成されているとともに、上記弁体装着部46bの一部はフロート弁体47の後述する支持体47cが回動可能な切欠き(符号は省略する)が形成されている。
【0044】
また、上記電解装置32には、上記給水継手46の弁体装着部46bに、上記給水穴46cから供給される超純水を所定の水量に維持するためのフロート弁体47が装着されている。このフロート弁体47は、上記超純水が所定量に達したときに該超純水の流入を阻止するものであって、中空状に密閉され水面上で浮動可能な浮動体47aと、弁棒47bと、これら浮動体47a及び弁棒47bを支持するL字状の支持体47cとから構成されている。この支持体47cは、一端側に浮動体47aが固定され、他端側が、上記給水継手46の弁体装着部46bにピン47dにより回動可能に支持されている。また、上記支持体47cの他端側には、弁棒47bが立設され、この弁棒47bの上端には、上記支持体47cが図5に示す反時計方向に回動することにより上記テーパ穴46fと密着可能なテーパ面を有するテーパ凸部47fが形成されている。
【0045】
そして、上記フロート弁体47は、上記電解装置32内に貯留された超純水の水面が一定量だけ減水すると、上記浮動体47aの先端側が下降し、この下降により上記支持体47cを介して、上記弁棒47bのテーパ凸部47fが上記給水継手46のテーパ穴46fから離隔して隙間が形成され、この隙間から内部に前記イオン交換樹脂フィルタ31からの超純水が圧送される。また、上記電解装置32内における超純水の貯留水量が増大すると、それに伴って上記浮動体47aの先端側が上昇し、該貯留水量が所定量に達した際には上記支持体47cを介して、上記弁棒47bのテーパ凸部47fが上記給水継手46のテーパ穴46fに密着され、この密着状態により上記イオン交換樹脂フィルタ31から圧送される超純水の供給は阻止される。
【0046】
また、上記電解装置32には、図6に示す内容器34の胴部33a内に、電気分解により水素ガス及び酸素ガスを生成する電解部40が配置されている。この電解部40は、上記胴部33aに陰極側電極棒48及び陽極側電極棒49が、絶縁状態で対向して固定されており、一方の陰極側電極棒48には、板状に形成された表面にチタン白金めっきが施された陰極電解板51が固定され、他方の陽極側電極棒49には、板状に形成された表面にチタン白金めっきが施された陽極電解板52が、上記陰極電解板51と対面して固定されている。これら陰極電解板51及び陽極電解板52は、上記内容器34の流通口34aの下方に配置され、陰極電解板51と陽極電解板52との対面する中央部には、イオン交換フィルム53が隙間を形成して配置され、このイオン交換フィルム53により、陰極電解板51と陽極電解板52とが分離されている。また、陰極電解板51及び陽極電解板52の周囲には、純水を自由に流通可能な網目を有するネット体54が配置されている。
【0047】
そして、このように構成された電解装置32では、図6に示す陰極側電極棒48と陽極側電極棒49とにそれぞれ通電することにより、内部に貯留された純水(電解液)が電気分解され、一方の陰極電解板51側に水素ガス(H)が生成される。この水素ガスは、水素ガス流路43を経て、水素ガス用ダクト38の水素ガス吐出口38dに吐出され、この水素ガス吐出口38dと接続する配管部材56(図3参照)を介して一方のカーボンエアフィルタ57に送られる。また、他方の陽極電解板52側には酸素ガス(O)が生成され、この酸素ガスは、酸素ガス流路44を経て、酸素ガス用ダクト39の酸素ガス吐出口39dに吐出され、この酸素ガス吐出口39dと接続する配管部材58を介して他方の酸素送出用ファン59に送られる。
【0048】
これらのうち、一方のカーボンエアフィルタ57では、図示しないカーボン粉末などの濾過材により、上記電解装置32で生成された水素ガス中に含まれる泡が除去される。このカーボンエアフィルタ57には、管体(符号は省略する。)を介して循環ポンプ62が接続されている。この循環ポンプ62は上記電解装置32の作動時にのみ駆動されるものであって、該循環ポンプ62には、上記カーボンエアフィルタ57と接続されるガス吸入口62aと、上述した冷水タンク22に一端が接続された管体(符号は省略する。)の他端と接続された水吸入口62bとが配置され、該循環ポンプ62の駆動時において、一方のガス吸入口62aにより上記カーボンエアフィルタ57からの水素ガスが吸入されるとともに、他方の水吸入口62bにより上記冷水タンク22内からの水が吸入される。
【0049】
そして、上記循環ポンプ62では、図示しないポンプ機構により、吸入された水素ガス(H)と水(HO)とが図示しないポンプ機構により混合され、水中に水素を溶存した水素水(H+HO)として吐出口62cから圧送される。この循環ポンプ62の吐出口62cは、管体(符号は省略する。)を介して気泡微細化フィルタ63に接続されている。この気泡微細化フィルタ63は、0.0001μm(頭髪の約100万分の1)の図示しない微孔を有する半透膜が内蔵されてなるものであって、該半透膜によって、上記循環ポンプ62から圧送された水素ガスの気泡を微細化させ、水素水中の溶存水素量を高める作用をする。この気泡微細化フィルタ63は、管体(符号は省略する。)を介して上記冷水タンク22に接続されている。
【0050】
したがって、図3に示すように、気泡微細化フィルタ63からの水素水は、上記冷水タンク22内に圧送されて貯留され、この冷水タンク22内に貯留された水素水は、上記循環ポンプ62が駆動されることにより、該循環ポンプ62の水吸入口62bから吸引されるとともに、ガス吸入口62aから吸引された上記カーボンエアフィルタ57からの水素ガスと混合され、該循環ポンプ62の吐出口62cから上記気泡微細化フィルタ63を経て、再び上記冷水タンク22内に圧送されて貯留される。すなわち、上記冷水タンク22内に貯留された水素水は、本発明の循環ルートを構成する冷水タンク22、循環ポンプ62及び気泡微細化フィルタ63を経て循環することにより、処理水中の溶存水素量が徐々に増加することとなり、使用者は溶存水素量が飽和状態に近い状態で飲用することが可能となる。
【0051】
また、上記電解装置32に接続された他方の酸素送出用ファン59は、上記電解装置32が作動中にのみ駆動されるものであって、この酸素送出用ファン59の駆動時において、上記電解装置32により生成された酸素を該電解装置32から吸引するとともに、該酸素送出用ファン59を経て図1に示す酸素吸引チューブ7内に送出される。そして、使用者は、上記電解装置32が作動中において、上記酸素吸引チューブ7の酸素ガス放出口7aから酸素ガスを吸引することができる。
【0052】
なお、上記電解装置32は、上述した光照度センサ9Cの明信号により作動され、又は、該光照度センサ9Cからの暗信号により作動されない状態においても上記酸素放出スイッチ9Aを押すことにより(強制的に)作動され、この電解装置32の作動と同時に、上記循環ポンプ62と酸素送出用ファン59とがそれぞれ駆動される。また、これら電解装置32等が作動する時間は、図4に示す制御装置20に接続された水素生成作動タイマ9Hにより15分に設定され、電解装置32等が作動を停止して休止する時間は、制御装置20に接続された水素生成休止タイマ9Iにより45分に設定されている。これらの設定時間は、上述した設定時間に限定されるものではなく、冷水用吐水口3から水素水を飲用する頻度により自由に変更することができる。
【0053】
次に、上記電解式浄水装置1により水素ガスを生成して水素水を貯留するとともに、酸素ガスを生成する手順及び作用効果について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この電解式浄水装置1を作動させる前の準備段階において、前記水素生成作動タイマ9Hの設定時間は15分間に設定され、水素生成休止タイマ9Iの設定時間は45分に設定され、また、光照度センサ9Cの設定照度は上記電解式浄水装置1の使用時間帯に対応した照度(日照時間体における室内の照度)に設定されている。また、図1に示す止水弁11は、手動により予め開放されている。
【0054】
最初のステップSt1において、前記予備タンク18の水量は所定量か否かが、前記フロートスイッチ21のマイクロスイッチ21cを介して制御装置20により判別され、所定量に達していないと判別された場合にはステップSt2に進み、所定量に達していると判別された場合には次のステップSt3に進む。これらのうち、ステップSt2に進んだ場合には、前記電磁弁14が開放されるとともに、前記加圧ポンプ15が駆動され、前記セディメントフィルタ12、カーボンフィルタ13、電磁弁14、逆浸透膜フィルタ16及び鉱石フィルタ17を経て純水化された水が圧送されて上記予備タンク18に補充され、ステップSt1に戻って繰返し予備タンク18の水量は所定量か否かが判別される。なお、上記加圧ポンプ15により圧送される水は、上記逆浸透膜フィルタ16からイオン交換樹脂フィルタ31にも分岐され、前記電解装置32に配置された給水継手46のテーパ穴46fが開放されている場合には、上記電解装置32内にも純水化されて水が補充される。
【0055】
また、次のステップSt3に進んだ場合には、光照度センサ9Cの照度は設定照度か否かが、前記光照度センサ9Cを介して制御装置20により判別され、設定照度に達していないと判別された場合には、ステップSt3に戻って繰り返され、設定照度に達していると判別された場合には、次のステップSt4に進む。次のステップSt4に進んだ場合には、上記電解装置32が作動されるとともに、前記循環ポンプ62及び酸素送出用ファン59が駆動されて、上記電解装置32の電解作用により水素ガスと酸素ガスとが生成され、次のステップSt5に進む。なお、上記ステップSt4において上記電解装置32の作動が開始されると、図2に示す表示パネル8の水素・酸素生成中ランプ8Dが点灯され、この点灯状態は、後述するステップSt6において上記電解装置32の作動が停止されるまでの間に亘り継続される。また、上記電解装置32により生成された水素ガスは、前記カーボンエアフィルタ57を経て上記循環ポンプ62に吸引されて前記冷水タンク22からの水素水と混合され、気泡微細化フィルタ63を経て水素ガスが溶存された水素水として再び上記冷水タンク22に戻される。これらの循環ルートを経て循環することにより、処理水中の溶存水素量が徐々に増加することとなり、使用者は溶存水素量が飽和状態に近い状態で飲用することが可能となる。また、上記電解装置32により生成された酸素ガスは、上記酸素送出用ファン59により送出され、前記酸素吸引チューブ7の先端から吸引することができる。
【0056】
また、次のステップSt5では、上記電解装置32等の作動時間は15分間経過したか否かが、前記水素生成作動タイマ9Hを介して制御装置20により判別され、上記電解装置32等の作動時間が15分間経過していないと判別された場合には、ステップSt4に戻って繰り返され、上記電解装置32等の作動時間が15分間経過していると判別された場合には、次のステップSt6に進む。次のステップSt6に進んだ場合には、上記電解装置32の作動が停止されるとともに、前記循環ポンプ62及び酸素送出用ファン59の駆動が停止されて、上記電解装置32による水素ガスと酸素ガスとの生成は休止され、次のステップSt7に進む。なお、上記ステップSt6において上記電解装置32の作動が停止されると、図2に示す表示パネル8の水素・酸素休止中ランプ8Eが点灯され、この点灯は、次回のステップSt4において上記電解装置32の作動が開始されるまでの間に亘り継続される。
【0057】
次のステップSt7では、酸素放出スイッチ9AがONであるか否かが、該酸素放出スイッチ9Aを介して制御装置20により判別され、ONであると判別された場合には、ステップSt4に戻って、繰り返し、上記電解装置32が作動されるとともに、前記循環ポンプ62及び酸素送出用ファン59が駆動されて、上記電解装置32の電解作用により水素ガスと酸素ガスとが生成され、ONではない(OFFである)と判別された場合には、次のステップSt8に進む。なお、上記ステップSt4において、酸素放出スイッチ9AがONであると判別される条件は、前記水素・酸素休止中ランプ8Eが点灯していて水素ガス及び酸素ガスが生成されていないにもかかわらず、使用者が酸素ガスを吸引したいために、上記酸素放出スイッチ9Aが押されていることが条件となる。
【0058】
次のステップSt8に進んだ場合には、電解装置32等の休止時間は45分間経過したか否かが、前記水素生成休止タイマ9Iを介して制御装置20により判別され、上記電解装置32等の休止時間が45分間経過していないと判別された場合には、ステップSt6に戻って繰り返され、上記電解装置32等の作動時間が45分間経過していると判別された場合には、ステップSt3に戻って繰り返される。
【0059】
以上のように、本実施の形態に係る電解式浄水装置1は、常時連続的に運転されるものではなく、例えば、水素水の飲用や酸素ガスの摂取を必要としない深夜(就寝中)には、前記光照度センサ9Cにより室内の照度を感知して運転が休止されるとともに、休止されてない場合であっても、前記水素生成作動タイマ9H又は水素生成休止タイマ9Iにより、前記電解装置32、循環ポンプ62及び酸素送出用ファン59が15分間駆動され45分間停止されるサイクルを繰り返すものである。したがって、この電解式浄水装置1では、処理水中の溶存水素量を一定量に保つことができるばかりではなく、節電をも図ることができる。
【0060】
なお、図2に示す表示パネル8の冷水状態表示ランプ8Cと、操作パネル9の冷水温度スイッチ9Dとが点灯中(冷却中)に、該冷水温度スイッチ9Dを押してOFF操作することにより、上述したクーラー24が停止される。これによって、使用者は常温の水素水を飲用することができる。この冷水温度スイッチ9DによるON/OFF操作は、上述した自動運転中の任意の時期に操作することができる。また、図2に示す表示パネル8の温水状態表示ランプ8Bと、操作パネル9の温水温度スイッチ9Bとが点灯中(加温中)に、該温水温度スイッチ9Bを押してOFF操作することにより、上述したヒーター27が停止される。これによって、使用者は常温の純水を飲用することができる。この温水温度スイッチ9BによるON/OFF操作は、上述した自動運転中の任意の時期に操作することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 電解式浄水装置
2 筐体
3 冷水用吐水口
4 温水用吐水口
7 酸素吸引チューブ
7a 酸素ガス放出口
12 セディメントフィルタ
13 カーボンフィルタ
15 加圧ポンプ
16 逆浸透膜フィルタ
17 鉱石フィルタ
18 予備タンク
20 制御装置
22 冷水タンク
23 温水タンク
31 イオン交換樹脂フィルタ
32 電解装置
38d 水素ガス吐出口
39d 酸素ガス吐出口
40 電解部
51 陰極電解板
52 陽極電解板
57 カーボンエアフィルタ
59 酸素送出用ファン
62 循環ポンプ
63 気泡微細化フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を浄水する浄水処理部と、この浄水処理部を経た水が貯留される処理水タンクと、この処理水タンクに貯留された水を吐水する吐水部とを備えた浄水装置であって、
上記浄水処理部を経た水から純水を生成する純水生成部と、
この純水生成部から生成された純水を上記処理水タンクに供給する供給ルートと、
上記純水生成部により生成された純水の一部を電気分解することにより水素ガスを生成する水素ガス生成部と、
上記処理水タンク内から処理水を取り出し再び該処理水タンクに戻す循環ルートと、
この循環ルートの中途部に配置され、上記処理水タンクから取り出された処理水と上記水素ガスとを一緒に該処理水タンクに戻す循環ポンプと、
を備えてなることを特徴とする電解式浄水装置。
【請求項2】
前記循環ルートの中途部であって、前記循環ポンプと処理水タンクとの間には、前記水素ガスの気泡を微細化させる気泡微細化フィルタが配置されてなることを特徴とする請求項1記載の電解式浄水装置。
【請求項3】
前記循環ポンプと水素ガス生成部とは、タイマが内蔵された制御装置に接続されてなるとともに、この制御装置には光照度センサが接続され、
上記光照度センサを介して上記制御装置が所定の照度であると判別した場合には、タイマを介して、上記循環ポンプと水素ガス生成部とを所定時間に亘って駆動と停止とを繰り返すようにされてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの電解式浄水装置。
【請求項4】
前記水素ガス生成部には、前記純水の電気分解により水素ガスと共に生成された酸素ガスを流出する酸素ガス流出ルートが接続され、この酸素ガス流出ルートの先端は、使用者が吸引する酸素ガスを放出する酸素ガス放出口とされてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の何れかの電解式浄水装置。
【請求項5】
前記酸素ガス流出ルートの中途部には前記酸素ガスを送り出すファンが配置されてなるとともに、このファンは、前記制御装置に接続されてなるとともに、該制御装置には、酸素放出用スイッチが接続されてなり、
前記循環ポンプと水素ガス生成部の駆動が停止している際に上記酸素放出用スイッチがオン操作されたと上記制御装置が判別した場合には、上記ファンと循環ポンプと水素ガス生成部とが駆動を開始することを特徴とする請求項4記載の電解式浄水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−207691(P2010−207691A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55476(P2009−55476)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(509046332)株式会社アーガコーポレーション (1)
【出願人】(503449524)
【Fターム(参考)】