説明

電解水生成方法及び装置

【課題】供給される原水の水質等によらず、電解用電源の容量を抑えて、装置の小型・軽量化やコスト低減を可能としつつ、必要とする性質の電解水を生成できる電解水供給方法及び装置を提供する。
【解決手段】電解水生成方法は、イオン透過性隔膜2を介在させて対向配置された1対の電解室3a,3bの第1の電解室3aに電解質を含有する電解質水溶液を循環させると共に、第2の電解室3bに原水を供給し、隔膜2を挟んで各電解室3a,3bに設けられた1対の電極7a,7bに電圧を印加して原水及び電解質水溶液を電気分解することにより、第2の電解室3bで電解水を生成する。電気分解の開始後、所定の第1時間を経過したときに、電気分解により発生する電解電流が所定電流値よりも小さい場合に、第1時間の経過後、電解電流が所定電流値以上となるまで、電極7a,7bに印加される電圧を所定電圧値に保持しながら、電解質の供給量を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性又はアルカリ性の電解水を生成する方法及びそれに用いる電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、陰イオン透過膜等のイオン透過性隔膜を介して対向配置された1対の電解室にそれぞれ電極を配設し、各電解室にそれぞれ原水を供給すると共に、両電極間に電圧を印加して、各電解室に供給された原水を電解する電解水生成方法が知られている。この方法によれば、前記原水に塩化ナトリウム等の塩化物を電解質として添加しておくことにより、陽極側の電解室からは次亜塩素酸を含む酸性の電解水を得ることができ、陰極側の電解室からはアルカリ性の電解水を得ることができる。
【0003】
前記酸性の電解水は、前記次亜塩素酸の酸化力等により優れた殺菌性を示し、医療機関等における消毒等の用途に用いられる。また、前記アルカリ性の電解水は、洗浄等の用途に用いられる。ところが、前記酸性の電解水と前記アルカリ性の電解水とを同時に必要とする用途は少なく、一般には、酸性又はアルカリ性の一方の電解水のみが使用され、他方の電解水は捨て水となる。この場合、原水の半量が捨て水となるので、省資源の面で問題がある。
【0004】
前記問題を解決するために、一方の電解室のみに原水を供給し、他方の電解室には電解質を含む水溶液(以下、電解質水溶液と略記する)を循環させて、原水及び電解質水溶液の電気分解(電解)を行い、原水が供給される側の電解室で生成する電解水を取り出す電解水生成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この電解水生成方法では、例えば酸性の電解水を必要とするときには、前記原水が供給される側の電解室に配設された電極を陽極とし、前記電解質水溶液が循環される側の電解室に配設された電極を陰極として電気分解を行う。この結果、前記原水が供給される側(陽極側)の電解室では、酸性の電解水が生成され、該電解水が該電解室から取出される。このとき、他方の電解室ではアルカリ性の電解水が生成されるが、該電解水は前記電解質水溶液と共に循環されるので、捨て水とされることなく、資源を有効に利用することができる。
【特許文献1】特開平9−220572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、一方の電解室のみに原水を供給し、他方の電解室には電気分解の際に生成される電解質水溶液を循環させるので、供給される原水の電気伝導度によって、電解電流の発生の度合が変化する。しかも、原水の水質は地域によって大きく異なる。例えば、原水となる水の電気伝導度が、10[mS/m(ミリジーメンス/メートル)]以下と極めて低いところもあれば、40〜50[mS/m]と高い値を示すところもある。このため、電解電流が発生しにくい場合、特許文献1記載の方法では、電気分解により必要とする特性を持つ電解水を得るために、1対の電極に印加する電圧(電解電圧)を高くすることが必要である。そして、多様な地域に対応するためには、大容量の電解用電源を用いる必要があり、電解水生成装置の小型・軽量化やコスト低減が難しいという不都合があった。
【0007】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、原水の水質等によらず、電解用電源の容量を抑えて、装置の小型・軽量化やコスト低減を可能としつつ、必要とする性質の電解水を生成できる電解水生成方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電解水生成方法は、イオン透過性の隔膜を介在させて対向配置された1対の電解室の第1の電解室に電解質を含有する電解質水溶液を循環させると共に、第2の電解室に原水を供給し、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極に電圧を印加して該原水及び電解質水溶液を電気分解することにより、該第2の電解室で電解水を生成する方法において、前記電気分解の開始後、所定の第1時間を経過したとき、該電気分解により発生する電解電流が所定電流値よりも小さい場合には、該第1時間の経過後、電解電流が所定電流値以上となるまで、前記1対の電極に印加される電圧を所定電圧値に保持しながら、前記電解質の供給量を増加させることを特徴とする。
【0009】
本発明の電解水生成方法では、前記1対の電解室のうち、第2の電解室に配設された電極の極性に対応して、第2の電解室に酸性又はアルカリ性の電解水が生成される。そこで、第2の電解室から前記電解水を取出し、該電解水の液性に対応する用途に利用される。
【0010】
一方、第1の電解室では、第2の電解室と反対の液性の電解水が生成されるが、該電解水は前記電解質水溶液と共に前記第1の電解室に循環されるので、捨て水とされることがなく、資源を有効に利用することができる。
【0011】
ここで、電気分解により必要とする特性を持つ電解水を得るためには、必要とする電解水に応じた電解電流が得られるように、1対の電極に印加する電圧(電解電圧)を制御する必要がある。このとき、第2の電解室に供給される原水の電気伝導度によっては、電解電流が発生しにくく、電解電圧を高く上げないと、必要とする電解電流(必要とする性質を持つ電解水)が得られない。すなわち、必要とする電解電流が得られるように電解電圧を制御している際に、原水の電気伝導度が低い等の理由によってにより電解電流が発生しにくく、電気分解の開始後、所定の第1時間を経過したときに、電解電流が所定電流値よりも小さい場合が想定される。
【0012】
この場合に、本発明によれば、第1時間の経過後、電解電流が所定電流値以上となるまで、1対の電極に印加される電圧を所定電圧値に保持しながら、電解質の供給量を増加させる。これにより、電解電流が発生しやすいように(第2の電解室から第1の電解室へイオンを透過させて電気分解が行われるように)電解質水溶液の濃度を調整することができる。このとき、電解電圧は所定電圧値に保持されることから、電解電圧を高くしないで済むので、電解用電源の容量を抑えることができる。
【0013】
従って、本発明によれば、電解電流が発生しにくい場合でも、電解質の供給を増加させて、電解電流が発生しやすいように電解質水溶液の濃度を調整することで、電解電圧が過大となるのを防ぐと共に、電解用電源の容量を抑えて装置の小型・軽量化やコスト低減を可能としつつ、必要とする性質の電解水を生成できる。
【0014】
また、本発明の電解水生成方法において、前記電気分解の開始後、前記第1時間を経過するまでは、前記電解質を間欠的に供給し、該第1時間の経過後は該電解質を連続的に供給することが好ましい。
【0015】
この場合、電気分解の開始後、第1時間を経過するまでは、電解質の供給は、例えば電解質水溶液の濃度を所定の範囲に維持することを目的として行われるので、時間に比較的余裕があり、電解質を間欠的に供給すれば十分である。これに対し、第1時間の経過後は、電解質の供給は、電解電流を所定電流値まで上げることを目的として行われる。この場合、電解電流を速やかに所定電流値に到達させるため、電解質を連続的に供給して電解質の供給をより迅速に行うことが必要である。したがって、電気分解の開始後、第1時間を経過するまでは、電解質を間欠的に供給し、第1時間の経過後は電解質を連続的に供給することで、電解質の供給に要するポンプ等を効率良く駆動させて電解質の供給に要する負荷を低減しつつ、必要とする性質の電解水を生成できる。
【0016】
また、本発明の電解水生成方法において、前記第1時間の経過後、前記電解電流が前記所定電流値以上になったときは、再び前記電解質を間欠的に供給することが好ましい。
【0017】
この場合、第1時間の経過後、電解電流が所定電流値以上となったときには、電解電流は所定電流値に到達しているので、電解質の供給を迅速に行う必要がなくなる。よって、この場合、電解質を再び間欠的に供給するように切り替えることで、電解質の供給に要するポンプ等を効率良く駆動させて電解質の供給に要する負荷を低減しつつ、必要とする性質の電解水を生成できる。
【0018】
また、本発明の電解水生成方法において、前記第1時間の経過後、所定の第2時間を経過しても、前記電解電流が前記所定電流値以上とならない場合、前記電気分解を停止することが好ましい。
【0019】
すなわち、第1時間を経過後、所定の第2時間を経過しても、電解電流が所定電流値以上とならない場合は、電解質の供給が過剰となり、電解質水溶液が強アルカリ性又は強酸性となる可能性や、原水の電気伝導度が極端に低く、さらに電解質を供給して電気分解を継続しても、必要とする性質の電解水が得られない可能性がある。このような場合には、電気分解を停止することで、電解質水溶液が強アルカリ性又は強酸性となる状態や、不要な電気分解が継続される状態を防止することができる。
【0020】
なお、前記電気分解の停止に先立って、使用者に警報を出力することが好ましい。この場合、第2時間が経過して電気分解を停止する前に、電気分解が停止される可能性がある旨を使用者に認知させることができる。
【0021】
次に、本発明の電解水生成装置は、例えば、イオン透過性の隔膜を介在させて対向配置された1対の電解室と、第1の電解室に電解質を含有する電解質水溶液を循環させる電解質水溶液循環手段と、第2の電解室に原水を供給する原水供給手段と、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極と、両電極に電圧を印加して該原水及び電解質水溶液を電気分解することにより、第2の電解室で電解水を生成する電解水生成手段とを備え、前記電気分解の開始後、所定の第1時間を経過したときに、該電気分解により発生する電解電流が所定電流値よりも小さい場合に、該第1時間の経過後、該電解電流が該所定電流値以上となるまで、前記1対の電極に印加される電圧を所定電圧値に保持しながら、前記電解質の供給量を増加させる電解制御手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の電解水生成装置には、例えば、前記電解質を供給するための、間欠駆動と連続駆動とを切り替え可能な電解質供給手段を備え、前記電解制御手段は、電気分解の開始後、前記第1時間を経過するまでは、前記電解質供給手段の作動を間欠駆動とし、該第1時間の経過後は、該電解質供給手段の作動を連続駆動とするものを用いることができる。
【0023】
また、前記電解制御手段は、前記第1時間の経過後、前記電解電流が前記所定電流値以上になったときは、再び前記電解質供給ポンプの作動を間欠駆動に切り替えることが好ましい。
【0024】
また、前記第1時間の経過後、所定の第2時間を経過しても、前記電解電流が前記所定電流値以上とならない場合、前記電気分解を停止する電解停止手段を備えることが好ましい。この場合、前記電解停止手段による電気分解の停止に先立って、使用者に警報を出力する警報出力手段を備えるとよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は、本実施形態の電解水生成方法に用いる電解水生成装置を示す模式図である。また、図2は、図1の電解水生成装置の制御システムを示すブロック図である。また、図3〜図8は、図1の電解水生成装置の電解水生成処理を示すフローチャートである。また、図9は、図3の電解水生成処理における電解電流の経時変化を示すグラフである。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の電解水生成装置1は、イオン透過性の隔膜2を介在して対向配置された1対の電解室3a,3bを備える電解槽4と、電解室3aに電解質を含有する電解質水溶液を循環させる電解質水溶液循環系5と、電解室3bに原水を供給する原水供給系6とを備えている。1対の電解室3a,3bには、隔膜2を挟んで1対の電極7a,7bが配設されており、電極7a,7bはそれぞれ導線8a,8bを介して後述の電解用電源52及び電解制御ユニット54に接続されている。両電極7a,7bの近傍には、電極7a,7bの温度をそれぞれ測定する電極温度センサ32a,32bが取り付けられている。
【0027】
また、電解室3bには、両電極7a,7bに電圧を印加して、原水及び電解質水溶液を電気分解することにより電解室3b内で生成した電解水を取り出す電解水取出導管9が設けられている。電解水取出導管9は、電解室3bの上部に接続されており、電解水取出導管9の途中には、上流側から順にアウトレットジョイント26、三方弁27が備えられている。そして、電解水取出導管9は、生成された電解水を貯留する貯水タンク30の上部に接続されている。貯水タンク30には、中に貯留されている電解水の満水状態を検知する満水レベルスイッチ28と、渇水状態を検知する渇水レベルスイッチ29が取り付けられている。満水レベルスイッチ28は、電解水が所定の満水レベル以上貯留されている状態で検知状態となり、満水レベルに達しない状態で非検知状態となる。渇水レベルスイッチ29は、電解水が所定の渇水レベル以上貯留されている状態で検知状態となり、渇水レベルに達しない状態で非検知状態となる。
【0028】
電解質水溶液循環系5は、電解質水溶液タンク10と、電解質水溶液タンク10に貯留されている電解質水溶液を電解質水溶液タンク10から取り出して電解室3aの底部に供給する電解質水溶液供給導管11と、電解室3a内の電解質水溶液を電解室3aの上部から取り出して電解質水溶液タンク10の上部に還流する電解質水溶液還流導管12とを備えている。電解質水溶液供給導管11は、途中にポンプ13が介装されていると共に、ポンプ13の下流側に流量センサ14aを備え、さらに流量調整弁15aを介して電解室3aの底部に接続されている。
【0029】
電解質水溶液タンク10には、電解室3aに循環される電解質水溶液に供給する電解質が貯留された電解質タンク16が、電解質供給導管17を介して接続されている。電解質タンク16には、中に貯留されている電解質のレベルを検知する電解質タンクレベルスイッチ31が取り付けられている。電解質タンクレベルスイッチ31は、電解質が所定レベル以上貯留されている状態で検知状態となり、所定レベルに達しない状態で非検知状態となる。電解質供給導管17の途中には、電解質タンク16内に貯留されている電解質を電解室3aに供給する電解質供給ポンプ18が介装されいる。電解質供給ポンプ18は、その作動が間欠駆動と連続駆動を切替可能となっている。本実施形態では、電解質タンク20から電解質水溶液タンク10の中へ電解質(水溶液)を供給することで、電解質供給ポンプ18として、一般にこの種の装置に使われている逆流防止弁付メータリングポンプを使用することなく、チューブポンプ等の簡単で安価なポンプを使って電解質水溶液循環系5に電解質を供給できる。
【0030】
なお、タンク10,16は、それぞれの上部にエア抜き弁19,20を備えている。
【0031】
原水供給系6は、図示しない水道栓等の原水供給源から供給される原水を電解室3bの底部に供給する原水供給導管21を備え、原水供給導管21の途中には、上流側から順にインレットジョイント25、水温センサ24、減圧弁22、シャット弁23、流量センサ14bが備えられている。そして、原水供給導管21は、流量調整弁15bを介して電解室3bの底部に接続されている。
【0032】
なお、本実施形態では、電解質供給導管17の途中に電解質供給ポンプ18を設けるようにしているが、電解質供給ポンプ18に代えて開閉弁を設けるようにしてもよい。この場合、タンク10,16の位置関係は、タンク16がタンク10の上部に設置される必要がある。
【0033】
図2に示すように、電解水生成装置1は、各種の演算処理を行うコンピュータ(CPU,メモリ,入出力回路等からなる演算処理回路、或いはこれらの機能を集約したマイクロコンピュータ)等により構成された電子ユニットである電解制御ユニット54を備えている。
【0034】
そして、電解制御ユニット54は、センサやスイッチによる入力に基づいて、ポンプや弁を制御して、電解水を生成する処理等を実行する。これらの処理は、電解制御ユニット54のメモリに予め実装されたプログラムを電解制御ユニット54により実行することにより実現される。
【0035】
電解制御ユニット54には、上述の水温センサ24、電極温度センサ32a,32b、水道流量センサ14b、循環流量センサ14a、貯水タンク満水レベルスイッチ28、貯水タンク渇水レベルスイッチ29、電解質タンクレベルスイッチ31が接続されており、これらのセンサによる検知データが電解制御ユニット54に入力される。また、電解制御ユニット54には、上述の三方弁27、循環ポンプ13、電解質供給ポンプ、遮断弁23が接続されており、電解制御ユニット54によりこれらの弁・ポンプの作動が制御される。
【0036】
また、電解制御ユニット54には、使用者の操作に応じて電解水を生成する処理の開始と停止を指示する電解開始停止スイッチ45と、使用者の操作に応じて電解水を生成する処理の実行時間を設定する電解停止タイマスイッチ44が接続されている。
【0037】
また、電解制御ユニット54には、電源投入時や警報時に鳴るブザー46、電源表示LED47、電解動作表示LED48、電解質タンク空表示LED49、貯水タンク表示LED50、故障表示LED51が接続されている。電源状態表示LED47は、電解用電源52がオン状態(電解開始可能なスタンバイ状態)のときに点灯され、オフ状態で消灯される。電解動作表示LED48は、電解開始状態で点灯され、電解停止状態で消灯される。電解質タンク空表示LED49は、電解質タンクレベルスイッチ31が検知状態で点灯され、非検知状態で消灯される。貯水タンク表示LED50は、貯水タンク満水レベルスイッチ28が検知状態にある場合、又は貯水タンク渇水レベルスイッチ29が非検知状態にある場合に点灯され、それ以外は消灯される。故障表示LED51は、故障時に点灯され、正常時に消灯される。
【0038】
また、電解制御ユニット54には、導線8a,8bを介して電極7a,7bに電圧を印加する電解用電源52と、電解用電源52から供給される電流・電圧値を測定する電流・電圧センサ53が接続されている。
【0039】
また、電解制御ユニット54には、電解制御ユニット54、循環ポンプ13、電解質供給ポンプ18、三方弁27、遮断弁23を動作させる電圧を供給するシステム用電源43が接続されている。そして、電解用電源52及びシステム用電源43には、電源メインスイッチ42を介して、家庭用電源(AC100V)から電圧が供給される。
【0040】
より詳しくは、電解制御ユニット54は、その機能として、電解制御手段55と電解停止手段56とを備える。電解制御手段55は、電気分解の開始後、所定の第1時間T1を経過したとき、電気分解により発生する電解電流が所定電流値IAよりも小さい場合には、第1時間T1の経過後、電解電流が所定電流値IA以上となるまで、電解用電源52から1対の電極7a,7bに印加される電圧を所定電圧値VAに保持しながら、電解質供給ポンプ18を制御して電解質の供給量を増加させる。また、電解停止手段56は、第1時間T1の経過後、所定の第2時間T2を経過しても、電解電流が所定電流値IA以上とならない場合、電解用電源52、三方弁27、電解質供給ポンプ18、循環ポンプ13、遮断弁23を制御して、電気分解を停止する。
【0041】
次に、本実施形態の電解水生成装置1の全体的な作動(電解水生成処理)を、図3のフローチャートに従って説明する。
【0042】
図3に示すように、STEP1で、電解開始停止スイッチ45が押下られたか否かが判断される。STEP1の判断結果がNOの場合は、STEP1の判断結果がYESとなるまで、STEP1が繰り返される。
【0043】
STEP1の判断結果がYESの場合は、STEP2に進み、ポンプ・弁起動時作動処理が実行される。ポンプ・弁起動時作動処理は、図4に示すように行われる。ポンプ・弁起動時作動処理において、まず、STEP21で、遮断弁23が開放される。次に、STEP22で、循環ポンプ13の作動が開始される。次に、STEP23で、電解質ポンプ作動タイマが起動され、電解質ポンプ10の作動が間欠駆動で開始される。間欠駆動は、例えば、動作時間Tonを10[sec]、インターバル時間Tintを50[sec]として行われる。これによりポンプ・弁起動時作動処理が終了される。
【0044】
図3に戻り、次に、STEP3で、ソフトスタート電源処理が実行される。ソフトスタート電源処理は、図5に示すように行われる。ソフトスタート電源処理において、まず、STEP31で、電解用電源52から電極7a,7bに印加される電解電圧が、所定の電圧増加率Kで上昇される。電圧増加率Kとしては、例えば、0.5[V/sec]が用いられる。次に、STEP32で、電解電圧が、予め設定された所定の目標電圧V0以上であるか否かが判断される。目標電圧V0としては、例えば20[V]が用いられる。STEP32の判断結果がNOの場合は、STEP31に戻り、STEP32の判断結果がYESとなるまでSTEP31〜32の処理が繰り返される。すなわち、所定の第1時間T1を経過するまで、STEP31〜32の処理が行われる。第1時間T1は、電圧増加率Kと目標電圧V0から定まる所定値である(T1=V0/K)。STEP32の判断結果がYESの場合、STEP33に進み、電解電圧の上昇が停止される。これによりソフトスタート電源処理が終了される。
【0045】
図3に戻り、次に、STEP4で、電気分解により発生する電解電流が、予め定められた所定電流値IA以上であるか否かが判断される。STEP4の判断結果がNOの場合、STEP5に進み、低電気伝導度水対応処理が実行され、STEP4に戻る。
【0046】
低電気伝導度水対応処理は、図6に示すように行われる。低電気伝導度水対応処理において、まず、STEP41で、電解質供給ポンプ18が連続駆動に切り替えられる。次に、STEP42で、電解電圧が所定電圧値VAとなるように制御される。電圧値VAとしては、例えば、20[V]が用いられる。次に、STEP43で、電解開始後、所定の第2時間T2が経過したか否かが判断される。第2時間T2としては、例えば、180[sec]が用いられる。STEP43の判断結果がNOの場合、低電気伝導度水対応処理が終了される。STEP43の判断結果がYESの場合、STEP44に進み、警報出力が行われる。次に、STEP45で、電解停止処理が行われ、電気分解が停止されて、低電気伝導度水対応処理が終了される。
【0047】
電解停止処理は、図7に示すように行われる。電解停止処理において、まず、STEP51で三方弁27の排水側が開放され、貯水側が遮断される。次に、STEP52で、電解電圧及び電解電流が遮断される。次に、STEP53で、電解質供給ポンプ18が停止される。次に、STEP54で、循環ポンプ13が停止される。次に、STEP55で、遮断弁23が閉鎖される。これにより電解停止処理が終了される。
【0048】
図3に戻り、STEP4の判断結果がYESの場合、STEP6に進み、電解質供給ポンプ18が間欠駆動中であるか否かが判断される。STEP6の判断結果がNO場合は、STEP7に進み、電解質供給ポンプ18の間欠駆動の作動タイマが再起動され、STEP8に進む。STEP6の判断結果がYESの場合は、そのままSTEP8に進む。
【0049】
次に、STEP8で、三方弁27の貯水タンク側が開放される。次に、STEP9で、電解電流一定制御処理が実行される。電解電流一定制御処理は、図8に示すように行われる。
【0050】
電解電流一定制御処理において、まず、STEP61で、電解電流が電解電流が予め設定された所定の目標電流IBとなるように制御される。目標電流IBとしては、例えば、10[A]が用いられる。次に、STEP62で、電解電圧が予め設定された所定の目標電圧V1以上であるか否かが判断される。目標電圧V1としては、例えば、20[V]が用いられる。STEP62の判断結果がYESの場合、STEP63に進み、電解質供給ポンプ18の作動が間欠駆動に切り替えられ、STEP65に進む。STEP62の判断結果がNOの場合、STEP64に進み、電解質供給ポンプ18の作動が連続駆動に切り替えられ、STEP65に進む。
【0051】
次に、STEP65で、電解電圧が所定の目標電圧V2以上であるか否かが判断される。目標電圧V2としては、例えば、22[V]が用いられる。STEP65の判断結果がYESの場合、電解電流一定制御処理が終了され、図3に戻る。
【0052】
STEP65の判断結果がNOの場合、STEP66に進み、警報出力(ブザー46を鳴らす等)が行われる。次に、STEP67に進み、上述の図7で示した電解停止処理が行われる。そして、電気分解が停止されて電解電流一定制御処理及び電解水生成処理が終了される。
【0053】
図3に戻り、次に、STEP10で、電解開始停止スイッチ45が押下されたか否かが判断される。STEP10の判断結果がNOの場合、STEP4に戻り、STEP4〜9の処理が繰り返される。
【0054】
STEP10の判断結果がYESの場合、STEP11に進み、上述の図7で示した電解停止処理が行われる。そして、電気分解が停止されて電解水生成処理が終了される。
【0055】
以上が、電解水生成装置1における電解水生成処理である。
【0056】
次に、上述の電解水生成処理について、図9のグラフを用いて具体的に説明する。
【0057】
以下では、図1の隔膜2は陰イオン交換膜であり、電解室3aに配設された電極7aは陰極とされ、電解室3bに配設された電極7bは陽極とされる場合を例にして説明する。この結果、電解室3aが陰極側電解室、電解室3bが陽極側電解室となる。
【0058】
この場合において、まず、電解質水溶液の循環及び電解水の生成の概要について説明する。例えば、電解質水溶液循環系5により前記電解質水溶液として塩化ナトリウム水溶液を電解室3aに循環させる一方、原水供給導管21により原水として水道水を電解室3bに供給する。そして、電解用電源52により、電極7a,7b間に所定の電圧を印加することにより、前記塩化ナトリウム水溶液及び水道水の電気分解を行う。
【0059】
このようにすると、陰極側電解室3aでは、次式に示すように塩化ナトリウムの電離によりナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)とが生成される一方、水の電解により水素(H)と水酸イオン(OH)とが生成され、アルカリ性の電解水が得られる。
【0060】
NaCl → Na + Cl
2HO + 2e → H + 2OH
電解室3a,3bの間には陰イオン交換膜が隔膜2として配設されているので、前記ナトリウムイオンは前記陰イオン交換膜に阻止されて陽極側電解室3bに移動することができず、塩素イオンのみが陽極側電解室3bに移動する。この結果、陽極側電解室3bでは、次式に示すように、塩素イオンから生成した塩素(Cl)がさらに水と反応して次亜塩素酸(HClO)を生成する一方、水の電解により酸素(O)と水素イオン(H)とが生成し、酸性の電解水が得られる。
【0061】
2Cl → Cl + 2e
Cl + 2HO → 2HClO + 2H
O → 1/2O + 2H + 2e
従って、電解水取出導管9により、陽極側電解室3bの上部から、次亜塩素酸を含む酸性の電解水を取り出すことができる。このとき、前述のようにナトリウムイオンは陽極側電解室3bに移動することができないので、前記酸性の電解水は実質的に塩化ナトリウムを含んでおらず、金属の腐食促進を防止することができる。また、陰極側電解室3aでは、前記塩化ナトリウム水溶液が電解質水溶液循環系5により循環されているので、生成したアルカリ性の電解水は該塩化ナトリウム水溶液に流入して循環されることとなり、捨て水となることがない。
【0062】
次に、図9のグラフを参照して、上述の場合における、電解質の供給及び電解電圧・電解電流の制御について説明する。
【0063】
図9(a)(b)は、電解水生成処理における電解電流の経時変化を示すグラフである。図9(a)(b)において、横軸は経過時間[sec]を示し、縦軸は電解電流[A]を示す。図9(a)は、電解室3bに供給される原水(水道水)が低電気伝導度水の場合(例えば、電気伝導度7〜15[mS/m])であり、図9(b)は、電解室3bに供給される原水(水道水)が通常の電気伝導度水の場合(例えば、電気伝導度20〜30[mS/m])を示す。
【0064】
まず、図9(b)の通常の電気伝導度水の場合について説明する。この場合、時刻t1に電解開始停止スイッチ45が押下されると、ポンプ・弁起動時作動処理が行われ、次いで、第1時間T1を経過するまで、ソフトスタート電源処理が行われる。第1時間T1が経過した時刻t2において、電解電流が所定電流値IAに到達しているので、時刻t2以降は電解電流一定制御処理が行われる。なお、電解電流一定制御処理では、実際には、目標電流まで徐々に電流値を増加させる。
【0065】
このとき、時刻t1の電解開始後、前記塩化ナトリウム水溶液を前述のように循環させていると、経時的に水酸イオン濃度が上昇し、該塩化ナトリウム水溶液が強アルカリ性を呈するようになる。そこで、本実施形態では、電解質タンク16に塩酸を貯留しておき、前記塩化ナトリウム水溶液に該塩酸を添加することにより、該塩化ナトリウム水溶液の濃度が所定の範囲に維持されると共に、pHが所定の領域に維持されるようにする。前記塩酸の濃度は、2モル/l以下、例えば1モル/lとされる。
【0066】
なお、電解質供給ポンプ18は間欠駆動とされる。具体的には、所定時間(例えば1分)の間に1回、動作時間Ton(例えば10秒)で動作する。間欠駆動における動作時間Tonは、所定時間におけるアルカリの生成量とほぼ同等となる酸量を添加できる時間として定められる。
【0067】
これにより、循環を繰り返しても、前記塩化ナトリウム水溶液が強アルカリ性となることを防止することができる。
【0068】
次に、図9(a)の低電気伝導度水の場合について説明する。この場合、時刻t1に、図9(b)の場合と同様に、電解開始停止スイッチ45が押下されると、ポンプ・弁起動時作動処理が行われ、次いで、第1時間T1を経過するまで、ソフトスタート電源処理が行われる。第1時間T1を経過するまでは、図9(b)の場合と同様に、電解質供給ポンプ18は間欠駆動とされ、電解質タンク16に貯留されている塩酸を、前記塩化ナトリウム水溶液に添加することにより、該塩化ナトリウム水溶液の濃度が所定の範囲に維持されると共に、pHが所定の領域に維持されるようにする。
【0069】
第1時間T1が経過した時刻t2において、図9(a)の例では、低電気伝導度水が供給されるため、電解電流が発生しにくく、電解電流が所定電流値IAに到達しない。よって、低電気伝導度水対応処理が行われる。すなわち、電解質供給ポンプ18が連続駆動に切り替えられ、電解電流が所定電流値IA以上となるまで、電解電圧を所定電圧値VAに保持しながら、電解質の供給量を増加させる。これにより、電解質の供給を増加させて、電解電流が発生しやすいように電解質水溶液の濃度を調整することで、電解電圧を上げることなく、必要とする性質の電解水が得られる電解電流とすることができる。
【0070】
そして、時刻t3において、電解電流が所定電流値IA以上となると、電解電流一定制御処理が行われる。このとき、電解電流一定制御処理において、電解電圧が目標電圧V1より小さい場合には、図9(a)の場合と同様に、電解質供給ポンプ18は間欠駆動とされ、電解質タンク16に貯留されている塩酸を、前記塩化ナトリウム水溶液に添加することにより、該塩化ナトリウム水溶液の濃度が所定の範囲に維持されると共に、pHが所定の領域に維持されるようにする。
【0071】
一方、電解電圧が目標電圧V1以上の場合には、電解質供給ポンプ18は連続駆動とされる。すなわち、供給される原水の電気伝導度が低いので、陰極側(循環タンク側)から陽極側へイオンを透過させ電気分解を行う必要が生じることが想定される。このとき、電解質供給ポンプ18の作動を連続駆動とすることで、電解質水溶液タンク10内への電解質の供給を増やしている。
【0072】
なお、さらに電解電圧がV2を超えた場合には、安全を考慮して、電解停止処理が行われる。
【0073】
以上のように、実施形態の電解水生成方法と、それを実施する電解水生成装置によれば、供給される原水が低電気伝導度水で電解電流が発生しにくい場合でも、電解質の供給を増加させて、電解電流が発生しやすいように電解質水溶液の濃度を調整することで、電解電圧が過大となることを防ぐことができる。よって、供給される原水の水質等によらず、電解用電源の容量を抑えて、装置の小型・軽量化やコスト低減を可能としつつ、必要とする性質の電解水を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の電解水生成方法に用いる電解水生成装置の一構成例を示す模式図。
【図2】図1の電解水生成装置の制御システムを示すブロック図。
【図3】図1の電解水生成装置の全体的な作動(電解水生成処理)を示すフローチャート。
【図4】図3の電解水生成処理におけるポンプ・起動時作動処理を示すフローチャート。
【図5】図3の電解水生成処理におけるソフトスタート電源処理を示すフローチャート。
【図6】図3の電解水生成処理における低電気伝導度水対応処理を示すフローチャート。
【図7】図6の低電気伝導度水対応処理における電解停止処理を示すフローチャート。
【図8】図3の電解水生成処理における電解電流一定制御処理を示すフローチャート。
【図9】図3の電解水生成処理における電解電流の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
【0075】
1…電解水生成装置、2…隔膜、3a…第1の電解室、3b…第2の電解室、4…電解槽(電解水生成手段)、5…電解質水溶液循環系(電解質水溶液循環手段)、6…原水供給系(原水供給手段)、7a,7b…電極、18…電解質供給ポンプ(電解質供給手段)、54…電解制御ユニット、55…電解制御手段、56…電解停止手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン透過性隔膜を介在させて対向配置された1対の電解室の第1の電解室に電解質を含有する電解質水溶液を循環させると共に、第2の電解室に原水を供給し、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極に電圧を印加して該原水及び電解質水溶液を電気分解することにより、該第2の電解室で電解水を生成する方法において、
前記電気分解の開始後、所定の第1時間を経過したとき、該電気分解により発生する電解電流が所定電流値よりも小さい場合には、該第1時間の経過後、該電解電流が該所定電流値以上となるまで、前記1対の電極に印加される電圧を所定電圧値に保持しながら、前記電解質の供給量を増加させることを特徴とする電解水生成方法。
【請求項2】
請求項1記載の電解水生成方法において、
前記電気分解の開始後、前記第1時間を経過するまでは、前記電解質を間欠的に供給し、該第1時間の経過後は該電解質を連続的に供給することを特徴とする電解水生成方法。
【請求項3】
請求項2記載の電解水生成方法において、
前記第1時間の経過後、前記電解電流が前記所定電流値以上になったときは、再び前記電解質を間欠的に供給することを特徴とする電解水生成方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか記載の電解水生成方法において、
前記第1時間の経過後、所定の第2時間を経過しても、前記電解電流が前記所定電流値以上とならない場合、前記電気分解を停止することを特徴とする電解水生成方法。
【請求項5】
イオン透過性隔膜を介在させて対向配置された1対の電解室と、第1の電解室に電解質を含有する電解質水溶液を循環させる電解質水溶液循環手段と、第2の電解室に原水を供給する原水供給手段と、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極と、両電極に電圧を印加して該原水及び電解質水溶液を電気分解することにより、第2の電解室で電解水を生成する電解水生成手段とを備える電解水生成装置において、
前記電気分解の開始後、所定の第1時間を経過したとき、該電気分解により発生する電解電流が所定電流値よりも小さい場合には、該第1時間の経過後、該電解電流が該所定電流値以上となるまで、前記1対の電極に印加される電圧を所定電圧値に保持しながら、前記電解質の供給量を増加させる電解制御手段を備える
ことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項6】
請求項5記載の電解水生成装置において、
前記電解質を供給するための、間欠駆動と連続駆動とを切り替え可能な電解質供給手段を備え、
前記電解制御手段は、前記電気分解の開始後、前記第1時間を経過するまでは、前記電解質供給手段の作動を間欠駆動とし、該第1時間の経過後は、該電解質供給手段の作動を連続駆動とすることを特徴とする電解水生成装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の電解水生成装置において、
前記電解制御手段は、前記第1時間の経過後、前記電解電流が前記所定電流値以上になったときは、再び前記電解質供給手段の作動を間欠駆動に切り替えることを特徴とする電解水生成装置。
【請求項8】
請求項5〜7のうちいずれか記載の電解水生成装置において、
前記第1時間の経過後、所定の第2時間を経過しても、前記電解電流が前記所定電流値以上とならない場合、前記電気分解を停止する電解停止手段を備えることを特徴とする電解水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−72659(P2009−72659A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242204(P2007−242204)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】