説明

電解水生成装置及び当該電解水生成装置を備えた流し台

【課題】酸性水に含まれる殺菌成分量を増加させた電解水生成装置を提供する。
【解決手段】この課題を解決するために、外部から原水が供給される供給路4と、前記供給路4から水が導入され前記水を電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水とを生成する電解槽12と、前記アルカリイオン水を吐出する吐水路17と、前記酸性イオン水を排出する排水路18と、前記電気分解を制御する制御部20と、殺菌成分生成補助剤を前記水に添加する剤添加部23とを備え、前記制御部20が、前記原水供給の停止後、当該停止状態が設定された所定時間経過すると、前記供給の再開時に、前記殺菌成分生成補助剤を添加した混合水を前記電解槽12で前記電気分解を行い殺菌成分を含んだ酸性水を生成して、当該酸性水を前記吐水路17に通水する洗浄動作用の制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解水生成装置及び当該電解水生成装置を備えた流し台、殊に電解水生成装置内の殺菌洗浄に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電解水生成装置は、原水をろ過する浄水部と、浄水部でろ過した水(浄水)を電気分解する電解槽と、浄水或いは電解槽で電気分解した水(イオン水)を吐出する吐水路と、電気分解を制御する制御部とを備える。
【0003】
ところで、止水後一定期間以上利用されないと、吐水路側から細菌等が浸入する等で、ろ過により殺菌成分(塩素)の低下した浄水が細菌等に汚染されて、取水再開時に当該汚染された水が吐水路から吐出される恐れがある。
【0004】
そのため、特許文献1等に示す電解水生成装置のように、原水が再供給された再開時に、次亜塩素酸を含む酸性水(次亜塩素酸水)を電解槽で生成し、当該酸性水を吐水路に通水することで、吐水路を殺菌洗浄するものがある。そして、当該装置では、止水時から通水開始時までの止水経過時間が所定時間内である場合に該止水経過時間と比例した殺菌洗浄時間を設定し、該所定時間を越える場合に一定の殺菌洗浄時間を設定することで、洗浄時の水や時間の過剰な消費を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−90183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような電解水生成措置では、浄水中の残留塩素から次亜塩素酸(殺菌成分)を生成するため、電解槽の容量が小さい装置や電圧出力が低い装置等では、殺菌成分が生成され難く、酸性水での殺菌や除菌が不十分になることがある。
【0007】
そこで、この事情を鑑み、殺菌成分を生成し易くして、酸性水に含まれる殺菌成分の量を増加させた電解水生成装置及び当該電解水生成装置を備えた流し台を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の電解水生成装置は、外部から原水が供給される供給路と、前記供給路から水が導入され前記水を電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水とを生成する電解槽と、前記アルカリイオン水を吐出する吐水路と、前記酸性イオン水を排出する排水路と、前記電気分解を制御する制御部と、殺菌成分生成補助剤を前記水に添加する剤添加部とを備え、前記制御部が、前記原水供給の停止後、当該停止状態が設定された所定時間経過すると、前記供給の再開時に、前記殺菌成分生成補助剤を添加した混合水を前記電解槽で前記電気分解を行い殺菌成分を含んだ酸性水を生成して、当該酸性水を前記吐水路に通水する洗浄動作用の制御を行うことを特徴とする。
【0009】
この電解水生成装置として、前記制御部が、前記洗浄動作用の制御時に、前記吐水路の通水量と前記排水路の通水量との水量比率を変更する比率変更制御を行うことが好ましい。
【0010】
この電解水生成装置として、前記剤添加部が、前記殺菌成分生成補助剤を貯留する剤貯留部と、前記電解槽から供給される供給水に前記剤貯留部から供給される前記殺菌成分生成補助剤を混合する混合部と、前記供給水を前記電解槽から前記混合部へ流通させる給水路とを備え、前記給水路は前記電解槽側の開口端が前記混合部側の開口端より上方に位置することが好ましい。
【0011】
この電解水生成装置として、前記混合部にオーバーフロー用の混合水排出路を設け、前記混合水排出路の前記混合部との接続口が、前記給水路の前記混合部側の前記開口端より下方に位置し、前記接続口の開口面積が前記混合部側の前記開口端の開口面積より大であることが好ましい。
【0012】
この電解水生成装置として、前記供給水と前記殺菌成分生成補助剤とを攪拌混合する攪拌部を前記混合部に設けたことが好ましい。
【0013】
この電解水生成装置として、前記混合水を貯留する貯水部を前記混合部の下方に設けたことが好ましい。
【0014】
この電解水生成装置として、前記制御部が、前記酸性水を用いた洗浄動作後、前記電解槽から前記貯水部に前記アルカリイオン水を流入させる貯水部濯ぎ制御を行うことが好ましい。
【0015】
この電解水生成装置として、前記洗浄動作の実施を外部に予告する予告部を備え、前記制御部は、前記再開時に前記洗浄動作を実施するにあたって、当該洗浄動作の実施を前記予告部に予告させる予告制御を行うことが好ましい。
【0016】
この電解水生成装置として、前記洗浄動作の終了時間を外部に報知する報知部を備え、前記制御部は、前記再開時に前記洗浄動作を実施するにあたって、前記時間を前記報知部に報知させる報知制御を行うことが好ましい。
【0017】
本発明の流し台は、上述のいずれかの電解水生成装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
このような構成としたことで、酸性水生成時に、殺菌成分を生成し易くし、酸性水に含まれる殺菌成分の量を増加させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の電解水生成装置の構成説明図である。
【図2】同上の電解水生成装置の混合部周辺の構成説明図である。
【図3】同上の電解水生成装置の攪拌部及び調整部の連通路連通状態の(a)斜視図と(b)断面図である。
【図4】同上の電解水生成装置の攪拌部及び調整部の連通路閉塞状態の(a)斜視図と(b)正面図である。
【図5】同上の電解水生成装置の調整部の第1円板部の(a)平面図と(b)側面図である。
【図6】同上の電解水生成装置の調整部の第2円板部の(a)平面図、(b)側面図である。
【図7】表示部に液晶を用いた例であり、(a)が止水経過時間報知の図であり、(b)が洗浄予告表示の図であり、(c)が残り時間報知の図である。
【図8】表示部に発光部を用いた例であり、(a)が止水経過時間報知の図であり、(b)が洗浄予告表示の図であり、(c)が残り時間報知の図である。
【図9】第1実施形態の電解水生成装置を備えた流し台の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を例示して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
第1実施形態の電解水生成装置1は内部に、図1に示すように、外部から供給された原水をろ過する浄水部5と、浄水部5でろ過した水を電気分解する電解槽12と、電解槽12の電気分解を制御する制御部20とを備える。そして、電解水生成装置1は、外部の原水管2と浄水部5とに接続される供給路4と、浄水部5と電解槽12とを接続する浄水導入路6と、電気分解により生成したイオン水の一方を外部に流出する吐水路17と、イオン水の他方を外部に流出する排水路18とを備える。供給路4は水栓3を介して原水管2に接続されており、水栓3の開放と閉塞の切替動作は使用者の外部操作によって行われる。なお、水栓3に切替弁を設ける等で、水栓3の当該切替動作を制御部20で制御してもよい。
【0022】
浄水部5は、供給路4から原水が導入され、当該原水をろ過した後、ろ過した水(浄水)を浄水導入路6に流出する。そして、浄水部5はろ過部材として、例えば、原水から残留塩素等を吸着する活性炭と、原水から不純物や細菌等を取り除く中空糸膜モジュールとを有し、ろ過部材に原水を流通させることで、原水をろ過する。
【0023】
浄水導入路6は、通水の有無及び通水流量を検知し検知結果を制御部20に出力する通水センサ9と、通水センサ9の下流に設けられ浄水の電気伝導性(導電率)を高める電解補助剤を浄水に供給する剤供給部10と、を有する。
【0024】
そして、浄水導入路6は電解槽12との接続部位が第1導入路7と第2導入路8とに分岐しており、第1導入路7と第2導入路8は各々電解槽12に接続される。また、第1導入路7には、第1導入路7の開放と閉塞とを切り替える切替弁(導入弁11)と、導入弁11の開放量を変更するステッピングモータ(図示せず)とが設けられており、導入弁11の切替動作はステッピングモータを介して制御部20に制御される。そのため、制御部20は導入弁11を介して第1導入路7の通水量を変更することで、第1導入路7の通水量と第2導入路の通水量との水量比率を変化させる比率変更制御を行うことができる。
【0025】
電解槽12は、電解槽12内を二つの電解室(第1電解室13、第2電解室14)に区画する隔膜16と、電解槽12内に配置され対をなす電極板15(第1電極板15a、第2電極板15b)とを備え、隔膜はイオン等が透過可能で水が透過不能となっている。
【0026】
第1導入路7は第1電解室13の底部側(上流側)に接続され、第1電解室13は天井部側(下流側)に吐水路17が接続される。第2導入路8は第2電解室14の底部側(上流側)に接続され、第2電解室14は天井部側(下流側)に排水路18が接続される。
【0027】
また、電解槽12は、第1電解室13に第1電極板15aが配置され、第2電解室14に第2電極板15bが配置されており、各電解室内に浄水を導入した状態で電極板15に電圧を印加することで、電解槽12内の浄水が電気分解される。
【0028】
当該電気分解は、例えば、相対的に第1電極板15aが陰極、第2電極板15bが陽極となるよう電極板15に電圧を印加することで、第1電解室13にアルカリイオン水が生成され、第2電解室14に酸性イオン水が生成される。そして、第1電極板15aと第2電極板15bの極性を入れ替えることで、第1電解室13に酸性イオン水が生成され、第2電解室14にアルカリイオン水が生成される。
【0029】
上述のように、電気分解(電解処理)で生成されるイオン水は、第1電解室13でアルカリイオン水と酸性イオン水とのいずれか一方が生成され、第2電解室14でアルカリイオン水と酸性イオン水との他方が生成される。そして、第1電解室13で生成されたイオン水が吐水路17から外部に吐出され、第2電解室14で生成されたイオン水が排水路18から外部に排出される。更に、制御部20が比率変更制御を行うことで、吐水路17の吐水量と排水路18の排水量との水量比率が変更される。
【0030】
なお、電極板15に印加される電圧は制御部20に制御されると共に、制御部20を介して電源部21から供給される。電源部21は商用電源等の外部電源(図示せず)と電気的に接続する接続端21aを有し、接続端21aを介して外部電源から給電されており、例えば、外部電源からの交流電圧(電力)を直流電圧に変換した後、制御部20に供給する。
【0031】
また、電解水生成装置1は、取水用(通常利用用)のイオン水や浄水を吐水路17から吐出する通常動作と、殺菌成分を有する洗浄水を生成し当該洗浄水を吐水路17に通水する洗浄動作と、原水供給の停止時に休止状態となる待機動作とを有する。通常動作は、浄水を電気分解せずに吐水路17から吐出する浄水モードと、アルカリイオン水を生成し吐水路17から吐出するアルカリイオン水モードと、酸性イオン水を生成し吐水路17から吐出する酸性イオン水モードとを有する。なお、通常動作の各モードや洗浄動作や待機動作の詳細は、制御部20の説明と合わせて後述する。
【0032】
また、洗浄動作で生成される洗浄水は、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン等の殺菌成分を有した次亜塩素酸水となっており、酸性水となっている。そのため、洗浄動作モードでは、第1電極板15aを陽極、第2電極板15bを陰極となるよう電圧を印加して電解槽12内の水を電気分解することで、第1電解室13に洗浄水を生成し、生成した洗浄水を吐水路17に通水して吐水路17を殺菌洗浄する。
【0033】
なお、次亜塩素酸水の生成時の反応は、例えば、以下の通りとなっている。
・陽極側 2HO → 4H+O+4e
2Cl → Cl+2e
・陰極側 6HO+6e → 6OH+3H
Cl+HO → HClO+HCl
そして、陽極側に生じたClは更に、
HClO → ClO+H
なる解離反応によって、上述のようにHClO(次亜塩素酸)、HCl(塩酸)、ClO(次亜塩素酸イオン)、H(水素イオン)を主成分とする次亜塩素酸水(酸性水)が生成される。
【0034】
そして、電解水生成装置1は、洗浄動作時に洗浄水生成用の水に殺菌成分生成補助剤を添加する剤添加部23を備え、浄水の電気分解時に殺菌成分を生成し易くしている。当該殺菌成分生成補助剤は、例えば、塩化ナトリウム等の次亜塩素酸生成用添加剤(酸性成分生成用添加剤)となっている。なお、殺菌成分生成補助剤は酸性成分生成用添加剤に限らず、酸性成分生成用生成添加剤は塩化ナトリウムに限らない。以下、殺菌成分生成補助剤を添加剤と記載する。
【0035】
剤添加部23は、図1乃至図2に示すように、添加剤を貯留する剤貯留部28と、剤貯留部28からの添加剤と水とを混合する混合部32と、混合部32に電解槽12の水を供給する給水路24とで主体が構成される。
【0036】
給水路24は、図1に示すように、第1電解室13の下流側に一方の開口端(第1開口端25)が接続され、他方の開口端(第2開口端26)が剤添加部23の混合部32(詳細は後述する)に接続され、第1電解室13の水を混合部32に供給する。そして、給水路24は第1開口端25である電解槽12側の開口端が、第2開口端26である混合部32側の開口端より、上方に位置している。そのため、電解槽12から第1開口端25に導入された水(供給水)は、重力により第2開口端26に向かって給水路24を流動し易くなる。
【0037】
また、給水路24には給水路24の開閉を切り替える切替弁(給水弁27)が設けられ、給水弁27の切替動作は制御部20に制御される。そして、給水弁27は通常動作時や待機動作時には閉成されており、当該動作時に給水路24を閉塞する。なお、給水路24は第1開口端25を吐水路17に設け、吐水路17から分岐して混合部32に供給水を供給してもよい。
【0038】
剤貯留部28は、上方に開口した有底円筒状で、当該開口は内部に洗浄剤を投入する投入口となっており、投入口は着脱自在の蓋29で覆われる。また、剤貯留部28は混合部32の上方に配置される。そして、剤貯留部28の底部30は、図2に示すように、上方に凸の円錐形状で、円錐の底(下端)の外周には、混合部32に添加剤を供給する供給口31を複数有する。そのため、剤貯留部28は供給口31から添加剤を落下させることで、混合部32に供給しており、底部30の傾斜(円錐の周面)によって添加剤を供給口31に導入し易くしている。
【0039】
混合部32は、図1に示すように、剤貯留部28と略同径で上方に開口した有底円筒状で、剤貯留部28と略同心で配置され、混合部32の周面にはオーバーフロー用の混合水排出路34が連通接続される。混合水排出路34は混合部32との接続口35(上流端)が給水路24の第2開口端26より下方に位置し、下流端が混合部32より下方に位置して排水路18に連通接続されている。そして、混合水排出路34は接続口35の開口面積が給水路24の第2開口端26の開口面積より大となっている。そのため、混合部32は水位が接続口35の直下に達した際に満水となり、混合部32は満水時等に混合部32から溢れた水が混合水排出路34を介して排水路18に排出される。
【0040】
また、混合部32には、図2に示すように、混合部32内の供給水と添加剤とを攪拌混合する攪拌部41と、剤貯留部28から混合部32への添加剤の供給を調節する調節部44と、攪拌部41及び調節部44を駆動する駆動部38とが設けられる。
【0041】
駆動部38は、モータ等の駆動源39と、駆動源39の駆動を攪拌部41や調節部44に伝達する歯車やベルト等の駆動伝達部40とを備える。そして、駆動部38は攪拌部41及び調節部44に伝達する回転駆動の向き(回転方向)が、回転円(周方向)に沿って一方を向く第1方向と、回転円(周方向)に沿って第1方向と反対(他方)を向く第2方向とに切り替わる。なお、当該駆動部38の回転駆動及び向き(第1方向と第2方向とのいずれに向けて回転するか等)は制御部20に制御される。
【0042】
攪拌部41は、混合部32内に略同心で配置される円柱状の軸部42と、軸部42の周面に一体で形成された螺旋状の羽根43とで主体が構成される。そして、攪拌部41は駆動部38によって軸部42の軸回りに回転し、当該回転によって羽根43で混合部32内の水(供給水)を攪拌する。そのため、混合部32内の供給水は、供給口31から供給された添加剤と混合されて、添加剤を添加した混合水となる。また、攪拌部41は供給口31から落下した添加剤が羽根43に接触するため、例えば、羽根43に接触しないものに比べて底部33に至るまでの添加剤の移動時間が長くなる等で、添加剤を供給水に混合し易くなっている。
【0043】
調節部44は、図4乃至図6に示すように、略同心同径の二つの円板部(第1円板部45、第2円板部47)で主体が構成される。そして、両円板部は中心に軸部42が略同心で挿通されると共に、外周に供給口31と連通する連通口49(49a,49b)を有する。
【0044】
第1円板部45は板面の略中心に軸部42が貫通すると共に当該軸部42が固定されており、駆動部38の駆動時に、第1円板部45は攪拌部41と共に円板の周方向に回転する。そして、第1円板部45は、図5に示すように、外周に連通口49aを二つ有する。更に、第1円板部45は下面(下方を向く板面)に円柱状の突起46を二つ有し、突起46は周方向において略等間隔で下面に設けられ、突起46は第2円板部47に周方向に摺動自在で挿通される。
【0045】
第2円板部47は、図6に示すように、外周に連通口49bを二つ有する。そして、第2円板部47は板面と略同心で板面より小径の円弧状の長孔48が二つ設けられており、長孔48は板面を貫通して形成されると共に、周方向において略等間隔に位置する。更に、図3乃至図4に示すように、両長孔48には各々突起46が一つ挿通されており、第1円板部45の回転時に、突起46が長孔48の円弧に沿って長孔48内を移動(摺動)する。
【0046】
また、第2円板部47は板面の略中心に軸部42が貫通すると共に当該軸部42の軸回りに回転自在となっており、第1円板部45の回転時に突起46が長孔48の周方向の端部に当接することで、第2円板部47は第1円板部45と共に回転可能となる。
【0047】
そのため、第2円板部47は、図3に示すように、突起46が長孔48の一方の端部(第1端)に当接した状態で、連通口49bが第1円板部45の連通口49aと連通する。そして、当該連通口49を連通した状態で軸部42が回転すると、調節部44(第1円板部45、第2円板部47)は連通状態を維持して回転する。また、第2円板部47は、上記連通状態から軸部42の回転方向が第2方向に切り替わると、突起46が長孔48の第1端から離れ、長孔46の円弧に沿って他方の端部(第2端)側に摺動し、図4に示すように、突起46が第2端に当接する。
【0048】
そして、当該第2端に当接した状態では、連通口49bが第1円板部45の板面に閉塞されると共に、板面で第1円板部45の連通口49aを閉塞する。更に、当該連通口49を閉塞した状態で軸部42が第2方向に回転すると、調節部44は閉塞状態を維持して回転する。また、閉塞状態で軸部42の回転方向が第1方向に切り替わると、突起46が第2端から離れ、第1端に向けて摺動して、第1端に当接し、調節部44は連通状態に切り替わる。
【0049】
上述のように電解水生成装置1は、例えば、駆動部38が第1方向に回転駆動すると、調節部44は連通口49を連通した状態で回転して、剤貯留部28から混合部32へ添加剤を供給すると共に、攪拌部41は混合部32内の水と添加剤とを攪拌する。そして、駆動部38の回転駆動が第1方向から第2方向に切り替わると、攪拌部41は混合部32内の攪拌を継続し、調節部44は連通口49を閉塞した状態に切り替わり、添加剤の供給を停止すると共に当該閉塞状態を維持して回転する。
【0050】
また、図1に示すように、混合部32の下方には、混合水を貯留する貯水部50と、混合水を貯水部50に導入する混合水導入路36とが配置される。そして、混合部32の底部33には混合水排出路34の一端が接続されており、混合水導入路36の他端は貯水部50に接続されている。
【0051】
そのため、混合部32と貯水部50とは混合水導入路36を介して連通接続されており、混合水は重力によって混合部32から下方(貯水部50側)に流動し易くなっている。また、混合水導入路36には混合水導入路36の開閉を切り替える切替弁(貯水弁37)が設けられ、貯水弁37の切替動作は制御部20に制御される。そして、貯水弁37は通常動作時や待機動作時等に閉成されており、当該動作時に混合水導入路36を閉塞する。
【0052】
貯水部50は通常動作時や止水時に、混合水を貯留しており、洗浄動作時において、洗浄水で洗浄する際に、貯留した混合水を電解槽12に流入させ、混合水を用いた洗浄水の生成を可能にする。そして、貯水部50は浄水導入路6の下方に位置し、浄水導入路6から給水される第1通水路51と、浄水導入路6の下流の分岐部位の近傍で浄水導入路6に貯水部50内の水(混合水)を供給する第2通水路53とが設けられる。そのため、第2通水路53及び第1導入路7が、電解槽12と貯水部50とを連通接続する連通路となっている。
【0053】
また、第1通水路51には第1通水路51の開閉を切り替える切替弁(第1通水弁52)が設けられ、第2通水路53には第2通水路53の開閉を切り替える切替弁(第2通水弁54)が設けられ、第1通水弁52及び第2通水弁54の切替動作は制御部20に制御される。そして、第1通水弁52及び第2通水弁54は通常動作時や待機動作時等に閉成されており、当該動作時に第1通水路51及び第2通水路53を閉塞する。
【0054】
また、貯水部50は下部に、貯水部50内の水を排水路18に排出する貯水部排出路55が連通接続されており、貯水部排出路55は混合水排出路34を介して排水路18に接続されている。貯水部排出路55には貯水部排出路55の開閉を切り替える切替弁(排水弁56)が設けられ、排水弁56の切替動作は制御部20に制御される。そして、排水弁56は通常動作時や待機動作時に閉成されており、当該動作時に貯水部排出路55を閉塞する。
【0055】
制御部20は信号線65を介して各切替弁、駆動部38、操作部57及び表示部58(詳細は後述する)等と電気的に接続されており、切替弁等の上記部材を信号線65を介して制御すると共に給電する。そして、制御部20は給電線64を介して電極板15と電気的に接続されており、給電線64を介して電極板15に電圧を印加する。
【0056】
また、制御部20は信号線63を介して通水センサ9と電気的に接続されており、通水センサ9の検知結果(浄水導入路6の流量)が信号線63を介して制御部20に入力される。そして、制御部20は浄水導入路6の流量が一定値を超えると、原水が供給されている給水状態と判断する。制御部20は給水状態と判断すると、所定の洗浄動作(詳細は後述する)を行った後、通常動作を行うよう制御する。
【0057】
通常動作は、電解槽12に浄水を導入した後、アルカリイオン水モード或いは酸性イオン水モードであれば、電解槽12で電気分解して、第1電解室13内に所望のイオン水を生成し、当該イオン水を吐水路17から吐水する。そして、浄水モードであれば、電解槽12で電気分解せずに、浄水を吐水路17から吐水する。
【0058】
また、制御部20は、給水状態で浄水導入路6の流量が一定値以下になると、原水の供給が停止されて、止水状態に切り替わったと判断し、アルカリイオン水モード或いは酸性イオン水モードであれば、電極板15への電圧印加を停止する。そして、当該止水状態判断時に、制御部20は、各切替弁を制御して第1導入路7と第1通水路51と第2通水路53と貯水部排出路55とを開放させ、吐水路17と電解槽12と導入路と貯水部50の水を排水路18に排出する。なお、当該電圧印加の停止時に、電極板15に印加する電圧の極性を一定時間入れ替えて印加して、電極板15に析出付着したカルシウム等のスケールを剥離させた後、電解槽12の排水を行うことが好ましい。
【0059】
当該止水状態との判断後、制御部20は、洗浄動作の準備動作(詳細は後述する)の制御を行った後、待機動作用の制御を開始し、電極板15や駆動部38等の電力消費を抑える。そして、待機動作は浄水導入路6の流量が一定値を越えるまで行われ、浄水導入路6の流量が一定値を越えると、制御部20は止水状態から給水状態に切り替わったと判断し、洗浄動作の実動作(詳細は後述する)用の制御を開始する。なお、制御部20で水栓を開閉させるものでは、制御部20は水栓の開閉の切替で給水状態と止水状態とを判断してもよい。
【0060】
また、制御部20は、上述の止水状態との判断時に、次に給水状態に切り替わるまでの止水経過時間(止水状態での経過時間)を計測する。そして、制御部20は、当該止水経過時間に応じて、給水状態に切り替わった際に実施する洗浄動作を以下の三つから判断する。
【0061】
制御部20は止水経過時間Tが、所定の第1時間T1未満の場合(T<T1)と、第1時間T1以上で所定の第2時間T2未満の範囲の場合(T1≦T<T2)と、第2時間T2以上の場合(T2≦T)とのいずれに該当するかで実施する洗浄動作を判断する。
【0062】
T<T1の場合は、吐水路17等の細菌を酸性イオン水はもちろん、アルカリイオン水や浄水を通水しても容易に除去することができる細菌増殖初期状態となっており、洗浄動作は、洗浄水を生成する動作のない第1洗浄動作となっている。
【0063】
T1≦T<T2の場合は、アルカリイオン水や浄水等の通水で吐水路17の洗浄が困難で、且つ時間経過に伴い細菌量が増加し易い範囲(細菌増殖が飽和状態になる前の範囲)となっている。そのため、洗浄動作は、酸性水を生成し、当該酸性水を吐水路17に通水する第2洗浄動作となっている。
【0064】
T2≦Tの場合は、アルカリイオン水や浄水等の通水で吐水路17の洗浄が困難で、且つ時間経過に伴い細菌量が略変化しない範囲(細菌の増殖が略飽和状態となった範囲)となっている。そのため、洗浄動作は、酸性水を生成し、当該酸性水を吐水路17に通水すると共に、当該酸性水の通水時間が第2洗浄動作より長い第3洗浄動作となっている。
【0065】
そして、上記三つの洗浄動作は各々、原水供給開始直後に行う洗浄を実施する実動作と、原水供給停止(止水)直後に行う次回洗浄動作用の準備動作とで構成される。
【0066】
第1洗浄動作の実動作は、原水供給開始直後、制御部20が各切替弁を制御して、給水路24と第1導入路7とを開放させて、混合部32に給水すると共に、吐水路17に通水して、吐水路17等の細菌を濯ぎ洗浄する。そして、当該濯ぎ洗浄時に、制御部20は第1通水路51と貯水部排出路55とを開放させて、貯水部50に通水して、濯ぎ洗浄する。
【0067】
更に、制御部20は、混合部32への給水と、吐水路17及び貯水部50の濯ぎ洗浄が完了すると、貯水部50内の水を排出した後、通常動作用の制御を開始し、通常動作を行った後(止水後)、準備動作用の制御を開始する。
【0068】
準備動作では、駆動部38が駆動されて、調節部44及び攪拌部41が所定時間(剤供給時間)の第1方向に回転し、混合部32に溜めた水に剤貯留部28から添加剤が供給されると共に、当該水と添加剤とが攪拌混合される。そして、上記剤供給時間経過後、制御部20は、回転方向を第2方向に切り替え、添加剤の供給を停止し、更に所定時間(攪拌時間)攪拌を継続する。なお、剤供給時間と攪拌時間の長さは、略同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよく、混合部32或いは貯水部50の貯水量や電解槽12の容量や添加剤の種類や洗浄水の酸性度等に応じて適宜設定されるものである。
【0069】
また、駆動部38の駆動中、制御部20は第1導入路7と第1通水路51と第2通水路53と貯水部排出路55とを開放し、吐水路17と電解槽12と浄水導入路6の排水を行う。そして、排水完了となる所定時間(排水時間)経過後、第1導入路7と第1通水路51と第2通水路53と貯水部排出路55とを閉塞する。
【0070】
更に、当該排水時間と攪拌時間の両時間経過後、制御部20は混合水供給路4を開放して、混合部32内の混合水を貯水部50に供給した後、混合水供給路4を閉塞し、第1洗浄動作(準備動作)用の制御から待機動作用の制御に移行する。なお、攪拌時間と排水時間との長さは略同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよく、上述の作用(排水や攪拌)を実施可能な時間であればよい。
【0071】
また、当該準備動作時の電解槽12の排水において、制御部20は、直前の通常動作がアルカリイオン水生成モードであった場合、第1電解室13のアルカリイオン水で貯水部50を濯ぎ洗浄する貯水部50濯ぎ洗浄用の制御を行う。
【0072】
当該制御は、上記駆動部38の駆動中、第2通水路53の開放時に、第1導入路7を閉塞し、第2電解室14の水を第1電解室13の水より先に排出する。そして、第2電解室14の水を排出後、第1導入路7を開放し、第1電解室13のアルカリイオン水を貯水部50に流通させて、当該イオン水で貯水部50を濯ぎ洗浄する。
【0073】
第2洗浄動作の実動作は、原水供給開始直後、制御部20が第1通水路51と第2通水路53と第1導入路7とを開放させて、浄水と貯水部50の混合水とを電解槽12に流入する。そして、制御部20は第1電極板15aを陽極、第2電極板15bを陰極となるよう電圧を印加し、電解槽12で浄水と混合水とを混在させた水を電気分解し、第1電解室13に酸性水(次亜塩素酸水)を生成し、第2電解室14にアルカリイオン水を生成する。当該酸性水は電解槽12から吐水路17に流通され、当該実動作前の止水中に吐水路17内で増殖した恐れのある細菌が殺菌され易くなる。
【0074】
また、当該酸性水の通水時間は止水経過時間Tの増加に伴い増加するように(止水経過時間に略比例して)設定されており、当該通水時間は制御部20に記憶されている。そして、上記通水時間通水後、制御部20は、第1洗浄動作と略同様に、混合部32に給水した後、通常動作用の制御を開始し、通常動作を行い、通常動作後、第2洗浄動作の準備動作を行う。なお、第2洗浄動作の準備動作は、第1洗浄動作と略同じとなっているため、説明は省略する。
【0075】
第3洗浄動作の実動作は、酸性水の通水時間を除き、第2洗浄動作の実動作と略同様に行われており、当該通水時間は、第2洗浄動作における酸性水の通水時間より長く、且つ止水経過時間Tによらず略一定となっている。そして、第3洗浄動作の準備動作は、第1洗浄動作と略同じとなっており、説明は省略する。
【0076】
また、電解水生成装置1は、使用者が制御部20を介して外部操作する操作部57と、動作中のモード等を外部に表示する表示部58とを備える。
【0077】
操作部57は、通常動作で吐水路17から吐出する水(使用者が所望する水質)を選択したり、アルカリイオン水や酸性イオン水のpH値を変更する外部操作を行ったりする。そして、操作部57は当該外部操作に応じた電気信号を制御部20に出力しており、制御部20は当該電気信号(操作内容)に応じた制御を行う。
【0078】
そのため、使用者が操作部57を用いて上述の三つの水質(イオン水、浄水)のモードから所望のモードを選択することで、選択されたモードに応じた電気信号が操作部57から制御部20に入力される。そして、制御部20は当該電気信号を受けると、止水経過時間に基づき判断した洗浄動作を行った後、当該電気信号に応じたモードで通常動作を開始し、使用者の所望する水を吐水路17から吐出する。
【0079】
表示部58は制御部20に制御され、例えば、液晶59等の文字を表示するものや、発光ダイオード等の発光部60の点灯や点滅を組み合わせて表示するもの等となっており、操作部57によって選択されたモードを表示するモード表示を行う。以下、文字を表示するものを文字表示式とし、発光部60の点灯や点滅を組み合わせて表示するものを、点灯点滅式として記載し、説明する。
【0080】
表示部58はモード表示に加えて、止水経過時間を表示して外部報知する報知部としての機能と、次回通水時に酸性水による洗浄動作(第2洗浄動作、第3洗浄動作)の実施が決定した際に予告する予告部としての機能を有する。
【0081】
報知部は、文字表示式であれば、例えば、図7(a)に示すように、文字で止水経過時間を表示する。また、点灯点滅式であれば、例えば、図8(a)に示すように、当該止水経過時間に該当する発光部60を点灯させる或いは当該止水経過時間までに該当する全ての発光部60を点灯させることで、止水経過時間を表示する。
【0082】
予告部は、文字表示式であれば、例えば、図7(b)に示すように、文字で次回通水時に酸性水を用いた洗浄動作(図中では殺菌洗浄と記載)を行うことを表示して、使用者に対して洗浄動作の実施を予告する。また、点灯点滅式であれば、例えば、図8(b)に示すように、次回通水時に酸性水を用いた洗浄動作を行うことを示す発光部60を点灯させて、次回通水時に当該洗浄動作の実施することを表示して、使用者に対して予告する。なお、予告部は、第1洗浄動作を行うことが確定した場合にも予告を行ってもよい。
【0083】
また、表示部58は、止水状態に洗浄動作を行うことが確定した際や、洗浄動作中に、取水可能状態(通常動作)に移行するまでの残り時間を表示する残時間表示を更に行ってもよい。このものでは、文字表示式であれば、例えば、図7(c)に示すように、使用可能(取水可能)になるまでの残り時間を文字で表示する。また、点灯点滅式であれば、例えば、図8(c)に示すように、当該残り時間に該当する発光部60を点灯させる或いは当該残り時間までに該当する全ての発光部60を点灯させることで、残り時間を表示する。
【0084】
このように、電解水生成装置1は、電解槽12内の水量(容量)や電極板15に印加する電圧等が略同じ条件下において、添加剤を添加しないもの(非添加のもの)に比べて、酸性水中の殺菌成分を増加させることができる。そのため、非添加のものに比べて、電解槽12内の水を少なくしたり、印加する電圧を小さくしたりして、非添加のものと略同量の殺菌成分を有する酸性水を生成することができる。
【0085】
すなわち、上述の構成を備えることで、電解槽12の容積の小さい電解水生成装置1や電極板15に印加する電圧が小さい電解水生成装置1でも、所定量の殺菌成分を有した(所定の酸性濃度の)酸性水を生成し易くすることができる。そして、制御部20が吐水比率可変部を用いて吐水比率を変更する比率変更制御を行うことで、吐水比率を下げて、第1電解室13内のpHや殺菌成分生成量を上昇させたり、捨て水として吐出される水の量を抑えたりすることができる。
【0086】
また、給水路24において、第1開口端25を第2開口端26より上方に設けたことで、ポンプ等の供給水を流動させる動力を追加しなくても、供給水を混合部32に容易に導入することができ、装置の大型化や高コスト化を抑制し易くなる。そして、第2開口端26より下方で混合部32に連通する混合水排水路18を設けたことで、混合部32の供給水や混合水が接続口35より上方に溜まったり流入したりし難くなり、混合部32の当該水が剤貯留部28や駆動部38に浸入し難くすることができる。更に、混合部32に攪拌部41を設けたことで、添加剤を供給水に溶解させ易くなり、解け残った添加剤による流路の詰りや切替弁の動作不具合等を発生し難くすることができる。
【0087】
また、混合部32の下方に貯水部50を連通配置したことで、ポンプ等の混合水を流動させる動力を追加しなくても、混合水を貯水部50に容易に導入することができ、装置の大型化や高コスト化を抑制し易くなる。そして、酸性水を用いた殺菌洗浄後、貯水部50をアルカリイオン水で濯ぎ洗浄したことで、殺菌洗浄後に貯水部50に残った酸性水や貯水中に析出した添加剤を排出し易くなる。そのため、貯水部50に添加剤が残留し難くなり、次回洗浄時等に貯水部50に残留した添加剤による流路の詰りや切替弁の動作不良等を生じ難くすることができる。
【0088】
また、表示部58を予告部として機能させたことで、制御部20が次回使用時(取水時)に殺菌洗浄を行うと判断した際に、使用者に対して使用前(止水状態時)に次回使用時に殺菌洗浄を行うことを予告することができる。そのため、使用者が殺菌洗浄時の酸性水を誤って取水することを抑制し易くなると共に、使用者が殺菌洗浄による待ち時間を考慮して原水供給を開始することができる。
【0089】
また、表示部58を報知部として機能させたことで、次回取水可能となるまでの時間を使用者に報知することができる。そのため、殺菌洗浄時の酸性水の誤った取水を抑制し易くなると共に、取水可能となるまでの待ち時間を考慮して原水供給を開始することができる。
【0090】
なお、予告部や報知部は、表示部58を用いた視覚的な予告や報知に限らず、音声等を用いた聴覚的な予告や報知であってもよく、視覚的な予告や報知と聴覚的な予告や報知とを組み合わせて行ってもよい。また、電解水生成装置1は、通常動作の酸性イオン水生成時に、添加剤を添加した混合水で酸性イオン水(酸性水)を生成してもよい。また、切替弁は、制御部20から給電(通電)されることで流路を開放する電磁弁を用いることで、待機動作時の消費電力を抑えられ好ましい。
【0091】
また、電解水生成装置1は、図9に示すように、流し台80に備えることが好ましく、例えば、電解水生成装置1は、流し台80の上面80aに載置される。流し台80は、原水を吐出するカラン82と、カラン82に原水を供給する原水管81と、電解水生成装置1或いはカラン82からの水を受けるシンク83と、シンク83で受けた水を外部に排出する排出管84とを備える。排出管84は一端がシンク83の底部に接続され、他端が外部に排水管(図示せず)に接続され、管の途中に臭気防止用のトラップ部を備える。
【0092】
更に、流し台80は、原水管81と、水栓85を介して原水管81に連通接続された通水管86とを備える。通水管86は下流側が、通水管86の下流に連通し原水をカラン82に流入させるカラン側流路と、原水を電解水生成装置1に流入させる装置側流路とに分岐し、装置側流路は電解水生成装置1の供給路4に連通接続される。そして、通水管86は、当該分岐点に、カラン側流路を介したカラン82への給水と、装置側流路を介した電解水生成装置1への給水とを切り替える流路切替弁87を有し、流路切替弁87の開閉は使用者の外部操作によって切り替わる。
【0093】
このように、流し台80は、原水管81が通水管86のカラン側流路に連通すると、原水がカラン82に流入し、カラン82から吐出される。そして、原水管81が通水管86の装置側流路に連通すると、原水が電解水生成装置1に流入し、当該電解水生成装置1で浄水やイオン水或いは酸性水となって吐出される。更に、所定量の殺菌成分を有した酸性水を生成し易い第1実施形態の電解水生成装置1を備えたことで、電解槽12の容積が小さい電解水生成装置1を用いることができ、当該装置による上面80aの占有面積を低減し易くなる。また、電解水生成装置1が通常動作時に添加剤を添加して酸性水を生成可能であれば、まな板等の台所用品や流し台80の殺菌洗浄等に当該酸性水を利用することができる。
【0094】
なお、流し台80は原水管2をカラン側流路と装置側流路とに分岐させて、両流路に各々水栓3,85を設けてもよい。また、電解水生成装置1は流し台80に備えたものに限らない。
【符号の説明】
【0095】
1 電解水生成装置
4 供給路
12 電解槽
17 吐水路
18 排水路
20 制御部
23 剤添加部
24 給水路
25 第1開口端(電解槽側の開口端)
26 第2開口端(混合部側の開口端)
28 剤貯留部
32 混合部
34 混合水排出路
35 接続口
36 混合水導入路
41 攪拌部
50 貯水部
58 表示部
80 流し台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から原水が供給される供給路と、前記供給路から水が導入され前記水を電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水とを生成する電解槽と、前記アルカリイオン水を吐出する吐水路と、前記酸性イオン水を排出する排水路と、前記電気分解を制御する制御部と、殺菌成分生成補助剤を前記水に添加する剤添加部とを備え、
前記制御部が、前記原水供給の停止後、当該停止状態が設定された所定時間経過すると、前記供給の再開時に、前記殺菌成分生成補助剤を添加した混合水を前記電解槽で前記電気分解を行い殺菌成分を含んだ酸性水を生成して、当該酸性水を前記吐水路に通水する洗浄動作用の制御を行うことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
前記制御部が、前記洗浄動作用の制御時に、前記吐水路の通水量と前記排水路の通水量との水量比率を変更する比率変更制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項3】
前記剤添加部が、前記殺菌成分生成補助剤を貯留する剤貯留部と、前記電解槽から供給される供給水に前記剤貯留部から供給される前記殺菌成分生成補助剤を混合する混合部と、前記供給水を前記電解槽から前記混合部へ流通させる給水路とを備え、
前記給水路は前記電解槽側の開口端が前記混合部側の開口端より上方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記混合部にオーバーフロー用の混合水排出路を設け、
前記混合水排出路の前記混合部との接続口が、前記給水路の前記混合部側の前記開口端より下方に位置し、
前記接続口の開口面積が前記混合部側の前記開口端の開口面積より大であることを特徴とする請求項3に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記供給水と前記殺菌成分生成補助剤とを攪拌混合する攪拌部を前記混合部に設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の電解水生成装置。
【請求項6】
前記混合水を貯留する貯水部を前記混合部の下方に設けたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
【請求項7】
前記制御部が、前記酸性水を用いた洗浄動作後、前記電解槽から前記貯水部に前記アルカリイオン水を流入させる貯水部濯ぎ制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の電解水生成装置。
【請求項8】
前記洗浄動作の実施を外部に予告する予告部を備え、
前記制御部は、前記再開時に前記洗浄動作を実施するにあたって、当該洗浄動作の実施を前記予告部に予告させる予告制御を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
【請求項9】
前記洗浄動作の終了時間を外部に報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記再開時に前記洗浄動作を実施するにあたって、前記時間を前記報知部に報知させる報知制御を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電解水生成装置を備えたことを特徴とする流し台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−223685(P2012−223685A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92312(P2011−92312)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】