説明

電話装置

【課題】 相手先がセールス等を目的とする相手先か否かを明確にすることが可能な電話装置を提供する。
【解決手段】 着信があり、所定回数の着信音鳴動が終了すると(S1〜S6ステップ)、自動的に回線を接続させて応答メッセージを回線へ送出し、発呼側からの用件メッセージを記憶する(S10ステップ)。ユーザは発呼側からの用件メッセージを聞くことにより、発呼側がだれであるかを判断し、通話又は回線切断を開始する(S12、S14ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コードレス電話や留守番電話等の電話装置に関して、セールスの電話やいたずら電話の問題が以前からある。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、電話帳メモリに登録されていない相手先からの着信に対しては着信拒否する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−125066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の技術では、電話帳メモリに登録されていない相手先からの着信があった際に、本当にセールス等の拒否すべき相手先からの着信であるか否かを確実に確認することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決する為のものであり、
請求項1記載の電話装置は、着信があると所定回数の着信音鳴動後に自動的に回線を接続すると共に、着呼側のマイクから入力された音声にミュートをかけ、着呼側のマイクから入力された音声が回線へ送出されることを禁止した状態で発呼側からの用件メッセージの録音を行うことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の電話装置は、着信があると所定回数の着信音鳴動後に自動的に回線を接続すると共に発呼側からの用件メッセージの録音を開始し、前記回線接続から用件メッセージの録音終了までは、ハンドセットがオフフックされてもハンドセットと回線との接続を禁止することを特徴とする。
請求項3記載の電話装置は、請求項2記載の電話装置であり、前記ハンドセットのオフフック後に所定のキー操作が行われると、ハンドセットと回線との接続を行うことを特徴とする。
請求項4記載の電話装置は、請求項2又は3記載の電話装置であり、着信があり所定回数の着信音鳴動後に自動的に回線を接続してから用件メッセージの録音終了までに、所定のキー操作が行われると、回線を切断することを特徴とする。
請求項5に記載の電話装置は、着信があり所定回数の着信音が鳴動すると自動的に回線を接続し、録音動作に入る電話装置であり、マイクと、当該マイクから入力された音声をミュートするミュート手段と、着信後自動的に回線を接続し録音動作に入ると前記ミュート手段により前記マイクから入力された音声をミュートするように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項6に記載の電話装置は、請求項5に記載の電話装置であり、更にハンドセットのフック状態を検出するフック検出手段と、回線接続手段とを有し、前記制御手段は、着信後自動的に回線を接続し録音動作に入った後に、前記フック検出手段がハンドセットのオフフックを検出しても前記回線接続手段による回線接続を禁止するよう制御することを特徴とする。
【0007】
請求項7に記載の電話装置は、請求項6に記載の電話装置であり、更に入力手段を有し、前記制御手段は、ハンドセットのオフフック後に前記入力手段からの所定の操作があると判定すると、前記回線接続手段が回線を接続するよう制御することを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の電話装置は、請求項6又は7に記載の電話装置であり、前記制御手段は、着信後自動的に回線を接続し録音動作に入ってから回線を開放するまでに前記入力手段から、回線を切断するように指示する操作があると判定すると、回線を切断するように前記回線接続手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1又は5記載の発明によると、用件メッセージの録音中にマイクにユーザの音声が入力されてもユーザの音声は相手先へ伝わらない為、相手先が誰であるかを余裕を持って知ることができる。
【0010】
請求項2又は6記載の発明によると、用件メッセージの録音中に誤ってハンドセットをオフフックしても回線が接続されない為、ユーザは、相手先が誰であるかを余裕を持って知ることができる。
【0011】
請求項3又は7記載の発明によると、オフフック後に所定のキー操作を行うことにより通話を行うことが可能である為、ユーザは、相手先を確認後即座に通話を行うことができる。
【0012】
請求項4又は8記載の発明によると、ユーザは、用件メッセージの録音中に相手先がいたずら電話やセールス目的で発呼していることがわかれば、容易に回線を切断することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明を適用してなる実施例装置(電話装置)のブロック図である。
【0014】
図1において、制御部100は電話装置内部の各回路の制御を司る。又、制御部100は、着信時に発呼側の電話番号を一時的に格納するバッファメモリ(図示せず)と所定時間の計時を行うタイマ(図示せず)とを有している。
ダイオードブリッジ110は回線Lと接続されており、回線Lの極性が反転しても装置内部の回路の電位を一定に保つ。リンガー検出部120は、回線Lに接続され、回線Lから一定周期で送られてくる周波数16ヘルツの着信信号を検出すると上記着信を示す信号を制御部100に送出する。
【0015】
網制御部130は、上記制御部100の制御の下で回線の閉結動作を行い、回線の極性反転を検出する機能も有している。ビープ音発生部140は、制御部100の制御の下で例えば2キロヘルツのビープ音を網制御部130を介して回線Lへ送出する。
【0016】
スピーカ150は、アンプ160とミュート回路170を介して制御部100と接続されており、上記リンガー検出部120により回線Lからの着信信号が検出された際に着信音を送出し、又、拡声受話を行う際には、回線Lからの音声やRBT(Ring Back Tone)をスピーカ150から出力する。
【0017】
ミュート回路170は、制御部100の制御の下で、スピーチネットワーク部180から入力した音声信号や着信音等をスピーカから送出させないようにする。スピーチネットワーク部180は、音声信号の通過するラインの接続切換を行う。
【0018】
又、スピーチネットワーク部180は、スピーカ191から入力した音声信号を回線Lへ送出しないようにするためのミュート回路を内蔵している(図示せず)。
【0019】
送受話部190のスピーカ191は、アンプ192を介して上記スピーチネットワーク部180と接続されており、回線Lから入力した発呼側の音声信号を送出する。送受話部190のマイク193は、アンプ194を介して上記スピーチネットワーク部180と接続されており、ユーザの発した音声信号をスピーチネットワーク部180へ送出する。
フック検出部200は、制御部100と接続されており、上記送受話部190のオンフック、オフフックを検出する。
発呼側番号検出部210は、スピーチネットワーク部180と制御部100とに接続されており、着信時に回線Lからの発呼側電話番号を検出する。
入力部220は、テンキーや、拡声受話(ハンズフリー)をオン/オフする為のキー等を有しており、入力部220で入力された信号は制御部100に送出される。
【0020】
電話帳メモリ230は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の書き換え自由な不揮発性メモリからなり、電話番号と発呼側の名称とを対にして複数件格納可能である。
【0021】
用件メッセージ格納部240は、例えばEEPROMからなり、電話装置が留守録音を開始した際に回線Lから入力した発呼側の用件メッセージを格納する領域と、上記用件メッセージに対応する発呼側の電話番号を格納する領域とを有しており、上記発呼側番号検出部210が着信時に発呼側の電話番号を検出した場合には、上記用件メッセージと発呼側の電話番号とを対にして格納可能であり、これらの情報を複数件格納可能である。又、着信時に前記発呼側番号検出部210が電話番号を検出しなかった場合には、用件メッセージのみ用件メッセージ格納部240に格納される。尚、用件メッセージに対応して着信した日付、日時等を格納しても良い。
【0022】
表示部250は、上記入力部220から入力された電話番号や、上記電話帳メモリ230に格納されている電話番号及び名称等を表示することが可能である。又、上記用件メッセージ格納部240に格納されている発呼側からの用件メッセージを再生(スピーカ150から送出)している際に、上記用件メッセージ格納部240に上記発呼側のメッセージと対となって格納されている発呼側の電話番号を表示する。
【0023】
拒否番号格納部260は、例えばEEPROM等からなり、着信を拒否する相手先の電話番号が格納される。
【0024】
応答メッセージ格納部270は、例えばEEPROM等からなり、用件メッセージを格納する前に発呼側へ送出する応答メッセージ(例えば、"ただ今でかけております、発信音の後にメッセージを入れてください")を格納している。
【0025】
次に、本発明を適用してなる実施例装置の動作について以下に説明する。
【0026】
図2は本実施例装置の動作を示すフロー図である。図2のS1ステップにおいて、制御部100は、リンガー検出部120から着信信号があることを示す信号を検出すると、着信ありと判定し、S2ステップへ処理を進める。
【0027】
S2ステップでは、発呼側番号検出部210が発呼側の電話番号を検出し、制御部100が、当該検出された電話番号が電話帳メモリ230に格納されていると判定するとS3ステップへ処理を進め、そうでなければ、S4ステップへ処理を進める。
【0028】
S3ステップでは、制御部100は、通常の留守録動作を行う。即ち、所定回数の着信音が鳴動した後に自動的に応答メッセージを回線へ送出し、回線からの用件メッセージの録音動作を行う。尚、用件メッセージの録音中ではユーザがハンドセットを持ち上げることにより回線を接続することが可能である。
【0029】
S4ステップでは、制御部100は、スピーカ150から着信音を鳴動させる。
【0030】
S5ステップでは、制御部100は、着信音の鳴動回数のカウントを開始する。
【0031】
S6ステップでは、制御部100は、S5ステップで開始した着信音の鳴動回数のカウントが予め定められた回数となったと判定すると、S10ステップへ処理を進め、そうでなければS7ステップへ処理を進める。
【0032】
S7ステップでは、制御部100は、フック検出部200からハンドセットのオフフックを検出するとS8ステップへ処理を進める。
【0033】
S8ステップでは、制御部100は、前記S5ステップでカウント開始した鳴動回数のカウントをクリアし、S9ステップへ処理を進める。
【0034】
S9ステップでは、制御部100は、網制御部130を制御することにより回線を接続し、相手先との通話処理が行われる。通話が終了すると、図2の処理を終了する。
【0035】
S10ステップでは、制御部100は、応答メッセージ格納部270に格納されている応答メッセージを回線へ送出すると共に回線からの用件メッセージの録音を開始する。又、発呼側から入力した音声は、スピーカ150から出力される。これにより、ユーザは発呼側からのメッセージを聞くことができ、相手先がセールスやいたずら目的の相手先か否かを知ることができる。
【0036】
S11ステップでは、制御部100は、スピーチネットワーク部180を制御することにより回線から入力した発呼側の音声をミュートさせ、発呼側からの音声をスピーカ150やスピーカ191から出力させないようにする。これにより、仮にハンドセットがオフフックされてもユーザの発した音声は相手先に聞こえることがなく、相手先が誰であるかを余裕を持って確認することが可能である。尚、相手先と通話を行いたい時は、後述するS14ステップで、ハンドセットがオフフックの状態で通話開始のキーが操作されると、通話が開始される。
【0037】
又、S10ステップ以降は、ハンドセットがオフフックされても回線とハンドセットとは接続されることがなく、ハンドセットのスピーカ191から発呼側の音声が出力され、マイク193から回線へユーザの発する音声が出力されない。
【0038】
S12ステップでは、制御部100は、入力部220から回線を切断するように指示する信号があると判定すると、S13ステップへ処理を進め、そうでなければS14ステップへ処理を進める。尚、回線を切断するように指示する操作は、例えば、電話装置に回線断とする為の専用キーを設け、ユーザがその専用キーを操作することにより行われる。
【0039】
S13ステップでは、制御部100は、網制御部130を制御することにより回線を切断させ、処理を終了する。
【0040】
S14ステップでは、制御部100は、入力部220から通話開始の指示があると判定すると、S15ステップへ処理を進め、そうでなければS16ステップへ処理を進める。尚、通話開始の指示とは、例えばユーザがハンドセットをオフフックさせて、通話開始の専用キーを操作することにより通話開始が行われる。
【0041】
S15ステップでは、制御部100は、前記S9ステップと同様に通話処理を行い、通話終了後に図2の処理を終了する。
【0042】
S16ステップでは、制御部100は、回線の極性が反転したことを網制御部130が検出したと判定すると相手先が回線を切断したと判断し、処理を終了する。一方、相手先が回線を切断しなければ、S12ステップへ処理を戻す。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】は、本発明を適用してなる実施例装置のブロック図である。
【図2】は、本発明を適用してなる実施例装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0044】
100 制御部
210 発呼側番号検出部
240 用件メッセージ格納部
270 応答メッセージ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信があると所定回数の着信音鳴動後に自動的に回線を接続すると共に、着呼側のマイクから入力された音声にミュートをかけ、着呼側のマイクから入力された音声が回線へ送出されることを禁止した状態で発呼側からの用件メッセージの録音を行うことを特徴とする電話装置。
【請求項2】
着信があると所定回数の着信音鳴動後に自動的に回線を接続すると共に発呼側からの用件メッセージの録音を開始し、前記回線接続から用件メッセージの録音終了までは、ハンドセットがオフフックされてもハンドセットと回線との接続を禁止することを特徴とする電話装置。
【請求項3】
請求項2記載の電話装置であり、前記ハンドセットのオフフック後に所定のキー操作が行われると、ハンドセットと回線との接続を行うことを特徴とする電話装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の電話装置であり、着信があり所定回数の着信音鳴動後に自動的に回線を接続してから用件メッセージの録音終了までに、所定のキー操作が行われると、回線を切断することを特徴とする電話装置。
【請求項5】
着信があり所定回数の着信音が鳴動すると自動的に回線を接続し、録音動作に入る電話装置であり、
マイクと、当該マイクから入力された音声をミュートするミュート手段と、着信後自動的に回線を接続し録音動作に入ると前記ミュート手段により前記マイクから入力された音声をミュートするように制御する制御手段と、を有することを特徴とする電話装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電話装置であり、
更にハンドセットのフック状態を検出するフック検出手段と、回線接続手段とを有し、
前記制御手段は、着信後自動的に回線を接続し録音動作に入った後に、前記フック検出手段がハンドセットのオフフックを検出しても前記回線接続手段による回線接続を禁止するよう制御することを特徴とする電話装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電話装置であり、
更に入力手段を有し、前記制御手段は、ハンドセットのオフフック後に前記入力手段からの所定の操作があると判定すると、前記回線接続手段が回線を接続するよう制御することを特徴とする電話装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電話装置であり、
前記制御手段は、着信後自動的に回線を接続し録音動作に入ってから回線を開放するまでに前記入力手段から、回線を切断するように指示する操作があると判定すると、回線を切断するように前記回線接続手段を制御することを特徴とする電話装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−104043(P2008−104043A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285883(P2006−285883)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】