説明

需要予測装置、需要予測方法及び需要予測プログラム

【課題】環境条件を考慮した需要予測において、環境条件の変化に応じた高精度な需要予測を実現すること
【解決手段】プラントの制御システムにおける需要予測装置であって、需要予測の更新要求に基づき、トレンドDBA9から、予測トレンド候補B6を抽出する現在値比較部A2と、予測トレンド候補B6から予測トレンドB7を選択するトレンドデータ比較部A3とを含み、現在値比較部A2若しくはトレンドデータ比較部A3は、選択されている予測トレンドB7と現在トレンドB3との差が大きくなることを認識して更新要求を発信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要予測装置、需要予測方法及び需要予測プログラムに関し、特に、現在のトレンドデータに最も近い過去のトレンドデータを検索して予測値として用いる需要予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道監視制御システムにおいては、気候や運用する地域の生活パターンなどに合わせて需要量を予測し、予測に合わせて運転する機器の操作量を予め設定しておくことで、運用者の負担を軽減する方法が取られている。
【0003】
需要量の予測の技術としては、需要予測パターンを予め作成しておき、例えば当日のデータを収集し終えたらそのデータを用いて需要予測パターンを学習によって修正し、修正されたパターンを翌日の予測値算出に用いるという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によって、一日ごとに最新のパターンで算出した予測値をプラント制御に使用することができる。
【0004】
また、過去のデータから現在値と近いものを選び出し、将来のデータを予測する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−108117号公報
【特許文献2】特表平7−288931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上下水道監視制御システムにおける需要予測では、特許文献1のように何らかのモデルにより算出された予測値は、過去に実績のある値ではなく多数の過去の実績値を組み合わせて算出した実績のない値となるため、特に雨天時等の特殊な条件の日においては予測モデルの範囲外となり、予測がうまくできない場合がある。
【0007】
また、特許文献2のように過去のデータから現在値と近いものを選び出し予測を行う方法も知られているが、現在値を過去の値と比較する方法では、その現在値へ達するまでの変化の傾向を考慮できないため、予測が大幅にずれる場合がある。
【0008】
同様に、特許文献2に係る予測装置においては、トレンドデータの周期単位(例えば1日、1週間など)で現在と過去の相関を求め、相関が高いものを予測値に用いる方法が一般に知られているが、その方法では周期中のすべての時刻を同じ重みで比較するため、予測する上で関連性の低い時刻まで比較し、精度が悪くなる場合がある。
【0009】
また、水道の需要量は、例えば天候等の環境条件によって左右される。これに対して、トレンドデータの周期単位で現在と過去の相関を求めて、過去のデータから予測値を選択する場合、選択した過去のデータにおける環境条件に対して現在の環境条件が一致するとは限らない。天候等の予測をも考慮して過去データを選択することも考えられるが、その予測が外れた場合には、需要予測も大きく外れる可能性がある。
【0010】
尚、上記課題は上下水道の需要予測に限らず、電気需要量等、環境条件等を考慮して需要予測を行う場合において同様に課題となり得る。
【0011】
本発明の目的は、環境条件を考慮した需要予測において、環境条件の変化に応じた高精度な需要予測を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、プラントの制御システムにおいて制御対象の過去の需要実績情報に基づいて需要予測を行う需要予測装置であって、過去の需要実績情報を記憶する実績情報記憶部と、現在の需要値を取得する現在値取得部と、需要予測の更新要求に基づき、前記記憶されている需要実績情報から、需要予測情報として用いる候補となる需要実績情報を抽出する需要予測候補抽出部と、前記抽出された需要実績情報から需要予測情報として用いる需要実績情報を選択する需要予測情報選択部と、前記需要予測情報として選択されている需要実績情報と現在の需要値との差が大きくなることを認識して前記更新要求を発信する更新要求発信部とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の態様は、プラントの制御システムにおいて制御対象の過去の需要実績情報に基づいて需要予測を行う需要予測方法であって、過去の需要実績情報を記憶媒体に記憶させ、前記制御システムにおける現在の需要値を取得し、前記記憶された需要実績情報のうち需要予測情報として選択されている需要実績情報と現在の需要値との差が大きくなることを認識して前記更新要求を発信し、需要予測の更新要求を認識し、前記更新要求が認識された場合に、前記記憶されている需要実績情報から、需要予測情報として用いる候補となる需要実績情報を抽出し、前記抽出された需要実績情報から需要予測情報として用いる需要実績情報を選択することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の更に他の態様は、プラントの制御システムにおいて制御対象の過去の需要実績情報に基づいて需要予測を行う需要予測プログラムであって、過去の需要実績情報を記憶媒体に記憶させるステップと、前記制御システムにおける現在の需要値を取得するステップと、前記記憶された需要実績情報のうち需要予測情報として選択されている需要実績情報と現在の需要値との差が大きくなることを認識して前記更新要求を発信するステップと、需要予測の更新要求を認識するステップと、前記更新要求が認識された場合に、前記記憶されている需要実績情報から、需要予測情報として用いる候補となる需要実績情報を抽出するステップと、前記抽出された需要実績情報から需要予測情報として用いる需要実績情報を選択するステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、環境条件を考慮した需要予測において、環境条件の変化に応じた高精度な需要予測を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るプラントの制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る需要予測装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る予測トレンド候補の抽出態様を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る予測トレンドの決定態様を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る更新要求の発信の判断基準を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る更新要求の発信の判断態様を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る更新要求の発信の判断態様を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る需要予測装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態に係る需要予測装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明における需要予測装置A6の構成である。まず、運用者はユーザインタフェースA1より、現在値比較部A2で用いる一定範囲の幅(以降、ずれ許容範囲とする)及びトレンドデータ比較部A3で用いる一定時間の幅(以降、トレンド判定範囲とする)を事前に設定する。ユーザインタフェースA1は、需要予測装置A6の処理状態や処理されている情報を表示する表示部及びユーザが需要予測装置A6を操作するための操作部を含む。
【0018】
ユーザによって設定された値は、設定値B1としてユーザインタフェースA1より予測トレンド検索部A4へ入力される。予測トレンド検索部A4は現在値比較部A2とトレンドデータ比較部A3を含む。予測トレンド検索部A4に入力された設定値B1は、現在値比較部A2及びトレンドデータ比較部A3に保持される。
【0019】
プラント制御部A5はプラントより収集した計測値B2を需要予測装置A6のトレンドデータ収集部A7へ送信する。トレンドデータ収集部A7はプラント制御部A5から出力された計測値B2を受け取り、時刻データを付加してトレンドデータを作成し、現在トレンドB3としてトレンドグラフ描画部A8へ出力するとともに、トレンドデータベース(トレンドDB)A9に記憶させる。また、トレンドデータ収集部A7は、計測値B2に時刻データを付加して現在値B4として現在値比較部A2に出力する。即ち、トレンドデータ収集部A7が、現在値取得部として機能すると共に、トレンドDBA9が、実績情報記憶部として機能する。
【0020】
トレンドグラフ描画部A8は、トレンドデータ収集部A7がプラント制御部A5から取得した現在のトレンドデータや、トレンドデータ比較部A3が現在値比較部A2を介してトレンドDBA9から取得した過去のトレンドデータを、ユーザインタフェースA1の表示部に表示するための表示情報である描画データB8を生成する。即ち、トレンドグラフ描画部A8が、表示情報生成部として機能する。トレンドDBA9は、トレンドデータ収集部A7がプラント制御部A5から取得したトレンドデータを蓄積し、現在値比較部A2及びトレンドデータ比較部A3が夫々の処理を実行する際の情報として管理する。
【0021】
次に、本実施形態に係る需要予測装置A6の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。図2に示すように、需要予測の更新要求があったとき(S201)、予測トレンド検索部A4は、その更新要求を認識し、トレンドデータ収集部A7に対しデータを要求する。トレンドデータ収集部A7はその要求を受け、予測トレンド検索部A4内の現在値比較部A2に対して現在値B4を出力すると共に、トレンドデータ比較部A3に対し現在トレンドB3を出力する(S202)。本実施形態に係る要旨は、S201の需要予測の更新要求のタイミングの判断にある。これについては後に詳述する。
【0022】
現在値比較部A2は図3に示すように、トレンドDBA9を検索し、トレンドデータ収集部A7から受け取った現在値B4の時刻と同時刻の値が、ユーザインタフェースA1において設定されたずれ許容範囲にある過去トレンドB5を抽出する。そして、現在値比較部A2は、抽出した過去トレンドB5を予測トレンド候補B6としてトレンドデータ比較部A3へ出力する(S203)。即ち、現在値比較部A2が、需要予測候補抽出部として機能する。
【0023】
トレンドデータ比較部A3は図4に示すように、予め設定されたトレンド判定範囲前から現在時刻までの時間内において、トレンドデータ収集部A7から受け取った現在トレンドB3と現在値比較部A2から受け取った予測トレンド候補B6とを比較する。そして、トレンドデータ比較部A3は、時間内のその差の総和が最小となる予測トレンド候補B6を予測トレンドB7としてトレンドグラフ描画部A8へ出力する(S204)。即ち、トレンドデータ比較部A3が、需要予測情報選択部として機能する。
【0024】
S204において、トレンドデータ比較部A3は、現在値の時刻を“t”、時刻“t”における現在トレンドの値を“X(t)”、予測トレンド候補の値を“Y(t)”、計測の間隔を“m”として、トレンド判定範囲“β”内における現在トレンドと予測トレンド候補との差の総和“S”を下記の式(1)により求める。

【0025】
そして、式(1)により求めた総和“S”が最も小さくなる予測トレンド候補を、予測トレンドとして選択する。このように、本実施形態においては、S203において予測トレンド候補を抽出した上で、その予測トレンド候補の中で予測トレンドを選択するための処理を実行するため、予測トレンドの選択処理に要する負荷を軽減することができる。
【0026】
トレンドグラフ描画部A8は受け取った現在トレンドB3及び予測トレンドB7に基づいて描画データB8を生成し、ユーザインタフェースA1の表示部にトレンド画面として表示させる(S205)。運用者はユーザインタフェースにおいて切替操作を行うことにより、現在トレンド及び予測トレンドの両方を確認でき、現在値の予測値からのずれが大きいと判断した際等には予測要求を出すことで予測値の更新ができる。また、トレンドデータ比較部A3は、予測トレンドB7をプラント制御部A5に対しても出力し、プラント制御部A5は受け取った予測トレンドB7をプラントの制御に反映する(S206)。このような処理により、本実施形態に係る需要予測装置A6の動作が完了する。
【0027】
上述したように、本実施形態に係る要旨は、S201における需要予測の更新要求のタイミングの判断にある。図5を参照して、本実施形態に係る需要予測の更新要求のタイミングの判断について説明する。図5は、本実施形態に係る需要予測の更新要求のタイミングの判断要素を示す図である。
【0028】
図5に示すように、本実施形態に係る需要予測の更新要求のタイミング判断は、“実測値と予測値のずれ”及び“気象情報の変化”の2種類の情報に基づいて実行される。“実測値と予測値のずれ”の場合、更に複数の態様があり、“現在トレンドと予測トレンドとのずれ量”に基づいて判断する態様と、“現在トレンドと予測トレンドとの変化ベクトルが成す角度”に基づいて判断する態様とがある。
【0029】
尚、上記“現在トレンドと予測トレンドとのずれ量”に基づく判断は、現在値比較部A2が実行する。トレンドデータ比較部A3による比較によって需要予測として選択された予測トレンドB7は現在値比較部A2にも入力されている。現在値比較部A2は、トレンドデータ収集部A7から入力される現在値B4を絶えずモニタリングしており、現在値B4と予測トレンドB7の対応する時刻における値との差(以降、現在値ずれ量とする)を算出して蓄積している。
【0030】
図6は、“現在トレンドと予測トレンドとのずれ量”に基づいて判断する場合(以降、ずれ量判断とする)を示す図である。図6に示すように、現在値比較部A2は、新たな現在値ずれ量を算出して蓄積する度に、予め設定されたずれ量判定期間の現在値ずれ量の総和を計算する。そして、その総和が予め定められた閾値を越えている場合、現在値比較部A2は、現在選択されている予測トレンドに対して現在トレンドのずれが大きく、需要予測を更新する必要があると判断し、需要予測の更新要求を発信する。この場合、現在値比較部A2が、更新要求発信部として機能する。
【0031】
尚、図6における予め設定されたずれ量判定期間は、例えば、ユーザインタフェースA1を介して設定されたトレンド判定範囲を用いることができる。この場合、現在値比較部A2は、トレンドデータ比較部A3からトレンド判定範囲の情報を取得する。
【0032】
また、上記“現在トレンドと予測トレンドとの変化ベクトルが成す角度”に基づく判断は、トレンドデータ比較部A3が実行する。トレンドデータ比較部A3は、トレンドデータ収集部A7から入力される現在トレンドB3を絶えずモニタリングしており、現在トレンドB3の現在時刻における変化ベクトルと予測トレンドB7の対応する時刻における変化ベクトルとの差(以降、ベクトルずれ量とする)を算出している。
【0033】
図7は、“現在トレンドと予測トレンドとの変化ベクトルが成す角度”に基づいて判断する場合(以降、ベクトル判断とする)を示す図である。図7に示すように、トレンドデータ比較部A3は、新たなベクトルずれ量を算出する度に、そのベクトルずれ量が予め定められた閾値を越えているか否か判断する。算出したベクトルずれ量が閾値を越えている場合、トレンドデータ比較部A3は、ベクトルずれフラグをオンにする。そして、トレンドデータ比較部A3は、ベクトルずれ量を算出する度に上記閾値との比較を行い、ベクトルずれフラグが連続してオンとなった回数が、予め定められた閾値を越えた場合、現在選択されている予測トレンドに対して現在トレンドのずれが大きく、需要予測を更新する必要があると判断して需要予測の更新要求を発信する。この場合、トレンドデータ比較部A3が、更新要求発信部として機能する。
【0034】
また、“気象情報の変化”に基づく判断は、外部から入力される気象情報を取得する気象情報取得部A10によって判断される。気象情報取得部A10は、インターネット等のネットワーク回線を介して、気象情報を提供している外部のサーバ等と接続されており、そのサーバから気象情報を定期的に受信することにより、天候や気温、湿度等、プラント制御に影響し得る環境状態の変化を認識する。そして、環境状態の大きな変化が認識された場合、気象情報取得部A10は、需要予測を更新する必要があると判断して需要予測の更新要求を発信する。この場合、気象情報取得部A10が、更新要求発信部として機能する。
【0035】
このように、本実施形態に係る需要予測装置A6においては、図5に示すような各判断基準に基づき、予測トレンドとして選択されているトレンドデータと、現在トレンドとの差が大きくなることを認識する。より具体的には、選択されている予測トレンドと現在トレンドとのずれや、環境状態の変化に基づいて需要予測を更新するタイミングを判断するため、環境の変化に対応した適切な需要予測を行うことが可能となる。
【0036】
尚、図5において説明した各判断態様は、いずれか1つでも条件が満たされた場合に需要予測の更新要求が発信されるようにしても良いし、複数の条件が満たされた場合に更新要求が発信されるようにしても良い。例えば、“現在トレンドと予測トレンドとのずれ量”に基づく判断と“現在トレンドと予測トレンドとの変化ベクトルが成す角度”に基づく判断との両方の判断結果において条件が満たされた場合に、更新要求が発信されるようにすることができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、図5の各判断態様に基づいて更新要求が発信された場合にのみ需要予測の更新を行う場合を例として説明した。この他、図5の各判断の結果に基づく更新に加えて、定期的な更新を行うことも可能である。これにより、より現在トレンドに沿った需要予測を行うことが可能となる。このような場合の需要予測装置A6aの動作を図8に示す。
【0038】
図8の態様においては、まず予測トレンド検索部A4が、予め設定された更新周期の判定を行う(S801)。更新周期による更新タイミングであれば(S801/YES)、図2において説明したS202以降の処理と同様に、更新処理が実行される(S803〜S807)。即ち、この場合、予測トレンド検索部A4が、更新要求発信部として機能する。他方、更新周期による更新タイミングでなければ(S801/NO)、図2において説明したS201以降の処理と同様の処理が行われる(S802〜S807)。尚、S802において、更新要求が認識されなかった場合は(S802/NO)、S801からの処理が繰り返される。このような処理により、周期的な需要予測の更新が行われ、より現在トレンドに沿った予測トレンドの選択が実現される。
【0039】
また、上記実施形態においては、トレンドグラフの表示は運用者の切替操作により現在トレンド・予測トレンドを切り替えて実施することとしている。これを同一トレンド画面上に色別に表示することで、運用者は予測値と現在値のずれを視覚的に判断することができ、運用が容易になる。このような場合の需要予測装置A6bの動作を図9に示す。
【0040】
図9に示すように、現在トレンド・予測トレンドを同一トレンド画面上に色別に表示可能な場合の動作は、図8において説明した動作と略同一である。図9の例の場合、トレンドグラフ描画部A8は受け取った現在トレンドB3及び予測トレンドB7を、両トレンドを同一トレンド画面上に色別表示するための画面データB8aへ変換し、ユーザインタフェースA1に表示する(S906)。これにより現在及び予測トレンドは同一画面上に常時色別表示され、運用者の切替操作はなくなる。
【符号の説明】
【0041】
A1 ユーザインタフェース、
A2 現在値比較部、
A3 トレンドデータ比較部、
A4 予測トレンド検索部、
A5 プラント制御部、
A6、A6a、A6b 需要予測装置、
A7 トレンドデータ収集部、
A8 トレンドグラフ描画部、
A9 トレンドDB、
A10 気象情報取得部、
B1 設定値、
B2 計測値、
B3 現在トレンド、
B4 現在値、
B5 過去トレンド、
B6 予測トレンド候補、
B7 予測トレンド、
B8、B8a 描画データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの制御システムにおいて制御対象の過去の需要実績情報に基づいて需要予測を行う需要予測装置であって、
過去の需要実績情報を記憶する実績情報記憶部と、
現在の需要値を取得する現在値取得部と、
需要予測の更新要求に基づき、前記記憶されている需要実績情報から、需要予測情報として用いる候補となる需要実績情報を抽出する需要予測候補抽出部と、
前記抽出された需要実績情報から需要予測情報として用いる需要実績情報を選択する需要予測情報選択部と、
前記需要予測情報として選択されている需要実績情報と現在の需要値との差が大きくなることを認識して前記更新要求を発信する更新要求発信部とを含み、
前記需要予測候補抽出部は、前記取得された現在の需要値の時刻に対応する時刻における前記需要実績情報における実績値が、前記取得された現在の需要値から予め定められた所定の範囲内にある需要実績情報を需要予測情報として用いる候補として抽出し、
前記需要予測情報選択部は、予め定められた所定期間における前記取得された現在の需要値と、前記抽出された需要実績情報における実績値との比較結果に基づいて前記需要予測情報として用いる需要実績情報を選択することを特徴とする需要予測装置。
【請求項2】
前記更新要求発信部は、予め定められた所定期間における前記取得された現在の需要値と、前記需要予測情報として選択されている需要実績情報における実績値との比較結果に基づいて前記更新要求を発信することを特徴とする請求項1に記載の需要予測装置。
【請求項3】
前記更新要求発信部は、予め定められた所定期間における前記取得された現在の需要値と、前記需要予測情報として選択されている需要実績情報における実績値との差の総和が所定の閾値を越えた場合に、前記更新要求を発信することを特徴とする請求項2に記載の需要予測装置。
【請求項4】
前記更新要求発信部は、予め定められた所定期間における前記取得された現在の需要値の変化率と、前記需要予測情報として選択されている需要実績情報における実績値の変化率との比較結果に基づいて前記更新要求を発信することを特徴とする請求項2に記載の需要予測装置。
【請求項5】
前記更新要求発信部は、外部から入力される気象情報を取得し、前記気象情報の変化に基づいて前記更新要求を発信することを特徴とする請求項1に記載の需要予測装置。
【請求項6】
前記更新要求発信部は、予め定められた所定期間毎に前記更新要求を発信することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の需要予測装置。
【請求項7】
前記取得された現在の需要値と前記需要予測情報として選択された需要実績情報とを同一の時間軸上に異なる表示態様で時系列に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部を更に含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の需要予測装置。
【請求項8】
プラントの制御システムにおいて制御対象の過去の需要実績情報に基づいて需要予測を行う需要予測方法であって、
過去の需要実績情報を記憶媒体に記憶させ、
前記制御システムにおける現在の需要値を取得し、
前記記憶された需要実績情報のうち需要予測情報として選択されている需要実績情報と現在の需要値との差が大きくなることを認識して前記更新要求を発信し、
需要予測の更新要求を認識し、
前記更新要求が認識された場合に、前記取得された現在の需要値の時刻に対応する時刻における前記需要実績情報における実績値が、前記取得された現在の需要値から予め定められた所定の範囲内にある需要実績情報を、需要予測情報として用いる候補として前記記憶されている需要実績情報から抽出し、
予め定められた所定期間における前記取得された現在の需要値と、前記抽出された需要実績情報における実績値との比較結果に基づいて、前記抽出された需要実績情報から需要予測情報として用いる需要実績情報を選択することを特徴とする需要予測方法。
【請求項9】
プラントの制御システムにおいて制御対象の過去の需要実績情報に基づいて需要予測を行う需要予測プログラムであって、
過去の需要実績情報を記憶媒体に記憶させるステップと、
前記制御システムにおける現在の需要値を取得するステップと、
前記記憶された需要実績情報のうち需要予測情報として選択されている需要実績情報と現在の需要値との差が大きくなることを認識して前記更新要求を発信するステップと、
需要予測の更新要求を認識するステップと、
前記更新要求が認識された場合に、前記取得された現在の需要値の時刻に対応する時刻における前記需要実績情報における実績値が、前記取得された現在の需要値から予め定められた所定の範囲内にある需要実績情報を、需要予測情報として用いる候補として前記記憶されている需要実績情報から抽出するステップと、
予め定められた所定期間における前記取得された現在の需要値と、前記抽出された需要実績情報における実績値との比較結果に基づいて、前記抽出された需要実績情報から需要予測情報として用いる需要実績情報を選択するステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする需要予測プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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