説明

霧化装置及び機器及び空気調和機

【課題】構造が簡単で低コストな霧化装置を提供する。
【解決手段】放電電極に電圧を印加することでミストを発生させる霧化装置において、
前記放電電極を収納する電極保持部と、吸熱部と放熱部を有し、前記吸熱部で生成された水を前記放電電極に供給する水供給手段と、を備え、前記放電電極は、前記電極保持部に収納された状態で前記吸熱部の側方に空間を介して配置され、前記吸熱部から空間を介して水が供給されるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナノミストを発生させる静電霧化装置、冷蔵庫やショーケースや業務用冷蔵庫や貯蔵庫などや空気調和機(空気清浄機や加湿器なども含む)などの(家電)機器、機器の中の空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
水溜め部の上部に水溜め部よりの水を搬送する搬送部と、搬送部の搬送方向に対向するように配置された対向電極と、水溜め部から搬送部の対向電極側先端に至る経路中の水に電圧を印加する水印加電極と、を備え、搬送部が固体酸を材料とする多孔質セラミックより構成された静電霧化装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
毛細管現象により水を搬送する水搬送部と、水搬送部に水を供給する水供給部と、水搬送部が搬送する水に対して電圧を印加する印加電極と、を備え、水供給部が吸熱面を有し吸熱面上で空気を冷却して結露水を生成する吸熱板、及びペルチェ素子、放熱板で構成される熱交換部であり、水搬送部の下部に熱交換部が配置されている静電霧化装置が記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
近年、冷却風路内に設けられて冷蔵庫内の空気中の水分を結露させる冷却板と、冷却板で結露した水を水溜め部に搬送する搬送部と、水溜め部内の水を印加電極と対向電極の間の電圧印加部に搬送する毛細管汲水体を供えて、電圧を印加することで貯蔵室内に脱臭効果のあるミストやオゾンを発生させることのできる霧化装置を備えた冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、野菜ケース内を高湿度にするためのカバーが設けられた冷蔵庫のカバーの下方に貯水タンクを設け、貯水タンクの下部(底面)にミスト発生装置(超音波振動子)が設けられている冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、冷蔵庫の前面扉に設けた表示部に複数色の照明手段を設けて操作部の操作により発光色又は発光状態を切替えたり、使用者が除菌ボタンを押した場合に表示部に「除菌モード」と表示する冷蔵庫が記載されている(例えば、特許文献5参照)。
【0007】
また、除霜水を給水に利用する超音波加湿装置を野菜室に備えた冷蔵庫が記載されている(例えば、特許文献6参照)。
【0008】
また、貯蔵室に微細ミストを供給するための霧化装置と、霧化装置に供給するための液体を貯水する貯水部と、を備えて霧化装置と貯水部とを連結する経路(細管流路)内に液体の含有物を除去する除去部材を備えた冷蔵庫が記載されている(例えば、特許文献7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−035171号公報
【特許文献2】特開2007−181835号公報
【特許文献3】特開2007−101034号公報
【特許文献4】特開2006−162195号公報
【特許文献5】特開2003−172577号公報
【特許文献6】特開平06−257933号公報
【特許文献7】特開2008−089203号公報
【特許文献8】特開2002−203657号公報
【特許文献9】特許第2888243号
【特許文献10】特開2009−007965号公報
【特許文献11】特開2009−036411号公報
【特許文献12】特開2001−272097号公報
【特許文献13】特開2001−074299号公報
【特許文献14】特開2009−002587号公報
【特許文献15】国際公開2009/044939号
【特許文献16】特開2008−133980号公報
【特許文献17】特開2005−282873号公報
【特許文献18】特開2008−212696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の霧化装置では、搬送部にセラミックが使用されているが、セラミックは、一般的に気孔率(空隙率)が10〜50%程度、気孔径(孔径、空隙部の直径の平均)が0.1〜3μm程度であり、また電気抵抗が(0.2〜2)×1012Ω・m程度と大きい。このようにセラミック材は、孔径が非常に小さいため異物による目詰まり耐力が極端に小さく長期間使用する場合には信頼性に課題があった。また、空隙率も小さいため、毛細管力が小さく水の吸収力や水の保持量が小さく、静電霧化の開始までの時間が長くかかったり、霧化が途切れる恐れもあった。また、電気抵抗が非常に大きいため、電気を通しにくく、高電圧がかかりにくく大きな電力が必要であった。
【0011】
また、水溜め部内に搬送部が上下方向に向くように挿入され、搬送部の上方の先端部と対向する位置に対向電極が設けられ、水溜め部が搬送部や対向電極などと一体に構成されており、水溜め部に水を供給する必要性から水溜め部を空気清浄機などの機器本体から取り外す必要があるが、水溜め部が搬送部や対向電極などと一体に構成されているので、水溜め部をユーザが機器本体から取り外す場合にが搬送部や対向電極などの電極部も一緒に取り外す必要があり、ユーザが電極部を触る可能性があり、感電する恐れもあった。
【0012】
特許文献2に記載の霧化装置では、水搬送部の下部に熱交換部を設け、熱交換部を吸熱面を有する吸熱板の下部にペルチェ素子、ペルチェ素子の下部に放熱板の順で設けているので、吸熱面上に生成された結露水が多い場合には吸熱面の下部に設けられたペルチェ素子に結露水があふれてかかる恐れがあり水に弱いペルチェ素子が故障する恐れがあった。
【0013】
特許文献3に記載の霧化装置を備えた冷蔵庫では、冷却板で結露した水を水溜め部に搬送する搬送部を備えているので、冷却板から水溜め部までの経路が長くなり搬送部の構造が複雑で部品点数が多くなりコストが高く、組立性が悪いし、また、搬送部にごみなどが進入して搬送部を詰まらせて水溜め部に結露水が供給されないという課題があった。また、毛細管汲水体と印加電極が別部材であり、構成が複雑で組立性が悪く、コストも高くなっていた。また、水溜め部に水位検知手段を設けており、部品点数が多く高コストであり、また、制御が複雑になるという課題があった。
【0014】
特許文献4に記載の野菜ケースに霧化装置を備えた冷蔵庫では、野菜容器及びカバーを直接ミスト発生装置の冷却板に使用しているので、結露水の収集が野菜容器及びカバーの形状や大きさに依存されるので、野菜容器及びカバーの形状は、設置スペースがかぎられ、内容積拡大の必要性からも大幅な形状変更などが行えず制約が多くミスト噴霧に必要な水を安定して確保するのが容易でなかった。また、冷却板に野菜容器及びカバーを直接使用しているので、野菜ケース内部を高湿度にして結露水を生成する必要があり、高湿度にできない他の貯蔵室への展開などが困難であった。また、貯水タンクの底面にミスト発生装置(超音波振動子)が設けられているので、貯水タンクとミスト発生装置との水漏れ対策などのシール構造を含め構造が複雑になって組立性が悪化しコストが上昇していた。また、ミスト発生装置に超音波振動子を使用しているので、ミストが微細化できず庫内に均一に噴霧することがむずかしかった。
【0015】
また、特許文献3や特許文献4では、霧化装置が動作中であることがユーザにわかりずらく確認のしようがなかった。また静電霧化装置が本当に動作しているのか、いつ動作したのかが分からず、ユーザに疑念を抱かせていた。
【0016】
また、特許文献5に記載の冷蔵庫では、使用者が除菌ボタンを押した場合に「除菌モード」と表示を行うが、使用者が除菌ボタンを押さなかった場合に除菌モードに入っても使用者が冷蔵庫の前にいなかった場合には除菌を行ってくれているのかどうかが使用者にはわからず不安になっていた。
【0017】
また、特許文献6に記載の冷蔵庫では、野菜室に除霜水を給水に使用する超音波加湿装置を供えているが、除霜水をどうやって給水に利用するのかの具体的構成が何ら記載されておらず、従って除霜水を必要なとき確保するのが困難であった。また、ミストを発生させるために孔径0.2〜0.3mm、厚さ80〜100μmの霧化フィルタを使用する必要があり、その取り扱いや取付構造が難しく、構成が複雑になっていた。また、ミスト発生装置に超音波振動子を使用しているので、ミストが微細化できず庫内に均一に噴霧することがむずかしかった。
【0018】
また、特許文献7に記載の冷蔵庫では、霧化装置と貯水部とを連結するために経路(細管流路)を断熱材中に設け、さらに送水量を制御する送水手段も設ける必要があり、構造が複雑でコストアップとなっていた。また、ホーンには先端部の霧化部に水を供給するために底面部から先端部に向かって直線状の微細孔を設ける必要があり、加工が困難であり、コストアップとなっていた。
【0019】
本発明の実施の形態は、簡単な構成で組立容易でしかも低コストの静電霧化装置(ミスト噴霧装置)、静電霧化装置を備えた冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明の実施の形態では、異物による目詰まり耐力があり長期間使用でき信頼性が高く、また、水の吸収力や水の保持量が大きく、静電霧化の開始までの時間が短時間で霧化の発生が途切れることがなく、また、電気抵抗が小さく、低電力の静電霧化装置(ミスト噴霧装置)、静電霧化装置を備えた冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0021】
また、熱交換部に吸熱板と放熱板の間にペルチェ素子を用いる場合にあってもペルチェ素子に結露水がかからずペルチェ素子の故障などのおこらない信頼性の高い静電霧化装置(ミスト噴霧装置)、静電霧化装置を備えた冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明の実施の形態では、霧化した水粒子を微細化して貯蔵室内に均一に噴霧できる冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明の実施の形態は、搬送部や経路(細管流路)や電極への微細孔の加工などが不要な構造が簡単で低コストで安価な静電霧化装置、静電霧化装置を備えた冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明の実施の形態では、静電霧化装置が動作中であること、およびいつ動作したかの履歴などを目視にて確認できる手段を備えた静電霧化装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、どのような温度帯の貯蔵室であっても適用できる静電霧化装置を提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、水溜め部や水位検知手段を設けなくても動作可能で部品点数が少なく構成が簡単な静電霧化装置、静電霧化装置を備えた冷蔵庫や空気調和機などの家電(機器)を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明の実施の形態は、水切れを抑制できる高性能で信頼性の高い静電霧化装置を搭載した冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明の実施の形態は、低コストでしかも貯蔵室内の加湿、除菌が可能でしかも詰まりなどのない信頼性の高い静電霧化装置、静電霧化装置を備えた冷蔵庫や空気調和機などの(家電)機器を提供することを目的とする。
【0029】
また、本発明の実施の形態は、これらの(家電)機器の中でも、特に上記目的を達成することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の霧化装置は、
放電電極に電圧を印加することでミストを発生させる霧化装置において、
前記放電電極を収納する電極保持部と、
吸熱部と放熱部を有し、前記吸熱部で生成された水を前記放電電極に供給する水供給手段と、
を備え、
前記放電電極は、前記電極保持部に収納された状態で前記吸熱部の側方に空間を介して配置され、前記吸熱部から空間を介して水が供給されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、放電電極の形状の自由度や配置の自由度が増加する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫1の制御装置30のブロック図である。
【図4】本実施の形態を表す図1、図2で示した冷蔵庫1の扉を開放した状態での貯蔵室内を正面から見た正面図である。
【図5】本実施の形態を表す冷蔵庫1に搭載されるカバーを取り付けた状態の静電霧化装置200の正面図である。
【図6】本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部の斜視図である。
【図7】本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を上から見た上面図である。
【図8】本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を側面から見た側面図である。
【図9】本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を冷蔵庫1の正面から見た正面断面図である。
【図10】本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を側面から見た側面図である。
【図11】本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を側面から見た側面図である。
【図12】本発明の実施の形態を表す別の静電霧化装置200の分解斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態を表す別の静電霧化装置200の組立方法を表す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態を表す別の静電霧化装置200の上面図である。
【図15】本発明の実施の形態を表す図14で示した静電霧化装置200のK−K断面を表す静電霧化装置200の断面図である。
【図16】本発明の実施の形態を表す図14で示した静電霧化装置200のM−M断面を表す静電霧化装置200の断面図である。
【図17】本発明の実施の形態を表す静電霧化装置200に給水手段を設置した状態を説明するための図である。
【図18】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫の扉を開放した状態での正面図である。
【図19】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1に搭載されるカバーを取り付けた状態の静電霧化装置200の正面図である。
【図20】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1に搭載されるカバーを取り付けた状態の静電霧化装置200の正面図である。
【図21】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の概略側断面図である。
【図22】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫の冷蔵室の正面斜視図である。
【図23】一般的なLED910の発光特性を表す図である。
【図24】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の冷蔵室2を上面からみた図である。
【図25】本発明の実施の形態を表す別の冷蔵庫1の冷蔵室2の上面図である。
【図26】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の側断面図である。
【図27】本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の冷蔵室2の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施の形態1.
(冷蔵庫)
図1は本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫1の正面図、図2は本発明の実施の形態1を示す冷蔵庫1の側断面図である。図において、冷蔵庫1は最上段に観音開き式(あるいは開閉式)の冷蔵室2を備えている。冷蔵室2の下には製氷室3及び切替室4が左右に並列に配設されている。冷蔵庫1の最下段には冷凍室6を備え、冷凍室6の上には野菜室5を備えている。この野菜室5は、左右に並列に配設された製氷室3と切替室4の下方で、冷凍室6の上方に設けられている。
【0034】
もちろん、各室の配置は本実施の形態を制限するものではなく、上段に設けられた冷蔵室2の下に製氷室3及び切替室4を左右に並列に配設し、これら左右に並列に配設された製氷室3及び切替室4の下方で、かつ下段に設けられた野菜室5の上部に冷凍室6を配設する、いわゆる野菜室5と左右に並列に配設された製氷室3及び切替室4との間に冷凍室6を配設するミッドフリーザータイプの方が低温室(例えば、製氷室3、切替室4、冷凍室6)が近接するため低温室間の断熱材が不要であり、また、熱漏れも少ないので省エネルギーで低コストの冷蔵庫が提供できる。
【0035】
貯蔵室である冷蔵室2の正面側開口部は、自在に開放、閉塞することができる観音開き式の冷蔵室扉7が設けられており、この冷蔵室扉7は、冷蔵室扉左7A、冷蔵室扉右7Bの2つにより観音式扉を構成している。もちろん、観音式扉ではなく、1枚式の回転式扉でもよい。他の貯蔵室である製氷室3、切替室4、野菜室5、冷凍室6には、製氷室3の開口部を自在に開口・閉塞することができる引出式の製氷室扉8、切替室4の開口部を自在に開放・閉塞することができる引出式の切替室扉9、野菜室5の開口部を自在に開放・閉塞することができる引出式の野菜室扉10、冷凍室6の開口部を自在に開放・閉塞することができる引出式の冷凍室扉11がそれぞれ設けられている。また、貯蔵室である冷蔵室2の左右の冷蔵室扉左7A、冷蔵室扉右7Bのいずれかには、貯蔵室内の温度設定などを行う操作スイッチ(部屋選択スイッチ60a、温度帯切替スイッチ60b、瞬冷凍スイッチ60c、製氷切替スイッチ60d、ミスト噴霧スイッチ60e)や庫内温度や設定温度などの温度情報の表示を行う操作パネル60が設けられており、操作スイッチの操作情報や液晶表示部の表示情報や貯蔵室内の温度情報などが冷蔵庫本体背面上部(冷蔵室背面)に設けられたマイコンなどを実装した制御基板で構成される制御装置30によって制御される。
【0036】
冷蔵庫1の背面最下部に設けられている機械室1Aには圧縮機12が配されている。冷蔵庫1は、冷凍サイクルを備えており、圧縮機12は冷凍サイクルを構成する1部品であり機械室1Aに配置されており、冷凍サイクル内の冷媒を圧縮する作用を有する。圧縮機12で圧縮された冷媒は凝縮器(図示せず)において凝縮される。凝縮された状態の冷媒は減圧装置である毛細管(図示せず)や膨張弁(図示せず)において減圧される。冷却器13は、冷蔵庫の冷凍サイクルを構成する1部品で冷却器室131に配置されている。減圧装置にて減圧された冷媒は、冷却器13において蒸発し、この蒸発時の吸熱作用により冷却器13周辺の気体は冷却される。冷気循環用ファン14は冷却器室131内で冷却器13の近傍に配置されており、冷却器13周辺で冷却された冷気を冷却風路(例えば、切替室冷却風路16や冷蔵室冷却風路50など)を介して冷蔵庫1の貯蔵室である各室(冷蔵室2、製氷室3、切替室4、野菜室5、冷凍室6)へと送風するためのものである。
【0037】
冷却器13の下方には冷却器13の除霜を行う除霜手段である除霜用ヒータ150(除霜用のガラス管ヒータで、例えば、石英ガラス管内に石英ガラス管を透過する波長0.2μm〜4μmの光を出すカーボン繊維が用いられたカーボンヒータなど)が設けられている。冷却器13と除霜用ヒータ150の間で除霜用ヒータ150の上部には、冷却器13より落下してきた除霜水が直接除霜用ヒータ150に当たらない様に、ヒータルーフ151が設けられている。除霜用ヒータ150にカーボンヒータなどの黒色媒体のヒータを使用すれば、輻射伝熱により冷却器13の霜を効率的に溶かすことができるため表面温度を低温度(約70℃〜80℃)にすることが可能となり、冷凍サイクルに使用される冷媒に可燃性冷媒(例えば、炭化水素冷媒であるイソブタンなど)を使用している場合に冷媒漏れなどが発生しても着火の危険性が低減できる。また、ニクロム線ヒータに比べて輻射伝熱により冷却器13の霜を効率的に溶かすことができるため冷却器13に着霜した霜が除々に溶けるようになり霜が塊となってどさっと落下しにくくなるので、ヒータルーフ151に落下したときの落下音が低減できるので、低騒音で除霜効率の良い冷蔵庫が提供できる。
【0038】
ここで、除霜用ヒータ150は、冷却器13に一体に組み込まれたかち込みタイプのヒータであっても良い。また、ガラス管タイプヒータとかち込みタイプヒータを併用しても良い。
【0039】
風量調整手段である切替室ダンパ15は、冷気循環用ファン14により貯蔵室である切替室4に送風される冷気の冷気量を調整し、切替室4内の温度を所定温度に制御したり、切替室4の設定温度を切り替えたりするためのものである。冷却器13で冷却された冷気が冷却風路である切替室冷却風路16を通って、切替室4内に送風される。また、この切替室冷却風路16は、切替室ダンパ15の下流に配されている。
【0040】
また、風量調整手段である冷蔵室ダンパ55も、冷気循環用ファン14により貯蔵室である冷蔵室2に送風される冷気の冷気量を調整し、冷蔵室2内の温度を所定温度に制御したり、冷蔵室2の設定温度を変更したりするためのものである。冷却器13で冷却された冷気が冷却風路である冷蔵室冷却風路50を通って、冷蔵室2内に送風される。
【0041】
貯蔵室である、例えば切替室4は、貯蔵室内の温度を冷凍温度帯(−17℃以下)から野菜室温度帯(3〜10℃)までの間で複数の段階から選択可能な部屋(貯蔵室)であり、冷蔵庫1の冷蔵室扉左7A、冷蔵室扉右7Bのいずれかに設置した操作パネル60を操作することで貯蔵室内の温度の選択や切り替えを行う。
【0042】
切替室4の、例えば奥側壁面には、切替室4内の空気温度を検知するための第1の温度検出手段である切替室サーミスタ19(図3参照)を設置し、切替室4の例えば天上面(中央部、前面部、あるいは後面部など)には貯蔵室である切替室4内に投入された貯蔵物の表面温度を直接的に検出するための第2の温度検出手段であるサーモパイル22(図3参照、あるいは赤外線センサ)を設置している。冷却器室131から切替室4に冷気を送る風路には、風量の制御や風路を遮蔽して冷気の流入を阻止することができる風量調整装置である切替室ダンパ15を設け、第1の温度検出手段である切替室サーミスタ19の検出温度(あるいはサーモパイル22の検出温度)により切替室ダンパ15を開・閉することで、切替室4の温度が選択された温度帯になるように調整したり、設定された温度範囲内に入るように制御装置30にて制御される。また、第2の温度検出手段であるサーモパイル22にて切替室4内の貯蔵物である食品の温度を直接検出するようにしている。
【0043】
貯蔵室である冷蔵室2の奥側の仕切り壁51(断熱壁)には、貯蔵室内にミストを噴霧するミスト噴霧装置である静電霧化装置200が設けられている。静電霧化装置200は、貯蔵室内の空気中の水分を結露水として収集するための冷却板210(後述)が貯蔵室である冷蔵室2内から冷蔵室2の奥側の仕切り壁51(断熱壁)を貫通して冷却風路である冷蔵室冷却風路50内に突出するように設けられている。
【0044】
図3は本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫1の制御装置30のブロック図である。制御装置30にはマイコン31(マイクロコンピュータ)を搭載し、予め記憶しているプログラムにより、冷蔵庫1の各貯蔵室の温度制御、圧縮機12や冷気循環用ファン14の回転数制御、切替室ダンパ15、冷蔵室ダンパ55の開閉制御、静電霧化装置200(後述する放電電極230、及び対向電極240)への電圧印加制御などを行っている。操作パネル60には、以下に示すスッチを備える。
(1)冷蔵室、冷凍室、切替室などの貯蔵室を選択する部屋選択スイッチ60a;
(2)切替室などの貯蔵室の温度帯(冷蔵、冷凍、チルド、ソフトフリージングなど)を切り替えたり、急冷や強・中・弱などを切り替える温度帯切替スイッチ60b;
(3)貯蔵室内を過冷却状態を経て冷凍保存する瞬冷凍スイッチ60c(瞬冷凍は、過冷却冷凍ともいう);
(4)製氷に関して、透明氷、通常、急速、停止などを選択する製氷切替スイッチ60d;
(5)静電霧化装置200に通電して貯蔵室内にミスト噴霧(静電噴霧)を実施するミスト噴霧スイッチ60e(静電噴霧選択)。
【0045】
ここで、貯蔵室(例えば切替室4)内の温度を検出する温度検出センサについて説明する。本実施の形態では、貯蔵室(例えば、切替室4)内の温度を検出する温度検出センサとして、第1の温度検出手段である切替室サーミスタ19と第2の温度検出手段であるサーモパイル22を備えている。貯蔵室(例えば、切替室4)内の空気の温度を検出する第1の温度検出手段である切替室サーミスタ19の検出温度は、制御装置30を構成するマイコン31に入力され、マイコン31(例えば、マイコン31内の温度判定手段)で所定値と比較して温度判定を行い、所定の温度範囲内に入るように制御を行う。また、貯蔵室(例えば、切替室4)内の食品などの表面温度などを直接検出する第2の温度検出手段であるサーモパイル22の検出信号はマイコン31に入力され、マイコン31(例えばマイコン31内の演算手段)で演算処理されて食品などの表面温度に換算された後、急速冷凍制御や過冷却冷凍制御など所定の温度制御を行う。また、制御装置30は、各貯蔵室(冷蔵室2、製氷室3、切替室4、野菜室5、冷凍室6)内の温度制御や静電霧化装置200の通電制御などの各種制御行い、冷蔵室扉左7A、冷蔵室扉右7Bのいずれかに設けられた操作パネル60(表示パネル)に各貯蔵室の設定温度や食品(表面)温度や各貯蔵室に設置された静電霧化装置200の動作状況などを表示する。
【0046】
(静電霧化装置)
図4は本実施の形態を表す図1、図2で示した冷蔵庫1の扉を開放した状態での貯蔵室内を正面から見た正面図である。図5は本実施の形態を表す冷蔵庫1に搭載されるカバーを取り付けた状態の静電霧化装置200の正面図、図6は本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部の斜視図、図7は本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を上から見た上面図、図8は本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を側面から見た側面図である。
【0047】
静電霧化装置200は、本実施の形態では、貯蔵室(例えば、冷蔵室2や野菜室5などであり、どの貯蔵室であっても良い)内の背面上部に設けられている。静電霧化装置200には、貯蔵室である、例えば冷蔵室2の背面に設けられた仕切り壁51(断熱壁)を貫通して貯蔵室である冷蔵室2側と冷却風路50側にまたがって水供給手段である冷却板210が設けられている。冷却板210は、腐食に強く熱伝導の良い材料(例えば、アルミやアルミ合金や銅合金など)で一体成形(あるいは分割して一体に構成)され、貯蔵室である冷蔵室2側に突出して設けられる吸熱フィン部211、冷却風路50側に突出して設けられる放熱フィン部212、吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)と放熱フィン部212(冷却風路側フィン部)とを接続する熱伝導部213とから構成されており、熱伝導部213は冷却風路50と冷蔵室2との間の仕切り壁51(断熱壁)に冷却風路50から貯蔵室への冷気漏れが貯蔵室の温度制御可能な程度に略シールされた状態で配置されている。吸熱フィン部211と放熱フィン部212は別に突出して無くても良く、所定の冷却効果(吸熱性能や放熱性能など)が得られれば良い。
【0048】
ここで、吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)の下端面211Yの下方(直下)に、上下方向の所定すきまXを介して水を排出するための開口や切欠きを有する容器状の電極保持部220が設けられている場合について、図8にて説明する。吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)の下端面211Yの下方(直下)には、1mm〜20mm程度の上下方向の所定のすきまXを介して樹脂製の電極保持部220が設けられており、結露水が直接直下の電極保持部220に落下するので、吸熱フィン部211に生成された結露水を電極保持部220に搬送するための搬送部が不要であり、構造が簡単でコンパクトとなり低コストの冷蔵庫1が得られる。電極保持部220には放電電極230が保持されており、放電電極230は本体部232と突出部231とから形成されている。
【0049】
また、吸熱フィン部211の下端面211Yと電極保持部220上端との間の上下方向(結露水の落下方向)の所定のすきまXは、吸熱フィン部211から落下する結露水が貯蔵室内を冷却する冷気によって電極保持部220の容器外に飛ばされて容器外に落下しないように1mm〜20mm程度にしている。ここで、吸熱フィン部211と電極保持部220との間の所定すきまXは、貯蔵室内の空気が電極保持部220の容器内に入りこんで電極保持部220の容器内の温度が低下して電極保持部220の容器内の結露水が凍結してしまうのを抑制できるようにできるだけ小さい方がよく、好ましくは10mm程度以下が良い。
【0050】
また、この場合、水供給手段である吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230(上面)との間のすきまZは、吸熱フィン部211から直下の放電電極230や電極保持部220へ空間を介して落下する結露水の落下速度を小さく抑えて放電電極230や電極保持部220への落下時の衝撃緩和や飛び跳ねて容器外への飛び出すことなどを抑制するため小さいほうが良く、1mm〜30mm程度にすればよい。また、電極保持部220には、放電電極230、対向電極240が固定・保持されている。但し、吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間のすきまZは、放電電極230の表面に水滴が付着した状態になると、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電する恐れがあるので、放電しないすきまを確保する必要があり、所定すきまZは4mm以上が好ましい。また、放電電極230上に水が溜まった状態にならない方が放電しにくいため、電極保持部220は水供給手段である吸熱フィン部211と対向する放電電極230の表面に水が付着あるいは溜まらないように開口や切欠きなどを設けて水が電極保持部220の放電電極230保持部分に溜まらない構成(あるいは放電電極230の表面に水が溜まらない構成とするために放電電極230保持部分からは水が排出できる構成とし、排出された水を溜める水溜め部を別途下方に設ける構成として水溜め部に溜まった水が放電電極230に接触しない構成としても良い)にした方が良い。
【0051】
また、電極保持部220の大きさ(例えば図7や図8における幅方向寸法220K、奥行き方向寸法220L)は、冷却板210の大きさ(例えば図7や図8における幅方向寸法211K、奥行き方向寸法211L)と略同等か、冷却板210の大きさより大きくしてあり、冷却板210で生成された結露水が電極保持部220の容器内に落下するのを受けて外部に飛び出さないようにしている。
【0052】
次に、吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)の下端面211Yの外側面周囲を所定長さPだけ電極保持部220の上部内壁である給水手段覆い部220Xで覆う場合について図9にて説明する。この場合でも吸熱フィン部211の下方に電極保持部220を設けることにかわりはない。
【0053】
図9は本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を冷蔵庫1の正面から見た正面断面図である。図において、複数の吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)の下端面211Y(冷却板210の庫内側の吸熱フィン部211の下部)の外側面211Xの周囲が所定長さPだけ電極保持部220の上部内壁である給水手段覆い部220Xにて覆われている。ここで、吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)の下端面211Y(冷却板210の庫内側の吸熱フィン部211の下部)の外側面211Xの周囲と電極保持部220の上部内壁(給水手段覆い部)である給水手段覆い部220Xとの間には側面方向(結露水の落下方向に対して略直交する方向)の所定すきまY(図9参照)、Y1(図8参照)が設けられている。ここで静電霧化装置200を正面からみて側方すきまである所定すきまYは正面から見て両側方(左右)で異なっても良いが、両側方の所定すきまが同じYだとすれば、
211K+2×Y=220K
となる。静電霧化装置200を正面からみて前面すきまである所定すきまY1は、
211L+Y1=220L
の関係を有していることになる。
【0054】
ここでは、電極保持部220の容器内に落下して結露水の温度が上昇して雑菌が繁殖しないように電極保持部220の容器内には貯蔵室内の冷気を取り入れた方が良く、吸熱フィン部211と電極保持部220との間のすきまY、Y1は、1mm以上が良く、好ましくは2mm以上が良い。この所定すきまY、Y1の大きさは、吸熱フィン部211と電極保持部220の容器との間のすきま面積(冷気が容器内に進入できる吸熱フィン部211と電極保持部220との間に形成される開口部の面積:例えば220K×220L−211K×211Lで表される面積)と関連するので、電極保持部220の容器内に落下した結露水が凍結してしまわない温度以上で容器内の結露水に雑菌が繁殖しにくい温度以下である所定温度範囲(例えば凍結点温度(例えば0℃)程度以上5℃程度以下)となるようにすきまやすきま面積を設定すれば良い。
【0055】
ここで、水供給手段である給水手段(冷却板210の吸熱フィン部211)より落下する結露水が電極保持部220の給水手段覆い部220Xにて略密閉状態となるように覆われるか、あるいは少なくとも一部が覆われるようにすれば、電極保持部220の電極収納部225内に落下する水滴275(図16参照)が冷却板210の吸熱フィン部211、電極保持部220が設置されている周囲の影響(空気の流れや温度の影響など)を受けにくいので、落下する結露水が空気や冷気の流れなどによりどこかに飛び散ったり、給水手段(冷却板210の吸熱フィン部211)に発生した結露水が凍りついたりすることが起こりにくく信頼性の高い静電霧化装置200が得られる。
【0056】
また、電極保持部220の容器の上面開口部(給水手段覆い部220X)の大きさ(例えば幅方向寸法220K、奥行き方向寸法220L)は、吸熱フィン部211下部の外側(外面、外周面)の大きさ(例えば幅方向寸法211K、奥行き方向寸法211L)と同等か吸熱フィン部211の大きさよりも大きくしてあり、好ましくは吸熱フィン部211の外側面211Xを1mm〜20mm程度の所定すきまY、Y1を介して覆うようにすれば、貯蔵室内の空気が電極保持部220内に入りにくくなり、従って電極保持部220の容器内に落下した結露水が凍結するのを抑制できる。このとき、吸熱フィン部211の外側面211Xと吸熱フィン部211の外側面211Xと対向する位置の電極保持部220の容器内面(給水手段覆い部220X)とのすきまY、Y1が小さすぎると吸熱フィン部211に結露した結露水が容器の壁面に接触して表面張力などで容器外にこぼれる可能性があるので、吸熱フィン部211の外側面211Xと電極保持部220の容器の開口部側面内壁である給水手段覆い部220Xとの間の所定すきまYは2mm以上が良く、2mm〜20mmとすれば良い。また、吸熱フィン部211の下部前面と電極保持部220の容器の開口部前面内壁との間の所定すきまY1も所定すきまYと略同等でよく、2mm以上が良く、2mm〜20mmとすれば良い。
【0057】
また、吸熱フィン部211の下端面211Yと電極保持部220の容器(給水手段覆い部220X)の上端部との長さP(電極保持部220の給水手段覆い部220Xの上端部が吸熱フィン部211とオーバーラップする長さP、図9参照)は、冷却板210から落下する結露水が飛び跳ねて容器外部に飛び出さないように実験などにより設定すればよく、1mm〜20mm程度が良い。ここで、吸熱フィン部211と電極保持部220(給水手段覆い部220X)の寸法を定義する。吸熱フィン部211については、幅方向寸法211K、奥行き方向寸法211Lとする。また、電極保持部220(給水手段覆い部220X)については、幅方向寸法220K、奥行き方向寸法220Lとする。吸熱フィン部211の幅方向寸法211Kは、電極保持部220の幅方向寸法220Kより幅方向の所定すきまYの2倍だけ小さいことになる。吸熱フィン部211の奥行き方向寸法211Lは、奥行き方向の所定すきまをP1(幅方向の所定すきまPと同じであっても異なっていても良い)とすれば、電極保持部220(給水手段覆い部220X)の奥行き方向寸法220Lよりも奥行き方向の所定すきまP1だけ小さいことになる。
【0058】
また、この場合、水供給手段である吸熱フィン部211の下端面211Y(下面)と放電電極230の上面との間のすきまZは、吸熱フィン部211から落下する結露水の落下速度を小さく抑えて放電電極230や電極保持部220への落下時の衝撃や飛び跳ねなどを抑制するため小さいほうが良く、30mm程度以下が良く、好ましくは10mm程度以下にすればよい。また、このすきまZは、小さければ小さい方がよく、0.5mm以上が良く10mm以下程度(好ましくは1mm程度以上8mm程度以下)がよく、さらには1mm程度以上6mm程度以下であれば表面張力や毛細管現象により吸熱フィン部211から直接放電電極230に連続的に結露水を供給(移動)させることができるので、落下時の衝撃や飛び跳ねを抑制できる。ここで、すきまZは、1mmよりも小さいと冷蔵庫1の圧縮機12や冷気循環用ファン14などの運転時や起動・停止時などの振動で接触して吸熱フィン部211や放電電極230が磨耗や割れなどの故障の原因となるし、また接触するため騒音・振動が問題となるので、1mm以上が好ましい。また、放電電極230の水供給手段である吸熱フィン部211と対向する上表面に水が付着した状態では、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電する恐れがあるので、放電電極230に水を溜めないようにし、また放電しないすきまを確保する必要があり、所定すきまZは4mm以上が好ましい。
【0059】
以上のように水供給手段である冷却板210(吸熱フィン部211)を放電電極230(あるいは電極保持部220)の直上に所定隙間Zを介して設けているので、水供給手段を放電電極230の下方や別の場所に設ける場合に比べて、結露水が直接直下の容器状の電極保持部220(あるいは放電電極230)に落下するので、水供給手段である冷却板210の吸熱フィン部211に生成された結露水を電極保持部220(あるいは放電電極230)に搬送するための搬送部が不要であり、構造が簡単でコンパクトとなり低コストの冷蔵庫1が得られる。
【0060】
以上は、放電電極230を吸熱フィン部211の下端面211Yの直下に設ける例について説明したが、放電電極230を吸熱フィン部211の下端面211Yの外側面211Xの側方に設けても良い。この場合には、吸熱フィン部211で結露した結露水が放電電極230に供給できるように吸熱フィン部211の側面と放電電極230との所定側面すきまは、吸熱フィン部211で生成された結露水が吸熱フィン部211から直接下方に落下せずに表面張力や毛細管現象にて放電電極230へ伝わって供給可能なように小さければ小さい方がよく、0.2mm程度以上5mm程度以下(好ましくは0.5mm程度以上3mm程度以下)が良い。0.2mm程度以上5mm程度以下(好ましくは0.5mm程度以上3mm程度以下)であれば表面張力や毛細管現象により吸熱フィン部211から直接、放電電極230に連続的に結露水を供給することができるので、放電電極230に結露水が供給されないということが抑制できる。ここで、所定側面すきまは、0.2mmよりも小さいと冷蔵庫1の圧縮機12や冷気循環用ファン14などの運転時や起動・停止時などの振動で接触して吸熱フィン部211や放電電極230が磨耗や割れなどの故障の原因となるし、また接触するため騒音・振動が問題となるので、0.2mm以上が好ましい。
【0061】
また、電極保持部220を、吸熱フィン部211(貯蔵室側フィン部)の下方(直下)の仕切り壁51にネジなどで固定するようにすれば、吸熱フィン部211に結露した結露水を電極保持部220に搬送する搬送部が必要なく、しかも電極保持部220の貯蔵室内での設置場所が貯蔵室背面や貯蔵室側面に集約でき、静電霧化装置200あるいは電極保持部220などを貯蔵室背面や貯蔵室側面と一体に設けることができるので、別途取付部品を設ける必要がなくなり、貯蔵室内への突出容積を少なくできるので、構造が簡単でコンパクトになり、電極保持部220の設置範囲が小さくコンパクトになった分だけ貯蔵室内の内容積を大きくできるので、低コストで内容積の大きな収納性が向上する使い勝手の良い冷蔵庫1が得られる。
【0062】
また、電極保持部220には、チタンなどの発泡金属により形成された放電電極230が電極保持部220の壁面(前面壁や側面壁)に設けられた切り欠きや穴を介して、あるいは電極保持部220の壁面(前面壁や側面壁)の上端部を介して容器外部に突出するように(電極保持部220の壁面から突出するように)少なくとも1個以上(2個以上の複数個の方が望ましい)設けられている。本実施の形態では、孔径10〜800μm(好ましくは孔径50〜300μm、好ましくは50〜150μm)、空隙率60〜90%(好ましくは70〜80%)のチタンなどの発泡金属を使用しているので、毛細管力が大きく、導電体として水に効率的に電気がかかるので、印加電圧の設定などが容易でありナノミストの生成が確実に容易に行える。放電電極230は本体部232と突出部231とから形成されており、放電電極230は電極保持部220を貫通しなくても良く、電極保持部220から突出するように突出部231が設けられていれば良い。
【0063】
このように、放電電極230を電極保持部220の前面や側面に設けて電極保持部220の底面より下方に貫通して設けないようにしているので、電極保持部220の容器底面の放電電極230を取り付けた部分のすきまから水が下方に漏れる恐れがない。容器底面に放電電極230を取り付ける構造だと放電電極230に水を供給する必要性から放電電極230の取付部周辺のシール構造が複雑になるが、容器の前面壁や側面壁に放電電極230を取り付ける場合に、放電電極230の取り付けられる電極保持部220の壁面には壁面(前面壁や側面壁)の少なくとも一部が残るように切り欠きや穴位置などの放電電極230の取り付け位置を選定し水排出口を別位置に設けるようにすれば、放電電極230の取付位置から放電電極230を伝って水が下方に漏れることがなくなりシール構造が簡略化できるので、漏れた水の処理が不要となり、組立性が向上し、部品点数も減らすことが可能であり低コスト化が図れる。
【0064】
ここで、吸熱フィン部211には、複数の吸熱フィン板211a,211b,211c,211d,211eが設けられ、放熱フィン部212には、複数の放熱フィン板212a,212b,212c,212d,212eが設けられており、効率よく吸熱や放熱ができるようにしている。また、吸熱フィン部211の複数の吸熱フィン板211a,211b,211c,211d,211eのうちの少なくとも1つの吸熱フィン板(例えば、図では複数の吸熱フィン板211b,211c,211d)の下方(直下)には少なくとも1つの放電電極230(図では複数の吸熱フィン板211b,211c,211dのそれぞれの下方(直下)にそれぞれ複数の放電電極230b,230c,230dが配置されている)が配置されており、複数の吸熱フィン板211b,211c、211dに結露した結露水がそれぞれのフィンの直下の放電電極230に落下するようにしており、放電電極230への水の供給を効率よく行うようにしている。ここで、複数の吸熱フィン板211b,211c,211dの間隔は、所定の間隔(例えば0.5mm〜3mm程度)としている。フィン板間にごみ等が詰まらずしかもフィン板間隔が狭すぎて結露した水滴が表面張力で落下しにくくならないように0.5mm以上が望ましく、また、フィン板間隔が大きくなるとフィン板の枚数が減少してフィン効率が悪くなるので3mm以下が望ましい。従って、本実施の形態では、複数の吸熱フィン板211b,211c,211d間の所定間隔を0.5mm以上2mm以下としている。
【0065】
従って、結露水が少なくて電極保持部220に結露水が溜まらなくても放電電極230への水の供給が行えるので、結露水不足により貯蔵室内にミストの噴霧が行えないことがなくなり、高性能で高信頼性の静電霧化装置200を備えた冷蔵庫1が提供できる。また、吸熱フィン部211に結露した結露水を電極保持部220へ搬送する搬送部が不要となり、また搬送部がごみなどでつまって結露水が放電電極230へ供給されないということもなくなるので、構造が簡単で低コストで信頼性の高い静電霧化装置200及び冷蔵庫1を提供できる。
【0066】
ここで、本実施の形態では、吸熱フィン部211で結露した結露水が1カ所(あるいは必要な所定箇所(例えば1〜4カ所程度))に集まってから電極保持部220内に落下できるようにしている。図10は本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を側面から見た側面図である。図に示すように、吸熱フィン部211の下端の形状に斜め部分(斜面部分)を設けて斜め部分を結露水が伝わって結露水を集めたい部分に結露水が集まるようにしている。吸熱フィン部211の下端の形状を略三角形状や台形形状や円錐形状やのこぎり歯形状など下方に突出するような形状である傾斜部211Wや突出部211Tを有する形状とすれば、結露水が傾斜部211Wを伝って突出部211T(結露水を収集したい部分)に集まって電極保持部220の必要な部分に落下するように設定できるため、結露水の落下位置が特定、把握できるので、電極保持部220の大きさを小さくでき、コンパクトな静電霧化装置200が得られる。
【0067】
また、図11に示すように電極保持部220の容器形状も傾斜部220Wと水集中部220Gを設けるようにすれば、結露水が少なくても結露水を容器の所定部位(例えば、放電電極230の位置)に集めることができるので、結露水が不足することなくミスト噴霧が行なえる。図11は本実施の形態を表す冷蔵庫1に設けられる静電霧化装置200のカバー内部を側面から見た側面図である。図において、電極保持部220は、下方に向かって傾斜した傾斜部220Wと傾斜部220Wの下方(下部)に隣接して設けられた凹部を形成する水集中部220Gから構成されている。放電電極230は電極保持部220の水集中部220G内に配置されている。電極保持部220の容器形状をこのように形成すると、吸熱フィン部211で生成された結露水が電極保持部220内に落下した場合、傾斜部220Wに落下した結露水は傾斜に沿って水集中部220Gに流れ込むため、結露水が水集中部220Gに集まる。
【0068】
従って、水集中部220Gに配置されている放電電極230は、落下した結露水が傾斜部220Wに沿って流れて水集中部220Gに流れ込んで集中するため、結露水が不足することがなくなり常に結露水中に浸かっていることになり、結露水が少ない場合でも放電電極230が配置された水集中部220Gに効率的に集めることができるため結露水が不足せず安定してミスト噴霧を行うことができる。また、水集中部220Gに結露水が集中するため、放電電極230の長さを長くして結露水をできるだけ多く吸収させなくても水集中部220Gに結露水が集中するので、放電電極230を水集中部220Gの大きさに合わせて短くできる。従って、コンパクトで低コストの静電霧化装置200、冷蔵庫1を得ることができる。また、放電電極230の長さが短くできるため、放電電極230の突出部231(先端部)までの長さも短くできる。また、放電電極230の長さが短い分だけ、結露水が発泡金属などで形成された放電電極230内を短時間で毛細管現象によって突出部231(先端部)まで届くことができ、ミスト噴霧装置である静電霧化装置200によってナノサイズ化された微細なミストが噴霧されるまでの時間が大幅に短縮できる。
【0069】
但し、水集中部220Gに水が溜まって放電電極230に水が付着した状態で、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に放電電極230と水供給手段である吸熱フィン部211との間で放電が発生するような場合には、水集中部220Gに水排出口を設けて水が溜まらないようにすれば良い。このように水集中部220Gに水排出口を設けて水が溜まらないようにしても、放電電極230には傾斜部220Wよりの水や吸熱フィン部211よりの結露水が直接接触するようにしておけば毛細管現象にて突出部231(先端部)に水を供給できるので、突出部231に水が不足することがなく、安定してミスト噴霧が可能となる。
【0070】
また、図6で説明した冷却板210の熱伝導部213は、複数の熱伝導板213a,213b,213c,213dを有し、熱伝導板間には複数の空隙部214(空隙部214a,214b,214c)を有しており、この複数の空隙部214には断熱材を充填や挿入できる構造としているので、放熱フィン部212が冷却されすぎても吸熱フィン部211には熱が伝わりすぎない構成となっており、冷却風路50を流れる冷却器室131から送風されてくる冷気にて冷却風路50側の放熱フィン部212が冷却されすぎても貯蔵室(例えば冷蔵室2)側の吸熱フィン部211は凍結しにくいように構成している。凍結してしまうと結露水を生成できなくなるため、熱は伝わるが伝わりにくい構造として凍結しにくいようにしている。この空隙部214は、少なくとも1個設ければ、効果を発揮する。
【0071】
即ち、本実施の形態では、冷却板210の熱伝導部213に少なくとも1個の空隙部214を設けているので、熱伝導部213の長さ(例えば図6〜図11のように、冷蔵庫1の正面側から奥行き方向に向かって冷却板210を吸熱フィン部211、熱伝導部213、放熱フィン部212の順で配置する場合には、放熱フィン部212と吸熱フィン部211との間の長さ(熱伝導部213の冷蔵庫の奥行き方向の長さ))や空隙部214の大きさ(熱伝導部213の幅方向長さ、奥行き方向の長さ、高さ方向長さ、開口部面積の大きさや容積など)や空隙部214に充填や挿入する空気などの気体や液体や断熱材などの種類や材質などを所定の冷却性能や温度特性が得られるように調整することで、冷却風路50を流れる冷却器室131から送風されてくる冷気にて冷却風路50側の放熱フィン部212が冷却されすぎても貯蔵室(例えば冷蔵室2)側の吸熱フィン部211は凍結しないように設定できる。従って、冷却板210の温度制御を行う加熱ヒータなどの温度制御手段が不要になり、低コストで構造が簡単な静電霧化装置200、および静電霧化装置200を備えた冷蔵庫1を提供できる。また、逆に冷却板210が冷却されにくい構造であっても、熱伝導部213の複数の熱伝導板の形状や厚さや空隙部214に封入する充填材や断熱材の材質や種類などを所定の冷却性能や温度特性が得られるように選定することで所定の冷却性能が得られるように調整できる。
【0072】
吸熱フィン部211の温度の調整は、冷却風路50の冷気の温度や風量を制御すればよく、貯蔵室(例えば、冷却室2)の上流側の冷却風路50に設けられた冷蔵室ダンパ55の開閉制御にて行っても良いし、熱伝導部213を複数備えているので、その板厚や形状や材質などを所定の冷却性能や温度特性が得られるように選定(変更)することで、吸熱フィン部211の温度を適度に調整しても良いし、また冷気の温度制御や風量制御と熱伝導部213の形状や板厚や材質変更と組み合わせて行っても良い。また、熱伝導部213の個数を選定(増減)しても良いし、空隙部214に挿入される断熱材の充填率や断熱材の種類(例えば発泡ウレタンや真空断熱材など)を所定の冷却性能や温度特性が得られるように選定しても良い。また、全ての冷却板や熱伝導板を同じ板厚や長さや形状にしても良いし、個別に形状や厚さや長さなどを変化させても良い。
【0073】
また、冷却板210の熱伝導部213に設けられている空隙部214にウレタンや真空断熱材などを発泡充填させたり、あるいは予め空気などの気体や液体や断熱材などを封入するなどして冷却板210と冷却板断熱材511とを一体成形(あるいは冷却板210とウレタンや真空断熱材などの冷却板断熱材511を一体に形成)したキット化部品512にして別部品化しても良い。冷却板断熱材511、キット化部品512については、後述する(図18〜図20の説明において)。
【0074】
ここで、真空断熱材としては、芯材にシート状の有機繊維集合体の積層構造したものを使用すれば、芯材にガラス繊維を使用した場合に比べて、分解時やリサイクル時の粉塵による人体への影響が少ない。また、芯材を所定の長さ、あるいは所定の幅にカットしてガスバリア性の外包材に挿入して略真空状態まで減圧して略密閉構造にシールする場合に、有機繊維集合体にシートの長さ方向、あるいは幅方向より短い短繊維を使用した場合には、芯材の端面や穴加工部分をカットした際にカットされた分だけ繊維長が短くなるので、元の繊維長が短かった場合には、カットによりシートに残った残存繊維が極端に短くなる場合があり、シートの他の有機繊維とからまることができなくなって芯材のカット面(端面)からはみ出したり、飛び散ったりする恐れがあり、外包材のシール面に芯材の残存繊維がはさまれてシール不良となって略真空状態を維持できなくなり、しいては、真空断熱材としての断熱性能が損なわれる恐れがある。また、極端に短い残存繊維が芯材のカット面(端面)からはみ出したり、飛び散ったりすると、真空ポンプで真空引きを行なうときに残存繊維が真空ポンプに吸込まれて真空ポンプの故障の原因となる恐れがある。
【0075】
しかしながら、芯材を構成する有機繊維集合体にシートの長さ方向、あるいは幅方向より長い長繊維(例えばシートの長さ方向、あるいは幅方向以上の連続した所定長さを有する繊維)を使用するようにすれば、端面などをカットした場合でもシートに残った残存繊維の長さが極端に短くなることがなくなるので、残存繊維がシートの他の繊維とからまって芯材のカット面からはみ出したり、飛び散ったりする恐れがなくなり、外包材のシール面に芯材の残存繊維がはさまれることがなくなり、シール不良となって略真空状態を維持できないことがなくなる。また、真空ポンプの故障の恐れもなくなる。従って、リサイクル性が良好で、シール不良などの発生しない断熱性能が良好で信頼性が高く少エネルギーな断熱材、静電霧化装置200、冷蔵庫1が得られる。
【0076】
また、芯材を構成する有機繊維集合体にシートの長さ方向、あるいは幅方向より長い長繊維(例えばシートの長さ方向、あるいは幅方向以上の連続した所定長さを有する繊維)を使用するようにすれば、芯材に穴加工を施して穴を有する真空断熱材を得たい場合にも有用であり、静電霧化装置200と略同等か、あるいは静電霧化装置200よりも大きな穴部を有する芯材に長繊維を使用した真空断熱材を貯蔵室の仕切り壁51に使用し、穴部内に静電霧化装置200を収納するようにしても良い。このようにすると、断熱性能が良く、しかも除菌や抗菌や乾燥を防止できる冷蔵庫が得られる。同様に、静電霧化装置200以外の他の機能部品を真空断熱材の穴部に収容するようにしても良い。また、芯材に長繊維を使用した真空断熱材は、上述のようにシール不良となって略真空状態を維持できないことがなくなるので、静電霧化装置200用のみに使用しなくてもよく、冷蔵庫1の断熱を行なう断熱材に使用すれば、シール不良などの恐れの少ない、リサイクル性が良好で断熱性能が向上した省エネルギーな冷蔵庫1を提供できる。
【0077】
このとき冷却板断熱材511を、冷却板210の熱伝導部213の大きさ(例えば、幅方向長さ、高さ方向長さ)と略同等かそれ以上の大きさである所定の大きさとして、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の仕切り壁51に組み込んで固定するなどして取り付ければよい。このとき、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の背面壁には、冷却板断熱材511と略同等かそれ以上の大きさの貫通穴を設けるなどして貯蔵室の仕切り壁51に組み込むようにすればよい。
【0078】
(静電霧化装置200のキット化)
このように冷却板210の熱伝導部213の周囲も含めて所定の大きさを有する冷却板断熱材511(例えば、発泡ウレタンや真空断熱材など)を冷却板210と一体成形(あるいは一体に形成)するなどして別部品としてキット化部品512にして貯蔵室の背面壁に着脱可能に取り付けるようにすれば、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)背面壁に組み込んだり、あるいは固定したりする場合に組立性が向上する。ここで、冷却板210の熱伝導部213に設けられている空隙部214にウレタンを発泡充填させたり、あるいは真空断熱材や空気などの気体や液体や断熱材などを封入するなどして冷却板210のみを一体に形成してキット部品化しても良いし、吸熱フィン部211と放熱フィン部212を別体で構成して吸熱フィン部211と放熱フィン部212の間に断熱材やペルチェ素子を挟みこんで一体形成したキット化部品512にして別部品化して着脱可能に取り付けても良い。このようにペルチェ素子を使用して熱の移動を強制的に行なわせるようにすれば、空気調和機や加湿器や空気清浄機などの家電機器にも特別な加工などを行なわなくても容易に適用でき、ミスト噴霧が行なえる。
【0079】
また、冷却板210以外の部品、例えば電極保持部220、放電電極230、対向電極240、高電圧電源部250なども適宜、冷却板断熱材511と一体に形成してキット化部品512にすれば、静電霧化装置200の組立性が向上する。また、静電霧化装置200の動作不良や故障時などの場合に、仕切り壁51とは別部品で構成されたキット化部品512のみを貯蔵室背面壁から取り外すことができるので、部品の交換が容易になり、修理も容易になる。また、冷蔵庫1の解体時やリサイクル時などにも簡単に取り外すことができるので、リサイクル性が向上する。ここで、キット化部品512が形成される冷却板断熱材511と略同等か、あるいは冷却板断熱材511よりも大きな穴部を有する芯材に長繊維を使用した真空断熱材を貯蔵室の仕切り壁51に使用し、穴部内にキット化部品512、あるいはキット化部品512が形成される冷却板断熱材511を収納するようにしても良い。このようにすると、断熱性能が良く、しかも組立・分解・リサイクル性が良好で除菌や抗菌や乾燥を防止でき、しかも省エネルギーな冷蔵庫1が得られる。
【0080】
貯蔵室内に配置した場合に結露や凍結などで故障の恐れのある高電圧電源部250(図8参照)は、結露や凍結などの恐れのない場所に別部品として配置して、例えば、断熱されたリード線などで接続するようにすればよい。例えば、高電圧電源部250を冷蔵庫1の上部背面に設けられた制御装置30と一体にするか、あるいは制御装置30が収容される制御装置収容室内に配置して静電霧化装置200とリード線などの接続線でコネクタなどを介して簡単に接続が解除できるように接続すれば良い。高電圧電源部250の配置場所は制御装置30の収容室に限定されるものではなく、例えば貯蔵室内と断熱壁を介した場所など結露や凍結などの恐れのない場所であればどこでも良い。また、高電圧電源部250を防水仕様にし、あるいは低温耐力を備えた仕様にしておけば、冷蔵庫1内のどの貯蔵室内であっても設置可能となる。
【0081】
上記は、冷却板210の熱伝導部213に設けられている空隙部214にウレタンや真空断熱材などを発泡充填させたり、あるいは予め空気などの気体や液体や断熱材などを封入するなどして冷却板210と冷却板断熱材511とを一体成形(あるいは冷却板210とウレタンや真空断熱材などの冷却板断熱材511を一体に形成)したキット化部品512にして別部品化して着脱可能に取り付けることについて説明したが、冷却板断熱材511の背面に位置する冷却風路50(冷却風路50のうちの一部分)も含めてキット部品化して着脱可能に取り付けるようにしても良い。このようにすると組立が容易になるし、また、キット化された範囲(例えば、冷却板断熱材511と略同等の大きさ)の冷却風路にダンパ装置や脱臭装置や除菌装置などのように所定の動作を行うような機能部品やフィルタ装置や除菌装置などのように目詰まりや時間の経過とともに効果が薄くなるような要交換部品などを組み込めば、故障時やサービス点検時にキット化部品512を取り外して点検・修理・交換などのサービスが容易に行えるようになり、サービス性が向上し、また、リサイクル性も向上する。
【0082】
ここで、キット化部品512に貯蔵室(例えば、冷蔵室2)内に冷気を吹出す冷気吹き出し口を設けても良い。図18は本発明の実施の形態を表す冷蔵庫の扉を開放した状態での正面図、図19、図20は本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1に搭載されるカバーを取り付けた状態の静電霧化装置200の正面図である。
【0083】
キット化部品512には、静電霧化装置200のカバー300の側方あるいは上下方向の冷却板断熱材511には少なくとも、上方冷気吹出し口533、下方冷気吹出し口534が1つ以上設けられている。また、側方冷気吹出し口531,532、上方冷気吹出し口533、下方冷気吹出し口534は、それぞれ1つであっても、複数であっても良い。
【0084】
このようにキット化部品512に貯蔵室(例えば、冷蔵室2)を冷却する冷気の吹出し口(側方冷気吹出し口531,532、上方冷気吹出し口533、下方冷気吹出し口534)を少なくとも1カ所設けるようにしたため、静電霧化装置200が設けられたキット化部品512を仕切り壁51に取り付けるだけで、貯蔵室内を冷却する冷気を吹出す冷気吹出し口を設けることができるので、別途貯蔵室の仕切り壁51に冷気吹出し口を設ける必要がなくなり、内箱の製造が簡略され、低コストの冷蔵庫1を得ることができる。
【0085】
静電霧化装置200用の冷却風路が貯蔵室冷却用の冷却風路と共通の場合で、冷却風路50の温度制御が貯蔵室の温度制御に影響される場合(貯蔵室の温度制御の方が優先される場合)には、貯蔵室の冷却風路50とは別に静電霧化装置200専用の冷却風路を設ければ良い。この静電霧化装置200専用の冷却風路は、放熱フィン部212を冷却できれば良いので、冷気の流量は少なくてよく、冷却風路断面積は、放熱フィン部212が所定温度(吸熱フィン部211が凍結しない程度で吸熱フィン部211の温度が貯蔵室温度よりも低くなり貯蔵室内の空気中の水分が吸熱フィン部211で結露できる程度)に冷却可能な風量が得られれば良く、貯蔵室用冷却風路50の1/2以下程度でよい。また、冷却風路内に設けられた冷却板210の放熱フィン部212の温度制御が不要な場合には、ダンパ装置も不要となるので、低コストで制御が容易な静電霧化装置200、冷蔵庫1を提供できる。
【0086】
ここで、放電電極230と対向する位置に所定のすきま(図8における所定すきまFであり、効率良く電圧を印加できるように、例えば、1mm〜10mm程度のすきまに設定されている)を介して導電性の材料(例えば、腐食などに強い導電性樹脂や導電性の金属など)で形成された対向電極240(対向接地電極)が設けられており、静電霧化装置200の近傍(側面近傍や上下近傍)に設けられ、放電電極230と対向電極240に通電してナノミストを発生させる電源251が高電圧電源部250内に設けられている。対向電極240には放電電極230の突出部231(先端部)と対向する位置にミスト噴霧用の対向電極開口部241(例えば、貫通穴)が設けられている。図においては、複数の放電電極231b,231c,231dに対して、それぞれ対向する位置の対向電極240に複数の対向電極開口部241b,241c,241dが設けられている(図6参照)。
【0087】
本実施の形態では、放電電極230は孔径10〜800μm(好ましくは孔径50〜300μm、さらに好ましくは孔径50〜150μm)、空隙率60〜90%(好ましくは70〜80%)のチタンなどの三次元網目構造の発泡金属で形成された略円柱形状として、突出部231を対向電極240に向かうにつれて徐々にあるいは段階的に先端が細く(小さく)なる形状(例えば、対向電極240に向かって徐々に細くなる略円錐形状)にしており、従来のセラミック多孔質材や金属棒に比べて、給水量が多く毛細管力も大きく、導電体として水に効率的に電気がかかり放電しやすい形状としているので、水が短時間で突出部231の先端部まで充分行き渡り、ナノミストの発生までの時間が短くでき、電圧を印加してから即座にナノミストを発生させて噴霧させることが可能となる。また、効率よく電圧を印加できるので、発生するナノミスト量を多くでき、貯蔵室や部屋などの室内を充分に潤わせることができ、また除菌や脱臭も行なえるという効果を奏する。
【0088】
また、本実施の形態では、放電電極230を冷却板210の吸熱フィン部211と分離して所定すきまZを介して放電電極230と冷却板210の吸熱フィン部211とを設置するようにしているので、冷却板210、あるいは放電電極230の形状の自由度や配置の自由度が増加し、冷蔵庫1や空気調和機や空気清浄機などの家電機器ごとの構造に合わせて自由に放電電極230や対向電極240や冷却板210の形状や配置を設定でき、家電機器に合わせてコンパクトで効率の良い静電霧化装置200を得ることができる。ここで、吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230上面との間のすきまZは、放電電極230の表面に水滴が付着した状態になると、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電する恐れがあるので、放電電極230の表面に水滴が付着した状態でも放電しないすきまを確保する必要があり、所定すきまZは4mm以上が好ましい。また、放電電極230上に水が溜まった状態でも所定すきまを4mm以上確保すれば放電電極230と水供給手段である吸熱フィン部211との間で放電は発生しないので問題ないが、放電電極230上に水が溜まった状態にならない方が放電しにくいため溜まらないようにしても良い。また、電極保持部220も水供給手段である吸熱フィン部211と対向する放電電極230の表面に水が付着あるいは溜まらないように開口や切欠きなどを設けて水が電極保持部220の放電電極230を保持する部分に溜まらない構成(あるいは放電電極230の表面に水が溜まったとしても余分な水が電極保持部220の放電電極230を保持する部分からは水が排出できる構成とし、排出された水を溜める水溜め部を別途下方に設ける構成として水溜め部に溜まった水が放電電極230に接触しない構成としても良い)にしても良い。
【0089】
また、印加電圧の設定範囲や所定すきまF(図8参照)の設定範囲の自由度を大きくでき、ナノミストの生成が確実に容易に行なえる。また、突出部231の対向電極側の先端部は、細ければ細い方が安定して電圧を印加できるので、安定して放電させることができ、安定して粒子の大きさの揃ったラジカル化したナノミストを連続的に噴霧・発生させることができる。ここで、本実施の形態では、放電電極230の突出部231(先端形状)の形状を略円錐形状とし、対向電極240の形状を放電電極230の突出部231の形状と略相似形状で放電電極230の突出部231の断面形状よりも大きな略円形の開口(穴あき)形状(対向電極開口部241)とし、この場合の所定すきまF(距離)を1mm〜6mm程度として、ナノミストの発生に対して効率良く電圧を印加できるようにしている。この所定すきまFは大きすぎても小さすぎても効率よく電圧を印加できずナノミストの発生量が抑制されるので、1mm〜6mm程度が良い。
【0090】
ここで、放電電極230は別に略円柱形状でなくてもよく、平板状でも窪み(凹部)形状などであっても良い。放電電極230の少なくとも結露水を受け止める部分が平板状や窪み(凹部)形状であれば、吸熱フィン部211から落下した結露水を放電電極230で効率よく受け止めることができるので、結露水を無駄にすることなくナノミスト化に使用でき、安定して、ナノミストを供給できる。特に放電電極230の結露水を受け止める部分が窪み(凹部)形状であれば、放電電極230自体で結露水を溜めることが可能となるので、結露水不足が解消でき、しかも電極保持部220も不要、あるいは小さくすることも可能となり、構造が簡単で低コストで高信頼性の静電霧化装置200、冷蔵庫1を提供できる。また、本実施の形態では、放電電極230に異物が詰まって突出部231に水が供給されないという状態が発生したり水の供給がミスト噴霧ができない状態まで低下したりすることが考えられる場合には、放電電極230にフィルタを設けるようにしても良い。ここで、本実施の形態では、放電電極230に孔径10〜800μm(好ましくは孔径50〜300μm、さらに好ましくは孔径50〜150μm)、空隙率60〜90%(好ましくは70〜80%)のチタンなどの三次元網目構造の発泡金属を使用しているので、毛細管力、給水力が大きく、水が短時間で突出部231の先端部まで送られるため通常は放電電極230の本体部232に落下した結露水は放電電極230の本体部232に溜まることはないが、仮に放電電極230の本体部の平板状表面や本体部232に設けられた窪み形状に結露水が溜まったとしても放電電極230と対向電極240との間に電圧を印加した場合に放電電極230と水供給手段との間で放電しないように放電電極230と水供給手段との間は放電しない所定すきまZが設けられている。
【0091】
また、静電霧化装置200は、高電圧電源部250の電源251の印加電圧を調整することで、ミスト中のオゾンやラジカルの発生量を調整できるので、人体への影響を及ぼさない程度に抑制でき、また貯蔵室内壁を構成する樹脂部品などの劣化などの悪影響を回避でき、殺菌や除菌効果が得られるナノミストを噴霧できる衛生的で信頼性が高く人体への影響を及ぼさない冷蔵庫1を提供できる。
【0092】
静電霧化装置200には、前面にカバー300が設けられており、ユーザが直接触れないようにしている。前面カバー300は、冷却板210、電極保持部220、放電電極230、対向電極240などを覆うように取り付けられており、このカバー300には、前面あるいは両側面にはユーザの指が挿入できない程度の大きさの開口である開口部(例えば、前面開口部515あるいは側面開口部(図示せず)や上面開口部(図示せず)や下面開口部(図示せず))が1つあるいは複数設けられており、これらカバー300に1つあるいは複数設けられた開口部よりナノミスト化された水分が貯蔵室(例えば、冷蔵室2、どの貯蔵室であっても良い)内に噴霧される。なお、カバー300の前面、上面、及び下面にもユーザの指が挿入できない程度の前面開口部を1つあるいは複数設ければ、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)内の必要な方向や貯蔵室内のあらゆる方向へナノミスト化された水滴を噴霧することができる。
【0093】
静電霧化装置200は、例えば、貯蔵室の背面や側面や上面の奥部に設けられており、しかも高電圧を印加して霧化させるようにしているので、ナノミスト化された微細なミストを噴霧できるため貯蔵室内を冷却する冷気の流れによって冷蔵庫1の背面(奥部)近傍から前面近傍にまで噴霧可能であり、また、上部に設けられているので、重力や貯蔵室内を冷却する冷気の流れによって貯蔵室内の上方から下方にまで噴霧可能となるので、ナノサイズ粒子のミストを貯蔵室内のほぼ全域に噴霧できる。また、静電霧化装置200を背面上部の側面近傍の奥部に設けると貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の内容積を広く使用することが可能である。
【0094】
冷蔵庫1の上部に配置された貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の上部の棚の奥部側方はユーザの手が届きにくく、貯蔵物も見にくく収納しにくいことより、ユーザにあまり利用されないと思われるため、静電霧化装置200を貯蔵室背面上部の側方奥部あるいは貯蔵室上部側面奥部あるいは貯蔵室上部上面奥部に設ければ、貯蔵室内のほとんど利用されない無効容積(死容積)を有効に利用できるため、内容積を減らすことなく貯蔵室内の除菌や加湿ができるので、清潔で新鮮さを保持でき、しかも内容積の大きな冷蔵庫1を得ることができる。
【0095】
特に大型で背の高いの全高が165cm程度以上の300L(リットル)程度以上の冷蔵庫1の場合には、冷蔵庫1の最上部に設けられる貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の背面上部奥側(特に背面上部の奥側側方)は、ユーザ(特に身長が160cm程度未満の家庭の主婦や子供やお年寄りなど)にとっては手が届きにくく使い勝手が悪いため、無効容積となりやすいので、静電霧化装置200を最上段の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の上部棚の上方の奥部(例えば上部棚の上方であって、側方の奥部や中央の奥部)近傍に設けることで、貯蔵室内のほとんど利用されない無効容積(死容積)を有効に利用でき、内容積を減らすことなく貯蔵室内の除菌や加湿ができ、清潔で新鮮さを保持できるので、内容積が大きく新鮮で信頼性が高く、長期保存の可能な冷蔵庫1を得ることができる。
【0096】
また、静電霧化装置200を貯蔵室内の背面上部の中央付近の奥部に設けるようにすれば、1つの静電霧化装置200を設けるだけで庫内(貯蔵室内)の全域に効率よくナノサイズ粒子のミストを噴霧できる。特に略中央付近に設けた静電霧化装置200よりのナノサイズ粒子のミストを両側面から噴霧できるようにミストを噴霧可能な開口部を静電霧化装置200の、例えば、カバー300などの前面、下面、両側面に設ければ、庫内に前面、下面、両側面からミストを噴霧できる。また、静電霧化装置200のカバー300の前面(正面)や上面や下面にミスト噴霧用の前面開口部515を設ければ、庫内の略中央部へもミストを噴霧できる。従って、貯蔵室内の全域に効率よく除菌や加湿のできる清潔で長期保存が可能で低コストな冷蔵庫1提供できる。
【0097】
ここで、冷凍サイクルに使用される冷媒として可燃性で空気よりも重い可燃性や微燃性の冷媒(例えば、炭化水素冷媒(HC冷媒)などであり、例えば、イソブタンなど)を使用する場合には、冷媒が漏洩した場合でも、静電霧化装置200の高電圧電源部250、放電電極230、及び対向電極240が上部に配置された貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の上部(例えば、冷蔵庫1の最上部に設けられた貯蔵室の上部)に設けられていれば、漏れた可燃性冷媒が空気より重いため冷蔵庫1の下方より充満するため、冷蔵庫1の上方に設けられた静電霧化装置200まで充満することがなくなり、あるいは充満するまでに時間がかかるため漏れた可燃性冷媒による着火による故障発生の危険性が少ない安全で信頼性の高い冷蔵庫1が得られる。
【0098】
また、静電霧化装置200を貯蔵室の背面や側面の仕切り壁51(背面壁や側面壁)内に凹部を設け、この凹部内に収納するようにすれば、内容積が増大し、意匠性も向上する。この場合、貯蔵室の背面壁や側面壁は厚さに制限があることが多いため、極力厚さの薄い構成にする必要がある。従って、本実施の形態では、冷却板210の奥行き方向の寸法をできるだけ小さくするために、冷却板210の吸熱フィン部211や放熱フィン部212の少なくと一方の上下方向(図8における上下の長さ方向)あるいは左右方向(例えば、図9における幅寸法211K方向)の長さを大きくして奥行き方向長さ(例えば、図8の吸熱フィン部211の奥行き方向寸法211L)を小さくするようにしている。即ち、熱伝導による冷却性能は同等程度(必要な所定の冷却性能が得られる程度)を維持できる程度で冷却板210の吸熱フィン部211や放熱フィン部212の少なくと一方の前後方向(奥行き方向)の長さ(例えば、図8における吸熱フィン部211の奥行き方向寸法211L)を上下方向(長さ方向)あるいは左右方向(幅方向)の長さ(例えば、図8における上下の長さ方向寸法や図9における幅寸法211K)よりも小さく(薄く)するようにして、冷却板210の奥行き方向の寸法をできるだけ小さくしている。例えば、吸熱フィン部211の場合は、幅方向寸法211Kを大きくして、奥行き方向寸法211Lを小さくするようにすれば、冷却板210の奥行き方向寸法が小さくできるので、静電霧化装置200の奥行き方向寸法を小さくでき、小形で薄型の静電霧化装置200が得られる。同様に放熱フィン部212も幅方向寸法を大きくして、奥行き方向寸法を小さくすれば、奥行き方向寸法を小さくでき、小形で薄型の静電霧化装置200が得られる。
【0099】
冷蔵庫1の貯蔵室背面や側面の仕切り壁51(断熱壁)に冷却風路(の一部)が設けられている場合(仕切り壁51に静電霧化装置200の少なくとも一部(あるいは全部)を収納する凹部が設けられ、凹部の側方に冷却風路(の一部)が設けられている場合など)には、冷却風路の側方に位置する仕切り壁51の凹部に静電霧化装置200の少なくとも一部(あるいは全部)が収納されるように設け、冷却板210の放熱フィン部212を凹部側方の冷却風路内に配置し、吸熱フィン部211を凹部内、あるいは貯蔵室内に配置するようにすれば、静電霧化装置200の冷却板210を静電霧化装置200が収納される凹部側方方向の冷却風路に設ければ良くなるので、放熱フィン部212を貯蔵室背面の仕切り壁51を奥行き方向に貫通させて設ける必要がなくなり、組立や取付などが容易にできる。この場合、熱伝導部213を凹部と冷却風路との間の断熱仕切りを貫通するように設ければ良く、吸熱フィン部211と放熱フィン部212が冷蔵庫1の奥行き方向に並ぶように配置するのではなく、吸熱フィン部211と放熱フィン部212が冷蔵庫の幅方向(左右方向)に並ぶように設置すればよく、吸熱フィン板(吸熱フィン部211)、放熱フィン板(放熱フィン部212)、熱伝導部213の上下方向(風路の冷気の流れ方向)の長さを長くして伝熱面積をかせいで奥行き方向(例えば、吸熱フィン部211の幅方向寸法211K方向)を薄くするようにすれば設置可能となる。
【0100】
以上は静電霧化装置200を冷蔵庫1に適用する場合について説明したが、本発明の静電霧化装置200は冷蔵庫1に限らず、空気調和機や空気清浄機や加湿器などの家電機器や機器などにも適用できる。
【0101】
(静電霧化装置その2)
ここで、静電霧化装置200の別の構成例について説明する。図12は本発明の実施の形態を表す別の静電霧化装置200の分解斜視図、図13は本発明の実施の形態を表す別の静電霧化装置200の組立方法を表す斜視図、図14は本発明の実施の形態を表す別の静電霧化装置200の上面図、図15は本発明の実施の形態を表す図14で示した静電霧化装置200のK−K断面を表す静電霧化装置200の断面図、図16は本発明の実施の形態を表す図14で示した静電霧化装置200のM−M断面を表す静電霧化装置200の断面図、図17は本発明の実施の形態を表す静電霧化装置200に給水手段を設置した状態を説明するための図である。図1〜図11と同等部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0102】
図において、静電霧化装置200は、放電電極230、対向電極240、電極保持部220から構成され、放電電極230と対向電極240は所定のすきま(図8におけるすきまFと同様のすきま)が得られるように電極保持部220に収納・設置されている。放電電極230は、略長方形(あるいは略四角形)断面の軸方向に細長い形状をした直方体(四角柱)形状の本体部232と、本体部232の軸方向途中から軸方向に対して略直角方向に突出して設けられた断面が略長方形(略四角形)形状である直方体形状(あるいは角錐形状)の突出部231とが一体に略T字状に成形されており、チタンなどの発泡金属で形成されている。放電電極230の本体部232は略円形断面の細長い形状(軸方向に長い形状)をした円柱形状でもよく、また、突出部231は、本体部232の軸方向途中から軸方向に対して略直角方向に突出して設けられていればよく断面が略円形形状(あるいは略円形形状)である円柱形状(あるいは円錐形状)としても良い。即ち、突出部231の形状は対向電極240方向に向かって細くなる円錐形状や角錐形状にしても良い。また、突出部231は1個設けても良いし複数設けても良い。
【0103】
ここで、図12に示すように、放電電極230の本体部232は、軸方長さがX2、幅がX3、厚さがX4である。また、突出部231は突出長さがX1、幅がX5、厚さがX6である。本体部232の長さX2は、突出部231の長さX1よりも長く、X2/X1の値(X1に対するX2の比率)が4倍以上20倍以下が加工性が良く、また、本体部232から突出部231への水供給量も多く、水供給時間が短くできるので良い(好ましくは、X1に対するX2の比率は6以上15以下が加工性、強度、水供給量、水供給時間から考えるとバランスが取れているので良い。比率が大きすぎると強度が弱くなる)。また、本体部232の厚さX4、突出部231のX6は、1.5〜4mm程度の範囲内が加工性がよく、水の吸水性、保湿性が良いので、短時間で突出部231に毛細管現象で供給できるので良い。以上のことから本実施の形態では、X1=3〜7mm、X2=30〜80mm、X3=4〜7mm、X4=1.5〜4mm、X5=3〜7mm、X6=1.5〜4mm程度にしている。この略T状の放電電極230はチタンなどの1.5〜4mm程度の厚さのシート状の発泡金属をプレス加工やレーザ加工などでカットして製造すればよい。
【0104】
以上のように、放電電極230は、3次元網目構造を有する発泡金属で形成され、軸方向に長い略直方体状あるいは略円柱状の本体部232と、本体部232の軸方向途中から本体部232の軸方向と略直角方向へ突出し、本体部232の軸方向長さよりも短く本体部232と一体に形成されて本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により供給される略直方体状あるいは略円柱状の突出部231と、により構成されている。従って、本体部232の表面積を多くかせぐことが可能であり、本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により突出部231に多くの水を供給できる。
【0105】
また、突出部231の対向電極240と対向する方向の先端部に本体部232から毛細管現象で水が供給される際に、突出部231が本体部232の軸方向の途中(軸方向の略中央)から設けられているので、突出部231の突出位置に対して本体部が2つ(例えば、第1の本体部237と第2の本体部238)に分かれるため、突出部231へは第1の本体部237と第2の本体部238の2箇所(突出部231の両側)から毛細管現象にて水を供給することができるため、突出部231へ水を多く供給することが可能となり、ミスト噴霧量を多くでき、安定してミスト噴霧が可能となる。また、第1の本体部237あるいは第2の本体部238のどちらか一方(例えば、第1の本体部237)が目詰まりなどで機能しなくなったとしてももう一方(他方)(例えば、第2の本体部238)にて突出部231に水を供給できるので、長期間にわたって安定して突出部231に水を供給でき、長期間にわたって安定してミストを噴霧できる信頼性の高い静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)が得られる。
【0106】
また、静電霧化装置200は、電極保持部220に収納された放電電極230あるいは対向電極240を電極保持部220に固定・保持する固定手段260(押圧手段)を備え、少なくとも電極保持部220、放電電極230、対向電極240、固定手段260を一体に形成してキット部品化して、冷蔵庫1の場合であれば貯蔵室の壁面(例えば側壁や背面壁や仕切り壁51など)に設けるようにする。また、空気調和機などの機器では、室内に設置される室内機などの筐体内(空気の流れに対してフィルタの下流側など)に設けるようにしているので、静電霧化装置200(キット部品)の組立が容易でコンパクトにでき、また、静電霧化装置200(キット部品)の壁面や筐体への取り付けが容易になる。
【0107】
ここで、本実施の形態では、放電電極230(例えば、本体部232、突出部231の両方とも、あるいは本体部232のみ)が、3次元網目構造を有する発泡金属で形成され、軸方向に長い略直方体状あるいは略円柱状の本体部232と、本体部232の軸方向途中から軸方向と略直角方向へ突出し、本体部232の軸方向長さよりも短く本体部232と一体に形成されて本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により本体部232の内部を通って供給される略直方体状あるいは略円柱状あるいは略角錐状あるいは略円錐状の突出部231と、を備え、本体部232の軸方向長さX2を、突出部の長さX1の4倍以上20倍以下の範囲内としている。本体部232の軸方向長さX2が、突出部の長さX1に対して長すぎると細長くなりすぎて形状バランスが悪くなり、加工精度が出なくなり、また加工中や組立時などに破損したりするため、本体部232の軸方向長さX2を、突出部の長さX1の20倍程度以下(好ましくは15倍程度以下)が良いことが分かった。また、本体部232の軸方向長さX2が、突出部の長さX1に対して短すぎると本体部232から水の供給量が少な過ぎたり、また突出部の先端部に水が供給されるまでの時間が長くなりすぎてミスト噴霧するまでの時間がかかりすぎるため、本体部232の軸方向長さX2を、突出部の長さX1の4倍程度以上(好ましくは6倍程度以上)が良いことが分かった。
【0108】
本体部232は、直方体形状の方が電極保持部220への設置面が平らのため設置時に位置が安定するのでよく、また本体部232の軸方向長さX2は突出部231の突出長さX1よりも充分に大きい方がよい。本体部232は、直上の給水手段から落下してくる水を効率よく上表面で受け止めて上表面に付着した水をできるだけ多く毛細管現象で内部を通って突出部231の先端部へ供給することが望ましいので、軸方向長さを長くして表面積をできるだけ大きくした方が良く、幅X3を厚さX4よりも大きくして上表面積を大きくするようにしている。また、突出部231はできるだけ短時間で水を対向電極と対向する先端部に供給することが望ましいので短い方が良く7mm程度以下が良い。また突出部231は短すぎると本体部232と対向電極240間に電圧が印加される恐れがあり、また加工困難となるので、7mm程度以下が良いことが分かった。
【0109】
また、突出部231の先端部は対向電極240に向かって細く尖っている方が、先端部に水がない状態(無給水状態)でも電圧を印加すれば人体に影響を与えない程度のオゾンを発生させることができ、除菌や脱臭効果がえられるので良く、角錐形状や円錐形状が良い。ここで、突出部の形状を角錐形状や円錐形状にして突出部231の先端部を対向電極240に向かって細く尖った形状にすれば、突出部231の先端部の水の有無に関係なく、放電電極230と対向電極240との間に機器運転中は常時電圧を印加するようにすれば、給水手段から供給される水が不足した場合でも、ミスト噴霧あるいはオゾン噴霧が行えるので、脱臭や除菌が行なえる冷蔵庫1や空気調和機などの家電機器が得られる。
【0110】
本実施の形態では、本体部232と突出部231の外形形状の大きさ(幅、厚さなど)あるいは断面積が略同等の場合には、本体部232の軸方向長さは、突出部231の長さの4倍以上20倍以下の範囲内が加工性が良く、本体部232から突出部231への水供給量も多く、水供給時間が短くできる。ここで、20倍よりも大きい21倍では本体部232が軸方向に長すぎるため加工中に破損したり、組立時に破損したりして信頼性が悪い。また、4倍よりも小さい3.5倍では、放電電極230の本体部232の上表面積が小さくなるので突出部231への水供給量が少なく水不足となる場合が発生するので安定してミストの噴霧が行えないので、本体部232の軸方向長さは、突出部231の長さの4倍以上20倍以下が良い。好ましくは6倍以上15倍以下の範囲内が放電電極230の強度が得られ、また短時間で多くの水を突出部231へ供給できるので、安定して突出部231に水を供給でき、放電電極230と対向電極240に電圧を印加した場合のナノミストの噴霧量を多くできるので良い。
【0111】
本実施の形態では、放電電極230にチタンなどの発泡金属を使用しており、スポンジのような3次元網目状構造を持たせた金属多孔質体であるため、金属内部の吸水量も発泡金属でないものにくらべ2倍〜5倍程度と多く、焼結金属に比べて毛細管力も大きく、電気抵抗が(0.4〜2)×10−7Ω・m程度と小さく導電体として水に効率的に電気がかかるので、電気抵抗が大きなセラミック(電気抵抗は約1012Ω・m程度と大きい)などに比べて格段に電気を通しやすくミスト生成量を多くでき、また、印加電圧の設定などが容易でありしかも印加電圧を小さくすることも可能であり、ナノミストの生成が確実に容易に行える。電気抵抗は、10−8Ω・m〜10−4Ω・m程度の材料であれば電気を通しやすく、ミスト生成量も多くナノミストの生成も安定して行える。また、電気抵抗が小さく電気を通しやすいため、高電圧がかかりやすく、低電力な静電霧化装置が得られる。
【0112】
ここで、本実施の形態では、放電電極230に孔径10μm以上800μm以下、空隙率60%以上90%以下のチタンなどの発泡金属を使用している。孔径が0.1μm〜3μmと小さな発泡金属でないセラミックなどに比べて発泡金属は、異物による目詰まりに対する耐力が格段に大きいので、長期間にわたり安定して本体部232から突出部231に水を供給することができる。孔径が10μmよりも小さくなると目詰まりの発生する危険性が高まるので、孔径は10μ以上が良い。また、孔径が800μmよりも大きすぎると水滴が大きくなりナノミストの発生量が抑制されるので、孔径は800μm以下が好ましい。また、空隙率(気孔率)は、大きいほど内部に多くの水を保持できるので、静電霧化装置200に使用する場合は、空隙率は大きい方が良い。本実施の形態では、従来のセラミックや焼結金属などのように空隙率が50%以下のものとは異なり、空隙率が60%以上90%以下と大きなチタンなどの3次元網目状構造を持たせた金属多孔質体の発泡金属を使用しているので、従来のセラミックや焼結金属などに比べて多くの水を発泡金属内部に保持できる。従って、ナノミストを効率よく多量に発生させることができる。
【0113】
放電電極230に使用する発泡金属は、毛細管力が大きく孔径のバラツキが少なく安定している方が良く、また目詰まりに対する耐力の大きい方が良く、好ましくは孔径50μm以上300μm以下、空隙率70%よりも大きく80%以下の発泡金属が望ましい。また、放電電極230にチタンの発泡金属を使用することで放電電極230の剛性、強度が向上するので、電圧印加による電気磨耗などを抑制でき、冷蔵庫1や空気調和機の運転時の微細振動などに対する磨耗耐力も向上し、長期間の使用が可能となり信頼性が向上する。また、放電電極230にチタンを使用することで、電圧印加時のコロナ放電によるオゾンの発生量を還元作用で分解して低減することができ、電極にセラミック材料をした場合に比べてオゾン発生量が多すぎることによる人体への悪影響を抑制でき、安全で適度なオゾンを発生できる静電霧化装置200を提供できる。また、放電電極230に発泡金属のチタンを使用する場合は、酸化処理を行うことで、水とのなじみ性が向上し、本体部232の表面の水を毛細管現象により吸収しやすくなり、安定して突出部231に水を供給できるようになるので、安定してナノミストを長期間噴霧できる。
【0114】
対向電極240は、放電電極230の突出部231の先端部と所定のすきまFを介して設けられており(図8と同様)、略四角形の貫通穴である対向電極開口部241が放電電極230の突出部231の先端部と対向する位置に設けられている。ここで、放電電極230の突出部231の先端部の断面形状は、略四角形形状であり、また、対向電極240の対向電極開口部241は、放電電極230の突出部231の先端部の略四角形形状よりも大きな略四角形形状の開口としている。放電電極230の突出部231の先端部の断面形状は略円形形状でもよく、対向電極240の対向電極開口部241の開口形状は、放電電極230の突出部231の先端部の断面形状(あるいは外径形状)と略相似形状で、放電電極230の突出部231の先端部の断面形状(あるいは外径形状)よりも大きな形状の開口としても良いし、対向電極240の対向電極開口部241の開口形状は、放電電極230の突出部231の先端部の断面形状(あるいは外径形状)と異なってもよく、放電電極230の突出部231の先端部を角錐形状(断面形状(あるいは外径形状)は略四角形)とし、対向電極240の対向電極開口部241の開口形状を突出部の断面形状よりも大きな形状の円形の開口としても良い。
【0115】
電極保持部220は、放電電極230の本体部232を収納して保持・固定する電極収納部225と、電極収納部225の軸方向(長手方向)の途中(略中央部)から突出して設けられて、対向電極240を収納・保持する対向電極収納部223とから構成されている。放電電極230は、電極収納部225と対向電極収納部223との間の仕切り壁に設けられた開口穴や切欠きなどの切欠き部222を介して、電極収納部225に収納された放電電極230の本体部232から突出した突出部231が対向電極収納部223へ突出するように設けられている。ここで、給水手段が冷却板210の場合には、放電電極230の本体部232の上表面に水滴が付着した状態で保持されると吸熱フィン部211と放電電極230の本体部232との間で放電が発生する可能性があるので、この場合には、電極保持部220は底面や側面などに開口や切り欠きなど(図示せず)を設けて給水手段から供給される水が電極保持部220内に溜まらないようにすればよい。
【0116】
即ち、電極保持部220あるいは固定手段260(押圧手段、押圧部材)に切欠きや開口を設け、電極保持部220に放電電極230の本体部232が保持された状態で吸熱部(吸熱フィン部211)より落下した結露水が電極保持部220や放電電極230の本体部232に溜まらないようにすれば、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合でも、電極保持部220に保持された放電電極230の本体部232に水が溜まって放電電極230より冷却板210の吸熱部(吸熱フィン部211)に放電することを抑制できる。ここで、水供給手段である吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230(本体部232の上面)との間のすきまZは、放電電極230の表面に水滴が付着した状態になると、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電する恐れがあるので放電しないすきまを確保する必要があり、本実施の形態では所定すきまZは4mm以上としている。
【0117】
また、対向電極収納部225には、対向電極240の段差部245を保持する切欠きや凹部などの対向電極保持部224が設けられている。また、対向電極240には、電源線やリード線を接続して通電する穴などで構成される対向電極通電部246が設けられており、対向電極通電部246は電源線やリード線などで高電圧電源部250(図11等)に接続されている。
【0118】
放電電極230は、本体部232が電極収納部225に収納・保持され、突出部231が対向電極収納部223に収納された状態で固定手段260(押圧手段)にて通電部材280を介して本体部232が電極収納部225に押圧固定される。通電部材280(電極通電手段)は、本体部232に接触して押圧する押圧部281と固定手段260(押圧手段、押圧部材)にて押圧された場合に弾性変形して押圧部281を本体部232に押圧するバネ部282と、高電圧電源部250と電源線やリード線が接続されて通電する穴などで構成される電極通電手段通電部286が設けられている。電極通電手段通電部286は、高電圧電源部250により電源線やリード線などを介して放電電極230を通電する。ここで、通電部材280は、固定手段260(押圧手段)にて通電部材280を押圧・保持する構成でなくてもよく、本体部232を側面から(幅方向に)バネ性を有してバネ力で挟み込むことで放電電極230に電圧を印加できるような形状であれば良い。
【0119】
固定手段260(押圧手段、押圧部材)は、容器状をしており、底面部(あるいは側面部)に設けられた開口部266(図14参照)と、底面部(あるいは側面部)に設けられて放電電極230を電極保持部220側へ上方から押圧・固定あるいは放電電極230が上方への移動するのを抑制する電極押さえ部265と、上方(直上)に設けられた水供給手段から供給された水を受けて放電電極230の本体部232へ水を効率よく供給するように外側から中央方向へ傾斜した傾斜部264(図13参照)と、底面部(あるいは側面部)に設けられて電極保持部220の電極収納部225に収納された放電電極230の本体部232を弾性体で形成された通電部材280を介して電極保持部220側に押圧・固定する通電部材押さえ部262(図13参照)と、固定手段260(押圧手段)の側壁の軸方向略中央付近から放電電極230の突出部231の方向と略同等方向に突出するように設けられて、電極保持部220の対向電極収納部223に収納された対向電極240(電極保持部220の対向電極収納部223の切欠き部224に対向電極240の段差部245が挿入されて収納されている)の少なくとも開口部241部分を上方から覆って埃やごみなどが対向電極240の開口部241に付着するのを抑制する対向電極覆い部261とから構成されている。ここで、通電部材押さえ部262は電極押さえ部265よりも通電部材280の厚さと略同等厚さ分だけ凹んだ段差形状となっており、固定手段260(押圧手段)で通電部材280を介して放電電極230を押圧した状態で通電部材280が電極押さえ部265に少なくとも一部が収納される(電極通電手段通電部286以外の通電部材265のほぼ全体が収納されことが望ましい)。
【0120】
従って、電極保持部220に放電電極230と対向電極240が固定手段260(押圧部材)にて通電部材280を介して押圧・固定される。放電電極230と対向電極240が電極保持部220に固定された状態で、放電電極230の突出部231の略四角形の面状の先端部と対向電極240の開口部241とは所定のすきまFが設けられている。この所定のすきまFは、通電した場合に出力が大きくとれ、ナノミストを多く放出できるように1mm以上8mm以下の範囲で設けられている。
【0121】
通電部材押さえ部262は、固定手段260(押圧手段、押圧部材)の底面部に設けられた放電電極押さえ部265よりも通電部材280が押圧された場合に弾性力を維持できる厚さ分(厚さ分から弾性変形による縮み代分を差し引いた厚さ分)だけの段差が設けられており、この段差部分に通電部材280を収納して上方から放電電極押さえ部265で通電部材280を押圧することで通電部材280の弾性力で放電電極230の本体部232を電極保持部220側へ押圧・固定する。
【0122】
また、通電部材押さえ部262の反対側の面(固定手段260の上方開口部側の面)は、通電部材280を収納するため一部が凹んだ段差部263(一段高くなった段差部)が形成されており、この部分に冷却板210の位置決めを行なって吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230の本体部232とのすきま(放電電極230と冷却板210の吸熱フィン部211の下端面211Yとの距離(例えば、図9で示すように吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間の距離(所定すきまZ)))を確保するように位置決め部を兼ねており、必要な所定すきまとなるように設定すれば良い。
【0123】
固定手段260(押圧手段)は、電極保持部220の電極収納部225に放電電極230を収納・保持した状態で、電極保持部220の上面開口部側から通電部材280を介して放電電極230を電極保持部220に押圧した状態で電極保持部220の側壁などを固定している。この場合も、水供給手段(たとえば吸熱フィン部211の下端面211Y)の下端面と放電電極230(上面)との間のすきまZは、水供給手段(たとえば吸熱フィン部211)から直下の放電電極230や電極保持部220へ空間を介して落下する水の落下速度を小さく抑えて放電電極230や電極保持部220への落下時の衝撃緩和や飛び跳ねて容器外への飛び出すことなどを抑制するため小さいほうが良く、1mm〜30mm程度がよいが、放電電極230の表面に水滴が付着した状態になると、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電する恐れがあるので、水供給手段(たとえば吸熱フィン部211の下端面211Y)と放電電極230との間の所定すきまZは、放電しないすきまである4mm以上が好ましい。
【0124】
(貯水タンク構造)
また、図16、図17に示すように、冷却板210を設けるかわりに貯水タンク270などの給水手段を着脱可能なように固定手段260(押圧手段)に保持できる構成にしても良い。貯水タンク270には、目盛線271が設けられており、冷蔵庫1に設置された状態で目盛線271がユーザから見えるように設置されるので、放電電極230に供給される水の補給を行う時期が目視で確認できる。ここで、貯水タンク270の水排出口277(貯水タンク270内の水を放電電極230に供給する供給口)と放電電極230までの必要な距離(所定すきま)は、放電電極230と冷却板210の吸熱フィン部211の下端面との距離(必要な所定すきまZ)と略同等に設定すれば、同等の効果が得られる。
【0125】
図17に示すように、冷却板210の代わりに貯水タンク270を使用する場合には、固定手段260(押圧手段)に給水手段覆い部269を設けて、貯水タンク270の位置決めと保持や固定を行うようにすれば、構成が簡単で低コストな静電霧化装置200が得られる。また、貯水タンク270より落下する水滴275が固定手段260(押圧手段)の給水手段覆い部269にて略密閉状態となるように覆われるか、あるいは少なくとも一部が覆われるため、電極保持部220の電極収納部225内に落下した水滴275が電極保持部220、固定手段260(押圧手段)が設置されている周囲の空気中の埃やかびなどの異物の影響を受けにくいので電極保持部220内の水滴がよごれにくくきれいで衛生的な静電霧化装置200が得られる。また、貯水タンク270の水排出口277より落下する水滴275が固定手段260(押圧手段)の給水手段覆い部269にて略密閉状態となるように覆われるか、あるいは少なくとも一部が覆われるため、電極保持部220の電極収納部225内に落下する水滴275が電極保持部220、固定手段260(押圧手段)が設置されている周囲の影響(空気の流れや温度の影響など)を受けにくいので、水滴275が空気や冷気の流れなどによりどこかに飛び散ったり、貯水タンク270内の水や水滴275が凍りついたりすることが起こりにくく信頼性の高い静電霧化装置200が得られる。
【0126】
即ち、本実施の形態では、静電霧化装置200は、放電電極230あるいは電極保持部220の直上に設けられた給水手段(冷却板210や貯水タンク270など)より放電電極230あるいは電極保持部220に落下することによって供給される水が落下する水の周囲の空気の流れの影響を直接受けないように給水手段と電極保持部220との間の水の落下経路の少なくとも一部を覆う給水手段覆い部269を固定手段260に設けるようにしたので、落下した水滴275が電極保持部220、固定手段260(押圧手段)が設置されている周囲の空気中の埃やかびやごみなどの異物の影響を受けにくくなり放電電極230に付着した水滴や電極保持部220内の水滴がよごれにくく放電電極230の目詰まりが抑制でき、信頼性が高く、きれいで衛生的な静電霧化装置200が得られる。
【0127】
ここで、水供給手段に導電性でない樹脂製の貯水タンク270(給水手段)を使用する場合には、給水手段に冷却板210を使用する場合に比べて、放電電極230の本体部232の上表面に水が付着した状態であっても、放電電極230から貯水タンク270へ放電することがないので、電極保持部220は容器状にして水を溜める構成にしても良い。このようにすると、放電電極230の本体部232には常に水が溜まった状態を維持でき、突出部231へ水が安定して供給されるので、安定してミストを噴霧できる。また、固定手段260(押圧手段)に冷却板210を設置する場合も吸熱フィン部211から落下する水滴275(結露水)が固定手段260(押圧手段)などにて略密閉状態で覆われる構成とすれば同等の効果が得られる。
【0128】
また図17に示すように、固定手段260に側壁から外側方向へ突出した固定用つめ部268を設け、電極保持部220の側壁に固定用つめ部268と対向する位置に凹部や切欠きなどの固定用凹部を少なくとも1カ所設けて、固定手段260を電極保持部220の方向に押圧することで固定手段260(押圧手段)の固定用つめ部268が電極保持部220の側壁に設けられた固定用凹部に嵌合、あるいは引っ掛かる嵌め込み構造とすることで、固定手段260(押圧手段)を電極保持部220側に軽く押圧するだけで固定手段260、通電部材280、放電電極230、対向電極240、電極保持部220を簡単な操作で一体に固定・保持することが可能となり、キット部品化することができ、冷蔵庫1や空気調和機などの家電製品や機器などへの取付や組込が容易にできる。
【0129】
本実施の形態では、貯水タンク270(給水手段)の水排出口277(貯水タンク270内の水を放電電極230に供給する供給口)と放電電極230との間の距離を水排出口277から落下する水が周囲の空気や冷気の流れの影響で放電電極230や電極保持部220内に供給されないということがない範囲の所定のすきまZを有するように設定しているので、給水手段(例えば、貯水タンク270など)を静電霧化装置200と離れた別の場所に設けてポンプなどの送水手段にて水流路を介して給水手段から静電霧化装置200に水を搬送する場合に比べて、給水手段や給水手段より供給される水を搬送する水流路が不要なため、構成が簡単であり、低コストな冷蔵庫1や空気調和機など家電機器や機器が得られる。
【0130】
また、貯水タンク270の水排出口277の直下に所定すきまZが得られるように放電電極230を配置し、貯水タンク270を着脱可能なように固定手段260、通電部材280、放電電極230、対向電極240、電極保持部220と一緒に所定すきまZが得られるように位置決めした状態で一体化してキット部品化すれば、簡単な構成で貯水タンク270から落下する水滴が放電電極に直接落下するようにでき、さらに組立性や取付性が向上する。また、貯水タンク270の代わりに冷却板210を使用する場合には、冷却板210の少なくとも吸熱フィン部211で結露した結露水が直接放電電極230に落下するように吸熱フィン部211の直下に放電電極230が位置するように冷却板210を一緒に固定手段260(押圧手段)に固定すれば良い。この場合、貯水タンク270あるいは吸熱フィン部211と、放電電極230との距離は所定すきまZとなるように設定すれば良い。所定すきまZの設定については、上述したとおりである。
【0131】
ここで、本実施の形態の静電霧化装置200は、放電電極230の本体部232が軸方向に細長く奥行き方向(軸方向と直角方向の長さ、厚さ方向)に短い形状をしているので、冷蔵庫1の貯蔵室の上面を形成する天井壁や貯蔵室の側面を形成する側壁や貯蔵室と貯蔵室の間を仕切る仕切り壁51(仕切り板)など厚さの薄い壁面や、空気調和機などにおいては奥行き方向の小さい部位に設置することが可能となり、冷蔵庫1や空気調和機などの家電機器や機器の薄型化が図れる。また、本体部232が細長く表面積を大きくしているため、結露水や供給水などの水を充分な面積で受けることができ、結露水や供給水などの水を突出部231に毛細管現象で充分な量を供給することが可能となり、また、本体部232を細長くして表面積を大きくしているため水中に若干の異物が存在して本体部232の表面に付着することがあっても水が本体部232の内部の空隙を毛細管現象にて通過して問題なく突出部231に供給されるので、結露水や供給水の異物を除去するフィルタなどが不要で保証期間(例えば、10年間の使用期間)内においてナノミストを放出可能な低コストで信頼性の高い静電霧化装置200、家電機器が得られる。ここで、放電電極230の本体部232の軸方向の長さや断面形状は、製品の保証期間内(例えば、10年程度)の水中の異物を想定して突出部231に水が供給できる表面積の大きさが確保できる程度に設定すれば良い。
【0132】
また、静電霧化装置200の設置に関しては、本体部232を細長くして奥行き方向の厚さを小さくしているので、突出部231を本体部232から横方向(例えば、略水平方向)に突出するように配置しても側壁や天井壁や仕切り壁や奥行きの小さい設置場所などに設置可能な厚さの薄いコンパクトな静電霧化装置200が得られるが、突出部231を本体部232から略上方向、あるいは略下方向に突出するように配置した方が奥行き方向の厚さが小さくて済むので、この場合は側壁や天井壁や仕切り壁や奥行きの小さい設置場所などに設置可能な厚さの薄いコンパクトな静電霧化装置200が得られる。
【0133】
以上は水供給手段に貯水タンク270を使用し、放電電極230を固定あるいは収納する電極保持部220を容器状にして水を捕集できるようにしているが、放電電極230の本体部232の形状を直方体形状にして幅を有する面形状(本実施の形態では、図12に示すように、幅X3、長さX2の略四角形状の面を有する直方体形状、四角形)にして、設置したときに幅を有する上表面が略水平(若干傾斜していても良く、例えば傾斜が5度以下)になるように設置することで、電極保持部220の形状は水を溜めることが可能な容器状でなくてもよく、放電電極230(例えば、本体部232)を固定できる形状(放電電極固定部)であれば良い。
本実施の形態では、3次元網目構造の発泡金属で形成された本体部232、および本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により供給される突出部231とから構成された放電電極230と、放電電極230を保持する電極保持部220と、電極保持部220に設けられ、突出部231と対向して設けられた対向電極240と、放電電極230の本体部232の直上に設けられ、放電電極230に水を供給する水供給手段(たとえば吸熱フィン部211や貯水タンク270)と、を備え、本体部232が軸方向に細長い略直方体形状であり、幅を厚さよりも大きくすることで面形状を有する上表面の面積を大きくしており、また、水を受ける上表面が略水平になるように設置することで水を受ける面積を大きくできる。
【0134】
即ち、貯水タンク270から供給される水滴275が直下の放電電極230の本体部232に落下するが、本体部232の上表面が幅X3、長さX2を有する略四角形の面を有する形状であり、略水平に設置されているので、落下した水を本体部232で面形状をした上表面で直接受け止めることができ、上表面に落下した水は即座に表面から本体部232の内部に毛細管現象にて吸収されて突出部231に供給される。従って、この場合には、電極保持部220の形状は、水を溜める必要がないので容器状でなくてもよく、放電電極230の本体部232を固定あるいは保持できればよいので、貯水タンク270から落下した水が多すぎて本体部232の内部に吸収されきれない場合は、電極保持部220に切欠きや開口などの水を排出できる水排出口を設けて、別途電極保持部220の水排出口の下方や側方などに排出手段を設けるなどして水が本体部232の上表面から下方に排出できるようにして水が静電霧化装置200外に排出されるようにしておけば良い。例えば、空気調和機の室内機の場合には、ドレン水と一緒に排出するようにすれば良いし、冷蔵庫の場合には、除霜水と一緒に外部に排出するようにすれば良い。
【0135】
(除霜水利用)
ここで、静電霧化装置200が設けられている貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の背面近傍に冷却器13が収容された冷却器室131が配置されている場合には、図2に示すように冷却器13の下部に設けられたヒータルーフ151を容器状(ヒータルーフ151に別体で水を溜められる形状のもの(例えば容器))にするなど除霜水を溜められるような形状の除霜電極保持部152を設けるようにすれば、この除霜電極保持部152内に溜まった除霜水をフィルタやフェルトなどで形成されて毛細管現象などを利用した除霜水搬送部を介して静電霧化装置200に供給すれば、除霜電極保持部152が貯蔵室内の電極保持部220を兼用することができるので、貯蔵室内に電極保持部220を設ける必要がなくなり、更に冷却板210も不要になるので、低コストで構造が簡単な冷蔵庫1が得られる。
【0136】
ここで、ヒータルーフ151は、冷却器13から落下する除霜水が直接、除霜用ヒータ150にかからないよう除霜用ヒータ150の上方を覆うように設けているが、除霜電極保持部152の大きさや容量は、ミスト噴霧に必要な量の除霜水が確保できる程度の大きさや容量であれば良いので、除霜回数や除霜時間などを考慮して決めれば良い。また、除霜電極保持部152は、ミスト噴霧に必要な量の除霜水が確保できる程度の大きさや容量であれば良いので、ヒータルーフ151の全域に設ける必要はなくヒータルーフ151の少なくとも一部に設けるようにすれば良い。除霜電極保持部152は、ヒータルーフ151の上部に設けられており、除霜水が溜まりすぎてあふれても下方に設けられている除霜水排水口より外部に排出されるため問題ないので、除霜電極保持部152より除霜水があふれたときの対応が不要となり、低コストで構造が簡単な冷蔵庫1が得られる。ここで、本実施の形態では、冷却器13から落下する除霜水(霜の状態で落下してしまうことが多い)を受ける除霜電極保持部152を静電霧化装置200の電極保持部として使用するようにしているので、除霜電極保持部152には、霜の状態のままで捕集されることが多く、霜が除々に溶けることになるため、長時間、除霜電極保持部152に除霜水を確保することができる。よって、1日に1回の除霜運転を行う場合であっても長時間、除霜電極保持部152に除霜水を確保することができるので、安定してミストを噴霧することが可能となる。
【0137】
特に除霜手段である除霜用ヒータ150にカーボンヒータなどの黒色媒体のヒータを使用すれば、輻射電熱により冷却器13の霜を表面あるいは内面から効率的に溶かすことができるため、冷却器13に付着した霜が霜の状態で落下する割合が低減するので、除霜電極保持部152には霜の状態でだけ落下して水の状態で落下しなくなって静電噴霧に使用できないということがない。しかも適度に霜の状態でも落下するため、霜が除々に溶けることになり、長時間、除霜電極保持部152に除霜水を確保することができ、安定して長時間ミスト噴霧が可能となる。また、除霜手段に冷却器13と一体に設けられたかち込みタイプヒータを併用すれば、冷却器13側からも加熱できるため、冷却器13に付着した霜が内側(かち込みヒータ)と外側(除霜用ヒータであるカーボンヒータなど)から加熱できるので、除霜電極保持部に落下する水と霜の割合を必要に応じて設定できる。例えば、この場合には、かち込みヒータと除霜用ヒータのそれぞれの印加電圧量や電圧印加のタイミングなどを操作パネル60に設けられたスイッチなどによりユーザが設定したり制御装置30にて予め設定したりして制御することで、ミスト噴霧に必要な適度な所定の除霜水を除霜電極保持部152に持続的に長時間保持することができ、更なる安定してミスト噴霧できる効果が得られる。
【0138】
また、除霜手段として除霜用ヒータ150などを用いず冷凍サイクルの高温冷媒を冷却器13に直接流して冷却器13の除霜を行うホットガスデフロスト回路を備えても良い。
【0139】
この場合は、冷媒を圧縮する圧縮機12、切替弁(図示せず)、圧縮機12により圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器(図示せず)、凝縮器により凝縮された冷媒を減圧させる減圧装置(図示せず)、減圧装置にて減圧された冷媒を蒸発させて貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷却器13とを順次接続して冷凍サイクルを構成し、圧縮機12により圧縮された高温の冷媒ガスを切替弁を介して冷却器13にバイパスさせて冷却器13に圧縮機12により圧縮された高温の冷媒ガスを流して冷却器13の除霜を行なうホットガスデフロスト回路を添えるようにすれば良い。
【0140】
このようにホットガスデフロスト回路(バイパス回路)を備えていれば、除霜を行なう場合に切替弁を切り替えてホットガスデフロスト回路に圧縮機12で圧縮された高温・高圧の冷媒を凝縮器を通さず直接、冷却器13に流すようにして、高温の冷媒により冷却器13に付着した霜を冷却器13表面より加熱して霜の内部より霜を溶かすことができるので、効率良く、短時間で除霜が行なえる。
【0141】
また、ホットガスデフロスト回路(バイパス回路)を第1の除霜手段とし、第2の除霜手段として輻射伝熱の利用できるカーボンヒータなどの黒色媒体のヒータ(ガラス管ヒータなど)と併用すれば、さらに効率よく霜を溶かすことができる。この場合、第2の除霜手段である除霜用ヒータ150を除霜電極保持部152内の霜や除霜水を加熱する加熱手段としても利用するようにすれば、別途加熱手段を設ける必要がなく、構成が簡単で低コストなれ冷蔵庫1が得られる。ここで、除霜電極保持部152内の霜や除霜水を加熱する加熱手段として第1の除霜手段であるホットガスデフロスト回路(バイパス回路)のバイパス配管を利用しても良い。このようにすると、加熱手段を別途設ける必要がなくなり、効率よく除霜水を収集でき、しかも安定してミスト噴霧の行なえる安価な冷蔵庫1を提供できる。
【0142】
ここで、加熱手段の通電制御としては、冷蔵庫1の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の前面開口部を覆うように設けられている開閉扉(例えば、冷蔵室扉7)の前面に設けられた操作パネル60に静電霧化装置200を作動させるためのミスト噴霧スイッチ60eを設け、このミスト噴霧スイッチ60e操作することで作動するようにすれば良い。ミスト噴霧スイッチ60eを操作した場合に所定時間だけ、あるいは、ユーザが所定時間範囲内で動作時間を適宜設定できるようにして、設定した時間だけ通電するようにすれば良い。また、静電霧化装置200が設けられている貯蔵室の開閉扉の開あるいは閉と連動して所定時間だけ動作するようにしても良い。この場合も加熱手段の通電時間は、予め実験などにより設定していても良いし、ユーザが自分で予め設定されている所定時間範囲内で適宜時間を設定できるようにしても良い。
【0143】
ここで、フェルトなどで構成される除霜水搬送部の一端は除霜電極保持部152内にフィルタを介して配置され、また、除霜水搬送部の他端は、電極保持部220に直接接続しても良いし、あるいは貯蔵室内に電極保持部220が設けられている場合には電極保持部220内に配置するようにするなどすれば良い。また、定期的(例えば、最低1日に1回以上)に冷却器13の除霜を行うように設定しておけば、静電霧化装置200への水の供給も不足することなく安定してナノミスト化した水滴を貯蔵室内(庫内)に供給できる。ここで、冷却器室131や冷却器13が静電霧化装置200が設けられている貯蔵室から離れている場合(例えば、静電霧化装置200の設けられている貯蔵室が上部であって冷却器室131や冷却器13が下部貯蔵室背面に設けられている場合や、静電霧化装置200の設けられている貯蔵室が冷蔵庫1の下部であって冷却器室131や冷却器13が冷蔵庫1の上部貯蔵室背面に設けられている場合)でも、除霜水搬送部を毛細管現象を利用できる構造としたり、あるいは毛細管現象を利用できる材料などを使用するようにすれば、問題なく静電霧化装置200に水を安定して供給できる。また、除霜水搬送部内の水が凍結する恐れがある場合には、周囲に断熱材を設けるなどして少なくとも凍結する恐れのある範囲の除霜水搬送部の周囲を断熱すれば良く、あるいは仕切り壁などの断熱材中に埋設するなどして配設すれば良い。
【0144】
特に冷蔵室2や野菜室5が冷蔵庫1の上部にあり、冷凍室6用の冷却器13とは別に冷蔵室用冷却器や野菜室用冷却器も冷蔵庫1の上部であって、冷蔵室用冷却器や野菜室用冷却器が冷蔵室2や野菜室5の背面に配置されている場合には、除霜電極保持部152が冷蔵庫1の上部背面に設けられることになる(冷蔵室2や野菜室5の背面に冷蔵室用冷却器や野菜室用冷却器が配置されていることになる)ので、静電霧化装置200を冷蔵室2や野菜室5に設置する場合に除霜水搬送部の長さや取り回しを短く簡略化でき、構造が簡単で除霜水があふれても問題のない低コストの静電霧化装置200を備えた冷蔵庫1を提供できる。
【0145】
静電霧化装置200は、冷蔵庫1の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の前面開口部を覆うように設けられている開閉扉(例えば、冷蔵室扉7)の前面に設けられた操作パネル60に静電霧化装置200を作動させるためのミスト噴霧スイッチ60eを設け、このミスト噴霧スイッチ60eを操作することで作動するようにすれば良い。ミスト噴霧スイッチ60eを操作した場合に所定時間だけ、あるいは、ユーザが所定時間範囲内で動作時間を適宜設定できるようにして、設定した時間だけ静電霧化装置200が動作するようにすれば良い。また、静電霧化装置200が設けられている貯蔵室の開閉扉の開あるいは閉と連動して所定時間だけ動作するようにしても良い。この場合も静電霧化装置200の動作時間は、予め実験などにより設定していても良いし、ユーザが自分で予め設定されている所定時間範囲内で適宜時間を設定できるようにしても良い。
【0146】
また、静電霧化装置200に除霜水を使用する場合は、除霜終了後に静電霧化装置200を動作させるようにすれば、除霜水収集部内の水不足が発生せず、確実に静電噴霧が行える。この場合、除霜終了後だと時間がかかりすぎるばあいは、除霜終了後でなくても良く、除霜の開始直後、あるいは除霜開始から所定時間経過してから静電霧化装置200を動作させるようにしても良い。また、除霜運転を夜間実施する場合には、除霜終了後(あるいは除霜開始、除霜途中)から次の除霜運転開始までの間であればいつでも静電霧化装置200の動作が可能なように設定しても良い。この場合には、除霜開始、あるいは除霜終了まで待たなくても除霜水が使用できるので、必要なときに静電霧化装置200を動作させることができる。従って、ミストを噴霧させるために給水を補給しなくても良くなるので、メンテナンスの不要な静電霧化装置200が得られる。ここで、除霜電極保持部152の除霜水を使用しないで、製氷用の水を供給する給水タンクから給水搬送部(図示せず)を介して静電霧化装置200に水を供給するようにしても良い。また、静電霧化装置200への水の供給手段として冷却板210による結露水の供給や除霜電極保持部152による除霜水の供給や給水タンクから水の供給や他の手段などのうちの少なくとも2つを併用しても良い。
【0147】
(冷蔵庫の略密閉空間への適用)
次に図18に示すように冷蔵室2などの貯蔵室内に略密閉された容器2X,2Yを設置し、この略密閉された容器2X,2Y内に静電霧化装置200を配置する場合について説明する。本実施の形態では、略密閉された容器2X内は+3℃〜−3℃程度のチルド温度帯に温度制御されるチルド室2Aであり、略密閉された容器2Y内は+3℃〜+5℃程度の野菜室温度帯に制御される野菜保存容器や野菜室5として使用される。ここで、略密閉された容器2X,2Y内の温度制御は、本実施の形態では、静電霧化装置200の冷却板210にて実施するようにしている。即ち、静電霧化装置200の冷却板210は、冷却風路50側に設けられた放熱フィン部212と略密閉された容器2X,2Y内(貯蔵室内)に設けられた吸熱フィン部211により構成されるため、吸熱フィン部211によって略密閉された容器2X,2Y内を冷却する直冷方式により冷却する構造としている。冷却板210による直冷冷却だけでは略密閉された容器2X,2Y内の温度が上昇するなどして温度制御が困難な場合は、略密閉された容器2X,2Y外を冷気により間接的に冷却する間接冷却方式と組合わせれば良い。
【0148】
ここで略密閉された容器2X,2Yの構造としては、上面が開口した上面開口部を有する容器の上面開口部に着脱式のフタを設けるようにすれば略密閉構造の容器を構成できる。このフタは容器の方に設けても良いし、容器上部に設けられている庫内棚80や仕切り壁に設けても良いし、容器上部の棚や仕切り壁のそのものをフタと兼用しても良い。また、本実施の形態では、容器背面に静電霧化装置200(例えば、カバー300)の少なくとも一部が挿入できる程度の開口部(切り欠きや開口)を設けるようにして、静電霧化装置200の少なくとも一部が開口部(切り欠きや開口)より略密閉された容器2X,2Y内に挿入された状態で静電霧化装置200(例えば、カバー300)と容器の開口部との所定すきまを極力小さく0.5mm〜2mm程度にして容器外部の温度の影響を受けにくい構成として略密閉構造としているので、略密閉された容器2X,2Y内部が容器外部の温度の影響を受けにくくなり、略密閉された容器2X,2Y内部の温度ハンチングが少なくなり、略密閉された容器2X,2Y内部の温度の制御性が向上する。このとき、略密閉された容器2X,2Yを冷蔵庫1の貯蔵室内に挿入・設置した状態で静電霧化装置200と略密閉された容器2X,2Yの開口部との所定すきまが塞がれる構成やシールできる構成にすれば、所定すきまをさらに小さくでき略密閉化できるので、容器外部の温度の影響を受けにくくなり、略密閉された容器2X,2Y内部の温度制御性がさらに向上する。また、容器内部が略密閉化されているので、容器内に噴霧されたナノミスト中の水分の効果で容器内の保湿効果が得られ、またミスト中のオゾン、ラジカルの効果で容器内の抗菌、脱臭、防汚、除菌効果が得られ、略密閉構造としない場合よりもその効果が向上する。
【0149】
(過冷却室への適用)
次に本実施の形態では、静電霧化装置200を貯蔵室である、例えば、切替室4内に設け、切替室4を過冷却冷凍(瞬冷凍)設定とした場合について説明する。まずは、操作パネル60に瞬冷凍スイッチ60c(過冷却冷凍)が設けられているので、簡単に過冷却冷凍の流れから説明する。冷蔵庫1の貯蔵室である切替室4は、冷凍温度(例えば−7℃程度)に冷却されているとする。切替室4内の空気温度は切替室サーミスタ19で検知し、切替室ダンパ15を開・閉することで、±1K程度の温度変動に抑えられている。過冷却冷凍を行う貯蔵物を切替室4に入れた後、ユーザは操作パネル60のスイッチ(部屋選択スイッチ60a〜ミスト噴霧スイッチ60eのうち瞬冷凍スイッチ60c)を押す(ここで、瞬冷凍とは過冷却冷凍のことをいう(「過冷却」とすると「冷やしすぎ」と誤認識されるのを避けるためと瞬時に凍結するということから、別の表現として「瞬冷凍」という))。瞬冷凍スイッチ60cが押されると、制御装置30によりサーモパイル22の検出温度処理(表面温度推定処理)が開始される。定期的に(所定時間ごとに)繰り返し演算して切替室4内の貯蔵物の表面温度を推定し、推定温度T1が1〜−2℃近辺に到達した場合、切替室4の設定温度の低下を開始し、徐々に低い温度まで冷やしこんでいく。冷やしこみが進んでいくとあるタイミングで過冷却状態が解除され、貯蔵物の中の水分が瞬時に凍結する。水分が凍結したあとは、水分以外の部分をできるだけ早く凍結させるべく切替室4内に急速に冷気を送風したり、設定温度を更に下げたりして急速冷凍を行って凍結させ、凍結したら過冷却冷凍が完了となる。ユーザが操作パネル60を操作して瞬冷凍スイッチ60cを押圧して「瞬冷凍(過冷却冷凍)」の制御を行っている間は、操作パネル60に「瞬冷凍」中であることの表示を行う。
【0150】
以上は、切替室サーミスタ19で切替室4の温度検出を行い、サーモパイル22で投入した貯蔵物25の温度検出を行う例を示したが、例えば、サーモパイル22で切替室4の温度を検出して切替室ダンパ15を開・閉を行い、切替室4の温度を調整するようにしてもよい。即ち、温度検出手段であるサーモパイル22のみで、貯蔵室内の空気温度の温度検出と貯蔵物の表面温度の温度検出の両方を行わせてもよい。
【0151】
過冷却冷凍過程における貯蔵物の温度T1を、操作パネル60に直接数値で表示するようにしてもよい。ユーザが貯蔵物の表面温度T1を見ることができ、過冷却冷凍や通常の冷凍などの進行状況を確認できるようになる。
【0152】
ここで、過冷却冷凍(過冷却凍結)についてもう少し詳しく説明する。この発明の実施の形態に係る冷蔵庫1は、過冷却を安定的に実現するために必要となる安定した温度環境を維持し、食品への冷気直接吹き付けの温度、風速、風量、タイミングなどの温度や冷気を調整する制御機構、食品を収納するケース等の構造と、過冷却解除を確実に実現するために必要となる過冷却完了を判断する装置または制御機構、および過冷却解除に必要とされる刺激を与える装置または制御機構とを備える。また、過冷却解除後の質のよい凍結を維持するための冷却および保存の機能も備えている。
【0153】
ここで、過冷却凍結は、食品温度により以下の5つの状態に分かれる。
(1)未凍結状態 食品温度が、その食品の凍結点以上である。
(2)過冷却状態 食品温度が、その食品の凍結点以下でありかつ凍結していない状態。食品温度が低下し続けるので、過冷却状態であることがわかる。
(3)過冷却解除 食品温度が凍結点以下の温度から凍結点に戻ったとき。
(4)凍結開始〜凍結完了状態:食品が凍結点に達して相変化(水であれば、液体の水から固体の氷に変化すること)を起こし、一定温度で推移する状態。
(5)凍結完了・冷凍保存状態:食品が(4)の過程を経て凍結した状態。
【0154】
ここで、主な食品の凍結点を説明する。牛肉/豚肉であれば−1.7℃、マグロであれば−1.3℃、バレイショであれば−1.7℃、イチゴであれば−1.2℃、リンゴであれば−2.0℃である。(参考文献:総合食料工業、922頁(1975年))
【0155】
(1)〜(2)の状態では、過冷却突入(食品を未凍結状態のまま凍結点以下の温度にすること)のために必要な条件と過冷却を深化させる(過冷却状態のときに到達する温度を低くすること)条件を、(3)では過冷却状態を解除し凍結を開始するための条件を、(4)、(5)では過冷却凍結した食品の良さを保つための条件がある。(1)〜(3)をコントロールして十分に深い過冷却度(食品の凍結点と過冷却して到達した温度の温度差)を得ると(4)、(5)によりその効果が消失することはない。但し過冷却状態にあるとき、食品の出し入れで長時間扉を開放し、あるいは、設定温度を凍結点温度以上にして過冷却室内の温度が例えば0℃以上になり過冷却状態が解除された場合は、再び状態(1)から再スタートすることになる。
【0156】
次に(1)〜(3)の工程について述べる。
先ず食品として厚さ15mm、150gの牛肉を投入したときの検討結果に基づいて述べる。本発明の冷蔵庫1の過冷却室(過冷却スペースに同じ)における過冷却条件について説明する。過冷却の条件設定時に注意すべき点は、冷却速度および冷却される食品の芯温の最低到達点(過冷却状態で到達する温度)と凍結点との差等である。冷却速度が速すぎると、食品全体の温度が不均一な状態で冷却されるため、(食品の表面温度と芯温の差が大きい)凍結している部分と未凍結部分とができる。氷結晶は氷核を中心に成長するため、該食品の一部分でも凍結してしまうと、そこから未凍結部分の水分を取り込みながら成長することになる。その結果、針状の大きな氷結晶ができることになる。細胞間などに生じた針状氷結晶や大きな氷結晶は、細胞中の水分流出や細胞破壊の原因となり、該食品解凍時のドリップ流出を引き起こす。
【0157】
その結果として、食品本来のうまみが減少したり、遊離アミノ酸などの栄養分が減少したり、食感が悪くなったりする。一方、冷却速度が遅すぎると、過冷却状態の維持については問題ないが、未凍結状態が長くなることで、細菌繁殖、酸化促進などにより食品品質が悪化することが問題となる。つまり、凍結点までは表面温度と芯温の差が小さくなるように冷却し、凍結点以下の温度に達した場合(過冷却状態)は冷却速度を上げて、芯温の最低到達点に早く到達するようにして過冷却を解除することで未凍結状態が長くならないようにする。このように食品が凍結点まで、凍結点以下の過冷却状態まで、過冷却解除され、完全に凍結するまでのそれぞれの温度制御、冷気調整を連続してまたは段階的に行うようにする。このような問題を解決するために、過冷却スペースに抗菌機能をつける方法もある。抗菌機能としては、紫外線、オゾンを用いる方法などが挙げられる。
【0158】
本実施の形態では、過冷却冷凍を行う貯蔵室(例えば、切替室4)内に静電霧化装置200を設けるようにしている。静電霧化装置200を設けることで、過冷却状態を維持している時に静電霧化装置200を動作させてナノミスト化した水滴を貯蔵室内に噴霧しナノミスト中のオゾン、ラジカルなどにより細菌繁殖、酸化促進などを抑制することができるので、過冷却冷凍制御時に冷却速度を遅くして過冷却状態を長期間維持し、未凍結状態を長くしても、食品本来のうまみが減少したり、遊離アミノ酸などの栄養分が減少したり、食感が悪くなったりすることを抑制でき、また、過冷却状態(未凍結状態)で長期間保存できるので、解凍の必要がなく、しかも食品本来のうまみが得られ、遊離アミノ酸などの栄養分が減少せず、食感の良い保存食品が得られる冷蔵庫、冷蔵庫の食品保存方法が得られる。
【0159】
また、微細化したナノミスト化した水滴を噴霧できるため貯蔵室内に均一に噴霧できるので、ナノミスト化した水滴により貯蔵物の鮮度保持、乾燥化が抑制できる。従って、過冷却状態の貯蔵物や過冷却冷凍中の貯蔵物や通常冷却中の貯蔵物の鮮度が維持でき、しかも乾燥化するのを抑制でき、食品品質が悪化することがなくなり、新鮮でしかも清潔で信頼性が高く冷却や冷凍や過冷却や過冷却冷凍の行える冷蔵庫1を提供できる。
【0160】
過冷却冷凍の場合には、最大氷結晶生成帯(−1℃〜−5℃)を含むこの近辺の温度帯(−1℃〜−10℃付近)で凍結しない過冷却状態を維持して留まる時間(過冷却状態であり凍っていない状態を維持できる時間)は、通常冷凍や急速冷凍などに比べて長い(通過する時間が長い)。しかし、過冷却状態であれば、最大氷結晶生成帯(−1℃〜−5℃)を含むこの温度帯(−1℃〜−10℃付近)の通過時間が長くても凍結後の氷結晶が大きくならず、微細な氷結晶を略均一に作ることが可能である。最大氷結晶温度帯を含むこの近辺の温度帯を使用する冷凍の中で、本発明の過冷却冷凍の考え方は、小さな氷結晶を数多く形成させ、品質の良い冷凍とするという点では、新規の冷凍方法である。また、本発明の過冷却冷凍においては、過冷却状態が解除されると凍結が開始し、温度が変化しない相変化状態を経て完全に凍結するのであるが、過冷却状態を経ていれば、その後の凍結の過程で最大氷結晶生成帯を通過する時間が長くても(最大氷結晶生成帯に長時間留まったとしても)、氷結晶が肥大化することがなく、氷結晶が微細で食品全体に略均一であり、良質な過冷却冷凍が行えることを確認しており、この点においても新規の冷凍方法であるといえる。
【0161】
過冷却状態を経ていれば、その後の凍結過程に長時間かかったとしても、氷結晶状態にほとんど影響はないので問題無いが、過冷却状態が解除されて凍結過程に入ったときに急速に冷凍してやれば、氷結晶が肥大する可能性がさらに低くなるので、良好な食品品質を得ることができる。また、氷結晶に関する以外の食品品質低下要因(例えば、細菌繁殖など)についても回避することができるので、さらに品質の良い冷凍が行える。
【0162】
以上、これまでは過冷却状態に入った食品を過冷却解除して凍結させた場合について述べてきたが、過冷却状態に入った食品を必ずしも凍結させる必要はない。凍結させないで過冷却状態を維持する過冷却保存メリットとしては、凍結温度以下、即ち通常であれば凍ってしまうような温度で保存しているにも関わらず100パーセント凍っていない、氷結晶が全くできていない状態であるため、低温で保存しながら氷結晶による食品構造の変化をほとんど受けないという点が挙げられる。より低温で保存することは食品の様々な化学変化を抑制できるという点で鮮度推持に有効であるが、この低温保存と未凍結であるという両方のメリットを本発明(過冷却保存や過冷却冷凍)では達成できる。また、過冷却状態であり凍っていない状態なので、食品を解凍する必要もない。しかし、過冷却状態であるということは未凍結状態であり、食品中の水分が未凍結であるということは、細菌繁殖や様々な化学変化にその水分が利用される可能性があるが、本発明のように過冷却状態を経てから冷凍させる過冷却冷凍を行えば、食品品質が良好な状態で維持できると考えられる。従って、過冷却状態での保存(過冷却保存)は、凍結したもの(過冷却冷凍)よりも食品品質が劣る(注意を払う必要がある)可能性があるが、短期的な保存(例えば1〜3週間程度)であれば問題ないレベルである。
【0163】
ここで、過冷却冷凍制御が行われる貯蔵室(例えば、切替室4)内に設けられた静電霧化装置200は、過冷却冷凍制御の開始(例えば、操作パネル60に設けられている瞬冷凍スイッチ60cの操作)と同時に動作させても良いし、過冷却冷凍制御の途中から動作させても良い。ここで、静電霧化装置200の動作の終了は、冷却板210の吸熱フィン部211や吸熱フィン部211に結露した結露水が凍結しない所定温度(例えば、凍結点温度、水の場合は0(ゼロ)℃)とすればよい。
【0164】
即ち、操作パネル60に設けられている瞬冷凍スイッチ60cが操作されると、過冷却冷凍制御が開始され、貯蔵室内の温度が除々に低下していくが、このとき過冷却冷凍制御の開始(例えば、操作パネル60に設けられている瞬冷凍スイッチ60cの操作)と同時、あるいは、過冷却冷凍制御の開始後所定時間経過後に静電霧化装置200を動作させて、貯蔵室(例えば切替室4)内に設置された第1の温度検出手段である切替室サーミスタ19(あるいは第2の温度検出手段であるサーモパイル22で代用可能)の検出温度が所定温度に到達した時点で、静電霧化装置200の動作を終了させるようにしている。
【0165】
ここで、操作パネル60に設けられている瞬冷凍スイッチ60cが操作された場合に静電霧化装置200を動作させ、所定時間経過後に過冷却冷凍制御を実施するようにしても良い。このように過冷却冷凍制御の開始前に静電霧化装置200により貯蔵室に結露水を噴霧できるので、貯蔵物がうるおった状態で過冷却状態での保存や過冷却冷凍状態での保存が行える。
【0166】
ここで、静電霧化装置200の高電圧電源部250が結露や凍結により故障する恐れがある場合、静電霧化装置200の高電圧電源部250を、静電霧化装置200と一緒にキット化せず別体にして貯蔵室内に設置せず、例えば凍結や結露などの危険のない制御装置30内に別体として設置すればよい。また、静電霧化装置200の近傍に加熱手段を設ければ、過冷却冷凍や冷凍を行う貯蔵室内に静電霧化装置200を設置して、冷凍保存している場合に冷却板210や電極保持部220や放電電極230などが凍結しても加熱手段に通電することで溶かすことができ、貯蔵室内温度が上昇した場合に即座に静電霧化装置200の再使用が可能となる。操作パネル60に設けられているミスト噴霧スイッチ60eを操作したときも静電霧化装置200は動作する。
【0167】
ミスト噴霧装置(静電霧化装置200)の初期設定として、ミスト噴霧装置(静電霧化装置200)の動作はミスト噴霧スイッチ60eを操作したときのみ動作するように設定しておき、後でユーザが部屋選択スイッチ60aで部屋の選択をしたときや温度帯切替スイッチ60bで貯蔵室の温度設定を行ったときにミスト噴霧装置(静電霧化装置200)を動作させるタイミング(静電霧化装置200が動作するタイミングの設定を瞬冷凍スイッチ60cの操作と連動して動作・停止させるのかや所定時間間隔で動作させるのかや扉の開閉と連動させて動作・停止させるのか、外気温度や貯蔵室内の温度と連動して動作・停止させるのかや圧縮機12や冷気循環用ファン14のオン、オフと連動して動作・停止させるのかやダンパ装置の開閉と連動して動作・停止させるのかなど)の設定や動作時間の設定できるようにして、ミスト噴霧スイッチ60eを操作しなくても静電霧化装置200が他の操作スイッチの操作や他の貯蔵室内の温度や扉の開閉や圧縮機12や冷気循環用ファン14のオン、オフなどと連動して動作するようにしても良い。
【0168】
また、少なくとも1つの貯蔵室に直接冷却用風路と間接冷却用風路の両方を備えるようにして、ダンパなどの流量制御手段も設けて間接冷却と直接冷却を切り替えられるようにすれば、急速冷凍、通常冷凍、過冷却冷凍、過冷却保存に切替可能な貯蔵室を備え、しかも静電霧化によるナノミストの噴霧が可能な冷蔵庫1や貯蔵庫を提供できる。また、間接冷却と直接冷却を切り替える(使い分ける)ようにすることができるため、間接冷却に切り替えることより貯蔵室(例えば切替室)を高湿度にでき、しかもナノミストを噴霧することで高湿度状態を維持できる野菜収納室としても使用できるので、清潔で新鮮な野菜の保存が可能な冷蔵庫1や貯蔵庫を提供できる。また、貯蔵室に静電霧化装置200を配置しているので、微細化したナノミストを貯蔵室内に均一に噴霧することができ、貯蔵室内の除菌、抗菌、鮮度保持、乾燥化防止なども行える。
【0169】
また、高品質冷凍機能として、従来の急速冷凍に加え、過冷却冷凍機能を採用しており、しかも静電霧化装置200を備えることができるので、従来よりも少ないエネルギーでしかも乾燥化が抑制できる高品質冷凍、即ち、地球環境対策として省エネルギー冷凍を実現することができるという効果を有する。
【0170】
また、過冷却をおこすためのスペース内に冷気を導入し、冷却温度を複数に変化できる温度制御できる冷却構造を採用すれば、従来と大きく変わらない冷蔵庫の構造、制御で、食肉などの食品の過冷却冷凍を実現でき、しかもナノミストを噴霧可能なため貯蔵室内の除菌、抗菌、乾燥化防止もできるという効果を有する。
【0171】
本発明によれば、温度検知手段として例えば赤外線センサを使用しているので、食品の表面温度を測定することが可能であり、より食品に近い温度(例えば、食品の表面温度)を検出でき、ひいては過冷却冷凍の成功率が上昇し、食品品質の良好な冷凍保存(過冷却冷凍)を提供できる。
【0172】
本発明によれば、過冷却状態を経て凍結した過冷却冷凍機能を備えるので、凍結時にできる氷結晶の大きさ、形状が食品本来の構造を破壊しにくい品質の良い冷凍が行える。また、氷結晶が小さいので、氷結晶が破壊されても元の状態に近い状態を得ることができ、解凍したときに食品の味や食感や保存状態など食品品質が良好といえる。また、過冷却状態を経て凍結した過冷却冷凍を備えるので、氷核が小さく微細であり、また、氷核が食品など冷凍対象物全体に渡って略均一となるため、通常冷凍や急速冷凍の場合に比べて食品品質が良好である。また、微細化したナノミストを貯蔵室内に均一に噴霧を行なえるので、除菌、抗菌、乾燥化防止もできるという効果を有する。
【0173】
また本発明の冷蔵庫1において過冷却冷凍を実施した食品は、過冷却状態をつくるときの冷却速度がゆっくりであるので、食品内部まで均一に温度が下がってから同時に氷結晶ができはじめ、一部に生じた氷結晶が不均一に成長することがなくなり、食品内部にできる氷結晶の大きさが小さく略均一となるため、食品品質を維持することができ、しかも静電霧化装置200を設置すれば、食品の乾燥化の防止、貯蔵室内の除菌、抗菌などが行えるので、貯蔵物を過冷却状態で長期間保存しても食品品質が劣化しにくい。
【0174】
本発明の冷蔵庫1は、冷却器13から循環する冷気により収納する食品を0℃から冷凍温度帯の温度まで連続してまたは段階的に温度調整可能な冷凍室6と、冷凍室6の冷気吹出し口から吹出され冷却器13に吸い込まれる冷気を取り入れ食品を凍結点以下の温度でも凍らない過冷却状態に維持する冷凍室6内に配置された冷却室と、冷却室に貯蔵された食品が過冷却状態を得るように冷凍室6の温度を−2℃以下で−15℃以上に設定する温度設定手段と、冷却室に収納した食品周囲の風速を抑え冷却室に貯蔵された食品を過冷却状態に維持するように冷凍室6内に吹出し冷却室に取り入れる冷気を調整する冷気調整手段と、冷却室に収納した食品周囲の風速や温度などを変更して過冷却状態を解除する過冷却解除手段と、過冷却が解除された後に食品周囲の風速を大きくしたり食品周囲の温度を低下させるようにして食品を急速に冷却して0℃よりも低い設定温度にて冷凍保存を行う冷凍温度設定手段と、を備えるようにしており、省エネルギーで高品質冷凍を実現できる。
【0175】
なお、本実施の形態では、過冷却冷却や過冷却冷凍や急速冷凍が行える貯蔵室としては、切替室4以外でも良く、冷凍室6や野菜室5などの他の貯蔵室であっても直接冷却用風路と間接冷却用風路を備えて、風路を切替可能とすれば、過冷却冷凍や急速冷凍が行えるようにできる。そうすると貯蔵室を選ばずユーザの好みで好きな貯蔵室を好きな温度帯や過冷却冷凍に設定でき、ユーザにとって使い勝手の良い冷蔵庫や貯蔵庫が提供できる。また、静電霧化装置200は、どの貯蔵室(例えば、冷蔵室2、切替室4、野菜室5、冷凍室6など)であっても貯蔵室内の制御される温度帯によって加熱手段を設けるなどすれば設置可能である。
【0176】
(静電霧化装置動作中の表示)
次に、静電霧化装置200には、カバー300に静電霧化装置200が動作中かどうかをユーザが視覚にて確認できるように視認手段が設けられている場合について、冷蔵庫1の例で視認手段について説明する。本実施の形態では、図4、図5、図18〜図20に示すように静電霧化装置200のカバー300内あるいはカバー300そのものに静電霧化装置200が動作中かどうかをユーザが視覚にて確認できるように例えばLEDの静電霧化装置照明600が少なくとも1個設けられている。静電霧化装置照明600は、静電霧化装置200が動作中の時に点灯するようにしており、貯蔵室の開閉ドア(扉)が開放されたときに静電霧化装置200が動作中であれば点灯や点滅可能なようになっており、ユーザが視認できるようにしている。ここで、貯蔵室の開閉ドア(扉)が開放されたときに静電霧化装置200が動作中でない場合には、静電霧化装置照明600は庫内照明として使用すれば良く庫内照明として使用できそうな色(例えば、白色など)で連続点灯させれば良い。仮に貯蔵室の開閉ドア(扉)が開放されたときに静電霧化装置200が動作中のときは、静電霧化装置照明600を点滅や消灯させるなどして静電霧化装置200が動作中でなく庫内照明として使用しているときと異なる点灯方法でユーザに視認させるようにすれば良い。
【0177】
静電霧化装置照明600をカバー300内部に設ける場合で、前面あるいは両側面にはユーザの指が挿入できない程度の大きさの開口である開口部(例えば、前面開口部515あるいは側面開口部(図示せず)や上面開口部(図示せず)や下面開口部(図示せず))が1つあるいは複数設けられている場合には、静電霧化装置照明600(例えば、LEDやランプなど)の光が開口である開口部から貯蔵室内に漏れるような位置に設置しておけば、特別な工夫をしなくても静電霧化装置200が動作中であることを知らせることができる。また、庫内照明と兼用する場合であっても、別途、庫内照明を設けなくとも貯蔵室内を照射できるので、十分な明るさを確保できる。逆にカバー300に対する開口である開口部の位置や数を貯蔵室内を満遍なく十分な明るさで照射できるように設定すれば、静電霧化装置200の動作中に貯蔵室内を照射できるので、特別な工夫をしなくても静電霧化装置200が動作中であることを知らせることができる。また、庫内照明と兼用する場合であっても、別途、庫内照明を設けなくとも貯蔵室内を満遍なく照射できるので、庫内照明の代用が可能となる。
【0178】
ここで、静電霧化装置照明600に2色発光可能なLEDあるいは発色の異なるLEDを2個以上使用すれば、貯蔵室扉が開放しているときに点灯する庫内照明として使用する白色LEDと、静電霧化装置200の動作中の時に点灯する静電霧化装置用照明として使用する青色や緑色や赤色のLEDとを使い分けることができる。また、静電霧化装置200が動作中であることをユーザに目視にて知らせる手段としては、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の扉に設けられている操作パネル60に「静電霧化装置点灯中」などの表示を行ったり、あるいは静電霧化装置動作中を表す専用の照明(LEDなど)を設けるなどして青色や緑色や赤色に発色させることでユーザに容易に知らせることができる。
【0179】
また、静電霧化装置200の動作の強さ(例えば、印加電圧の大きさやミスト噴霧の噴霧量など)で貯蔵室内のミスト噴霧量の大きさや除菌度合い(除菌の強さ)を大、中、小の表示や棒グラフなどグラフの大きさで表わしたり、また、マークや図形(例えば、葉っぱマークなどの図形や四角や丸など単純な形状の図形)などの大きさや数で表示するようにすれば、ユーザに即座にミスト噴霧量や除菌度合いなどが視認できる。また、使用電力量や電気代やCO2排出量などを葉っぱマークなどの図形で表示する場合には、その図形を複数分割してその分割数に応じて色を変えるなどして色に変化した分割部分の数でミスト噴霧量や除菌度合いなどを表示させても良い。このようにすると、使用電力量や電気代やCO2排出量などの図形表示で、ミスト噴霧量や除菌度合いなども一緒に表示させることができるので、表示部位がコンパクトになり、しかも表示させるための液晶などが少なく制御も容易になるので、安価でコンパクトな表示装置、冷蔵庫が得られる。また、使用電力量や電気代やCO2排出量などと合わせてミスト噴霧量や除菌度合いなどが一箇所の表示部分を目視するだけで即座にユーザに視認できるので、複数場所を見なくても良くなるので、ユーザにやさしい冷蔵庫1を得ることができる。
【0180】
ここで、カバー300の少なくとも一部を透明や白色や乳白色や黄色や水色など内部の光を透過できる色で厚さの薄い樹脂材料かあるいは内部の光が外部より視認できるように透明や半透明や厚さの薄い樹脂材料(例えば、白色系や黄色系や青色系や緑色系などの厚さの薄い樹脂)などで形成し、カバー300の内部に静電霧化装置照明600を少なくとも1個(好ましくは複数)設けて、カバー300の内部からカバー300全体を有色(例えば赤やオレンジや青や紫など)で発光させても良い。カバー300の色でカバー300を発光させても良いし、静電霧化装置照明600の発光色でカバー300を発光させても良い。この場合、カバー300の前面にカバー300の内部の光が漏れないように開口やスリットなどを設けないようにして、カバー300の側面や上下面などに冷気やナノミストが通過できるように開口やスリットを設けるようにすれば、カバー300内に設ける静電霧化装置照明600を除菌や抗菌や脱臭効果のある波長の光(例えば、人体に影響のない程度の紫外線など)を発光するLEDなどにすることで、カバー300の前面から光が漏れてユーザーに直接光が当たることがないので人体への影響もなくなり、また、静電霧化装置照明600で除菌や脱臭効果が得られ、ナノミスト噴霧による除菌や脱臭効果が向上する。
【0181】
このようにカバー300内に静電霧化装置照明600を設けると、カバー300が広範囲(例えば、カバー300の全体、あるいはカバー300の少なくとも一部)に発光させることができるので、静電霧化装置200の前面など静電霧化装置200の周辺に食品などの貯蔵物が収納されたとしても貯蔵物と貯蔵物との間からカバー300が発光しているのが目視で即座に確認できる。また、カバー300に直接「ミスト噴霧動作中」のように静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)が動作中であることを表示しても良い。
【0182】
(静電霧化装置動作中表示の庫内照明利用)
ここで、上述では、静電霧化装置200に静電霧化装置照明600を設けて静電霧化装置200の動作中を目視にて視認させる例を説明したが、貯蔵室である、例えば、冷蔵室2内の貯蔵室内(庫内)の照明装置900を利用して静電霧化装置200の動作中を目視にて視認させるようにしても良い。即ち、貯蔵室内の照明装置900に静電霧化装置200の動作中を表示させるように兼用させてもよい。
【0183】
図21は本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の概略側断面図である。本実施の形態の冷蔵庫1は、貯蔵品(食品等)を収納するための空間を有する冷蔵室2、製氷室3(図示せず)、切替室4、野菜室5、冷凍室6など複数の貯蔵室を備えている。また、ヒンジ式の冷蔵室扉7、引き出し式の製氷室扉8(図示せず)、切替室扉9、野菜室扉10、冷凍室扉11を有し、これら各扉は室内と室外との間で空間の開放/遮蔽を行う。冷蔵庫1の最上部に設けられた貯蔵室である冷蔵室2内には複数の庫内棚80(載置棚)が設けられており、最下段に設けられた庫内棚80の下方には略密閉された容器2X,2Yが設けられており、+3℃〜−3℃程度のチルド温度帯に温度制御されるチルド室として使用されたり、+3℃〜+5℃程度の野菜室温度帯に制御される野菜室や野菜保存容器として使用される。冷蔵室2の下方には切替室4が設けられ、切替室4の下方には野菜室5が設けられている。また、冷蔵庫1の最下部で野菜室5の下方には冷凍室6が設けられている。以下においては、冷蔵室扉7、庫内棚80(積載棚)等を有する冷蔵室2について説明するが、これに限定するものではない。
【0184】
ここで、図21に示すように、冷蔵庫1は略直方体の形状をしており、冷蔵庫1の設置方向に基づき、扉を有する手前側の面を前面とし、前面に対する後側の面を後面とする。また、図21における上側(天井側)を上面とし、下側(床側)を下面とし、その他の2面を側面(ここでは正面からみて左側を左側面とし、右側を右側面とする)とする。そして、冷蔵室扉7で開閉を行う冷蔵室2には、貯蔵品を積載するための複数の庫内棚80(積載棚)を上面(あるいは下面)に対して略平行となるように並列に複数配置して冷蔵室2内を区画し、貯蔵品の収納性を高めるようにしている。
【0185】
また、本実施の形態では、制御装置30は、冷蔵庫1の最下段に設けられた貯蔵室(例えば、冷凍室6)の下方で冷蔵庫1の底面壁に設けられており、冷蔵庫1を構成する各手段を制御する。もちろん、制御装置30(制御手段)は、冷蔵庫1の最上段に設けられた貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の背面上部に設けても良い。制御装置30は、主として冷蔵室2内の照明を行うための照明装置900が有する複数のLED910(LED910a,LED910b,LED910c,LED910d,LED910e,LED910f)に係る制御を行う。
【0186】
図22は本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の正面斜視図である。図22に示すように、冷蔵室2の内壁の側面部分(以下、内側壁2Pという)に、例えば、白色光等、使用者が貯蔵品を視認できるようにするための可視光を発する複数のLED910を光源とする照明装置900が設置されている。本実施の形態においては、内側壁2Pにおいて、庫内棚80の前縁よりも前側(冷蔵室扉7寄り)の位置に照明装置900を設けるようにして庫内棚80上に貯蔵物を収納した場合でも照明装置900のLED910の発光した光が貯蔵物で隠れてしまわないようにしている。また、上下方向に関しては、照明装置900のLED910の発光した光が庫内棚80によって影響を受けにくいように照明装置900が有する複数のLED910が複数の庫内棚80のうちの隣り合う2つの庫内棚80間の略中間に位置するように配置している。
【0187】
図23は一般的なLED910の発光特性を表す図である。図のように、LED910は一般に発光に係る光の指向性が強い。そのためLED910の発光面とは垂直となる光軸915方向に対する光度が最も高く、光軸915から離れるほど光度が低下する。ここでは、例えば、光軸915における光度に対して50%以上の光度で照射する範囲をLED910の有効照射範囲αとする(但し、LED910が発した光により有効照射範囲α以外の部分にまったく光を照射することができないことを意味するものではなく、LED910が発した光により有効照射範囲α以外の範囲は所定の光度が得られない範囲を意味する)。図では、光軸915方向を0°とした場合にα=100度(±約50度)が有効照射範囲αに含まれている場合を表している。また、特に断らない限り、以下、LED910の発光に係る光の方向については、庫内棚80に平行な平面における方向を表すものとして説明する(上下方向の光に関しては特に制限するものではないものとする)。
【0188】
本実施の形態では、複数のLED910(LED910a,LED910b,LED910c,LED910d,LED910e,LED910f)のうちの少なくとも1個を静電霧化装置200用の静電霧化装置照明600として使用するようにしている。例えば、冷蔵室扉7が開放中は、照明装置900の複数のLED910はすべて庫内照明として使用するため、例えば白色に点灯させ、冷蔵室扉7開放中に静電霧化装置200が動作した場合には、庫内の照明装置900の複数のLEDのうち、少なくとも1個のLED(例えば、910a)を点滅させたり、消灯させたりすれば良い。
【0189】
もちろん、静電霧化装置200が動作中に点灯させるLEDの色(例えば、青色や赤色やオレンジ色や黄色など)と庫内照明用に点灯させるLEDの色(例えば、白色)とを、異なる色としてユーザに目視にて簡単に分かるようにしても良い。また、庫内照明用として使用するLEDの色を変えた上で点滅させても良い。また、静電霧化装置200の動作中に点灯させるLEDを複数にして、複数のLEDの色を変更しても良く、また色の異なるLEDを交互に点滅させるようにしてユーザにすぐに分からせるようにしても良い。
【0190】
ここで、静電霧化装置200が動作中に点灯するLEDの色を庫内照明用LEDの色と異なる色とした場合には、静電霧化装置200の動作中に点灯するLEDを静電霧化装置200が動作中のときのみ点灯させ、静電霧化装置200が動作中でない時は消灯させるようにしておけば良い。また、2色(第1色と第2色)発光できるLEDを使用するようにすれば、静電霧化装置200が動作中でないときは、例えば第1色である白色を点灯させて、静電霧化装置200が動作中のときは、第2色(例えば、第1色と異なる色である赤や青や緑や黄色やオレンジなど)を点灯させるようにすれば良い。このようにすれば、静電霧化装置200が動作していない場合でも静電霧化装置200動作中に点灯するLEDが庫内照明として利用できるので、冷蔵室2の冷蔵室扉7が開放時に照明装置900の複数のLEDがすべて庫内照明として利用できるため、庫内が暗くなることがない。しかも静電霧化装置200が動作中の時には、庫内照明として使用される色(第1色:例えば白色)と異なる色(第2色:例えば赤や青や緑や黄色やオレンジなど)で点灯させることができるので、静電霧化装置200が動作中であることが目視でだれでも確認でき、また意匠性も向上する。
【0191】
図24は本発明の実施の形態を表す冷蔵庫1の冷蔵室2を上面からみた図である。前述したように冷蔵室扉7は冷蔵室2の前面に設置している。本実施の形態の冷蔵庫1において、冷蔵室2の前面には、それぞれヒンジ(図示せず)により冷蔵庫1の本体と連結し、いわゆる観音開き式の開閉により冷蔵室2の空間を外部に開放/遮蔽するための冷蔵室扉左7A及び冷蔵室扉右7Bを有する。ここでは、冷蔵庫1に向かって右側にある扉を冷蔵室扉右7Bとし、左側にある扉を冷蔵室扉左7Aとする(特に区別する必要がない場合には冷蔵室扉7として説明する)。
【0192】
また、冷蔵室扉7は内側に、食品収納用のドアポケット72を有している。また、照明装置900は、電気回路を構成したプリント基板913にLED910を複数備え付けて構成している。但し、プリント基板913部分は冷蔵室2内には露出させないようにして見栄えを良くし、また内容積が減少することを抑制している。
【0193】
本実施の形態では、図21に示すように、LED910の略中心と貯蔵室(例えば、冷蔵室2)に載置される庫内棚80の前縁までの距離(長さ)をL1とし、図24に示すように冷蔵庫1の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の横幅(内側壁2Pと内側壁2Pの間)の距離(長さ)をL2、LED910の略中心と貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の内側壁2Pまでの距離(長さ)をL3、載置される庫内棚80の前縁から貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の背面壁までの距離をL4とすれば、本実施の形態では、内側壁2Pに対してLED910の光軸915がなす角度θをTan−1((L2+L3)/L1))<θ<90°となるように配置してLED910の光軸915方向の光が庫内棚80(特に前縁部分)に直接入射しないような方向(例えば、LED910の光軸915が庫内棚80の前縁部分に直接当たらないような方向)にLED910、およびLED910の光軸915を配置して使用者に眩しさを与えないようにしている。ここで、Tan−1はアークタンゼントを表す。
【0194】
ここで、L2>>L3(L2がL3よりも十分大きい)であるので、L2+L3≒L2(L2+L3がL2と略同等)と考えることができるので、Tan−1((L2+L3)/L1)は、Tan−1(L2/L1)と考えてLED910の光軸915を配置しても良い。従って、上述のように考えれば、内側壁2Pに対してLED910の光軸915がなす角度θをTan−1(L2/L1)<θ<90°となるようにしてLED910の光軸915方向の光が庫内棚80(特に前縁部分)に直接入射しないような方向(例えば、LED910の光軸915が庫内棚80の前縁部分に直接当たらないような方向)にLED910、およびLED910の光軸915を配置しても良い。
【0195】
図24(a)では、内側壁2Pに対してLED910の光軸915がなす角度θをTan−1((L2+L3)/L1)より大きい角度、例えばθを70度より大きい角度となるようにしており、LED910の光軸915方向の光が庫内棚80(特に前縁部分)に直接入射しないような方向(例えば、LED910の光軸915が庫内棚80の前縁部分に直接当たらないような方向)にLED910の光軸915が向くように、照明装置900を取り付けて光が庫内棚80の前縁に直接当たって反射光が使用者に眩しさを与えないようにしている。
【0196】
Tan−1((L2+L3)/L1)より大きい角度、例えば角度θを70度より大きくすることで、庫内棚80全体を照射する際に、ムラ等をなくし、バランスのよい照射を行うことができる。ここで、例えば、角度θを70度より大きくしても光軸915方向の光が庫内棚80に入射するような場合には、反射光が使用者に眩しさを与えない等の事情がなければ、基本的には光軸915方向の光が庫内棚80に直接入射しないような向きにすることを優先して設置する方が望ましい。また、角度θの上限については限定するものはないが、冷蔵室2内を照明することが主であるため、角度θが90°以上だと光軸915が冷蔵庫1の庫内側を向かずに庫外側を向くようになるため庫内を照射しなくなる恐れがあるので、内側壁2Pに対してLEDの光軸915の成す角度θは、90°より小さくして庫内側を向くようにした方が好ましい。即ち、内側壁2Pに対してLEDの光軸915の成す角度θは、70°より大きく、90°より小さいことが好ましい(即ち、70°<θ<90°であることが好ましい)。但し、有効照射範囲αの範囲は庫内を照明可能なので、有効照射範囲αを例えばα=100度(光軸915に対して±50度)とすれば、光軸915の設置角度θがTan−1((L2+L3)/L1))<θ<90°+α/2の範囲内であれば、庫内の照明を行え、しかも使用者に眩しさを与えないので良い。
【0197】
但し、照明装置900の内側壁2Pへの取付位置を庫内棚80の前縁よりも庫内側に設ける場合(例えば、L3がマイナスの場合)には、内側壁2Pに対してLEDの光軸915の成す角度θがTan−1((L2+L3)/L1)以下、例えばθが70度以下であっても光軸915方向の光が庫内棚80の前縁に直接当たることがないので、照明装置900を取り付けて光が庫内棚80の前縁に直接当たって反射光が使用者に眩しさを与えることがない。従って、この場合は、光軸915をθ=約70度、LED910の有効照射範囲αを例えば100度(±約50度)程度とすれば、照明装置900のLED910が照射する範囲は、内側壁2Pに対して−α/2+θ<照射範囲<θ+α/2となり照射範囲は20°から120°までの範囲となり、庫内のほぼ全領域を満遍無く照射することが可能になる。
【0198】
また、照明装置900の取付位置が内側壁2Pに対して庫内棚80の前縁よりも前方側の場合(例えば、L3がプラスの場合)で内側壁2Pに対してLEDの光軸915の成す角度θがTan−1((L2+L3)/L1)以下、例えば70度以下の場合について説明する。図25は本発明の実施の形態1における別の冷蔵庫の冷蔵室2の上面図である。この冷蔵庫1においては、内側壁2Pに対するLED910の光軸915の成す角度θをTan−1((L2+L3)/L1)以下として、LEDの光軸915方向の光を庫内棚80の方向に向けている場合を表している。図に示す冷蔵庫1では、内側壁2Pに対するLED910の角度θをTan−1((L2+L3)/L1)以下として、LEDの光軸915方向の光を庫内棚80の方向に向けているために、冷蔵室2の後側(奥側)に集中的に光が照射されやすい。そのため、冷蔵室2内を明るく照らすことができるが、LED910による光軸915方向の光が庫内棚80に直接入射することになるため、庫内棚80の前縁による反射光が冷蔵庫1の使用者の目に強く入射し、眩しく感じてしまう恐れがある。
【0199】
この場合には、庫内棚80の前縁に光を反射しにくい材料の使用や光を反射しにくい皮膜加工や形状(例えば、光沢のない塗装や反射しにくい色の塗装や表面を凹凸加工して反射した光が庫内前面方向でなく側面方向に向かうような形状など)にして光が反射しても眩しく感じないようにすれば良い。従って、本実施の形態では、冷蔵庫1は、内側壁2Pに対するLED910の角度θをTan−1((L2+L3)/L1)以下(例えば、70度以下)にしてLED910の光軸915方向に発した光が直接庫内棚80に入射しても反射による眩しさを軽減させることができ、しかも庫内のほぼ全範囲を満遍無く明るく照射することができ、使用者の目に与える影響が小さく庫内の貯蔵物が夜間でもすぐに確認できる目にやさしい冷蔵庫1を提供できる。
【0200】
ここで、前述したように、照明装置900の光源であるLED910は指向性が強く、光軸915を中心とした有効照射範囲αにおける光が強く照射される。ここで、内側壁2Pに対してLED910の光軸915方向がなす角度θを変化させると、有効照射範囲αも連動して変化する。図25に示す冷蔵庫1では、内側壁2Pに対するLED910の光軸915の角度θをTan−1((L2+L3)/L1)以下(例えば70°以下)として、冷蔵室2内を集中的に照射しているため、冷蔵室扉7が閉塞状態に対してほぼ90度開口した状態の開かれた冷蔵室扉7の内側はLED910の有効照射範囲αの中に含まれなくなる可能性があるため、冷蔵室扉7の内側に設けているドアポケット72には、LED910による光の照射が少なく、暗くなってしまう恐れがある。ドアポケット72は、飲み物、小物等を収納したり取り出したりするのに非常に便利な収納スペースであるため、特に夜間など冷蔵庫1の周囲が暗くなっている場合など使用者の便利を考えると冷蔵室扉7がほぼ90度開口した状態のドアポケット72を照明できるようにすることが好ましいので、有効照射範囲αを考慮して光軸915の設置角度を設定すれば良い。
【0201】
なお、LEDの有効照射範囲αを考慮して内側壁2Pに対するLED910の光軸915の角度θをTan−1((L2+L3)/L1)(例えば、70度)よりも大きくするなどして冷蔵室扉7が閉塞状態に対してほぼ90度開口した状態のドアポケット72を照明できる程度にLED910の光軸915のなす角度θを設定すれば良い。
【0202】
そこで図24で示す冷蔵庫1では、内側壁2Pに対するLED910の光軸915がなす角度θをTan−1((L2+L3)/L1)よりも大きい角度(例えば約75度)にして、冷蔵室扉7が閉塞された状態に対してほぼ90度開口した状態のドアポケット72を有効照射範囲α(の延長線上)に含めるようにしている。そのため、LED910は冷蔵室2内を照射すると同時にドアポケット72も照明することが可能となり、夜間であっても庫内の照明とドアポケットの照明の両方が得られるユーザの使い勝手の良い冷蔵庫1が得られる。また、静電霧化装置200の動作中も照明装置900のLED910を点灯や点滅させることでユーザが即座に認識できる。
【0203】
ここで、内側壁2Pに対するLED910の光軸915がなす角度θがTan−1((L2+L3)/(L1+L4))の時、一般の冷蔵庫ではθが略60度の時が、光軸915がLED910が設置されている内側壁2Pと対向する内側壁2Pが背面壁と交差する角部位置2R(貯蔵室内の奥側角部位置、奥側コーナー位置)方向を向くので、θが略60度の時が一番効率よく貯蔵室内全域を照射可能となる。従って、θがTan−1((L2+L3)/(L1+L4))の時(例えば、約60度)の場合が庫内照明としての観点から考えれば良い。
【0204】
ここで、L4>>L1(L4がL1よりも十分大きい)であるので、L1+L4≒L4(L1+L4がL4と略同等)と考えることができるので、Tan−1((L2+L3)/(L1+L4))は、Tan−1(L2/L4)と考えて、LED910の光軸915を配置しても良い。θがTan−1((L2+L3)/(L1+L4))以下(例えば、略60度以下)の場合には、上述したようにLED910から発せされる光が庫内棚80の前縁に反射してユーザに眩しさを与える可能性があるが、θが30度以上60度以下程度であれば反射の方向が冷蔵庫1正面側に立って庫内を視認するユーザには眩しさを与える方向ではないので、ユーザに眩しささを与えてユーザが使いにくいという可能性は低いと考えられる。また、ユーザに眩しさを与える可能性がある場合は、庫内棚80の前縁に反射光を和らげる材料の部材や光を吸収して反射光を弱くする部材などを設ければ良い。
【0205】
ここで、内側壁2Pに対するLED910の光軸915がなす角度θは、LED910の有効照射範囲αを考慮するとTan−1((L2+L3)/(L1+L4))程度がよい。但し、なす角度θをTan−1((L2+L3)/(L1+L4))程度にすると、庫内棚80の前縁に光が反射して使用者が眩しく感じる恐れがあるし、冷蔵室扉7が閉塞された状態に対してほぼ90度開口した状態のドアポケット72が照射されにくくなる可能性があるので、θはTan−1((L2+L3)/(L1+L4))程度<θ<90度の範囲内に設定するのが良いが、θが90度に近くなると有効照射範囲αを考慮すると、θが例えば約90度、有効照射範囲αが例えば100度(光軸915に対して±50度)とすれば、照射範囲は40度から150度の範囲となり照射範囲が150度の場合には使用者(ユーザ)に眩しさを与える可能性があるので、θはTan−1((L2+L3)/
(L1+L4))程度<θ<Tan−1((L2+L3)/L1)程度の範囲内に設定した方が、有効照射範囲αを考慮したときには使用者に眩しさを与えず、庫内の広い範囲を照射できるので良い。
【0206】
以上のように本実施の形態1によれば、LED910を庫内照明に使用したので、発熱量が少なく、低消費電力による省エネルギな冷蔵庫1を得ることができる。また、庫内照明に使用される複数のLED910のうちの少なくとも1個を静電霧化装置200の動作中に点滅させたり、照明に使用する発色とは異なる他色で点灯させたりできるので、別途静電霧化装置200のために照明装置を設ける必要がなくなり、また、他色で点灯させることにより意匠性も向上し、ユーザが静電霧化装置200が動作中であることが目視にて即座にわかる。
【0207】
また、LED910を照明に利用する際、冷蔵庫1の冷蔵室2内における左右の内側壁2Pに、庫内棚80の前縁よりも前側(冷蔵室扉7側)となる位置に、複数のLED910を上下方向に並べた照明装置900を設け、各LED910が発する光の光軸915と内側壁2Pとがなす角度θをTan−1(L2+L3)/L1)程度(例えば、略70°)より大きく略90度より小さいものとし、また光軸915方向の光が庫内棚80に直接入射しないようにしたので、LED910の光軸915方向の光が庫内棚80の前縁に直接当たることがなく、使用者の眩しさを軽減させることができ、冷蔵室2内の高視認性を確保することができる。また、各LED910が発する光の光軸915と内側壁2Pとがなす角度θをTan−1(L2+L3)/L1)程度(例えば、略70°)より大きくして照明装置900を冷蔵室2内の後方(奥側)に傾けすぎて設置しないようにした場合には、冷蔵室2の前側、即ち冷蔵室扉7が開放状態であっても冷蔵室扉7に設けているドアポケット72も照射することができるため、例えばドアポケット72照明用の専用の照明装置を設ける必要がなく、コスト削減、省エネルギー化に寄与することができる。
【0208】
また、内側壁2Pに対するLED910のなす角度θをTan−1(L2+L3)/L1)程度(例えば、略70°)以下にしてLED910の光軸915方向に発した光が直接庫内棚80に入射するようにした場合でも、庫内棚80の前縁への光の入射角が浅いため反射光が冷蔵庫1前面の使用者に直接当たらず使用者が眩しさの影響を受けにくい場合には、反射による反射光で眩しさを感じることがなく、しかも庫内のほぼ全範囲を満遍無く明るく照射することができ、使用者の目に与える影響が小さく庫内の貯蔵物が夜間でもすぐに確認できる目にやさしい冷蔵庫1提供できる。
【0209】
また、LED910の光軸915方向に発した光が直接庫内棚80に入射するようにした場合で使用者が眩しく感じるような場合でも、庫内棚80の前縁に光を反射しにくい材料の使用や光を反射しにくい皮膜加工や形状(例えば、光沢のない塗装や反射しにくい色の塗装や表面を凹凸加工して反射した光が庫内前面方向でなく側面方向に向かうような形状)にすれば、同様に反射による眩しさを軽減させることができ、しかも庫内のほぼ全範囲を満遍無く明るく照射することができ、使用者の目に与える影響が小さく庫内の貯蔵物が夜間でもすぐに確認できる目にやさしい冷蔵庫1を提供できる。
【0210】
ここで、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の開閉扉(例えば、冷蔵室扉7)の開時に庫内の照明装置900の複数のLED(例えば、LED910a〜910f)を点灯させるが、このとき複数のLED910(例えば、LED910a〜910f)のうち、少なくとも1つ(例えば、LED910a)を静電霧化装置200の動作中の表示に使用する場合には、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の開閉扉(例えば、冷蔵室扉7)の開時に少なくとも1つの、例えばLED910aを点滅、あるいは消灯させるようにすれば良い。あるいは、少なくとも1つのLED(例えば、LED910a)を色の異なる2つ以上のLED(例えば、白色とオレンジ色)で構成し、静電霧化装置200が動作していないときは、庫内照明装置900の点灯色と同系統色(例えば白色)で点灯させ、静電霧化装置200が動作しているときは、庫内の照明装置900の点灯色と異なる色(例えば、非同系統色で例えばオレンジ色)で点灯させるようにしても良い。
【0211】
また、静電霧化装置200の動作中に2つ以上のLED(例えば、LED910a、LED910b)を点灯させる場合には、これら2つ以上のLED(例えば、LED910a、LED910b)は、庫内照明装置900の点灯色(例えば、白色)と異なる色(例えば、青色やオレンジ色や赤色など)とし、静電霧化装置200が動作していないときは、少なくとも2つ以上のLED(例えば、LED910a、LED910b)を庫内照明装置900の点灯色と同系統色(例えば、白色)で点灯させ、静電霧化装置200が動作しているときは、庫内照明装置900の点灯色と異なる色(例えば、非同系統色で例えば青色やオレンジ色や赤色など)で点灯させるようにしても良い。
【0212】
また、これら少なくとも2つ以上のLEDは異なる色であっても良く、また、同じ色であっても良い。また、静電霧化装置200が動作しているときは、少なくとも2つ以上のLEDを交互に点灯、消灯させるようにしても良い。このようにすると意匠性が向上するとともにユーザに静電霧化装置200が動作中であることが即座に認識でき、しかも庫内照明と兼用できるので、低コストの冷蔵庫1が得られる。また、少なくとも1つ以上のLED(例えば、LED910a、LED910b)を色の異なる2つ以上の色で発光可能な複数色発光LEDを使用するようにしても良い。また、庫内照明装置900の複数のLED910のすくなくとも1つ(例えば、LED910f)を静電霧化装置200の動作中を表す専用のLEDとして使用しても良い。この場合は、静電霧化装置200が動作していない場合は点灯せず、静電霧化装置200が動作しているときのみ庫内照明装置900の点灯色(例えば、白色)と異なる色(例えば、オレンジ色など)で点灯させるようにしても良い。
【0213】
また、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の開閉扉(例えば、冷蔵室扉7)の開時に静電霧化装置200が動作していないことが多い場合には、開閉扉(例えば、冷蔵室扉7)が開放されたときよりも所定時間(例えば、60分)以内に動作した場合には、静電霧化装置200の動作中を表す点灯制御を行うようにして良い。このようにすると冷蔵室扉7の開放したときに静電霧化装置200が動作しなくても静電霧化装置200が動作していることがユーザに認識できる。また、操作パネル60に静電霧化装置200が動作中のときのみを表示するのではなく、静電霧化装置200の動作結果や動作予定(例えば、何分前に動作したのかや、次は何分後に動作予定なのかなど)についても表示するようにすれば良い。このようにすると、ユーザが静電霧化装置200の動作中に冷蔵庫1の近くにいなくても、静電霧化装置200の動作状況が目視にて把握できる。
【0214】
以上より、貯蔵室内の照明装置900にLED910を使用し、LED910の略中心と貯蔵室(例えば、冷蔵室2)内に載置される庫内棚80の前縁までの距離をL1とし、貯蔵室の内側壁面(内側壁2P)間距離(貯蔵室の横幅)をL2、LED910の略中心と貯蔵室のLEDが設けられている内側壁2Pまでの距離をL3、庫内棚80の前縁から貯蔵室の背面壁までの距離をL4としたとき、LED910が設けられている内側壁2Pに対するLED910の光軸915のなす角度θを
Tan−1((L2+L3)/(L1+L4))程度<θ<Tan−1((L2+L3)/L1)程度
の範囲内に設定すれば、使用者に眩しさを与えず、また庫内の広い範囲を照射できるので庫内が見やすいし、また、貯蔵室内(庫内)の照明装置900の少なくとも1つを静電霧化装置照明600として使用すれば貯蔵室内(庫内)の照明装置900で静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)が動作中かどうかが即座に視認することもできる。また、有効照射範囲αを考慮すれば扉開放時であってもドアポケット72も照射可能となるため夜間であってもドアポケット72内の収納物が視認できる。
【0215】
また、LED910が設けられている内側壁2Pに対するLED910の光軸915のなす角度θを
Tan−1((L2+L3)/(L1+L4))程度<θ<略90度
の範囲内に設定しても、使用者に眩しさを与えず、また、有効照射範囲αを考慮すれば庫内の広い範囲を照射できるので庫内が見やすいし、また、貯蔵室内(庫内)の照明装置900の少なくとも1つを静電霧化装置照明600として使用すれば貯蔵室内(庫内)の照明装置900で静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)が動作中かどうかが即座に視認することもできる。また、扉開放時であってもドアポケット72も照射可能となるため夜間であってもドアポケット72内の収納物が視認できる。
【0216】
また、LED910が設けられている内側壁2Pに対するLED910の光軸915のなす角度θを
Tan−1((L2+L3)/L1)程度<θ<略90度
の範囲内に設定すれば、LED910の光軸915が庫内棚80の前縁に直接当たらないため使用者に眩しさを与えず、また、有効照射範囲αを考慮すれば庫内の広い範囲を照射できるので庫内が見やすいし、また、貯蔵室内(庫内)の照明装置900の少なくとも1つを静電霧化装置照明600として使用すれば貯蔵室内(庫内)の照明装置900で静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)が動作中かどうかが即座に視認することもできる。また、扉開放時であってもドアポケット72も照射可能となるため夜間であってもドアポケット72内の収納物が視認できる。
【0217】
(静電霧化装置照明の他利用)
また、静電霧化装置照明600や貯蔵室内(庫内)の照明装置900や静電霧化装置200の動作中を表すLED(例えば、LED910a)に、例えばUV−A波長領域にある375nmをピークにもち360nmから400nmの範囲の波長を発光する青色や紫色のLED(例えば、LED910a)を使用し、冷蔵庫1の扉が閉塞中に、例えば所定時間だけ庫内を点灯するようにすれば、人体への影響が無く、野菜などのビタミンを増量させることができる。また、静電霧化装置照明600や貯蔵室内(庫内)の照明装置900や静電霧化装置200の動作中を表すLED(例えば、LED910a)に、例えば590nmをピークにもち、550nmから620nmの範囲の波長を発光する高輝度の暖かみのあるオレンジ色のLEDを使用し、冷蔵庫1の扉が閉塞中に例えば所定時間だけ庫内を点灯するようにすれば、人体への影響が無く、暖かみのある庫内灯として使用でき、また、主に緑黄色野菜の自己防衛機能を刺激しポリフェノールの生合成を促すことにも使用でき、また、光合成によるビタミンCの生合成を促進にも利用できる。従って、冷蔵室2や切替室4などでも効果が得られるが、野菜室5に適用すれば、さらなる効果が得られる。
【0218】
植物は基本的には光合成で生育するが、それ以外に種子発芽、花芽分化、開花、子葉の展開、葉緑素合成、筋間伸長などの植物の質的な変化である光形態形成を行い、その際蓄えた養分をエネルギー源とする。その中でも発芽や開花など野菜保存にふさわしくない光形態形成は、470nm近辺の青色光と660nm近辺の赤色光によって促進される傾向にある。静電霧化装置照明600のLED、貯蔵室内(庫内)の照明装置900のLED910から照射される光は緑黄色野菜の自己防衛機能を刺激してポリフェノールの生合成を促進する波長320〜400nmの範囲にあるため、野菜保存性を低下させない。またブルーベリーやイチゴなどのアントシアニンに対しては黄緑色などの波長の光源であるLED910にて栄養分増加を行う。
【0219】
ポリフェノールとは、ベンゼン環に複数の水酸基或いはメトキシ基が置換した化合物の総称であり、野菜や果物や茶などの作物に含まれている。ポリフェノールのうち、いわゆるフラボノイド類は植物の特に太陽光をよく浴びる部位に含まれる。これは、植物が太陽光に含まれる紫外線に対する自己防衛のために紫外線領域に強い極大吸収を持つフラボノイド類を合成しているものと考えられる。ポリフェノールの主な生理作用は、抗酸化作用とタンパク質機能調節作用である。このため、抗酸化による老化抑止のほか、癌、動脈硬化、糖尿病、循環器疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、アミロイドーシス、肝炎、白内障などを軽減する。
【0220】
紫外線は一般にUV−A波長領域(近紫外、320〜400nm)、UV−B波長領域(中紫外、280〜320nm)、UV−C波長領域(遠紫外、100〜280nm)に別れる。波長が短いほど人体に有害で320nm以下、即ちUV−BおよびUV−C波長領域では遺伝子障害を起こす可能性がある。このため不特定多数の人間が利用する家庭用冷蔵庫にはUV−A波長領域である近紫外線の極力波長の長いLEDを採用することが望ましい。当然ながら人体への影響の無い照射量としたり、構造的に開放扉からもれないなど2重3重に安全性を高められている。
【0221】
即ち冷蔵庫1の庫内への配置など他の光源などと区別せずに簡単な構造で安全性を高めている。もちろん中紫外線領域等の波長を使用し、例えば冷蔵庫扉閉鎖時のみ照射し構造的に扉方向への照射漏れを防ぐことも可能である。その場合は植物の自己防衛機能を刺激する波長の光を自由に選択するがその光源だけを他の光源とは別に特別な配置、構造とする必要がある。静電霧化装置照明600のLED、貯蔵室内(庫内)の照明装置900のLED910は、主に緑黄色野菜の自己防衛機能を刺激しポリフェノールの生合成を促す。静電霧化装置照明600のLED、貯蔵室内(庫内)の照明装置900のLED910は、例えば590nmをピークにもち、550nmから620nmの範囲の波長を発光する高輝度のLEDで庫内灯として、また、光合成によるビタミンCの生合成を促進にも利用する。これら波長の光を単独にて、または他の波長領域の光を組み合わせて使用してもよい。
【0222】
(静電霧化装置の戻り風路への適用)
以上は、静電霧化装置200を貯蔵室内に設置して貯蔵室内と冷却風路内との温度差で貯蔵室内に設置された冷却板210の吸熱フィン部211に結露させてミストを噴霧させる場合について上述してきたが、貯蔵室(例えば、野菜室5)内の冷却を他の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)内を冷却した冷気を戻り風路を介して冷却している場合には、貯蔵室(例えば、野菜室5)内に静電霧化装置200を設けなくても良く、他の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)からの戻り風路内に設ければ良い。この場合、戻り風路内を流れる戻り冷気は、他の貯蔵室を冷却して温度が上昇しており、冷却風路内の冷却冷気よりも温度が高く冷却板210の吸熱フィン部211を戻り風路内に設け、冷却風路内に放熱フィン部212を設けるようにすれば冷却板210に温度差が利用できるので、吸熱フィン部211に結露水を生成させることが可能となり、戻り風路内にミストを発生させることができる。従って、戻り風路内で発生した微細化されたナノミストは、戻り風路内を流れて貯蔵室(例えば、野菜室5)内に到達し、貯蔵室内を均一にミスト噴霧することが可能となる。
【0223】
このようにすると、貯蔵室内に静電霧化装置200を設ける必要がないので、貯蔵室内の内容積を大きくすることが可能となる。また、冷蔵庫1の前面側から静電霧化装置200がメンテナンス可能なようにしても良い。他の貯蔵室(例えば、冷蔵室2)から貯蔵室(例えば、野菜室5)までの戻り風路が背面壁の奥側に設けられている貯蔵室(例えば、切替室4や野菜室5など)のうち、静電霧化装置200が設けられた部位の貯蔵室(例えば、切替室4や野菜室5など)の背面の仕切り壁51(断熱壁)の少なくとも一部が貯蔵室内側から取り外せるようにして、静電霧化装置200のメンテナンスが可能なようにすればよい。この場合も静電霧化装置200をキット化してキット化部品512にして戻り風路内に取り付ければ、静電霧化装置200のメンテナンスや部品交換が容易になる。また、リサイクル時や分解時にも分別回収可能となるので、リサイクル性が向上する。
【0224】
(ペルチェ素子の利用)
また、上述したように貯蔵室内や戻り風路内に冷却板210の吸熱フィン部211を設け、冷却風路内に冷却板210の放熱フィン部212を設けるのが難しい場合には、吸熱フィン部211と放熱フィン部212との間に熱伝導部213の代わりに例えばペルチェ素子(2種類の金属の接合部の間に電流を流して片方の金属からもう片方の金属熱が移動するペルチェ効果を利用した板状の半導体素子であって、直流電流を流すと一方の面が吸熱し、反対面に発熱が起こることで一方の面と反対面間に温度差を発生させる手段)を設けるようにすれば、吸熱フィン部211で吸熱し放熱フィン部212放熱させることができるので、吸熱フィン部211と放熱フィン部212の両方をともに貯蔵室内や戻り風路内に設ければ良くなるので、構成が簡単になり、取付やメンテナンスなどが容易になる。また、電流の大きさで吸熱フィン部211と放熱フィン部212との間の温度差を調整できるので、必要な結露水を貯蔵室内の温度などから設定できるので、結露水が不足することを回避でき、安定してミスト噴霧が行える冷蔵庫1得られる。
【0225】
このように吸熱フィン部211で吸熱し放熱フィン部212放熱させることができるので、吸熱フィン部211と放熱フィン部212との間に熱伝導部213の代わりに例えばペルチェ素子(2種類の金属の接合部の間に電流を流して片方の金属からもう片方の金属熱が移動するペルチェ効果を利用した板状の半導体素子であって、直流電流を流すと一方の面が吸熱し、反対面に発熱が起こることで一方の面と反対面間に温度差を発生させる手段)を設けるようにすれば、低温の冷気などが使用できない空気調和機や家電機器などにおいても使用可能となる。冷蔵庫1の場合においては、貯蔵室(例えば、冷蔵室2)の貯蔵室内容積を稼ぐ必要から冷却風路を設けずにできるだけ断熱壁の厚さを薄くしたい部位(天井面や側壁面や下面など)や貯蔵室間(貯蔵室と貯蔵室との間)を仕切る仕切壁や棚(例えば、冷蔵室2と切替室4との間の仕切壁や冷蔵室2と略密閉された容器2X,2Yの間の仕切壁や棚など)など冷却風路が使用できない部位にも設置が可能となる。このとき冷蔵庫1の最上部に設けられた貯蔵室の上面(冷蔵庫1の天井面)に静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)を設置すれば、微細化されたナノミストを効率よく貯蔵室内全域に噴霧することができる。また、必要な低温冷気が流れる冷却風路などを持たず低温の冷気などが使用できない空気調和機や家電機器などと静電霧化装置200の共通化ができ、低コストで抗菌、脱臭、防汚効果の得られる冷蔵庫1や空気調和機や家電機器が得られる。
【0226】
(冷蔵庫側壁への適用)
次に静電霧化装置200を冷蔵庫1の貯蔵室の側壁に適用する場合の一例について説明する。図26は本発明の実施の形態1を示す冷蔵庫1の側断面図、図27は本発明の実施の形態1における冷蔵庫1の冷蔵室2の正面斜視図である。図において、図1〜図25と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。
【0227】
図において、冷蔵庫1の内側壁2Pに設けられた静電霧化装置200が、内側壁2Pに設けられた凹部内に収納されている。静電霧化装置200は、図6〜図11に示したように電極保持部220、直方体(角柱)状あるいは円柱状の放電電極230、放電電極230の突出部231先端の断面形状(略円形)と略相似形状でしかも突出部231の断面(略円形)よりも大きな開口である略円形の開口部241を備えた対向電極240から構成されている。あるいは図12〜図17で示したように、軸方向に細長い角柱状あるいは円柱状の本体部232と本体部232から軸方向に対して略直角方向に突出し、対向電極240に向かって細くなる角錐状あるいは円錐状の突出部231とを備えた放電電極230、放電電極230を保持・収納する電極保持部220、放電電極230に電圧を印加するための通電部材280、放電電極230の突出部231先端の断面形状(略四角形や略円形)よりも大きな開口である略四角形あるいは略円形の開口部241を有する対向電極240、放電電極230を通電部材280を介して電極保持部220に保持・固定する固定手段260(押圧部材)から構成されている。
【0228】
ここで、放電電極230や電極保持部220に結露水や供給水を供給する手段としては、結露水を生成する冷却板210や供給水を供給する貯水タンク270などの水供給手段があり、この水供給手段を放電電極230の直上に設けて、冷却板210で生成される結露水や貯水タンク270からの水滴275(供給水)などが直下に設けられた放電電極230の本体部232や固定手段260(押圧手段)の傾斜部264や電極保持部220に落下するように内側壁2Pや固定手段260(押圧手段)や電極保持部220の少なくとも1つに取り付ければ良い。また、冷却板210の代わりに貯水タンク270を使用する場合は、ユーザが水を補給する必要があるため、静電霧化装置200を内側壁2Pや天井壁や仕切り壁に着脱自在に設ければ良く、この場合、貯水タンク270を図17に示したように静電霧化装置200を構成する固定手段260(押圧手段)、あるいは電極保持部220に着脱可能に設けるようにすればよい。
【0229】
冷却器室131より貯蔵室背面に設けられた冷却風路53に送風された冷気は、貯蔵室背面に設けられた冷却風路53より側方に分岐した背面壁および側壁断熱材中に設けられた周囲が囲まれたダクトなどの静電霧化装置入口冷気風路830を通り、貯蔵室の内側壁2Pの凹部に設置されている静電霧化装置200に到達し、静電霧化装置200にてナノミスト化された微細な水滴を含んだ状態で背面壁および側壁断熱材中に設けられた周囲が囲まれたダクトなどの静電霧化装置出口冷気風路820を通って、例えば貯蔵室背面壁上部に設けられたミスト噴霧室に到達する。ミスト噴霧室には、着脱可能に設けられたミスト噴霧用カバー800が設けられており、静電霧化装置200にてナノミスト化された微細な水滴を含んだ冷気が、ミスト噴霧用カバー800に形成されたミスト噴霧口810から貯蔵室内に噴霧される。
【0230】
このように、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200を貯蔵室の側壁(例えば、冷蔵室2の側壁で高さ位置がユーザの手の届く高さ位置である略中央高さ位置)に配置し、静電霧化装置200で生成されたミストを静電霧化装置200が配置された場所(例えば、冷蔵室2の側壁で高さ位置がユーザの手の届く高さ位置である略中央高さ位置)とは別の場所(例えば冷蔵室2の背面壁上部や静電霧化装置200が設けられている貯蔵室(たとえば冷蔵室2)とは異なる別の第2の貯蔵室(たとえば切替室4や野菜室5)など)に周囲が囲まれた冷気ダクトなどの静電霧化装置出口冷気風路820内の冷気で運んで噴霧するようにしているので、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200や、静電霧化装置200で生成されたミストを貯蔵室内に噴霧するためのミスト噴霧部(例えば、ミスト噴霧室に設けられたミスト噴霧用カバー800に形成されたミスト噴霧口810)の配置位置の自由度が増し、ミスト噴霧させたい場所からミスト噴霧が行えるので、設計の自由度が向上する。また、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200と、静電霧化装置200で生成されたミストを貯蔵室内に噴霧するためのミスト噴霧部(例えば、ミスト噴霧室に設けられたミスト噴霧用カバー800に形成されたミスト噴霧口810)を別部品として分離できるので、個々の部品の小型化、薄型化が可能となり、冷蔵庫1の貯蔵室内壁を薄くでき、貯蔵室の内容積の拡大が図れ、しかも低コスト化な冷蔵庫1が得られる。
【0231】
ここで、静電霧化装置200の配置位置は、貯水タンク270を設ける場合は、貯水タンク270をユーザが取り外して水を追加する必要があるため、ユーザの手の届く高さ位置(日本人女性の身長を考慮して、屈まないでしかも目線位置よりも下方位置)が良く、腰から肩位置(80cm程度以上140cm程度以下の高さ)までの高さ位置で貯蔵室の手前側が好ましい。また、ミスト噴霧口810の配置位置は、高さ方向では貯蔵室内の上部から下部まで重力によって満遍なく噴霧するために貯蔵室の上部がよく、また、幅方向(横方向)ではミストが冷気に混ざって貯蔵室内の幅方向(横方向)にも満遍なく噴霧できる位置が良く、冷気吹出し口の位置を考慮して冷蔵庫1の幅方向の略中央位置に1カ所、あるいは複数箇所設けても良いし、幅方向の略端部位置に1カ所、あるいは両端部位置にそれぞれ1箇所の計2箇所、あるいは複数箇所設けるようにしても良い。
【0232】
(空気調和機への適用)
ここで、静電霧化装置200を空気調和機の室内機に搭載する場合の構成について説明する。尚、空気調和機の室内機については、良く知られた一般的なセパレート式の空気調和機の室内機と同様であるので、図示を省略している。室内機本体(筐体)内には、前面側に設けられた前面側熱交換器と上方あるいは後方に設けられた背面熱交換器とを逆V字形に配置した熱交換器と、この熱交換器の前面側熱交換器の前方あるいは上方に設けられた空気吸込口と、室内機前面下方に設けられた空気吹出口と、空気吸込み口と熱交換器との間に設けられたフィルタと、逆V字状の熱交換器の前面側熱交換器と背面熱交換器の間に設けられ空気吸込口から吸込んだ空気をフィルタ、熱交換器を介し熱交換した空気を空気吹出口から吹出すための送風機と、前面側熱交換器、背面熱交換器の少なくとも一方の下方に設けられたドレンパンと、を備え、静電霧化装置200をフィルタの下流でドレンパンの上部に設けるようにすれば、静電霧化装置200の電極保持部220あるいは固定手段260に切欠きや開口を設け、電極保持部220に放電電極230が保持された状態で給水手段(吸熱フィン部211や貯水タンク270)より落下した結露水や水が放電電極230あるいは電極保持部220あるいは固定手段260に溜まらないようにして放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合に吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電しないようにした場合であっても、電極保持部220あるいは固定手段260に切欠きや開口から排出された水がドレンパンに排出されるので、別途水受け部を設ける必要がなくなり低コストであり、部品点数も削減でき、組立性も向上する。
【0233】
また、吸熱フィン部211や放電電極230、対向電極240、電極保持部220を空気調和機の吹出し口の近辺でドレン水を受けるドレンパンの上部に配置し、放熱フィン部212が吸込み口近辺に配置するようにすれば良い。そうすれば、放熱フィン部212、放電電極230、対向電極240などが吹出し口近辺に配置されているので、放電電極230、対向電極240に電圧が印加されてミストが発生するが、この発生したミストが吹出し口より吹出された冷却された冷気と一緒に室内に吹出され、室内の除菌や加湿ができる。また、放電電極230に溜まった水が電極保持部220からあふれた場合でも特別な水受けなどの部品を設けなくてもドレンパンで受けて室外に排出できるので低コストな空気調和機が得られる。
【0234】
また、静電霧化装置200を空気調和機の室内機の空気吸込口の下流で空気吸込口近辺に配置し、ダクトやホースなどの送風路を介して空気調和機の室内機の空気吹出口の上流側にミスト噴霧口を設けるようにしても良い。ここで、ミスと噴霧口を空気吹出口と兼用にしたり、ミスト噴霧口を送風路や空気吹出口の内部に開口するように設けるようにしてミストを空気吹出口から空気吹出口の開口している室内に噴霧するようにしてもよい。このように、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200を空気調和機の室内機の空気吸込口の下流や空気吸込口近辺に配置し、静電霧化装置200で生成されたミストを静電霧化装置200が配置された部位とは別の場所(例えば、空気調和機室内機の空気吹出口が開口している室内や空気吹出口の上流側の送風路内など)に周囲が囲まれたダクトなどの空気風路内を介して噴霧するようにしているので、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200や、静電霧化装置200で生成されたミストを室内に噴霧するためのミスト噴霧部(ミスト噴霧口)の配置位置の自由度が増し、ミスト噴霧させたい場所からミスト噴霧が行えるので、設計の自由度が向上する。
【0235】
また、電流の大きさで吸熱フィン部211と放熱フィン部212との間の温度差を調整できるので、必要な結露水を室内の温度などから設定でき、結露水が不足することを回避でき、安定して微細化されたナノミストを均一に噴霧することができる。また、放熱フィン部212が吸込み口近辺に配置されているので、放熱フィン部212が発熱して温度が若干上昇しても吸込み口吸込まれるため、室内への吹出し冷気の温度には影響を与えないので、室内の温度制御に影響を与えず温度制御の容易な空気調和機や家電機器などを提供できる。
【0236】
(表示)
ここで、庫内の照明装置900のLED910による静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)の動作状況の表示や静電霧化装置200の動作の強さ(例えば、印加電圧の大きさやミスト噴霧の噴霧量など)で貯蔵室内のミスト噴霧量の大きさや除菌度合い(除菌の強さ)の表示や、また、使用電力量や電気代やCO2排出量などを棒グラフや葉っぱマークなどの図形で表示する場合に、その図形を複数分割してその分割数に応じて色を変えるなどして色に変化した分割部分の数でミスト噴霧量や除菌度合いなどを表示させる点については、冷蔵庫1に限らず、空気調和機や家電機器に適用して同様の表示を行っても良く、空気調和機の場合は、室内機の前面の意匠面(例えば前面カバーなど)や空気調和機の運転・停止や温度設定などを行うリモコンの表示部などに表示させるようにすれば良く、その場合は、冷蔵庫の場合と同様に使用者に目視にて静電霧化装置(ミスト噴霧装置)200の動作状況や静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)の動作の強さ(例えば、印加電圧の大きさやミスト噴霧の噴霧量など)で貯蔵室内のミスト噴霧量の大きさや除菌度合い(除菌の強さ)即座に判断できる効果が得られる。
【0237】
本実施の形態の冷蔵庫1や空気調和機などの家電機器は、静電霧化装置200や静電霧化装置200を構成する各部品(例えば、冷却板210や放電電極230や高電圧電源部250など)の配置されている貯蔵室や部位や材料名などがリサイクル時などに目視にて簡単に分かるように、全体図などにミスト噴霧装置(静電霧化装置200)の設置位置が視認できるように図形などで表示すれば良い。
【0238】
ここで、冷蔵庫1の場合には、冷蔵庫本体裏面や側面や開閉ドアの庫内側や制御装置などに、冷蔵庫1の場合には冷蔵庫1の全体図や貯蔵室配置図や斜視図や立体図や部分表示図や展開図などの表示図面を表示するようにしている。また、空気調和機の場合には、室内機や室外機の裏面や側面や意匠カバー(前面カバーなど)の内側や制御装置などに室内機や室外機の全体図や部品配置図や斜視図や立体図や部分表示図や展開図などの表示図面を表示するようにしている。そしてこれら全体図などの表示図面に静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)の配置位置を図形などで目視で即座に確認できるようにしている。尚、高電圧電源部250が別部位に配置されている場合には高電圧電源部250の設置位置も含めれば良いし、また、リサイクルに有用な他の部品の設置位置なども合わせて表示すれば良い。
【0239】
ここで、全体図などの表示図面に黒丸(●)などの図形や静電霧化装置200の形状と略相似形状の図形などで表示するようにしたり、また静電霧化装置200に使用されている材料名や使用重量やリサイクル可能かどうかやリサイクルの方法やリサイクル時や分解時の注意事項などを一覧表などで表示するようにして、リサイクル時や分解時に有用となる情報を表示して目視で即座に理解してもらえるようにしている。従って、リサイクル時に人体に影響を及ぼす材料などが使用されていないかやリサイクル時に再利用可能な部品とその重量などが即座に把握できるので、分解時に戸惑うことなく分解でき、また、リサイクルが可能となり、よって分解性が良好で、しかもリサイクル効率が向上する冷蔵庫1や空気調和機などの家電機器が得られる。
【0240】
ここで、家電機器が冷蔵庫1の場合は、冷蔵庫本体や個別の機能部品(例えば、静電霧化装置200や圧縮機12や除霜用ヒータ150や冷気循環用ファン14など)に標準使用期間を定めて、冷蔵庫本体の操作パネル60などに表示するようにしている。
【0241】
家電機器が空気調和機や空気清浄機などの機器の場合は、室内機や室外機や機器本体や機能部品(例えば、静電霧化装置200や圧縮機や送風機など)に標準使用期間を定めて、室内機本体の前面の意匠パネルやリモコンなどに表示するようにすれば良い。また、例えば、室内機本体の前面の意匠パネルや機器の運転・停止などを指示するリモコンなどに機能部品も含めた室内機本体や室外機本体に対して標準使用期間を定めて、あるいは室内機本体や室外機本体とは機能部品を別々に標準使用期間を定めて、標準使用期間(標準使用時間)を棒グラフや葉っぱなど図形の大きさ・長さや数で表示し、現在の使用時間も色を変えたり模様を変えたりするなどして並べて表示することで、ユーザに目視にて視認させてユーザに買い替えを促すようにしても良い。
【0242】
ここで、例えば、操作パネル60や前面パネルやリモコンなどの表示部に機能部品も含めて機器に対する標準使用期間を定めて、あるいは冷蔵庫1などの機器本体と機能部品(静電霧化装置200や圧縮機12など)を別々に標準使用期間を定めて、標準使用期間(標準使用時間)を棒グラフなど図形で表示し、現在の使用期間(時間)も色を変えたり模様を変えたりするなどして並べて図形表示することで、ユーザに目視にて表示させても良い。また、機器の実使用期間の表示に合わせて実験や計算などで得られる使用年数とともに変化する標準の性能データ(圧縮機入力やファン入力や機器全体の使用電力量や能力などの性能に係わる能力や入力などの経時変化のデータなど)をテーブルとして予めマイコン31に記憶させておき、性能(能力や入力など)の劣化程度を棒グラフの長さや図形の数で表示すようにしても良い。即ち、購入初期を100%として現在の予測性能を初期性能に対する性能低下割合で表示しで表示(例えば棒グラフの長さや図形の数などで表示)して視覚にてユーザに買い替えを促しても良い。
【0243】
即ち、静電霧化装置200や冷蔵庫1や空気調和機や空気清浄機などの機器の予め定められた標準使用期間を記憶する記憶手段(マイコン31)を備え、記憶手段(マイコン31)に記憶されている標準使用期間に対してタイマなどで計測した現在の使用期間を、棒グラフや葉っぱなど図形の大きさや長さや数などで機器本体の表示部(冷蔵庫の操作パネル60や室内機前面カバーの表示部など)や前記機器の運転・停止などを指示するリモコンの表示部などに表示するようにしたので、ユーザに目視にて機器の使用期間を視認にて認識させてユーザに機器や部品の買い替えや部品の交換などのサービスを促すことができる。
【0244】
また、機器の標準使用期間に対して使用可能な残りの期間を棒グラフや葉っぱマークなどの図形で表示させるようにしても良い。この場合には、使用可能期間を示す棒グラフなどの図形の大きさや数が使用期間が増えれば増えるほど減少してくるので、ユーザに危機意識を持たせることができ、故障する前に買い替えを意識させることができる。また、残存期間が所定期間よりも少なくなると買い替えやサービスを促すメッセージを表示させるようにすれば、さらにユーザに故障する前に買い替えを意識させることができる。
【0245】
また、静電霧化装置200の動作中の印加電圧の大きさや機器の使用電力量や電気代やCO2排出量などを棒グラフや葉っぱなど図形の大きさや長さや数などで機器本体や機器の運転・停止などを指示するリモコンなどに表示するようにすれば、ユーザに省エネ意識の向上を認識させることができる。また、静電霧化装置200の動作時の印加電圧の大きさによる機器の使用電力やCO2排出量などの関係も把握でき、ユーザの省エネ意識が高揚する。ここで、静電霧化装置200への印加電圧の大きさを操作ボタンやリモコンなどでユーザが設定できる(例えば、強、中、弱の複数段階設定や無段階設定で変更できるようにすれば良い)ようにすれば、省エネしたいときは弱モードを選択するなどでき、省エネを図ることができる。
【0246】
また、機器本体や機能部品(例えば、静電霧化装置200や圧縮機12など)の使用電量量を測定する手段を備えて瞬時の使用電力量や累積(例えば、1日毎、あるいは月毎など)の使用電力量を測定して、冷蔵庫1の前面の操作パネル60や空気調和機や空気清浄機の前面や上面のパネルの表示部やリモコンの表示部などに、瞬時の使用電力量や累積(例えば1日毎、あるいは月毎など)の使用電力量を棒グラフや葉っぱマークの数などで図形表示して家電機器の使用ユーザに視覚にて省エネを意識させるようにしても良い。
【0247】
また、このような図形での表示を、実使用時間が標準使用時間の所定割合(例えば標準使用時間の90%や95%など)を超えたときからユーザに本体や機能部品の点検や交換を促すメッセージなどとともに本体やリモコンなどに表示させるようにして、ユーザに本体や機能部品などの点検や交換や買い替えを促すようにしても良い。また、実使用時間が標準使用時間の第1の所定割合(例えば、標準使用時間の90%など)を超えたときから本体やリモコンなどに上述の図形などで表示させるようにして、実使用時間が標準使用時間の第1の所定割合よりも大きな第2の所定割合(例えば、標準使用時間の95%など)を超えた場合にユーザに本体や機能部品の点検や交換を促すメッセージなどを表示するなど時間の経過とともに複数段階(例えば、2段階)で表示してユーザに本体や機能部品などの点検や交換や買い替えを目視にて促すようにしても良い。このように本体やリモコンなどに標準使用期間を経過した場合にユーザに点検や交換や買い替えを促す図形やメッセージなどの文章などを表示することで、経年劣化による性能低下やごみ詰まりなどによる故障や着火などが抑制できるので、信頼性の高い冷蔵庫1や空気調和機や家電機器が得られる。特に高電圧を印加する静電霧化装置200に対しては、電極保持部220へのごみ詰まりやフィン板間へのごみ詰まりなどによる静電霧化装置200への水供給不足や、ほこりやごみ等の電極への付着、電極の劣化などによる着火による静電霧化装置200の故障の予防などに有効である。
【0248】
以上のように本発明では、チタン材などの3次元網目状構造を持たせた金属多孔質体の発泡金属で形成された本体部232、および本体部232と一体で本体部232から突出するように形成されて本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により供給される突出部231とから構成された放電電極230と、放電電極230を保持する電極保持部220と、電極保持部220に設けられ、突出部231と対向して設けられた対向電極240と、本体部232の直上に所定すきまZを介して設けられ、放電電極230あるいは電極保持部220に水を供給する水供給手段(冷却板210あるいは貯水タンク270)と、電極保持部220に収納・保持された放電電極230あるいは対向電極240を電極保持部220に固定する固定手段260と、を備え、電極保持部220、放電電極230、対向電極240、固定手段260を一体に形成し放電電極230と対向電極240間に電圧を印加することでミストを発生させるようにしているので、放電電極230にセラミック材を使用する場合に比べて孔径が大きいため給水量や毛細管力が大きく、異物による目詰まりに対する耐力が格段に大きい。
【0249】
また、静電霧化装置200を空気調和機の室内機の空気吸込口の下流で空気吸込口近辺に配置し、ダクトやホースなどの送風路を介して空気調和機の室内機の空気吹出口の上流側にミスト噴霧口を設けるようにしても良い。ここで、ミスと噴霧口を空気吹出口と兼用にしたり、ミスト噴霧口を送風路や空気吹出口の内部に開口するように設けるようにしてミストを空気吹出口から空気吹出口の開口している室内に噴霧するようにしてもよい。このように、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200を空気調和機の室内機の空気吸込口の下流や空気吸込口近辺に配置し、静電霧化装置200で生成されたミストを静電霧化装置200が配置された部位とは別の場所(例えば、空気調和機室内機の空気吹出口が開口している室内や空気吹出口の上流側の送風路内など)に周囲が囲まれたダクトなどの空気風路内を介して噴霧するようにしているので、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200や、静電霧化装置200で生成されたミストを室内に噴霧するためのミスト噴霧部(ミスト噴霧口)の配置位置の自由度が増し、ミスト噴霧させたい場所からミスト噴霧が行えるので、設計の自由度が向上する。
【0250】
また、所定すきまFの設定範囲や印加電圧の設定範囲の自由度を大きくでき、ナノミストの生成が確実に容易に行える。また、本体部232の直上に水供給手段を設けているので、水供給手段を放電電極230の下方や放電電極230とは離れた別の場所に設ける場合に比べて、水供給手段から供給される水が直接直下の放電電極230(あるいは電極保持部220や固定手段260)に落下し、水供給手段である冷却板210の吸熱フィン部211に生成された結露水や貯水タンク270から供給される水を電極保持部220(あるいは放電電極230や固定手段260)に搬送するための搬送部が不要であり、構造が簡単でコンパクトとなり低コストの冷蔵庫1が得られる。即ち、水を搬送する搬送部が不要であり搬送部がごみなどでつまって結露水が放電電極230へ供給されないということもなくなるので、構造が簡単で低コストで信頼性の高い静電霧化装置200及び冷蔵庫1を提供できる。また、給水手段(例えば、冷却板210や貯水タンク270など)、あるいは電極保持部や放電電極の形状の自由度や配置の自由度が増加し、冷蔵庫1や空気調和機や空気清浄機などの家電機器ごとの構造に合わせて自由に放電電極230や対向電極240や給水手段(例えば、冷却板210や貯水タンク270など)の形状や配置を設定でき、家電機器に合わせてコンパクトで効率の良い静電霧化装置200を得ることができる。
【0251】
また、本体部232と突出部231の外形形状の大きさ(幅、厚さなど)あるいは断面積が略同等の場合には、本体部232の軸方向長さは、突出部231の長さの4倍以上20倍以下の範囲内が加工性が良く、本体部232から突出部231への水供給量も多く、水供給時間が短くできる効果を奏する。
【0252】
また、チタンなどの発泡金属を使用しており、スポンジのような3次元網目状構造を持たせた金属多孔質体であるため、金属内部の吸水量も発泡金属でないものにくらべ2倍〜5倍程度と多く、焼結金属に比べて毛細管力も大きく、電気抵抗が(0.4〜2)×10−7Ω・m程度と小さく導電体として水に効率的に電気がかかるので、電気抵抗が大きなセラミック(電気抵抗は約1012Ω・m程度と大きい)などに比べて格段に電気を通しやすくミスト生成量を多くでき、また、印加電圧の設定などが容易でありしかも印加電圧を小さくすることも可能であり、ナノミストの生成が確実に容易に行える。本実施の形態では、発泡金属で形成された本体部232、および本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により供給される突出部231とから構成された放電電極と、放電電極230を保持する電極保持部220と、電極保持部220に設けられ、突出部231と対向して設けられた対向電極240と、放電電極230に水を供給する水供給手段(たとえば冷却板210や貯水タンク270など)と、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加して突出部231よりミストを発生させる高電圧電源部250と、を備え、放電電極230に孔径10〜800μm(好ましくは孔径50〜300μm、さらに好ましくは孔径50〜150μm)、空隙率60〜90%(好ましくは70〜80%)の三次元網目構造の発泡金属を使用するようにしており、放電電極230の孔径を10〜800μmとすることで、異物による目詰まりに対する耐力が格段に大きくなり、また、長期間にわたり安定して本体部232から突出部231に水を供給することができる。また、空隙率が60%以上90%以下と大きなチタンなどの3次元網目状構造を持たせた発泡金属を使用しているので、従来のセラミックや焼結金属などに比べて多くの水を発泡金属内部に保持できる。従って、ナノミストを効率よく多量に発生させることができる。
【0253】
また、放電電極230が、3次元網目構造を有する発泡金属で形成され、軸方向に長い略直方体状あるいは略円柱状の本体部232と、本体部232の軸方向途中から本体部232の軸方向と略直角方向へ突出し、本体部232の軸方向長さよりも短く本体部232と一体に形成されて本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により供給される略直方体状あるいは略円柱状あるいは略角錐状あるいは略円錐状の突出部231と、を備え、本体部232の軸方向長さは、突出部231の長さの4倍以上20倍以下の範囲内としたので、本体部232の軸方向に対する突出部231の突出位置にて本体部が2つ(例えば、第1の本体部237と第2の本体部238)に分かれるため、突出部231へは第1の本体部237と第2の本体部238の2箇所(突出部231の両側)から毛細管現象にて水を供給することができるため、突出部231へ水を多く供給することが可能となり、ミスト噴霧量を多くでき、安定してミスト噴霧が可能となる。また、第1の本体部237あるいは第2の本体部238のどちらか一方(例えば、第1の本体部)が目詰まりなどで機能しなくなったとしてももう一方(他方)(例えば、第2の本体部238)にて突出部231に水を供給できるので、長期間にわたって安定して突出部231に水を供給でき、長期間にわたって安定してミストを噴霧できる信頼性の高い静電霧化装置200(ミスト噴霧装置)が得られる。
【0254】
放電電極230あるいは電極保持部220の直上に設けられた給水手段(例えば、冷却板210の吸熱フィン部211や貯水タンク270など)より落下することによって放電電極230あるいは電極保持部220あるいは固定手段260に供給される水が給水手段から放電電極230に落下するまで水の落下経路において空気の流れの影響を直接受けないように給水手段(冷却板210の吸熱フィン部211あるいは貯水タンク270)または電極保持部220または固定手段260の少なくと一つを覆う覆い部(給水手段覆い部220X,269)を電極保持部220あるいは固定手段260に設けるようにしたので、落下した水滴275や結露水が給水手段あるいは電極保持部220あるいは固定手段260(押圧手段)が設置されている周囲の空気中の埃やかびやごみなどの異物の影響を受けにくくなり放電電極230に付着した水滴や電極保持部220内の水滴がよごれにくく放電電極230の目詰まりが抑制でき、信頼性が高く、きれいで衛生的な静電霧化装置200が得られる。
【0255】
また、電極保持部220あるいは固定手段260に切欠きや開口を設け、電極保持部220に放電電極230が保持された状態で給水手段(吸熱フィン部211や貯水タンク270)より落下した結露水や水が放電電極230あるいは電極保持部220あるいは固定手段260に溜まらないようにしたので、放電電極230の本体部232の表面に水滴が付着した状態や電極保持部220に水が溜まった状態になることがなく、放電電極230と対向電極240間に電圧を印加した場合でも吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間で放電する恐れがなくなり、安全な静電霧化装置200や機器が得られる。ここで、電極保持部220の放電電極230の保持部分に水が溜まらない構成(あるいは放電電極230の表面に水が溜まらない構成とするために放電電極230の保持部分からは水が排出できる構成とし、排出された水を溜める水溜め部を別途下方など放電電極230とは離れた位置に設ける構成として水溜め部に溜まった水が放電電極230に接触しない構成)にした方が良い。また、吸熱フィン部211の下端面211Yと放電電極230との間の所定すきまZを4mm以上(好ましくは6mm以上)として放電電極230の本体部232の上表面に水滴が付着しても吸熱フィン部211と放電電極230とが放電しない距離を確保すればさらに安全性が向上する。
【0256】
また、発泡金属で形成された本体部232、および本体部232と一体で本体部232から突出するように形成されて本体部232の表面に付着した水が毛細管現象により供給される突出部231とにより構成された放電電極230と、放電電極230を収納する電極保持部220と、電極保持部220に設けられ、突出部231と対向して設けられた対向電極240と、本体部232の直上に所定すきまZを介して設けられ、放電電極230あるいは電極保持部220に水を供給する水供給手段(冷却板210の吸熱フィン部211、給水タンク270)と、少なくとも放電電極230、対向電極240、電極保持部220にて構成されて放電電極230と対向電極240間に電圧を印加することでミストを発生させる静電霧化装置200と、静電霧化装置200と離れた位置に設けられ、静電霧化装置200と送風路を介して接続された噴霧口と、を備え、静電霧化装置200で生成されたナノミストを静電霧化装置200と離れた位置に設けられた噴霧口から噴霧口が開口している貯蔵室や部屋などの室内に噴霧するようにしたので、少なくとも放電電極230と対向電極240を備えた静電霧化装置200や、静電霧化装置200で生成されたミストを室内に噴霧するためのミスト噴霧部(ミスト噴霧口)の配置位置の自由度が増し、ミスト噴霧させたい場所からミスト噴霧が行えるので、冷蔵庫1や空気調和機や空気清浄機などの家電機器ごとの構造に合わせて設計することが可能であり、設計の自由度が向上する。また、本体部232の直上に所定すきまZを介して水供給手段を設けるようにしているため、水供給手段である給水手段(冷却板210、あるいは貯水タンク270)、あるいは放電電極230の形状の自由度や配置の自由度が増加し、冷蔵庫1や空気調和機や空気清浄機などの家電機器ごとの構造に合わせて自由に放電電極230や対向電極240や冷却板210や貯水タンク270の形状や配置を設定でき、家電機器に合わせてコンパクトで効率の良い静電霧化装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0257】
1 冷蔵庫、1A 機械室、2 冷蔵室、2A チルド室、2P 内側壁、2X 略密閉された容器、2Y 略密閉された容器、3 製氷室、4 切替室、5 野菜室、6 冷凍室、7 冷蔵室扉、7A 冷蔵室扉左、7B 冷蔵室扉右、8 製氷室扉、9 切替室扉、10 野菜室扉、11 冷凍室扉、12 圧縮機、13 冷却器、14 冷気循環用ファン、19 切替室サーミスタ、22 サーモパイル、15 切替室ダンパ、16 切替室冷却風路、30 制御装置、50 冷却風路、51 仕切り壁、53 冷却風路、55 冷蔵室ダンパ、60 操作パネル、60a 部屋選択スイッチ、60b 温度帯切替スイッチ、60c 瞬冷凍スイッチ、60d 製氷切替スイッチ、60e ミスト噴霧スイッチ、72 ドアポケット、80 庫内棚、131 冷却器室、150 除霜用ヒータ、151 ヒータルーフ、152 除霜電極保持部、200 静電霧化装置、210 冷却板、211 吸熱フィン部、211a 吸熱フィン板、211b 吸熱フィン板、211c 吸熱フィン板、211d 吸熱フィン板、211e 吸熱フィン板、211T 突出部、211W 傾斜部、211X 外側面、211Y 下端面、212 放熱フィン部、212a 放熱フィン板、212b 放熱フィン板、212c 放熱フィン板、212d 放熱フィン板、212e 放熱フィン板、213 熱伝導部、214 空隙部、220 電極保持部、220G 水集中部、220K 幅方向寸法、220L 奥行き方向寸法、220W 傾斜部、220X 給水手段覆い部、222 切欠き部、223 対向電極収納部、230 放電電極、231 突出部、232 本体部、237 第1の本体部、238 第2の本体部、240 対向電極、241 開口部、250 高電圧電源部、251 電源、260 固定手段、261 対向電極覆い部、262 通電部材押さえ部、263 段差部、268 固定用つめ部、269 給水手段覆い部、270 貯水タンク、271 目盛線、275 水滴、277 水排出口、280 通電部材、286 電極通電手段通電部、300 カバー、511 冷却板断熱材、512 キット化部品、515 前面開口部、531 側方冷気吹出し口、532 側方冷気吹出し口、533 上方冷気吹出し口、534 下方冷気吹出し口、600 静電霧化装置照明、800 ミスト噴霧用カバー、810 ミスト噴霧口、820 静電霧化装置出口冷気風路、830 静電霧化装置入口冷気風路、900 照明装置、910 LED、910a LED、910b LED、910c LED、910d LED、910e LED、910f LED、915 光軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極に電圧を印加することでミストを発生させる霧化装置において、
前記放電電極を収納する電極保持部と、
吸熱部と放熱部を有し、前記吸熱部で生成された水を前記放電電極に供給する水供給手段と、
を備え、
前記放電電極は、前記電極保持部に収納された状態で前記吸熱部の側方に空間を介して配置され、前記吸熱部から空間を介して水が供給されるようにしたことを特徴とする霧化装置。
【請求項2】
前記吸熱部から前記放電電極への水の供給は、表面張力または毛細管現象を利用することを特徴とする請求項1に記載の霧化装置。
【請求項3】
前記水供給手段より前記放電電極に供給される水のうち余分な水が前記電極保持部に溜まらないように余分な水を排出する水排出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の霧化装置。
【請求項4】
前記水排出口は、切欠き又は開口であることを特徴とする請求項3に記載の霧化装置。
【請求項5】
前記水排出口を前記電極保持部に設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の霧化装置。
【請求項6】
前記放電電極は、前記吸熱部の下端の側方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の霧化装置。
【請求項7】
前記吸熱部と前記放電電極の間には所定すきまが設けられ、前記所定すきまを、0.5mm以上3mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の霧化装置。
【請求項8】
前記放電電極は、本体部と前記本体部から水が毛細管現象により供給される突出部とを有し、前記本体部を前記吸熱部の側方に空間を介して配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の霧化装置。
【請求項9】
前記放電電極に通電する通電部材を備え、前記通電部材は前記放電電極をバネ力で挟み込む形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の霧化装置。
【請求項10】
前記放熱部あるいは前記吸熱部は、幅方向寸法よりも奥行き方向寸法を小さくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の霧化装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の霧化装置を搭載したことを特徴とする機器。
【請求項12】
空気吸込口と空気吹出口を有し、前記空気吸込口から吸い込んだ空気をフィルタ、熱交換器を介して前記空気吹出口から吹出す空気調和機において、
前記熱交換器の下方に設けられたドレンパンを備え、
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の霧化装置を前記ドレンパンの上部に配置して前記水供給手段より前記放電電極に供給される水のうち余分な水を前記ドレンパンに排出するようにしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項13】
空気吸込口と空気吹出口を有し、前記空気吸込口から吸い込んだ空気をフィルタ、熱交換器を介して前記空気吹出口から吹出す空気調和機において、
前記霧化装置で生成されたミストを前記空気吹出口へ案内する空気風路と、
前記空気風路で案内されたミストを前記空気吹出口において噴霧するミスト噴霧口と
を備え、
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の霧化装置が、前記フィルタの下流で前記空気吹出口以外及び前記空気吹出口の上流側の前記送風路以外の部位に配置され、
前記空気風路は、前記霧化装置が配置された前記フィルタの下流の空気の流れの中であって前記空気吹出口以外及び前記送風路以外の部位から前記空気吹出口、あるいは前記空気吹出口の上流側の前記送風路へ、前記ミストを案内することを特徴とする空気調和機。
【請求項14】
空気吸込口と空気吹出口を有し、前記空気吸込口から吸い込んだ空気をフィルタ、熱交換器を介して前記空気吹出口から吹出す空気調和機において、
吸熱部と放熱部を有し、前記吸熱部で水を生成する水供給手段と、前記吸熱部の側方に空間を介して配置され、前記吸熱部から空間を介して水が供給される放電電極と、前記放電電極を収納する電極保持部と、を有し、前記放電電極に電圧を印加することでミストを発生させる霧化装置と、
前記熱交換器の下方に設けられたドレンパンと、
を備え、
前記霧化装置は、前記放電電極に供給された水のうち余分な水を前記ドレンパンに排出することを特徴とする空気調和機。
【請求項15】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の霧化装置と、
前記霧化装置あるいは本体の現在の使用期間を計測する計測手段と、
前記霧化装置あるいは前記本体の予め定められた標準使用期間を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記標準使用期間と前記計測手段にて計測された現在の使用期間を本体の表示部あるいはリモコンの表示部に表示するようにしたことを特徴とする機器。
【請求項16】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の霧化装置と、
前記霧化装置あるいは本体の現在の使用期間を計測する計測手段と、
前記霧化装置あるいは前記本体の予め定められた標準使用期間を記憶する記憶手段と、
前記計測手段にて計測された現在の使用期間が前記記憶手段に記憶されている前記標準使用期間に対して所定割合を超えた場合に点検や交換や買い替えを促す図形やメッセージを本体の表示部あるいはリモコンの表示部に表示するようにしたことを特徴とする機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−183535(P2012−183535A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102265(P2012−102265)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2011−91232(P2011−91232)の分割
【原出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】