説明

露光方法、露光装置及び電気光学装置

【課題】 液晶マスクの撓みを補正して、被露光基板に対して、均一なパターンを形成する露光方法、露光装置及び電気光学装置を提供する。
【解決手段】 本発明の露光装置は、露光光を出射する光源と、基板を支持するステージとを備え、一対の電極を備えた液晶マスクを用いて基板に所定パターンを転写する露光方法であって、光源からの露光光が照射された液晶マスクの撓みを検出する撓み検出工程(S12,S14)と、液晶マスクの撓みに基づいて、液晶マスクの各領域の撓み量を算出する撓み量算出工程(S16,S18)と、液晶マスクの各領域の撓み量に基づいて、液晶マスクの一対の電極に印加する電圧を液晶マスクの各領域ごとに制御する電圧印加工程(S20,S22)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光方法、露光装置及び電気光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被露光基板に所定パターンを形成する場合には、所定パターンが描画されたレチクル又はフォトマスク(以下、レチクルと称する)を用いて、露光装置により被露光基板上にパターンを転写する方法が広く利用されている。このレチクルは、高い平坦度に研磨された低膨張係数ガラス、石英等の透明基板に、クロム(Cr)、ケイ素等の遮光膜を形成し、この遮光膜の上にフォトレジストを塗布した後、電子ビーム露光装置等を用いて露光、現像した後、フォトレジストに覆われない遮光膜の不要部分をエッチングにより除去して形成する。そして、露光時には、このレチクルを用いて、等倍露光又は縮小投影露光により、レチクル上に描画されたパターンをフォトレジストが塗布された被露光基板に転写していた。
【0003】
しかしながら、上記方法では、被露光基板に形成するパターンごとに、複雑な加工が必要なレチクルを形成しなければならなかった。また、特に複雑な集積回路を形成する場合には、20枚を超えるレチクルを用意しなければならないため、レチクルの形成に時間を要するとともに、高コストとなるという問題があった。さらには、集積回路に僅かな設計変更が発生した場合でもレチクルを再度形成しなければならなかった。
【0004】
そこで、レチクルに代替する液晶マスクを用いた露光装置により、被露光基板等に所定パターンを形成する方法が開示されている。液晶マスクを用いた露光方法によれば、液晶マスクの各画素に印加する電圧を制御することにより、自由にパターンを変更することが可能である。つまり、上記レチクルのように、パターンを変更するごとにレチクルを新たに形成する必要がないという利点がある。
【0005】
ところで、上記露光装置を用いた方法では、レンズの糸巻収差、又は樽型収差が発生し、基板に結像されるパターンが歪んでしまう場合があった。そこで、上記問題を解決するため、以下に示す方法が提案されている。特許文献1には、記憶手段に記憶されたパターン情報を補正して液晶マスクに与えるパターン情報補正手段を設け、変形量が少なくなるように液晶マスクに与える上記パターン情報を補正する方法が開示されている。この方法によれば、歪んだ液晶マスクに対してパターン情報を補正するため、撓み量の少ないパターンを形成することができる。
【特許文献1】特開平5−77067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の露光装置では以下の問題があった。つまり、液晶マスクを露光装置に設置する際には、液晶マスクの周縁部で支持機構により固定する。このとき、液晶マスクは、液晶マスクの端部のみで支持するため、液晶マスクの自重により、液晶マスクの周縁部から中央部にかけて鉛直方向に湾曲してしまうことがあった。これにより、被露光基板の液晶マスクの中央部に対応する領域と、液晶マスクの周縁部に対応する領域とでは、光源から出射される露光光の光量が異なってしまうという問題があった。そのため、被露光基板上のレジストに均一なパターンを転写することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶マスクの撓みを補正して、被露光基板に対して、均一なパターンを形成する露光方法、露光装置及び電気光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、露光光を出射する光源と、基板を支持するステージとを備え、一対の電極を備えた液晶マスクを用いて前記基板に所定パターンを転写する露光方法であって、前記光源からの露光光が照射された前記液晶マスクの撓みを検出する撓み検出工程と、前記液晶マスクの前記撓みに基づいて、前記液晶マスクの各領域の撓み量を算出する撓み量算出工程と、前記液晶マスクの各領域の前記撓み量に基づいて、前記液晶マスクの前記一対の電極に印加する電圧を前記液晶マスクの各領域ごとに制御する電圧印加工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
この方法によれば、撓み検出工程により、露光光の照射による液晶マスクの撓み(変形)を検出し、この検出した情報に基づいて液晶マスクに撓みが発生した否かを判断することができる。また、撓み量算出工程により、液晶マスクの各領域の撓み量を算出することができる。これにより、液晶マスクの各領域の撓み量に基づいて、液晶マスクの各領域に印加する最適な電圧を算出して、液晶マスクの各領域を透過する露光光の光量を制御することができる。従って、液晶マスクの撓みを補正して、均一に被露光基板上に露光光を照射することができ、ボケのないパターンを転写することができる。
【0010】
また本発明の露光方法は、前記撓み検出工程において、センサにより、前記液晶マスクを透過して前記ステージに照射された露光光の光量を検出することも好ましい。。
【0011】
この方法によれば、ステージに照射される露光光の光量を検出するセンサを設けているため、露光光の光量から液晶マスクの撓みを検出することができる。これにより、ステージの各領域の露光光の光量が異なれば、液晶マスクに撓みが発生したと判断することができる。
【0012】
また本発明の露光方法は、前記センサが、前記液晶マスクの中央部及び前記液晶マスクの周縁部に対応する前記ステージの所定位置に複数設けられたことも好ましい。
【0013】
この方法によれば、液晶マスクの中央部に対応するステージの所定位置のセンサが検出する露光光の光量と、液晶マスクの周縁部に対応するステージの所定位置のセンサが検出する露光光の光量とから、液晶マスクの撓みを検出することができる。
【0014】
また本発明の露光方法は、前記撓み量算出工程において、前記ステージの所定位置に複数設けられた前記センサにより検出された露光光の光量に基づいて、前記液晶マスクの前記中央部及び前記液晶マスクの前記周縁部の前記撓み量を算出することも好ましい。
また本発明の露光方法は、前記電圧印加工程において、前記撓み量算出工程によって検出した前記液晶マスクの前記中央部及び前記液晶マスクの前記周縁部の前記撓み量に基づいて、前記液晶マスクの前記中央部及び前記液晶マスクの前記周縁部のそれぞれの前記一対の電極に印加する前記電圧の大きさを制御することも好ましい。
【0015】
この方法によれば、液晶マスクの各領域の撓み量に基づいて、液晶マスクの中央部と周縁部との電極に印加する電圧の大きさを制御することができ、液晶層の配向を液晶マスクの中央部と周縁部とで制御することができる。従って、液晶マスクを透過する露光光の光量を制御することができ、被露光基板に照射される露光光の光量を均一に制御して、ボケのないパターンを被露光基板に転写することができる。
【0016】
また本発明の露光方法は、前記電圧印加工程において、前記液晶マスクの前記中央部又は前記液晶マスクの前記周縁部に、前記撓み量算出工程により算出した前記撓み量が設定値よりも大きい場合には、基準とする印加電圧よりも大きい電圧を前記液晶マスクの前記一対の電極に印加し、前記撓み量算出工程により算出した前記撓み量が前記設定値よりも小さい場合には、基準とする前記印加電圧よりも小さい電圧を前記液晶マスクの前記一対の電極に印加することも好ましい。
【0017】
この方法によれば、液晶マスクの撓み量が大きい領域には、基準とする電圧よりも大きい電圧を印加するため、液晶マスクを透過する露光光の光量が減少する。一方、液晶マスクの撓み量が小さい領域には、基準とする電圧よりも小さい電圧を印加するため、液晶マスクを透過する露光光の光量が増加する。これにより、被露光基板に照射される露光光の光量を均一に制御することができ、ボケのないパターンを被露光基板に転写することができる。なお、本発明の液晶マスクの表示方式は、電圧が加わらない状態(オフ状態)で白表示するノーマリーホワイト方式を採用している。また、基準電圧とは、液晶マスクの撓みが発生する前に液晶マスクに印加していた電圧である。
【0018】
また本発明の露光方法は、前記撓み検出工程において、前記液晶マスクの一方の側面側に設けられたレーザ光を出射する照射部と、前記液晶マスクの他方の側面側に設けられた前記レーザ光を受光する受光部とを用いて、前記照射部と前記受光部とを鉛直方向に走査しつつ、前記照射部から前記受光部に前記レーザ光を出射した場合に前記受光部が前記レーザ光を受光したか否かにより、前記液晶マスクの前記撓みを検出することも好ましい。
【0019】
この方法によれば、照射部と受光部とを走査していく段階で、液晶マスクに撓みが発生している場合には、照射部を出射したレーザ光は速いタイミングで受光部に受光されなくなる。一方、液晶マスクに撓みが発生していない場合には、照射部を出射したレーザ光は走査が終了するまで受光部によって受光される。これにより、レーザ光が受光部に受光されたか否かによって液晶マスクに撓みが発生したか否かを検出することができる。
【0020】
本発明の露光装置は、露光光を出射する光源と、基板を支持するステージとを備え、一対の電極を備えた液晶マスクを用いて前記基板に所定パターンを転写する露光装置であって、前記光源からの露光光が照射された前記液晶マスクの撓みを検出する撓み検出手段と、前記液晶マスクの前記撓みに基づいて、前記液晶マスクの各領域の撓み量を算出する撓み量算出手段と、前記液晶マスクの各領域の前記撓み量に基づいて、前記液晶マスクの前記一対の電極に印加する電圧を制御する電圧印加手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、液晶マスクの各領域の撓み量に基づいて、液晶マスクの各領域に印加する最適な電圧を算出して、液晶マスクの各領域を透過する露光光の光量を制御することができる。これにより、液晶マスクの撓みを補正して、均一に被露光基板上に露光光を照射することができ、ボケのないパターンを転写することができる。
【0022】
本発明の電気光学装置は、上記露光方法により形成されたパターンを有する基板を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高精度な電気光学装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0024】
(露光装置)
本実施形態の露光装置の概略構成について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の露光装置70の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、露光装置70は、光源5と、コンデンサレンズ7と、液晶マスク8と、縮小レンズ9と、ステージ2とを備えている。
【0025】
光源5は、露光光を液晶マスク8に照射する。光源5としては、例えば水銀ランプから出射される輝線(g線、h線、i線)、KrFエキシマレーザ光等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光及びFレーザ光等の真空紫外光(VUV光)を用いることができる。
【0026】
光源5から出射された露光光は、例えばライトガイド等により一旦集合され均等分配された後、均一に照度分布されて出射される。コンデンサレンズ7は、均一に照度分布された露光光を液晶マスク8に照射させる。液晶マスク8は、電圧設定部100(電圧印加手段)に接続され、この電圧設定部100により液晶マスク8の撓み量に基づいた液晶マスク8の各領域に印加する電圧が供給されるようになっている。液晶マスク8を透過した露光光は、縮小レンズ9を介して被露光基板上のレジストに照射され、液晶マスク8を透過した所定パターンの露光光が縮小投影露光される。
【0027】
ステージ2は、駆動モータに接続され、制御装置6によって駆動モータが制御されることにより所定方向に移動及び回転可能となっている。具体的には、駆動モータの駆動により、ステージ2は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動可能であるとともに、X軸回り、Y軸回り、及びZ軸回りに回転可能となっている。また、制御装置6は、電圧設定部100に接続され、算出した撓み量を供給することができるようになっている。
ステージ2上には、パターンを露光するための感光剤が塗布された被露光基板が載置され、ステージ2に設けられた真空吸着(又は静電吸着)によりステージ2に固定される。
【0028】
また、ステージ2には、光源5から照射される露光光の光量を検出する複数のセンサ28(撓み検出手段)が配設されている。センサ28は、CCDカメラから構成され、ステージ2の上方側に設置される液晶マスク8の平面視中央部及び周縁部の位置に対応したステージ2上にそれぞれ配設されている。具体的には、図1に示すように、ステージ2上の中央部に1個のセンサ28aが設けられ、ステージ2上の4辺の周縁部に4個のセンサ28bが設けられている。なお、センサ28は、ステージ2の表面上に配置しても良いし、ステージ2に内蔵させても良い。
【0029】
(液晶マスク)
次に、本実施形態の上記露光装置に設置する液晶マスク8について図面を参照して説明する。
図2は液晶マスク8の概略構成を示した斜視図であり、図3は図2の液晶マスク8のA−A’線に沿った断面図である。なお、本実施形態の液晶マスク8は、画素の駆動方式としてパッシブマトリクス方式を採用している。また、図2では配向膜14,22を省略している。
【0030】
図2及び図3に示すように、液晶マスク8は、第1基板10と、この第1基板10に対向配置される第2基板16と、第1基板10と第2基板16とに挟持される液晶層とを備えている。なお、本実施形態において、液晶層26が配置された側の第1基板10及び第2基板16面を内面と呼び、これと反対側の第1基板10及び第2基板16の面を外面と呼ぶ。また、光源5は、第2基板16の外面側の上方に設置されているものとし、光源5から出射された露光光は、第2基板16の外面側から入射することとする。
【0031】
第2基板16は、ガラス、石英、又はプラスティック等の光透過性を有する透明材料から形成され、光源5から出射された露光光が透過されるようになっている。また、第2基板16の外面側には、第2偏光板21が設けられている。
【0032】
複数の第2電極18は、図2に示すように、第2基板16の内面側のY軸方向に延在してストライプ状に形成されている。また、第2電極18は、例えば透明材料であるITO(Indium Tin Oxide)を材料として蒸着法等により形成される。
【0033】
配向膜22は、図3に示すように、上記複数の第2電極18の全面を覆うようにして、第2基板16の内面側に形成されている。この配向膜22はポリイミド等の有機薄膜から形成され、配向膜22表面には電圧が印加されていないときの液晶層26の配向方向を規定するためのラビング処理が施されている。
【0034】
液晶層26は、図3に示すように、第1基板10とこの第1基板10に対向配置される第2基板16との間に挟持されて配置されている。液晶層26は、例えばTN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VAN(Vertical Aligned Nematic)モード等の動作モードの種々の液晶を採用することが可能である。
【0035】
第1基板10は、ガラス、石英、又はプラスティック等の光透過性を有する透明材料から形成され、液晶層26を通過した露光光を透過させて第2基板16の外面側に露光光を出射できるようになっている。なお、第1基板10を半透明材料からなる材料により形成することもできる。また、第1基板10の外面側には、第1偏光板20が設けられている。
【0036】
複数の第1電極12は、図2に示すように、第1基板10の内面側のX軸方向に延在してストライプ状に形成されている。つまり、複数の第1電極12のそれぞれは、第2基板16の内面側に形成された第2電極18のそれぞれと互いに交差するように配置され、第1電極12と第2電極18とが交差してなる領域には画素が形成されている。第1電極12は、例えば透明材料であるITO(Indium Tin Oxide)を材料として蒸着法等により形成される。
【0037】
配向膜14は、図3に示すように、上記複数の第1電極12の全面を覆うようにして、第1基板10の内面側に形成されている。この配向膜14はポリイミド等の有機薄膜から形成され、配向膜14表面には電圧が印加されていないときの液晶層26の配向方向を規定するためのラビング処理が施されている。
【0038】
次に、上述した液晶マスクに撓みが発生した場合について説明する。図4(a)は、本実施形態において露光装置70に設置した液晶マスク8に撓みが生じた場合を示す断面図である。
図4(a)に示すように、液晶マスク8は、露光装置70に設置される際に液晶マスク8の周縁部を支持部材に取り付けることにより、露光装置70の所定位置に固定される。この場合、液晶マスク8の周縁部は露光装置70に設けられた支持部材により固定されるが、液晶マスク8の中央部は支持部材により支持されていない。そのため、液晶マスク8には、液晶マスク8自体の自重により、液晶マスク8の周縁部から中央部に向かって鉛直方向に湾曲し、液晶マスクに撓みが発生する。
【0039】
図4(b)は、図4(b)に示す撓みが発生した液晶マスク8を用いて露光を行った場合のステージ2上の位置と検出した露光光の光量との関係を示す。ここで、液晶マスク8の第1電極12及び第2電極18(以下、電極12,18と称する)に印加する電圧の大きさは、液晶マスク8の中央部と周縁部とでは同じ大きさの電圧を印加するものとする。図4(b)に示すように、液晶マスク8の中央部に対応するステージ2上では、液晶マスク8と被露光基板との距離が撓み発生前よりも近接するため、被露光基板に照射される単位面積あたりの露光光の光量は多くなる。一方、液晶マスク8の周縁部に対応するステージ2上では、撓みが発生しているため、露光光がボケてしまい被露光基板に照射される単位面積あたりの露光光の光量は少なくなる。このように、液晶マスク8に撓みが発生すると、被露光基板上の感光剤に照射される露光光にムラが発生する。
【0040】
そこで、本実施形態においては、液晶マスク8の周縁部の各画素に対応する電極12,18に印加する電圧と、液晶マスク8の中央部の各画素に対応する電極12,18に印加する電圧の大きさを異ならせることにより、液晶マスク8を透過する露光光の光量を制御する。以下に、本実施形態の液晶マスク8の撓みを考慮した場合の露光方法について図面を参照して説明する。
【0041】
まず、本実施形態の液晶マスク8の表示方式について説明する。液晶マスク8の表示方式には、電圧が加わらない状態(オフ状態)で白表示するノーマリーホワイト方式を採用している。ノーマリーホワイト方式では、電極12,18に電圧が印加されていない状態では、液晶分子の長軸方向が基板面方向に対して平行に配向されるため、露光光が液晶層を通過し、白色表示となる。一方、電極12,18に電圧が印加された状態では、液晶分子の長軸方向が基板面方向に対して垂直に配向されるため、露光光は液晶層を通過することができず、黒色表示となる。このように、電極12,18に印加する電圧を制御することにより、液晶マスク8を透過する露光光の光量を各画素ごとに階調制御し、ステージ2に照射される露光光の光量を制御する。
【0042】
続けて、本実施形態の液晶マスクの撓み量を検出し、検出した撓み量に基づいて液晶マスクの各領域の電極に所定電圧を印加するまでの動作について説明する。
図5は、液晶マスク8の撓み量を検出し、検出した撓み量に基づいた電圧(補正値)を液晶マスク8にフィードバックするまでの動作を示すフローチャートである。
【0043】
まず、ステップS10において、露光装置70による処理が複数回行われた後に、露光装置70のチャンバー内部から被露光基板を搬出する。ここで、処理が複数回行われた後とは、露光処理により液晶マスク8に撓みが発生するまでの露光回数後を意味する。
【0044】
次に、ステップS11において、ステージ2に対して、露光装置70により露光処理を行う。この露光処理は、液晶マスクの中央部及び周縁部を透過した露光光の光量を検出するための処理であり、被露光基板に対して行うのではなく、被露光基板が載置されていないステージ2に対して行う。なお、被露光基板にセンサ28を設けた場合には、被露光基板に対して露光処理を行う。
【0045】
次に、ステップS12において、ステージ2上に設けられたセンサ28により、ステージ2上に液晶マスク8を介して照射された露光光の光量を検出する。(ステップS12)。具体的には、ステージ2の中央部に配設されるセンサ28aは、液晶マスク8の中央部を通過した露光光の光量を検出する。同様に、ステージ2の周縁部に配設されるセンサ28bは、液晶マスク8の周縁部を通過した露光光の光量を検出する。そして、これらのセンサ28a,28bによって検出された露光光の光量情報は、制御装置6に供給される。
【0046】
次に、ステップS14において、センサ28により、ステージ2上に照射された露光光の検出した後、検出した情報に基づいて液晶マスク8に撓みが発生しているか否かを判断する(ステップS14)。液晶マスク8に撓みが発生したか否かは、ステージ2の中央部に配設されたセンサ28aが検出する露光光の光量(照度)と、ステージ2の周縁部に配設されたセンサ28bが検出する露光光の光量とを比較することにより行う。制御装置6は、ステージ2の中央部に配設されたセンサ28aが検出した露光光の光量(照度)と、ステージ2の周縁部に配設されたセンサ28bが検出した露光光の光量とは異なるため、液晶マスク8に撓みが発生していると判断する。なお、液晶マスク8の撓みが発生したか否かの判断は、許容値(閾値)を設定し、この許容値を超えたか否かにより判断することも可能である。
【0047】
一方、ステージ中央部に配設されたセンサ28aが検出した露光光の光量(照度)と、ステージ2の周縁部に配設されたセンサ28bが検出した露光光の光量とが等しい場合、又は許容値の範囲内の場合には、制御装置6は液晶マスク8に撓みが発生していないと判断する。この場合には、ステップS24に処理が移行し、露光装置70のチャンバー内のステージ2上に被露光基板が搬送され、露光処理が行われる。
【0048】
次に、ステップS16において、液晶マスク8に撓みが発生している判断した場合には、センサ28により検出した光量情報に基づいて液晶マスク8の各領域の撓み量を算出する。「撓み量」とは、支持部材に取り付けられている部分からステージ2(ステージ上の被露光基板)までの距離に対して、どの程度距離の差が有るかの量であり、この「撓み量」が大きいと液晶マスク8がステージ2に近接していることになる。この「撓み量」は、撓みが発生する前の液晶マスク8を用いて露光処理を行った場合に、液晶マスク8を透過してステージ2上に照射された露光光の光量「x」が基準となる。
【0049】
本実施形態においては、液晶マスク8は、周縁部から中央部に向かって鉛直方向に湾曲して撓みが発生している。従って、液晶マスク8の中央部においては、ステージ2との距離が、撓み発生前と比較して近接する。そのため、露光時にセンサ28によって検出される露光光の光量は、「+α」多くなり、全体の露光光の光量は「x+α」となる。これにより、制御装置6(撓み量算出手段)は、液晶マスク8の中央部の「撓み量」を「+α」であると算出する。
【0050】
一方、液晶マスク8の周縁部においては、撓みにより液晶マスク8を透過した露光光が分散してステージ2に照射される。そのため、露光時にセンサ28によって検出される露光光の光量は、「−α」少なくなり、全体の露光光の光量は「x−α」となる。これにより、制御装置6は、液晶マスク8の周縁部の「撓み量」を「−α」であると算出する。
【0051】
次に、ステップS18において、制御装置6は、上記算出した撓み量に基づいて撓み量が正(+)の値か負(−)の値かを判断する。本実施形態において、液晶マスク8の中央部は撓み量が「+α」であるため、制御装置6は撓み量が「正」であると判断する。一方、液晶マスク8の周縁部は撓み量が「−α」であるため、制御装置6は撓み量が「負」であると判断する。そして、制御装置6は算出した撓み量情報を電圧設定部100に供給する。
【0052】
次に、ステップS20において、制御装置6により算出した撓み量が正(+)の場合の液晶マスク8の中央部の各画素に対応する電極12,18に印加する電圧の大きさを算出する。この場合には、露光時のステージ2の中央部において検出された露光光の光量が、撓み発生前と比較して「撓み量+α」だけ多くなっている。従って、ステージ2の中央部において検出される露光光の光量を「撓み量+α」だけ少なくなるように、液晶マスク8の中央部を透過する露光光の光量を調節する必要がある。
【0053】
具体的には、図4(a)に示すように、電圧設定部100は、液晶マスク8の中央部の各画素に対応する電極12,18に基準電圧よりも大きな電圧Vを印加する。図6(a)は、液晶マスク8の中央部の各画素に印加する電圧の駆動波形を示す。図6(a)及び(b)において、破線で示す駆動波形は、基準となる印加電圧である。この基準電圧は、液晶マスク8の撓みが発生する前に液晶マスク8に印加していた電圧である。このようにして、ステップ20においては、基準電圧よりも大きい電圧Vを液晶マスク8の中央部に印加する。これにより、次回からの露光処理において、液晶マスク8の中央部には、基準電圧よりも大きな電圧Vが印加されるため、液晶マスク8の中央部を透過する露光光の光量が少なくなり、被露光基板に照射される露光光の光量が少なくなる。
【0054】
次に、ステップS22において、制御装置6により算出した撓み量が負(−)の場合の液晶マスク8の周縁部の各画素に対応する電極12,18に印加する電圧の大きさを算出する。この場合には、露光時のステージ2の中央部において検出された露光光の光量が、撓み発生前と比較して「撓み量−α」だけ少なくなっている。従って、ステージ2の中央部において検出される露光光の光量を「撓み量−α」だけ多くなるように、液晶マスク8の周縁部の露光光の光量を調節する必要がある。
【0055】
具体的には、図4(a)に示すように、電圧設定部100は、液晶マスク8の周縁部の電極12,18に、基準電圧よりも小さな電圧Vを印加する。図6(b)は、液晶マスク8の周縁部に印加する電圧の駆動波形を示す。これにより、次回からの露光処理において、液晶マスク8の周縁部には、基準電圧よりも小さな電圧Vが印加されるため、液晶マスク8の周縁部を透過する露光光の光量が多くなり、被露光基板に照射される露光光の光量が多くなる。
【0056】
次に、ステップS24において、液晶マスク8の中央部及び周縁部に印加する電圧を、撓み量に基づいて設定し、印加した後、露光処理を開始する。
【0057】
本実施形態によれば、センサ28により露光光の照射による液晶マスク8の撓み(変形)を検出し、この情報に基づいて液晶マスク8の撓みを判断することができる。また、センサ28により検出した露光光の情報により、液晶マスク8の各領域の撓み量を算出することができる。これにより、液晶マスク8の各領域の撓み量に基づいて、液晶マスク8の各領域に印加する最適な電圧を算出して、液晶マスク8の各領域を透過する露光光の光量を制御することができる。従って、液晶マスク8の撓みを補正して、均一に被露光基板上に露光光を照射することができ、ボケのないパターンを転写することができる。
【0058】
[第2の実施の形態]
以下に、本実施形態について図面を参照して説明する。
上記実施形態では、液晶マスク8の撓みを検出する方法として、露光装置70のステージ2上に設けられたセンサにより、ステージ2に照射される露光光の光量を計測し、光量のばらつきにより液晶マスク8の撓みを検出していた。これに対し、本実施形態においては、液晶マスク8の側面側からレーザ光を照射することにより、液晶マスク8の撓みを検出する点において異なる。また、その他の液晶マスク8の基本構成は、上記第1実施形態と同様であり、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0059】
図7は、露光装置70の概略構成を示した平面図である。
露光装置70は、上記第1実施形態に示した構成の他に、液晶マスク8の一方の側面側にはレーザ光を照射する照射部82と、液晶マスク8の他方の側面側にはレーザ光を受光する受光部84とを備えている。照射部82及び受光部84の各々は駆動モータ(図示省略)に接続され、駆動モータは制御装置6に接続されている。駆動モータが駆動されることにより、照射部82及び受光部84が互いに同期して所定方向に走査されるようになっている。
【0060】
次に、本実施形態の液晶マスク8の撓みの検出方法について図7を参照して説明する。
まず、液晶マスク8と照射部82及び受光部84とを距離d離れた位置に設置する。続けて、照射部82及び受光部84を液晶マスク8が配置された上方側(Y軸方向)に走査する。そして、照射部82及び受光部84が距離dを走査する前(液晶マスクの下面側に到達する前)に、照射部82から射出されたレーザ光を受光部84により検出できない場合には、制御装置6は液晶マスク8に撓みが発生したと判断する。一方、照射部82及び受光部84が距離d(液晶マスクの下面側)を走査する間、照射部82から出射されたレーザ光を受光部84により受光し続けた場合には、制御装置6は液晶マスク8に撓みが発生していないと判断する。
【0061】
続けて、本実施形態の液晶マスク8の撓み量の算出方法について説明する。
液晶マスク8に撓みが発生している場合、制御装置6は、レーザ光が遮断されたときの走査距離dを算出し、この算出した走査距離dと、液晶マスク8が配置された距離dとを比較する。これにより、制御装置6は、液晶マスク8の撓み量dを算出する。そして、算出した撓み量dに基づいて、上記第1実施形態と同様にして、液晶マスク8の中央部及び周縁部の各画素の電極12,18に印加する電圧の大きさ算出をする。
【0062】
本実施形態によれば、レーザ光が受光部84によって受光されたか否かによって液晶マスク8に撓みが発生したか否かを検出することができる。また、上記第1実施形態と同様に、液晶マスク8の各領域の撓み量して、液晶マスク8の各領域に印加する最適な電圧を算出し、液晶マスク8の各領域を透過する露光光の光量を制御することができる。これにより、液晶マスク8の撓みを補正して、均一に被露光基板上に露光光を照射することができ、ボケのないパターンを転写することができる。
【0063】
(電気光学装置)
次に、上述した露光装置及び露光方法により形成された配線、電極等を備える液晶装置(電気光学装置)について図面を参照して説明する。図8(a)は液晶装置200を各構成要素とともに対向基板側からみた平面構成図、図8(b)は液晶装置200のB−B’線に沿った側断面構成図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0064】
図8(a)及び図8(b)に示すように、本実施形態の液晶装置200は、画素電極32及びTFT等が形成されたTFTアレイ基板34と、対向基板36とが、平面視略矩形枠状のシール材52を介して貼り合わされ、このシール材52に囲まれた領域内に液晶層50が封入された構成を具備した液晶パネル110と、その背面側((b)図下側)に配設されたバックライト120とを備えて構成されている。
【0065】
液晶パネル110には、シール材52の内周側に沿って平面視矩形枠状の周辺見切り53が形成され、この周辺見切りの内側の領域には表示領域(画素部)が形成されている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201及び外部回路実装端子202がTFTアレイ基板34の1辺(図示下辺)に沿って形成されており、この1辺に隣接する2辺に沿ってそれぞれ走査線駆動回路204,204が形成されている。TFTアレイ基板34の残る1辺(図示上辺)には、表示領域38の両側の走査線駆動回路204,204間を接続する複数の配線205が設けられている。
【0066】
また、対向基板36の各角部にはTFTアレイ基板34と対向基板36との間の電気的導通をとるための基板間導通材106,206が配設されている。本実施形態の液晶装置200は、半透過反射型の液晶装置として構成され、透過表示モードでは、背面側に配設されたバックライト120からの照明光を液晶パネル110にて変調して対向基板36側から表示光として射出し、反射表示モードでは、液晶パネル110に設けられた反射層(図示略)により対向基板36側から入射した光を反射させるとともに液晶層50にて変調し、表示光として射出するようになっている。
【0067】
なお、液晶装置200においては、使用する液晶の種類、すなわち、TN(Twisted Nem
atic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、垂直配向モード等の動作モード
や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板
等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。
【0068】
なお、本願発明は、上述した例に限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しな
い範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本願発明の要旨を逸脱しな
い範囲において上述した各例を組み合わせても良い。
例えば、上記実施形態では、ステージ上にセンサを設けることにより、液晶マスクの各領域の撓み量を測定した。これに対し、露光・現像により被露光基板上に形成されたパターンを検査することで撓み量を測定しても良い。この場合、被露光基板上に形成されたパターンの高さを比較することで液晶マスクにおける露光光の光量が多い部分と少ない部分とを判定可能である。
上記実施形態では、センサをステージの中央部と周縁部とに設けていたが、これに限定されることはない。ステージの中央部と周縁部との間に複数のセンサを設けることも可能である。
また、上記実施形態では、液晶マスクに撓みが発生した場合に、液晶マスクの中央部と周縁部とに印加する電圧を撓み量から算出したが、これに加えて、液晶マスクの中央部から周縁部の間の複数の地点(画素)の電極に印加する電圧を算出することもできる。つまり、上述した液晶マスクの中央部と周縁部の撓み量から、液晶マスクの中央部から周縁部の間の地点の撓み量を予測し、印加する電圧を算出することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態に係る露光装置の概略構成を示した斜視図である。
【図2】同、パッシブマトリクス方式の液晶マスクの概略構成を示した斜視図である。
【図3】同、図2に示す液晶マスクのA−A’線に沿った断面図である。
【図4】同、(a)は撓みが発生した液晶マスクを示す断面図、(b)は(a)に示す液晶マスクの透過してステージ上の領域に照射された露光光の光量を示す図である。
【図5】同、液晶マスクの撓み量及び印加電圧を算出するフローチャートである。
【図6】同、液晶マスクの各領域に印加する電圧の駆動波形を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る露光装置の概略構成を示した斜視図である。
【図8】(a)は電気光学装置の概略構成を示す平面図、(b)は(a)に示す電気光学装置のB−B’線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0070】
2…ステージ、 5…光源、 6…制御装置(撓み量算出手段)、 7…コンデンサレンズ、 8…液晶マスク、 9…縮小レンズ、 10…第1基板、 12…第1電極、 14…配向膜、 16…第2基板、 18…第2電極、 20…第1偏光板、 21…第2偏光板、 22…配向膜、 26…液晶層、 28(28a,28b)…センサ(撓み検出手段)、32…画素電極、 34…TFTアレイ基板、 36…対向基板、 38…表示領域、 50…液晶層、 52…シール材、 70…露光装置、 82…照射部、 84…受光部、 100…電圧設定部(電圧印加手段)、 106,206…基板間導通材、 110…液晶パネル、 120…バックライト、 200…液晶装置、 201…線駆動回路、 202…外部回路実装端子、 204…走査線駆動回路、 205…配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光光を出射する光源と、基板を支持するステージとを備え、一対の電極を備えた液晶マスクを用いて前記基板に所定パターンを転写する露光方法であって、
前記光源からの露光光が照射された前記液晶マスクの撓みを検出する撓み検出工程と、
前記液晶マスクの前記撓みに基づいて、前記液晶マスクの各領域の撓み量を算出する撓み量算出工程と、
前記液晶マスクの各領域の前記撓み量に基づいて、前記液晶マスクの前記一対の電極に印加する電圧を前記液晶マスクの各領域ごとに制御する電圧印加工程と、
を有することを特徴とする露光方法。
【請求項2】
前記撓み検出工程において、センサにより、前記液晶マスクを透過して前記ステージに照射された露光光の光量を検出することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
【請求項3】
前記センサは、前記液晶マスクの中央部及び前記液晶マスクの周縁部に対応した前記ステージの所定位置に複数設けられたことを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
【請求項4】
前記撓み量算出工程において、前記ステージの所定位置に複数設けられた前記センサにより検出された露光光の光量に基づいて、前記液晶マスクの前記中央部及び前記液晶マスクの前記周縁部の前記撓み量を算出することを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
【請求項5】
前記電圧印加工程において、前記撓み量算出工程によって検出した前記液晶マスクの前記中央部及び前記液晶マスクの前記周縁部の前記撓み量に基づいて、前記液晶マスクの前記中央部及び前記液晶マスクの前記周縁部のそれぞれの前記一対の電極に印加する前記電圧の大きさを制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の露光方法。
【請求項6】
前記電圧印加工程において、前記液晶マスクの前記中央部又は前記液晶マスクの前記周縁部に、前記撓み量算出工程により算出した前記撓み量が設定値よりも大きい場合には、基準とする印加電圧よりも大きい電圧を前記液晶マスクの前記一対の電極に印加し、前記撓み量算出工程により算出した前記撓み量が前記設定値よりも小さい場合には、基準とする前記印加電圧よりも小さい電圧を前記液晶マスクの前記一対の電極に印加することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の露光方法。
【請求項7】
前記撓み検出工程において、前記液晶マスクの一方の側面側に設けられたレーザ光を出射する照射部と、前記液晶マスクの他方の側面側に設けられた前記レーザ光を受光する受光部とを用いて、
前記照射部と前記受光部とを鉛直方向に走査しつつ、前記照射部から前記受光部に前記レーザ光を出射した場合に前記受光部が前記レーザ光を受光したか否かにより、前記液晶マスクの前記撓みを検出することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
【請求項8】
露光光を出射する光源と、基板を支持するステージとを備え、一対の電極を備えた液晶マスクを用いて前記基板に所定パターンを転写する露光装置であって、
前記光源からの露光光が照射された前記液晶マスクの撓みを検出する撓み検出手段と、
前記液晶マスクの前記撓みに基づいて、前記液晶マスクの各領域の撓み量を算出する撓み量算出手段と、
前記液晶マスクの各領域の前記撓み量に基づいて、前記液晶マスクの前記一対の電極に印加する電圧を制御する電圧印加手段と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の露光方法を用いて形成されたパターンを有する基板を備えたことを特徴とする電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−258855(P2006−258855A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72421(P2005−72421)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】