露光装置及び画像形成装置
【課題】画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる露光装置を提供することにある。
【解決手段】画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材と、該露光部材の一面を支持しており、露光部材の複数方向の振動の発生時に露光部材との間で摩擦力を発生させる支持部材と、を有することを特徴とする露光装置。
【解決手段】画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材と、該露光部材の一面を支持しており、露光部材の複数方向の振動の発生時に露光部材との間で摩擦力を発生させる支持部材と、を有することを特徴とする露光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真感光体に露光手段によって選択的な露光を行い潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像して記録媒体に転写する電子写真画像形成装置において、装置本体に対する前記露光手段の位置決め部として、該露光手段の長手軸回りの角度を規定する部位を3ヶ所設けたことを特徴とする電子写真画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、感光体ドラムを軸支する本体側フレームと、該感光体ドラムと対面する位置に配設された一のフレーム上面から感光体ドラム側に挿入されたネジ部材に螺合され中空保持された露光ヘッドと、前記一のフレームと露光ヘッド間に介装された圧縮バネ部材と、前記ネジ部材先端を本体フレーム側の受け面に当接させた状態で、該ネジ部材を回動させる事により、前記一のフレームと本体フレーム間が間隔規制された状態で露光ヘッドのみが感光体ドラム周面から離接する方向に移動可能に構成した事を特徴とする電子写真装置が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
また、光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡と一体的に結合されたロータと、該ロータに対向してモータを構成するステータと、該ステータを実装するモータ部と前記モータを制御する制御手段を搭載する制御部を有するモータ基板と、該モータ基板を支持する筐体を備えており、前記モータ基板が、少なくとも前記ロータの外周部の一部分が前記モータ部から径方向外方へ突出するように小型化されていることを特徴とする走査光学装置が知られている(特許文献3参照)。
【0005】
また、感光性の像担持体と、上記像担持体の表面上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、可視像を転写材に転写する転写手段と、上記転写材上に転写された現像像を定着させる転写材定着手段とを有し、上記像担持体、上記現像手段、上記転写手段及び上記転写材定着手段は、駆動源によって回転制御される画像形成装置において、上記像担持体の表面上を露光して静電潜像を形成する光学ユニットと、上記光学ユニット内のミラーまたはレンズを保持して位置決めする保持位置決め手段を有し、上記保持位置決め手段は、ミラーまたはレンズの一端側における2点の位置決め部と、他端側における1点の位置決め部とを有し、上記一端側の2点の位置決め部は、ミラーまたはレンズの傾きを規制すると共に、上記駆動源が配置されている側とは逆側に位置していることを特徴とする画像形成装置が知られている(特許文献4参照)。
【0006】
また、軸方向両端部の非画像領域に位置決め用ベース部材を有する回転自在に形成された静電潜像担持体と、該静電潜像担持体と対向して、その長手方向が前記軸方向と略平行に延在するように配設され、静電潜像担持体上に光を照射して静電潜像を形成すると共に、前記位置決め用ベース部材のそれぞれと当接する当接部材を有する略箱体状に形成された書き込みヘッドと、該書き込みヘッドと対向し、この書き込みヘッドを弾性部材を介して支持すると共に、該書き込みヘッドに対して移動可能に形成された可動支持部材と、前記書き込みヘッドと前記可動支持部材とで形成される構造体の固有振動数を変更することにより、外乱による加振周波数との共振を回避して前記書き込みヘッドの振動を抑制する振動抑制手段とを備えることを特徴とする画像形成装置が知られている(特許文献5参照)。
【0007】
また、光源部と、この光源部から照射される光束を被走査面に反射するミラーと、このミラーが取り付けられるフレームとを有する光走査装置を備えた画像形成装置において、上記フレームが、上記ミラーを支持する平面部を有し、上記ミラーの主走査方向における両端部を、板状の部材と上記平面部とにより挟み込んで、上記フレームに固定したことを特徴とする画像形成装置が知られている(特許文献6参照)。
【0008】
また、光源(1)と感光体(2)との間の光路中に少なくとも1枚以上の反射ミラー(3)を含み、感光体(2)の走査ライン毎に画像信号に応じたビームを偏向手段(4)を介して移動走査させ、感光体(2)上に画像信号に応じた潜像を書込むラスタ走査装置において、上記反射ミラー(3)の下端縁位置を規制するストッパ(5)と、上記反射ミラー(3)を所定角度に傾斜させて支持する支持体(6)と、上記ストッパ(5)及び支持体(6)に対し上記反射ミラー(3)を位置決め保持するホルダ(7)と、上記反射ミラー(3)の上端縁の略中央部をストッパ(5)側へ押圧する振動抑え部材(8)とを備えたことを特徴とするラスタ走査装置の反射ミラー支持構造が知られている(特許文献7参照)
【0009】
【特許文献1】特開2000−014524号公報
【特許文献2】実開平05−081844号公報
【特許文献3】特開2000−241735号公報
【特許文献4】特開2000−122382号公報
【特許文献5】特開2006−195129号公報
【特許文献6】特開平11−149053号公報
【特許文献7】特開平04−257815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的とするところは、画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる露光装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載された発明は、画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材と、該露光部材の一面を支持しており、露光部材の複数方向の振動の発生時に露光部材との間で摩擦力を発生させる支持部材と、を有することを特徴とする露光装置である。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記支持部材は、前記露光部材の一面に接触する接触部材と、前記露光部材に対して前記接触部材が接触するように弾性を付与する弾性部材と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置である。
【0013】
請求項3に記載された発明は、前記接触部材と前記弾性部材とが一部品から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の露光装置である。
【0014】
請求項4に記載された発明は、前記接触部材は、前記弾性部材に対して弾性部材の弾性で支持する方向に曲げ剛性が高いことを特徴とする請求項2又は3に記載の露光装置である。
【0015】
請求項5に記載された発明は、前記接触部材は、基部を中心に回転可能であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の露光装置である。
【0016】
請求項6に記載された発明は、前記接触部材の前記露光部材と接触する面に突起が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の露光装置である。
【0017】
請求項7に記載された発明は、前記接触部材は前記露光部材の中央部に接触していることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の露光装置である。
【0018】
請求項8に記載された発明は、前記接触部材が前記露光部材に接触する角度45度以上90度未満であることを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の露光装置である。
【0019】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8の何れか1項に記載の露光装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【0021】
請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、簡単な構成で露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【0022】
請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、更に簡単な構成で露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【0023】
請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、弾性部材の弾性で支持する方向の接触部材による摩擦を確保することができる。
【0024】
請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、弾性部材の弾性で支持する方向の接触部材による摩擦を確保することができる。
【0025】
請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、露光部材に対する接触部材の接触を確実なものにすることができる。
【0026】
請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、
露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを有効に低減することができる。
【0027】
請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、
弾性部材の弾性で支持する方向の接触部材による摩擦を確保することができる。
【0028】
請求項9に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
[第1実施形態]
図1〜図9は、本発明に係る露光装置及び画像形成装置の第1実施形態を説明する図である。
【0031】
図1は、本実施形態における画像形成装置を示す概略図である。画像形成装置1は、図1に示すように、装置本体(不図示)の内部に、画像情報に基づくトナー像を形成すると共にそのトナー像を最終的に用紙9に転写する作像装置10、そのトナー像が転写された用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置30、及び作像装置10に用紙9を供給する給紙装置35が主に装備されている。図中の符合4は画像形成装置1の各構成部品の動作等について総括的に制御する制御装置であり、矢付き一点鎖線は用紙9の主な搬送経路を示す。
【0032】
作像装置10は、例えば公知の電子写真方式を利用してトナー像を形成して転写することができるものである。具体的には、矢印A方向に回転駆動する円筒状の感光体ドラム(像保持体)12を備えており、この感光体ドラム12の周囲に、感光体ドラム12の表面を一様に帯電させる帯電ロール等を備えた帯電装置13、帯電後の感光体ドラム12の表面に画像情報に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成するLEDアレイ、レーザ走査装置等からなる露光装置14、その静電潜像にトナーを転移付着させてトナー像を形成する現像装置15、そのトナー像を給紙装置35から供給される用紙9に転写する転写ロール16a等を備えた転写装置16、転写後の感光ドラム12の表面に残留するトナー等を感光体ドラム12に接触して清掃するクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が主に配置されている。
【0033】
このうち、感光ドラム12は、ドラム状の基材に有機感光材料からなる光導電性層を形成したものである。帯電装置13は、導電性のロール基材に半導電性の弾性層等を形成してなる帯電ロールを感光ドラム12の表面に接触させて従動回転するように設置しており、また、その帯電ロールに電源装置(不図示)から所定の帯電用電圧が印加されるようになっている。露光装置14は、画像形成装置1に接続又は装備される原稿読取装置、コンピュータ等の外部機器から入力される画像情報を画像形成時に画像処理装置(不図示)で所要の処理をして得られる画像信号が入力されるようになっている。
【0034】
また、現像装置15は、その収容しているトナーを感光ドラム12と対向する現像位置に搬送供給するための現像ロールを装備しており、また、その現像ロールに電源装置(不図示)から所定の現像用電圧が印加されるようになっている。
【0035】
また、転写装置16は、不図示のバイアス電源によって感光ドラム12上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加することで、感光ドラム12上のトナー像を用紙9に転与させるものであり、本実施の形態における転写装置16は、感光ドラム12と、この感光ドラム21に圧接して対向配置された転写ロール16aとで転写圧接部を形成している。そして、この感光ドラム12と転写ロール16aとの間で形成された転写圧接部には、複数のローラ(本例では、駆動ロール16b及び従動ロール16c)に捲回されて、所定の方向に回転自在(本例では、時計回り方向)に形成され、用紙9を転写部から定着部へ搬送する転写搬送ベルト16dが挿通されている。この転写搬送ベルト16dは、回転速度が転写装置16の転写速度(転写圧接部を通過する際の用紙9の搬送速度)と同期するように駆動ロール16bにより回転駆動されるようになっており、その表面に用紙9を静電気力により吸着して、用紙9の転写搬送ベルト16dと一体の高速搬送を可能としている。尚、転写ロール16aは転写搬送ベルト16dに従動回転している。
【0036】
また、クリーニング装置17は、転写後の感光ドラム12の表面に所定の圧力で先端部が接触するクリーニングブレード、及びクリーニングブレードを支持するブレード支持部材から構成されている。
【0037】
定着装置30は、本体31の内部に、所定の温度に加熱されると共に矢印方向に回転駆動する加熱ロール32、及びこの加熱ロール32に圧接して対向配置され従動回転する加圧ロール33を備えたものである。そして、定着は、その加熱ロール32と加圧ロール33の間の定着圧接部にトナー像が転写された用紙9を導入して通過させることによりトナー像等を加熱加圧することで行われる。
【0038】
給紙装置35は、作像装置10に供給すべき複数枚の用紙9が積載されて収容される給紙カセット36、及びこの給紙カセット36に収容される用紙9を1枚ずつ送り出す送出機構37を主に備えたものである。給紙カセット36は、必要により複数装備される。また、給紙装置35は、用紙9を給紙カセット36から作像装置10の転写部(感光ドラム12と転写装置16の間)まで搬送するための用紙搬送ロール対38a,38b,38c,…やガイド部材等で構成される用紙搬送路を装備している。用紙搬送路は、作像装置10と定着装置30の間や、定着装置30と排紙部(トレイなど)39の間にも設置されている。例えば定着装置30の用紙排出側には、定着後の用紙9を排紙部39に排出搬送するための排出ロール対38dが設置されている。
【0039】
尚、図1中符号11は、画像形成装置1に対して着脱自在のプロセスカートリッジである。本実施形態におけるプロセスカートリッジ11は、感光体ドラム12、帯電装置13、現像装置15、及びクリーニング装置17のプロセス機器を有している。
【0040】
次に、本発明の原理について図面を用いて説明する。
【0041】
図2は、露光部材が支持部材で支持されている状態を示す斜視図である。尚、露光部材とは、露光装置から支持部材を省略した部材である。
【0042】
図2(a)は、露光部材の長手方向の両端部に支持部材を設けたものである。露光部材100の長手方向の両端部には、支持部材102が設けられている。尚、図中矢印は露光部材100が振動する方向を示している。
【0043】
図2(b)は、露光部材の長手方向中央部に露光部材が振動する方向に制振材が設けられたものである。尚、制振材104は、一般的に、コイルバネ106及びダンパー108から構成されている。また、図中矢印は露光部材100が振動する方向を示している。
【0044】
図2(c)は、本発明の構成である露光部材の長手方向の両端部に支持部材が設けられた露光部材の長手方向に所定間隔を空けて対の接触部材が設けられているものである。尚、対の接触部材110は、露光部材100にそれぞれ所定圧力で接触している。所定圧力は、例えば、0.1kgfである。また、図中矢印は露光部材100が振動する方向を示している。
【0045】
図3は、露光部材が支持部材で支持されている状態において露光部材が振動する特性を示す図である。
【0046】
図3(a)は、図2(c)の所定間隔(支持間距離)に対する振動周波数を示す図である。露光部材100は、支持間距離100mmから400mmまで略同じ周波数で振動している。
【0047】
図3(b)は、図2(c)の支持間距離に対する減衰比を示す図である。本図によると、支持間距離が短い程減衰比が大きくなる。
【0048】
図3(c)は、支持部材で支持されている露光部材に制振材を設けた場合の振動周波数と振幅を示した図である。本図によると露光部材100に制振材104又は対の接触部材110を設けることで共振周波数での振幅が極端に低下する。
【0049】
図4は、部材の相違による一般的な減衰比を示す図である。減衰比は、アルミで0.002%、ソーダガラスで0.04%、POMで0.1%、シリコーンゴム(制振材)で10%〜25%、及び、支持摩擦(中央部付加の場合)で45%である。支持摩擦の中央部付加の場合とは、支持間距離が略100mmの場合である。
【0050】
図5は、接触部材110及び弾性部材112を用いて露光部材(LPHユニット)100に支持摩擦を付与する第1理想形態を示す図である。尚、接触部材110は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。尚、LPHユニットとは、LEDプリントヘッドを意味する。
【0051】
図5(a)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第1理想形態の初期状態を示す図である。本図においては、接触部材110の先端部における曲面部がLPHユニット100の底面に接触している。
【0052】
図5(b)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第1理想形態において、LPHユニット100が左右に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の底面に接触する圧力を付与している。
【0053】
図5(c)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第1理想形態において、LPHユニット100が上下に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の底面に接触する圧力を付与している。
【0054】
図6は、接触部材110及び弾性部材112を用いて露光部材(LPHユニット)100に支持摩擦を付与する第2理想形態を示す図である。尚、接触部材110は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。尚、LPHユニットとは、LEDプリントヘッドを意味する。
【0055】
図6(a)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第2理想形態の初期状態を示す図である。本図においては、接触部材110の先端部における曲面部がLPHユニット100の側面に接触している。
【0056】
図6(b)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第2理想形態において、LPHユニット100が上下に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の側面に接触する圧力を付与している。
【0057】
図6(c)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第2理想形態において、LPHユニット100が左右に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の側面に接触する圧力を付与している。
【0058】
図7は、本実施形態における支持部材を示す図である。
【0059】
図7(a)は、支持部材150の正面図である。支持部材150は、略矩形板状に形成されている。支持部材150は、接触部材152及び弾性部材154から構成されている。支持部材150の下部に対の弾性部材154が設けられている。
【0060】
図7(b)は、支持部材150の側面図である。支持部材150における接触部材152の上部には、曲面部が設けられている。また、支持部材150における弾性部材154は、曲面を有して弾性を有するように形成されている。
【0061】
図7(c)は、支持部材150の斜視図である。接触部材152と対の弾性部材154は一体に形成されている。
【0062】
図8は、本実施形態における露光装置の第1使用形態を示す図である。
【0063】
図8(a)は、本実施形態における露光装置の第1使用形態の初期状態を示す図である。本図では、支持部材150の側面が正面となるように設けられている。また、LPHユニット156の底面に支持部材150の曲面部が接触するように設けられている。また、弾性部材154の端部には、弾性部材154が左右方向に移動しないようにストッパ158が設けられている。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0064】
図8(b)は、本実施形態における露光装置の第1使用形態において、LPHユニット156が左右に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の底面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0065】
図8(c)は、本実施形態における露光装置の第1使用形態において、LPHユニット156が上下に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の底面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0066】
図9は、本実施形態における露光装置の第2使用形態を示す図である。
【0067】
図9(a)は、本実施形態における露光装置の第2使用形態の初期状態を示す図である。本図では、支持部材150の側面が正面となるように設けられている。また、LPHユニット156の側面に支持部材150の曲面部が接触するように設けられている。また、弾性部材154の端部には、弾性部材154が上下方向に移動しないようにストッパ158が設けられている。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0068】
図8(b)は、本実施形態における露光装置の第2使用形態において、LPHユニット156が上下に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の側面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0069】
図8(c)は、本実施形態における露光装置の第2使用形態において、LPHユニット156が左右に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の側面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0070】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る露光装置及び画像形成装置における第2実施形態について説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0071】
図10は、本実施形態における接触部材の曲面部を示す図である。
【0072】
図10(a)は、本実施形態における接触部材200の曲面部の側面図である。本実施形態においては、接触部材200の曲面部に突起202が設けられている。
【0073】
図10(b)は、本実施形態における接触部材200の曲面部の斜視図である。本実施形態においては、接触部材200における曲面部の略中央部に突起202が設けられている。
【0074】
これにより、LPHユニット156に対する接触部材152の接触を確実なものにすることができる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、本発明に係る露光装置及び画像形成装置における第3実施形態について説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0076】
図11は、本実施形態において接触部材が露光部材に接触する角度について説明する図である。
【0077】
図中oaは、LPHユニット156が上下に振動する前の曲面部の位置を示している。図中ocは、LPHユニット156が上下に振動した下端の曲面部の位置を示している。図中θは、接触部材152がLPHユニット156に接触する初期角度を示している。図中αは、LPHユニット156が上下に振動した際の角度変化を示している。また、図中abはLPHユニット156の上下振動の振動振幅、bcはLPHユニット156と接触部材152の滑り量を示している。
【0078】
以上より下式(1)が導かれる。
【数1】
【0079】
従って、LPHユニット156の振動振幅より大きいLPHユニット156と接触部材152の滑り量を得るためには、下式(2)を満たさなければならない。
【数2】
【0080】
よって、LPHユニット156の振動による角度がα>0°であるため、θ>45°という条件が必要である。
【0081】
[第4実施形態]
次に、本発明に係る露光装置及び画像形成装置における第4実施形態について説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0082】
図12は、本実施形態における接触部材を示す図である。
【0083】
図12(a)に示す本実施形態における接触部材400は、剛性が弾性部材154より高いものである。尚、図12(b)に示す接触部材402は、剛性が弾性部材154より低いものである。
【0084】
これにより、弾性部材154の弾性で支持する方向の接触部材152による摩擦を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、第1実施形態における画像形成装置を示す概略図である。
【図2】図2は、露光部材が支持部材で支持されている状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、露光部材が支持部材で支持されている状態において露光部材が振動する特性を示す図である。
【図4】図4は、部材の相違による一般的な減衰比を示す図である。
【図5】図5は、接触部材及び弾性部材を用いて露光部材(LPHユニット)に支持摩擦を付与する第1理想形態を示す図である。
【図6】図6は、接触部材及び弾性部材を用いて露光部材(LPHユニット)に支持摩擦を付与する第2理想形態を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態における支持部材を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態における露光装置の第1使用形態を示す図である。
【図9】図9は、第1実施形態における露光装置の第2使用形態を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態における接触部材の曲面部を示す図である。
【図11】図11は、第3実施形態において接触部材が露光部材に接触する角度について説明する図である。
【図12】図12は、第4本実施形態における接触部材を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1:画像形成装置、12:感光体ドラム(像保持体)、14:露光装置、100、156:露光部材(LPHユニット)、102.150:支持部材、110、152:接触部材、112、154:弾性部材、200:突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真感光体に露光手段によって選択的な露光を行い潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像して記録媒体に転写する電子写真画像形成装置において、装置本体に対する前記露光手段の位置決め部として、該露光手段の長手軸回りの角度を規定する部位を3ヶ所設けたことを特徴とする電子写真画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、感光体ドラムを軸支する本体側フレームと、該感光体ドラムと対面する位置に配設された一のフレーム上面から感光体ドラム側に挿入されたネジ部材に螺合され中空保持された露光ヘッドと、前記一のフレームと露光ヘッド間に介装された圧縮バネ部材と、前記ネジ部材先端を本体フレーム側の受け面に当接させた状態で、該ネジ部材を回動させる事により、前記一のフレームと本体フレーム間が間隔規制された状態で露光ヘッドのみが感光体ドラム周面から離接する方向に移動可能に構成した事を特徴とする電子写真装置が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
また、光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡と一体的に結合されたロータと、該ロータに対向してモータを構成するステータと、該ステータを実装するモータ部と前記モータを制御する制御手段を搭載する制御部を有するモータ基板と、該モータ基板を支持する筐体を備えており、前記モータ基板が、少なくとも前記ロータの外周部の一部分が前記モータ部から径方向外方へ突出するように小型化されていることを特徴とする走査光学装置が知られている(特許文献3参照)。
【0005】
また、感光性の像担持体と、上記像担持体の表面上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、可視像を転写材に転写する転写手段と、上記転写材上に転写された現像像を定着させる転写材定着手段とを有し、上記像担持体、上記現像手段、上記転写手段及び上記転写材定着手段は、駆動源によって回転制御される画像形成装置において、上記像担持体の表面上を露光して静電潜像を形成する光学ユニットと、上記光学ユニット内のミラーまたはレンズを保持して位置決めする保持位置決め手段を有し、上記保持位置決め手段は、ミラーまたはレンズの一端側における2点の位置決め部と、他端側における1点の位置決め部とを有し、上記一端側の2点の位置決め部は、ミラーまたはレンズの傾きを規制すると共に、上記駆動源が配置されている側とは逆側に位置していることを特徴とする画像形成装置が知られている(特許文献4参照)。
【0006】
また、軸方向両端部の非画像領域に位置決め用ベース部材を有する回転自在に形成された静電潜像担持体と、該静電潜像担持体と対向して、その長手方向が前記軸方向と略平行に延在するように配設され、静電潜像担持体上に光を照射して静電潜像を形成すると共に、前記位置決め用ベース部材のそれぞれと当接する当接部材を有する略箱体状に形成された書き込みヘッドと、該書き込みヘッドと対向し、この書き込みヘッドを弾性部材を介して支持すると共に、該書き込みヘッドに対して移動可能に形成された可動支持部材と、前記書き込みヘッドと前記可動支持部材とで形成される構造体の固有振動数を変更することにより、外乱による加振周波数との共振を回避して前記書き込みヘッドの振動を抑制する振動抑制手段とを備えることを特徴とする画像形成装置が知られている(特許文献5参照)。
【0007】
また、光源部と、この光源部から照射される光束を被走査面に反射するミラーと、このミラーが取り付けられるフレームとを有する光走査装置を備えた画像形成装置において、上記フレームが、上記ミラーを支持する平面部を有し、上記ミラーの主走査方向における両端部を、板状の部材と上記平面部とにより挟み込んで、上記フレームに固定したことを特徴とする画像形成装置が知られている(特許文献6参照)。
【0008】
また、光源(1)と感光体(2)との間の光路中に少なくとも1枚以上の反射ミラー(3)を含み、感光体(2)の走査ライン毎に画像信号に応じたビームを偏向手段(4)を介して移動走査させ、感光体(2)上に画像信号に応じた潜像を書込むラスタ走査装置において、上記反射ミラー(3)の下端縁位置を規制するストッパ(5)と、上記反射ミラー(3)を所定角度に傾斜させて支持する支持体(6)と、上記ストッパ(5)及び支持体(6)に対し上記反射ミラー(3)を位置決め保持するホルダ(7)と、上記反射ミラー(3)の上端縁の略中央部をストッパ(5)側へ押圧する振動抑え部材(8)とを備えたことを特徴とするラスタ走査装置の反射ミラー支持構造が知られている(特許文献7参照)
【0009】
【特許文献1】特開2000−014524号公報
【特許文献2】実開平05−081844号公報
【特許文献3】特開2000−241735号公報
【特許文献4】特開2000−122382号公報
【特許文献5】特開2006−195129号公報
【特許文献6】特開平11−149053号公報
【特許文献7】特開平04−257815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的とするところは、画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる露光装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載された発明は、画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材と、該露光部材の一面を支持しており、露光部材の複数方向の振動の発生時に露光部材との間で摩擦力を発生させる支持部材と、を有することを特徴とする露光装置である。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記支持部材は、前記露光部材の一面に接触する接触部材と、前記露光部材に対して前記接触部材が接触するように弾性を付与する弾性部材と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置である。
【0013】
請求項3に記載された発明は、前記接触部材と前記弾性部材とが一部品から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の露光装置である。
【0014】
請求項4に記載された発明は、前記接触部材は、前記弾性部材に対して弾性部材の弾性で支持する方向に曲げ剛性が高いことを特徴とする請求項2又は3に記載の露光装置である。
【0015】
請求項5に記載された発明は、前記接触部材は、基部を中心に回転可能であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の露光装置である。
【0016】
請求項6に記載された発明は、前記接触部材の前記露光部材と接触する面に突起が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の露光装置である。
【0017】
請求項7に記載された発明は、前記接触部材は前記露光部材の中央部に接触していることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の露光装置である。
【0018】
請求項8に記載された発明は、前記接触部材が前記露光部材に接触する角度45度以上90度未満であることを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の露光装置である。
【0019】
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8の何れか1項に記載の露光装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【0021】
請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、簡単な構成で露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【0022】
請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、更に簡単な構成で露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【0023】
請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、弾性部材の弾性で支持する方向の接触部材による摩擦を確保することができる。
【0024】
請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、弾性部材の弾性で支持する方向の接触部材による摩擦を確保することができる。
【0025】
請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、露光部材に対する接触部材の接触を確実なものにすることができる。
【0026】
請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、
露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを有効に低減することができる。
【0027】
請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して上記効果に加え、
弾性部材の弾性で支持する方向の接触部材による摩擦を確保することができる。
【0028】
請求項9に記載された発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、露光部材の振動を抑制して画像にバンディングが発生することを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
[第1実施形態]
図1〜図9は、本発明に係る露光装置及び画像形成装置の第1実施形態を説明する図である。
【0031】
図1は、本実施形態における画像形成装置を示す概略図である。画像形成装置1は、図1に示すように、装置本体(不図示)の内部に、画像情報に基づくトナー像を形成すると共にそのトナー像を最終的に用紙9に転写する作像装置10、そのトナー像が転写された用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置30、及び作像装置10に用紙9を供給する給紙装置35が主に装備されている。図中の符合4は画像形成装置1の各構成部品の動作等について総括的に制御する制御装置であり、矢付き一点鎖線は用紙9の主な搬送経路を示す。
【0032】
作像装置10は、例えば公知の電子写真方式を利用してトナー像を形成して転写することができるものである。具体的には、矢印A方向に回転駆動する円筒状の感光体ドラム(像保持体)12を備えており、この感光体ドラム12の周囲に、感光体ドラム12の表面を一様に帯電させる帯電ロール等を備えた帯電装置13、帯電後の感光体ドラム12の表面に画像情報に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成するLEDアレイ、レーザ走査装置等からなる露光装置14、その静電潜像にトナーを転移付着させてトナー像を形成する現像装置15、そのトナー像を給紙装置35から供給される用紙9に転写する転写ロール16a等を備えた転写装置16、転写後の感光ドラム12の表面に残留するトナー等を感光体ドラム12に接触して清掃するクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が主に配置されている。
【0033】
このうち、感光ドラム12は、ドラム状の基材に有機感光材料からなる光導電性層を形成したものである。帯電装置13は、導電性のロール基材に半導電性の弾性層等を形成してなる帯電ロールを感光ドラム12の表面に接触させて従動回転するように設置しており、また、その帯電ロールに電源装置(不図示)から所定の帯電用電圧が印加されるようになっている。露光装置14は、画像形成装置1に接続又は装備される原稿読取装置、コンピュータ等の外部機器から入力される画像情報を画像形成時に画像処理装置(不図示)で所要の処理をして得られる画像信号が入力されるようになっている。
【0034】
また、現像装置15は、その収容しているトナーを感光ドラム12と対向する現像位置に搬送供給するための現像ロールを装備しており、また、その現像ロールに電源装置(不図示)から所定の現像用電圧が印加されるようになっている。
【0035】
また、転写装置16は、不図示のバイアス電源によって感光ドラム12上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加することで、感光ドラム12上のトナー像を用紙9に転与させるものであり、本実施の形態における転写装置16は、感光ドラム12と、この感光ドラム21に圧接して対向配置された転写ロール16aとで転写圧接部を形成している。そして、この感光ドラム12と転写ロール16aとの間で形成された転写圧接部には、複数のローラ(本例では、駆動ロール16b及び従動ロール16c)に捲回されて、所定の方向に回転自在(本例では、時計回り方向)に形成され、用紙9を転写部から定着部へ搬送する転写搬送ベルト16dが挿通されている。この転写搬送ベルト16dは、回転速度が転写装置16の転写速度(転写圧接部を通過する際の用紙9の搬送速度)と同期するように駆動ロール16bにより回転駆動されるようになっており、その表面に用紙9を静電気力により吸着して、用紙9の転写搬送ベルト16dと一体の高速搬送を可能としている。尚、転写ロール16aは転写搬送ベルト16dに従動回転している。
【0036】
また、クリーニング装置17は、転写後の感光ドラム12の表面に所定の圧力で先端部が接触するクリーニングブレード、及びクリーニングブレードを支持するブレード支持部材から構成されている。
【0037】
定着装置30は、本体31の内部に、所定の温度に加熱されると共に矢印方向に回転駆動する加熱ロール32、及びこの加熱ロール32に圧接して対向配置され従動回転する加圧ロール33を備えたものである。そして、定着は、その加熱ロール32と加圧ロール33の間の定着圧接部にトナー像が転写された用紙9を導入して通過させることによりトナー像等を加熱加圧することで行われる。
【0038】
給紙装置35は、作像装置10に供給すべき複数枚の用紙9が積載されて収容される給紙カセット36、及びこの給紙カセット36に収容される用紙9を1枚ずつ送り出す送出機構37を主に備えたものである。給紙カセット36は、必要により複数装備される。また、給紙装置35は、用紙9を給紙カセット36から作像装置10の転写部(感光ドラム12と転写装置16の間)まで搬送するための用紙搬送ロール対38a,38b,38c,…やガイド部材等で構成される用紙搬送路を装備している。用紙搬送路は、作像装置10と定着装置30の間や、定着装置30と排紙部(トレイなど)39の間にも設置されている。例えば定着装置30の用紙排出側には、定着後の用紙9を排紙部39に排出搬送するための排出ロール対38dが設置されている。
【0039】
尚、図1中符号11は、画像形成装置1に対して着脱自在のプロセスカートリッジである。本実施形態におけるプロセスカートリッジ11は、感光体ドラム12、帯電装置13、現像装置15、及びクリーニング装置17のプロセス機器を有している。
【0040】
次に、本発明の原理について図面を用いて説明する。
【0041】
図2は、露光部材が支持部材で支持されている状態を示す斜視図である。尚、露光部材とは、露光装置から支持部材を省略した部材である。
【0042】
図2(a)は、露光部材の長手方向の両端部に支持部材を設けたものである。露光部材100の長手方向の両端部には、支持部材102が設けられている。尚、図中矢印は露光部材100が振動する方向を示している。
【0043】
図2(b)は、露光部材の長手方向中央部に露光部材が振動する方向に制振材が設けられたものである。尚、制振材104は、一般的に、コイルバネ106及びダンパー108から構成されている。また、図中矢印は露光部材100が振動する方向を示している。
【0044】
図2(c)は、本発明の構成である露光部材の長手方向の両端部に支持部材が設けられた露光部材の長手方向に所定間隔を空けて対の接触部材が設けられているものである。尚、対の接触部材110は、露光部材100にそれぞれ所定圧力で接触している。所定圧力は、例えば、0.1kgfである。また、図中矢印は露光部材100が振動する方向を示している。
【0045】
図3は、露光部材が支持部材で支持されている状態において露光部材が振動する特性を示す図である。
【0046】
図3(a)は、図2(c)の所定間隔(支持間距離)に対する振動周波数を示す図である。露光部材100は、支持間距離100mmから400mmまで略同じ周波数で振動している。
【0047】
図3(b)は、図2(c)の支持間距離に対する減衰比を示す図である。本図によると、支持間距離が短い程減衰比が大きくなる。
【0048】
図3(c)は、支持部材で支持されている露光部材に制振材を設けた場合の振動周波数と振幅を示した図である。本図によると露光部材100に制振材104又は対の接触部材110を設けることで共振周波数での振幅が極端に低下する。
【0049】
図4は、部材の相違による一般的な減衰比を示す図である。減衰比は、アルミで0.002%、ソーダガラスで0.04%、POMで0.1%、シリコーンゴム(制振材)で10%〜25%、及び、支持摩擦(中央部付加の場合)で45%である。支持摩擦の中央部付加の場合とは、支持間距離が略100mmの場合である。
【0050】
図5は、接触部材110及び弾性部材112を用いて露光部材(LPHユニット)100に支持摩擦を付与する第1理想形態を示す図である。尚、接触部材110は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。尚、LPHユニットとは、LEDプリントヘッドを意味する。
【0051】
図5(a)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第1理想形態の初期状態を示す図である。本図においては、接触部材110の先端部における曲面部がLPHユニット100の底面に接触している。
【0052】
図5(b)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第1理想形態において、LPHユニット100が左右に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の底面に接触する圧力を付与している。
【0053】
図5(c)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第1理想形態において、LPHユニット100が上下に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の底面に接触する圧力を付与している。
【0054】
図6は、接触部材110及び弾性部材112を用いて露光部材(LPHユニット)100に支持摩擦を付与する第2理想形態を示す図である。尚、接触部材110は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。尚、LPHユニットとは、LEDプリントヘッドを意味する。
【0055】
図6(a)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第2理想形態の初期状態を示す図である。本図においては、接触部材110の先端部における曲面部がLPHユニット100の側面に接触している。
【0056】
図6(b)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第2理想形態において、LPHユニット100が上下に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の側面に接触する圧力を付与している。
【0057】
図6(c)は、接触部材110及び弾性部材112を用いてLPHユニット100に支持摩擦を付与する第2理想形態において、LPHユニット100が左右に振動して接触部材110の曲面部がLPHユニット100の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材112は接触部材110に対してLPHユニット100の側面に接触する圧力を付与している。
【0058】
図7は、本実施形態における支持部材を示す図である。
【0059】
図7(a)は、支持部材150の正面図である。支持部材150は、略矩形板状に形成されている。支持部材150は、接触部材152及び弾性部材154から構成されている。支持部材150の下部に対の弾性部材154が設けられている。
【0060】
図7(b)は、支持部材150の側面図である。支持部材150における接触部材152の上部には、曲面部が設けられている。また、支持部材150における弾性部材154は、曲面を有して弾性を有するように形成されている。
【0061】
図7(c)は、支持部材150の斜視図である。接触部材152と対の弾性部材154は一体に形成されている。
【0062】
図8は、本実施形態における露光装置の第1使用形態を示す図である。
【0063】
図8(a)は、本実施形態における露光装置の第1使用形態の初期状態を示す図である。本図では、支持部材150の側面が正面となるように設けられている。また、LPHユニット156の底面に支持部材150の曲面部が接触するように設けられている。また、弾性部材154の端部には、弾性部材154が左右方向に移動しないようにストッパ158が設けられている。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0064】
図8(b)は、本実施形態における露光装置の第1使用形態において、LPHユニット156が左右に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の底面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0065】
図8(c)は、本実施形態における露光装置の第1使用形態において、LPHユニット156が上下に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の底面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の底面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0066】
図9は、本実施形態における露光装置の第2使用形態を示す図である。
【0067】
図9(a)は、本実施形態における露光装置の第2使用形態の初期状態を示す図である。本図では、支持部材150の側面が正面となるように設けられている。また、LPHユニット156の側面に支持部材150の曲面部が接触するように設けられている。また、弾性部材154の端部には、弾性部材154が上下方向に移動しないようにストッパ158が設けられている。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0068】
図8(b)は、本実施形態における露光装置の第2使用形態において、LPHユニット156が上下に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の側面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0069】
図8(c)は、本実施形態における露光装置の第2使用形態において、LPHユニット156が左右に振動して、接触部材152の曲面部がLPHユニット156の側面に支持摩擦を付与している状態を示す図である。本場合においては、弾性部材154は接触部材152に対してLPHユニット156の側面に接触する圧力を付与している。尚、接触部材152は、下端(基部)を中心に回転可能に設けられている。
【0070】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る露光装置及び画像形成装置における第2実施形態について説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0071】
図10は、本実施形態における接触部材の曲面部を示す図である。
【0072】
図10(a)は、本実施形態における接触部材200の曲面部の側面図である。本実施形態においては、接触部材200の曲面部に突起202が設けられている。
【0073】
図10(b)は、本実施形態における接触部材200の曲面部の斜視図である。本実施形態においては、接触部材200における曲面部の略中央部に突起202が設けられている。
【0074】
これにより、LPHユニット156に対する接触部材152の接触を確実なものにすることができる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、本発明に係る露光装置及び画像形成装置における第3実施形態について説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0076】
図11は、本実施形態において接触部材が露光部材に接触する角度について説明する図である。
【0077】
図中oaは、LPHユニット156が上下に振動する前の曲面部の位置を示している。図中ocは、LPHユニット156が上下に振動した下端の曲面部の位置を示している。図中θは、接触部材152がLPHユニット156に接触する初期角度を示している。図中αは、LPHユニット156が上下に振動した際の角度変化を示している。また、図中abはLPHユニット156の上下振動の振動振幅、bcはLPHユニット156と接触部材152の滑り量を示している。
【0078】
以上より下式(1)が導かれる。
【数1】
【0079】
従って、LPHユニット156の振動振幅より大きいLPHユニット156と接触部材152の滑り量を得るためには、下式(2)を満たさなければならない。
【数2】
【0080】
よって、LPHユニット156の振動による角度がα>0°であるため、θ>45°という条件が必要である。
【0081】
[第4実施形態]
次に、本発明に係る露光装置及び画像形成装置における第4実施形態について説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態に示す構成と同一の構成については、同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0082】
図12は、本実施形態における接触部材を示す図である。
【0083】
図12(a)に示す本実施形態における接触部材400は、剛性が弾性部材154より高いものである。尚、図12(b)に示す接触部材402は、剛性が弾性部材154より低いものである。
【0084】
これにより、弾性部材154の弾性で支持する方向の接触部材152による摩擦を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、第1実施形態における画像形成装置を示す概略図である。
【図2】図2は、露光部材が支持部材で支持されている状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、露光部材が支持部材で支持されている状態において露光部材が振動する特性を示す図である。
【図4】図4は、部材の相違による一般的な減衰比を示す図である。
【図5】図5は、接触部材及び弾性部材を用いて露光部材(LPHユニット)に支持摩擦を付与する第1理想形態を示す図である。
【図6】図6は、接触部材及び弾性部材を用いて露光部材(LPHユニット)に支持摩擦を付与する第2理想形態を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態における支持部材を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態における露光装置の第1使用形態を示す図である。
【図9】図9は、第1実施形態における露光装置の第2使用形態を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態における接触部材の曲面部を示す図である。
【図11】図11は、第3実施形態において接触部材が露光部材に接触する角度について説明する図である。
【図12】図12は、第4本実施形態における接触部材を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1:画像形成装置、12:感光体ドラム(像保持体)、14:露光装置、100、156:露光部材(LPHユニット)、102.150:支持部材、110、152:接触部材、112、154:弾性部材、200:突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材と、
該露光部材の一面を支持しており、露光部材の複数方向の振動の発生時に露光部材との間で摩擦力を発生させる支持部材と、
を有することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記露光部材の一面に接触する接触部材と、
前記露光部材に対して前記接触部材が接触するように弾性を付与する弾性部材と、
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記接触部材と前記弾性部材とが一部品から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記接触部材は、前記弾性部材に対して弾性部材の弾性で支持する方向に曲げ剛性が高いことを特徴とする請求項2又は3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記接触部材は、基部を中心に回転可能であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記接触部材の前記露光部材と接触する面に突起が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項7】
前記接触部材は前記露光部材の中央部に接触していることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項8】
前記接触部材が前記露光部材に接触する角度45度以上90度未満であることを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の露光装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像情報に応じて像保持体に静電潜像を形成する露光部材と、
該露光部材の一面を支持しており、露光部材の複数方向の振動の発生時に露光部材との間で摩擦力を発生させる支持部材と、
を有することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記露光部材の一面に接触する接触部材と、
前記露光部材に対して前記接触部材が接触するように弾性を付与する弾性部材と、
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記接触部材と前記弾性部材とが一部品から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記接触部材は、前記弾性部材に対して弾性部材の弾性で支持する方向に曲げ剛性が高いことを特徴とする請求項2又は3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記接触部材は、基部を中心に回転可能であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記接触部材の前記露光部材と接触する面に突起が設けられていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項7】
前記接触部材は前記露光部材の中央部に接触していることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項8】
前記接触部材が前記露光部材に接触する角度45度以上90度未満であることを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の露光装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の露光装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−214340(P2009−214340A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58291(P2008−58291)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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