説明

静電容量型タッチペンを搭載した筆記具

【課題】静電容量型に対応したタッチペンを備えた筆記具を提供し、また、そのような筆記具において、筆記先端とタッチペンとの出没を容易に行うことのできる筆記具を提供する。
【解決手段】軸筒20の先端側に筆記先端12が設けられ、かつ、後端側に導電性を備えた静電容量型タッチペン30を搭載した筆記具10であって、前記軸筒20の表面のうち、少なくとも前記後端側部分22は導電性を備えたスリーブ23として形成されているとともに、前記静電容量型タッチペン30は前記スリーブ23と接続されている。前記静電容量型タッチペン30と前記筆記先端12とは一の機構により同時に出没可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電容量型タッチペンと組み合わされた筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶パネルの表面に直接触れることによって操作可能な電子機器が種々提供されている。そのような液晶パネルはタッチパネルと称される。
タッチパネルの原理には様々なものがある。たとえば、液晶パネル表面に加えられた圧力を感知する、いわゆる感圧式と称されるものがある。また、手指などの導電体が液晶パネルに接触する際の、液晶パネル表面の静電容量の変化を感知する、いわゆる静電容量式と称されるものもある。いずれの方式の際にも、液晶パネル表面に直接触れないで済むように、いわゆるタッチペンという道具を用いることがある。このようなタッチペンは通常、筆記具様の軸及び先端を有するものの、液晶パネルの破損を防ぐため、プラスチック等の比較的柔らかい材質で先端を丸めて形成されているものである。また、静電容量式のタッチパネルに用いるためのタッチペンの場合、手指への導電性が必要となることから、導電性の材質で形成する必要がある。
【0003】
ところで、紙面に筆記する用途を有する筆記具の筆記先端は、インク等が滲出する構造であったり、尖った芯が突出していたりするものである。よって、筆記具の筆記先端は、タッチペンとして用いるには、インク等によるタッチパネルの汚損又は尖った先端による破損のおそれがあることから適しているとはいえない。すなわち、筆記具とタッチペンとは全く別個の構造として形成される必要がある。しかし、筆記具での筆記を行いつつ同時にタッチパネル式の電子機器を使用する場面は多々生ずるものであるから、筆記具、ボールペンとタッチペンとを同一の軸に備えることで利便性を向上させたいという要望は確実に存在する。
【0004】
そこで、タッチペンとボールペンとを組み合せた技術が以下の特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3117583号
【特許文献2】特開平6−28087
【特許文献3】特開平7−225643
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし開示された特許文献記載の技術は、最近電子書籍や携帯端末で主流となっている静電容量型の入力パッドに対応していないものである。
すなわち、上記特許文献1及び特許文献2記載の先行技術は、タッチペンとボールペンとの組み合わせであるが、明細書の記載からタッチパネルは明らかに感圧式であり、静電容量式であるとの記載はない。また、タッチペン部分はキャップ式であり使用時にキャップを取り外しする手間やキャップ紛失の恐れがある。
さらに、特許文献3記載の先行技術は、タッチペンとボールペンとを組み合せたノック式ボールペンであり、ノック機構を前後方向にスライドしてどちらか一方のみを繰り出す機構である。しかし、切り替えする際は繰り出し動作が必要であることと、タッチペンもボールペンもいずれも使用しない際には収納のための切り替えレバーを正確に中心にセットしない限りいずれか一方が外に出たままの状態となり収納効果が十分に発揮できない場合がある。
【0007】
そこで本発明は、静電容量型に対応したタッチペンを備えた筆記具を提供することを第1の課題とし、また、そのような筆記具において、筆記先端とタッチペンとの出没を容易に行うことのできる筆記具を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明
上記の第1の課題に鑑み、本発明のうち第1の発明は、軸筒20の先端側に筆記先端12が設けられ、かつ、後端側に導電性を備えた静電容量型タッチペン30を搭載した筆記具10であって、前記軸筒20の表面のうち、少なくとも前記後端側部分22は導電性を備えたスリーブ23として形成されているとともに、前記静電容量型タッチペン30は前記スリーブ23と接続されていることを特徴とする。
なお、本発明においては、筆記具の長軸方向に対し、筆記先端12側を先端とし、その反対側を後端とする。また、この先端に向かう方向を前方とし、後端に向かう方向を後方とする。
【0009】
すなわち、本第1の発明においては、軸筒20の先端に筆記先端12が設けられ、後端に静電容量型タッチペン30が設けられている。
筆記先端12とは、筆記具において筆記面、たとえば紙面に直接接触する部分をいう。この筆記先端12としては、ボールペン、シャープペンシル、フェルトペン、マーカーペン等、様々な筆記具のものが想定される。
静電容量型タッチペン30とは、導電性を有する材質で筆記先端のような形状に成形されたものをいう。この材質とは、導電性を有していれば特に限定はない。よって、この材質としては金属材料、表面にメッキ処理を施した材料、あるいは炭素材料を使用してもよいが、液晶画面に接触させる関係上、より軟質なもの、たとえばポリチオフェンあるいはポリピロールのような導電性の高分子材料を使用して形成するか、又は表面にコーティングして使用することが望ましい。
【0010】
本発明における軸筒20においては、少なくとも後端側の部分、すなわち、静電容量型タッチペン30が位置する後端側部分22の表面は、たとえばステンレス鋼等の金属のような、導電性の材質で形成されている。なお、軸筒20のうち、筆記先端12が位置する先端側は非導電性の材質で先端側部分21を形成し、また、導電性の材質で後端側部分22を形成し、この両者を結合することで軸筒20を構成している。なお、先端側部分21は後端側部分22と同じく導電性の材質で形成されていてもよいが、内部機構を含めた部品成形の容易性や筆記中に静電容量型タッチペン30が予期せずにタッチパネルに触れた場合の誤動作を防ぐために、非導電性プラスチックで形成されることで、非導電性に形成されていることが望ましい。また、軸筒20の全体を非導電性の材質で形成し、後端側部分22となる箇所の表面に金属製の筒構造を被覆するとか、あるいは、金属メッキを施すとかによって、表面のみを導電性に形成することとしてもよい。いずれの場合も、少なくとも軸筒20の後端側部分22の表面は導電性に形成されることとなっており、このような後端側部分22の表面部分をスリーブ23と称する。
【0011】
このスリーブ23は、静電容量型タッチペン30との間で、導電性を有するように接続されることとなっている。ここで、スリーブ23と静電容量型タッチペン30とは直に接するように接続されることとしてもよい。また、前記軸筒20の前記後端側には導電性を有しかつ前記静電容量型タッチペン30を直接保持する口金31が設けられているとともに、前記静電容量型タッチペン30は前記口金31を介して前記スリーブ23と接続されているように構成してもよい。なお、この口金31は、導電性の材質、好ましくはステンレス鋼等の金属で形成されるのが望ましい。
このように構成した、静電容量型タッチペン30を搭載した筆記具10においては、軸筒20の、非導電性の先端側部分21を手指にて把持すれば筆記具による通常の筆記が可能である。また、スリーブ23を手指にて把持すれば、手指からスリーブ23(及び口金31を有する場合は、その口金31)を介して静電容量型タッチペン30までの導電性が確保される。そしてこの状態で、静電容量型タッチペン30を静電容量式のタッチパネルに接触させれば、手指で直接触れるのと同様に、接触箇所の静電容量が変化することとなり、接触箇所が認識されることとなる。
【0012】
(2)第2の発明
上記の第2の課題に鑑み、本発明のうち第2の発明に係る、静電容量型タッチペン30を搭載した筆記具10は、上記第1の発明の特徴に加え、前記静電容量型タッチペン30と前記筆記先端12とは一体の機構により同時に出没可能に形成されていることを特徴とする。
ここでこの一体の機構としては、公知のノック機構、あるいは軸筒20を捻ることによる繰り出し機構等、様々なものが可能である。いずれの場合にも、一体の機構を操作することによって、筆記先端12と静電容量型タッチペン30とが同時に突出して両方とも使用可能となり、また使用後はその一体の機構を逆方向に操作することによって両方とも収納されることとなっている。
【0013】
ここで、この一体の機構としてノック機構を採用する場合、前記筆記先端12は、該ノック機構の前後方向への移動を伴う操作により前記軸筒20の前記先端より出没可能に形成されているとともに、前記ノック機構の後端には前記筆記先端12が軸筒20内に没入している状態において前記静電容量型タッチペン30を被覆するとともに前記スリーブ23に対して前後移動可能に形成されている被覆部材40が連接されており、前記ノック機構の前方への移動により前記筆記先端12が前記軸筒20の前記先端より突出する際に、前記被覆部材40も該ノック機構と連動して前方へ移動することで前記静電容量型タッチペン30が該被覆部材40から露出するように形成されていることが望ましい。
【0014】
具体的には、前記スリーブ23には、その後端から長手方向に、少なくとも前記ノック機構の前記前後方向の移動に要する長さを有するガイドスリット24が設けられ、前記被覆部材40は、後端が開放するとともに先端に底面42を有し、かつ、前記静電容量型タッチペン30を収容可能な容積を有する略円筒状に形成され、前記被覆部材40の側面先端側には、前記ガイドスリット24内に前後方向へ移動可能に挿入されるノック用突起41が設けられているとともに、前記被覆部材40の前記先端の底面42には、前記スリーブ23の後端が挿入される挿通スリット43が設けられていることがさらに望ましい。
このように形成することで、スリーブ23と静電容量型タッチペン30との接触による導電性を確保しつつ、ノック機構による前後方向の移動による操作をこの両者の接触と干渉することなく実行することが可能となっている。
【0015】
なお、前記静電容量型タッチペン30の形状については特に限定はなく、ブラシ状、ハケ状、スポンジ状、あるいは球状のゴムとして形成することも可能であるが、タッチペンとしての用途としては、ペン芯形状を呈するように形成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
すなわち、本発明のうち第1の発明によると、静電容量型に対応したタッチペンを備えた筆記具を提供することが可能となる。また、第2の発明によると、そのような筆記具において、筆記先端とタッチペンとの出没を容易に行うことのできる筆記具を提供することが可能となり、また、未使用時ではタッチペンは被覆部材で覆われているので、タッチペン部分の無用な汚損及び破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具における未使用時の状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具における使用時の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具におけるスリーブを正面図(A)、側面図(B)、斜視図(C)、底面図(D)、平面図(E)及びA−A断面図(F)で示す。
【図4】本発明の実施形態に係る、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具における被覆部材を正面図(A)、側面図(B)、平面図(C)、底面図(D)及び側面断面図(E)で示す。
【図5】本発明の実施形態に係る、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具における未使用時(A)及び使用時(B)の状態を側面断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)実施形態
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態に係る、静電容量型タッチペン30を搭載した筆記具10は、未使用状態では図1に示すような外観を呈している。軸筒20は、ポリカーボネート製であり、その先端側部分21はポリカーボネートの材質が露出している。またその後端側部分22には、ステンレス鋼製のスリーブ23が接合されている。軸筒20の先端側部分21の先端には先軸25が螺合されている。スリーブ23の後端部分には前後方向に切り欠かれたスリットであるガイドスリット24が形成されている。また、スリーブ23の後端部分を覆うようにして、被覆部材40が設けられている。被覆部材40の側面には外方へ突出するノック用突起41が形成されている。このノック用突起41は、ガイドスリット24内に前後方向へ移動可能に挿入されている。これらスリーブ23及び被覆部材40の詳細については後述する。この図1に示す未使用状態においては、ボールペンとしての筆記先端12は軸筒20の先端側部分21内に収納されているとともに、静電容量型タッチペン30は被覆部材40により被覆されており、いずれも外部からは視認できない。
【0019】
この図1の状態から、ノック用突起41をガイドスリット24に沿って前方へ移動させると、図2に示す使用状態へ移行する。すなわち、筆記先端12が先軸25から突出するとともに、静電容量型タッチペン30が被覆部材40から露出する。
スリーブ23は、図3(A)〜(E)に示すように、中空円筒形のステンレス鋼であり、後述の図5に示すように、軸筒20の後端側部分22を被覆することとなっている。スリーブ23には上述の通りガイドスリット24(図3(A)、(C)参照)が形成されている。スリーブ23の後端部分、すなわち、このガイドスリット24を有する部分の断面は、図3(F)に示すように、ガイドスリット24部分を欠いた円弧状を呈している。
【0020】
被覆部材40は、図4に示すように、先端側に底面42を有し、後端側が開放した略円筒状に形成されている。底面42の先端側には、後述のノック棒51と接続するための接続突起44が形成されている。また、外周面には上述の通りノック用突起41が外方へ突出するように形成されている。さらに、底面42には、図4(D)に示すように、スリーブ23後端部分の断面とほぼ同一形状の挿通スリット43が形成されている。この挿通スリット43には、スリーブ23後端部分が挿通自在となっている。
本発明に係る、静電容量型タッチペン30を搭載した筆記具10は、図5(A)の側面断面図に示すように、軸筒20内に、筆記先端12が先端に装着されたボールペンリフィル11が収容されている。また、軸筒20内の先端側には、スプリング止め26が挿入されている。ボールペンリフィル11の後端部分は回転子50によって保持されている。回転子50の後端にはノック棒51が接続され、この後端には前記した被覆部材40の接続突起44(図4参照)が圧入され接続されている。回転子50の先端側にはスプリング52が挿入されている。このスプリング52の先端は、前記スプリング止め26に当接し支持されている。これら、回転子50、ノック棒51、スプリング52及び図示を省略した軸筒20内周面のカム溝によって従来公知のカーンノック機構が構成されている。
【0021】
一方、同じく図5(A)に示すように、軸筒20の先端側部分21の先端は先述の通り先軸25が螺合されているとともに、軸筒20の後端側部分22はスリーブ23で被覆されている。スリーブ23の後端部分は、被覆部材40の底面42に設けられている挿通スリット43(図4(D)参照)を通り、該被覆部材40の内部空間に挿入されている。その状態でスリーブ23の後端には、先端側が閉鎖した略円筒状の口金31が装着され、さらにその口金31の内部空間に、端部を斜めに削いだペン芯形状の静電容量型タッチペン30が挿入されている。この口金31はステンレス鋼製であり、また、静電容量型タッチペン30はポリエステル繊維芯の表面を導電性高分子材料であるポリチオフェンにてコーティングすることで形成されている。よって、静電容量型タッチペン30から口金31を経て、スリーブ23部分までの導電性が確保されている。
【0022】
図5(A)は、図1と同様に未使用時の状態を表しており、筆記先端12は先軸25内に位置しているとともに、静電容量型タッチペン30は被覆部材40の内部に完全に被覆され外部からは視認不能となっている。この状態から、ノック用突起41を、ガイドスリット24に沿って前方へ移動させると、回転子50がスプリング52を圧縮しつつ、前方へ移動し、図示を省略した軸筒20内周面のカム溝と係合することで、図5(B)に示す、図2と同様の使用時の状態になり、先端から筆記先端12が突出した状態を保つこととなる。このとき、被覆部材40は、ノック棒51及び回転子50と連動して、ガイドスリット24に沿って前方へ移動する。しかし、被覆部材40の内部に位置する静電容量型タッチペン30は口金31を介してスリーブ23に固定されているため、被覆部材40の移動には追従せずに、被覆部材40の後端から露出した状態を保つこととなっている。
【0023】
この状態で、筆記先端12を下向きに、軸筒20の先端側部分21を手指にて保持すれば、通常のボールペンとして筆記が可能である。このとき、手指と静電容量型タッチペン30とは絶縁状態となっているため、静電容量型タッチペン30が静電容量式の液晶タッチパネルに触れたとしてもその表面の静電容量に変化をもたらすことはない。
一方、静電容量型タッチペン30を下向きに、スリーブ23側を手指にて保持すれば、手指から金属製のスリーブ23及び口金31を経て、導電性樹脂製の静電容量型タッチペン30に至る導電構造が樹立されることで、これを静電容量式の液晶タッチパネルに触れさせると、手指が直接触れたのと同じようなタッチパネルの操作が可能となる。
【0024】
この図5(B)に示す使用状態から、さらにノック用突起41を先端方向へ押圧すると、回転子50と図示を省略した軸筒20内周面のカム溝との係合が解かれ、スプリング52の復元力により回転子50、ノック棒51及びこれらに連動して被覆部材40が後方へ押し戻され、図5(A)に示す未使用状態へ戻ることとなる。
(2)その他
上記の実施の形態の他、本発明には、以下に示すような変形例も可能である。
スリーブ23と軸筒20は一体に形成することも可能である。その場合は軸筒20の後端側部分22に金属メッキを施すか、導電性材料で成形をする必要がある。
【0025】
また、静電容量型タッチペン30は、導電性のある材質で形成されていればペン芯形状に限定されず、ブラシ状、ハケ状、スポンジ状、球状のゴムなどで形成することもできる。
さらに、ノック用突起41は、クリップ状に形成してもよい。
また、先軸25は軸筒20とは別体の部品として形成されているが、軸筒20と一体に形成されることとしてもよい。
なお、ボールペンリフィル11に収容されるインクを、公知である熱変色性インク又は消しゴム消去性インクとしてもよい。このとき、後端に装着されるタッチペン部分を、上記のインクに応じて熱可塑性エラストマー又は消しゴムで形成されたゴム弾性を有する材料とすることによって感圧式タッチペンや消せるノック式ボールペンとして形成することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、液晶タッチパネルを操作可能なタッチペン、特に静電容量型タッチペンを備えたボールペン等の筆記具に利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 筆記具 11 ボールペンリフィル 12 筆記先端
20 軸筒 21 先端側部分 22 後端側部分
23 スリーブ 24 ガイドスリット 25 先軸
26 スプリング止め
30 静電容量型タッチペン 31 口金
40 被覆部材 41 ノック用突起 42 底面
43 挿通スリット 44 接続突起
50 回転子 51 ノック棒 52 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒の先端側に筆記先端が設けられ、かつ、後端側に導電性を備えた静電容量型タッチペンを搭載した筆記具であって、
前記軸筒の表面のうち、少なくとも前記軸筒の後端側は導電性を備えたスリーブとして形成されているとともに、
前記静電容量型タッチペンは前記スリーブと接続されていることを特徴とする、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。
【請求項2】
前記軸筒の表面のうち、前記先端側は非導電性に形成されていることを特徴とする請求項1記載の、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。
【請求項3】
前記軸筒の前記後端側には導電性を有しかつ前記静電容量型タッチペンを直接保持する口金が設けられているとともに、
前記静電容量型タッチペンは前記口金を介して前記スリーブと接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。
【請求項4】
前記静電容量型タッチペンと前記筆記先端とは一体の機構により同時に出没可能に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。
【請求項5】
前記一体の機構はノック機構であって、前記筆記先端は、該ノック機構の前後方向への移動を伴う操作により前記軸筒の前記先端より出没可能に形成されているとともに、
前記ノック機構の後端には前記筆記先端が軸筒内に没入している状態において前記静電容量型タッチペンを被覆するとともに前記スリーブに対して前後移動可能に形成されている被覆部材が連接されており、
前記ノック機構の前方への移動により前記筆記先端が前記軸筒の前記先端より突出する際に、前記被覆部材も該ノック機構と連動して前方へ移動することで前記静電容量型タッチペンが該被覆部材から露出するように形成されていることを特徴とする請求項4記載の、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。
【請求項6】
前記スリーブには、その後端から長手方向に、少なくとも前記ノック機構の前記前後方向の移動に要する長さを有するガイドスリットが設けられ、
前記被覆部材は、後端が開放するとともに先端に底面を有し、かつ、前記静電容量型タッチペンを収容可能な容積を有する略円筒状に形成され、
前記被覆部材の側面先端側には、前記ガイドスリット内に前後方向へ移動可能に挿入されるノック用突起が設けられているとともに、
前記被覆部材の前記先端の底面には、前記スリーブの後端が挿入される挿通スリットが設けられていることを特徴とする請求項5記載の、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。
【請求項7】
前記静電容量型タッチペンはペン芯形状を呈することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の、静電容量型タッチペンを搭載した筆記具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−153087(P2012−153087A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16107(P2011−16107)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】