説明

静電的に安定化された銀ナノ粒子を含有する分散体を用いる導電性表面被覆物の製造

【課題】銀ナノ粒子を含有する分散体を用いる導電性被覆物を有する表面を被覆するための方法。
【解決手段】表面を有する基材を供給する工程、
分散体を該表面に適用する工程であって、該分散体は、
c)少なくとも1つの液体分散体、および
d)−20〜−55mVのゼータ電位を分散剤中に2〜10のpH値で有する静電的に安定化された銀ナノ粒子
を含み、および
該表面およびそこに適用された該分散体のいずれかまたは両方を、分散剤の沸点未満の50℃〜分散剤の沸点を超える150℃の温度に加熱して、該表面上に導電性被覆物を形成する工程
を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2010年3月3日に提出された欧州特許出願第10002605.3号の利益を主張するもので、その全体がすべて有益な目的のために参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、静電的に安定化された銀ナノ粒子を含有する分散体を使用する導電性表面コーティングの製造方法、この方法に特に適している分散体、および該分散体の調製方法に関する。
【0003】
Adv.Mater.,2003,15,No.9,695−699において、Xiaらは、安定剤として、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)およびクエン酸ナトリウムを用いて、銀ナノ粒子の安定した水溶分散体を調製することが記載されている。このようにして、Xiaは、粒子サイズが10nm未満であり、粒子サイズ分布が狭い、銀ナノ粒子を含有する単分散の分散体を得る。重合安定剤としてのPVPの使用は、集合に対するナノ粒子の立体的安定化をもたらす。しかしながら、そのような立体的な重合分散安定剤には以下の不利益が生じる。すなわち、得られる電導性コーティングでは、銀粒子上の表面コーティングのために、粒子同士の直接的接触を低減させ、したがってコーティングの導電率を減少させる。Xiaによれば、PVPを使用せずに、そのような安定した単分散分散体を得ることは可能ではない。
【0004】
EP1493780A1には、バインダーおよび銀粒子の液体導電性組成物を使用する、導電性表面コーティングの製造について記載され、上記銀含有銀粒子は酸化銀粒子、炭酸銀粒子あるいは酢酸銀粒子であってよく、いずれの場合もサイズが10nm〜10μmである。バインダーは多価のフェノール類化合物あるいは様々な樹脂剤の1つであり、すなわち、いずれの場合も高分子成分である。EP1493780 A1によれば、導電層は加熱した表面への塗布の後、この組成物から得られる、それにより、加熱は140〜200℃の温度で実行されることが好適である。EP1493780A1に記載の導電性組成物は、メタノール、エタノールおよびプロパノール等のアルコール、イソフォロン、テルピネオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートから選択される分散剤中の分散体である。EP1493780A1にはまた、分散剤中の銀含有粒子は好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコール等の分散安定剤の追加によって集合から保護されることが記載されている。また、これらの分散安定剤は高分子成分である。したがって、銀含有粒子は、分散安定剤である前述の分散安定剤あるいはバインダーによって分散剤中の集合に対して常に立体的に安定させられる。しかしながら、立体的動作によるそのような重合分散安定剤には以下の不都合が生じる。上述の通り、得られる電導性コーティング材では、銀粒子上の表面コーティングのために、粒子同士の直接的接触を低減させ、したがってコーティングの導電率を減少させる。1493780A1において分散剤として使用される有機溶媒は、コーティングの乾燥時間を加速するか、乾燥温度を下げるが、その結果、感温プラスチック表面を覆うことができる、そのような有機分散剤は、プラスチック基材の表面を傷つけるか、プラスチック基材の表面に拡散することができる。これは、基材表面、および任意の下位層の膨張あるいは損傷につながる場合がある。
【0005】
US2009/104437A1は、静電自己アセンブリングによる電導性コーティングを用いて表面をコーティングする方法を開示する。しかしながら、コーティングは、高価で時間を消費する多段浸漬法によって実行される。
【0006】
WO03/038002A1は、水素化ホウ素またはクエン酸ホウ素を用いた硝酸銀の還元により得られたインクジェットプリンター組成物を開示する。しかしながら、該組成物は安定していなく、したがって表面コーティングの製造には適していない。
【0007】
WO2009/044389A2、WO2005/079353A2、JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY、Vol.17、2007年、2459〜2464ページ、JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY、AMERICAN CHEMICAL SOCIETY、Vol. 86;No.17、3391−3395ページおよびJOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B、Vol.103、9533〜9539ページは、クエン酸塩を用いて安定化された銀ナノ粒子およびかかる銀ナノ粒子の分散体を開示する。しかしながら、かかる文献においては、かかる分散体によって製造された導電表面コーティングが、単純かつ平易な方法で、基材へいかにしてなされるかについて、いずれも示していない。
【0008】
従って、依然として、銀ナノ粒子を含有する分散体を用いる導電性被覆物を有する表面を被覆するための方法についての必要性があり、該方法は、短い乾燥および焼結時間および/または低い乾燥および焼結温度を、均一な感温性プラスチック表面を被覆することができるように用いるが、用いる分散剤により該表面への損傷の虞がなく、該方法においても、用いる分散体中の銀ナノ粒子の早期の凝集および従って綿状沈殿が適当な安定化により防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願第1493780号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/104437号明細書
【特許文献3】国際公開第03/038002号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2009/044389号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/079353号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Xia、「Adv.Mater.」、2003年、第15巻、第9号、第695〜699頁
【非特許文献2】「JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY」、第17巻、2007年、第2459〜2464頁
【非特許文献3】「JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY、AMERICAN CHEMICAL SOCIETY」、第86巻、第17号、第3391〜3395頁
【非特許文献4】「JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY B」、第 103頁、第9533〜9539頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、先行技術を根幹として、上記のような方法およびそれに適した分散体を見出すことであった。これにより、上記の凝集体に対する向上した安定性と分散体から製造した表面被覆物の減少した導電性との不利な組み合わせは避けられることとなる。好ましい実施態様では、プラスチック表面を被覆するためのこの方法を、短い乾燥および焼結時間および/または低い乾燥および焼結温度で用いる可能性は、表面への損傷のリスクを伴わない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、導電性表面コーティングの製造方法によって前述の目的が達成されることが分かった。該方法において、少なくとも1つの液体の分散剤、およびpH値が2〜10の範囲で上記分散剤中−20〜−55mVの範囲のゼータ電位を有する、静電的に安定した銀ナノ粒子を含む分散体が、表面に適用され、該表面および/またはその上に位置する分散体は、少なくとも、分散剤の沸点よりも50℃低い温度から分散剤の沸点よりも150℃高い温度の範囲となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施態様は、
表面を有する基材を供給する工程、
分散体を該表面に適用する工程であって、該分散体は、
c)少なくとも1つの液体分散体、および
d)20〜55mVのゼータ電位を分散剤中に2〜10のpH値で有する静電的に安定化された銀ナノ粒子
を含み、および
該表面およびそこに適用された該分散体のいずれかまたは両方を、分散剤の沸点未満の50℃〜分散剤の沸点を超える150℃の温度に加熱して、該表面上に導電性被覆物を形成する工程
を含む方法である。
【0014】
本発明の別の実施形態は、表面および/またはその上に位置した分散体が、少なくとも、優勢圧力において、分散剤の沸点よりも20℃低い温度から分散剤の沸点よりも100℃高い温度の範囲内の温度にまで加熱される、上記の方法である。
【0015】
本発明の別の実施形態は、表面および/またはその上に位置した分散体が、10秒から2時間までの間の期間、上記の温度に加熱される、上記の方法である。
【0016】
本発明の別の実施形態は、表面および/またはその上に位置した分散体が、30秒から60分までの間の期間、特定温度に加熱される、上記の方法である。
【0017】
本発明の別の実施形態は、分散体の銀ナノ粒子が、pH値が4〜10の範囲の静電気分散安定剤を有する上記分散剤において−25〜−50mVのゼータ電位を有する、上記の方法である。
【0018】
本発明の別の実施形態は、分散剤が、水、あるいは4個までの炭素数を有するアルコール、4個までの炭素数を有するアルデヒド、4個までの炭素数を有するケトンおよびその混合物から成る群から選ばれた化合物と水の混合物である、上記の方法である。
【0019】
本発明の別の実施形態は、銀ナノ粒子が、5個までの炭素数を有するカルボン酸、そのようなカルボン酸の塩類、そのようなカルボン酸の硫酸塩およびそのようなカルボン酸のリン酸塩から成る群から選ばれた、少なくとも1つの静電気分散安定剤によって静電的に安定させられる、上記の方法である。
【0020】
本発明の別の実施形態は、静電気分散安定剤が、5個までの炭素数を有するジカルボン酸あるいはトリカルボン酸、あるいはその塩の少なくとも1つである、上記の方法である。
【0021】
本発明の別の実施形態は、静電気分散安定剤が、クエン酸またはクエン酸塩である、上記の方法である。
【0022】
本発明の別の実施形態は、分散体がインクである、上記の方法である。
【0023】
本発明の別の実施形態は、導電性表面コーティングが、10〜3・10S/mの比誘電率を有する、上記の方法である。
【0024】
本発明の別の実施形態は、導電性表面コーティングが、50nm〜5μmの乾燥膜厚を有する、上記の方法である。
【0025】
本発明の別の実施形態は、表面がプラスチック製基材の表面である、上記の方法である。
【0026】
本発明の別の実施形態は、プラスチック製基材がプラスチックフィルムあるいは多層の複合物である、上記の方法である。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態は、
(a)少なくとも1つの液体の分散剤、
(b)pH値が2〜10の上記分散剤中−20〜−55mVのゼータ電位を有する、静電的に安定した銀ナノ粒子、および
(c)任意にさらなる添加物
を含む分散体である。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態は、少なくとも1つの静電気分散安定剤の存在下で、少なくとも1つの分散剤中の還元剤で銀塩を銀に還元することを含む、上記の分散体の調製方法である。
【0029】
本発明による方法は、立体の、任意に高分子分散安定剤を使用せず、コーティングされる基材が破損され得る高乾燥温度および高焼結温度を回避するためにプラスチック基材を使用する場合、可能である。
【0030】
したがって、本発明は、
・少なくとも1つの液体の分散剤、および
・静電的に安定した銀ナノ粒子
ここで静電的に安定した銀ナノ粒子は、pH値が2〜10の範囲で上記分散剤中−20〜−55mVの範囲のゼータ電位を有する
を含む分散体が、表面に適用され、該表面および/またはその上に位置する分散体は、少なくとも、分散剤の沸点よりも50℃低い温度から分散剤の沸点よりも150℃高い温度の範囲となる
ことを特徴とする、導電性表面コーティングの製造方法を提供する。
【0031】
液体の分散剤は、好ましくは、水および有機溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤を含む水または混合物である。液体の分散剤は、特に好ましくは、水または水とアルコール類、アルデヒド類および/またはケトン類との混合物、特に好ましくは、水または水と一価もしくは最大4個の炭素数を有する多価アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはエチレングリコール、最大4個の炭素数を有するアルデヒド類、例えばホルムアルデヒド、および/または最大4個の炭素数を有するケトン類、例えばアセトンまたはメチルエチルケトンとの混合物である。特に最も好ましい分散剤は水である。
【0032】
本発明の内容において、銀ナノ粒子は、動的光散乱によって測定される、100nm未満、好ましくは80nm未満、特に好ましくは60nm未満のd50値を有するものとして理解される。Brookhaven Instrument CorporationからのZetaPlusZeta電位アナライザーは、例えば、動的光散乱による測定に適している。
【0033】
本発明の範囲内の分散体は、それら銀ナノ粒子を含む液体を意味する。好ましくは、銀ナノ粒子は、分散体の全量に対して、0.1〜65重量%、特に好ましくは1〜60重量%、最も特に好ましくは5〜50重量%の量で分散体中に存在する。
【0034】
銀ナノ粒子の静電気安定化のために、少なくとも1つの静電気分散安定剤を、分散体を調製する間に添加する。本発明の範囲内の静電気分散安定剤は、その存在によって銀ナノ粒子に反発力がもたらされ、その反発力に基づいて集合傾向を有さないものとして理解される。したがって、静電気分散安定剤の存在および作用により、反発する静電力は銀ナノ粒子間で優勢である。その力は、その作用によって銀ナノ粒子の凝集が起こるファンデルワールスに対して反対に作用する。
【0035】
静電気分散安定剤は、好ましくは、分散体中にある銀ナノ粒子の銀の重量に基づいて、0.5〜5重量%の量、特に好ましくは1〜3重量%の量で本発明による分散体中に存在する。
【0036】
静電気分散安定剤は、好ましくは、最大5個の炭素数を有するカルボン酸、そのようなカルボン酸の塩または硫酸塩またはリン酸塩である。好ましい静電気分散安定剤は、最大5個の炭素数を有するジカルボン酸もしくはトリカルボン酸またはそれらの塩である。ジカルボン酸またはトリカルボン酸が使用される場合、それらはpH値を調節するためにアミンと一緒に使用することができる。適切なアミンとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミンまたはジアルカノールアミン、例えばジエタノールアミンである。塩としては、好ましくはアルカリ塩またはアンモニウム塩、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩、例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩またはテトラプロピルアンモニウム塩であり得る。特に好ましい静電気分散安定剤は、クエン酸またはクエン酸塩、例えばクエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸テトラメチルアンモニウムである。クエン酸塩、例えばクエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸テトラメチルアンモニウムは、静電気分散安定剤として特に最も好ましく使用される。塩形態の静電気分散安定剤は、可能な限りイオンに解離して分散水溶液に存在し、それぞれのアニオンは静電気安定化に影響する。好ましくは、存在する過剰な静電気分散安定剤はいずれも除去され、その後分散体を表面に適用する。例えば膜分離法、逆浸透法および膜濾過法のような既知の精製方法は、その目的に適している。
【0037】
前述の静電気分散安定剤は、高分子分散安定剤、例えばPVPよりも有利であり、表面コーティングによって純粋に立体的に安定化に影響する。なぜなら静電気分散安定剤によって、分散体中の銀ナノ粒子の先に述べたゼータ電位の変化が促進されるが、同時に、結果として分散体から得られる、導電性表面コーティングにおける銀ナノ粒子の立体障害をもたらさないか、または無視できるものである。
【0038】
銀ナノ粒子は、pH値が2〜10の範囲で上記分散剤中−20〜−55mVの範囲のゼータ電位を有するので、分散体中の銀ナノ粒子の凝集に対する安定化は、立体障害によってではなく、銀ナノ粒子が反発力に基づいて凝集傾向を有さないという事実の結果によって初めて達成される。したがって、反発する静電力は銀ナノ粒子間で優勢であり、その力は、その作用によって銀ナノ粒子の凝集が起こるファンデルワールスに対して反対に作用する。
【0039】
好ましくは、分散体中の銀ナノ粒子は、pH値が4〜10の範囲で静電気分散安定剤を有する上記分散剤中−20〜−55mVの範囲にゼータ電位を有し、最も特に好ましくは、pH値が4.5〜10の範囲で静電気分散安定剤を有する上記分散剤中−28〜−45mVの範囲にゼータ電位を有する。
【0040】
pH値の決定は、20℃で、pH電極によって行われ、好ましくはシングルロッド測定セルとしてのガラス電極の形態で行われる。
【0041】
ゼータ電位の測定は、電気泳動によって行われる。当業者に公知の各種機器は、例えばBrookhaven Instrument CorporationからのZetaPlusまたはZetaPALSのシリーズのようにその目的に適している。粒子の電気泳動移動度の測定は、電気泳動光散乱(ELS)によって行われる。電界中を移動した粒子によって散在した光は、ドップラー効果に起因する周波数変動を受け、その変化は移動速度を決定するために使用される。非常に小さな電位を測定するため、または、無極性媒体中や高塩濃度での測定については、いわゆる相分析光散乱(PALS)技術も適用することができる(例えばZetaPALS装置の使用)。
【0042】
前述のゼータ電位は銀ナノ粒子を取り囲む液体の分散剤、特に分散剤のpH値に依存するので、また、そのようなゼータ電位はそのような分散剤の外部で大幅に減少するので、分散剤が除去される場合、上述の反発する静電力はもはや存在しなくなり、その結果、分散体中での銀ナノ粒子の集合に対する顕著な安定化にもかかわらず、分散体から製造された導電性表面コーティングの後の導電率は損なわれない。
【0043】
さらに、静電反発力による安定化は、導電性表面コーティングを単純化された様式で分散体から製造することができるという効果を有する。本発明によって、そのような表面コーティングをより迅速に塗布面上のより低い熱負荷で得ることが初めて可能となる。
【0044】
好ましくは、表面および/またはその上に位置した分散体は、優勢圧力で、分散剤の沸点よりも20℃低い温度から分散剤の沸点よりも100℃高い温度、特に好ましくは分散剤の沸点よりも10℃低い温度から分散剤の沸点よりも60℃高い温度にされる。加熱は、適用されたコーティングを乾かし、かつ銀ナノ粒子を焼結させるために役立つ。加熱の期間は、好ましくは10秒から2時間、特に好ましくは30秒から60分である。表面および/またはその上に位置した分散体が加熱される温度が高いほど、所望の比誘電率を達成するのに必要な加熱時間は短い。
【0045】
分散体の沸点は、標準気圧(1013hPa)で決定される。分散体の沸点は、異なる圧力で作動することにより変更することができる。
【0046】
コーティングされる表面がプラスチック基材上にある場合には、表面および/またはその上に位置した分散体は、少なくともプラスチック基材のビカー軟化温度より低い温度に加熱される。プラスチック基材のビカー軟化温度より、好ましくは少なくとも5℃、特に好ましくは少なくとも10℃、最も特に好ましくは少なくとも15℃低い温度が選択される。
【0047】
プラスチック材料のビカー軟化温度B/50は、ISO 306(50N;50℃/h)によるビカー軟化温度B/50である。
【0048】
別途の指示がない場合、本明細書中上記および下記の温度は、周囲圧力(1013hPa)における温度をいう。本発明の内容においては、しかしながら、加熱は、同じ結果を達成するために低い周囲圧力および相応して低い温度で実行することもできる。
【0049】
クエン酸塩は、わずか153℃の温度で溶解し、または175℃を超える温度で分解するので、静電気分散安定剤としてのクエン酸塩の使用は特に有利である。
【0050】
分散体から得られた導電性表面コーティングをさらに改良するために、可能な限り、分散体だけでなく静電気分散安定剤をコーティングから除去することが望ましい場合がある。なぜなら、分散安定剤は、銀ナノ粒子と比較して低い導電率を有し、したがって、得られるコーティングの比誘電率をわずかに低下させることがあるからである。クエン酸塩の前述の特性のために、それは加熱により単純なやり方で達成することができる。
【0051】
本発明による分散体の場合、特に安定剤としての重合物質を使用しないことができる。重合物質は、分散体から得られた表面コーティングの乾燥および/または焼結を遅らせ、あるいは乾燥および/または焼結に高い温度までを必要とし、したがって、銀粒子の焼結による表面コーティングの導電率が起こる。
【0052】
コーティングされる表面は、好ましくは基材の表面である。基材は任意の所望の材料で作ることができ、これらの材料は同じであっても異なっていてもよく、また任意の所望の形状を有し得る。基材は、例えばガラス、金属、セラミックスあるいはプラスチック基材であるか、またはそのような成分が共に処理された基材であってよい。本発明による方法は、プラスチックを含有する基材表面のコーティングにおいて特別な利点を示す。なぜなら、可能な低い乾燥温度および焼結温度、ならびに短い乾燥時間および焼結時間のために、それらは、適度な熱負荷にさらされるのみで、望ましくない変形および/または他の損害を回避することができるためである。コーティングされる表面は、特に好ましくはプラスチック基材の表面であり、好ましくはプラスチックフィルムまたはシート、あるいは多層のコンポジットフィルムまたはシートの表面である。
【0053】
本発明による方法によって製造される導電性表面コーティングは、好ましくは10〜3・10S/mの比誘電率を示す。比誘電率は、比抵抗の相互の値として決定される。比抵抗は、オーム抵抗およびストリップ導体の幾何学の決定により計算される。本発明による方法によって、10S/mを超える比誘電率、好ましくは10S/mを超える高い比誘電率を達成することが可能である。しかしながら、用途によっては、低い比誘電率を有する表面コーティングを製造し、それによって、より高い比誘電率を達成するのに必要になるものよりも低い乾燥および/または焼結のための温度およびより短い時間を適用することが完全に十分であり得る。
【0054】
本発明による方法によって製造される導電性表面コーティングは、好ましくは50nm〜5μm、特に好ましくは100nm〜2μmの乾燥膜厚を示す。乾燥膜厚は、例えば形状測定によって決定される。例えばFries Research & Technology(FRT)GmbHからのMicroProf(登録商標)は、その目的に適している。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、分散体はインク、好ましくは印刷インクである。そのような印刷インクは、好ましくは、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、輪転印刷、エアロゾルジェッティング、スピンコーティング、ナイフコーティングあるいはローラー適用による印刷に好適なものである。その目的のために、例えば結合剤、増粘剤、流動性向上剤、着色色素、塗膜形成剤、接着促進剤および/または泡止剤などの適切な添加物を、分散体に添加することができる。好ましい実施形態では、本発明による分散体は、分散体の全重量に対して2重量%まで、好ましくは1重量%までのそのような添加物を含有することができる。さらに、助溶剤も分散体に加えることができる。好ましい実施形態では、本発明による分散体は、分散体の全重量に対して20重量%まで、好ましくは15重量%までのそのような助溶剤を含有することができる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、印刷インクは、インクジェット印刷による印刷のために5〜25mPas(1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有し、フレキソ印刷による印刷のために50〜150mPas(10/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する。粘度はPhysicaからのレオメーターを使用して、適切な剪断速度で決定することができる。この粘度は、好ましくは、前述の添加物を添加することによって達成される。
【0057】
これらは本発明による方法における使用に適しており、したがって、同様に本発明によって提供され、好ましくは
・少なくとも1つの液体の分散剤、
・銀ナノ粒子、および
・少なくとも1つの静電気分散安定剤、
・任意にさらなる添加物
を含む分散体であり、銀ナノ粒子が、pH値が2〜10の静電気分散安定剤を有する上記の分散体中−20〜−55mVのゼータ電位を有するが、重合体の立体の分散安定剤を含有しないことを特徴とする。
【0058】
最も特に好ましくは、それらは、
・少なくとも1つの液体分散剤、
・銀ナノ粒子、および
・少なくとも1つの静電気分散安定剤、
・任意にさらなる添加物
から成る分散体であり、銀ナノ粒子が、pH値が2〜10の静電気分散安定剤を有する上記の分散体中−20〜−55mVの範囲にゼータ電位を有するが、重合体の立体の分散安定剤を含有しないことを特徴とする。
【0059】
添加物は、印刷インクを製造するために前もって使用されるが、重合体の立体の分散安定剤を含まないような追加成分にすぎないものとして理解される。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、分散体は立体の分散安定剤の全重量に対して2重量%未満、好ましくは1重量%未満の、特に重合体の立体の分散安定剤を含有する。本発明の好ましい実施形態では、分散体は立体の分散安定剤、特に重合体の立体の分散安定剤を含有しない。そのような立体の分散安定剤は、特に、アルコキシレート、アルキロールアミド、エステル、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、アルキルフェノール、アリールアルキルフェノールの群から選ばれた化合物である。そのような重合体の立体の分散安定剤は、特に、水溶性のホモポリマー、水溶性のランダム共重合体、水溶性のブロック共重合体、水溶性グラフト重合体、特にポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとポリビニルアセタートとの共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロース、デンプン、ゼラチン、ゼラチン誘導体、アミノ酸のポリマー、ポリリシン、ポリアスパラギン酸、ポリアクリレート、ポリエチレンスルホネート、ポリスチレンスルホネート、ポリメタクリレート、芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンスルホネート、リグニンスルホネート、アクリルモノマーの共重合体、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリ(2−ビニルピリジン)、ブロックコポリエーテル、ポリスチレンブロックを有するブロックコポリエーテルおよび/またはポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドの群から選択される化合物である。
【0061】
本発明による方法のために以上で言及された好ましい範囲は、本発明による分散体に等しく適用される。
【0062】
本発明による分散体は、静電気分散安定剤の存在下、分散剤の銀塩の還元によって調製することができる。
【0063】
したがって、本発明は、少なくとも1つの静電気分散安定剤の存在下、少なくとも1つの分散剤中の還元剤を用いて銀塩を銀に還元することを特徴とする方法をさらに提供する。
【0064】
本発明による前述の方法で使用される適切な還元剤として、チオ尿素、ヒドロキシアセトン、水素化ホウ素、クエン酸鉄アンモニウム、ヒドロキノン、アスコルビン酸、亜ジチオン酸塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸、二亜硫酸塩、フォルムアミジンスルフィン酸、亜硫酸、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミンおよび/または硫酸ヒドロキシルアミンが好適である。
【0065】
特に好ましい還元剤は水素化ホウ素である。最も特に好ましい還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。
【0066】
例えば、適切な銀塩としては、硝酸銀、酢酸銀、クエン酸銀が好ましい。硝酸銀が特に好ましい。
【0067】
導電性表面コーティングの製造のための本発明による方法のために以上で言及された好ましい範囲は、分散体の調製のための本発明による方法に等しく適用される。
【0068】
静電気分散安定剤は、銀塩に関するモル超過において使用されるのが好ましい。また、分散体を、表面をコーティングするために使用する前に、対応する超過が除去される。その目的のため、例えば透析ろ過、逆浸透および膜濾過等の既知の精製方法が適している。
【0069】
分散体を調製するための本発明による方法の好ましい実施形態では、銀塩の還元の後に得られた還元生成物はしたがって精製される。その目的に使用することができる精製方法は、例えば透析ろ過、逆浸透および膜濾過等の、当業者に周知の方法である。
【0070】
以下、本発明を例示および図示によってより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されることはない。
【0071】
上述の参照はすべて、その全体がすべて有益な目的のために参照により組み込まれる。
【0072】
本発明を具現化するある特定構造を図示および説明するが、根本的な発明の概念の精神および範囲を逸脱することなく当該部分の様々な変更および改変はなされてもよく、本発明が本明細書に記載および例示された特定の形態に限定されないことは、当業者にとって明白である。
【実施例】
【0073】
比導電率の測定
以下に記載の比導電率を測定するために、4つの等しい長さおよび異なった幅の配線を印刷した。
第1配線:長さ9cm、幅3mm
第2配線:長さ9cm、幅2.25mm
第3配線:長さ9cm、幅2mm
第4配線:長さ9cm、幅1mm
【0074】
10分間、140℃の一定温度で、乾燥オーブン中で乾燥および焼結した後、オーム抵抗をマルチメーター(Benning MM6)により決定した。測定は、各配線の外側の点、すなわち、9cmの間隔に対応する配線の2つの終点で行った。
【0075】
層厚みをVeeco Dektak 150表面プロファイラを用いて決定した。2回の測定を配線1本あたり行い(測定は、長さ方向に沿った経路の3分の1および他方の測定は、配線の長さ方向に沿った経路の3分の2)、平均値を計算した。層厚みは非常に不均一であり、さらなる測定を配線の中央で行った。比導電率κは、得られた値から以下の通り算出した:
κ=1/(((配線の幅・mmでの層厚み)・オームでの計測抵抗)/mでの配線の長さ)
【0076】
得られた値は、S/m・10で示される。
【0077】
実施例1:本発明による分散体の製造
1Lの蒸留水を2リットルの容積を有するフラスコ中に入れた。次いで、撹拌しながら、100mLの0.7重量%クエン酸三ナトリウム溶液を添加し、次いで200Lの0.2重量%水素化ホウ素ナトリウム溶液を添加した。0.045モル硝酸銀溶液を得られた混合物中に、撹拌しながら、1時間にわたって、0.2L/時間の体積流量率で計量投入した。これにより、本発明の分散体を形成し、次いで、透析ろ過により精製し、分散体の全重量を基準として20重量%の固形分に濃縮した。分散体中の銀の重量を基準とするクエン酸の含有量は、1.76重量%であった。
【0078】
次いで、得られた分散体を、試料の全重量を基準として0.05重量%の固形分に対する蒸留水の割合が1/200で希釈し、得られた希釈分散体のpH値を、濃縮水酸化ナトリウムまたは濃縮濃縮塩化水素酸の添加により以下の表に示される異なった値に調節した。
【0079】
pH値を、ガラス電極を単一ロッド測定セルとして用いて20℃で計測した。
【0080】
【表1】

【0081】
次いで、得られた試料1〜7のゼータ電位を実施例2に従って決定した。
【0082】
実施例2:実施例1による分散体のゼータ電位の測定
以下の表に従う実施例1からの分散体のゼータ電位を測定した。試料の全ての測定を3回行い、±0.5の得られた標準偏差を決定した。ゼータ電位の測定を、Brookhaven Instruments Corporation 90 Plus、ZetaPlus Particle Sizing Software Version 3.59を用いて行い、計測すべき試料の全重量を基準として0.05重量%の固形分を有する分散体中で計測する。
【表2】

【0083】
本発明による分散体の静電的に安定化された銀ナノ粒子は、−23mV〜−44mVの範囲のゼータ電位を有することが見られる。
【0084】
実施例3:実施例1による分散体を用いる導電性表面被覆物の製造
実施例1(試料3)による分散液の2mm幅の線を、ポリカーボネートフィルム(Bayer MaterialScience AG、Makrolon(商標)DE1−1)に塗布し、大気圧(1013hPa)下、140℃のオーブンで10分間乾燥および焼結させた。表面コーティングはそのとき既に乾燥していた。その結果、ワイピングでは、表面コーティングのいずれも視覚的に除去しなかった。
【0085】
次いで、比導電率を、4点抵抗決定法により直接決定し、接触点の間の間隔は、いずれの場合にも1cmである。計算比導電率を1.25・10S/mであった。
【0086】
比較例:本発明によらない分散体および被覆物
比較のために、静電的に安定化された銀ナノ粒子を含有する分散体を調製した。そのために、0.054モル水酸化ナトリウム溶液および分散助剤Disperbyk(登録商標)190(製造業者BYK Chemie)(1g/L)の混合物を1:1の体積比で、0.054モル硝酸銀溶液に添加し、撹拌を10分間行った。4.6mol水性ホルムアルデヒド水溶液を、反応混合物に添加し、撹拌しながら、Ag+と還元剤の比が1:10となるように添加した。該混合物を60℃に加熱し、その温度で30分間維持し、次いで冷却した。粒子を未反応出発物質から第1段階で透析ろ過により分離し、次いでゾルを、30000ダルトン膜を用いて濃縮した。10重量%の固形分を有するコロイド安定性(銀粒子および分散助剤)が生じた。元素分析によれば、isperbyk(登録商標)190の含有量は、D膜ろ過後には、銀含有量を基準として6重量%であった。レーザー相関分光法による分析は78nmの粒径を得た。
【0087】
得られる分散体中において、銀粒子を、ポリマー立体安定化剤PVP K 15およびDisperbyk(登録商標)190により安定化した。
【0088】
実施例3に記載の同一の方法により、分散体の表面被覆物をポリカーボネートフィルムに適用した。実施例3と同様の決定した比導電率は、140℃および大気圧力(1013hPa)での1時間の乾燥および焼結時間の後にのみ決定することが可能であった。
【0089】
1時間の乾燥および焼結時間の後、比導電率は約1S/mであった。10S/mのより高い比導電率は、4時間の全乾燥および焼結時間後にのみ決定することができた。
【0090】
従って、本発明による分散体を用いて製造された表面被覆物は、より短い乾燥および焼結時間後でさえ、著しくより高い導電性をより低い乾燥および焼結温度で有する。立体的に安定化された銀ナノ粒子を含有する分散体を用いて製造された表面被覆物は、同等の比導電率を得るのに著しくより長い乾燥および焼結時間を必要とした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基材を供給する工程、
分散体を該表面に適用する工程であって、該分散体は、
c)少なくとも1つの液体分散剤、および
d)−20〜−55mVのゼータ電位を分散剤中に2〜10のpH値で有する静電的に安定化された銀ナノ粒子
を含み、および
該表面およびそこに適用された該分散体の一方または両方を、分散剤の沸点未満の50℃〜分散剤の沸点を超える150℃の温度に加熱して、導電性被覆物を該表面上に形成する工程
を含む方法。
【請求項2】
表面および/またはそこに配置された分散体を、少なくとも分散剤の沸点未満の20℃〜分散剤の沸点を超える100℃の範囲の温度に一般的な圧力で加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
表面および/またはそこに配置された分散体を、10秒〜2時間の間、特定の温度に加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
表面および/またはそこに配置された分散体を、30秒〜60分の間、特定の温度に加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
分散体の銀ナノ粒子は、−25〜−50mVのゼータ電位を、静電気的分散体安定剤を有する上記分散剤中に4〜10の範囲のpH値で有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
分散剤は、水、または水と4個までの炭素原子を有するアルコール、4個までの炭素原子を有するアルデヒド、4個までの炭素原子を有するケトンおよびこれらの混合物からなる群から選択される化合物との混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
銀ナノ粒子は、5個までの炭素原子を有するカルボン酸、該カルボン酸の塩、該カルボン酸の硫酸塩、該カルボン酸のリン酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの静電気的分散体安定剤により静電的に安定化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
静電気的分散体安定剤は、少なくとも1つの5個までの炭素原子を有するジ−またはトリ−カルボン酸またはその塩である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
静電気的分散体安定剤は、クエン酸またはクエン酸塩である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
分散体はインクである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
導電性表面被覆物は、10〜3・10S/mの比導電率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
導電性表面被覆物は、50nm〜5μmの乾燥皮膜厚みを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
表面は、プラスチック基材の表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
プラスチック基材は、プラスチック皮膜または多層複合材料である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
分散体は、分散体の全重量を基準として2重量%未満の立体分散体安定剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
分散体は、分散体の全重量を基準として1重量%未満の立体分散体安定剤を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
立体分散体安定剤は、ポリマー立体分散体安定剤である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
a)少なくとも1つの液体分散体、
b)−20〜−55mVの範囲のゼータ電位を上記の分散剤中に2〜10の範囲のpH値で有する静電的に安定化された銀ナノ粒子、および
c)必要に応じて、さらなる添加剤
を含む、分散体。
【請求項19】
銀塩を、少なくとも1つの分散剤中において、少なくとも1つの静電気的分散安定剤の存在下で、還元剤により銀に還元する工程を含む、請求項18に記載の分散体の製造方法。

【公開番号】特開2011−190535(P2011−190535A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−54046(P2011−54046)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】