説明

非乳非大豆のホイップ可能な食料製品及び製造方法。

ホイップ可能な食料製品と、その製造方法を開示する。最終製品は、無菌充填プロセスにより充填する。それは常温でより長期間保存することができ(材料が貯蔵中に劣化や分離をしない)、短時間で、固く泡立ちが均一なクリーム状のトッピングを形成する。該製品には、乳及び動物性食品/副製品が含まれず、故に、完全菜食主義、コーシャー、又は、菜食主義の摂取に適している。また、該製品には大豆製品及び/又は加工油や化学添加物等の問題のある材料が含まれない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、概して人が摂取する食料製品に関する。特に、非乳非大豆食料製品、及び、該食料製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイップトッピングは、ホイップした生クリームの味、食感、外観に似せて作られた食料製品である。通常、ホイップトッピング製品には、いくらかの量の油(部分的に水素添加した油及び/又はトランス脂肪を含む)、乳又は非乳蛋白質、甘味料、及び、他の材料が含まれる。米国市場においては、周知のホイップトッピングのブランドとして、Cool Whip(登録商標)がある。
【0003】
食料品店で販売されているホイップトッピング製品は、通常前もって泡立ててあり(即ち、消費者に販売される前に空気−液体コロイドが形成されている)、故に軽量でかさばり、そして使用前には冷蔵又は冷凍し続ける必要がある。代わりに、ホイップトッピングは加圧噴霧缶に充填してもよく、そうすうと冷蔵をしてもしなくてもよい。しかしながら、通常、噴霧缶製品には健康に悪影響を与える可能性がある一酸化二窒素の高圧ガスが含まれ、そして容器の原材料は簡単に処分できるものではない。一方、ホイップトッピング製品には、通常、乳製品、大豆製品、又はその両方が含まれ、コーシャー精進料理、完全菜食主義等の特別な必要性がある人々、コレステロール値が高い人々、又は、特定の乳又は大豆にアレルギーのある人々は、それらの製品を摂取することができない可能性がある。現在、特定の食品を制限すること又は控えることが、特定の習慣に従事する人々の健康に直接的な影響を与える可能性があることが知られている。多くのセブンスデー・アドベンティスト信者、ヒンドゥー教徒、仏教徒、及び、ラスタファリ主義者が食べる菜食料理の場合のように、有益な効果も発見されている。
【0004】
近年、ホイップトッピングの分野において、特定の健康状態にある人々や特別の必要性がある人々にとって不健康な材料を減らす又は除くため、そして製品の貯蔵と輸送を簡便かつ費用効率が高いものとするため、新しい製品が開発されている。例えば、比較的小さい容器に入った未ホイップの混合物として販売されている新製品がある。消費者は、家庭でこの混合物を泡立て、ホイップトッピングとしてもよい。これらの製品は、やはり冷蔵を必要とするが、ホイップ済みの製品よりも貯蔵及び輸送コストが低い。
【0005】
現在、市場では、乳を含まない様々なホイップトッピング製品が購入可能である。乳を含まないホイップ可能なトッピングの例として、「Soyatoo!Whippable Soy Topping」が挙げられる。この製品には、有機豆乳と菜食主義者向けの有機脂肪が含まれる(ドイツで製造され、Ceres Organics St. Paul, MNにより輸入されている。ウェブサイト:ハイパーリンク“http://www.soyatoo.de/”http://www.soyatoo.de/)。それは未ホイップのエマルションであり、製造業者の取扱説明書によれば、冷蔵保存し続けなければならない。製造業者は、製品名が意図するように、この製品には乳製品が含まれていないと主張するが、大豆アレルギーの人が摂取できないであろう大豆製品が含まれており、そして水素添加油のような加工油が含まれている可能性もある。また同製造業者は、他に「Soyatoo!Soy Whip」と「Soyatoo!Rice Whip」という製品名の加圧噴霧缶に詰めた2つの非乳ホイップトッピング製品を販売しており、それらは共に、一酸化二窒素の高圧ガスを含んでいる。
【0006】
非乳ホイップトッピングのもう1つの例として、「Rich’s Whip Topping(登録商標)」が挙げられる(ウェブサイト:ハイパーリンク“http://www.whiptopping.com/products.cfm?dsp=1” http://www.whiptopping.com/products.cfm?dsp=1)。この製品は、未ホイップの形態とホイップ済みの形態の両方で販売されている。未ホイップ製品は、使用前に、華氏0度(−18℃)以下で冷蔵し続ける必要がある。冷蔵未ホイップ製品の保存可能期間はたったの約12か月である。
【0007】
上述のホイップトッピング製品には水素添加油を含み得るという事実を別としても(多くの科学的研究において、水素添加油の摂取は、糖尿病、冠動脈疾患、及び、肥満に関連するとされている)、それらには、ポリソルベート60(動物において癌を発生させることで知られている)又は高フルクトースコーンシロップ(HFCS)等のいくらかの問題のある添加物/材料も含み得る(出典:Eat safe、Bill Statham著、Running Press)。ここで、「問題のある」とは、栄養と食品の専門家の間で、特定の材料や食料製品を摂取する安全性について疑念があることを意味するものとして使用する。
【0008】
一般に購入可能な未ホイップトッピングを冷蔵保持しなければならない理由は、常温では、乳化液体混合物中の材料が劣化してしまい、味に著しく影響を与え、保存可能期間が短くなってしまう可能性があるからである。Perks(米国特許第7,351,440号、Rich Products 社が譲受)は、常温でより長期間保存することができ、かつ、常温で泡立てて飾り付けることができるトッピング製品を開示しているが、開示された処方には、なおも問題のある添加物又は材料、(乳からの)隠れたカゼイン塩、及び/又は大豆派生物が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,351,440号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Eat safe、Bill Statham著、Running Press
【発明の概要】
【0011】
本発明の第一の態様において、乳化混合物の製造方法を提供する。前記乳化混合物は、充填剤と、界面活性剤と、ゲル化剤と、非大豆非乳蛋白質成分と、脂肪酸成分と、少なくとも1種の乳化物質とを含む。前記充填剤は、第1の甘味料を含む。前記方法は、a)液化物質中に溶解させた前記第1の甘味料の溶液に、前記ゲル化剤を混入するステップと、b)前記溶液に前記非大豆非乳蛋白質成分を混入するステップと、c)前記溶液に前記脂肪酸成分と前記界面活性剤を混入するステップと、そして、d)前記溶液に少なくとも1種の乳化物質を混入し、前記乳化混合物を形成するステップとを含む。
【0012】
前記方法において、前記溶液に混入する前に、予め前記脂肪酸成分を前記界面活性剤と混合してもよい。
【0013】
さらに、前記方法において、ステップd)は、溶液への二種の乳化物質の添加を含んでもよい。
【0014】
前記方法において、前記充填剤はさらに第2の甘味料を含んでもよく、そして前記方法はさらに、e)前記溶液に前記第2の甘味料を混入するステップ、を含んでもよい。ステップe)は、ステップb)、c)、又は、d)の後に行うことが好ましい。しかしながら、本発明の順序を制限することを意図するものではない。
【0015】
前記方法において、前記乳化混合物はさらに香味料成分を含んでもよく、前記方法はさらに、f)前記溶液に前記香味料成分を混入するステップ、を含んでもよい。
【0016】
上記ステップa)〜d)、e)、及び、f)はそれぞれ0.5〜10分の時間で行われ得る。前記乳化混合物を製造するための温度は、80F〜210Fとすることができる。
【0017】
上記方法はさらに、密閉環境で行われる無菌充填工程を含んでもよい。該工程は、g)前記混合物を低温殺菌し、均質化するステップと、h)前記混合物を殺菌するステップと、そして、i)前記混合物を殺菌した容器に充填するステップとを含む。無菌充填工程により、乳化混合物は少なくとも18か月保存可能であることが保証される。混合物の殺菌は、該混合物を高温短時間で加熱するステップ、を含んでもよい。温度と時間は、低酸性液体の殺菌に適するように選択すればよい。
【0018】
本発明の第2の態様において、乳化混合物を提供する。該乳化混合物は、充填剤と、ゲル化剤と、非大豆非乳蛋白質成分と、脂肪酸成分と、界面活性剤と、少なくとも1種の乳化物質とを含む。前記充填剤は、第1の甘味料を含む。乳化混合物は、a)液化物質中に溶解させた前記第1の甘味料の溶液に、前記ゲル化剤を混入するステップと、b)前記溶液に前記非大豆非乳蛋白質成分を混入するステップと、c)前記溶液に前記脂肪酸成分と前記界面活性剤を混入するステップと、そして、d)前記溶液に少なくとも1種の乳化物質を混入し、前記乳化混合物を形成するステップと、を含むプロセスによって調製される。
【0019】
前記乳化混合物において、前記液化物質は低粘性液体であってもよい。該低粘性液体は、水、乳又は非乳の乳代替物であってもよい。
【0020】
前記乳化混合物において、前記溶液に混入する前に、予め前記脂肪酸成分を前記界面活性剤と混合してもよい。該界面活性剤は、非大豆植物性レシチンであってもよい。
【0021】
前記乳化混合物において、前記少なくとも1種の乳化物質は、2種の乳化物質を含んでもよく、それらはステップd)において溶液に添加される。第1及び第2の2種の乳化物質は、安定化乳化剤と不安定化乳化剤のうち少なくとも1種を含んでもよい。安定化乳化剤はモノステアリン酸ソルビタンとしてもよく、不安定化乳化剤はジステアリン酸ヘキサグリセリルとしてもよい。
【0022】
前記乳化混合物において、前記第1の甘味料は、天然の糖、天然の糖代替物、及び、人工の糖代替物の少なくとも1種とすることができる。さらに、前記第1の甘味料は、甘蔗糖、甜菜糖、蜂蜜、メープルシロップ、及び、リュウゼツランの蜜を含む天然の糖類の群から選択してもよい。
【0023】
前記乳化混合物は、さらに第2の甘味料を含んでもよく、そして前記プロセスがさらに、e)前記溶液に前記第2の甘味料を混入するステップ、を含んでもよい。前記第2の甘味料は、天然の糖、天然の糖代替物、及び、人工の糖代替物の少なくとも1種としてもよい。さらに、前記第2の甘味料は、マルトデキストリン、高フラクトースコーンシロップ、エリトリトール、キシリトール、及び、マルチトールからなる群から選択される少なくとも1種の天然の糖代替物としてもよい。そしてさらに、前記天然の糖代替物はマルトデキストリンとしてもよい。
【0024】
前記乳化混合物は、さらに少なくとも1種の香味料成分を含んでもよく、前記プロセスがさらに、f)前記溶液に前記香味料成分を混入するステップ、を含んでもよい。前記香味料成分は、塩、香味料物質、着色剤、ビタミン、及び、無機物の1種以上を含んでもよい。
【0025】
前記乳化混合物において、非大豆非乳蛋白質成分は、大豆以外の植物の実又は種から取得してもよい。前記植物の実又は種は、アーモンド、カシュー、エンドウ、マカダミアナッツ、ペカン、ブラジルナッツ、松果、ココナッツ、バターナッツ、クルミ、ブナの実、ヒッコリーの実、クリの実、ゴマの種、及び、ヒマワリの種からなる群から選択される1種以上とすることができる。さらに、前記植物の実又は種は、微細に粉砕して混合し、バター又はペースト状にしてもよい。
【0026】
前記乳化混合物において、前記脂肪酸成分は、1種以上の植物性油を含んでもよい。前記1種以上の植物性油は、ココナッツ油及び/又はアーモンド油としてもよい。
【0027】
前記乳化混合物において、前記ゲル化剤は、グアーガム又はキサンタンガムとしてもよい。
【0028】
最後に、前記乳化混合物において、前記液化物質は全重量の42%〜70%を構成し、前記充填剤は全重量の5%〜22%を構成し、前記非大豆非乳蛋白質成分は全重量の0.2%〜8%を構成し、前記脂肪酸成分は全重量の0.25%〜21%を構成し、前記ゲル化剤は全重量の0.05%〜1.4%を構成し、前記界面活性剤は全重量の0.1%〜4%を構成し、そして前記少なくとも1種の乳化物質は全重量の0.1%〜4%を構成する。これらの開示された範囲は、限定を意味するものではなく、多様であってよく、限定がない限り、それぞれの範囲内の、いかなるより小さい範囲を含み得ることが認識されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る食料製品は、いくつかの材料を含むホイップ可能な乳化混合物である。該混合物は、第一に、泡立て(例えば高速混合)を含む後工程において、とろみのあるクリーム様のトッピングを形成するために使用する。泡立てることにより、混合物は空気−液体コロイドを形成し、体積が大幅に膨張する。ホイップトッピングは、ケーキ、ペーストリー、又は、デザート等の様々な食料製品に使用し得る。しかしながら、本発明に係る乳化混合物は、当業者であれば予測しうるであろう他の目的に使用してもよく、これらの他の使用は、発明の範囲から逸脱するとして考えられるべきではない。
【0030】
本発明に係るホイップ可能な食料製品の1つの特徴は、未ホイップの形態で容器に充填し販売することができることにある。無菌充填法を使用することで、該製品は常温でより長期間(特に限定されないが、18か月間から2年間またはそれ以上)保存することができる(例えば、材料が貯蔵中に分離や劣化をしない)。本発明に係るホイップ可能な食品のもう1つの特徴は、短時間(特に限定されないが、数分)で、固く泡立ち均一なクリーム状のトッピングを形成することにある。本発明に係るホイップ可能な食品のさらにもう1つの特徴は、完全に乳及び動物性食品/副製品が含まれず、故に完全菜食主義、コーシャー精進料理、又は、菜食主義の摂取に適していることにある。また該製品には、大豆製品、及び/又は、栄養と食品の専門家のほとんどが安全でないと考えている、水素添加油又は化学添加物等の問題のある材料が含まれない。
【0031】
1つの実施形態において、乳化混合物には次の材料、1)充填剤、2)非大豆非乳蛋白質成分、3)脂肪酸成分、4)ゲル化剤、5)界面活性剤、及び、6)少なくとも1種の乳化物質、が含まれる。
上記の材料を、以下に記載するプロセスにより液化物質中で混合し、均一な乳化混合物を形成する。さらに、香味を高める、栄養的価値を提供する、又は、視覚効果を提供する目的で、1種又はそれ以上の香味料成分、ビタミン及び/又は無機物、又は、着色剤、を混合物に含めてもよい。
【0032】
以下に本発明の実施形態に係る材料について記載する。
【0033】
液化物質
液化物質は、低粘性液体であることが好ましい。液化物質の1つの好ましい候補としては、水道水、わき水、濾過水道水、逆浸透処理精製水、蒸留水、脱イオン水等の精製水が挙げられ、食品の調製に適してさえすればよい。水は、最終製品に認識できるような味の特徴を加えることがなく、好ましい液化物質である。しかしながら、水以外にも液化物質として幅広い種類の飲用の液体を考慮し得る。いくつかの例としては、特に限定されないが、アーモンドミルク、ライスミルク、ヘーゼルナッツミルク、及び、ココナッツミルク等の乳代替物が挙げられる。酪農乳(全種類)は、同じ目的のため使用可能であるが、非乳製品には酪農乳を使用すべきではない。豆乳も同じ目的のため使用可能であるが、非大豆製品には豆乳を使用すべきではない。
【0034】
充填剤
充填剤には、少なくとも1種の甘味料が含まれ、そして2種以上の甘味料が含まれてもよい。本発明に適した甘味料は、天然の糖、天然の糖代替物、又は人工の糖代替物であってもよい。
【0035】
天然の糖の例としては、特に限定されないが、主としてスクロース及び/又はフルクトースから成る多種の天然の甘味物質が含まれ、甘蔗糖、甜菜糖、サトウキビ汁、カエンサイ汁、精糖、メープルシロップ又は他の樹木の蜜、蜂蜜、リュウゼツランの蜜等がある。
【0036】
天然の糖代替物の例としては、特に限定されないが、デンプンから製造した多種の甘味料(別名デンプン糖)が含まれ、マルトデキストリン、グルコースシロップ(例えばコーンシロップ、ライスシロップ、タピオカシロップ、ポテトシロップ等)、ブドウ糖、高フルクトースコーンシロップ、結晶フルクトース、トレハロース、糖アルコール(例えばキシリトール、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール等)等がある。
【0037】
人工の糖代替物の例としては、特に限定されないが、サッカリン(例えばSweet'N Low)、アスパルテーム(例えばEqual、NutraSweet)、スクラロース(例えばSplenda、Altern)、ネオテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、ポリデキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の単糖類、二糖類、多糖類、ポリオール、及び/又はそれらの組合せが挙げられる。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、充填剤は、第1の甘味料及び第2の甘味料を含んでもよい。第1の甘味料は、上述の天然の糖のカテゴリーからの糖であってもよい。第1の甘味料により、製品に、泡立った乳クリーム又はシャンティクリームに似せた甘味の特徴を付与してもよい。第2の甘味料は、マルトデキストリン等の糖代替物であってもよい。マルトデキストリンは甘味を付与する一方、砂糖が上昇させるほどは製品の血糖インデックスを上昇させず、デンプンであるがゆえ粘りを付与する。
【0039】
蛋白質成分
本発明は、その蛋白質成分として1種以上の多様な非大豆非乳蛋白質を使用することが特徴である。本発明の1つの典型的な実施形態において、非大豆非乳蛋白質は、大豆以外の植物の実又は種から取得してもよい。適切な植物の実及び種としては、特に限定されないが、アーモンド、カシュー、マカダミアナッツ、ペカン、ブラジルナッツ、松果、ココナッツ、バターナッツ、クルミ、ブナの実、ヒッコリーの実、クリの実、ゴマの種、ヒマワリの種等が挙げられる。
【0040】
上記列挙した実及び種の中でも、好ましい実はアーモンドであり、好ましい種はカシューである。必須ではないが、アーモンド又はカシューは、有機的に栽培し、加工してもよい。アーモンドは湯通しして外皮を取り除くことが好ましい。それらはアーモンド全体、アーモンド一片、刻んだアーモンド、又は粉砕したアーモンドであってもよい。カシューは生で、かつ皮がないことが好ましい。それらは、カシュー全体、カシュー片、刻んだカシュー、又は粉砕したカシューであってもよい。ここで使用されている「湯通し」、「生」、及び、「有機的」の用語は、関連ある分野における当業者によく知られている定義に一致する。
【0041】
最良の結果のため、非大豆の実又は種は乳化混合物に使用する前に加工してもよい。例えば、アーモンド又はカシューは、細かく粉砕して乳化し、アーモンドバター、カシューバター、アーモンドペースト、カシューペースト等に加工してもよい。粉砕してバター状になった非大豆の実又は種は、特徴的なクリーミーな食感、栄養特性、無味からわずかに甘い味、コクと粘り、及び、蛋白質含量から、ホイップ可能なトッピング中に含まれる。トッピング混合物の蛋白質成分は、泡立てた際の製品の乳化と安定性を補助することが知られる。
【0042】
上述の典型的な実施形態において、アーモンドとカシューは単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。1つの例としては、アーモンドとカシューを約1:1の重量比で混合する。もう1つの例としては、アーモンドとカシューを約2:1(アーモンド対カシュー)の重量比で混合する。しかしながら、当業者にとって、本発明が、アーモンドとカシューのいかなる特定の比率又は比率の範囲によっても限定されないことは明らかである。
【0043】
また、実質的に等量の液化アーモンド(「アーモンドクリーム」)と液化カシュー(「カシュークリーム」)を使用して蛋白質成分を形成することも効果的である。
【0044】
ホイップ可能なトッピング製品において、このような非大豆非乳の実/種蛋白質成分は、実質的に乳又は大豆系蛋白質成分と代替される。結果として得られる食品組成物は、ラクトースに耐性がない人や、大豆や乳を含有する製品を避けたい人にとって、有望な代用品である。
【0045】
上述の非大豆の実又は種の蛋白質源とは別に、他の適切な蛋白質源を考慮してもよく、特に限定されないが、それらとしては、エンドウ蛋白質、ポテト蛋白質、ヒラマメ蛋白質、豆蛋白質等の植物性蛋白質、及び、蛋白質単離物が挙げられる。
【0046】
脂肪酸成分
本発明において、脂肪酸成分には、大豆以外の植物、植物の種、又は果実から抽出した植物性油が含まれる。植物性油は、加工が最小限の形態であることが好ましい。これは、(部分的水素添加のような加工により、油の元の分子構造や組成が変化していないことを意味する。天然の植物性油の1つの適切な候補としては、ココナッツ油がある。もう1つの適切な候補としては、アーモンド油がある。また、脂肪酸成分は、加工が最小限の大豆以外の植物、植物の種、又は果実から抽出した植物性油の2種以上の混合物であってもよい。1つの例としては、ココナッツ油とアーモンド油の混合物がある。ココナッツ油とアーモンド油の比率は、特に限定されないが、14:1〜8:1としてもよい。脂肪酸成分は、乳化トッピング混合物の安定性に寄与する。
【0047】
脂肪酸成分として可能性のある他の候補としては、特に限定されないが、オリーブ油、植物油、コーン油、菜種油、ヒマワリ油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、パーム油、及び、パーム核油等が挙げられる。大豆油も潜在的には使用可能であるが、非大豆の実施形態には適切ではない点については、認識されるであろう。
【0048】
ゲル化剤
本発明では、ホイップ可能なトッピング混合物にとろみをつけ、安定化させるため、ゲル化剤を使用する。本発明の1つの実施形態において、ゲル化剤はグアーガム、キサンタンガム、又は当該技術分野で既知の他の天然由来のガム系等の食品添加物多糖類である。またゲル化剤には、特に限定されないが、カラギーナン、アカシアガム、寒天、アルギン酸塩、MCC(微結晶セルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ローカストビーンガム、イヌリン、及び、ペクチンから成る群の1種以上が含まれ得る。
【0049】
界面活性剤と乳化物質
本発明のホイップ可能なトッピング製品には、乳化混合物を形成し、安定化させるための1種以上の物質がさらに含まれる。本発明の1つの実施形態において、ホイップ可能なトッピング製品には、低水溶性界面活性剤が含まれる。この低水溶性界面活性剤は、脂肪酸成分と一緒に溶液に混入してもよく、脂肪酸成分を最初に添加してその後に界面活性剤を添加しても、その逆であってもよい。界面活性剤と脂肪酸成分を交互に添加することや、また好ましくは一緒に混合して混合物を形成してその後に他の材料に添加することも可能である。界面活性剤の例としては、植物レシチン、ヒマワリレシチン、又はブドウ種子レシチン等の様々なレシチンが挙げられる。大豆レシチンは同じ目的のため使用可能であるが、非大豆製品には大豆レシチンを使用すべきではない。概して、本発明のホイップ可能なトッピング混合物において、界面活性剤は不安定化乳化剤として作用してもよい。それは混合物の粘度を下げ、成分を均一に分散させることに役立つ。
【0050】
界面活性剤とは別に、本発明のホイップ可能なトッピング製品には、さらに少なくとも1種の乳化物質が含まれてもよい。本発明の1つの実施形態において、少なくとも1種の乳化物質には、安定化乳化物質や不安定化乳化物質等の1種以上の成分がさらに含まれてもよい。安定化乳化物質としては、好ましくは、ジステアリン酸ヘキサグリセリルが挙げられる。また、ジステアリン酸ヘキサグリセリルに替えて、又は加えて、その他の様々な安定化乳化物質を単独で又は組み合わせて使用してもよく、例えば、特に限定されないが、飽和モノグリセリド、飽和ジグリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、セルロースガム、スクロースエステル、及び/又は、ステアロイル乳酸ナトリウムが挙げられる。不安定化乳化物質としては、好ましくは、モノステアリン酸ソルビタンが挙げられる。また、モノステアリン酸ソルビタンに替えて、又は加えて、その他の様々な不安定化乳化物質を単独で又は組み合わせて使用してもよく、例えば、特に限定されないが、不飽和モノグリセリド、不飽和ジグリセリド、プロピレングリコールエステル、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート65、ポリソルベート60及びポリソルベート80、レシチン、及び、ステアロイル乳酸ナトリウムが挙げられる。
【0051】
当該技術分野において既知の、本発明に考慮してもよい他の乳化剤又は乳化物質としては、レシチンや水素添加レシチン等の様々な脂肪系乳化剤(水素添加又は部分水素添加脂肪系乳化剤、非水素添加脂肪系乳化剤、及び、修飾脂肪系乳化剤);ステアリン酸及びパルミチン酸のモノ及びジグリセリド等の様々な脂肪酸のモノ、ジ、又は、ポリグリセリド;モノステアリン酸ソルビタンのポリオキシエチレンエーテル(ポリソルベート60,65,80)又はジステアリン酸ソルビタンのポリオキシエチレンエーテル等のポリオキシエチレンエーテル又は多価アルコールの脂肪エステル;モノステアリン酸ソルビタン等の多価アルコールの脂肪エステル;ジステアリン酸ヘキサグリセリル等のモノ及びジグリセリドのポリグリセロールエステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、及び、モノパルミチン酸プロピレングリコール、サクシノイル化モノグリセリド等のグリコールのモノ−及びジエステル;そしてグリセロールラクトパルミテート及びグリセロールラクトステアレート等の、脂肪酸のモノ−及びジグリセリドと乳酸、クエン酸、及び、酒石酸等とのカルボン酸のエステル;そしてステアロイル乳酸カルシウム又はナトリウム及びそのスクロースエステル群の全て;脂肪酸のジアセチル酒石酸エステルの全ての種類;「DATEMS」;そして蒸留した乳酸化又はアセチル化モノグリセリドが挙げられる。
【0052】
上述の脂肪系乳化剤の中でも、非水素添加脂肪系乳化剤が好ましい。ここで使用されている「非水素添加脂肪系乳化剤」の用語は、非水素添加脂肪又は油原料に由来する乳化剤を意味し、レシチン(動物又は植物原料に由来する天然の乳化剤)、蒸留モノグリセリドや、モノ、ジグリセリドのブレンドが含まれる。好ましい非水素添加脂肪系乳化剤は、植物性油又は脂肪からの蒸留モノグリセリドであってもよい。
【0053】
香味料と他の成分
発明の目的の達成のために不可欠とはみなされないが、製品の味、栄養的価値、及び、外見を高めるため、本発明のホイップ可能なトッピング製品に、様々な追加の成分を添加してもよい。本発明の1つの実施形態において、該追加の成分には、単独又は組合せて使用する、塩や他の天然の香味料等の香味料成分が含まれてもよく、特に限定されないが、例えば、バニラ抽出物、バニラ豆、チョコレート、生の粉砕した新鮮な果物、ヘーゼルナッツ、ミント抽出物(ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン等)、レモン汁、レモンの皮、オレンジ汁、オレンジの皮、細かく刻んだ無糖ココナッツ、バター、カラメル、タフィー、コーヒー、メープル、クリーム、及び/又は、他の天然又は人工の香味料がある。使用可能なチョコレート類としては、特に限定されないが、チョコレート、ココア、無糖チョコレート、セミスイートチョコレート、甘みをおさえたチョコレート、ココアの実、あら挽きココア豆、及び、無糖ココアが含まれる。使用可能な生の粉砕した新鮮な果物としては、特に限定されないが、イチゴ、桃、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、クラウドベリー、バナナ、パパイヤ、マンゴー、ズバイモモ、及び、サクランボが含まれる。香味料を提供することに加え、塩は、緩衝剤や金属イオン封鎖剤としても作用する。有益な塩の例としては、一般的な塩(塩化ナトリウム)、及び、ナトリウム、カルシウム、又はカリウムの一リン酸塩、二リン酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、塩化物等がある。
【0054】
本発明に使用する他の材料としては、着色剤、ビタミン、及び、無機物が含まれてもよい。これらの材料は、当該技術分野で既知であるため、ここではさらなる説明は行わない
【0055】
非制限的な例として、表1に、本発明に係るホイップ可能なトッピング製品の各成分のおおよその重量パーセントの範囲を列挙する。表1に列挙したこれらの開示された重量パーセントの範囲は、限定を意味するものではなく、多様であってよく、特に限定がなければ、例えばそれぞれの範囲内の、いかなるより小さな範囲も包含することが認識されるであろう。
【0056】

【0057】
表1に示すパーセントは、いかなる場合においても限定するものではなく、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに調整してもよい。
【0058】
本発明の1つの実施形態において、発明に関するホイップ可能なトッピング混合物は、容器に充填して最終製品とするため、充填工程を経てもよい。充填工程は製造条件によって異なってもよい。
【0059】
乳化混合物とホイップ可能なトッピングの製造プロセス
本発明の好ましい実施形態によれば、乳化混合物の製造プロセスには、以下のステップ:
a)ゲル化剤を溶液に混入するステップであって、該溶液には液化物質中に溶解させた充填剤が含まれるステップ、
b)溶液に非乳非大豆蛋白質成分を混入するステップ、
c)溶液に脂肪酸成分と界面活性剤を混入するステップ、及び、
d)溶液に少なくとも1種の乳化物質を混入し、乳化混合物を形成するステップ、
が含まれる。
【0060】
上記ステップa)〜d)は、示された順序で実行しなければならないと解釈されるべきではないが、この順序でステップa)〜d)を実行することが好ましい。
【0061】
上記プロセスにおいて、混合機は、ブレンダー、ターボミキサー、又は一般に入手可能ないかなる食品材料の混合に適した機械装置であってもよい。該プロセスは、高温下で実行することが好ましい。例えば、混合機を前もって高温に温めておいてもよい。高温としては、例えば、特に限定されないが、おおよそ120度F(〜50℃)である。120度Fは開示の目的で選択されたものであり、決して限定を意味するものでないことが認識されるであろう。該発明は、当業者によって認識される可能性のあるいかなる適した温度も包含するものである。混合機を温めることは、多くの異なる手法、例えば、沸騰水を混合機に投入し温度を上げその後水を捨てる方法、によって達成されてもよい。
【0062】
上記プロセスにおいて、液化物質中に溶解させた充填剤の溶液は、第1の甘味料を加熱した混合機中の液化物質に予め添加し、第1の甘味料が完全に溶解するまで混合することによって得てもよい。液化物質を沸点よりわずかに低い温度、例えば、特に限定されないが約200度F(〜93℃)まで予め加熱することも好ましい。200度Fは開示の目的で選択されたものであり、決して限定を意味するものでないことが認識されるであろう。該発明は、当業者によって認識される可能性のあるいかなる適した温度も包含するものである。
【0063】
上記プロセスにおいて、界面活性剤と混合する前に、又は、直接溶液に混入する前に、脂肪酸成分を、液体状態である温度まで予め加熱することが好ましい。この理論に限定されることはないが、そのような温度と状態により、脂肪酸成分をより迅速かつ均一に分散させることができると考えられる。これは決して本発明を限定するものではなく、液体以外の状態の脂肪酸成分もやはり本発明の範囲内に含まれることが認識されるであろう。
【0064】
上記プロセスにはさらに、e)溶液に第2の甘味料を混入するステップ、が含まれてもよい。ステップe)は、ステップb)、c)、又はd)の後に行うことが好ましい。
【0065】
この方法のステップd)において、乳化混合物の少なくとも1種の乳化物質には第1の乳化物質と第2の乳化物質が含まれてもよい。この副次的なステップは、安定化乳化物質を添加するステップと、不安定化乳化物質を添加するステップを含むことが好ましい。安定化乳化物質と不安定化乳化物質は、一緒に添加してもよい(混合してその後溶液に添加してもよいし、単に同時に溶液に添加してもよい)し、相前後して添加してもよく、そしてもし相前後させて添加するならば、安定化物質は不安定化物質の前に添加しても、その逆であってもよい。
【0066】
上記プロセスには、さらに、f)溶液に1種以上の他の成分を混入するステップ、が含まれてもよい。
【0067】
上記ステップa)〜f)のステップのうち、いくつか又は全てを組み合わせてもよい。上記ステップa)〜f)(又はそれらの組み合せ)のそれぞれは、各々数分の時間で行ってもよい。典型的には、特に限定されないが、該時間はおおよそ0.5〜10分間である。この開示された範囲は、限定を意味するものではなく、異なってもよく、限定がなければ、例えば該範囲内のいかなるより小さな範囲も含むことが認識されるであろう。
【0068】
上述のプロセスから得られた乳化混合物は、容器に充填して最終製品とするため、充填工程を経てもよい。該充填工程は製造条件によって異なってもよい。例えば、大量生産環境においては、無菌充填工程を実施してもよい。典型的には、この無菌工程には、以下のステップ:
g)密閉環境(即ち、真空又は不活性雰囲気下)で、混合物を低温殺菌し、均質化するステップ、
h)密閉環境で、混合物を殺菌するステップ、及び
i)密閉環境で、殺菌した混合物を殺菌した容器に充填するステップ、
が含まれてもよい。
【0069】
混合物の殺菌は、例えば、「高温短時間」(HTST)プロセスにより実行してもよい。温度と時間は、低酸性液体の殺菌に適したパラメーターに従って選択してもよい。無菌充填プロセスによって調製した乳化混合物は、常温で貯蔵することができる。無菌的に充填した混合物は、新鮮さ、味、及び、特徴を失わず、少なくとも18か月の保存可能期間を有することが試験結果により示されている。無菌充填プロセスとHTSTは、当業者に周知であると考えられるため、ここではさらには開示しない。
【0070】
他の製造条件、例えば無菌充填環境にない場合において、上記開示したプロセスにより調製した乳化混合物は、以下のステップ:
j)混合物を絶えず攪拌しながら、混合物を高温まで加熱するステップ、
k)前記高温に達した後、混合物を混合するステップ、及び
i)混合物を殺菌した容器に充填するステップ、
の1つ以上のステップを含む、代替の後プロセス工程を経てもよい(即ち、上記のステップg)からi)の無菌工程は、後で実施しない)。
【0071】
例えば、上記ステップk)においては、特に限定されないが、0.5〜10分間、高速度で混合を行う。加熱及び/又は混合の動作により、混合物中のデンプンが活性化すると考えられ、低温殺菌及び均質化に相当する。常温において、最終製品は、無菌充填工程を経たものより短い保存可能期間を有していることが試験結果により示されている。それゆえ、冷蔵が必要であるかもしれない。しかしながら、該製品は、短時間で泡立てられ、ホイップトッピングを形成することができ、味及び体積膨張への影響がない、という他の特徴を有している。
【実施例】
【0072】
プロセスを一般的に開示してきたが、本発明の1つの実施形態に係る乳化混合物の特定の典型的な製造プロセスには、以下の作業が含まれる。
(1)前もって温めたブレンダー又はターボミキサー中に、前もって加熱した液化物質(例えば水)を投入するステップ、
(2)水に第1の甘味料(例えば砂糖又はサトウキビの固形物)を添加し、2分間混合するステップ、
(3)混合物にゲル化剤(例えばグアーガム)を添加し、2分間混合するステップ、
(4)混合物に非大豆蛋白質(例えばアーモンド及びカシューのバター又はペースト)を添加し、2分間混合するステップ、
(5)混合物に第2の甘味料(例えばマルトデキストリン)を添加し、1分間混合するステップ、
(6)混合物に前もって加熱した液体状態の脂肪酸成分(例えばレシチンと前もって混合したココナッツ及びアーモンドの油)を添加し、1分間混合するステップ、
(7)混合物に乳化物質(例えば、ジステアリン酸ヘキサグリセリル及び/又はモノステアリン酸ソルビタン)を添加し、2分間混合するステップ、及び、
(8)混合物に他の成分(例えば香味料及び/又は塩)を添加し、1分間混合するステップ。
【0073】
その後乳化混合物を最終製品として容器に充填する。例えば、上記典型的な混合物製造プロセス(ステップ1〜8)の後に、以下の無菌充填プロセスを実施してもよい。
(9)混合物を真空又は不活性雰囲気下の無菌プロセス装置に移し、水の沸点より高い高温(例えば285〜295度F)で混合物を数秒(例えば8秒)低温殺菌し、短時間の冷却後、混合物を均質化するステップ、
(10)混合物を真空又は不活性雰囲気下、例えば低酸性液体の殺菌に適した「高温短時間」プロセスを用いて殺菌するステップ、
(11)混合物を殺菌した容器に充填するステップ。
【0074】
選択的に、上述のような非無菌充填プロセスにおいて、ステップ(9)〜(11)を以下のステップに代えてもよい。
(12)混合物を容器(例えばやかん)に移し、混合物を絶えず攪拌しながら高温(例えば、特に限定されないが、190度F)まで加熱するステップ、
(13)前記高温に達した後、混合物を混合機(例えばブレンダー)に移し、混合物を高速で1〜2分間混合するステップ、そして、
(14)混合物を容器に充填するステップ。
【0075】
例えば、消費者は容器に充填した製品を購入後、以下のステップに従ってホイップトッピングを調製してもよい。
1.乳化混合物を、大型容器中で製品が冷却される(例えば45度Fに達する)のに十分な時間冷蔵するステップ、そして、
2.大型容器から中身を取り出し、適切な方法(例えば手持ち型の泡立て器、ホイップ又は電動式ミキサー又は泡立て器を用いて)で30秒間〜3分間泡立て、所望の固さのホイップトッピングを得るステップ。
【0076】
ホイップトッピングの体積膨張は、約200〜400%となることがわかった(即ち、カップ半分の混合物を泡立てると、おおよそカップ1〜2杯又はそれ以上のホイップトッピングが得られる)
【0077】
表2に、混合物の各成分の典型的な材料を、好適な重量パーセント範囲と共に示す。
【0078】

【0079】
表3に本発明に係る組成の例を示す。
【0080】

【0081】
即ち、本願は、非乳非大豆食料製品を提供する。該食料製品を泡立てることでホイップトッピングとすることができる。この製品は、通常の無菌充填により未ホイップの形態で容器に充填して販売することができる。この製品は、常温で少なくとも2年間保存可能であり、そしてそれは固く泡立って均一なクリーム状のトッピング又はフロスティング(短時間冷蔵後)を1分未満で形成する。該製品は、完全に乳及び動物性食品/副製品が含まれず、故に食べ物に関する特別な必要性を有する人々の摂取に適している。また、該製品には、大豆製品及び/又は加工油や化学添加物等の問題のある材料が含まれない。
【0082】
本発明の製品は、冷蔵庫又は冷凍庫の貯蔵スペースの必要性を大いに軽減し、それらはいずれも台所又は飲食提供施設において重要な「不動産」であると考えられる。また、それは真に非乳であり、「問題のある性質」の添加物が含まれない。
【0083】
本発明の最終製品は、スーパーマーケット又は健康食品の店で食料製品として販売することができる。先行技術において示される、この発明に最も近い製品には、全て大豆又は乳の派生物、又は不要な添加物/材料が含まれ、大部分は冷蔵又は冷凍を必要とするであろう。健康を意識した、コーシャーの、又は、完全菜食主義のいかなる消費者、ラクトースに耐性がない又はグルテンに耐性がないいかなる消費者、食品中の大豆を避けることに気を配っていたいかなる消費者も、有利に本発明で得られる製品を使用することができる。
【0084】
ここで、単数で記載されている、そして、「a」や「an」の語で始まる要素又はステップは、除外する旨が明確に述べられていなければ、複数の要素又はステップを除外するように理解されるべきではない。さらに、本発明の「1つの実施形態」又は「好ましい実施形態」の言及は、列挙された特徴も包含する追加の実施形態の存在を除外するように解釈されることを意図するものではない。加えて、明確に正反対のことが述べられていない限り、特定の性質を有する1つの要素又は複数の要素を「含む」又は「有する」実施形態には、その性質を有さない追加の要素が含まれてもよい。
【0085】
特定の使用に適合するための改良や変更は当業者にとって明らかであることから、本発明は、開示の目的のために選択された実施形態に制限されるものとはみなされず、それはこの発明の真の精神と範囲から逸脱を構成しない全ての変更と改良を含む。
【0086】
上述のように発明を記載したが、特許により保護されることを求めるものは、続いて添付した特許請求の範囲に提示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化混合物の製造方法であって、
前記乳化混合物が、充填剤と、ゲル化剤と、非大豆非乳蛋白質成分と、脂肪酸成分と、界面活性剤と、少なくとも1種の乳化物質とを含み、
前記充填剤が第1の甘味料を含み、前記方法が、
a)液化物質中に溶解させた前記第1の甘味料の溶液に、前記ゲル化剤を混入するステップ、
b)前記溶液に前記非大豆非乳蛋白質成分を混入するステップ、
c)前記溶液に前記脂肪酸成分と前記界面活性剤を混入するステップ、及び、
d)前記溶液に少なくとも1種の乳化物質を混入し、前記乳化混合物を形成するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記脂肪酸成分と前記界面活性剤を、ステップc)において前記溶液に混入する前に、予め混合する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脂肪酸成分を、ステップc)において前記溶液に混入する前に、予め加熱する請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記充填剤がさらに第2の甘味料を含み、
e)前記溶液に前記第2の甘味料を混入するステップ、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップd)の前記少なくとも1種の乳化物質が、2種の乳化物質を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記乳化混合物がさらに香味料成分を含み、
f)前記溶液に前記香味料成分を混入するステップ、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa)〜d)が、それぞれ0.5〜10分の時間で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記乳化混合物を製造するための温度が、80F〜210Fである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
g)密閉環境で、前記混合物を低温殺菌し、均質化するステップと、
h)密閉環境で、前記混合物を殺菌するステップと、そして
i)密閉環境で、殺菌した混合物を殺菌した容器に充填するステップと、
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記混合物を殺菌するステップは、密閉環境で、低酸性液体の殺菌に適した手順に従って、前記混合物を殺菌するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
充填剤と、ゲル化剤と、非大豆非乳蛋白質成分と、脂肪酸成分と、界面活性剤と、少なくとも1種の乳化物質とを含み、
前記充填剤が、第1の甘味料を含み、そして、
a)液化物質中に溶解させた前記第1の甘味料の溶液に、前記ゲル化剤を混入するステップ、
b)前記溶液に前記非大豆非乳蛋白質成分を混入するステップ、
c)前記溶液に前記脂肪酸成分と前記界面活性剤を混入するステップ、及び、
d)前記溶液に少なくとも1種の乳化物質を混入し、前記乳化混合物を形成するステップ、
を含むプロセスによって調製された乳化混合物。
【請求項12】
前記液化物質が、低粘性液体である請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項13】
前記液化物質が、水、乳、又は、非乳の乳代替物である請求項12に記載の乳化混合物。
【請求項14】
前記プロセス中、前記界面活性剤と前記脂肪酸成分とを、ステップc)において前記溶液に混入する前に、予め混合する請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項15】
前記脂肪酸成分を、前記プロセスのステップc)において前記溶液に混入する前に、予め加熱する請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項16】
前記界面活性剤が、非大豆植物性レシチンである請求項14に記載の乳化混合物。
【請求項17】
前記第1の甘味料が、天然の糖、天然の糖代替物、及び、人工の糖代替物の少なくとも1種である請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項18】
前記第1の甘味料が、甘蔗糖、甜菜糖、蜂蜜、メープルシロップ、及び、リュウゼツランの蜜からなる群から選択される請求項17に記載の乳化混合物。
【請求項19】
さらに第2の甘味料を含み、
前記プロセスがさらに、
e)前記溶液に前記第2の甘味料を混入するステップ、
を含む請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項20】
前記第2の甘味料が、天然の糖、天然の糖代替物、及び、人工の糖代替物の少なくとも1種である請求項19に記載の乳化混合物。
【請求項21】
前記第2の甘味料が、マルトデキストリン、高フルクトースコーンシロップ、エリトリトール、キシリトール、及び、マルチトールからなる群から選択される請求項20に記載の乳化混合物。
【請求項22】
前記第2の甘味料が、マルトデキストリンである請求項21に記載の乳化混合物。
【請求項23】
前記少なくとも1種の乳化物質が、少なくとも2種の乳化物質を含む請求項14に記載の乳化混合物。
【請求項24】
前記少なくとも2種の乳化物質のうち少なくとも1種が安定化乳化剤を含み、少なくとももう1種が不安定化乳化剤を含む請求項23に記載の乳化混合物。
【請求項25】
前記安定化乳化剤がモノステアリン酸ソルビタンであり、前記不安定化乳化剤がジステアリン酸ヘキサグリセリルである請求項24に記載の乳化混合物。
【請求項26】
さらに少なくとも1種の香味料成分を含み、
前記プロセスがさらに、
f)前記溶液に前記香味料成分を混入するステップ、
を含む請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項27】
前記香味料成分が、塩、香味料物質、着色剤、ビタミン、及び、無機物の1種以上を含む請求項26に記載の乳化混合物。
【請求項28】
前記非大豆非乳蛋白質成分が、大豆以外の植物の実又は種から得られる請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項29】
前記植物の実又は種が、アーモンド、カシュー、エンドウ、マカダミアナッツ、ペカン、ブラジルナッツ、松果、ココナッツ、バターナッツ、クルミ、ブナの実、ヒッコリーの実、クリの実、ゴマの種、及び、ヒマワリの種からなる群から選択される少なくとも1種である請求項28に記載の乳化混合物。
【請求項30】
前記植物の実又は種が、微細に粉砕、混合されバター又はペースト状にされている請求項29に記載の乳化混合物。
【請求項31】
前記脂肪酸成分が少なくとも1種の植物性油を含む請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項32】
前記1種以上の植物性油が、ココナッツ油及び/又はアーモンド油である請求項31に記載の乳化混合物。
【請求項33】
前記ゲル化剤が、グアーガム又はキサンタンガムである請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項34】
前記液化物質が全重量の42%〜70%を構成し、前記充填剤が全重量の5%〜22%を構成し、前記非大豆非乳蛋白質成分が全重量の0.2%〜8%を構成し、前記脂肪酸成分が全重量の0.25%〜21%を構成し、前記ゲル化剤が全重量の0.5%〜1.5%を構成し、前記少なくとも1種の乳化物質が全重量の0.1%〜4%を構成し、そして前記界面活性剤が全重量の0.1%〜4%を構成する、全重量を有する請求項11に記載の乳化混合物。
【請求項35】
前記液化物質が全重量の42%〜70%を構成し、前記充填剤が全重量の5%〜22%を構成し、前記非大豆非乳蛋白質成分が全重量の0.2%〜8%を構成し、前記脂肪酸成分が全重量の0.25%〜21%を構成し、前記ゲル化剤が全重量の0.05%〜1.5%を構成し、前記少なくとも1種の乳化物質が全重量の0.1%〜4%を構成し、そして前記界面活性剤が全重量の0.1%〜4%を構成する、全重量を有する請求項14に記載の乳化混合物。
【請求項36】
さらに塩及び/又は香味料を含み、そして前記塩及び/又は香味料が全重量の0.01%〜1%を構成する請求項35に記載の乳化混合物。
【請求項37】
前記乳化物質が、安定化乳化剤と不安定化乳化剤のうち少なくとも1種を含む請求項34に記載の乳化混合物。

【公表番号】特表2013−520199(P2013−520199A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555030(P2012−555030)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/024651
【国際公開番号】WO2011/106182
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(508346435)グリーン ラビット エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】