説明

非増殖性プロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアル

本発明は、乳児用シリアルの分野に関する。特に、本発明は、乳児の免疫系を強化するために使用することができ、及び/又は炎症性疾患を治療若しくは予防するために使用することができる、乳児用シリアルの分野に関する。例えば、これらの利点は、プロバイオティクス微生物によって実現することができる。本発明の実施形態は、非増殖性プロバイオティクス微生物、例えば、生物活性のある熱処理されたプロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児用シリアルの分野に関する。特に、本発明は、乳児の免疫系を強化するために使用することができ、及び/又は炎症性疾患を治療若しくは予防するために使用することができる、乳児用シリアルの分野に関する。例えば、これらの利点は、プロバイオティクス微生物によって実現することができる。本発明の実施形態は、非増殖性プロバイオティクス微生物、例えば、生物活性のある熱処理されたプロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアルに関する。
【0002】
新生児は通常、母乳栄養を、又は母乳の内容とできるだけ近く、母乳と似ている液体の乳児用栄養調製粉乳を授乳される。母乳栄養及び/又は乳児用調製乳の投与は典型的には、乳児期の1年目の間に続く。
【0003】
しかし、典型的には4〜6カ月の月齢で、乳児は、他の食物に対する興味及び準備を発達させる。他の食物に対する興味及び準備の徴候は、乳児が座り、頭の動きを制御でき始めることである。乳児は食物を口の前から後ろへ移動させることができ、その結果、舌の協調によって乳児はスプーンから飲み込むことが可能となる。
【0004】
固形食の導入は、乳児が食物との積極的な関係を築くために重要である。食物との積極的な関係は、成長する幸福な乳児への、生涯に亘る健康的な食習慣を発達させる第1のステップである。
【0005】
この段階で、乳児が乳児用シリアルを摂取し始めることが推奨される。
【0006】
乳児用シリアルは、乳児が味、テクスチャ、及び栄養を体験することを助ける。しかし、乳児の消化管はまた発達途中であり、新しい挑戦である固形食に対処しなくてはならない。
【0007】
腸管内菌叢の一部としてのプロバイオティクスは、胃が食物をより容易に許容することを助け、且つ、例えば、免疫系をまたブーストすることができる。この点において新しい画期的な製品は、例えば、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)培養物を含むNestle乳児用シリアルである。これらの培養物は健康な消化管内菌叢を維持し、健全な成長及び発達のサポートを助ける。
【0008】
一般に、プロバイオティクスは、乳児にとって安全であると考えられる。しかし特別な状況下で、例えば乳児が、免疫系の欠損を患っている場合、医師の同意なしで乳児のためのプロバイオティクスを使用しないことが望ましい場合がある。
【0009】
したがって当技術分野で、プロバイオティクスが提供できる利点を与え、免疫系の欠損を有する乳児が懸念なしに摂取できる乳児用シリアルが求められている。
【0010】
本発明者らは、この必要性に取り組んだ。
【0011】
工業規模で生産することが簡単であり、理想的にはより長い保存寿命又は上昇した温度によって活性を喪失しない一方で、乳児にとって消化するのに容易であり、味、テクスチャ及び栄養を体験することを可能にし、プロバイオティクスの利点を実現する乳児用シリアルを提供することは、結果的に本発明の目的であった。
【0012】
本発明者らは、独立請求項の主題によって本発明の目的を達成できたことを見出したことに驚かされた。従属請求項は、本発明のアイデアをさらに発展させる。
【0013】
本発明者らは、非増殖性プロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアルを提供する。
【0014】
本発明者らは、例えば、免疫向上作用に関して、及び/又は抗炎症作用に関して、非増殖性プロバイオティクス微生物が、増殖性プロバイオティクス微生物より有効でさえあり得ることを見出して驚いた。
【0015】
プロバイオティクスが、「十分量で投与されたときに健康上の利益を宿主に与える生きた微生物」(FAO/WHOガイドライン)として定義されることが多いため、これは驚くべきことである。公開された文献の大部分は、生きたプロバイオティクスについて論じている。さらに、いくつかの研究は非増殖性細菌によって実現される健康上の利益を調査したが、これらの研究の大部分は、例えば熱処理によるプロバイオティクスの不活性化は、これらの健康上の利益と称されるものの損失をもたらすことを示した(Rachmilewitz,D.ら、2004、Gastroenterology126:520〜528;Castagliuoloら、2005、FEMS Immunol.Med.Microbiol.43:197〜204;Gill,H.S.及びK.J.Rutherfurd、2001,Br.J.Nutr.86:285〜289;Kaila,M.ら、1995、Arch.Dis.Child 72:51〜53)。いくつかの研究は、死んだプロバイオティクスがいくらかの健康効果を保持し得ることを示した(Rachmilewitz,D.ら、2004、Gastroenterology 126:520〜528;Gill,H.S.及びK.J.Rutherfurd、2001,Br.J.Nutr.86:285〜289)が、明らかに生きているプロバイオティクスが今までのところ当技術分野でより能力があると見なされてきた。
【0016】
結果的に、本発明者らは、非増殖性プロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアルを今や提供する。これらの非増殖性プロバイオティクス微生物は、まだ生物活性がある。
【0017】
本発明の一実施形態は、少なくとも0.48g/100kJのタンパク質源、最大で1.1g/100kJの脂質源、炭水化物源及び非増殖性プロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアルである。
【0018】
乳児用シリアルは、当技術分野において公知である。乳児用シリアルは、乳児に投与されるシリアル含有組成物である。乳児用シリアルは通常、スプーンを使用して投与され、例えば、乳児のための乾燥シリアルとして提供し得る。またすぐ食べられる乳児用シリアルは、本発明の範囲内である。国際食品規格は、乳児用シリアルがどのような成分を含有すべきかのガイドラインを提供する。
【0019】
「乳児」とは、月齢12カ月以下の人を意味する。
【0020】
典型的には、乳児用シリアル中に存在するタンパク質、炭水化物及び脂質のカロリー密度並びに量及び種類は、乳児の必要性に応じて注意深く調節すべきであり、乳児の発達段階及び年齢によって決まる。
【0021】
乳児の栄養の必要量は、乳児の発達及び年齢と共に変化し、乳児用シリアルの組成は、理想的にはこの変化を反映することは周知である。
【0022】
したがって、4〜6カ月の月齢の乳児に投与される本発明による乳児用シリアルは、220〜240kJ/15gのエネルギー密度、0.8〜1.2g/15gのタンパク質源、0.1〜0.3gの脂肪源及び12.3〜12.7g/15gの炭水化物源を有し得る。このような乳児用シリアルは、例えば、米粉、トウモロコシマルトデキストリン、ビタミンC、及び鉄を含有し得る。
【0023】
6〜12カ月の月齢の乳児に投与される本発明による乳児用シリアルは、220〜240kJ/15gのエネルギー密度、1.5〜1.9g/15gのタンパク質源、0.2〜0.4gの脂肪源及び11.1〜11.5g/15gの炭水化物源を有し得る。このような乳児用シリアルは、例えば、小麦粉、小麦からのセモリナ、鉄、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6、チアミン、及びトウモロコシマルトデキストリンを含有し得る。
【0024】
乳児用シリアルは、乾燥重量ベースで最終混合物の少なくとも25重量%を構成し得る1種又は複数の粉砕したシリアルから調製し得る。
【0025】
本発明の乳児用シリアルは、米のシリアル又は小麦のシリアルなど単一の穀物から調製されることが好ましい。単一の穀物の組成物は、アレルギー反応をもたらす可能性が低いためである。
【0026】
本発明の乳児用シリアルは、プレバイオティクスをさらに含有し得る。プレバイオティクスは、プロバイオティクスを非増殖性とする前に、プロバイオティクスの増殖をサポートし得る。「プレバイオティクス」とは、腸内の健康に有益な微生物及び/又はプロバイオティクスの増殖を促進する、消化できない食品を意味する。プレバイオティクスは、プレバイオティクスを摂取した人の胃及び/若しくは腸上部で分解、又は消化管内で吸収されず、胃腸の微生物叢及び/又はプロバイオティクスによって発酵される。プレバイオティクスは、例えば、Glenn R.Gibson及びMarcel B.Roberfroid、Dietary Modulation of the Human Colonic Microbiota:Introducing the Concept of Prebiotics、J.Nutr.1995 125:1401〜1412によって定義されている。
【0027】
本発明によって使用し得るプレバイオティクスは特に限定されず、腸内でプロバイオティクス又は健康に有益な微生物の増殖を促進する全ての食品が含まれる。好ましくは、プレバイオティクスは、フルクトース、ガラクトース、マンノースを任意選択で含有するオリゴ糖;食物繊維、特に、可溶性繊維、大豆繊維;イヌリン;又はこれらの混合物からなる群から選択され得る。好ましいプレバイオティクスは、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、キシロオリゴ糖(XOS)、アラビノキシロオリゴ糖(AXOS)、マンナンオリゴ糖(MOS)、大豆オリゴ糖、グリコシルスクロース(GS)、ラクトスクロース(LS)、ラクツロース(LA)、パラチノースオリゴ糖(PAO)、マルトオリゴ糖、ガム及び/又はその水解物、ペクチン及び/又はその水解物である。例えば、乳児用シリアルは、オリゴフルクトース、イヌリン又はこれらの組合せを含有し得る。
【0028】
典型的には、乳児用シリアルは、摂取の前に、水と混合される。例えば、15gの本発明の乳児用シリアルは、90mLの水と混合することができる。
【0029】
本発明による乳児用シリアルは、任意の有効量で、例えば、約10〜1012cfu/g乾燥重量に相当する量で、非増殖性プロバイオティクス微生物を含み得る。
【0030】
「非増殖性」プロバイオティクス微生物には、熱処理されたプロバイオティクス細菌が含まれる。これには、不活性化された、死んだ、生存不能、並びに/又はDNA、代謝物、細胞質化合物、及び/若しくは細胞壁材料などのフラグメントとして存在する微生物が含まれる。
【0031】
「非増殖性」とは、古典的な蒔きかたによって生存細胞及び/又はコロニー形成単位を検出することができないことを意味する。このような古典的な蒔き方は、微生物学の書籍:James Monroe Jay、Martin J.Loessner、David A.Golden.2005、Modern food microbiology、第7版、Springer Science、New York、N.Y.790頁に要約されている。典型的には、生存細胞が存在しないことは、下記のように示すことができる:異なる濃度の細菌調製物(「非増殖性」試料)の播種、並びに適切な条件(少なくとも24時間の好気性及び/又は嫌気性雰囲気)下でのインキュベーション後に、寒天プレート上で目に見えるコロニーがない、又は液体増殖培地の混濁度の増加がない。
【0032】
プロバイオティクスは、本発明の目的のために、「宿主の健康又は幸福に対して有益な作用を有する微生物細胞調製物又は微生物細胞の成分」と定義される(Salminen S、Ouwehand A.Benno Y.ら、「Probiotics:how should they be defined」 Trends Food Sci.Technol.1999:10 107〜10)。
【0033】
非増殖性プロバイオティクス微生物を使用する可能性は、いくつかの利点を提供する。重度の免疫不全乳児において、生きたプロバイオティクスの使用は、菌血症が発生する潜在的な危険性によって例外的な場合に限定されることがある。非増殖性プロバイオティクスは、何の問題もなしに使用し得る。
【0034】
さらに、非増殖性プロバイオティクス微生物を提供することは、乳児の健康上の利益を保持する一方で高温の再構成(hot reconstitution)を可能にする。
【0035】
本発明の組成物は、健康上の利益を少なくとも部分的に生じさせるのに十分な量の、非増殖性プロバイオティクス微生物を含む。これを達成するのに適当な量は、「治療有効用量」と定義される。この目的のための有効な量は、乳児の体重及び身体全体の健康状態などの当業者には公知のいくつかの要因、並びに食品マトリックスの作用によって決まる。
【0036】
予防的用途において、本発明による組成物を、疾患を起こしやすい又はそうでなければ疾患の危険性がある消費者に、その疾患が発生する危険性を少なくとも部分的に減少させるのに十分な量で投与する。このような量は、「予防有効用量」として定義される。ここでまた、正確な量は、乳児の健康状態及び体重などのいくつかの要因、並びに食品マトリックスの作用によって決まる。
【0037】
当業者は、治療有効用量及び/又は予防有効用量を適切に調節することができる。
【0038】
一般に、本発明の組成物は、非増殖性プロバイオティクス微生物を治療有効用量及び/又は予防有効用量で含有する。
【0039】
典型的には、治療有効用量及び/又は予防有効用量は、1日用量当たり約0.005mg〜1000mgの範囲の非増殖性プロバイオティクス微生物である。
【0040】
数値量に関して、「短時間高温」処理された非増殖性微生物は、組成物中に10〜1012当量cfu/g乾燥組成物に相当する量で存在し得る。明らかに、非増殖性微生物は、コロニーを形成しない。したがって、数値量に関しては、10〜1012cfu/gの増殖性細菌から得られる非増殖性微生物の量と理解される。これには、不活性化された、生存不能、又は死んだ、又はDNA若しくは細胞壁若しくは細胞質化合物などのフラグメントとして存在する微生物が含まれる。すなわち、組成物が含有する微生物の量は、全ての微生物が、実際は不活性化された、又は死んだ、断片化された、又はこれらの状態の任意若しくは全ての混合物などの非増殖性であろうとなかろうと関わりなく、生きているかのように、微生物の量のコロニー形成能(cfu)に関して表される。
【0041】
好ましくは、非増殖性微生物は、10〜10cfu/g乾燥組成物に相当する量で、よりさらに好ましくは10〜10cfu/g乾燥組成物に相当する量で存在する。
【0042】
プロバイオティクスは、当技術分野において公知の任意の方法によって非増殖性にし得る。
【0043】
プロバイオティクス菌株を非増殖性にするのに今日利用可能な技術は通常、熱処理、γ−照射、紫外線、又は化学試剤(ホルマリン、パラホルムアルデヒド)の使用である。
【0044】
食品産業の工業的状況において比較的容易に適用される、プロバイオティクスを非増殖性にする技術を使用することが好ましいであろう。
【0045】
プロバイオティクスを含有する今日市場にある大部分の製品は、それらの生産の間に熱処理される。したがって、プロバイオティクスがそれらの有益な特性を保持若しくは改善し、又はさらに消費者のために新しい有益な特性を得る一方で、生産される製品と一緒に又は少なくとも同様の方法で、プロバイオティクスを熱処理できることは好都合であろう。
【0046】
しかし文献においては、熱処理によるプロバイオティクス微生物の不活性化は、プロバイオティクス活性の少なくとも部分的な損失と一般に関連付けられる。
【0047】
本発明者らは今驚いたことに、プロバイオティクス微生物を例えば、熱処理によって非増殖性にすることは、プロバイオティクスの健康上の利益の損失をもたらさず、それとは反対に、既にある健康上の利益を増強させ、健康上の新たな利益さえ生じさせ得ることを、見出した。
【0048】
したがって、本発明の一実施形態は、非増殖性プロバイオティクス微生物が熱処理によって非増殖性とされた乳児用シリアルである。
【0049】
このような熱処理は、少なくとも71.5℃で少なくとも1秒間行い得る。
【0050】
長時間熱処理又は短期間熱処理を行い得る。
【0051】
今日の工業規模において、通常、UHT様熱処理などの短期間熱処理が好ましい。この種の熱処理は細菌負荷を減少させ、処理時間を短縮し、それによって栄養素が損なわれることを減少させる。
【0052】
本発明者らは、高温で短時間熱処理されたプロバイオティクス微生物が、それらの当初の特性に関わらず抗炎症性免疫プロファイルを示すことを初めて明らかにする。特に、この熱処理によって、新規な抗炎症性プロファイルが発生し、又は既にある抗炎症性プロファイルが増強される。
【0053】
したがって、たとえ生きた対応物が抗炎症性菌株でなくても、典型的な産業上利用可能な熱処理に相当する特定の熱処理パラメーターを使用することによって、抗炎症性免疫プロファイルを有する非増殖性プロバイオティクス微生物を生じさせることは今や可能である。
【0054】
したがって、例えば、熱処理は、約1〜120秒間の約71.5〜150℃の高温処理でもよい。高温処理は、高温/短時間(HTST)処理又は超高温(UHT)処理でもよい。
【0055】
プロバイオティクス微生物は、約1〜120秒の短期間、約71.5〜150℃の高温処理に曝し得る。
【0056】
より好ましくは、微生物は、約1〜30秒の短期間、約90〜140℃、例えば90°〜120℃の高温処理に曝し得る。
【0057】
この高温処理によって、微生物は少なくとも部分的に非増殖性となる。
【0058】
高温処理は通常の大気圧で行い得るが、また高圧下で行い得る。典型的な圧力範囲は、1〜50バール、好ましくは1〜10バール、さらにより好ましくは2〜5バールである。明らかに、熱が加えられるとき、プロバイオティクスは、液体又は固体である培地中で熱処理されることが好ましい。したがって、加えられる理想的な圧力は、微生物がその中に供給される組成物の性質及び使用される温度によって決まる。
【0059】
高温処理は、約71.5〜150℃、好ましくは約90〜120℃、さらにより好ましくは約120〜140℃の温度範囲で行い得る。
【0060】
高温処理は、約1〜120秒、好ましくは、約1〜30秒、さらにより好ましくは約5〜15秒の短期間で行い得る。
【0061】
この所与の時間枠は、プロバイオティクス微生物が所与の温度に曝される時間を意味する。微生物がその中に供給される組成物の性質及び量によって、及び使用する加熱装置の構造によって、熱を加える時間は変化し得ることに留意されたい。
【0062】
しかし典型的には、本発明の組成物及び/又は微生物は、高温短時間(HTST)処理、瞬間殺菌又は超高温(UHT)処理によって処理される。
【0063】
UHT処理は、組成物を短時間、概ね1〜10秒間、乳中の細菌胞子を殺すのに必要とされる温度である135℃(275°F)を超える温度で加熱することによる組成物の少なくとも部分殺菌を伴う、超高温加工(ultra high temperature processing)又は超熱処理(ultra−heat treatment)(両方とも、UHTと省略)である。例えば、135℃を超える温度を使用してこのように乳を加工することは、必要な保持時間(2〜5秒まで)で細菌負荷の減少を可能にし、それによって連続流れ操作が可能となる。
【0064】
2つの主要なタイプのUHTシステム(直接及び間接システム)がある。直接システムにおいて、製品はスチームインジェクション(steam injection)又はスチームインフュージョン(steam infusion)によって処理され、一方では間接システムにおいて、製品を、平板熱交換器、多管式熱交換器又はかき取り表面熱交換器を使用して熱処理する。UHTシステムの組合せは、製品調製の工程において、任意のステップで又は複数のステップで適用し得る。
【0065】
HTST処理は、下記のように定義される(高温/短時間):乳中の生存している微生物の数の99.9999%を殺す、5対数の減少を達成するように設計される低温殺菌法。これはほぼ全ての酵母、カビ及び一般の腐敗細菌を破壊するのに十分であると考えられ、一般の病原性耐熱生物の十分な破壊をまた確実なものとする。HTST工程において、乳を71.7℃(161°F)に15〜20秒間加熱する。
【0066】
瞬間殺菌法は、果汁及び野菜汁、ビール及び乳製品などの腐敗しやすい飲料の低温殺菌の方法である。腐敗微生物を殺し、製品をより安全なものとし、それらの保存寿命を延ばすために、瞬間殺菌は容器への充填の前に行う。液体は、71.5℃(160°F)〜74℃(165°F)の温度に約15〜30秒間曝される間、制御された連続流れで移動する。
【0067】
本発明の目的のために、「短時間高温処理」という用語には、例えば、高温短時間(HTST)処理、UHT処理、及び瞬間殺菌法が含まれる。
【0068】
このような熱処理は改善された抗炎症性プロファイルを有する非増殖性プロバイオティクスを提供するため、本発明の乳児用シリアルは、炎症性疾患の予防又は治療において用い得る。
【0069】
本発明を用いて調製される組成物によって治療又は予防することができる炎症性疾患は、特に限定されない。例えば、これらは、敗血症などの急性炎症;火傷;及び炎症性腸疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸嚢炎などの慢性炎症;壊死性腸炎;UV又は化学物質が誘発する皮膚炎、湿疹、反応性皮膚などの皮膚炎;過敏性腸症候群;眼炎;アレルギー、喘息;並びにこれらの組合せからなる群から選択し得る。
【0070】
プロバイオティクス微生物を非増殖性とするために長時間熱処理が使用される場合、このような熱処理は、約70〜150℃の温度範囲で約3分〜2時間、好ましくは80〜140℃の範囲で5分〜40分行い得る。
【0071】
従来技術は一般に、長時間熱処理によって非増殖性とされた細菌が通常、それらのプロバイオティクス特性の発揮に関して生細胞より効率的でないことを教示するが、本発明者らは、熱処理されたプロバイオティクスが、生きた対応物と比較して免疫系を刺激することにおいて優れていることを示すことができた。
【0072】
本発明はまた、少なくとも約70℃での少なくとも約3分間の熱処理によって非増殖性とされたプロバイオティクス微生物を含む乳児用シリアルに関する。
【0073】
非増殖性プロバイオティクスの免疫向上作用は、インビトロ免疫プロファイリングによって確認された。使用されたインビトロモデルは、ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)からのサイトカインのプロファイリングを使用し、当技術分野で免疫調節性化合物の試験のための標準モデルとしてよく受け入れられている(Schultzら、2003、Journal of Dairy Research 70、165〜173;Taylorら、2006、Clinical and Experimental Allergy、36、1227〜1235;Kekkonenら、2008、World Journal of Gastroenterology、14、1192〜1203)。
【0074】
インビトロPBMCアッセイは、幾人かの著者/研究チームによって、例えば、プロバイオティクスを、その免疫プロファイル、すなわち、その抗炎症性又は炎症誘発性の特徴によって分類するために、使用されてきた(Kekkonenら、2008、World Journal of Gastroenterology、14、1192〜1203)。例えば、このアッセイは、大腸炎のマウスモデルにおけるプロバイオティクス候補の抗炎症作用の予測を可能にすることが示されてきた(Foligne,B.ら、2007、World J.Gastroenterol.13:236〜243)。さらに、このアッセイは、臨床試験における読み出し情報として通常使用され、臨床成果と一貫する結果をもたらすことが示された(Schultzら、2003、Journal of Dairy Research 70、165〜173;Taylorら、2006、Clinical and Experimental Allergy、36、1227〜1235)。
【0075】
アレルギー性疾患は過去数十年に亘り着実に増加してきており、WHOによって流行病と現在見なされている。一般的に、アレルギーは、免疫系のTh1及びTh2応答の間の不平衡に起因し、Th2メディエーターの産生への強力な偏りをもたらすと考えられている。したがって、免疫系のTh1及びTh2アームの間の適切な平衡を回復することによって、アレルギーを軽減、下方制御又は予防することができる。これは、Th2応答を減少させ、又は少なくとも一時的に、Th1応答を増強する必要性を意味する。後者は、例えばより高いレベルのIFNγ、TNF−α及びIL−12を伴うことが多い免疫ブースト反応の特徴であろう。(Kekkonenら、2008、World Journal of Gastroenterology、14、1192〜1203;Viljanen M.ら、2005、Allergy、60、494〜500)
【0076】
したがって、本発明の乳児用シリアルは、免疫防御不全と関連する疾患を治療又は予防することを可能とする。
【0077】
結果的に、本発明を用いて調製される組成物によって治療又は予防することができる免疫防御不全と関連している疾患は、特に限定されない。
【0078】
例えば、これらの疾患は、感染症、特に、細菌、ウイルス、真菌及び/又は寄生虫の感染症;食細胞欠損;ストレス又は免疫抑制薬、化学療法又は放射線療法によって誘発されるものなどの低いレベルから重症レベルまでの免疫抑制;新生児の免疫系などのより免疫適格性ではない免疫系の自然状態;アレルギー;並びにこれらの組合せからなる群から選択し得る。
【0079】
本発明に記載する乳児用シリアルはまた、ワクチン、特に経口ワクチンへの患者の反応の増強を可能とする。
【0080】
任意の量の非増殖性微生物が有効である。しかし、プロバイオティクスの少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%、理想的には少なくとも99.9%、最も理想的には全てが非増殖性である場合が一般に好ましい。
【0081】
本発明の一実施形態において、全ての微生物は、非増殖性である。
【0082】
結果的に、本発明の乳児用シリアルにおいて、プロバイオティクスの少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%、理想的には少なくとも99.9%、最も理想的には全ては、非増殖性である。
【0083】
全てのプロバイオティクス微生物を、本発明の目的のために使用し得る。
【0084】
例えば、プロバイオティクス微生物は、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、プロピオニバクテリウム属、又はこれらの組合せ、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ジアセチラクティス(Lactococcus diacetylactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブレッキー(Lactobacillus delbrueckii)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)及び/又はこれらの混合物からなる群から選択し得る。
【0085】
本発明による乳児用シリアルは、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705、ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818、ラクトバチルス・ジョンソニーLa1、ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461、ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007、ラクトバチルス・ロイテリDSM17983、ラクトバチルス・ロイテリATCC55730、ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2019、ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2059、ラクトバチルス・カゼイNCC4006、ラクトバチルス・アシドフィルスNCC3009、ラクトバチルス・カゼイACA−DC6002(NCC1825)、エシェリキア・コリNissle、ラクトバチルス・ブルガリカスNCC15、ラクトコッカス・ラクティスNCC2287、又はこれらの組合せからなる群から選択される非増殖性プロバイオティクス微生物を含み得る。
【0086】
全てのこれらの菌株は、ブダペスト条約により寄託されていたか、及び/又は市販のものである。
【0087】
菌株を、ブダペスト条約の元で下記のように寄託した。
ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC 3001:ATCC BAA−999
ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC 2705:CNCM I−2618
ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC 2950:CNCM I−3865
ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC 2818:CNCM I−3446
ラクトバチルス・パラカゼイNCC 2461:CNCM I−2116
ラクトバチルス・ラムノサスNCC 4007:CGMCC1.3724
ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC 2019:CNCM I−1422
ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC 2059:CNCM I−4153
ラクトコッカス・ラクティスNCC 2287:CNCM I−4154
ラクトバチルス・カゼイNCC 4006:CNCM I−1518
ラクトバチルス・カゼイNCC 1825:ACA−DC 6002
ラクトバチルス・アシドフィルスNCC 3009:ATCC 700396
ラクトバチルス・ブルガリカスNCC 15:CNCM I−1198
ラクトバチルス・ジョンソニーLa1:CNCM I−1225
ラクトバチルス・ロイテリDSM 17983:DSM 17983
ラクトバチルス・ロイテリATCC 55730:ATCC 55730
エシェリキア・コリNissle1917:DSM 6601
【0088】
当業者は、本明細書に記載されている本発明の全ての特徴を、開示されているような本発明の範囲から逸脱することなく自由に合わせることができることを理解するであろう。
【0089】
本発明のさらなる利点及び特徴は、下記の実施例及び図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1A】「短時間高温」で処理されたプロバイオティクスの抗炎症性免疫プロファイルの増強を示す。
【図1B】「短時間高温」で処理されたプロバイオティクスの抗炎症性免疫プロファイルの増強を示す。
【図2】「短時間高温」で処理された後、抗炎症性となった、すなわちインビトロで顕著な抗炎症性免疫プロファイルを示す非抗炎症性プロバイオティクス菌株を示す。
【図3A】「短時間高温」で処理された後、インビトロで増強した又は新しい抗炎症性免疫プロファイルを示す、市販の製品中で使用されているプロバイオティクス菌株を示す。
【図3B】「短時間高温」で処理された後、インビトロで増強した又は新しい抗炎症性免疫プロファイルを示す、市販の製品中で使用されているプロバイオティクス菌株を示す。
【図4A】高温での熱処理によって、インビトロで増強した又は新しい抗炎症性免疫プロファイルを示す、乳製品スターター菌株(すなわち、Lc1スターター菌株)を示す。
【図4B】高温での熱処理によって、インビトロで増強した又は新しい抗炎症性免疫プロファイルを示す、乳製品スターター菌株(すなわち、Lc1スターター菌株)を示す。
【図5】HTST処理で処理された後に、インビトロで抗炎症性免疫プロファイルを示す、非抗炎症性プロバイオティクス菌株を示す。
【図6】生菌及び熱処理された(140℃、15秒間)形態の、プロバイオティクス及び乳製品スターター菌株によって生じた、PBMCデータ上の主成分分析(IL−12p40、IFN−γ、TNF−α、IL−10)。各点は、そのNCC番号又は名称によって同定される、生菌又は熱処理された1つの菌株を表す。
【図7】生菌株及び熱処理された(85℃、20分)菌株のIL−12p40/IL−10比を示す。全体的に、85℃での20分間の熱処理は、本発明の「短時間高温」処理とは対照的に、IL−12p40/IL−10比の増加をもたらす(図1、2、3、4及び5)。
【図8】熱処理された細菌で刺激されたヒトPBMCからの、インビトロサイトカイン分泌の増強を示す。
【図9】食塩水で誘発されたOVA感作マウス(陰性対照)、OVAで誘発されたOVA感作マウス(陽性対照)、及びOVAで誘発され、熱処理された又は生菌のビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950で処置されたOVA感作マウスにおいて観察された下痢の激しさの割合を示す。結果は、下痢の激しさ(4つの独立の実験から計算した平均±SEM)の割合として示され、100%の下痢の激しさは、陽性対照(感作かつアレルゲンによって誘発された)群において発生した症状に相当する。
【0091】
実施例1
【0092】
方法
【0093】
細菌調製物:
【0094】
生きたプロバイオティクスによってもたらされる宿主の免疫系に対する健康上の利益は一般に、菌株特異的であると見なされる。インビトロで高レベルのIL−10及び/又は低レベルの炎症促進性サイトカインを誘発するプロバイオティクス(PBMCアッセイ)は、インビボで強力な抗炎症性菌株であることが示されてきた(Foligne,B.ら、2007、World J.Gastroenterol.13:236〜243)。
【0095】
熱処理されたプロバイオティクスの抗炎症性特性を調査するため、いくつかのプロバイオティクス菌株を使用した。これらは、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705、ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818、ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461、ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007、ラクトバチルス・カゼイNCC4006、ラクトバチルス・アシドフィルスNCC3009、ラクトバチルス・カゼイACA−DC6002(NCC1825)、及びエシェリキア・コリNissleであった。Nestle Lc1発酵製品を生産するために商業的に使用されるいくつかの菌株を含めたいくつかのスターター培養菌株(ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2019、ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2059、ラクトバチルス・ブルガリカスNCC15及びラクトコッカス・ラクティスNCC2287)もまた試験した。
【0096】
細菌細胞は、5〜15Lのバイオリアクター中で各菌株について最適化した条件で培養した。全ての典型的な細菌増殖培地が使用可能である。このような培地は、当業者には公知である。pHを5.5に調節したとき、30%塩基溶液(NaOH又はCa(OH))を連続的に加えた。適当なとき、ヘッドスペースをCOでガス処理することによって嫌気性条件を維持した。エシェリキア・コリを、標準的な好気条件下で培養した。
【0097】
細菌細胞を、遠心分離(5,000×g、4℃)によって集められ、概ね10〜1010cfu/mlの最終濃度に達するように、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に適当な容量で再懸濁された。調製物の一部は、−80℃で15%グリセロールと共に冷凍された。別の部分の細胞を、以下によって熱処理された。
超高温:140℃、15秒間;間接スチームインジェクションによる。
高温短時間(HTST):74℃、90℃及び120℃、15秒間、間接スチームインジェクションによる。
ウオーターバス中で長時間低温(85℃、20分)。
【0098】
熱処理した上で、試料は使用されるまで−80℃で冷凍保存された。
【0099】
細菌調製物のインビトロ免疫プロファイリング:
【0100】
生細菌調製物及び熱処理された細菌調製物の免疫プロファイル(すなわち、インビトロでヒト血液細胞からの特定のサイトカインの分泌を誘発する能力)を評価した。ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)を、血液フィルターから単離した。細胞密度勾配による分離の後、単核細胞を集め、ハンクス平衡塩類溶液で2度洗浄した。次いで、細胞は、10%ウシ胎仔血清(Bioconcept、Paris、France)、1%L−グルタミン(Sigma)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Sigma)及び0.1%ゲンタマイシン(Sigma)が添加されたIscove変法ダルベッコ培地(IMDM、Sigma)に再懸濁させた。次いで、PBMC(7×10細胞/ウェル)を、生細菌及び熱処理された細菌(7×10cfu/ウェル当量)と共に48ウェルプレート中で36時間インキュベートした。生細菌及び熱処理された細菌の作用は、2つの別々の実験に分割した8人の個々のドナーからのPBMC上で試験された。36時間のインキュベーション後、培養プレートは冷凍され、サイトカイン測定まで−20℃で保持された。サイトカインプロファイリングは、生細菌及びそれらの熱処理された対応物について平行(すなわち、PBMCの同じバッチ上の同じ実験で)で行った。
【0101】
36時間のインキュベーション後の細胞培養上清中のサイトカイン(IFN−γ、IL−12p40、TNF−α及びIL−10)のレベルは、製造者の指示に従ってELISA(R&D DuoSet Human IL−10、BD OptEIA Human IL12p40、BD OptEIA Human TNFα、BD OptEIA Human IFN−γ)によって決定された。IFN−γ、IL−12p40及びTNF−αは、炎症性サイトカインであり、一方、IL−10は、強力な抗炎症メディエーターである。結果は、4人の個別のドナーの平均(pg/ml)+/−SEMとして表すが、各々4人のドナーで行う2つの個別の実験の代表である。IL−12p40/IL−10比は、各菌株についてインビボの抗炎症作用の予測値として計算する(Foligne,B.ら、2007、World J.Gastroenterol.13:236〜243)。
【0102】
各菌株についてのELISA(上記を参照されたい)によって決定したサイトカインの数値(pg/ml)を、BioNumerics v5.10ソフトウェア(Applied Maths、Sint−Martens−Latem、Belgium)に移した。主成分分析(PCA、ディメンショニング技術)を、このセットのデータで行った。数字についての平均の引き算、及び数字についての分散値による割り算を、主成分分析に含めた。
【0103】
結果
【0104】
超高温(UHT)/高温短時間(HTST)様処理によって生じた抗炎症性プロファイル
【0105】
調査中のプロバイオティクス菌株を、一連の熱処理(超高温(UHT)、高温短時間(HTST)及び85℃に20分間)に曝し、それらの免疫プロファイルを、インビトロでの生細胞の免疫プロファイルと比較した。生きた微生物(プロバイオティクス及び/又は乳製品スターター培養物)は、ヒトPBMCと共にインキュベートしたとき、異なるレベルのサイトカイン産生を誘発した(図1、2、3、4及び5)。これらの微生物の熱処理は、温度依存的態様でPBMCによって産生されたサイトカインのレベルを変更させた。「短時間高温」処理(120℃又は140℃、15秒間)は、抗炎症性免疫プロファイルを有する非増殖性細菌を生じさせた(図1、2、3及び4)。実際に、UHT様処理した菌株(140℃、15秒)は、IL−10産生をさらに維持又は誘発する一方で、より少ない炎症性サイトカイン(TNF−α、IFN−γ、IL−12p40)を誘発した(生きた対応物と比較して)。このように得られたIL−12p40/IL−10比は、生細胞と比較して、任意のUHT様処理した菌株についてより低かった(図1、2、3及び4)。この観察はまた、HTST様処理によって処理された、すなわち120℃に15秒間(図1、2、3及び4)、又は74℃及び90℃に15秒間(図5)曝露された細菌についても有効であった。熱処理(UHT様又はHTST様処理)は、プロバイオティクス菌株(図1、2、3及び5)及び乳製品スターター培養物(図4)のインビトロ免疫プロファイルに対して同様の作用を有した。生きたプロバイオティクス及び熱処理された(140℃、15秒)プロバイオティクス並びに乳製品スターター菌株によって産生されたPBMCデータ上の主成分分析によって、生菌株はx軸に沿って至る所に分布することが明らかになり、これは菌株がインビトロで低(左側)から高(右側)までの炎症性サイトカインの誘発物質という、非常に異なる免疫プロファイルを示すことを例示する。熱処理された菌株はグラフの左側上に集団を作り、炎症性サイトカインは熱処理された菌株によってより少なく誘発されることを示す(図6)。対照的に、85℃で20分間熱処理された細菌は、生細胞よりもより多い炎症性サイトカインを、及びより少ないIL−10を誘発し、より高いIL−12p40/IL−10比をもたらす(図7)。
【0106】
抗炎症性プロファイルは、UHT様及びHTST様処理によって増強又は生じる。
【0107】
UHT及びHTST処理された菌株は、それらの各々の当初の免疫プロファイル(生細胞)に関わらず、抗炎症性プロファイルを示す。インビボで抗炎症性であることが公知であり、インビトロで抗炎症性プロファイルを示すことが知られているプロバイオティクス菌株(ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705、ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818)は、「短時間高温」処理後に、増強された抗炎症性プロファイルをインビトロで示すことが示された。図1に示されているように、UHT様処理されたビフィドバクテリウム属菌株のIL−12p40/IL−10比は、生きた対応物のより低く、したがって、UHT様処理された試料の改善された抗炎症性プロファイルを示した。より顕しくは、UHT様及びHTST様処理によって抗炎症性プロファイルが生じたことは、非抗炎症性の生菌株についてまた確認された。生きているラクトバチルス・ラムノサスNCC4007及びラクトバチルス・パラカゼイNCC2461は共に、高いIL−12p40/IL−10比をインビトロで示す(図2及び5)。2つの生菌株は、マウスにおいてTNBS誘発大腸炎に対して保護作用がないことが示された。ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007及びラクトバチルス・パラカゼイNCC2461によって誘発されたIL−12p40/IL−10比は、「短時間高温」処理(UHT又はHTST)後に劇的に減少し、ビフィドバクテリウム属菌株で得られたIL−12p40/IL−10比と同じぐらい低いレベルに達した。これらの低いIL−12p40/IL−10比は、IL−10分泌についての変化なし(ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007)又は劇的な誘発(ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461)と合わせて、低レベルのIL−12p40産生によるものである(図2)。
【0108】
結果として、
生きた微生物の抗炎症性プロファイルは、UHT様及びHTST様熱処理によって増強させることができ(例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818)、
抗炎症性プロファイルは、非抗炎症性の生きた微生物(例えば、ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007、ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461、乳製品スターターであるストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2019)からUHT様及びHTST様熱処理によって生じさせることができ、
抗炎症性プロファイルはまた、プロバイオティクスのエシェリキア・コリ菌株を含めた市販の製品から単離した菌株について示された(図3A及びB)。
【0109】
UHT/HTST様処理の影響は、全ての試験したプロバイオティクス及び乳製品スターター、例えば、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属及びストレプトコッカス属について同様であった。
【0110】
UHT/HTST様処理を、異なるインビトロ免疫プロファイルを示すいくつかのラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属及びストレプトコッカス属に適用した。全ての菌株は、UHT/HTST様処理後に、生きた対応物より低い炎症性サイトカインを誘発し(図1、2、3、4、5及び6)、これは、結果として得られた非増殖性細菌の免疫特性に対するUHT/HTST様処理の作用が、全てのプロバイオティクス、特にラクトバチルス属及びビフィドバクテリウム属及び特定のエシェリキア・コリ菌株、並びに全ての乳製品スターター培養物、特にストレプトコッカス属、ラクトコッカス属及びラクトバチルス属に一般化することができることを示す。
【0111】
実施例2
【0112】
方法
【0113】
細菌調製物:
【0114】
非増殖性プロバイオティクスの免疫向上特性を調査するために5種のプロバイオティクス菌株を使用した。3種のビフィドバクテリウム属(ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818、ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950)及び2種のラクトバチルス属(ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461、ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007)。
【0115】
細菌細胞を、バッチ発酵において、MRS上で37℃にて16〜18時間、pH制御なしで増殖させた。細菌細胞は遠心分離(5,000×g、4℃)され、10E10cfu/mlの最終濃度に達するように食塩水に希釈する前、リン酸緩衝生理食塩水に再懸濁された。ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818、ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461、ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007は、ウオーターバス中にて85℃で20分間熱処理された。ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950は、水バス中にて90℃で30分間熱処理された。熱処理された細菌の懸濁液は分取され、使用するまで−80℃で冷凍保存された。生細菌は、使用するまで−80℃でPBS−グリセロール15%中に保存された。
【0116】
細菌調製物のインビトロ免疫プロファイリング
【0117】
生細菌調製物及び熱処理された細菌調製物の免疫プロファイル(すなわち、インビトロでヒト血液細胞から特定のサイトカインの分泌を誘発する能力)を評価した。ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)を、血液フィルターから単離した。細胞密度勾配による分離の後、単核細胞を集め、ハンクス平衡塩類溶液で2度洗浄した。次いで、細胞は、10%ウシ胎仔血清(Bioconcept、Paris、France)、1%L−グルタミン(Sigma)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Sigma)及び0.1%ゲンタマイシン(Sigma)が添加されたIscove変法ダルベッコ培地(IMDM、Sigma)に再懸濁された。次いで、PBMC(7×10の細胞/ウェル)を、生細菌及び熱処理された細菌(7×10cfu/ウェル当量)と共に48ウェルプレート中で36時間インキュベートした。生細菌及び熱処理された細菌の作用を、2つの別々の実験に分割した8人の個別のドナーからのPBMC上で試験した。36時間のインキュベーション後、培養プレートは冷凍され、サイトカイン測定まで−20℃で保存された。サイトカインプロファイリングは、生細菌及びそれらの熱処理された対応物について平行(すなわち、PBMCの同じバッチでの同じ実験において)で行った。
【0118】
36時間のインキュベーション後の細胞培養上清中のサイトカイン(IFN−γ、IL−12p40、TNF−α及びIL−10)のレベルは、製造者の指示に従ってELISA(R&D DuoSet Human IL−10、BD OptEIA Human IL12p40、BD OptEIA Human TNF、BD OptEIA Human IFN−γ)によって決定された。IFN−γ、IL−12p40及びTNF−αは、炎症性サイトカインであり、一方IL−10は、強力な抗炎症メディエーターである。結果は、4人の個別のドナーの平均(pg/ml)+/−SEMとして表すが、各々4人のドナーで行う2つの個別の実験の代表である。
【0119】
アレルギー性下痢症の予防における、生菌及び熱処理されたビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950のインビボ作用
【0120】
ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950のTh1促進作用を試験するために、アレルギー性下痢症のマウスモデルを使用した(Brandt E.Bら、JCI2003;112(11):1666〜1667)。感作(14日の間隔で、オボアルブミン(OVA)及び硫酸アルミニウムカリウムの2回の腹腔内注射;0日目及び14日目)に続き、雄性Balb/cマウスを、6回(27日目、29日目、32日目、34日目、36日目、39日目)OVAで経口的に誘発し、その結果一過的臨床症状(下痢症)及び免疫パラメーターの変化(総IgE、OVA特異的IgE、マウス肥満細胞プロテアーゼ1、すなわち、MMCP−1の血漿濃度)がもたらされた。生菌又は90℃で30分間熱処理されたビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950を、OVA感作の4日前に(−3日目、−2日目、−1日目、0日目)及び11日目、12日目、13日目及び14日目、並びに誘発期間の間に(23〜39日目)、胃管栄養法によって投与した。概ね10コロニー形成単位(cfu)又は当量cfu/マウスの1日当たり細菌量を使用した。
【0121】
結果
【0122】
熱処理後の「炎症誘発性」サイトカインの分泌の誘発
【0123】
熱処理された菌株のヒト末梢血単核球細胞(PBMC)によるサイトカイン分泌を刺激する能力をインビトロで評価した。熱処理された細菌によるPBMCの刺激による4つのサイトカインに基づいた免疫プロファイルを、同じインビトロアッセイにおいて生細菌細胞によって誘発される免疫プロファイルと比較した。
【0124】
熱処理された調製物を蒔き、生菌数が存在しないことについて評価した。熱処理された細菌調製物は、プレーティング後にコロニーを産生しなかった。
【0125】
生きたプロバイオティクスは、ヒトPBMCと共にインキュベートされるときに、異なる、かつ菌株依存的なレベルのサイトカイン産生を誘発した(図8)。プロバイオティクスの熱処理は、生きた対応物と比較すると、PBMCによって産生されるサイトカインのレベルを変更した。熱処理された細菌は、生きた対応物よりも炎症促進性サイトカイン(TNF−α、IFN−γ、IL−12p40)をより誘発した。対照的に、これらのデータは、熱処理された細菌は、生細胞と比較して同様又はより低い量のIL−10を誘発した(図8)。熱処理された細菌が生きた対応物よりも免疫系をより刺激することができ、したがって弱体化した免疫防御をより向上できることを示す。すなわち、インビトロデータは、熱処理後の菌種の増強された免疫向上作用を例示する。
【0126】
(生細胞と比較した)熱処理されたビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950の、免疫系に対する増強された作用を例示するために、生きている及び熱処理されたビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950(菌株A)の両方を、アレルギー性下痢症の動物モデルにおいて試験した。
【0127】
陽性対照群と比較して、下痢の激しさは、熱処理されたビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950による処置後に有意に及び一貫して減少(41.1%±4.8)し、一方では下痢の激しさは、生菌のビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950による処置後に20±28.3%のみ低下した。これらの結果は、熱処理されたビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950が、その生きた対応物よりアレルギー性下痢に対して増強された保護作用を示すことを示す(図9)。
【0128】
結果として、プロバイオティクスが免疫防御を増強する能力は、熱処理の後に改善することが示された。
【0129】
実施例3及び4
【0130】
下記の組成物を調製し得る。
【0131】
4〜6カ月の月齢の乳児用:
【0132】
成分:米粉、トウモロコシマルトデキストリン、ビタミンC、ミネラル(鉄)。
【0133】
【表1】

【0134】
6〜12カ月の月齢の乳児用:
【0135】
成分:コムギ粉、セモリナ(コムギ)、ミネラル(鉄)、ビタミン[C、ナイアシン、B6、チアミン]、トウモロコシマルトデキストリン。
【0136】
【表2】

【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも0.48g/100kJのタンパク質源、最大で1.1g/100kJの脂質源、炭水化物源及び非増殖性プロバイオティクス微生物を含む、乳児用シリアル。
【請求項2】
220〜240kJ/15gのエネルギー密度、0.8〜1.2g/15gのタンパク質源、0.1〜0.3gの脂肪源及び12.3〜12.7g/15gの炭水化物源を有し、米粉、トウモロコシマルトデキストリン、ビタミンC、及び鉄を含む、4〜6カ月の月齢の乳児に投与される、請求項1に記載の乳児用シリアル。
【請求項3】
220〜240kJ/15gのエネルギー密度、1.5〜1.9g/15gのタンパク質源、0.2〜0.4gの脂肪源及び11.1〜11.5g/15gの炭水化物源を有し、コムギ粉、コムギからのセモリナ、鉄、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6、チアミン、及びトウモロコシマルトデキストリンを含む、6〜12カ月の月齢の乳児に投与される、請求項1に記載の乳児用シリアル。
【請求項4】
プレバイオティクス、例えば、オリゴフルクトース及びイヌリンをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項5】
約15gの乳児用シリアルを90mLの水と混合するものとする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項6】
約10〜1012cfuに相当する量の非増殖性プロバイオティクス微生物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項7】
非増殖性プロバイオティクス微生物が、熱処理によって、好ましくは少なくとも1秒間の少なくとも71.5℃の高温処理によって非増殖性にされた、請求項1〜6のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項8】
熱処理が、約1〜120秒間の約71.5〜150℃の高温処理であり、好ましくは高温/短時間(HTST)処理又は超高温(UHT)処理である、請求項7に記載の乳児用シリアル。
【請求項9】
炎症性疾患の予防又は治療において使用するための、請求項8に記載の乳児用シリアル。
【請求項10】
熱処理が、約70〜150℃の温度範囲で約3分〜2時間、好ましくは5分〜40分間、80〜140℃の範囲で行われる、請求項7に記載の乳児用シリアル。
【請求項11】
免疫防御不全と関連する疾患の予防又は治療において使用するための、請求項10に記載の乳児用シリアル。
【請求項12】
プロバイオティクスの少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%、理想的には少なくとも99.9%、最も理想的には全てが非増殖性である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項13】
プロバイオティクス微生物が、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、プロピオニバクテリウム属、又はこれらの組合せ、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・ジョンソニー、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトコッカス・ラクティス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトコッカス・ジアセチラクティス、ラクトコッカス・クレモリス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・デルブレッキー、エシェリキア・コリ、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項14】
プロバイオティクス微生物が、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001、ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705、ビフィドバクテリウム・ブレーベNCC2950、ビフィドバクテリウム・ラクティスNCC2818、ラクトバチルス・ジョンソニーLa1、ラクトバチルス・パラカゼイNCC2461、ラクトバチルス・ラムノサスNCC4007、ラクトバチルス・ロイテリDSM17983、ラクトバチルス・ロイテリATCC55730、ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2019、ストレプトコッカス・サーモフィルスNCC2059、ラクトバチルス・カゼイNCC4006、ラクトバチルス・アシドフィルスNCC3009、ラクトバチルス・カゼイACA−DC6002(NCC1825)、エシェリキア・コリNissle、ラクトバチルス・ブルガリカスNCC15、ラクトコッカス・ラクティスNCC2287、又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。
【請求項15】
1日用量当たり約0.005mg〜1000mgの非増殖性微生物を含有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の乳児用シリアル。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−526760(P2012−526760A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510260(P2012−510260)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056404
【国際公開番号】WO2011/000621
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】