説明

非定型の抗精神病活性を有するピロロ[2,1−b]ベンゾチアゼピンの脱アルキル化誘導体

式(I)のピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピンの誘導体:式中、AはCH-CH2C=CH;Rは水素、ハロゲン、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルキルチオ、C1-C4アルキル、C5-C6シクロアルキル;R1は1-ピペラジニル、1-ホモピペラジニルおよび1-ピペリジニル;R2は水素、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルキルチオ、C1-C4アルキル、CHO、CH=NOH、CH2OHである。式(I)の化合物は特有の非定型の抗精神病活性を有し、それゆえ医薬、特に統合失調症、偏執症状態、躁鬱状態、情動領域の疾患、社会性の退行、人格の退行および幻覚の処置および予防のための医薬として有用である。該化合物はまた有利な薬物動態学的特性を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な薬物動態学的特性を特徴とする、非定型の抗精神病活性を有するピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピン誘導体に関する。本発明はまた、該化合物を調製する方法、医薬、特に非定型の抗精神病薬としての該化合物の使用および該化合物を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
非定型の抗精神病薬は、精神病性障害の処置および予防のための重要な薬物クラスを構成する。
【0003】
そのような薬物は、大多数に重篤な副作用を伴う前世代の抗精神病薬、すなわち定型の抗精神病薬の使用により生じた問題を解決する手段として提案された。
【0004】
好ましい治療的用途を有する非定型の抗精神病薬の例は、本出願人名義で出願された国際特許出願の国際公開第00/06579号パンフレットおよび国際公開第02/10175号パンフレットに記載の、ピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピン構造を有する多縮合複素環のクラスに見ることができる。第一の出願には、チアゼピン環の9位と10位の炭素間が飽和結合である化合物が記載されており;一方、第二の出願ではその結合は不飽和であって、この後者の化合物のクラスは総称的に「エナミン」とも呼ばれている。両化合物のクラスは共通して、9位にC1-C4ジアルキルアミン、4-アルキル-1-ピペラジニル、4-ヒドロキシアルキル-1-ピペラジニル、4-アルキル-1-ピペリジニルおよび4-アルキル-1-ホモピペラジニルから選択可能な基を有する。特に好ましいものは、9位に4-アルキル-1-ピペラジニル、4-ヒドロキシアルキル-1-ピペラジニル、4-アルキル-1-ピペリジニル、4-アルキル-1-ホモピペラジニル基のうちの1つを有する化合物であり、全て共通して複素環の4位がアルキル基であることを特徴とする。
【0005】
特に、特許出願国際公開第00/06579号パンフレットに記載されており、以後略してST1460と称する化合物(S)(+)7-クロロ-9-(4-メチルピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピンは、臨床基準化合物(クロザピンおよびオランザピン)と同程度の不定型の抗精神病特性を示しており、定型の抗精神病薬の特徴である錐体外路および/または神経内分泌作用が生じる危険性がより低い。
【0006】
特許出願国際公開第02/10175号パンフレットに記載されており、以後略してST1899と称する化合物9-(4-メチルピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b]-[1,3]ベンゾチアゼピンもまた、好ましい薬理学的特性を示し、従来の化合物と比較してより活性が高く、合成が簡便であるといった有利性がある。
【0007】
上記特許出願に記載の化合物は申し分のない薬理学的特性を有するが、その動態学はクリアランスが早いという特徴において何らかの改善を要する。従って、それに勝るとまではいかなくとも同程度の薬理学的特性を持ち、改善された薬物動態学的特性を確実に有する化合物を得ることが望ましい。
【発明の開示】
【0008】
[発明の概要]
本発明の主目的は、上記特許出願に記載の1-ピペラジニルまたは1-ホモピペラジニルまたは1-ピペリジニルから選択される基を9位に有する化合物、すなわち脱アルキル化アナログであり、不定型の抗精神病薬として好ましい薬理学的活性を示し、また有利な薬物動態学的特性を持つ化合物を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、該化合物を調製する方法にある。
【0010】
本発明のさらなる目的は、該化合物を医薬として使用すること、特に精神病性、精神医学的および神経学的障害、特に、例えば統合失調症の陽性および陰性症状、偏執症状態(paranoid states)、躁鬱状態、情動領域の疾患(disorders of the affective sphere)、社会性の退行(social regression)、人格の退行(personality regression)および幻覚のような、中脳辺縁系ドーパミン作動性経路の増加した活性および/または中脳皮質ドーパミン作動性低機能性症状に関係する障害の処置および予防に有用な医薬組成物を調製するために該化合物を使用することにある。該化合物は不定型の抗精神病活性を特徴とする。
【0011】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1の本発明の化合物を製薬的に許容される媒体および/または賦形剤との混合物として含有する医薬組成物にある。
【0012】
以降に実施例および図も用いて本発明を詳細に記述する。
【0013】
[発明の詳細な説明]
本発明の化合物は以下の式(I)に記載されるものであり、その単一光学異性体、その混合物および製薬的に許容される塩を含む:
【化1】

[式中、
AはCH-CH2またはC=CH;
Rは水素、ハロゲン、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルキルチオ、C1-C4アルキル、C5-C6シクロアルキル;
R1は1-ピペラジニル、1-ホモピペラジニルおよび1-ピペリジニル;
R2は水素、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルキルチオ、C1-C4アルキル、CHO、CH=NOH、CH2OH;
ただし、RがClの場合、AはC=CHでない。]
【0014】
式(I)の化合物が9および10位に飽和チアゼピン環を有する場合、9位はキラル中心となる。本発明は、ラセミ混合物として、また個別の単一アイソマー(R)および(S)としての両方の化合物群を含む。
【0015】
式(I)において、Rは好ましくは臭素、塩素(AがC=CHの場合を除く)、フッ素または水素、より好ましくは水素、塩素またはフッ素であり;R1は好ましくはピペラジン-1-イル基であり、R2は好ましくは水素である。
【0016】
本発明の好ましい化合物は:
(+)9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
(-)9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
(±)-7-クロロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]-ベンゾチアゼピン(ST2087);
(S)-7-クロロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]-ベンゾチアゼピン(ST2432);
(R)-7-クロロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1b][1,3]-ベンゾチアゼピン;
(+)-7-フルオロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10ジヒドロピロロ[2,1b][1,3]-ベンゾチアゼピン;
9-(ピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン(ST2472);
7-フルオロ-9-(ピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
1-メチル-9-(ピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン
である。
【0017】
本発明のさらなる対象は、式(I)の化合物を調製する方法にある。本発明の第一の態様において、該方法は以下の工程からなる:
a) 対応する4-アルキル-(ホモ)ピペラジン-1-イル-ピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは4-アルキル-ピペリジン-1-イル-ピロロ-[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは4-アルキル-(ホモ)ピペラジン-1-イル-ジヒドロピロロ-[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは4-アルキル-ピペリジン-1-イル-ジヒドロピロロ[2,1-b]-ベンゾチアゼピンを所望のクロロ蟻酸アルキル(alkyl-chloroformiate)で処理し、(ホモ)ピペラジンまたはピペリジン環の4位の窒素原子の対応するアミドを得る;
b) 得られたアミドを加水分解し、該窒素原子を放出させる;
c) 工程b)にて得られた化合物に可能な塩化を施す。
【0018】
もしくは、式(I)の化合物は、以下の工程を含む方法により調製できる:
a) 特許出願国際公開第00/06579号パンフレットに記載の通りにして得た対応する9位のケトンをp-トルエンスルホン酸およびピペラジン六水和物で処理し、対応するエナミンを生成させる;
b) 次いで対応するエナミンを酢酸中にて水素化物により還元し、対応する飽和生成物を生成させる;
c) 工程b)にて得られた化合物に可能な塩化を施す。
【0019】
本発明の化合物は、上記特許出願に記載の化合物、すなわち対応するケトン(その合成は特許出願国際公開第00/06579号パンフレットに記載されている)から簡単に調製される。前駆体が調製できれば、以下のスキームおよび多数の好ましい生成物を得るために記載した実施例(しかし当分野の平均的な経験を持つ技術者が用いる通常の一般的知識により式(I)の全ての化合物に容易に一般化することができる)に示しているような、本発明の方法に従って処理する。
【0020】
【化2】

前駆体(例えばST1460またはST1899)をクロロ蟻酸アルキル、例えばクロロ蟻酸エチルで処理し、ピペラジン環の4位の窒素原子の対応するアミドを生成する。次いで得られたアミドを加水分解し、該窒素原子を放出させる。そうして得られた化合物は、可能であれば当分野で完全に習慣となっている方法で塩化することができる。
【0021】
【化3】

特許出願国際公開第00/06579号パンフレットに記載の通りに合成したケトンをp-トルエンスルホン酸およびピペラジンで処理し、対応するエナミンを生成する。次いで酢酸中にて水素化物により還元し、対応する水素化生成物を生成する。
例えば国際公開第00/06579号パンフレットに記載のような当分野の専門家に周知の通常の方法により、単一のエナンチオマー型を分離することができる。
【0022】
本発明のさらなる対象は、少なくとも1の式(I)の化合物を、製薬的に許容される賦形剤および/または媒体との混合物として含有し、また精神病の処置および予防に有用なさらなる活性成分を含有していてもよい、併用療法に用いるための医薬組成物にある。
【0023】
該医薬組成物の詳しい記述として、特に、精神病の処置および予防に有用な他の活性成分との組み合わせについて、特許出願国際公開第00/06579号および第02/10175号パンフレットに明確に言及されている。
【0024】
国際公開第00/06579号および第02/10175号パンフレットに記載の通りに行った薬理学的アッセイによって実証されているように、本発明の化合物には明白な抗精神病活性があり、また非定型の抗精神病性を特徴とする薬理学的特性を有するので、本化合物は急性および慢性精神病性障害を処置および予防するための医薬の調製に有用である。
【0025】
本発明の化合物により処置することができる急性および慢性精神病性障害の例は、統合失調症、偏執症状態、躁鬱状態、情動領域の疾患、社会性の退行、人格の退行、幻覚、食欲障害(摂食障害など)および関連疾患である。さらなる例に、鎮痛/麻酔、神経遮断性の麻酔、年輩者の不安徴候および錐体外路障害を含み得る。
【0026】
特に9位と10位の炭素原子間の結合が単結合であり、Rが水素、フッ素、または臭素である式(I)の化合物の場合、これらは情動および認知の領域を含めた統合失調症の陰性症状、特に該陰性症状が認知症の形態をとる場合の処置のための医薬の調製に有用である。
【0027】
特に9位と10位の炭素原子間の結合が不飽和である式(I)の化合物の場合、これらはドーパミン作動性神経伝達の活性化過剰症状、特に該症状が中脳辺縁系経路に作用する場合の処置、および/または中脳皮質ドーパミン作動性低機能性症状の処置のための医薬の調製に有用である。たとえば、該症状は統合失調症の陽性症状および陰性症状の形態をとる。
【0028】
9位と10位の炭素原子間の結合が不飽和である式(I)の化合物はまた、偏執症状態、躁鬱状態、情動範囲の疾患、社会性の退行、人格の退行、幻覚または認知機能障害の処置および予防に有用な医薬を調製するために用いられる。
【0029】
式(I)の化合物は、処置する疾患の重症度や急性または慢性の別に従って、通常1から200mg/日にわたって変化し得る範囲の用量を投与することができる。また主治医の判断により、示した範囲を超える用量を用いることもできる。
【0030】
本発明の化合物は好ましい薬物動態学的特性を特徴とする。
【0031】
以下の実施例により、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0032】
実施例1(スキーム1)
a) エチル-4-(7-クロロ-9,10-ジヒドロピロロ-[2,1-b][1,3]-ベンゾ-チアゼピン-9-イル)-1-ピペラジン-カルボキシレート
ST1460(340mg、1.02mmol)、1,2-ジクロロエタン(3mL)、クロロ蟻酸エチル10mLおよびジメチルアミノピリジン150mgを、塩化カルシウムのキャップと温度計付きの還流冷却器を備えた二首の50mL無水フラスコに入れた。混合物を攪拌しながら還流温度で3時間維持した。
【0033】
次いで反応混合物を室温まで冷却し、塩化メチレン(50mL)で希釈し、pHが中性になるまで水で洗浄した(3×50mL)。そのメチレン溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を蒸発させて得られた油(400mg)を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン-酢酸エチル 80:20)で精製した。280mgの表題化合物が得られた(収率:70%)。
【0034】
TLC:石油エーテル[40-70]/AcOEt(80:20);Rf:0.70。
HPLC:LiChrosorb RP-18(5μm);水/アセトニトリル(40:60);0.8mL/分;U.V.λ=最大絶対値(MaxAbs);Rt 25.78分、表題化合物に相当する。
1H-NMR[CDCl3]:既定範囲内の構造。
13C-NMR[CDCl3]:既定範囲内の構造。
【0035】
b) 1-[(9S)-7-クロロ-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン-9-イル]ピペラジニウムジクロライド(ST2432)
前工程にて得られた化合物(280mg;0.715mmol)、n-ブタノール(5mL)および水酸化カリウム(400mg;7.0mmol)を、塩化カルシウムのキャップと温度計付きの還流冷却器を備えた二首の50mL無水フラスコに入れた。混合物を還流温度で1時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去して得られた油を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール勾配:8:2/6:4)で精製して186mgの生成物(収率:81.3%)を得、次いでこれを塩酸塩化して表題の化合物を得た。
【0036】
TLC:メタノール/AcOEt/Et3N(1:1+0.5cc);Rf:0.15。
HPLC:LiChrosorb RP-18(5μm);水/アセトニトリル(40:60);0.8mL/分;U.V.λ=最大絶対値;Rt:25.78分。
1H NMR(CDCl3) δ7.51(d,1H, J=2.4Hz), 7.30(d, 1H, J=8.5Hz), 7.06(dd, 1H, J=8.5, 2.4Hz), 6.86(m, 1H), 6.29(m, 1H), 6.05(m, 1H), 4.71(dd, 1H, J=14.0, 8.6Hz), 4.45(dd, 1H, J=14.0, 3.4Hz), 3.95(dd, 1H, J=8.6, 3.4Hz), 2.61-2.25(m, 8H)。
【0037】
実施例2(スキーム2)
a) 9-ピペラジン-1-イル-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン(ST2472)
ピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピン-9(10H)-オン190mg(0.88mmol)、ピペラジン六水和物5.13g(0.026mol)およびp-トルエンスルホン酸4.53g(0.024mol)をフラスコ内で攪拌しながら反応させた。反応混合物を180℃の温度まで加熱し、そのまま置いて7時間反応させた。得られたゼラチン状の塊を酢酸エチルに溶解させ、有機層を水で3回洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させ蒸発させた。150mgの生成物が得られ、シリカゲル上で精製し、AcOEt/MeOH1:1により溶出させた。
【0038】
43mgの油が得られた。
収率=17.2%
TLC:AcOEt/MeOH/NH3(1:1:0.3ml) Rf=0.4
HPLC:LunaCN(5μm);水/CH3COONH4(25:75);1.0mL/分;U.V. λ=220nm;Rt:12.045分。
1H NMR(CDCl3) δ7.65(d,1H), 7.5(d, 1H), 7.3(dd, 2H), 6.75(m, 1H), 6.6(s, 1H), 6.2(m, 1H), 6.1(m, 1H), 3(4H,), 2.95(4H), 2.65(broad, 1H,NH).
【0039】
実施例3(スキーム2)
a) 7-クロロ-9-(1-ピペラジニル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1b][1,3]-ベンゾチアゼピンアセテート(ST2516)
1-[(9S)-7-クロロ-9,10-ジヒドロ-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン-9-イル]ピペラジン500mg(1.57mmol) (7-クロロピロロ[2,1b][1,3]ベンゾチアゼピン-9(10H)-オンから出発し、実施例2でST2472について記載したのと同じ方法で合成)を、攪拌系を備えたフラスコ内でCH3COOH 30mlに溶解させた;NaBH4 400mgを0℃で注意して加え、室温で2時間攪拌した。
【0040】
減圧下で溶媒を蒸発させ、得られた油をAcOEtに溶解させ、1N NaOHで2回洗浄し、最後にH2Oで洗浄した;次いで油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。
300mgの白色固体を得た(収率:52%)。
【0041】
分析:該構造の既定範囲内(ST2432を参照)
【0042】
実施例4(スキーム1)
a) エチル4-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン-9-イルピペラジン-1-カルボキシレート
無水メチレン(120mL)に溶解させたST1899(3g, 0.01mol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP, 1.5g)を乾燥フラスコに入れ;クロロ蟻酸エチル(10mL)を該溶液に滴加した。反応混合物を室温で攪拌しながら完全閉鎖系に5時間おいた。次いで塩化カルシウムトラップおよび減圧により反応混合物から溶媒を蒸発させた。白色固体が得られ、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(酢酸エチル/ヘキサン-勾配95:5/80:20)。3gの表題化合物を得た。
【0043】
収率=90%。
TLC:(酢酸エチル/ヘキサン2:8;Rf=0.3。
1H NMR(CDCl3) δ7.65(d,1H), 7.5(d, 1H), 7.3(dd, 2H), 6.75(m, 1H), 6.6(s, 1H), 6.2(m, 1H), 6.1(m, 1H), 4.1(q, 2H), 3.5(4H,), 2.8(4H,), 1.2(t, 1H)。
【0044】
b) 9-ピペラジン-1-イル-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン(ST2472)。
前工程にて得られた化合物(3g;8.9mmol)、n-ブタノール(22mL)および水酸化カリウム(4.9g;8.9mmol)を、塩化カルシウムのキャップと温度計付きの還流冷却器を備えた二首の50mL無水フラスコに入れた。混合物を還流温度で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、生じた固体をAcOEtに溶解させ、pHが中性になるまでH2Oで洗浄した。次いで有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ蒸発させた。2gの生成物が得られ、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール勾配:7:3/6:4)により精製したところ、1.5gの生成物が得られた(収率:60%)。
【0045】
分析:実施例2(スキーム2)を参照。
【0046】
ラセミ体混合物の可能な分割に関しては、上記特許出願国際公開第00/06579号パンフレットの記述を参照されたい。
【0047】
実施例5
化合物ST1469および対応する脱メチル化誘導体ST2087の薬物動態学。ラットに60μmol/kg用量の各化合物を経口投与した効果。
【0048】
ST1469のラットへの投与(表1)。
ST1469の経口投与後、該分子の血漿濃度は、投与後2時間後に最大濃度(Cmax)の約280pmol/mLになるまで増加する。ST1469の消失は、その半減期が3時間未満ということから分かるように素早い。
【0049】
化合物ST1469の脱メチル化代謝産物(ST2087)が即座に現れ、初めのサンプル時(0.5時間)からすぐに、化合物ST1469それ自体よりもより高い血漿濃度を示すことから分かるように、代謝が化合物ST1469消失の主要過程であるようである。
【0050】
ST2087はST1469より遅くCmaxに到達し(Tmax〜3時間)、またより遅く消失する(t1/2〜5時間)。
【0051】
ラットへのST2087の投与(表1)
化合物ST2087の投与後の吸収速度は、ST1469で観察された速度と同程度であり、事実投与後2時間以内にCmaxに到達する。
【0052】
ST2087の消失速度は、ST1469投与後に同分子について観察された速度と同程度である。
【0053】
この研究から、表1に示した薬物動態学的パラメーターにより実証されているように、代謝産物それ自体を投与すると、ST1469投与の結果として該産物が生じた後に測定されるよりも、全身レベルで濃度がより高くなることが分かる。
【表1】

【0054】
ST1469およびST1899、および各脱メチル化誘導体ST2087およびST2472の抗精神病作用強度の評価。能動的回避試験における処置効果。
【0055】
抗精神病薬の増分量をラットに投与すると、回避反応(avoidance response)が抑制され、逃避反応(escape response)数が増加するが、ただし無反応(失敗)は増加しない。この動物の回避行動の変化は、投与した用量範囲内で条件反応を選択的にブロックする抗精神病活性を持つ化合物の投与効果の特徴である。この行動評価により、化合物の抗精神病能を検出および測定することができる。
【0056】
実験手順
体重180gのオスのフィッシャー344ラット(Charles River)を使用した。試験の60分前に化合物ST1469およびST2087を該動物に経口投与した。化合物ST1469は以下の各用量で投与した:0.75mg/5ml/kg(1.84μmol/kg)、1.5mg/5ml/kg(3.69μmol/kg)、3mg/5ml/kg(7.37μmol/kg)および6.0mg/5ml/kg(14.7μmol/kg)。
【0057】
化合物ST2087については以下の用量を用いた:2mg/5ml/kg(6.25μmol/kg)、3mg/5ml/kg(9.38μmol/kg)、4mg/5ml/kg(12.50μmol/kg)、6mg/5ml/kg(18.76μmol/kg)および8mg/5ml/kg(25.01μmol/kg)。
【0058】
化合物ST1899およびその誘導体ST2472の抗精神病作用強度を評価するために、各化合物をそれぞれ以下の用量で投与した:0.75mg/5ml/kg(μmol/kg)、1.5mg/5ml/kg(μmol/kg)、3mg/5ml/kg(μmol/kg);および0.25mg/kg(0.88μmol/kg)、0.5mg/kg(1.76μmol/kg)、1.05mg/kg(3.71μmol/kg)および2mg/kg(7.06μmol/kg)。
【0059】
回避行動評価試験を行うために、隔壁により2区画に分けられたプラスチックケージからなり、隔壁の開口部で2区画間の連絡が可能となっている装置(Ugo Basile)を使用した。各区画はケージを覆うプレキシガラスカバーの上に配置した10ワットのランプで照明することができる。無条件刺激および差別的刺激の期間および頻度をプログラミング装置で制御し、コンピュータ化システムで実験データを取得する。この研究では、差別的刺激光を3秒間照射した後、無条件刺激(4秒間の0.3mAの電撃)を行った。各セッションにおいて1分間に1試験を行い、1日に合計20試験行った。1日に1セッション行った。
【0060】
その手順は以下から成る:ラットを試験ケージに1分間慣れされ、その後一連の試験を開始し、始めに光刺激により信号を送り;該差別的刺激の数秒後、電撃をかける。ラットは隣接する区画に逃避して電撃を回避することができる。照明を付けた後、電撃を加える前になされた反応は、差別的刺激を遮る「回避」と考え;電撃期間中になされた反応は、差別的刺激および無条件刺激の両方を終わらせる「逃避」と考え;回避が無いことは「失敗」と考える。
【0061】
試験化合物による処置の前に、動作を習得する能力によって動物を選択した。処置の効果を評価する試験を受けさせたのは、基礎試験において少なくとも75%の回避を行ったラットであった。
【0062】
結果は平均と標準誤差で表した。条件反応(回避)の数に基づき、この変数の値を基礎値と比較して50%まで減少させることができる化合物の用量(ED50)を、GraphPad Prismデータ解析プログラムを用いて非線形回帰により算出した。
【0063】
結果
ST1469およびST2087の効果
化合物ST1469は、用量依存的に回避反応を行う試験動物の能力を抑制する。
【0064】
試験化合物ST2087を以下の用量で経口投与すると、動物が行う回避反応を減少させることができる:2mg/kg(6.25μmol/kg)、3mg/kg(9.38μmol/kg)、4mg/kg(12.50μmol/kg)、6mg/kg(18.76μmol/kg)および8mg/kg(25.01μmol/kg)。回避反応を50%まで減少させることができる用量(ED50)は、10.22μmol/kgに相当する3.27mg/kgである。
【0065】
この研究において得られたデータは、化合物ST2087の効果が起源化合物ST1469(ED50:9.11μmol/kgに相当する3.71mg/kg)の効果と同様であることを示している(表2)。
【0066】
ST1899およびST2472の効果
ST2472による処置では、以下の用量で回避反応の進歩的な減少および逃避の増加がおこる:0.5mg/kg(1.76μmol/kg)、1.05mg/kg(3.71μmol/kg)および2mg/kg(7.06μmol/kg);0.5mg/kgおよび1.05mg/kgの用量では失敗率が特に抑えられる。0.25mg/kg(0.88μmol/kg)の処置では動物の行動は有意には変化しない。
【0067】
条件反応の発動を基礎値と比較して50%まで減少させることができる用量(ED50)は、1.43mg/kg(5.05μmol/kg)である(表2)。
【0068】
この試験でこの分子の抗精神病能を十分に評価することができ、起源化合物ST1899について測定された抗精神病能と同程度であった(表2)。
【表2】

【0069】
実施例6
ST1899およびそのN-脱メチル化代謝産物ST2472のインビトロ代謝安定性
この研究では、ラット、マウスおよびサルのミクロソームにおけるST1899およびその代謝産物ST2472の代謝特性を測定した。
【0070】
材料と方法
ST1899およびST2472を個別に肝ミクロソームとともにインキュベートした。調査する各動物種について個別に実験を行った。各実験において、試験化合物に加え、ミクロソームの代謝活性を評価するためのプローブとして、7-エトキシクマリン(Sigma-Aldrich)もインキュベートした:7-ヒドロキシクマリンを合成標準と比較した保持時間に基づいて同定し、酸化的代謝のマーカーとして用いた。試験化合物および7-エトキシクマリンの両方を37℃で120分までインキュベートした。
ミクロソームの情報を以下の表3に要約する:
【表3】

【0071】
サンプルに用いた試験化合物、ミクロソームおよび試薬の名目上の濃度を以下の表4に示す:
【表4】

【0072】
MgCl2、β-D-グルコース-6-リン酸、βNADPおよびグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを、NADPH再生液(NRS)の調製に用いた。0.1M pH7.4 KH2PO4緩衝液250μl、NRS100μlおよび試験化合物(または7-エトキシクマリン)標準溶液50μlを2mlのエッペンドルフ試験チューブに加えた。ミクロソームまたは試験化合物のいずれかを含まずにインキュベートしたサンプルには、等量の0.1M pH7.4 KH2PO4緩衝液を加えた。
【0073】
サンプルにミクロソーム懸濁液100μlを加えて反応を開始させ、選択した時間にメタノール500μlを加えて反応を止めた。サンプルを振盪し4℃で10分間8000RPMで遠心分離した。上清をHPLC解析に用いた。7-エトキシクマリン、ST1899およびST2472を以下に記載のHPLC法に従って解析した。
【0074】
HPLC条件
【表5】

【0075】
結果
ST1899とのインキュベーション
ラットのミクロソームにおいて、ST1899はST2472へ大規模に代謝され(図1)、代謝産物M1およびM2も主な代謝産物として存在した。マウスミクロソームにおいて、ST1899は主にM1に代謝された(図1);ST2472も生成したが限られた程度であった。他に2つの代謝産物(おそらくM3およびM4)が観察された:それらの強度はインキュベーション中に変化し(図1)、120分時点でM4が支配的であった。サルのミクロソームにおいて、ST1899はST2472に代謝され、また代謝産物M3およびM4へ代謝された(図2)。代謝産物M1は少量のみ生成した。
【0076】
ST2472とのインキュベーション
ラットミクロソームにおいて、ST2472はほとんど大規模にM2へ代謝された(図3);従って、代謝産物M1およびM2はそれぞれST1899およびST2472代謝から生じるという仮説が立てられる。
【0077】
マウスミクロソームにおいて、ST2472はほとんど大規模にM2(図3)へ代謝された。代謝産物M2はST1899とインキュベーションしたサンプル中にも存在し、これは、ST1899からST2472へ、次いでM2への順次代謝から生じる可能性がある。
【0078】
ST2472はST1899よりも代謝的により安定であった:得られた主な代謝産物はM3であった(図4)。少量のみの代謝産物M2が生じた。
【0079】
ST2472を生じるST1899のN-脱メチル化は、ラットにおいて量的に顕著な代謝性生体内変換である。肝臓の初回通過効果が非常に大きいことから、この代謝は、ラットに経口投与したST1899のバイオアベイラビリティーの低さの原因にもなっていると考えられる。この代謝反応は、本研究において調査した他の種においても大規模であることがわかった。ラット、マウスおよびサルのミクロソームにおけるST1899のインキュベーションにより、ST2742とは別の2または3の代謝産物の生成が起こり、培地中のST1899濃度が素早く減少した。
【0080】
他方、ラット、マウスおよびサルのミクロソームにおけるST2472のインキュベーションは、代謝の程度が低いことを特徴とし、齧歯類種と非齧歯類種の間で異なるが単一の代謝産物が生成された。
【0081】
結果として、全ての試験した種において、ST2742はST1899よりもより代謝的に安定であると結論され、このことはバイオアベイラビリティーがより高いこと、また経口投与後の親薬物の全身性半減期がより長いことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】基礎(basal)と比較して120分時に得られたラットおよびマウスのミクロソームにおけるST1899についての代謝特性。肝ミクロソームとのインキュベーション後の上清のHPLC解析結果。
【図2】基礎と比較して120分時に得られたサルのミクロソームにおけるST1899についての代謝特性。肝ミクロソームとのインキュベーション後の上清のHPLC解析結果。
【図3】基礎と比較して120分時に得られたラットおよびマウスのミクロソームにおけるST2472についての代謝特性。肝ミクロソームとのインキュベーション後の上清のHPLC解析結果。
【図4】基礎と比較して120分時に得られたサルのミクロソームにおけるST2472についての代謝特性。肝ミクロソームとのインキュベーション後の上清のHPLC解析結果。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、その単一光学異性体、その混合物および製薬的に許容される塩:
【化1】

[式中、
AはCH-CH2またはC=CH;
Rは水素、ハロゲン、アルコキシC1-C4、アルキルチオC1-C4、アルキルC1-C4、シクロアルキルC5-C6
R1は1-ピペラジニル、1-ホモピペラジニルおよび1-ピペリジニル;
R2は水素、アルコキシC1-C4、アルキルチオC1-C4、アルキルC1-C4、CHO、CH=NOH、CH2OH;
RがClの場合、AはC=CHではない]。
【請求項2】
以下の群から選択される、請求項1に記載の化合物:
(+)-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
(-)-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
(±)-7-クロロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]-ベンゾチアゼピン;
(S)-7-クロロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]-ベンゾチアゼピン;
(R)-7-クロロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]-ベンゾチアゼピン;
(+)-7-フルオロ-9-(ピペラジン-1-イル)-9,10-ジヒドロピロロ[2,1-b][1,3]-ベンゾチアゼピン;
9-(ピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
7-フルオロ-9-(ピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン;
1-メチル-9-(ピペラジン-1-イル)-ピロロ[2,1-b][1,3]ベンゾチアゼピン。
【請求項3】
以下の工程を含む、請求項1および2に記載の化合物を調製するための方法:
a) 対応する4-アルキル-(ホモ)ピペラジン-1-イル-ピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは4-アルキル-ピペリジン-1-イル-ピロロ-[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは4-アルキル-(ホモ)ピペラジン-1-イル-ジヒドロピロロ-[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは4-アルキル-ピペリジン-1-イル-ジヒドロピロロ[2,1-b]-ベンゾチアゼピンを、所望のクロロ蟻酸アルキルで処理し、(ホモ)ピペラジンまたはピペリジン環の4位の窒素原子の対応するアミドを得る;
b) 得られたアミドを加水分解し、該窒素原子を放出させる;
c) 工程b)にて得られた化合物に可能な塩化を施す。
【請求項4】
以下の工程を含む、請求項1および2に記載の化合物を調製するための方法:
a) 対応する9-ケト-ピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは9-ケト-ピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは9-ケト-ジヒドロピロロ[2,1-b]ベンゾチアゼピンまたは9-ケト-ジヒドロピロロ[2,1-b]-ベンゾチアゼピンを、p-トルエンスルホン酸およびピペラジン六水和物で処理し、対応するエナミンを生成させる;
b) 該対応するエナミンを酢酸中にて水素化物により還元し、対応する飽和化合物を生成させる;
c) 工程b)にて得られた化合物に可能な塩化を施す。
【請求項5】
少なくとも1の請求項1および2に記載の化合物を製薬的に許容される媒体および/または賦形剤との混合物として含有する医薬組成物。
【請求項6】
医薬を調製するための、請求項1および2に記載の化合物の使用。
【請求項7】
急性および慢性精神病性障害を処置および予防するために有用な医薬を調製するための、請求項1および2に記載の化合物の使用。
【請求項8】
精神病性障害が、統合失調症、偏執症状態、躁鬱状態、情動領域の疾患、社会性の退行、人格の退行、幻覚、食欲障害および関連疾患からなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
情動および認知の領域を含めた統合失調症の陰性症状を処置するための、請求項7記載の使用であって、特に9位と10位の炭素原子間の結合が単結合であり、Rが水素、フッ素または臭素である請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
陰性症状が認知症の形態を取る、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
ドーパミン作動性神経伝達の活性化過剰症状の処置に有用な医薬を調製するための、請求項1および2に記載の化合物において9位と10位の炭素原子間の結合が不飽和である、請求項7に記載の使用。
【請求項12】
前記ドーパミン作動性の活性化過剰が中脳辺縁系経路に作用する、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
中脳辺縁系経路のドーパミン作動性神経伝達の活性化過剰症状および/または中脳皮質ドーパミン作動性低機能性症状の処置に有用な医薬を調製するための、請求項1および2に記載の化合物において9位と10位の炭素原子間の結合が不飽和である、請求項7に記載の使用。
【請求項14】
前記症状が統合失調症の陽性症状および陰性症状の形態を取る、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
偏執症状態、躁鬱状態、情動領域の疾患、社会性の退行、人格の退行、幻覚または認知機能障害の処置および予防に有用な医薬を調製するための、請求項13に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−536379(P2007−536379A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512730(P2007−512730)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000246
【国際公開番号】WO2005/108403
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】