非対称性コアを備えたファイバーおよびその製造方法
光アクティブファイバーは、少なくとも1つの長軸と長軸を横断して延在する最短軸を有する非対称性形状のコアを備えて構成されている。アクティブファイバーの最も外側のクラッドは、短軸の方向性を示すマーキングを備えて構成されている。マーキングにより、最短軸が曲げ部の平面に沿って伸張し、曲げ部の平面の中に位置するようにファイバーを曲げることが可能になるので、それによって、光が曲げ部に沿って伝播する時に非対称性形状のコアによって案内されるモードの歪みを最小化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバーの曲線延伸部沿いの基本モードの実効面積の縮小を最小限に抑えるように構造化された非円形コアを備えて構成された光ファイバーに関する。
【背景技術】
【0002】
高出力ファイバーレーザーシステムの出現は、大モード面積(LMA)アクティブファイバーが無ければ可能ではなかったであろう。ファイバーレーザーシステム出力スケーリングが増大するとともに、厳しい要件がレーザーを発する放射線の品質に適用される。当業者(“posita”)には周知のように、コア沿いに導かれるモードが少ないほど、光質は高くなる。従って、実質的に単一の、所望の波長において回折限界に近い基本モードを対応することができるMMファイバーを構成するために多くの取り組みが行われている。後者が適正に抜け出されれば、MMコアは、このモードを実質的な歪み無しに、光路をずっと下ったところに導く。後者は、実質的に直線状のファイバーという状況において概して正しい。しかしながら、実際面では、ファイバーは、通常、曲げ部又は曲線延伸部を有している。
【0003】
一般的に、コアのステップインデックスプロファイルを備えたファイバー等の、標準的なファイバーに関して、基本モードが曲線延伸部に沿って伝播する時、その実効面積、即ち、モードが、横断方向の寸法において効果的に含む面積の量的測度が減少する。基本モードがコアの周辺に向かって移動すると、重複面積、即ち、利得媒質及び基本モードを備えたコア領域に共通する面積を縮小させる。同時に高次モードが曲げ部に沿ってコアの周辺に向かって移動する場合、基本モードの事例と同じ程度に大きくはない。高次モード(HOM)が曲げ部に沿ってコアの周辺に向かって比較的僅かに移動する場合は、HOMの増幅が、コアの直線延伸部に沿ったそれらのモードの増幅よりも実質的に大きくなる場合がある。HOMの増幅が大きいほど出力ビームの品質は低下する。
【0004】
コア面積が増えるに従って、上で開示した影響は、益々顕著になる。これらの現象は、コア面積の拡大、ひいてはステップインデックスプロファイル及び少なくとも約30μmに等しいコア径を備えるアクティブファイバーの出力スケーリングを制限する主要な因子の1つであるように思われる。
【0005】
図1A及び図1Bは、上記の内容を裏付けている。図1Aは、9cm半径に沿って伸張している32μmコアの中における基本モード移動を図示しており、図1Bは、15cm半径に沿った110μmコアの中におけるモードの移動を示している。明らかに、コア直径が大きいほどモード歪みも大きくなっている。
【0006】
曲げ誘導モード歪みを最小限に抑えるファイバー製造の方法及びファイバー構成が知られている。周知の構造の1つは、ファイバー曲げ部に沿ったモード面積の減少をステップインデックスのものよりも少なくする放物面屈折率プロファイルを備えて構成されている。更に周知のファイバー構成は、基本モードではなく、それぞれ基本モードに関するものより高いΔneff、すなわち個別のコア及びモードの屈折率の間の差、を有しているより高次モードの1つを備えて機能している。このように、高次モードは、基本モードの様にファイバー曲げ部の影響を受けやすくはない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、MMアクティブ及び/又はパッシブファイバーの曲線延伸部沿いのモード歪みを最小限に抑えるMMコアの代替的な構成と、ファイバーを組み込んでいる高出力ファイバーレーザーシステムと、レーザーシステムの中で開示するファイバー構成を利用する方法と、を教示している。
【0008】
開示するファイバーは、モード歪みの程度を表すパラメータSと、コアの半径との間の関係に基づいている。関係は、以下のように近似される。(引用文献:J.M.Fini “Dsign of LMA amplifier fibers resistant to bend-induced distortion”,Vol.24,No.8/Augusy/2007,Journal of Optical Society of America)
【0009】
Δnbend=ncore*Rcore/Rbend、式中、Δnbendは、曲げの結果としてもたらされた、コアのそれぞれの対向周辺区域の屈折率の差であり、Rcoreは、コア半径であり、Rbendは、ファイバーの曲げ部半径である。
【0010】
Δneff=ncore−neff、式中、Δneffは、それぞれのモード及びコアの屈折率の差である。
【0011】
前述の内容に基づいて、Δneff≦Δnbendである場合、基本モードは、移動され、外部コア領域(即ち、シフトの方向又は曲げ部の中心に関連する方向と反対の領域)の状況と関連付けられる。
【0012】
歪みのパラメータS=Δnbend/Δneff
【0013】
Δneff〜C*(1/Rcore)2であるので、Sは、R3coreに比例している。従って、半径が小さい程、歪みも小さくなる。
【0014】
本開示によれば、異なった寸法軸を特徴とする非円形構成を有するコアを備えたアクティブ又はパッシブファイバーが提供される。曲げ部沿いのモード歪みを最小限に抑えるために、ファイバーの最短軸が曲げ部の平面に位置するように、ファイバーは、配置される。開示するファイバーの外側クラッドは、短軸の配向が、適正なスプール処理及び追加的な設置のために分かり易いように、適切にマークが付される。
【0015】
本開示は、以下の図面によって図示されて更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】それぞれより小さい及びより大きい半径の曲げ部に沿って延在するファイバーの円形形状コアの中のモードの挙動を示す図である。
【図1B】それぞれより小さい及びより大きい半径の曲げ部に沿って延在するファイバーの円形形状コアの中のモードの挙動を示す図である。
【図2A】本開示によって構成された例示的な楕円形状の非対称性コアのそれぞれ立面側面図及び断面図である。
【図2B】本開示によって構成された例示的な楕円形状の非対称性コアのそれぞれ立面側面図及び断面図である。
【図3】図2Bの非対称性コアの短軸の方向を示すしるしを備えた開示するファイバーのクラッドにマークを付する技法を示す図である。
【図4】開示するファイバーの非対称性コアの改造を示す図である。
【図5】コアの短軸が曲げ部の平面に位置する場合、図6のコアによって対応されるモードの歪みを示す図である。
【図6】非対称性コアの短軸が、曲げ部の平面に対して垂直な平面に位置する場合、図6のコアによって対応されるモードの歪みを示す図である。
【図7】図5及び図6のそれぞれの2つの曲げ部平面に対する曲げ部半径からのモード面積歪みの度合いの依存を図示するグラフである。
【図8】開示するファイバーの非対称性コアのさらなる例示的なそれぞれの形状を示す図である。
【図9】開示するファイバーの非対称性コアのさらなる例示的なそれぞれの形状を示す図である。
【図10A】開示する非対称性コアの開示する製造の工程において使用される例示的な技法を示す図である。
【図10B】開示する非対称性コアの開示する製造の工程において使用される例示的な技法を示す図である。
【図11】開示する工程の段階の1つを示す図である。
【図12】開示するファイバーを組み込んでいるファイバーレーザーシステムである。
【図13】図12で示されるシステムを包囲するハウジングの底面の半分の図である。
【図14】図12のシステムの個別のパッシブ及びアクティブファイバーそれぞれの構成を示す図である。
【図15】開示するファイバーのさらなる改造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これより、開示するシステムについて詳細に述べてゆく。同じ又は類似の部品又は段階を指すための図面及び説明の中では、可能な限り同じ又は類似の参照番号を使用する。上へ、下へなどのような、しかしこれらに限定されない、方向を示す用語は、もっぱら、薄板状の平面に関するものと解釈されるべきものである。図面は、簡略化された形態になっており、正確な縮尺とは異なるものである。
【0018】
図2A及び図2Bは、多くの可能な構成の開示するLMAファイバー10の1つを図示している。ファイバー10は、1つ又はそれ以上のクラッド18(1つだけ図示される)を含んでおり、MMコア12は、クラッドに包囲されていて、レアアース元素の1つ又は組み合わせを用いてドーピングされている。マルチモードコア12は、単一の、好ましくは基本の横モード又は所望の波長での希少モードに対応するように構成されている。開示するファイバーの図示される実施例から示されるように、コア12は、楕円形状の断面を有している。ファイバー10は、分極保持ファイバーであっても、そうでなくてもよく、ファイバーは、更に、アクティブでも又はパッシブでもよい。
【0019】
マルチモード楕円形コア12は、短軸14及び長軸16を備えて構成されている(図2B)。本開示によれば、非対称性形状のコア12を備えているアクティブファイバー10は、短軸14が曲げ部の平面に沿って且つ曲げ部の平面の中で伸張するように、曲げ部に沿って配置されている。
【0020】
図3は、曲げ部に沿ってファイバー10を正しく配置するための単純で効果的な構造を使用者に提供する技法の1つを図示している。特に、開示する製造工程の引き抜き加工段階の間、外側クラッド18は、図2Aでも分かるように、短軸14の配向を示すマーキング20が提供されている。これは、塗料溜め25から所望の方向に沿って塗料をクラッドに塗布することによって、容易に実現することができる。
【0021】
図4は、それぞれが半径Rを備えた対向する曲線延伸部と、それぞれが長さLを有していて曲線延伸部の間に架かっている2つの直線的な延伸部と、を備えている幾らか改造されたコア22を図示している。コア22の中の基本モードは、図3のコア12の中のように、長軸に沿って細長くなっている。
【0022】
図5及び図6は、図4のコア22のモード形状変化を図示している。コア22が非対称性であるので、モード挙動は、曲げ部が延在する平面に依存している。図5では、曲げ部の中心は、短軸14上に位置している、即ち、ファイバーは、曲げ部平面に位置している短軸に沿って曲げられている。モード24は、その形状を実質的に維持しており、コア22の中心に対してほんの僅かだけ移動している。対照的に、曲げ部が長軸16の平面の中に延在する場合、図6で示されるように、モードの歪みは、縮小されたモード面積と、コア22の中心から外周に向かってモードを移すことによってはっきりと明示されている。
【0023】
図7は、2つの異なる曲げ部平面、0度及び90度に対する曲げ部半径からのモード面積の依存性を図示している。0度のグラフは、より大きいモード歪みを明確に示している。
【0024】
図8及び図9を参照すると、コア形状、ひいてはモード強度プロファイルは、楕円形状に限定されるものではなく、どの様な、標準的な形状又は変則的な形状でも製造することができる。標準的な形状は、例えば、三角形、長方形、星形等を含むが、これらに限定されない、多角形形状であってもよい。図8は、長方形で表示された多角形形状の実施例を図示している。図9は、内向きに曲がった側部が間に架かった2つの直線的側部を含む変則的な形状の実施例を図示している。本開示によるコアの幾何学の臨界は、最小であるものの1つを備えた複数の軸の存在である。一般的には、コア形状は、プレフォーム全体を通した切り込みの数と、切り込みが延在する深さ及び方向と、工程温度と、の関数である。
【0025】
図10A及び図10Bは、楕円形コア12を有するファイバー10の製造方法を概略的に図示している。プレフォーム30(図10A)に、直径方向に対向する切り込み32を提供する。ファイバーに引き抜き加工が施されるに従い、円形コア34は、図10Bに示されるコアの楕円形状に順応する。
【0026】
図11は、長方形コアを構成するための技法を図示している。後者を受けるため、一対の直径方向に対向していて異なる寸法の刻み目40をそれぞれ含む2対の切り込みがプレフォーム42に作られる。一般的には、切り込みは、全て所望のコア形状次第で、均一であっても、均一でなくてもよく、直径方向に非対称性に配置されてもよく、異なる深さ及び方向を有してもよい。
【0027】
図12は、1つ又はそれ以上のレアアース元素を用いてドーピングされていて、例えば、楕円形状の断面を有するマルチモード(MM)コアを備えて構成される大モード面積ファイバー52を備えている、ファイバーレーザーシステム50を図示している。レーザーシステム50は、入力及び出力パッシブファイバー56、58を更に含んでいてもよく、それぞれ、基本モードの伝播をサポートしている。パッシブファイバーは、それぞれ、単一モード又はマルチモード構造を有していてもよく、パッシブファイバーがマルチモードファイバーとして構成される場合、その様なファイバーの入力時、実質的に基本モードのみが励起される。システム50は、サイドポンプスキームに従ってポンプ光をアクティブファイバー52の中へ放出するパッシブMM送達ファイバー60によって完了される。
【0028】
図13は、ファイバーブロックのハウジング62の底部64を図式的に図示している。ファイバーブロック62は、様々な形状であってもよいが、図示されるものは楕円形状を有している。底部64は、2つの曲げ部68を有する経路に沿って図12のアクティブファイバー52を受け取り、かつ案内するように構成されるガイド66を備えている。アクティブファイバーは、従って、ガイド66の対向する曲げ部68に対応する2つの曲線延伸部を有している。本開示によれば、アクティブファイバーは、非対称性形状のコアを備えて提供され、コアの最短軸が各曲げ部68の曲線区域に沿って伸張するように曲げ部に沿って延在している。
【0029】
高出力ファイバーレーザーの急増に伴って、しばしば厳しい要件が出力光の品質及び出力に適用される。入力ファイバー56からMMコア54へ放出される信号光及び後者における高次モードの励起の容認できない出力損失を防止するために、アクティブファイバー52の基本モードのモードフィールド直径は、入力ファイバー56のものと実質的に一致する必要がある。これらは、2つの以下に示す構成によって獲得することができる。
【0030】
図14を参照しながら図12の視点で後者を考察すると、パッシブ入力及び出力ファイバーそれぞれ56、及び58は、各々が、好ましくは、しかし必ずしもというわけではないが、実質的に均一の楕円形SMコア54を備えて構成される。従って、パッシブ及びアクティブファイバーが突き合せスプライシングされる場合、実質的に、アクティブファイバー52の中の基本モードだけの励起を可能にする、それぞれのコアが整列される。図12に関連して考察される、図16は、最小限の光損失を実現する他の構成を図示している。特に、アクティブファイバー52は、異なるコアプロファイルを有する、交互に入れ替わる領域62、64をそれぞれ用いて引き抜き加工が施される。領域62は、通常円形コアを有しており、一方で領域64は、非対称性形状のコア及び外側表面上にしるしを備えて構成され、しるしは、コアの短軸の正しい配向を示している。入力及び出力領域62それぞれの円形コアは、各々が、入力パッシブファイバー56(図12)によって対応されるSM信号光のMFDが、アクティブファイバー60の基本モードのものと実質的に一致するような形状及び寸法になっている。同様に、SMパッシブ出力ファイバー58は、それらのファイバーの間で突き合せスプライシング領域を通って伝播する円形プロファイル基本モードが、実質的な出力を少しも損失しないような構成になっている。アクティブファイバー52は、更に、円形プロファイルがそれに沿って楕円形に変形し、再び円形に戻る、領域62と64の間に遷移領域を有しているように構成されている。
【0031】
最も実用的で好適な実施形態であると確信されるものを提示して説明してきたが、記述及び提示した特定の設計及び方法からの離脱は、それ自体、当業者に対して示唆されるものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く使用されてもよいものであることは明白である。本発明は、記述及び図示された特定の構造に制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲の中に含まれる場合があるあらゆる改造と首尾一貫するものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0032】
12 コア
14 短軸
16 長軸
18 クラッド
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】J.M.Fini “Dsign of LMA amplifier fibers resistant to bend-induced distortion”,Vol.24,No.8/Augusy/2007,Journal of Optical Society of America
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバーの曲線延伸部沿いの基本モードの実効面積の縮小を最小限に抑えるように構造化された非円形コアを備えて構成された光ファイバーに関する。
【背景技術】
【0002】
高出力ファイバーレーザーシステムの出現は、大モード面積(LMA)アクティブファイバーが無ければ可能ではなかったであろう。ファイバーレーザーシステム出力スケーリングが増大するとともに、厳しい要件がレーザーを発する放射線の品質に適用される。当業者(“posita”)には周知のように、コア沿いに導かれるモードが少ないほど、光質は高くなる。従って、実質的に単一の、所望の波長において回折限界に近い基本モードを対応することができるMMファイバーを構成するために多くの取り組みが行われている。後者が適正に抜け出されれば、MMコアは、このモードを実質的な歪み無しに、光路をずっと下ったところに導く。後者は、実質的に直線状のファイバーという状況において概して正しい。しかしながら、実際面では、ファイバーは、通常、曲げ部又は曲線延伸部を有している。
【0003】
一般的に、コアのステップインデックスプロファイルを備えたファイバー等の、標準的なファイバーに関して、基本モードが曲線延伸部に沿って伝播する時、その実効面積、即ち、モードが、横断方向の寸法において効果的に含む面積の量的測度が減少する。基本モードがコアの周辺に向かって移動すると、重複面積、即ち、利得媒質及び基本モードを備えたコア領域に共通する面積を縮小させる。同時に高次モードが曲げ部に沿ってコアの周辺に向かって移動する場合、基本モードの事例と同じ程度に大きくはない。高次モード(HOM)が曲げ部に沿ってコアの周辺に向かって比較的僅かに移動する場合は、HOMの増幅が、コアの直線延伸部に沿ったそれらのモードの増幅よりも実質的に大きくなる場合がある。HOMの増幅が大きいほど出力ビームの品質は低下する。
【0004】
コア面積が増えるに従って、上で開示した影響は、益々顕著になる。これらの現象は、コア面積の拡大、ひいてはステップインデックスプロファイル及び少なくとも約30μmに等しいコア径を備えるアクティブファイバーの出力スケーリングを制限する主要な因子の1つであるように思われる。
【0005】
図1A及び図1Bは、上記の内容を裏付けている。図1Aは、9cm半径に沿って伸張している32μmコアの中における基本モード移動を図示しており、図1Bは、15cm半径に沿った110μmコアの中におけるモードの移動を示している。明らかに、コア直径が大きいほどモード歪みも大きくなっている。
【0006】
曲げ誘導モード歪みを最小限に抑えるファイバー製造の方法及びファイバー構成が知られている。周知の構造の1つは、ファイバー曲げ部に沿ったモード面積の減少をステップインデックスのものよりも少なくする放物面屈折率プロファイルを備えて構成されている。更に周知のファイバー構成は、基本モードではなく、それぞれ基本モードに関するものより高いΔneff、すなわち個別のコア及びモードの屈折率の間の差、を有しているより高次モードの1つを備えて機能している。このように、高次モードは、基本モードの様にファイバー曲げ部の影響を受けやすくはない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、MMアクティブ及び/又はパッシブファイバーの曲線延伸部沿いのモード歪みを最小限に抑えるMMコアの代替的な構成と、ファイバーを組み込んでいる高出力ファイバーレーザーシステムと、レーザーシステムの中で開示するファイバー構成を利用する方法と、を教示している。
【0008】
開示するファイバーは、モード歪みの程度を表すパラメータSと、コアの半径との間の関係に基づいている。関係は、以下のように近似される。(引用文献:J.M.Fini “Dsign of LMA amplifier fibers resistant to bend-induced distortion”,Vol.24,No.8/Augusy/2007,Journal of Optical Society of America)
【0009】
Δnbend=ncore*Rcore/Rbend、式中、Δnbendは、曲げの結果としてもたらされた、コアのそれぞれの対向周辺区域の屈折率の差であり、Rcoreは、コア半径であり、Rbendは、ファイバーの曲げ部半径である。
【0010】
Δneff=ncore−neff、式中、Δneffは、それぞれのモード及びコアの屈折率の差である。
【0011】
前述の内容に基づいて、Δneff≦Δnbendである場合、基本モードは、移動され、外部コア領域(即ち、シフトの方向又は曲げ部の中心に関連する方向と反対の領域)の状況と関連付けられる。
【0012】
歪みのパラメータS=Δnbend/Δneff
【0013】
Δneff〜C*(1/Rcore)2であるので、Sは、R3coreに比例している。従って、半径が小さい程、歪みも小さくなる。
【0014】
本開示によれば、異なった寸法軸を特徴とする非円形構成を有するコアを備えたアクティブ又はパッシブファイバーが提供される。曲げ部沿いのモード歪みを最小限に抑えるために、ファイバーの最短軸が曲げ部の平面に位置するように、ファイバーは、配置される。開示するファイバーの外側クラッドは、短軸の配向が、適正なスプール処理及び追加的な設置のために分かり易いように、適切にマークが付される。
【0015】
本開示は、以下の図面によって図示されて更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】それぞれより小さい及びより大きい半径の曲げ部に沿って延在するファイバーの円形形状コアの中のモードの挙動を示す図である。
【図1B】それぞれより小さい及びより大きい半径の曲げ部に沿って延在するファイバーの円形形状コアの中のモードの挙動を示す図である。
【図2A】本開示によって構成された例示的な楕円形状の非対称性コアのそれぞれ立面側面図及び断面図である。
【図2B】本開示によって構成された例示的な楕円形状の非対称性コアのそれぞれ立面側面図及び断面図である。
【図3】図2Bの非対称性コアの短軸の方向を示すしるしを備えた開示するファイバーのクラッドにマークを付する技法を示す図である。
【図4】開示するファイバーの非対称性コアの改造を示す図である。
【図5】コアの短軸が曲げ部の平面に位置する場合、図6のコアによって対応されるモードの歪みを示す図である。
【図6】非対称性コアの短軸が、曲げ部の平面に対して垂直な平面に位置する場合、図6のコアによって対応されるモードの歪みを示す図である。
【図7】図5及び図6のそれぞれの2つの曲げ部平面に対する曲げ部半径からのモード面積歪みの度合いの依存を図示するグラフである。
【図8】開示するファイバーの非対称性コアのさらなる例示的なそれぞれの形状を示す図である。
【図9】開示するファイバーの非対称性コアのさらなる例示的なそれぞれの形状を示す図である。
【図10A】開示する非対称性コアの開示する製造の工程において使用される例示的な技法を示す図である。
【図10B】開示する非対称性コアの開示する製造の工程において使用される例示的な技法を示す図である。
【図11】開示する工程の段階の1つを示す図である。
【図12】開示するファイバーを組み込んでいるファイバーレーザーシステムである。
【図13】図12で示されるシステムを包囲するハウジングの底面の半分の図である。
【図14】図12のシステムの個別のパッシブ及びアクティブファイバーそれぞれの構成を示す図である。
【図15】開示するファイバーのさらなる改造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これより、開示するシステムについて詳細に述べてゆく。同じ又は類似の部品又は段階を指すための図面及び説明の中では、可能な限り同じ又は類似の参照番号を使用する。上へ、下へなどのような、しかしこれらに限定されない、方向を示す用語は、もっぱら、薄板状の平面に関するものと解釈されるべきものである。図面は、簡略化された形態になっており、正確な縮尺とは異なるものである。
【0018】
図2A及び図2Bは、多くの可能な構成の開示するLMAファイバー10の1つを図示している。ファイバー10は、1つ又はそれ以上のクラッド18(1つだけ図示される)を含んでおり、MMコア12は、クラッドに包囲されていて、レアアース元素の1つ又は組み合わせを用いてドーピングされている。マルチモードコア12は、単一の、好ましくは基本の横モード又は所望の波長での希少モードに対応するように構成されている。開示するファイバーの図示される実施例から示されるように、コア12は、楕円形状の断面を有している。ファイバー10は、分極保持ファイバーであっても、そうでなくてもよく、ファイバーは、更に、アクティブでも又はパッシブでもよい。
【0019】
マルチモード楕円形コア12は、短軸14及び長軸16を備えて構成されている(図2B)。本開示によれば、非対称性形状のコア12を備えているアクティブファイバー10は、短軸14が曲げ部の平面に沿って且つ曲げ部の平面の中で伸張するように、曲げ部に沿って配置されている。
【0020】
図3は、曲げ部に沿ってファイバー10を正しく配置するための単純で効果的な構造を使用者に提供する技法の1つを図示している。特に、開示する製造工程の引き抜き加工段階の間、外側クラッド18は、図2Aでも分かるように、短軸14の配向を示すマーキング20が提供されている。これは、塗料溜め25から所望の方向に沿って塗料をクラッドに塗布することによって、容易に実現することができる。
【0021】
図4は、それぞれが半径Rを備えた対向する曲線延伸部と、それぞれが長さLを有していて曲線延伸部の間に架かっている2つの直線的な延伸部と、を備えている幾らか改造されたコア22を図示している。コア22の中の基本モードは、図3のコア12の中のように、長軸に沿って細長くなっている。
【0022】
図5及び図6は、図4のコア22のモード形状変化を図示している。コア22が非対称性であるので、モード挙動は、曲げ部が延在する平面に依存している。図5では、曲げ部の中心は、短軸14上に位置している、即ち、ファイバーは、曲げ部平面に位置している短軸に沿って曲げられている。モード24は、その形状を実質的に維持しており、コア22の中心に対してほんの僅かだけ移動している。対照的に、曲げ部が長軸16の平面の中に延在する場合、図6で示されるように、モードの歪みは、縮小されたモード面積と、コア22の中心から外周に向かってモードを移すことによってはっきりと明示されている。
【0023】
図7は、2つの異なる曲げ部平面、0度及び90度に対する曲げ部半径からのモード面積の依存性を図示している。0度のグラフは、より大きいモード歪みを明確に示している。
【0024】
図8及び図9を参照すると、コア形状、ひいてはモード強度プロファイルは、楕円形状に限定されるものではなく、どの様な、標準的な形状又は変則的な形状でも製造することができる。標準的な形状は、例えば、三角形、長方形、星形等を含むが、これらに限定されない、多角形形状であってもよい。図8は、長方形で表示された多角形形状の実施例を図示している。図9は、内向きに曲がった側部が間に架かった2つの直線的側部を含む変則的な形状の実施例を図示している。本開示によるコアの幾何学の臨界は、最小であるものの1つを備えた複数の軸の存在である。一般的には、コア形状は、プレフォーム全体を通した切り込みの数と、切り込みが延在する深さ及び方向と、工程温度と、の関数である。
【0025】
図10A及び図10Bは、楕円形コア12を有するファイバー10の製造方法を概略的に図示している。プレフォーム30(図10A)に、直径方向に対向する切り込み32を提供する。ファイバーに引き抜き加工が施されるに従い、円形コア34は、図10Bに示されるコアの楕円形状に順応する。
【0026】
図11は、長方形コアを構成するための技法を図示している。後者を受けるため、一対の直径方向に対向していて異なる寸法の刻み目40をそれぞれ含む2対の切り込みがプレフォーム42に作られる。一般的には、切り込みは、全て所望のコア形状次第で、均一であっても、均一でなくてもよく、直径方向に非対称性に配置されてもよく、異なる深さ及び方向を有してもよい。
【0027】
図12は、1つ又はそれ以上のレアアース元素を用いてドーピングされていて、例えば、楕円形状の断面を有するマルチモード(MM)コアを備えて構成される大モード面積ファイバー52を備えている、ファイバーレーザーシステム50を図示している。レーザーシステム50は、入力及び出力パッシブファイバー56、58を更に含んでいてもよく、それぞれ、基本モードの伝播をサポートしている。パッシブファイバーは、それぞれ、単一モード又はマルチモード構造を有していてもよく、パッシブファイバーがマルチモードファイバーとして構成される場合、その様なファイバーの入力時、実質的に基本モードのみが励起される。システム50は、サイドポンプスキームに従ってポンプ光をアクティブファイバー52の中へ放出するパッシブMM送達ファイバー60によって完了される。
【0028】
図13は、ファイバーブロックのハウジング62の底部64を図式的に図示している。ファイバーブロック62は、様々な形状であってもよいが、図示されるものは楕円形状を有している。底部64は、2つの曲げ部68を有する経路に沿って図12のアクティブファイバー52を受け取り、かつ案内するように構成されるガイド66を備えている。アクティブファイバーは、従って、ガイド66の対向する曲げ部68に対応する2つの曲線延伸部を有している。本開示によれば、アクティブファイバーは、非対称性形状のコアを備えて提供され、コアの最短軸が各曲げ部68の曲線区域に沿って伸張するように曲げ部に沿って延在している。
【0029】
高出力ファイバーレーザーの急増に伴って、しばしば厳しい要件が出力光の品質及び出力に適用される。入力ファイバー56からMMコア54へ放出される信号光及び後者における高次モードの励起の容認できない出力損失を防止するために、アクティブファイバー52の基本モードのモードフィールド直径は、入力ファイバー56のものと実質的に一致する必要がある。これらは、2つの以下に示す構成によって獲得することができる。
【0030】
図14を参照しながら図12の視点で後者を考察すると、パッシブ入力及び出力ファイバーそれぞれ56、及び58は、各々が、好ましくは、しかし必ずしもというわけではないが、実質的に均一の楕円形SMコア54を備えて構成される。従って、パッシブ及びアクティブファイバーが突き合せスプライシングされる場合、実質的に、アクティブファイバー52の中の基本モードだけの励起を可能にする、それぞれのコアが整列される。図12に関連して考察される、図16は、最小限の光損失を実現する他の構成を図示している。特に、アクティブファイバー52は、異なるコアプロファイルを有する、交互に入れ替わる領域62、64をそれぞれ用いて引き抜き加工が施される。領域62は、通常円形コアを有しており、一方で領域64は、非対称性形状のコア及び外側表面上にしるしを備えて構成され、しるしは、コアの短軸の正しい配向を示している。入力及び出力領域62それぞれの円形コアは、各々が、入力パッシブファイバー56(図12)によって対応されるSM信号光のMFDが、アクティブファイバー60の基本モードのものと実質的に一致するような形状及び寸法になっている。同様に、SMパッシブ出力ファイバー58は、それらのファイバーの間で突き合せスプライシング領域を通って伝播する円形プロファイル基本モードが、実質的な出力を少しも損失しないような構成になっている。アクティブファイバー52は、更に、円形プロファイルがそれに沿って楕円形に変形し、再び円形に戻る、領域62と64の間に遷移領域を有しているように構成されている。
【0031】
最も実用的で好適な実施形態であると確信されるものを提示して説明してきたが、記述及び提示した特定の設計及び方法からの離脱は、それ自体、当業者に対して示唆されるものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く使用されてもよいものであることは明白である。本発明は、記述及び図示された特定の構造に制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲の中に含まれる場合があるあらゆる改造と首尾一貫するものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0032】
12 コア
14 短軸
16 長軸
18 クラッド
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】J.M.Fini “Dsign of LMA amplifier fibers resistant to bend-induced distortion”,Vol.24,No.8/Augusy/2007,Journal of Optical Society of America
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの長軸と、前記長軸より短く、それを横断して延在する短軸と、を伴う非対称性形状のコアの少なくとも1つの延伸部と、前記コアを包囲し、前記短軸の前記配向を示すマーキングを有する最も外側のクラッドと、を備える光アクティブファイバー。
【請求項2】
前記短軸は、前記少なくとも1つの延伸部の曲げ部領域に沿って延在し、且つ前記曲げ部領域と同一の平面上にある、請求項1に記載のファイバー。
【請求項3】
前記コアは、1つ又はそれ以上のレアアースイオンを用いてドーピングされておらず、又はドーピングされており、コアが実質的に基本モード又はごく少しのモードに対応する1つの所望の波長を除いた波長の領域においてマルチモードに対応するように構成される、請求項1に記載のファイバー。
【請求項4】
前記基本モードは、前記非対称性形状のコアの形状に適合する形状を有する、請求項3に記載のファイバー。
【請求項5】
前記コアの前記形状は、標準的又は変則的である、請求項4に記載のファイバー。
【請求項6】
前記コアの前記標準的な形状は、多角形状又は楕円形状を含む、請求項5に記載のファイバー。
【請求項7】
前記コアと同心の少なくとも1つの追加的なクラッドと、最も外側のクラッドと、を更に備え、前記コア及びクラッドは、大モード面積(LMA)ファイバー構成を画定するように構成される、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項8】
前記LMAファイバー構成が、分極保持構造又は分極保持ではない構造を含む、請求項7に記載の光ファイバー。
【請求項9】
前記コアは、少なくとも1つの追加的な対称性形状の延伸部を有する、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項10】
アクティブファイバーを製造する方法であって、
(a)1つ又はそれ以上のレアアースイオンによりドーピングされた、非対称性形状のコアを伴う前記ファイバーの少なくとも1つの延伸部に引き抜き加工を施すことであって、それによって、その中の1つが最短軸である複数の軸を伴う前記コアを構成する、少なくとも1つの延伸部に引き抜き加工を施すことと、
(b)(a)と同時に、前記最短軸の前記配向を示すために、前記コアを包囲する前記ファイバーの最も外側のクラッドにマーキングをすることと、を含む方法。
【請求項11】
前記ファイバーに引き抜き加工を施す前に、プレフォーム上に複数の切り込みを提供することを更に含み、前記切り込みは、
均一な又は様々な角度距離だけ相互に離間して配置され、
均一の角度又は様々な角度で相互に対して延在し、
均一な形状及び寸法である又は異なる形状及び寸法である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ファイバーを曲げることを更に含み、それによって、平面を有する曲げ部を形成し、前記最短軸は、前記曲げ部の前記平面に沿って伸張し且つ前記曲げ部の前記平面の中に位置する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ファイバーに引き抜き加工を施すことは、円形形状を備えたコアを有する少なくとも1つの追加的な延伸部に引き抜き加工を施すことを更に含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
複数の代替的なもの及び追加的なファイバー延伸部に引き抜き加工を施すことと、それぞれの1つの延伸部又はそれぞれの追加的な延伸部の始点と終点に色の識別を付することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
相互に向かい合っていて、それぞれ離間された端部を有する入力及び出力パッシブファイバーと、
ポンプ光を案内するコアレスポンプ光送達ファイバーと、
隣り合った構成で延在し、前記送達ファイバーから前記ポンプ光を受ける光アクティブファイバーであって、
入力及び出力パッシブファイバーそれぞれの離間された端部それぞれと突き合せスプライシングされた対向する端部と、
少なくとも1つの長軸と前記長軸を横断して伸張する最短軸を伴う非対称性形状のコアの少なくとも1つの延伸部と、
前記コアを包囲し、前記短軸の前記配向を示すマーキングを有する最も外側のクラッドと、を有する、光アクティブファイバーと、が提供される少なくとも1つのファイバー利得ブロックを備える、ファイバーレーザーシステム。
【請求項16】
前記アクティブファイバーの前記コアが、所望の波長で実質的に基本モード又はごく僅かなモードに対応することができるマルチモード(MM)コアとして構成され、前記入力及び出力パッシブファイバーは、各々が、実質的に、前記アクティブファイバーの前記コアと同一の構造をした非対称性形状コアを備えて構成され、前記突き合わせスプライシングされた端部を通した前記所望の波長での信号光伝播が、最小限の損失を有する、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項17】
前記アクティブファイバーは、前記1つの延伸部の側面に位置する複数の追加的な延伸部を伴って構成され、各々が、円形に成型された前記コアの一部を有する、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項18】
前記入力及び出力パッシブファイバーは、各々が、マルチモード又は単一モード(SM)ファイバーである、請求項16に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項19】
前記非対称性コアの前記最短軸が前記曲がり部の前記平面の中で伸張するように、前記利得ブロックが、平面の中に位置し且つ前記アクティブファイバーの前記1つの延伸部を受ける、少なくとも1つの曲がり部を有する案内を提供されたハウジングを有する、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項20】
前記アクティブファイバーは、分極保持ファイバー又は分極保持でないファイバーから選択された大モード面積ファイバーである、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項1】
少なくとも1つの長軸と、前記長軸より短く、それを横断して延在する短軸と、を伴う非対称性形状のコアの少なくとも1つの延伸部と、前記コアを包囲し、前記短軸の前記配向を示すマーキングを有する最も外側のクラッドと、を備える光アクティブファイバー。
【請求項2】
前記短軸は、前記少なくとも1つの延伸部の曲げ部領域に沿って延在し、且つ前記曲げ部領域と同一の平面上にある、請求項1に記載のファイバー。
【請求項3】
前記コアは、1つ又はそれ以上のレアアースイオンを用いてドーピングされておらず、又はドーピングされており、コアが実質的に基本モード又はごく少しのモードに対応する1つの所望の波長を除いた波長の領域においてマルチモードに対応するように構成される、請求項1に記載のファイバー。
【請求項4】
前記基本モードは、前記非対称性形状のコアの形状に適合する形状を有する、請求項3に記載のファイバー。
【請求項5】
前記コアの前記形状は、標準的又は変則的である、請求項4に記載のファイバー。
【請求項6】
前記コアの前記標準的な形状は、多角形状又は楕円形状を含む、請求項5に記載のファイバー。
【請求項7】
前記コアと同心の少なくとも1つの追加的なクラッドと、最も外側のクラッドと、を更に備え、前記コア及びクラッドは、大モード面積(LMA)ファイバー構成を画定するように構成される、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項8】
前記LMAファイバー構成が、分極保持構造又は分極保持ではない構造を含む、請求項7に記載の光ファイバー。
【請求項9】
前記コアは、少なくとも1つの追加的な対称性形状の延伸部を有する、請求項1に記載の光ファイバー。
【請求項10】
アクティブファイバーを製造する方法であって、
(a)1つ又はそれ以上のレアアースイオンによりドーピングされた、非対称性形状のコアを伴う前記ファイバーの少なくとも1つの延伸部に引き抜き加工を施すことであって、それによって、その中の1つが最短軸である複数の軸を伴う前記コアを構成する、少なくとも1つの延伸部に引き抜き加工を施すことと、
(b)(a)と同時に、前記最短軸の前記配向を示すために、前記コアを包囲する前記ファイバーの最も外側のクラッドにマーキングをすることと、を含む方法。
【請求項11】
前記ファイバーに引き抜き加工を施す前に、プレフォーム上に複数の切り込みを提供することを更に含み、前記切り込みは、
均一な又は様々な角度距離だけ相互に離間して配置され、
均一の角度又は様々な角度で相互に対して延在し、
均一な形状及び寸法である又は異なる形状及び寸法である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ファイバーを曲げることを更に含み、それによって、平面を有する曲げ部を形成し、前記最短軸は、前記曲げ部の前記平面に沿って伸張し且つ前記曲げ部の前記平面の中に位置する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ファイバーに引き抜き加工を施すことは、円形形状を備えたコアを有する少なくとも1つの追加的な延伸部に引き抜き加工を施すことを更に含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
複数の代替的なもの及び追加的なファイバー延伸部に引き抜き加工を施すことと、それぞれの1つの延伸部又はそれぞれの追加的な延伸部の始点と終点に色の識別を付することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
相互に向かい合っていて、それぞれ離間された端部を有する入力及び出力パッシブファイバーと、
ポンプ光を案内するコアレスポンプ光送達ファイバーと、
隣り合った構成で延在し、前記送達ファイバーから前記ポンプ光を受ける光アクティブファイバーであって、
入力及び出力パッシブファイバーそれぞれの離間された端部それぞれと突き合せスプライシングされた対向する端部と、
少なくとも1つの長軸と前記長軸を横断して伸張する最短軸を伴う非対称性形状のコアの少なくとも1つの延伸部と、
前記コアを包囲し、前記短軸の前記配向を示すマーキングを有する最も外側のクラッドと、を有する、光アクティブファイバーと、が提供される少なくとも1つのファイバー利得ブロックを備える、ファイバーレーザーシステム。
【請求項16】
前記アクティブファイバーの前記コアが、所望の波長で実質的に基本モード又はごく僅かなモードに対応することができるマルチモード(MM)コアとして構成され、前記入力及び出力パッシブファイバーは、各々が、実質的に、前記アクティブファイバーの前記コアと同一の構造をした非対称性形状コアを備えて構成され、前記突き合わせスプライシングされた端部を通した前記所望の波長での信号光伝播が、最小限の損失を有する、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項17】
前記アクティブファイバーは、前記1つの延伸部の側面に位置する複数の追加的な延伸部を伴って構成され、各々が、円形に成型された前記コアの一部を有する、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項18】
前記入力及び出力パッシブファイバーは、各々が、マルチモード又は単一モード(SM)ファイバーである、請求項16に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項19】
前記非対称性コアの前記最短軸が前記曲がり部の前記平面の中で伸張するように、前記利得ブロックが、平面の中に位置し且つ前記アクティブファイバーの前記1つの延伸部を受ける、少なくとも1つの曲がり部を有する案内を提供されたハウジングを有する、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【請求項20】
前記アクティブファイバーは、分極保持ファイバー又は分極保持でないファイバーから選択された大モード面積ファイバーである、請求項15に記載のファイバーレーザーシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−516787(P2013−516787A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548005(P2012−548005)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053646
【国際公開番号】WO2012/054047
【国際公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(505296692)アイピージー フォトニクス コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053646
【国際公開番号】WO2012/054047
【国際公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(505296692)アイピージー フォトニクス コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】
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