非接触スイッチ装置
【課題】人体又は人体の一部の略静止状態を検知するのが不向きな移動体検知センサを使用した非接触スイッチ装置において、簡易な信号処理により略静止状態を確実に検知可能にすること。
【解決手段】発振器11と、送信アンテナ12と、受信アンテナ13と、検波部14と、を有するドップラセンサ100と、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部18とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値の降下を緩やかにする第一の信号保持回路と、前記信号保持回路から出力された出力信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行い、機器へON/OFFの信号を出力する第一の比較回路とを有することを特徴とする非接触スイッチを提供する。
【解決手段】発振器11と、送信アンテナ12と、受信アンテナ13と、検波部14と、を有するドップラセンサ100と、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部18とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値の降下を緩やかにする第一の信号保持回路と、前記信号保持回路から出力された出力信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行い、機器へON/OFFの信号を出力する第一の比較回路とを有することを特徴とする非接触スイッチを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の検知対象範囲内に検知対象物が滞在している状態を確実に検知できる非接触スイッチ装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の発明は、人体の有無を非接触で検知するドップラセンサを使用し、前記センサのドップラ効果により検知対象物の有無又は移動体を検知している。検知対象物の有無を検知するには測距センサ(例えば、特許文献1参照)、接近や離遠等の動体検知には移動体検知センサ(例えば、特許文献2参照)が使用されてきた。
【特許文献1】特開2006−98099号公報
【特許文献2】特開2005−182256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非接触スイッチ装置で機器を動作させ続けるためには、手や足又は体の一部の略静止状態を検知し続ける事が必要であるが、それには測距センサが必要である。しかしながら、測距センサは構成が複雑かつ高価である。また、動体検知用センサは安価であるが、人体の接近及び離遠を検知する目的で構造されているため、略静止状態の検知には不向きである。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、安価で簡易だが略静止状態検知には不向きな移動体検知センサを使用し、信号処理により人体又は人体の一部の略静止状態を確実に検知するというものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために請求項1の発明によれば、外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値の降下を緩やかにする第一の信号保持回路と、前記信号保持回路から出力された出力信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行い、機器へON/OFFの信号を出力する第一の比較回路とを有することを特徴とする。
【0005】
好ましくは、外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値と、予め定められた閾値との比較を行った結果をON/OFFのディジタル信号として出力する第二の比較回路と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFするのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として機器に出力する第二の信号保持回路とを有することを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記第一、第二の信号保持回路は、マイクロコンピュータによる電圧変換計算を行い、ドップラセンサ又は比較回路からの所定時間内での複数のON信号間の電圧値を保持し1つのON信号にする構成であることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前期第一、第二の信号保持回路は、コンデンサ及び抵抗、コンデンサ及び抵抗及び整流素子の組み合わせを用い、ドップラセンサ又は比較回路からの出力信号の電圧値の降下を緩やかにする構成であることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはOFF信号を出力することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはON信号を出力することを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはON信号を出力することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはON信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはOFF信号を出力することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記信号処理部は、制御信号を出力するディジタル変換回路を備えたことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、検知対象範囲内に検知対象物が存在しないときの、ドップラセンサから出力される出力信号電圧が、予め定められた基準電圧となるように調整する出力信号調整回路を設けたことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、非接触スイッチ装置及び機器の駆動電源は、機器動作時の負荷変動による電流の変動に対しての影響を防止する電源安定回路を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、人体又は人体の一部の略静止状態を検知するのが不向きな移動体検知センサを使用した非接触スイッチ装置において、簡易な信号処理により略静止状態を確実に検知可能になるという効果がある。
【0016】
本発明の一態様によれば、信号保持回路によりドップラセンサ又は比較回路からの出力信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、ドップラセンサからの出力信号が閾値近傍で上下しても激しいON/OFFを起こさせず、略静止状態を確実に検知可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)1について、図面に基いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置100は、外部に信号を送信するための送信波を生成する発振器11と、前記送信波を送信する送信アンテナ12と、前記送信アンテナから送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、前記送受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される交流成分の信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15a と、前記信号保持回路15aから出力される信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行う比較回路16とを備えている。
【0018】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信アンテナ13により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0019】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0020】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0021】
受信アンテナ13は、送信アンテナ12が照射し人体又は人体の一部19に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0022】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。前記検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図2(a)に示す様な人体検知信号31を信号処理部18へ出力する。
【0023】
図2(a)に、検波部14からの人体検知信号31を示す。人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図2(a)、接近}、人体又は人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図2(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図2(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0024】
信号処理部18は、検波部14から出力された検波信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15aと、前記信号保持回路15aから出力された電圧値と予め設定された閾値との比較を行いON/OFF信号を出力する比較回路16とを備えている。
【0025】
信号保持回路15aは、整流素子と並列抵抗、並列コンデンサを含んで構成される。図2(a)の人体検知信号31は、整流素子を通過することにより交流信号のマイナス成分がカットされ、図2(b)の様な半波整流波形32になる。その後の並列コンデンサ及び並列抵抗により、図2(b)の半波整流波形32は、図2(c)の様な電圧の降下を緩やかにした波形33に処理され、比較回路16に出力される。
半波整流波形にすることにより、比較回路16で使用する閾値34が一本で済むため経済的である。また、このとき抵抗に可変抵抗を用いることにより、信号を保持するための時定数を変化させ容易に検知感度を変更可能になるという効果がある。
【0026】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図2(c)及び図3(a)の電圧の降下を緩やかにした波形33と、図3(a)の閾値34との比較を行い、図3(b)の、比較回路16の出力波形35を出力する。
【0027】
比較回路16の形態としては、人体非検知時はOFF、人体検知時はON信号を出力する請求項6、又はその逆である請求項7のどちらでも問わない。
【0028】
以上のように、非接触スイッチ装置100により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、信号保持回路15aにより検波信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検波信号が閾値近傍で上下しても激しいON/OFFを起こさせない様にすることが可能である。つまり、信号処理により正確に検知対象物の有無を検知し続ける事が可能である。
また、検波部14からの出力信号として交流成分の信号を扱う事により、人体非検知時は常に0Vで安定しており、誤検知の恐れが少ない。さらに、交流成分の信号であるため半波整流回路での信号処理が可能であるため簡易である。
【0029】
以下、実施形態2について、図面に基いて説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置101は、外部に信号を送信するための送信信号を生成する発振器11と、送信波をを送信する送信アンテナ12と、送信アンテナから送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される交流成分の信号の電圧値とあらかじめ定められた閾値との比較を行う比較回路16と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力する信号保持回路15bとを備えている。
【0030】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0031】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0032】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0033】
受信アンテナ13は、送信アンテナ11が照射し人体又は人体の一部に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0034】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図5(a)に示す様な人体検知信号41を信号処理部18へ出力する。
【0035】
図5(a)に、検波部14からの人体検知信号41を示す。人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図5(a)、接近}、人体または人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図5(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図5(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0036】
信号処理部18は、検波部14から出力された電圧値とあらかじめ設定された閾値との比較を行いディジタル信号を出力する比較回路16と、比較回路16からの出力信号が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるための信号保持回路15bとを備えている。
【0037】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図5(a)の人体検知信号41と、図5(a)の閾値42との比較を行い、図5(b)の比較回路の出力信号43を出力する。比較回路16で使用する閾値42の調整に可変抵抗を用いることにより、信号を保持するための時定数を変化させ容易に検知感度を変更可能になるという効果がある。
【0038】
信号保持回路15bは、マイクロコンピュータにより構成される。図5(b)の比較回路の出力信号43は、マイクロコンピュータにより、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力するため図6の波形44の様になる。このようにすることで、比較回路16の出力信号が激しくON/OFFを繰り返しても、機器には安定したON信号のみが出力されるため、機器の激しいON/OFFを防止することが可能である。また、マイクロコンピュータからの出力信号をディジタル信号とすれば、アナログ信号で発生しがちな外乱ノイズを無視出来るという効果がある。
【0039】
比較回路16の形態としては、人体非検知時はOFF、人体検知時はON信号を出力する請求項6、又はその逆である請求項7のどちらでも問わない。
【0040】
以上のように、非接触スイッチ装置101により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も激しいON/OFFを起こさせず、マイクロコンピュータによる信号保持回路15bによりOFF信号の無効時間を詳細に設定することが可能である。よって、スイッチとしては非常に細かい検知感度設定及び制御が可能である。また、検波部14からの出力信号として交流成分の信号を扱う事により、人体非検知時は常に0Vで安定しており、誤検知の恐れが少ない。
【0041】
以下、実施形態3について、図面に基いて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置102は、外部に信号を送信するための送信波を生成する発振器11と、前記送信波を送信する送信アンテナ12と、前記送信アンテナ12から送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、前記送受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される直流成分の信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15cと、前記信号保持回路15cから出力される信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行う比較回路16とを備えている。
【0042】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部13により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0043】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0044】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0045】
受信アンテナ13は、送信アンテナ12が照射し人体又は人体の一部に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0046】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。前記検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図8(a)に示す様な人体検知信号51を信号処理部18へ出力する。
【0047】
図8(a)に、検波部14からの人体検知信号51を示す。人体又は人体の一部19がセンサ部17に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図8(a)、接近}、人体または人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図8(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図8(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0048】
信号処理部18は、検波部14から出力された検波信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15cと、前記信号保持回路15cから出力された電圧値と予め設定された閾値との比較を行いON/OFF信号を出力する比較回路16とを備えている。
【0049】
信号保持回路15cは、直列抵抗、並列コンデンサを含んで構成される。図8(a)の検波回路の出力信号51は、直列抵抗及び並列コンデンサにより、図8(b)の様に電圧の下降を緩やかにした波形52に処理され、比較回路16に出力される。また、このとき抵抗に可変抵抗を用いることにより、信号を保持するための時定数を変化させ容易に検知感度を変更可能になるという効果がある。
【0050】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図8(b)の電圧の降下を緩やかにした波形52と、図9(a)の閾値53との比較を行い、図9(b)の、比較回路の出力波形54を出力する。出力信号を挟む上下の閾値で比較するため、検知対象範囲内に検知対象物が存在しないとき、ドップラセンサ部17から出力される出力信号電圧が使用環境により多少変動しても正確に検知可能になるという効果がある。
【0051】
比較回路16の形態としては、人体非検知時はON、人体検知時はOFF信号を出力する請求項4、又はその逆である請求項5のどちらでも問わない。
【0052】
以上のように、非接触スイッチ装置102により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、検波信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検波信号が閾値近傍で上下し激しいON/OFFを起こさせない様にすることが可能である。つまり、信号処理により正確に検知対象物の有無を検知し続ける事が可能である。
また、検波部14からの出力信号として直流成分の信号を扱う事により、閾値2本で信号を挟む様な形になるため、信号が上下どちらに振れても直ちに出力が反転するため非常に高感度なセンシングが可能であること、又、この閾値の幅で検知距離が変化するため、上下閾値の調整を可変抵抗により行う構成にすれば、容易に検知距離を変更することが可能である。
【0053】
以下、実施形態4について、図面に基いて説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置103は、外部に信号を送信するための送信信号を生成する発振器11と、送信波をを送信する送信アンテナ12と、送信アンテナから送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される直流成分の信号の電圧値とあらかじめ定められた閾値との比較を行う比較回路16と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力する信号保持回路15dとを備えている。
【0054】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0055】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0056】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0057】
受信アンテナ13は、送信アンテナ11が照射し人体又は人体の一部に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0058】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図11(a)に示す様な人体検知信号61を信号処理部18へ出力する。
【0059】
図11(a)に、検波部14からの人体検知信号61を示す。人体又は人体の一部19がドップラセンサ部に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図11(a)、接近}、人体または人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図11(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図11(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0060】
信号処理部18は、検波部14から出力された電圧値とあらかじめ設定された閾値との比較を行いディジタル信号を出力する比較回路16と、比較回路16からの出力信号が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるための信号保持回路15dとを備えている。
【0061】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図5(a)の人体検知信号61と、図11(a)の閾値62との比較を行い、図11(b)の比較回路の出力信号63を出力する。出力信号を挟む上下の閾値で比較するため、検知対象範囲内に検知対象物が存在しないとき、ドップラセンサ部17から出力される出力信号電圧が使用環境により多少変動しても正確に検知可能になるという効果がある。
【0062】
信号保持回路15dは、マイクロコンピュータで構成される。図11(b)の比較回路の出力信号53は、マイクロコンピュータによる信号処理により、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力するため図12(a)の波形64の様になる。このようにすることで、比較回路16の出力信号が激しくON/OFFを繰り返しても、機器には安定したON信号のみが出力されるため、機器の激しいON/OFFを防止することが可能である。また、マイクロコンピュータからの出力信号をディジタル信号とすれば、アナログ信号で発生しがちな外乱ノイズを無視出来るという効果がある。
【0063】
以上のように、非接触スイッチ装置103により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、検波信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検波信号が閾値近傍で上下し激しいON/OFFを起こさせない様にすることが可能である。つまり、信号処理により正確に検知対象物の有無を検知し続ける事が可能である。
また、検波部14からの出力信号として直流成分の信号を扱う事により、閾値2本で信号を挟む様な形になる。この閾値の幅で検知距離が変化するため、上下閾値の調整を可変抵抗により行う構成にすれば、容易に検知距離を変更することが可能である。また、マイクロコンピュータのによる信号保持回路15dによりOFF信号の無効時間を詳細に設定することが可能である。よって、スイッチとしては非常に細かい制御が可能である。
【0064】
以下、実施形態5について説明する。
信号処理部は、信号保持回路と比較回路により構成され、例えば図1、図2の様に順番が異なることがある。信号保持回路が後段であり、かつ信号保持回路が抵抗及びコンデンサを使用したものであれば、信号処理部としての出力信号はアナログ信号となる。
【0065】
信号処理部内、最後段にディジタル変換回路(図示無し)を備えることにより、機器への制御信号はディジタル信号となり、トランジスタ等のスイッチング素子を駆動させるための信号として使用することが可能である。
【0066】
以下、実施形態6について、図面に基いて説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る出力信号調整回路の一例を示すブロック図である。
ドップラセンサ部17の後段に、検波部14の出力信号値を調整する出力信号調整回路20を備えている。
【0067】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、出力信号調整回路20へ出力される。
【0068】
出力信号調整回路20は、デジタルポテンションメーターにより構成される。
【0069】
検知対象物である人体又は人体の一部19からの反射信号がない時、つまり非検知時の検波部14からの出力信号は通常一定であるが、温度又は湿度等の使用環境により一定にはならない。出力信号調整回路20を設けることにより、非検知時の検波部14から信号処理部18に出力される出力信号は常に一定に保たれる。よって、使用環境による検知精度の低下及び誤検知を防ぐことが可能となる。
【0070】
以下、実施形態7について、図面に基いて説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る電源安定回路を設置した場合の一例を示すブロック図である。非接触スイッチ装置100と、機器制御装置21と、機器駆動部22により構成される。それぞれの電源として、DC/DCコンバータ23を2個使用する。
【0071】
機器駆動部22が、水流を調整する電磁弁である場合、その動作には大電流が必要となるため、非接触スイッチ装置100と同じ電源である場合、大電流の消費により回路内で負荷変動が生じ、検知不良が生じることがある。
【0072】
DC/DCコンバータ23を設置することにより、非接触スイッチ装置100と機器制御装置21及び機器駆動部22の電源を別にすることが可能である。これにより、機器駆動部22動作時に生じる負荷変動による電流の変動に対しての、非接触スイッチ100への影響を防止することが可能となり、安定した動作が可能となる。
【0073】
以下、実施形態8について、図面に基いて説明する。
図15は、上記非接触スイッチ装置を備えたオストメイト用汚物流し71の説明図である。図15には、二つの陶器昇降用非接触センサ72を設ける。それぞれに非接触スイッチ装置を隠蔽し、オストメイト用汚物流し71の上昇、下降用とする。本実施例では非接触スイッチ隠蔽の板材を樹脂又は陶器とし、移動体検知センサの送受信波としてマイクロ波を用いることにより、樹脂や陶器を透過するマイクロ波の性質から、送信アンテナ及び受信アンテナを隠蔽可能である。
【0074】
人体又は人体の一部を検知する流れは実施例1から4のどれでも可能である。図15の陶器昇降用非接触センサ72はぞれぞれ陶器の上昇及び下降を制御するスイッチとして使用する。この部分に手をかざすことにより、非接触スイッチ装置は手を検知し、スイッチとしてON信号を出力する。出力されたON信号により上昇及び下降のための機構を動作させ、手をかざし続けている間は機構を動作させ続ける。
【0075】
以上の様に、手などをかざし続けている間は上昇又は下降をさせることが可能である。よって、陶器高さ調整が容易に可能となり、使用者は所望の陶器高さで汚物流しを使用することが可能となる。また、非接触で高さを調整できるため、接触式の調整機構よりも衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図2】本発明の実施形態1に係わる、人体検知信号及び信号保持回路の出力波形
【図3】本発明の実施形態1に係わる、比較回路の出力波形
【図4】本発明の実施形態2に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図5】本発明の実施形態2に係わる、人体検知信号及び比較回路の出力波形
【図6】本発明の実施形態2に係わる、信号保持回路の出力波形
【図7】本発明の実施形態3に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図8】本発明の実施形態3に係わる、人体検知信号及び信号保持回路の出力波形
【図9】本発明の実施形態3に係わる、比較回路の出力波形
【図10】本発明の実施形態4に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図11】本発明の実施形態4に係わる、人体検知信号及び比較回路の出力波形
【図12】本発明の実施形態4に係わる、信号保持回路の出力波形
【図13】本発明の実施形態5に係わる、非接触スイッチ装置及び出力信号調整回路のブロック図
【図14】本発明の実施形態6に係わる、電源安定化回路のブロック図
【図15】本発明の実施形態7に係わる非接触スイッチ装置を、オストメイト用汚物流しに設置した説明図
【符号の説明】
【0077】
11:発振器、12:送信アンテナ、13:受信アンテナ、14:検波部、15a〜d:信号保持回路、16:比較回路、17:ドップラセンサ部、18:信号処理部、19:人体又は人体の一部、20:出力信号調整回路、21:機器制御部、22:機器駆動部、31:人体検知信号(交流)、32:半波整流波形、33:電圧の降下を穏やかにした波形、34:閾値、35:比較回路の出力信号、41、:人体検知信号(交流)、42:閾値、43:比較回路の出力信号、44:所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号とした波形、51:人体検知信号(直流)、52:電圧の降下を緩やかにした波形、53:閾値(2本)、54:比較回路の出力信号、61:人体検知信号(直流)、62:閾値(2本)、63:比較回路の出力信号、64:所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号とした波形、71:オストメイト用汚物流し、72:陶器昇降用非接触センサ、100〜103:非接触スイッチ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の検知対象範囲内に検知対象物が滞在している状態を確実に検知できる非接触スイッチ装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の発明は、人体の有無を非接触で検知するドップラセンサを使用し、前記センサのドップラ効果により検知対象物の有無又は移動体を検知している。検知対象物の有無を検知するには測距センサ(例えば、特許文献1参照)、接近や離遠等の動体検知には移動体検知センサ(例えば、特許文献2参照)が使用されてきた。
【特許文献1】特開2006−98099号公報
【特許文献2】特開2005−182256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非接触スイッチ装置で機器を動作させ続けるためには、手や足又は体の一部の略静止状態を検知し続ける事が必要であるが、それには測距センサが必要である。しかしながら、測距センサは構成が複雑かつ高価である。また、動体検知用センサは安価であるが、人体の接近及び離遠を検知する目的で構造されているため、略静止状態の検知には不向きである。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、安価で簡易だが略静止状態検知には不向きな移動体検知センサを使用し、信号処理により人体又は人体の一部の略静止状態を確実に検知するというものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために請求項1の発明によれば、外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値の降下を緩やかにする第一の信号保持回路と、前記信号保持回路から出力された出力信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行い、機器へON/OFFの信号を出力する第一の比較回路とを有することを特徴とする。
【0005】
好ましくは、外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値と、予め定められた閾値との比較を行った結果をON/OFFのディジタル信号として出力する第二の比較回路と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFするのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として機器に出力する第二の信号保持回路とを有することを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記第一、第二の信号保持回路は、マイクロコンピュータによる電圧変換計算を行い、ドップラセンサ又は比較回路からの所定時間内での複数のON信号間の電圧値を保持し1つのON信号にする構成であることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前期第一、第二の信号保持回路は、コンデンサ及び抵抗、コンデンサ及び抵抗及び整流素子の組み合わせを用い、ドップラセンサ又は比較回路からの出力信号の電圧値の降下を緩やかにする構成であることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはOFF信号を出力することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはON信号を出力することを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはON信号を出力することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはON信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはOFF信号を出力することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記信号処理部は、制御信号を出力するディジタル変換回路を備えたことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、検知対象範囲内に検知対象物が存在しないときの、ドップラセンサから出力される出力信号電圧が、予め定められた基準電圧となるように調整する出力信号調整回路を設けたことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、非接触スイッチ装置及び機器の駆動電源は、機器動作時の負荷変動による電流の変動に対しての影響を防止する電源安定回路を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、人体又は人体の一部の略静止状態を検知するのが不向きな移動体検知センサを使用した非接触スイッチ装置において、簡易な信号処理により略静止状態を確実に検知可能になるという効果がある。
【0016】
本発明の一態様によれば、信号保持回路によりドップラセンサ又は比較回路からの出力信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、ドップラセンサからの出力信号が閾値近傍で上下しても激しいON/OFFを起こさせず、略静止状態を確実に検知可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)1について、図面に基いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置100は、外部に信号を送信するための送信波を生成する発振器11と、前記送信波を送信する送信アンテナ12と、前記送信アンテナから送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、前記送受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される交流成分の信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15a と、前記信号保持回路15aから出力される信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行う比較回路16とを備えている。
【0018】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信アンテナ13により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0019】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0020】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0021】
受信アンテナ13は、送信アンテナ12が照射し人体又は人体の一部19に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0022】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。前記検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図2(a)に示す様な人体検知信号31を信号処理部18へ出力する。
【0023】
図2(a)に、検波部14からの人体検知信号31を示す。人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図2(a)、接近}、人体又は人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図2(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図2(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0024】
信号処理部18は、検波部14から出力された検波信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15aと、前記信号保持回路15aから出力された電圧値と予め設定された閾値との比較を行いON/OFF信号を出力する比較回路16とを備えている。
【0025】
信号保持回路15aは、整流素子と並列抵抗、並列コンデンサを含んで構成される。図2(a)の人体検知信号31は、整流素子を通過することにより交流信号のマイナス成分がカットされ、図2(b)の様な半波整流波形32になる。その後の並列コンデンサ及び並列抵抗により、図2(b)の半波整流波形32は、図2(c)の様な電圧の降下を緩やかにした波形33に処理され、比較回路16に出力される。
半波整流波形にすることにより、比較回路16で使用する閾値34が一本で済むため経済的である。また、このとき抵抗に可変抵抗を用いることにより、信号を保持するための時定数を変化させ容易に検知感度を変更可能になるという効果がある。
【0026】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図2(c)及び図3(a)の電圧の降下を緩やかにした波形33と、図3(a)の閾値34との比較を行い、図3(b)の、比較回路16の出力波形35を出力する。
【0027】
比較回路16の形態としては、人体非検知時はOFF、人体検知時はON信号を出力する請求項6、又はその逆である請求項7のどちらでも問わない。
【0028】
以上のように、非接触スイッチ装置100により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、信号保持回路15aにより検波信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検波信号が閾値近傍で上下しても激しいON/OFFを起こさせない様にすることが可能である。つまり、信号処理により正確に検知対象物の有無を検知し続ける事が可能である。
また、検波部14からの出力信号として交流成分の信号を扱う事により、人体非検知時は常に0Vで安定しており、誤検知の恐れが少ない。さらに、交流成分の信号であるため半波整流回路での信号処理が可能であるため簡易である。
【0029】
以下、実施形態2について、図面に基いて説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置101は、外部に信号を送信するための送信信号を生成する発振器11と、送信波をを送信する送信アンテナ12と、送信アンテナから送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される交流成分の信号の電圧値とあらかじめ定められた閾値との比較を行う比較回路16と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力する信号保持回路15bとを備えている。
【0030】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0031】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0032】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0033】
受信アンテナ13は、送信アンテナ11が照射し人体又は人体の一部に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0034】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図5(a)に示す様な人体検知信号41を信号処理部18へ出力する。
【0035】
図5(a)に、検波部14からの人体検知信号41を示す。人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図5(a)、接近}、人体または人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図5(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図5(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0036】
信号処理部18は、検波部14から出力された電圧値とあらかじめ設定された閾値との比較を行いディジタル信号を出力する比較回路16と、比較回路16からの出力信号が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるための信号保持回路15bとを備えている。
【0037】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図5(a)の人体検知信号41と、図5(a)の閾値42との比較を行い、図5(b)の比較回路の出力信号43を出力する。比較回路16で使用する閾値42の調整に可変抵抗を用いることにより、信号を保持するための時定数を変化させ容易に検知感度を変更可能になるという効果がある。
【0038】
信号保持回路15bは、マイクロコンピュータにより構成される。図5(b)の比較回路の出力信号43は、マイクロコンピュータにより、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力するため図6の波形44の様になる。このようにすることで、比較回路16の出力信号が激しくON/OFFを繰り返しても、機器には安定したON信号のみが出力されるため、機器の激しいON/OFFを防止することが可能である。また、マイクロコンピュータからの出力信号をディジタル信号とすれば、アナログ信号で発生しがちな外乱ノイズを無視出来るという効果がある。
【0039】
比較回路16の形態としては、人体非検知時はOFF、人体検知時はON信号を出力する請求項6、又はその逆である請求項7のどちらでも問わない。
【0040】
以上のように、非接触スイッチ装置101により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も激しいON/OFFを起こさせず、マイクロコンピュータによる信号保持回路15bによりOFF信号の無効時間を詳細に設定することが可能である。よって、スイッチとしては非常に細かい検知感度設定及び制御が可能である。また、検波部14からの出力信号として交流成分の信号を扱う事により、人体非検知時は常に0Vで安定しており、誤検知の恐れが少ない。
【0041】
以下、実施形態3について、図面に基いて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置102は、外部に信号を送信するための送信波を生成する発振器11と、前記送信波を送信する送信アンテナ12と、前記送信アンテナ12から送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、前記送受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される直流成分の信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15cと、前記信号保持回路15cから出力される信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行う比較回路16とを備えている。
【0042】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部13により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0043】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0044】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0045】
受信アンテナ13は、送信アンテナ12が照射し人体又は人体の一部に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0046】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。前記検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図8(a)に示す様な人体検知信号51を信号処理部18へ出力する。
【0047】
図8(a)に、検波部14からの人体検知信号51を示す。人体又は人体の一部19がセンサ部17に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図8(a)、接近}、人体または人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図8(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図8(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0048】
信号処理部18は、検波部14から出力された検波信号の電圧値の降下を緩やかにする信号保持回路15cと、前記信号保持回路15cから出力された電圧値と予め設定された閾値との比較を行いON/OFF信号を出力する比較回路16とを備えている。
【0049】
信号保持回路15cは、直列抵抗、並列コンデンサを含んで構成される。図8(a)の検波回路の出力信号51は、直列抵抗及び並列コンデンサにより、図8(b)の様に電圧の下降を緩やかにした波形52に処理され、比較回路16に出力される。また、このとき抵抗に可変抵抗を用いることにより、信号を保持するための時定数を変化させ容易に検知感度を変更可能になるという効果がある。
【0050】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図8(b)の電圧の降下を緩やかにした波形52と、図9(a)の閾値53との比較を行い、図9(b)の、比較回路の出力波形54を出力する。出力信号を挟む上下の閾値で比較するため、検知対象範囲内に検知対象物が存在しないとき、ドップラセンサ部17から出力される出力信号電圧が使用環境により多少変動しても正確に検知可能になるという効果がある。
【0051】
比較回路16の形態としては、人体非検知時はON、人体検知時はOFF信号を出力する請求項4、又はその逆である請求項5のどちらでも問わない。
【0052】
以上のように、非接触スイッチ装置102により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、検波信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検波信号が閾値近傍で上下し激しいON/OFFを起こさせない様にすることが可能である。つまり、信号処理により正確に検知対象物の有無を検知し続ける事が可能である。
また、検波部14からの出力信号として直流成分の信号を扱う事により、閾値2本で信号を挟む様な形になるため、信号が上下どちらに振れても直ちに出力が反転するため非常に高感度なセンシングが可能であること、又、この閾値の幅で検知距離が変化するため、上下閾値の調整を可変抵抗により行う構成にすれば、容易に検知距離を変更することが可能である。
【0053】
以下、実施形態4について、図面に基いて説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る非接触スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
非接触スイッチ装置103は、外部に信号を送信するための送信信号を生成する発振器11と、送信波をを送信する送信アンテナ12と、送信アンテナから送信された送信波の人体又は人体の一部19からの反射波を受信する受信アンテナ13と、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部14と、前記検波部14から出力される直流成分の信号の電圧値とあらかじめ定められた閾値との比較を行う比較回路16と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力する信号保持回路15dとを備えている。
【0054】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、信号処理部18へ出力される。
【0055】
発振器11は、送信波を発生する誘電体共振器を含んで構成される。発振器11は、送信波を送信アンテナ12を介して送信するとともに、送信波を検波部14に供給する。
【0056】
送信アンテナ12は、発振器11から供給された送信波を送信アンテナ前面に送信する。
【0057】
受信アンテナ13は、送信アンテナ11が照射し人体又は人体の一部に反射し戻ってきた反射波を受信するとともに、受信した反射波を検波部14に送信する。
【0058】
検波部14は、非線形素子を含んで構成される。検波部14は、送信波と受信波の周波数差を求め、図11(a)に示す様な人体検知信号61を信号処理部18へ出力する。
【0059】
図11(a)に、検波部14からの人体検知信号61を示す。人体又は人体の一部19がドップラセンサ部に接近することによりドップラ信号が現れ始め{図11(a)、接近}、人体または人体の一部19が略静止状態となったときは検知信号が小さくなる{図11(a)、略静止状態}。また、人体又は人体の一部19がドップラセンサ部17から離遠することにより再びドップラ信号が現れ{図11(a)、離遠}、検知対象範囲外まで離れれば、ドップラ信号は消える。
【0060】
信号処理部18は、検波部14から出力された電圧値とあらかじめ設定された閾値との比較を行いディジタル信号を出力する比較回路16と、比較回路16からの出力信号が激しくON/OFFを繰り返すのを避けるための信号保持回路15dとを備えている。
【0061】
比較回路16は、比較器を含んで構成される。比較回路16は、図5(a)の人体検知信号61と、図11(a)の閾値62との比較を行い、図11(b)の比較回路の出力信号63を出力する。出力信号を挟む上下の閾値で比較するため、検知対象範囲内に検知対象物が存在しないとき、ドップラセンサ部17から出力される出力信号電圧が使用環境により多少変動しても正確に検知可能になるという効果がある。
【0062】
信号保持回路15dは、マイクロコンピュータで構成される。図11(b)の比較回路の出力信号53は、マイクロコンピュータによる信号処理により、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として出力するため図12(a)の波形64の様になる。このようにすることで、比較回路16の出力信号が激しくON/OFFを繰り返しても、機器には安定したON信号のみが出力されるため、機器の激しいON/OFFを防止することが可能である。また、マイクロコンピュータからの出力信号をディジタル信号とすれば、アナログ信号で発生しがちな外乱ノイズを無視出来るという効果がある。
【0063】
以上のように、非接触スイッチ装置103により、検知対象範囲内に検知対象物が略静止状態で滞在している場合も、検波信号の電圧値の下降を緩やかにすることにより、検波信号が閾値近傍で上下し激しいON/OFFを起こさせない様にすることが可能である。つまり、信号処理により正確に検知対象物の有無を検知し続ける事が可能である。
また、検波部14からの出力信号として直流成分の信号を扱う事により、閾値2本で信号を挟む様な形になる。この閾値の幅で検知距離が変化するため、上下閾値の調整を可変抵抗により行う構成にすれば、容易に検知距離を変更することが可能である。また、マイクロコンピュータのによる信号保持回路15dによりOFF信号の無効時間を詳細に設定することが可能である。よって、スイッチとしては非常に細かい制御が可能である。
【0064】
以下、実施形態5について説明する。
信号処理部は、信号保持回路と比較回路により構成され、例えば図1、図2の様に順番が異なることがある。信号保持回路が後段であり、かつ信号保持回路が抵抗及びコンデンサを使用したものであれば、信号処理部としての出力信号はアナログ信号となる。
【0065】
信号処理部内、最後段にディジタル変換回路(図示無し)を備えることにより、機器への制御信号はディジタル信号となり、トランジスタ等のスイッチング素子を駆動させるための信号として使用することが可能である。
【0066】
以下、実施形態6について、図面に基いて説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る出力信号調整回路の一例を示すブロック図である。
ドップラセンサ部17の後段に、検波部14の出力信号値を調整する出力信号調整回路20を備えている。
【0067】
ドップラセンサ部17は、発振器11により生成された送信波を送信アンテナ12より送信し、送信された送信波は、検知対象物である人体又は人体の一部19に反射することにより、前記反射波が受信信号として受信アンテナ13に受信される。受信部により受信された受信信号と前記送信信号を基に、検波部14により検波信号が導出され、出力信号調整回路20へ出力される。
【0068】
出力信号調整回路20は、デジタルポテンションメーターにより構成される。
【0069】
検知対象物である人体又は人体の一部19からの反射信号がない時、つまり非検知時の検波部14からの出力信号は通常一定であるが、温度又は湿度等の使用環境により一定にはならない。出力信号調整回路20を設けることにより、非検知時の検波部14から信号処理部18に出力される出力信号は常に一定に保たれる。よって、使用環境による検知精度の低下及び誤検知を防ぐことが可能となる。
【0070】
以下、実施形態7について、図面に基いて説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る電源安定回路を設置した場合の一例を示すブロック図である。非接触スイッチ装置100と、機器制御装置21と、機器駆動部22により構成される。それぞれの電源として、DC/DCコンバータ23を2個使用する。
【0071】
機器駆動部22が、水流を調整する電磁弁である場合、その動作には大電流が必要となるため、非接触スイッチ装置100と同じ電源である場合、大電流の消費により回路内で負荷変動が生じ、検知不良が生じることがある。
【0072】
DC/DCコンバータ23を設置することにより、非接触スイッチ装置100と機器制御装置21及び機器駆動部22の電源を別にすることが可能である。これにより、機器駆動部22動作時に生じる負荷変動による電流の変動に対しての、非接触スイッチ100への影響を防止することが可能となり、安定した動作が可能となる。
【0073】
以下、実施形態8について、図面に基いて説明する。
図15は、上記非接触スイッチ装置を備えたオストメイト用汚物流し71の説明図である。図15には、二つの陶器昇降用非接触センサ72を設ける。それぞれに非接触スイッチ装置を隠蔽し、オストメイト用汚物流し71の上昇、下降用とする。本実施例では非接触スイッチ隠蔽の板材を樹脂又は陶器とし、移動体検知センサの送受信波としてマイクロ波を用いることにより、樹脂や陶器を透過するマイクロ波の性質から、送信アンテナ及び受信アンテナを隠蔽可能である。
【0074】
人体又は人体の一部を検知する流れは実施例1から4のどれでも可能である。図15の陶器昇降用非接触センサ72はぞれぞれ陶器の上昇及び下降を制御するスイッチとして使用する。この部分に手をかざすことにより、非接触スイッチ装置は手を検知し、スイッチとしてON信号を出力する。出力されたON信号により上昇及び下降のための機構を動作させ、手をかざし続けている間は機構を動作させ続ける。
【0075】
以上の様に、手などをかざし続けている間は上昇又は下降をさせることが可能である。よって、陶器高さ調整が容易に可能となり、使用者は所望の陶器高さで汚物流しを使用することが可能となる。また、非接触で高さを調整できるため、接触式の調整機構よりも衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態1に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図2】本発明の実施形態1に係わる、人体検知信号及び信号保持回路の出力波形
【図3】本発明の実施形態1に係わる、比較回路の出力波形
【図4】本発明の実施形態2に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図5】本発明の実施形態2に係わる、人体検知信号及び比較回路の出力波形
【図6】本発明の実施形態2に係わる、信号保持回路の出力波形
【図7】本発明の実施形態3に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図8】本発明の実施形態3に係わる、人体検知信号及び信号保持回路の出力波形
【図9】本発明の実施形態3に係わる、比較回路の出力波形
【図10】本発明の実施形態4に係わる、非接触スイッチ装置のブロック図
【図11】本発明の実施形態4に係わる、人体検知信号及び比較回路の出力波形
【図12】本発明の実施形態4に係わる、信号保持回路の出力波形
【図13】本発明の実施形態5に係わる、非接触スイッチ装置及び出力信号調整回路のブロック図
【図14】本発明の実施形態6に係わる、電源安定化回路のブロック図
【図15】本発明の実施形態7に係わる非接触スイッチ装置を、オストメイト用汚物流しに設置した説明図
【符号の説明】
【0077】
11:発振器、12:送信アンテナ、13:受信アンテナ、14:検波部、15a〜d:信号保持回路、16:比較回路、17:ドップラセンサ部、18:信号処理部、19:人体又は人体の一部、20:出力信号調整回路、21:機器制御部、22:機器駆動部、31:人体検知信号(交流)、32:半波整流波形、33:電圧の降下を穏やかにした波形、34:閾値、35:比較回路の出力信号、41、:人体検知信号(交流)、42:閾値、43:比較回路の出力信号、44:所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号とした波形、51:人体検知信号(直流)、52:電圧の降下を緩やかにした波形、53:閾値(2本)、54:比較回路の出力信号、61:人体検知信号(直流)、62:閾値(2本)、63:比較回路の出力信号、64:所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号とした波形、71:オストメイト用汚物流し、72:陶器昇降用非接触センサ、100〜103:非接触スイッチ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値の降下を緩やかにする第一の信号保持回路と、前記信号保持回路から出力された出力信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行い、機器へON/OFFの信号を出力する第一の比較回路とを有することを特徴とする非接触スイッチ装置。
【請求項2】
外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値と、予め定められた閾値との比較を行った結果をON/OFFのディジタル信号として出力する第二の比較回路と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFするのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として機器に出力する第二の信号保持回路とを有することを特徴とする非接触スイッチ装置。
【請求項3】
前記第一、第二の信号保持回路は、マイクロコンピュータによる電圧変換計算を行い、ドップラセンサ又は比較回路からの所定時間内での複数のON信号間の電圧値を保持し1つのON信号にする構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項4】
前期第一、第二の信号保持回路は、コンデンサ及び抵抗、コンデンサ及び抵抗及び整流素子の組み合わせを用い、ドップラセンサ又は比較回路からの出力信号の電圧値の降下を緩やかにする構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項5】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはON信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはOFF信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項6】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはON信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項7】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはON信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項8】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはON信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはOFF信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項9】
前記信号処理部は、制御信号を出力するディジタル変換回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の非接触スイッチ装置。
【請求項10】
検知対象範囲内に検知対象物が存在しないときの、ドップラセンサから出力される出力信号電圧が、予め定められた基準電圧となるように調整する出力信号調整回路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項11】
非接触スイッチ装置及び機器の駆動電源は、機器動作時の負荷変動による電流の変動に対しての影響を防止する電源安定回路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項1】
外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値の降下を緩やかにする第一の信号保持回路と、前記信号保持回路から出力された出力信号の電圧値と予め定められた閾値との比較を行い、機器へON/OFFの信号を出力する第一の比較回路とを有することを特徴とする非接触スイッチ装置。
【請求項2】
外部へ送信する送信波を生成する発振器と、前記発振器で生成された送信波を外部へ送信する送信アンテナと、送信波の反射により得られた受信波を受信する受信アンテナと、送信波と受信波を基に生成される出力信号を導出する検波部と、を有するドップラセンサと、前記ドップラセンサから出力される出力信号を信号処理して機器へ制御信号を伝送する信号処理部とを有する非接触スイッチ装置において、前記信号処理部は、検知対象範囲内の検知対象物を検知し変化した出力信号の電圧値と、予め定められた閾値との比較を行った結果をON/OFFのディジタル信号として出力する第二の比較回路と、短時間内におけるディジタル信号のON/OFFの繰り返しにより、機器が激しくON/OFFするのを避けるため、ON信号が出力されてから所定時間の間はOFF信号を無効とし、ON信号として機器に出力する第二の信号保持回路とを有することを特徴とする非接触スイッチ装置。
【請求項3】
前記第一、第二の信号保持回路は、マイクロコンピュータによる電圧変換計算を行い、ドップラセンサ又は比較回路からの所定時間内での複数のON信号間の電圧値を保持し1つのON信号にする構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項4】
前期第一、第二の信号保持回路は、コンデンサ及び抵抗、コンデンサ及び抵抗及び整流素子の組み合わせを用い、ドップラセンサ又は比較回路からの出力信号の電圧値の降下を緩やかにする構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項5】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはON信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはOFF信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項6】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より電圧の高い上限値及び電圧の低い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と下限値の間に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値と下限値の間から外れたときはON信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項7】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはOFF信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはON信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項8】
前記第一、第二の比較回路は、任意の電圧値より高い上限値又は任意の電圧値より低く0Vよりも高い下限値を設定し、前記ドップラセンサ又は信号保持回路からの出力信号が上限値と0V間又は下限値より上に滞在しているときはON信号、前記出力信号が上限値を超えているとき又は下限値を下回っているときはOFF信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項9】
前記信号処理部は、制御信号を出力するディジタル変換回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の非接触スイッチ装置。
【請求項10】
検知対象範囲内に検知対象物が存在しないときの、ドップラセンサから出力される出力信号電圧が、予め定められた基準電圧となるように調整する出力信号調整回路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【請求項11】
非接触スイッチ装置及び機器の駆動電源は、機器動作時の負荷変動による電流の変動に対しての影響を防止する電源安定回路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の非接触スイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−32514(P2008−32514A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205806(P2006−205806)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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