説明

非接触リーダおよび/またはライタを具える情報処理装置、および磁気的結合用のコイル・アンテナ

情報処理装置(2)は非接触リーダ/ライタ(90)を具え、その非接触リーダ/ライタは、磁気的結合によってRF変調キャリア信号を送信および/または受信するための複数の巻数のコイル・アンテナ(110)を具えている。そのコイル・アンテナ(110)は、送受信機(92)に結合され、電気的シールド(70)と筐体(10)の外被(78)の間の筐体内の空間に配置されている。そのコイル・アンテナ(110)は、1つの中心軸(C1)の周りに所定の長さ(L1)にわたって所定の直径で概ね筒状に所定巻数(N1)だけ巻かれており、その所定の長さの一端にコイル面(P1)を有する。その1つの中心軸上に位置するそのコイル面側のその外被の部分とそのコイル面の間にはその電気的シールド(70)の部分が存在せず、そのコイル・アンテナ(110)の外側部はその電気的シールドから所定の距離(dS2)だけ離して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、非接触スマートカードおよびRF IDタグに対する読み取りおよび/または書き込みを行う装置に関し、特に、非接触スマートカードおよびRF IDタグに対して読み取りおよび書き込みを行うのに用いられるコイル・アンテナの構造および配置に関する。
【背景技術】
現在、非接触スマートカード即ち非接触ICカードおよびRF IDタグに対する読み取りおよび書き込みを行う非接触リーダおよび/またはライタ(以下、単にリーダ/ライタともいう)がますます広く用いられるようになっている。非接触スマートカードは入退室管理、個人認証、交通切符および電子マネー、等に用いられ、RF IDタグは物品管理、入退室管理および物流管理、等に用いられている。また、これら非接触スマートカードおよびRF IDタグを利用したPAN(Personal Area Network)通信も提案されている。そのリーダ/ライタは、将来、特にパーソナル・コンピュータ、PDAおよび携帯電話機、等の小型の情報処理機器に組み込まれると予想される。また、PDAおよび携帯電話機、等のモバイル機器に、非接触スマートカードおよびRF IDタグの機能が組み込まれると予想される。
図19は、それぞれのコイル・アンテナANTを介した情報処理装置10に組み込まれている非接触リーダ/ライタ(R/W)90と非接触スマートカードまたはRF IDタグ20との間の磁気的結合または変成器結合によるRF信号の送受信を示している。リーダ/ライタ90は非接触スマートカード20に対して、コマンド信号で変調されたキャリア信号を送出する。カード20はこの変調キャリア信号を整流して自己の駆動電力を得る。リーダ/ライタ90からの変調磁界の強度が十分であるとき、非接触スマートカード20の電源がオンとなり、リーダ/ライタ90のコマンドに応答して通信が開始される。非接触スマートカード20は、キャリア信号を生成せず、リーダ/ライタ90からの変調キャリア信号磁界を変調することによって、リーダ/ライタ90にコマンド応答等を送る。この変調キャリア信号の送受信は、通常、それぞれの面積の大きい平面コイル・アンテナを介して磁気的結合または変成器結合によって行われる。
非接触スマートカード20とリーダ/ライタ90の間で通信を行うためには、その双方のコイル・アンテナの磁気的環境が良好でなければならない。しかし、ノートブック型パーソナル・コンピュータ、PDAおよび携帯電話機、等の小型機器は、内蔵コンポーネントからの不要RF信号の放射を防止するために、機器の筐体や基板、または内蔵コンポーネント上に電気的金属シールドが施されており、そのような機器にカードまたはリーダ/ライタを収容しようとすると、コイル・アンテナによる磁界の形成が妨害され通信が良好に行えなくなる。
齋藤氏によって2001年10月12日付けで公開された特開2001−284935号公報には、小型の携帯無線機に内蔵可能な電磁波無線通信用の小型アンテナ装置が記載されている。接地導体を用いて小型アンテナを構成するとともに、ループアンテナ素子を直線状或いは非直線状の平行部6aと非直線状の第1及び第2の立ち上り部で構成し、接地導体と共にアンテナ装置が構成される。
山本氏、他によって1999年8月6日付けで公開された特開平11−213116号公報には、曲げに強く、製造の手間がかからず、電界の乱れが発生しない非接触型スマートカードが記載されている。そのカードにおいて、中間シートは、隣接対向する2つの線形穴を1組として有する絶縁シートと、絶縁シートの対をなす線形穴間に挟まれた部分を軸としてその両面および側面に導体パターン層が螺旋状に形成されたアンテナ・コイルと、アンテナ・コイルの終端に接続されたICチップとを備えている。中間シートは、その両面をそれぞれカード形状の樹脂層または紙層で覆われている。
リーダ/ライタ90のコイル・アンテナANTによって良好な磁界を形成するためには、非接触スマートカード20とリーダ/ライタ90の双方のコイル・アンテナに対する電気的シールドの影響をなくす必要がある。1つの解決方法として、コイル・アンテナのサイズに対応する大きさ分だけ筐体の電気的シールドそのものを除去することができる。しかし、この場合、機器内で発生する不要RF信号放射の防止が不充分になる。別の方法として、筐体の電気的シールドとコイル・アンテナの間隔を大きくすることができる。しかし、この場合、コイル・アンテナと電気的シールドの間に余分な空間が形成されるので、機器の筐体設計上、特にPDAおよび携帯電話機等の究極の小型化を目指す機器にとって、不利である。さらに別の方法として、コイル・アンテナを筐体の外部に取り付けることができる。しかし、この場合、筐体に余分な突出部分が形成されるので、機器の筐体設計上不利である。さらに別の方法として、筐体とコイル・アンテナの間に高透磁率のシートを配置して、電気的シールドに近接してコイル・アンテナの良好な磁界を形成することができる。しかし、高透磁率のシートはコストが高い。
発明者たちは、安価で筐体の設計に対する影響が小さく機器に内蔵可能なコイル・アンテナを提供することに対するニーズが存在すると認識した。
本発明の目的は、機器の小さい内部空間に収容可能な小さいコイル・アンテナを実現することである。
本発明の別の目的は、機器の小さい内部空間にコイル・アンテナが収容された情報処理装置を実現することである。
本発明のさらに別の目的は、簡単で低コストのコイル・アンテナを有する情報処理装置を実現することである。
発明の概要
本発明の特徴によれば、情報処理装置は、絶縁性の外被部分を有する筐体と、その筐体内に設けられた電気的シールドと、その筐体内に設けられた非接触リーダおよび/またはライタと、を具え、その非接触リーダおよび/またはライタは、その筐体内に設けられていて、RF変調キャリア信号を送信および/または受信する送受信機と、その送受信機に結合され、その電気的シールドとその外被の間のその筐体内の空間に配置され、磁気的結合によってRF変調キャリア信号を送信および/または受信するための複数の巻数のコイル・アンテナと、を具え、そのコイル・アンテナは、1つの中心軸の周りに所定の長さにわたって所定の直径で概ね筒状に所定巻数だけ巻かれており、その所定の長さの一端にコイル面を有し、その1つの中心軸上に位置するそのコイル面側のその外被の部分とそのコイル面の間にはその電気的シールドの部分が存在せず、そのコイル・アンテナの外側部はその電気的シールドから所定の距離だけ離して配置されている。
本発明の別の特徴によれば、磁気的結合用の複数の巻数のコイル・アンテナは、所定の厚さを有する絶縁性の基板に配置されており、一方の軸が前記基板の主要面に垂直になるようにL字状に互いに概ね直交する第1と第2の軸の周りにその第1と第2の軸に沿った連続する所定の長さにわたって巻かれている。その所定の長さの一端にその第1の軸の周りに巻かれた第1のコイル面を有する。その所定の長さの他端にその第2の軸の周りに巻かれた第2のコイル面を有する。
本発明によれば、機器の小さい内部空間に収容可能な小さいコイル・アンテナを実現することができ、機器の小さい内部空間にコイル・アンテナが収容された情報処理装置を実現することができ、また簡単で低コストのコイル・アンテナを実現できる。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
図1A〜1Dは、本発明の実施形態による、情報入力または情報提示領域を有する情報処理装置の筐体の内部に設けられた非接触リーダおよび/またはライタ用のコイル・アンテナを示している。
図2A〜2Cは、本発明の別の実施形態による、情報入力または情報提示領域を有する情報処理装置の筐体の内部に設けられた非接触リーダおよび/またはライタ用の他のコイル・アンテナを示している。
図3は、本発明のさらに別の実施形態による、情報入力または情報提示領域を有する情報処理装置の筐体の内部に設けられた非接触リーダおよび/またはライタ用のさらに別のコイル・アンテナを示している。
図4Aは図1Aおよび1Bの筐体の線4A−4Aに沿った垂直断面図である。図4Bは図1Aの筐体の線4B−4Bに沿った垂直断面図である。図4Cは図1Bの筐体の線4C−4Cに沿った垂直断面図である。
図5Aおよび5Bは、それぞれ図1Aおよび1Bのコイル・アンテナの上面拡大図と右側面拡大図を示しており、図4A〜4Cにおけるコイル・アンテナの電気的シールドの外面からの距離を示している。
図6Aは図1Cおよび1Dの筐体10の線6A−6Aに沿った垂直断面図である。
図6Bは図1Cの筐体の線6B−6Bに沿った垂直断面図である。
図6Cは図1Dの筐体の線6C−6Cに沿った垂直断面図である。
図7Aおよび7Bは、それぞれ図1Cおよび1Dのコイル・アンテナの上面拡大図と右側面拡大図を示しており、図6A〜6Cにおけるコイル・アンテナの電気的シールドの外面からの距離を示している。
図8Aは、図2Aおよび2Bの筐体の線8A−8Aに沿った垂直断面図である。
図8Bは、図2Aの筐体の線8B−8Bに沿った垂直断面図である。
図8Cは、図2Aの筐体の線8C−8Cに沿った垂直断面図である。
図9Aは、図2Cの筐体の線9A−9Aに沿った垂直断面図である。
図9Bは、図2Cの筐体の線9B−9Bに沿った垂直断面図である。
図10は、図3の筐体の線10−10に沿った垂直断面図である。
図11は、図2A〜2Cおよび3の拡大図を示しており、図2A〜2Cおよび3におけるコイル・アンテナの電気的シールドの外面からの距離を示している。
図12は、本発明のさらに別の実施形態による、情報処理装置の筐体の図3の位置に設けられた非接触リーダおよび/またはライタ用のコイル・アンテナを示している。
図13A〜13Dは、本発明の他の実施形態による、概ね長方形状に巻かれたコイル・アンテナの様々な構造を示している。
図14は、筐体の長方形状の上側主要面の一辺または周縁部の互いに近い位置に配置されたコイル・アンテナを示している。
図15は、筐体の長方形状の上側主要面の4つの隅部に配置された水平方向の中心軸を有する4つのコイル・アンテナを示している。
図16は、筐体の長方形状の上側主要面の4つの隅部に配置された垂直方向の中心軸を有する4つのコイル・アンテナを示している。
図17は、筐体として表示部筐体の上端部にコイル・アンテナが設けられたノートブック型パーソナル・コンピュータを示している。
図18A〜18Dは、情報処理装置の内部の長方形状の上側主要面の一辺に設けられたアンテナ・ユニットを示している。
図19は、それぞれのコイル・アンテナANTを介した情報処理装置に組み込まれているリーダ/ライタと非接触スマートカードまたはRF IDタグとの間の磁気的結合または変成器結合によるRF信号の送受信を示している。
好ましい実施形態の詳細な説明
図1A〜1Dは、本発明の実施形態による、例えば液晶表示装置、キーボードまたはキーパッドのような情報入力または情報提示装置12を有する、例えばノートブック型パーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)または携帯電話機のような情報処理装置2の筐体10の内部に設けられた非接触リーダ/ライタ用のコイル・アンテナ100および106を示している。図面において、破線矢印は、コイル・アンテナにより発生する磁束を示している。
図19を参照すると、情報処理装置2のリーダ/ライタ90は、CPUに結合された送受信機92を具えていて、そのコイル・アンテナANTを介して、送受信機24に結合されたコイル・アンテナANTを有する非接触スマートカードまたはRF IDタグ20と間での磁気的結合または変成器結合によるRF信号の送受信を行う。情報処理装置2は、移動電話通信および無線LAN通信のような遠隔電磁波RF信号通信用の別のアンテナを具えていてもよい。磁気的結合または変成器結合によるRF信号の送受信に用いられるコイル・アンテナANTは、通常、最大でも数十センチメートルまでの距離範囲の通信に用いられ、通常の電磁波RF信号の遠隔送受信に用いられるアンテナとは設計の条件が異なるので、電磁波RF信号の送受信に用いられるアンテナで代用または兼用することはできない。
図1A〜1Dでは、筐体10は、情報入力または情報提示装置12が配置された広い主要面を有する薄い概ね直方体の形状を有するが、これに限定されることなくその他の形状を有していてもよい。筐体10の内部の、例えばマイクロプロセッサおよびハードディスク・ドライブのようなコンポーネントからの外部への不要電磁波RF信号の放射を防止するために筐体10の内部にはそのようなコンポーネントを覆うように電気的金属シールドが設けられている。リーダ/ライタ90は、その電気的シールドの外部に配置されていても、その内部に配置されていてもよい。
コイル・アンテナ100および106は、図1A〜1Dでは、1本の中心軸を有する概ね円筒状の外形を有し、即ち中心軸の周りにその中心軸に沿って所定の長さにわたって所定の直径で複数の巻数、例えば20巻だけ巻かれている。コイル・アンテナ100および106は、その電気的シールドの外側にかつ非導電性の外被の内側に配置されている。非接触スマートカード20は、リーダ/ライタ90との間での変調キャリアの送受信のためにコイル・アンテナ100および106の端部のコイル面の近くに置かれることが好ましい。
図1Aにおいて、コイル・アンテナ100は、垂直方向の中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の一辺または周縁部の位置50の凹所に配置されており、筐体10の非導電性外被の上面部分側と底面部分側にコイル・アンテナ100の上端および下端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図1Bにおいて、コイル・アンテナ100は、垂直方向の中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の隅部52の凹所に配置されており、筐体10の非導電性外被の上面部分側と底面部分側にコイル・アンテナ100の上端および下端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図1Cにおいて、コイル・アンテナ106は、水平方向の中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の一辺または周縁部の位置50の凹所に配置されており、筐体10の内側の電気的シールド外面部分側と非導電性外被の側面部分側にコイル・アンテナ106の左端および右端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図1Dにおいて、コイル・アンテナ106は、水平方向の中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の隅部52の凹所に配置されており、筐体10の内側の電気的シールド外面部分側と非導電性外被の側面部分側にコイル・アンテナ106の左端および右端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図2A〜2Cおよび3は、本発明の別の実施形態による、情報入力または情報提示装置12を有する情報処理装置2の筐体10の内部に設けられた非接触リーダおよび/またはライタ90用の他のコイル・アンテナ110および120を示している。コイル・アンテナ110および120は、互いに交差する2本の中心軸を有する概ね円筒状の外形を有し、即ちL字状に互いに概ね直交する2本の中心軸の周りにその2つの中心軸に沿って連続する所定の長さにわたって複数の巻数、例えば20巻だけ巻かれている。情報処理装置2のその他の構成は、図1A〜1Dのものと同様である。
図2Aにおいて、コイル・アンテナ120は、垂直方向および水平方向の2つの中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の一辺または周縁部の位置50の凹所に配置されており、筐体10の非導電性外被の上面部分側と側面部分側にコイル・アンテナ100の上端および右端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図2Bにおいて、コイル・アンテナ110は、垂直方向および水平方向の2つの中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の隅部52の凹所に配置されており、筐体10の非導電性外被の上面部分側と側面部分側にコイル・アンテナ100の上端および右端のコイル面がそれぞれ配置されている。
2つの中心軸は互いに直交するのが最も好ましいが、正確に直交している必要はない。
図2Cにおいて、コイル・アンテナ114は、水平方向の異なる2つの中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の一辺または周縁部の位置50の凹所に配置されており、筐体10の非導電性外被の前側面部分側と右側面部分側にコイル・アンテナ100の前端および右端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図3において、コイル・アンテナ120は、垂直方向および水平方向の2つの中心軸を有し、筐体10の長方形状の上側主要面の位置60の凹所に配置されており、筐体10の非導電性外被の上面部分側と電気的シールドの凹所の右側面部分側にコイル・アンテナ120の2つの中心軸を中心とする上端および右端のコイル面がそれぞれ配置されている。
図4Aは図1Aおよび1Bの筐体10の線4A−4Aに沿った垂直断面図である。図4Bは図1Aの筐体10の線4B−4Bに沿った垂直断面図である。図4Cは図1Bの筐体10の線4C−4Cに沿った垂直断面図である。図4Aおよび4Bは、図1Aのコイル・アンテナ100の詳細な配置を示している。図4Aおよび4Cは、図1Bのコイル・アンテナ100の詳細な配置を示している。
図5Aおよび5Bは、それぞれ図1Aおよび1Bのコイル・アンテナ100の上面拡大図と右側面拡大図を示しており、図4A〜4Cにおけるコイル・アンテナ100の電気的シールド70の外面72、73および74からの距離dS1、dS2およびdS3を示している。但し、図1Bの筐体10には、外面74は存在しない。
コイル・アンテナ100は、位置50および52の凹所において、電気的シールド70の絶縁性基板80側の外面72、外面72に概ね直交する1つまたは2つの外面73および74からそれぞれ距離dS1、dS2およびdS3だけ離して配置されている。コイル・アンテナ100は、中心軸C1を有し、非高透磁性の材料でできた絶縁性基板80の上にその円筒状コイルの側面の一部または側線部分S1が長さLにわたって固定されており、その絶縁性基板80が電気的シールド70の外面72に固定されている。コイル・アンテナ100は、その円筒状コイルの一端のコイル面P1が筐体10の非導電性の外被78の内面側に配置される。外被78は例えばプラスチックでできている。換言すれば、中心軸C1上に位置するコイル面P1側の外被78の部分とコイル面P1の間には電気的シールド70の部分が存在しない。同様に、その円筒状コイルの他端のコイル面P2も、筐体10の非導電性の外被78の内面側に配置される。
その一端のコイル面P1の近傍のその外被78の部分に非接触スマートカード20が置かれたときに、リーダ/ライタ90は非接触スマートカード20に対して読み出しおよび/または書き込みを行う。
距離dS1、dS2およびdS3の各々は、約1mm以上の距離であればよく、情報処理装置2の筐体10の小さい内部空間または凹所においては典型的には1乃至6mmの範囲の値であり、好ましくは1.5乃至3.5mmの範囲の値であり、より好ましくは2.0乃至3.0mmの範囲の値である。中心軸C1の方向のコイル・アンテナ100の長さLは、4.0乃至7.0mmの範囲の値、好ましくは4.5乃至6.5mmの範囲の値を有する。中心軸C1に垂直なコイル断面の直径または幅Dは、10乃至18mmの範囲の値であり、好ましくは13乃至17mmの範囲の値である。中心軸C1に垂直なコイル断面の面積Aは、70乃至260mmの範囲の値であり、好ましくは120乃至230mmの範囲の値である。コイル・アンテナ100と非導電性外被78の間の距離は1mm以下であってもよい。コイル・アンテナ100の巻数Nは、典型的には6以上であり、好ましくは16乃至25の範囲の値であり、より好ましくは18乃至23の範囲の値である。それによって、コイル・アンテナ100は、筐体10の内部の小さな凹所に設けることができる。それによって、コイル・アンテナ100用の望ましくない大きな空間を筐体10内部に確保する必要がなく、筐体10の設計の自由度が増大する。
図6Aは図1Cおよび1Dの筐体10の線6A−6Aに沿った垂直断面図である。図6Bは図1Cの筐体10の線6B−6Bに沿った垂直断面図である。図6Cは図1Dの筐体10の線6C−6Cに沿った垂直断面図である。図6Aおよび6Bは、図1Cのコイル・アンテナ106の詳細な配置を示している。図6Aおよび6Cは、図1Dのコイル・アンテナ106の詳細な配置を示している。
図7Aおよび7Bは、それぞれ図1Cおよび1Dのコイル・アンテナ106の上面拡大図と右側面拡大図を示しており、図6A〜6Cにおけるコイル・アンテナ106の電気的シールド70の外面72、73および74からの距離d、dS2およびdS3を示している。但し、図1Dの筐体10において、外面74は存在しない。
コイル・アンテナ106は、位置50および52の凹所において、電気的シールド70の絶縁性基板80側の外面72、および外面72に概ね直交する外面73および74から、それぞれ距離d、dS2およびdS3だけ離して配置されている。コイル・アンテナ106は、中心軸C1を有し、その円筒状コイルの一端のコイル面P1が筐体10の非導電性の外被78の内面側に配置される。コイル・アンテナ106は、非高透磁性の材料でできた絶縁性基板80の上にその円筒状コイルの一端のコイル面P2が固定されており、その絶縁性基板80が電気的シールド70の外面72に固定されている。換言すれば、中心軸C1上に位置する別のコイル面P2から所定の距離dだけ離れた位置に電気的シールド70の外面72が配置されている。
距離dは、約1.5mm以上の距離であればよく、典型的には1.5乃至6.0mmの範囲の値であり、好ましくは1.5乃至3.5mmの範囲の値であり、より好ましくは2.0乃至3.0mmの範囲の値である。コイル・アンテナ106のその他の寸法形状、距離および特徴は、コイル・アンテナ100と同様である。
コイル・アンテナ100および106の長さLは、それぞれ中心軸C1方向にそのコイルの直径または幅Dの概ね4分の1または3分の1以上の値であり、中心軸方向の長さがほぼ0(ゼロ)である通常の平面アンテナに比べてコイル面の面積Aが小さくて済む。コイル・アンテナ100および106は、そのコイル線全体の合計の長さが、従来の面状コイル・アンテナのコイル線全体の合計の長さと比較して幾分長く、その巻数Nが、従来の面状コイル・アンテナの巻数より多く、それによって、従来の面状コイル・アンテナによって形成される磁界または磁束と同等の磁界または磁束を形成する。コイル・アンテナ100および106を用いると、筐体10の電気的シールド70との間に必ずしも高透磁性材料を配置する必要がないので、製造コストが大幅に低下する。例えばフェライト・シートのような高透磁性材料が設けられる場合でも、コイル・アンテナ100および106の両端のコイル面の面積が小さいので必要な高透磁性材料の大きさが小さくて済む。
図8Aは、図2Aおよび2Bの筐体10の線8A−8Aに沿った垂直断面図である。図8Bは、図2Aの筐体10の線8B−8Bに沿った垂直断面図である。図8Cは、図2Aの筐体10の線8C−8Cに沿った垂直断面図である。図8Aおよび8Bは、図2Aのコイル・アンテナ110の詳細な配置を示している。図8Aおよび8Cは、図2Bのコイル・アンテナ110の詳細な配置を示している。
図9Aは、図2Cの筐体10の線9A−9Aに沿った垂直断面図である。図9Bは、図2Cの筐体10の線9B−9Bに沿った垂直断面図である。図9Aおよび9Bは、図2Cのコイル・アンテナ114の詳細な配置を示している。
図10は、図3の筐体10の線10−10に沿った垂直断面図である。図10は、図3のコイル・アンテナ120の詳細な配置を示している。
図11は、図2A〜2Cおよび3の拡大図を示しており、図2A〜2Cおよび3におけるコイル・アンテナ110、114および120の電気的シールド70の外面72、74および76からの距離dS1、dS2およびdを示している。但し、図11におけるコイル・アンテナの配置は、図2Aおよび2Bのコイル・アンテナ110を上下逆にしたものに対応し、図2Cのコイル・アンテナ114の上面図に対応し、図3のコイル・アンテナ120を右に90°回転させたものに対応し、図2Aおよび2Bの筐体10には外面73および74が存在せず、図2Cの筐体10には外面74が存在しない。
コイル・アンテナ110、114および120は、中心軸C1およびC2を有し、非高透磁性の材料でできた絶縁性基板80の上にその円筒状コイルの一方の中心軸C2に概ね平行な側面または側線の一部分S3が所定の長さLにわたって固定されており、その絶縁性基板80が電気的シールド70の外面72に固定されている。コイル・アンテナ110、114および120は、その円筒状コイルの少なくとも一端の中心軸C1上のコイル面P1が筐体10の非導電性の外被78の内面を向くように配置される。換言すれば、中心軸C1上に位置するコイル面P1側の外被78の部分とコイル面P1の間には電気的シールド70の部分が存在しない。コイル・アンテナ110および114の他端のコイル面P2も、同様に、その円筒状コイルの他端の中心軸C2上のコイル面P2が筐体10の非導電性の外被78の内面を向くように配置される。コイル・アンテナ120の他端のコイル面P2は、その円筒状コイルの他端の中心軸C2上のコイル面P2が電気的シールド70の外面74を向くように配置される。
コイル・アンテナ110、114および120は、位置50、52および60の凹所において、電気的シールド70の絶縁性基板80側の外面72と、外面72に概ね直交する1つまたは2つの外面73、74から、それぞれ距離dS1、dS2およびdだけ離して配置されている。距離dは、約1.5mm以上の距離であればよく、典型的には1.5乃至6.0mmの範囲の値であり、好ましくは1.5乃至3.5mmの範囲の値であり、より好ましくは2.0乃至3.0mmの範囲の値である。距離dS1およびdS2の各々は、約1mm以上の距離であればよく、情報処理装置2の筐体10の小さい内部空間または凹所においては典型的には1乃至6mmの範囲の値であり、好ましくは1.5乃至3.5mmの範囲の値であり、より好ましくは2.0乃至3.0mmの範囲の値である。コイル・アンテナ110、114および120は、互いに概ね直交する中心軸C1およびC2に沿った合計の長さL1+L2が、前述の長さLに対応し、典型的には4.0mm乃至7.0mmの範囲の値であり、好ましくは4.5乃至6.5mmの範囲の値である。中心軸C1およびC2に垂直なコイル断面の直径または幅Dは、典型的には10mm乃至18mmの範囲の値であり、好ましくは13乃至17mmの範囲の値である。中心軸C1およびC2に垂直なコイル断面の面積Aは、70乃至260mmの範囲の値であり、好ましくは120乃至230mmの範囲の値である。コイル・アンテナ100の合計の巻数N1+N2は典型的には6以上であり、好ましくは17乃至24の範囲の値である。コイル・アンテナ110、114および120のその他の寸法形状および特徴は、コイル・アンテナ100および106と同様である。
図12は、本発明のさらに別の実施形態による、情報処理装置2の筐体10の図3の位置60に設けられた非接触リーダおよび/またはライタ90用のコイル・アンテナ126を示している。コイル・アンテナ126は、図3の位置60の凹所に配置され、図1Cのコイル・アンテナ106と同じ形状を有するが、コイル・アンテナ126の一端のコイル面と全ての側面が電気的シールド70で囲まれており、コイル・アンテナ126のそのコイル面と絶縁性基板80の間に小さい面積の高透磁性部材シート84が配置されている。コイル・アンテナ126は、通常の面状コイル・アンテナと比べて、より大きい長さLを有し、より多くの巻数Nを有し、その代わりそのコイル面の面積Aが小さいので、その高透磁性部材シート84の面積が小さくできる。その高透磁性部材シート84の使用によって、コイル・アンテナ126の下端のコイル面と電気的シールド70の外面72の間の距離dがより小さくて済む。
図13A〜13Dは、本発明の他の実施形態による、概ね長方形状に巻かれたコイル・アンテナ122〜125の様々な構造を示している。
図13Aにおいて、コイル・アンテナ122は図2A〜2Cおよび3のコイル・アンテナ110、114および120と同様にL字状の構造を有する。コイル・アンテナ122はL字状に互いに概ね直交する中心軸C1およびC2を有し、コイル線132が、中心軸C2が通る絶縁性板140の周りに中心軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して巻数N2だけ傾斜して巻かれ、コイル線134が、絶縁性板140の面上にこの面に垂直な中心軸C1の周りに巻数N1だけ巻かれている。
図13Bにおいて、コイル・アンテナ123はT字状に分岐している。コイル・アンテナ123はT字状に互いに概ね直交する中心軸C1およびC2を有し、コイル線132が、中心軸C2が通る絶縁性板140の周りに軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して複数の巻数N2だけ巻かれ、コイル線134が、絶縁性板140の面上にこの面に垂直な中心軸C1の周りに複数の巻数N1だけ巻かれ、さらにコイル線136が、中心軸C2が通る非伝導性板140の周りに軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して複数の巻数N3だけ巻かれている。その巻回の方向は、破線矢印の方向に同じ極性の磁界が生じるようになっている。
図13Cにおいて、コイル・アンテナ124は3軸方向に分岐している。コイル・アンテナ123は互いに概ね直交する中心軸C1、C2およびC3を有し、コイル線132が、中心軸C2が通る絶縁性板140の周りに軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して複数の巻数N2だけ巻かれ、コイル線134が、絶縁性板140の面上にこの面に垂直な中心軸C1の周りに複数の巻数N1だけ巻かれ、さらにコイル線136が、中心軸C3が通る絶縁性板140の周りに軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して複数の巻数N3だけ巻かれている。
図13Dにおいて、コイル・アンテナ123は互いに概ね直交する中心軸C1およびC2を有し、コイル線132が、中心軸C2が通る絶縁性板140の周りに軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して複数の巻数だけ巻かれ、さらにコイル線136が、中心軸C2が通る絶縁性板140の周りに軸C1に近づくに従って徐々に傾斜して複数の巻数だけ逆向きに巻かれている。
コイル・アンテナ100、106、110、114、120、126および132の少なくとも一部は、各基板に平面コイルが形成され各平面コイルが互いに直列に接続された多層基板によって形成されてもよい。
図14は、筐体10の長方形状の上側主要面の一辺または周縁部の互いに近い位置50および51に配置されたコイル・アンテナ100および101を示している。非接触スマートカード20は2つのコイル・アンテナ100および101の両方の端部のコイル面の近くに置かれる。それによって、リーダ/ライタ90のコイル・アンテナ100および101と非接触スマートカード20のコイル・アンテナの間の磁界がより強くなって、リーダ/ライタ90と非接触スマートカード20の間の送受信がより確実に行われる。
図15は、筐体10の長方形状の上側主要面の4つの隅部52、53、54および55の凹所配置された水平方向の中心軸を有する4つのコイル・アンテナ106、107、108および109を示している。非接触スマートカード20は4つのコイル・アンテナ106、107、108および109のいずれか端部のコイル面の近くに置かれる。それによって、非接触スマートカード20の置かれる位置の自由度が増大する。コイル・アンテナ、例えばコイル・アンテナ106および107は、筐体10の外被78を固定するためのボルト152を囲むように配置されてもよい。それによって、コイル・アンテナ106および107を収容するための筐体10の内部空間が確保し易くなる。
図16は、筐体10の長方形状の上側主要面の4つの隅部52、53、54および55の凹所に配置された垂直方向の中心軸を有する4つのコイル・アンテナ100、101、102および103を示している。非接触スマートカード20は、筐体10の上面の中央に置かれたときその4つの隅部が4つのコイル・アンテナ100、101、102および103の上端のコイル面の近くに位置する。それによって、リーダ/ライタ90のコイル・アンテナ100、101、102および103と非接触スマートカード20のコイル・アンテナの間の磁界がより強くなって、リーダ/ライタ90と非接触スマートカード20の間の送受信がより確実に行われる。コイル・アンテナ、例えばコイル・アンテナ100および101は、筐体10の外被78を固定するためのボルト152を囲むように配置されてもよい。それによって、コイル・アンテナ100および101を収容するための筐体10の内部空間が確保し易くなる。
図17は、筐体10として表示部筐体16の上端部にコイル・アンテナ100が設けられたノートブック型パーソナル・コンピュータ14を示している。表示部筐体16は、コイル・アンテナ100の一端のコイル面付近の外面にカード・ホルダ22を有する。それによって、非接触スマートカード20を置く位置を表示することができ、また、コイル・アンテナ100と非接触スマートカード20のコイル・アンテナ100の間の磁気的結合がより確実に形成される。
図18A〜18Dは、情報処理装置270の内部の長方形状の上側主要面の一辺に設けられたアンテナ・ユニット290、292、294および296を示している。
図18Aにおいて、アンテナ・ユニット290は、互いに平行な水平方向の複数の中心軸を有する互いに平行に配置され互いに直列に接続された複数の筒状コイル部分を有するコイル・アンテナ192を含んでいる。
図18Bにおいて、アンテナ・ユニット292は、水平方向の1つの中心軸の周りに概ね四角筒状に巻かれたコイル・アンテナ194を含んでいる。
図18Cにおいて、アンテナ・ユニット294は、互いに平行な垂直方向の複数の中心軸を有する互いに平行に配置され互いに直列に接続された複数の筒状コイル部分を有するコイル・アンテナ196を含んでいる。
図18Bにおいて、アンテナ・ユニット296は、垂直方向の1つの中心軸の周りに楕円筒状に巻かれたコイル・アンテナ198を含んでいる。
図18A〜18Dのような構成のアンテナ・ユニット290〜296を用いることによって、アンテナ・ユニット290〜296のために確保する必要のある空間を小さくすることができる。情報処理装置270は、非接触リーダ/ライタ90を含む小型の情報処理装置2であってもまたは非接触スマートカード20であってもよい。
本発明の実施形態によれば、アンテナのコイル面を小さくすることによって、外被78から後退させるまたはへこませる電気的シールド70の外面72の面積を、例えば17mm×17mm程度に小さくできる。それによって、高透磁性シート84の面積も最小化できる。コイル・アンテナを筐体10内の主要面の端縁部または隅部に配置したことによって、通信相手の別の非接触スマートカード20またはリーダ/ライタ90のコイル・アンテナに対するその筐体の電気的シールドの悪影響が低減される。
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、その変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。


【図3】







【図10】

【図11】

【図12】


【図14】

【図15】

【図16】

【図17】


【図19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の外被を有する筐体と、前記筐体内に設けられた電気的シールドと、前記筐体内に設けられた非接触リーダおよび/またはライタと、を具える情報処理装置であって、
前記非接触リーダおよび/またはライタは、
前記筐体内に設けられていて、RF変調キャリア信号を送信および/または受信する送受信機と、
前記送受信機に結合され、前記電気的シールドと前記外被の間の前記筐体内の空間に配置され、磁気的結合によってRF変調キャリア信号を送信および/または受信するための複数の巻数のコイル・アンテナと、
を具えるものであり、
前記コイル・アンテナは、1つの中心軸の周りに所定の長さにわたって所定の直径で概ね筒状に所定巻数だけ巻かれており、前記所定の長さの一端にコイル面を有し、
前記1つの中心軸上に位置する前記コイル面側の前記外被の部分と前記コイル面の間には前記電気的シールドの部分が存在せず、前記コイル・アンテナの外側部は前記電気的シールドから所定の距離だけ離して配置されていることを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記コイル・アンテナは、前記1つの中心軸が通る別のコイル面を有し、前記1つの中心軸上に位置する前記別のコイル面側の前記外被の別の部分と前記コイル面の間には前記電気的シールドの部分が存在しないことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コイル・アンテナは前記1つの中心軸が通る別のコイル面を有し、前記1つの中心軸上の前記別のコイル面から所定の距離だけ離れた位置に前記電気的シールドの一部分が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記別のコイル面と前記電気的シールドの前記一部分の間に高透磁性部材が配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コイル・アンテナは、互いに概ね直交する前記第1の中心軸と第2の中心軸の周りに前記第1と第2の中心軸に沿った連続する所定の長さにわたって所定の直径で巻かれ、前記所定の長さの他端に前記第2の軸の周りに巻かれた第2のコイル面を有することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コイル・アンテナが絶縁性基板の一方の面に固定されており、前記絶縁性基板の他方の面が前記電気的シールドの或る面に固定されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記コイル・アンテナが前記筐体の広い主要面の端縁に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
所定の厚さを有する絶縁性の基板に配置されており、一方の軸が前記基板の主要面に垂直になるようにL字状に互いに概ね直交する第1と第2の軸の周りに前記第1と第2の軸に沿った連続する所定の長さにわたって巻かれた複数の巻数のコイル・アンテナであって、
前記所定の長さの一端に前記第1の軸の周りに巻かれた第1のコイル面を有し、
前記所定の長さの他端に前記第2の軸の周りに巻かれた第2のコイル面を有することを特徴とする、磁気的結合用のコイル・アンテナ。
【請求項9】
前記コイル・アンテナは、前記コイル・アンテナの前記第1の軸の周りに巻かれた第1のコイル部分の外側部の一部が前記第1の軸と概ね平行な前記基板の主要面に接触するように固定されており、前記コイル・アンテナの前記第2の軸の周りに巻かれた第2のコイル部分の前記第2のコイル面は前記主要面から実質的に最も遠くなるように配置されていることを特徴とする、請求項8に記載のコイル・アンテナ。
【請求項10】
さらに、前記第1と第2の軸の実質的交点付近において前記第1と第2の軸と概ね直交する第3の軸の周りに前記第3の軸に沿った連続する所定の長さにわたって巻かれていることを特徴とする、請求項8または9に記載のコイル・アンテナ。

【国際公開番号】WO2005/053095
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【発行日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510920(P2005−510920)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015307
【国際出願日】平成15年11月28日(2003.11.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】