説明

非接触式電力伝送装置、およびその送電装置、およびその受電装置

【課題】性能の低下を抑制することに貢献する構成を含む非接触式電力伝送装置、およびその送電装置、およびその受電装置を提供する。
【解決手段】送電装置11の対向面11Aの角度θ1と受電装置21の対向面21Aの角度θ2との相対角度θ3が「0」度のとき、すなわち受電装置21の充電時姿勢が正規姿勢であると判定するとともに送電装置11と受電装置21との間に異物は介在しないと判定する。相対角度θ3が基準角度θ4未満のとき、充電時姿勢が準正規姿勢であると判定するとともに異物は介在しないと判定する。相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、充電時姿勢が非正規姿勢であると判定するとともに異物が介在すると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電装置および受電装置を有する電磁誘導式の非接触式電力伝送装置、およびその送電装置、およびその受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁誘導式の非接触式電力伝送装置は、送電装置の交番磁束を受電装置の2次コイルに鎖交させることにより、送電装置から受電装置に電力を伝送する。特許文献1は、このような非接触式電力伝送装置の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−155836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触式電力伝送装置は、電力の伝送効率の観点から、送電装置に対する受電装置の姿勢として正規の姿勢を有する。一方、受電装置は、送電装置に対して正規の姿勢とは別の姿勢で配置されることもある。その理由の主なものとしては、ユーザーによる受電装置の取り扱いに起因するもの、または送電装置と受電装置との間に存在する異物に起因するものが挙げられる。そして、送電装置に対する受電装置の姿勢が正規の姿勢と異なるとき、電力の伝送効率の低下または金属異物の発熱により、非接触式電力伝送装置の性能を損なうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、性能の低下を抑制することに貢献する構成を含む非接触式電力伝送装置、およびその送電装置、およびその受電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・本発明の電磁誘導式の非接触式電力伝送装置は、送電装置および受電装置を有し、前記送電装置と前記受電装置との相対的な角度を検出することを特徴とする。
・この非接触式電力伝送装置は、前記相対的な角度に基づいて、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在しているか否かを判定することが好ましい。
【0007】
・この非接触式電力伝送装置は、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していると判定したとき、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していないと判定したときと比較して、前記送電装置から前記受電装置に伝送する電力量を少なくすることが好ましい。
【0008】
・この非接触式電力伝送装置は、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを前記送電装置および前記受電装置の電圧、電流、および温度の少なくとも1つが示唆していることを条件Aとし、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを前記相対的な角度が示唆していることを条件Bとして、前記条件Aおよび前記条件Bの少なくとも一方が成立しているとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止し、前記条件Aおよび前記条件Bの双方が成立していないとき、前記送電装置から前記受電装置に電力を伝送することが好ましい。
【0009】
・この非接触式電力伝送装置は、前記相対的な角度に基づいて、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が正規の姿勢か否かを判定することが好ましい。
・この非接触式電力伝送装置は、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢とは異なると判定したとき、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢と一致すると判定したときと比較して、前記送電装置から前記受電装置に伝送する電力量を少なくすることが好ましい。
【0010】
・この非接触式電力伝送装置は、前記相対的な角度に応じて前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送状態を制御することが好ましい。
・この非接触式電力伝送装置は、前記相対的な角度が基準角度以上のとき、前記相対的な角度が前記基準角度未満のときと比較して、前記送電装置から前記受電装置に伝送する電力量を少なくすることが好ましい。
【0011】
・本発明の送電装置は、上記非接触式電力伝送装置のうちのいずれかの非接触式電力伝送装置が有する送電装置であることを特徴とする。
・本発明の受電装置は、上記非接触式電力伝送装置のうちのいずれかの非接触式電力伝送装置が有する受電装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、性能の低下を抑制することに貢献する構成を含む非接触式電力伝送装置、およびその送電装置、およびその受電装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の非接触式電力伝送装置について、その全体構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態の非接触式電力伝送装置について、受電装置の充電時姿勢を示した側面図。
【図3】同実施形態の非接触式電力伝送装置について、送電装置および受電装置の構成を示したブロック図。
【図4】同実施形態の非接触式電力伝送装置による電力伝送の制御動作について説明したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、非接触式電力伝送装置1の構成について説明する。
図1に示されるように、非接触式電力伝送装置1は、送電装置11と受電装置21とを有する。受電装置21は、携帯電話80に内蔵されている。送電装置11は、携帯電話80の充電器90に内蔵されている。
【0015】
充電器90は、発光部92と、警報部93と、L字型の凸部94とを有する。発光部92は、発光ダイオードを有する。警報部93は、スピーカを有する。また、充電器90は、水平面Hに対して所定角度傾いた状態で設置される。なお、充電器90は、水平面Hに対して平行になるように設置することもできる。
【0016】
充電器90の給電面91上に携帯電話80が設置されることで、送電装置11から受電装置21に電力が伝送される。給電面91上に設置された携帯電話80は、凸部94によって支持される。
【0017】
図2を参照して、送電装置11から受電装置21に電力を伝送するときの受電装置21の姿勢について説明する。
図2に示されるように、送電装置11は、受電装置21と対向する対向面11Aを有する。受電装置21は、対向面11Aと対向する対向面21Aを有する。
【0018】
ここで、非接触式電力伝送装置1について次の用語を定義する。
(A)水平面Hと対向面11Aの全部を含む仮想平面との角度を「送電装置11の対向面11Aの角度θ1」とする。
(B)水平面Hと対向面21Aの全部を含む仮想平面との角度を「受電装置21の対向面21Aの角度θ2」とする。
(C)角度θ1と角度θ2との差の絶対値を「相対角度θ3」とする。
(D)非接触式電力伝送装置1において、送電装置11の対向面11A上に受電装置21が位置するときの送電装置11に対する受電装置21の姿勢を「充電時姿勢」とする。
(E)送電装置11の対向面11Aと受電装置21の対向面21Aとが互いに平行するとき、つまり、相対角度θ3が「0」度のときの充電時姿勢を「正規姿勢」とする。
(F)相対角度θ3が、「0」度よりも大きくかつ基準角度θ4未満のときの充電時姿勢を「準正規姿勢」とする。基準角度θ4は、設計上で定められる。
(G)相対角度θ3が、基準角度θ4以上のときの充電時姿勢を「非正規姿勢」とする。
【0019】
図2(a)において、携帯電話80は、給電面91に載置された状態で充電器90に設置されている。このとき、送電装置11の対向面11Aと受電装置21の対向面21Aとは互いに平行している。このため、図2(a)中の受電装置21の充電時姿勢は、正規姿勢である。
【0020】
図2(b)において、携帯電話80は、給電面91に対して少し傾いた状態で充電器90に設置されている。このとき、相対角度θ3は「0」度よりも大きく基準角度θ4未満である。このため、図2(b)中の受電装置21の充電時姿勢は、準正規姿勢である。
【0021】
図2(c)において、携帯電話80は、給電面91に対して大きく傾いた状態で充電器90に設置されている。このとき、相対角度θ3は基準角度θ4以上である。このため、図2(c)中の受電装置21の充電時姿勢は、非正規姿勢である。
【0022】
図3を参照して、送電装置11および受電装置21の概略構成について説明する。
送電装置11は、制御部51と、送電部52と、記憶部53と、電源部54と、計測部55とを有する。制御部51は、マイクロプロセッサを有する。送電部52は、発振回路と電圧検出回路とを有する。送電部52には、1次コイルL1が接続されている。記憶部53は、不揮発性の記憶媒体を有する。電源部54は、整流回路を有する。計測部55は、慣性計測装置を有する。
【0023】
受電装置21は、制御部61と、受電部62と、記憶部63と、負荷64と、計測部65とを有する。制御部61は、マイクロプロセッサを有する。受電部62は、電圧検出回路と負荷変調回路とを有する。受電部62には、2次コイルL2が接続されている。記憶部63は、不揮発性の記憶媒体を有する。負荷64は、リチウムイオン二次充電池を有する。計測部65は、慣性計測装置を有する。
【0024】
上記構成の送電装置11において、制御部51は、送電装置11の各部を制御する。送電部52は、1次コイルL1を励磁させて、受電部62の2次コイルL2に電磁誘導作用による電力伝送を行う。また、送電部52は、1次コイルL1から受電装置21の2次コイルL2に対して所定の通信信号Pを送信する。通信信号Pは、1次コイルL1から2次コイルL2に送信する送電装置11の各種情報を電気信号に変換したものである。
【0025】
送電部52において、通信信号Pを受電装置21に送信するとき、発振回路で発振周波数を送信する情報に応じて変更する。これにより、2次コイルL2の誘起電圧が変化する。2次コイルL2の誘起電圧の変化を受電部62が検出することにより、送電装置11から送信された情報を電気信号(通信信号P)として検出している。
【0026】
記憶部53は、送電装置11を受電装置21に認識させるための認証情報Aと、受電装置21を認識するための認証情報Bとを有する。電源部54は、送電装置11に供給される交流電流を直流電流に変換する。電源部54は、送電装置11の各部に電力を供給する。計測部55は、送電装置11の対向面11Aの角度θ1を計測する。
【0027】
上記構成の受電装置21において、制御部61は、受電装置21の各部を制御する。受電部62は、2次コイルL2を介して受電した電力を負荷64に蓄電する。また、受電部62は、2次コイルL2から送電装置11の1次コイルL1に対して所定の通信信号Qを送信する。通信信号Qは、2次コイルL2から1次コイルL1に送信する受電装置21の各種情報を電気信号に変換したものである。
【0028】
受電部62において、通信信号Qを送電装置11に送信するとき、負荷変調回路の負荷の大きさを送信する情報に応じて変更する。これにより、1次コイルL1の電圧が変化する。1次コイルL1の電圧の変化を送電部52が検出することにより、受電装置21から送信された情報を電気信号(通信信号Q)として検出している。
【0029】
記憶部63は、受電装置21を送電装置11に認識させるための認証情報Cと、送電装置11を認識するための認証情報Dとを有する。計測部65は、受電装置21の対向面21Aの角度θ2を計測する。
【0030】
なお、上述の送電装置11および受電装置21において、充電時姿勢が正規姿勢のとき、送電装置11の対向面11Aと受電装置21の対向面21Aとが互いに平行し、かつ1次コイルL1の中心軸と2次コイルL2の中心軸とが同軸上に位置する。
【0031】
図4を参照して、非接触式電力伝送装置1による電力伝送の制御について説明する。具体的には、図3に示されている送電装置11および受電装置21の各部で実行される電力伝送時の制御について説明する。
【0032】
図4のステップS1では、充電器90の電源が接続状態(電源ON)となる。これにより、送電装置11の各部に電力が供給される。
ステップS2では、送電部52による間欠送電が開始される。この間欠送電では、1次コイルL1から2次コイルL2に対して、充電器90における携帯電話80の設置を確認するための電力が伝送される。
【0033】
ステップS3では、充電器90における電子機器の設置の有無が検証される。具体的には、ステップS2で開始された間欠送電中において、充電器90に電子機器が設置されたとき、1次コイルL1の電圧値が減少する。この電圧値の減少は、送電部52の電圧検出回路で検出される。
【0034】
1次コイルL1の電圧値が記憶部53に予め記憶されている所定電圧値以下である場合、制御部51は電子機器が設置されている(ステップS3:YES)と判定する。1次コイルL1の電圧値が所定電圧値より大きい場合、制御部51は電子機器が設置されていない(ステップS3:NO)と判定する。
【0035】
ステップS3においてYESの場合は、ステップS4へ進む。ステップS3においてNOの場合は、ステップS4からステップS13までの処理が実行されずにステップS14へ進む。
【0036】
ステップS4では、電子機器内における受電装置21の有無が検証される。換言すると、本ステップでは、充電器90に設置されている電子機器が携帯電話80であるか否かの検証が行われる。
【0037】
具体的には、送電装置11において、制御部51が送電装置11の認証情報Aを記憶部53から読み出す。認証情報Aは、送電部52により通信信号Pに変換される。認証情報Aを有する通信信号Pは、1次コイルL1から送信される。
【0038】
通信信号Pの送信後から所定時間内において、通信信号Pに対する所定の応答信号が1次コイルL1で受信された場合、制御部51は応答信号の検証を行う。上記検証の結果、応答信号が所定の認証情報を有している場合、制御部51は応答信号が有する認証情報と記憶部53に予め記憶されている受電装置21の認証情報Bとが一致するか否かについて検証する。
【0039】
上記検証の結果、2つの認証情報が一致する場合、制御部51は、電子機器内に受電装置21が有る(ステップS4:YES)と判定する。2つの認証情報が一致しない場合、制御部51は電子機器内に受電装置21が無い(ステップS4:NO)と判定する。
【0040】
応答信号が所定の認証情報を有していない場合、制御部51は電子機器内に受電装置21が無い(ステップS4:NO)と判定する。また、通信信号Pの送信後から所定時間内において、応答信号が1次コイルL1で受信されない場合、制御部51は電子機器内に受電装置21が無い(ステップS4:NO)と判定する。
【0041】
ステップS4においてYESの場合、制御部51は充電器90に設置されている電子機器が携帯電話80であると判定する。そして、本ステップの終了後、ステップS5へ進む。ステップS4においてNOの場合、制御部51は電子機器が携帯電話80ではないと判定する。そして、本ステップの終了後、ステップS5からステップS13までの処理が実行されずにステップS14へ進む。
【0042】
ステップS5では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3(図2)が計測される。具体的には、送電装置11では、送電装置11の対向面11Aの角度θ1が計測部55により計測される。角度θ1の情報は、記憶部53に一時的に記憶される。受電装置21では、受電装置21の対向面21Aの角度θ2が計測部65により計測される。角度θ2の情報は、記憶部63に一時的に記憶される。
【0043】
送電装置11において、角度θ1の情報は、送電部52により通信信号Pに変換される。角度θ1の情報を有する通信信号Pは、1次コイルL1から送信されて、2次コイルL2で受信される。
【0044】
受電装置21において、角度θ2の情報は、受電部62により通信信号Qに変換される。角度θ2の情報を有する通信信号Qは、2次コイルL2から送信されて、1次コイルL1で受信される。
【0045】
送電装置11において、制御部51は、1次コイルL1で受信された通信信号Qを検証して、通信信号Qが有する角度θ2の情報を読み取る。角度θ2の情報は、記憶部53に一時的に記憶される。制御部51は、記憶部53に記憶されている角度θ1の情報および角度θ2の情報に基づいて、相対角度θ3を算出する。算出された相対角度θ3は、記憶部53に一時的に記憶される。
【0046】
受電装置21において、制御部61は、2次コイルL2で受信された通信信号Pを検証して、通信信号Pが有する角度θ1の情報を読み取る。角度θ1の情報は、記憶部63に一時的に記憶される。制御部61は、記憶部63に記憶されている角度θ2の情報および角度θ1の情報に基づいて、相対角度θ3を算出する。算出された相対角度θ3は、記憶部63に一時的に記憶される。
【0047】
ステップS6では、送電装置11から受電装置21への通常送電が可能であるか否かが判定される。
具体的には、送電装置11において、算出した相対角度θ3が「0」度の場合、制御部51は受電装置21の充電時姿勢を正規姿勢(図2(a)参照)と判定する。このとき、制御部51は送電装置11と受電装置21との間に異物が介在しないと判定する。
【0048】
相対角度θ3が「0」度よりも大きい場合、制御部51は、相対角度θ3が記憶部53に予め記憶されている基準角度θ4(図2)未満であるか否かを検証する。
検証の結果、相対角度θ3が基準角度θ4未満である場合、制御部51は受電装置21の充電時姿勢を準正規姿勢(図2(b)参照)と判定する。このとき、制御部51は送電装置11と受電装置21との間に異物が介在しないと判定する。
【0049】
検証の結果、相対角度θ3が基準角度θ4以上である場合、制御部51は受電装置21の充電時姿勢を非正規姿勢(図2(c)参照)と判定する。このとき、制御部51は送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定する。
【0050】
制御部51は、充電時姿勢の判定処理および異物の有無の判定処理と同時に、送電部52の電圧検出回路で検出される電圧値の検証処理も行う。具体的には、制御部51は、検出された電圧値が正常値であるか否かを検証する。なお、この正常値は、記憶部53に予め記憶されている。
【0051】
検証の結果、電圧値が正常値である場合、制御部51は送電装置11と受電装置21との間に異物が介在しないと判定する。検証の結果、電圧値が正常値でない場合、制御部51は送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定する。
【0052】
制御部51の判定結果が、正規姿勢および準正規姿勢のいずれかである場合、および相対角度θ3に基づく結果が異物の介在無しの場合、および検出した電圧値に基づく結果が異物の介在無しの場合、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在しないと最終的に判定される。最終的な判定が異物の介在無しの場合、制御部51は送電装置11から受電装置21への通常送電が可能である(ステップS6:YES)と判定する。
【0053】
制御部51の判定結果が、正規姿勢および準正規姿勢のいずれかである場合、および相対角度θ3に基づく結果が異物の介在無しの場合、および検出した電圧値に基づく結果が異物の介在有りの場合、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると最終的に判定される。最終的な判定が異物の介在有りの場合、制御部51は送電装置11から受電装置21への通常送電が可能でない(ステップS6:NO)と判定する。
【0054】
制御部51の判定結果が、非正規姿勢である場合、および相対角度θ3に基づく結果が異物の介在有りの場合、および検出した電圧値に基づく結果が異物の介在無し場合、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると最終的に判定される。最終的な判定が異物の介在有りの場合、制御部51は送電装置11から受電装置21への通常送電が可能でない(ステップS6:NO)と判定する。
【0055】
制御部51の判定結果が、非正規姿勢である場合、および相対角度θ3に基づく結果が異物の介在有りの場合、および検出した電圧値に基づく結果が異物の介在有り場合、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると最終的に判定される。最終的な判定が異物の介在有りの場合、制御部51は送電装置11から受電装置21への通常送電が可能でない(ステップS6:NO)と判定する。
【0056】
ステップS6においてYESの場合は、ステップS7へ進む。ステップS6においてNOの場合は、ステップS7からステップS13までの処理が実行されずにステップS14へ進む。
【0057】
ステップS7では、受電装置21の充電状態が検証される。具体的には、受電装置21では、負荷64の電圧値が受電部62により検出される。そして、負荷64の電圧値が所定電圧値以上となった場合、制御部61は負荷64の充電状態を満充電状態と判定する。制御部61は、この判定結果に基づいて満充電情報を生成する。この満充電情報は、受電部62により通信信号Qに変換される。満充電情報を有する通信信号Qは、2次コイルL2から送信されて、1次コイルL1で受信される。
【0058】
送電装置11では、1次コイルL1で受信された通信信号Qが満充電情報を有していない場合、制御部51は受電装置21に対する充電が必要(ステップS7:YES)と判定する。1次コイルL1で受信された通信信号Qが満充電情報を有している場合、制御部51は受電装置21に対する充電が不要(ステップS7:NO)と判定する。
【0059】
ステップS7においてYESの場合は、ステップS8へ進む。ステップS7においてNOの場合は、ステップS8からステップS13までの処理が実行されずにステップS14へ進む。
【0060】
ステップS8では、送電部52による通常送電が開始される。この通常送電では、1次コイルL1から2次コイルL2に対して、携帯電話80の有する負荷64を充電するための電力が伝送される。
【0061】
ステップS9では、受電装置21の有無が再検証される。ここで、ステップS9で実行される処理は、上述のステップS4で実行された処理と同様であるため、本ステップの詳細については説明を省略する。
【0062】
ステップS9において、受電装置21が有ると判定された場合(ステップS9:YES)は、ステップS10へ進む。受電装置21が無いと判定された場合(ステップS9:NO)は、ステップS10からステップS13までの処理が実行されずにステップS14へ進む。
【0063】
ステップS10では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が再計測される。ここで、ステップS10で実行される処理は、上述のステップS5で実行された処理と同様であるため、本ステップの詳細については説明を省略する。
【0064】
ステップS11では、送電装置11から受電装置21への通常送電が可能であるか否かが再判定される。ここで、ステップS11で実行される処理は、上述のステップS6で実行された処理と同様であるため、本ステップの詳細については説明を省略する。
【0065】
ステップS11において、通常送電が可能であると判定された場合(ステップS11:YES)は、ステップS12へ進む。通常送電が不可と判定された場合(ステップS11:NO)は、ステップS12からステップS13までの処理が実行されずにステップS14へ進む。
【0066】
ステップS12では、受電装置21の充電状態が検証される。ここで、ステップS12で実行される検証処理の過程は、上述のステップS7で実行された検証処理の過程と同様であるため、本ステップの詳細については説明を省略する。
【0067】
送電装置11では、1次コイルL1で受信された通信信号Qが満充電情報を有している場合、制御部51は受電装置21に対する充電が完了した(ステップS12:YES)と判定する。1次コイルL1で受信された通信信号Qが満充電情報を有していない場合、制御部51は受電装置21に対する充電が完了していない(ステップS12:NO)と判定する。
【0068】
ステップS12においてYESの場合は、ステップS13へ進む。ステップS12においてNOの場合は、ステップS9の直前に戻る。
ステップS13では、ステップS8で開始された通常送電が終了する。
【0069】
ステップS14において、充電器90の電源が切断状態である場合(ステップS14:YES)は、本フローチャートが終了する。充電器90の電源が接続されたままの状態である場合(ステップS14:NO)は、ステップS2の直前に戻る。
【0070】
(実施形態の効果)
本実施形態の非接触式電力伝送装置1は、以下の効果を奏する。
(1)非接触式電力伝送装置1は、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3を検出する。この構成によれば、検出した相対角度θ3に基づいて、送電装置11と受電装置21との間における異物検出や送電装置11に対する受電装置21の充電時姿勢の判定を行うことができるため、接触式電力伝送装置の性能の低下を抑制することに貢献することができる。
【0071】
(2)非接触式電力伝送装置1は、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3に基づいて充電時姿勢を判定し、充電時姿勢が非正規姿勢のとき、携帯電話80と充電器90との間に異物が存在すると判定する。そして、この判定に基づいて送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。このため、携帯電話80と充電器90との間に小さな金属異物が存在する場合でも、異物の存在が検出されて、金属異物の発熱が抑制される。また、異物の種類に関わらず電力の伝送が停止するため、送電装置11の電源電力が浪費されることが抑制される。また、従来の電圧、電流、温度による検出方法と併用することで、検出精度が向上する。
【0072】
(3)非接触式電力伝送装置1は、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、すなわち受電装置21の充電時姿勢が非正規姿勢のとき、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。この構成によれば、伝送効率が低い状態で送電装置11から受電装置21に電力が伝送されることが抑制される。このため、電力の浪費低減、および効率のよい正規姿勢で充電することを促すので充電時間の短縮に貢献することができる。
【0073】
ここで、非接触式電力伝送装置1の伝送効率は、充電時姿勢が正規姿勢のとき、充電時姿勢との関係において最も大きくなる。また、充電時姿勢が準正規姿勢のとき、非接触式電力伝送装置1に必要とされる伝送効率が得られる。一方、充電時姿勢が非正規姿勢のとき、非接触式電力伝送装置1に必要とされる伝送効率が得られない。
【0074】
このため非接触式電力伝送装置1では、充電時姿勢が正規姿勢または準正規姿勢のとき、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を実行する。一方、充電時姿勢が非正規姿勢のとき、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。これにより、伝送効率が低い状態において送電装置11から受電装置21への電力の伝送が行われることが抑制される。このため、リチウムイオン二次充電池を有する負荷64の充電のために送電装置11の電源電力が浪費されることが抑制される。
【0075】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0076】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21へ伝送する電力量を少なくすることもできる。
【0077】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無については判定せずに、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止することもできる。
【0078】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無については判定せずに、送電装置11から受電装置21へ伝送する電力量を少なくすることもできる。
【0079】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無を判定するが、この判定結果に基づく報知動作は行わない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無を判定し、この判定結果に基づく報知動作を行うこともできる。
【0080】
上述の報知動作の一例としては、発光部92(図1)により点滅動作および点灯動作のいずれか一方の報知動作を行うこともできる。警報部93(図1)により所定の音および音声案内のいずれか一方を出力する報知動作を行うこともできる。送電装置11および受電装置21の少なくとも一方に表示装置を設けて、この表示部に異物が介在することを示す表示を行うこともできる。送電装置11および受電装置21の少なくとも一方に振動装置を設けて、振動動作による報知動作を行うこともできる。
【0081】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3に応じた報知動作を行わない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3に応じた報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0082】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。しかしながら、異物の有無を判定して、この判定結果に基づく報知動作は行わない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。また、異物の有無を判定して、この判定結果に基づく報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0083】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。しかしながら、相対角度θ3に応じた報知動作は行われない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11と受電装置21との相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在すると判定して、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。また、相対角度θ3に応じた報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0084】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無については判定せずに、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。しかしながら、相対角度θ3に応じた報知動作は行われない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無については判定せずに、送電装置11から受電装置21への電力の伝送を停止する。また、相対角度θ3に応じた報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0085】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無については判定せずに、送電装置11から受電装置21へ伝送する電力量を少なくする。しかしながら、相対角度θ3に応じた報知動作は行われない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3が基準角度θ4以上のとき、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無については判定せずに、送電装置11から受電装置21へ伝送する電力量を少なくする。また、相対角度θ3に応じた報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0086】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無の判定結果に基づく報知動作、および相対角度θ3に応じた報知動作の少なくともいずれか1つの報知動作も行われない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11と受電装置21との間における異物の有無の判定結果に基づく報知動作、および相対角度θ3に応じた報知動作の少なくともいずれか1つの報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0087】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3に応じた受電装置21の充電時姿勢を判定し、この判定結果に基づいて、送電装置11から受電装置21へ伝送する電力量を制御する動作は行われない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3に応じた受電装置21の充電時姿勢を判定し、この判定結果に基づいて、送電装置11から受電装置21へ伝送する電力量を制御することもできる。
【0088】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図2)では、相対角度θ3に応じた受電装置21の充電時姿勢を判定し、この判定結果に基づく報知動作は行なわれない。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、相対角度θ3に応じた受電装置21の充電時姿勢を判定し、この判定結果に基づく報知動作を行うこともできる。この報知動作は、上記のその他の変形例で述べた報知動作と同様である。
【0089】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1の電力伝送制御(図4)では、制御部51の判定結果が、正規姿勢および準正規姿勢のいずれかである場合、および相対角度θ3に基づく結果が異物の介在無しの場合、および検出した電圧値に基づく結果が異物の介在有りの場合、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在しないと最終的に判定される。最終的な判定が異物の介在無しの場合、制御部51は送電装置11から受電装置21への通常送電が可能である(ステップS6:YES)と判定する。
【0090】
一方、変形例の非接触式電力伝送装置の電力伝送制御では、制御部51の判定結果が、正規姿勢および準正規姿勢のいずれかである場合、および相対角度θ3に基づく結果が異物の介在無しの場合、および検出した電圧値に基づく結果が異物の介在有りの場合、送電装置11と受電装置21との間に異物が介在しないと最終的に判定することもできる。最終的な判定が異物の介在無しの場合、制御部51は送電装置11から受電装置21への通常送電が可能であると判定して、送電装置11から受電装置21へ電力を伝送することもできる。
【0091】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図3)では、充電時姿勢が正規姿勢のとき、送電装置11の対向面11Aと受電装置21の対向面21Aとが互いに平行し、かつ1次コイルL1の中心軸と2次コイルL2の中心軸とが同軸上に位置する。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、充電時姿勢が正規姿勢のとき、1次コイルL1の中心軸と2次コイルL2の中心軸とが互いに平行する。
【0092】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図3)では、1次コイルL1と2次コイルL2との間で、通信信号Pおよび通信信号Qの送受信を行う。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11において1次コイルL1とは別に通信用のコイルを設ける。また、受電装置21において2次コイルL2とは別に通信用のコイルを設ける。そして、通信用として別途設けられたコイル間において、通信信号Pおよび通信信号Qの送受信を行う。
【0093】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図3)では、1次コイルL1と2次コイルL2との間で、通信信号Pおよび通信信号Qの送受信を行う。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11および受電装置21のそれぞれにおいて、通信機器を別途備える。そして、新たに設けられた2つの通信機器間において、通信信号Pおよび通信信号Qの送受信を行う。なお、上述の通信機器とは、例えば、赤外線通信装置や、ブルートゥース機器などの無線通信装置である。
【0094】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1では、図4のステップS3において、給電面91上に電子機器が載置されたとき、1次コイルL1の電圧値が減少する。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、図4のステップS3において、給電面91上に電子機器が載置されたとき、1次コイルL1の電圧値が増大する。
【0095】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1では、図4のステップS3において、1次コイルL1の電圧値の減少を送電部52の電圧検出回路で検出し、検出した電圧値が所定電圧値以下であるとき、充電器90の給電面91上に電子機器が有ると判定し(ステップS3:YES)、検出した電圧値が所定電圧値より大きいとき、充電器90の給電面91上に電子機器が無いと判定する(ステップS3:NO)。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、1次コイルL1の電圧値の増大を送電部52の電圧検出回路で検出し、検出した電圧値が所定電圧値以上であるとき、充電器90の給電面91上に電子機器が有ると判定し、検出した電圧値が所定電圧値未満であるとき、充電器90の給電面91上に電子機器が無いと判定する。
【0096】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1では、図4のステップS6およびステップS11において、送電装置11から受電装置21への通常送電が可能であるか否かが制御部51により判定される。一方、変形例の非接触式電力伝送装置では、送電装置11から受電装置21への通常送電が可能であるか否かの判定を制御部61により行うこともできる。つまり、送電装置11から受電装置21への通常送電の実行可否は、送電装置11および受電装置21のいずれか一方で行うことができる。また、送電装置11から受電装置21への通常送電の実行可否は、送電装置11および受電装置21の両方で行うこともできる。
【0097】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図1)では、受電装置21を携帯電話80に内蔵したが、受電装置21を内蔵する機器はこれに限定されない。例えば、携帯情報端末、ポータブルオーディオプレーヤー、ICレコーダー、デジタルカメラ、電動歯ブラシ、シェーバーなどの各種携帯機器にも受電装置21を内蔵できる。この場合、送電装置11は、上述の各種携帯機器の充電器に内蔵される。また、受電装置21は、シェーバーの清浄器などの携帯機器以外の機器にも内蔵できる。
【0098】
・上記実施形態の非接触式電力伝送装置1(図3)では、受電装置21が有する負荷64をリチウムイオン二次充電池としたが、負荷64はこれに限定されない。例えば、負荷64を電動モータとすることもできる。
【0099】
(実施形態の記載に基づく付記事項)
上記実施形態に記載の事項を上位概念化した事項を以下に記載する。
(付記事項1)請求項3に記載の非接触式電力伝送装置において、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していると判定したとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止する。
【0100】
(付記事項2)請求項6に記載の非接触式電力伝送装置において、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢と異なると判定したとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止する。
【0101】
(付記事項3)請求項5または6または付記事項2に記載の非接触式電力伝送装置において、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを前記送電装置の電圧、電流、および温度の少なくとも1つが示唆していることを条件Cとし、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢と異なることを前記相対的な角度が示唆していることを条件Dとして、前記条件Cおよび前記条件Dの少なくとも一方が成立しているとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止し、前記条件Cおよび前記条件Dの双方が成立していないとき、前記送電装置から前記受電装置に電力を伝送する。
【0102】
(付記事項4)請求項8に記載の非接触式電力伝送装置において、前記相対的な角度が前記基準角度以上のとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止し、前記相対的な角度が前記基準角度未満のとき、前記送電装置から前記受電装置に電力を伝送する。
【0103】
(付記事項5)請求項7または8または付記事項3に記載の非接触式電力伝送装置において、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを前記送電装置の電圧、電流、および温度の少なくとも1つが示唆していることを条件Eとし、前記相対的な角度が前記基準角度以上であることを条件Fとして、前記条件Eおよび前記条件Fの少なくとも一方が成立しているとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止し、前記条件Eおよび前記条件Fの双方が成立していないとき、前記送電装置から前記受電装置に電力を伝送する。
【0104】
(付記事項6)請求項1〜8のいずれか一項または付記事項1〜5のいずれか一項に記載の非接触式電力伝送装置、または請求項9に記載の送電装置、または請求項10に記載の受電装置において、前記相対的な角度に基づいて、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していると判定したとき、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを報知する。
【0105】
(付記事項7)請求項1〜8のいずれか一項または付記事項1〜6のいずれか一項に記載の非接触式電力伝送装置、または請求項9に記載の送電装置、または請求項10に記載の受電装置において、前記相対的な角度に基づいて、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢と異なると判定したとき、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢と異なることを報知する。
【0106】
(付記事項8)請求項1〜8のいずれか一項または付記事項1〜7のいずれか一項に記載の非接触式電力伝送装置、または請求項9に記載の送電装置、または請求項10に記載の受電装置において、前記相対的な角度が判定角度以上のとき、前記相対的な角度が前記判定角度以上であることを報知する。
【符号の説明】
【0107】
1…非接触式電力伝送装置、11…送電装置、11A…送電装置11の対向面、21…受電装置、21A…受電装置21の対向面、52…送電部、55…計測部、62…送電部、65…計測部、θ1…対向面11Aの角度、θ2…対向面11Bの角度、θ3…θ1とθ2との相対角度、θ4…基準角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電装置および受電装置を有する電磁誘導式の非接触式電力伝送装置において、
前記送電装置と前記受電装置との相対的な角度を検出する
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記相対的な角度に基づいて、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在しているか否かを判定する
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していると判定したとき、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していないと判定したときと比較して、前記送電装置から前記受電装置に伝送する電力量を少なくする
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを前記送電装置および前記受電装置の電圧、電流、および温度の少なくとも1つが示唆していることを条件Aとし、前記送電装置と前記受電装置との間に異物が存在していることを前記相対的な角度が示唆していることを条件Bとして、前記条件Aおよび前記条件Bの少なくとも一方が成立しているとき、前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送を停止し、前記条件Aおよび前記条件Bの双方が成立していないとき、前記送電装置から前記受電装置に電力を伝送する
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記相対的な角度に基づいて、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が正規の姿勢か否かを判定する
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢とは異なると判定したとき、前記送電装置に対する前記受電装置の姿勢が前記正規の姿勢と一致すると判定したときと比較して、前記送電装置から前記受電装置に伝送する電力量を少なくする
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記相対的な角度に応じて前記送電装置から前記受電装置への電力の伝送状態を制御する
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項8】
請求項7に記載の非接触式電力伝送装置において、
前記相対的な角度が基準角度以上のとき、前記相対的な角度が前記基準角度未満のときと比較して、前記送電装置から前記受電装置に伝送する電力量を少なくする
ことを特徴とする非接触式電力伝送装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の送電装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の受電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−78240(P2013−78240A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218047(P2011−218047)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】