説明

非接触通信装置、非接触通信システム、非接触通信方法およびプログラム

【課題】複数の事業者のサービスが利用できる非接触通信装置について、複数の事業者のサービスの停止または開始に関する手続きを容易に行う。
【解決手段】記憶部411はデータを管理するノードとこのノードに属するデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付け、また、他のノードと可否情報が関連付けられているノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する。非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報または参照情報が関連付けられているか否かを判定する。可否情報が関連付けられていれば、可否情報が示す内容に従って、データへのアクセスの可否を制御する。また、参照情報が関連付けられていれば、非接触通信制御部412は、この参照情報が指し示すノードに関連付けられているのが参照情報であるか可否情報であるかの判定を順次行い、可否情報が関連付けられているノードを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非接触通信装置に関し、特に、情報アクセス装置との間で非接触通信を行う非接触通信装置、非接触通信システム、および、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触通信方式によってR/W(Reader and Writer)装置などの情報アクセス装置との間で通信を行うICカードなどの非接触通信装置が広く用いられている。この非接触通信装置は、情報を記憶するために記憶部を備えており、記憶されている情報をR/W装置に送信し、あるいはR/W装置の指示に基づいて情報を書き換えて記憶する。
【0003】
また、階層構造によりフォルダ単位で記憶部に記憶される情報を管理する非接触通信置が提案されている。この階層構造により情報を管理する非接触通信装置としては、例えば、各階層のフォルダに鍵を関連付けてセキュリティを高める非接触通信装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この非接触通信装置において情報アクセス装置がフォルダに格納されている情報にアクセスするためには、例えば、上位の階層のフォルダに関連付けられている鍵を用いて認証を受けて、上位階層から順に認証を受けながら下位の階層にアクセスする必要がある。
【0004】
このように、各階層のフォルダに対して鍵による認証を行わせれば、各情報アクセス装置は許可されている特定の情報にのみしかアクセスできない。すなわち、非接触通信装置と情報アクセス装置とを利用してサービスを提供する事業者が複数存在しても、それぞれに異なる鍵を持たせれば、1つの非接触通信装置だけでも、複数の事業者がそれぞれ独自に提供するサービスを安全に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−36021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来技術では、1つの非接触通信装置だけでも複数の事業者のサービスを利用できるようになっている。ここで、例えば、特定の事業者のサービスの利用を停止する場合、非接触通信装置の所有者はその特定の事業者に対してサービスの利用停止を申し込まなければならない。そのため、複数の事業者のサービスの利用を停止する場合には、非接触通信装置の所有者は、利用を停止したい全ての事業者に対してサービスの利用停止を申し込まなければならない。また、利用を開始する場合についても同様に、利用を開始したい全ての事業者に対してサービスの利用開始を申し込む必要がある。このため、これらの停止または開始に関する手続きが煩雑であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、複数の事業者のサービスが利用できる非接触通信装置について、複数の事業者のサービスの停止または開始に関する手続きを容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、上記複数のノードのうちの上記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部と、上記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を非接触通信により受信するアクセス要求受信部と、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記可否情報または上記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている上記可否情報または上記参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う制御部とを具備する画像処理装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報または参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、可否情報が関連付けられている場合にはこの可否情報を参照してこの可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、参照情報が関連付けられている場合にはこの参照情報を参照してこの参照情報が指し示すノードに関連付けられている可否情報または参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行うという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記参照情報が関連付けられている場合において当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている上記可否情報がアクセス可能であることを示す場合には上記アクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行い、当該可否情報がアクセス不可であることを示す場合にはエラーを送信させる制御を行うようにしてもよい。これにより、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに参照情報が関連付けられている場合においてこの参照情報が指し示すノードに関連付けられている可否情報がアクセス可能であることを示す場合にはこのアクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行い、この可否情報がアクセス不可であることを示す場合にはエラーを送信させる制御を行うという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、前記制御部は、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合において当該可否情報がアクセス可能であることを示す場合には前記アクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行い、当該可否情報がアクセス不可であることを示す場合には前記アクセス要求に対して無応答とする制御を行うようにしてもよい。これにより、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報が関連付けられている場合においてこの可否情報がアクセス可能であることを示す場合にはこのアクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行い、この可否情報がアクセス不可であることを示す場合にはこのアクセス要求に対して無応答とする制御を行うという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記記憶部は、上記参照情報が関連付けられているノードを複数含み、上記制御部は、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報が指し示すノードに上記可否情報または上記参照情報の何れかが関連付けられているか否かの判定を順次行うことにより上記可否情報が関連付けられているノードを特定して当該特定されたノードに関連付けられている上記可否情報が示す内容に基づいた処理を行うようにしてもよい。これにより、制御部は、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに参照情報が関連付けられている場合には参照情報が指し示すノードに可否情報または参照情報の何れかが関連付けられているか否かの判定を順次行い、可否情報が関連付けられているノードを特定して、この可否情報が示す内容に基づいた処理を行うという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記特定されたノードに関連付けられている上記可否情報がアクセス可を示す場合には上記アクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行うようにしてもよい。これにより、特定されたノードに関連付けられている可否情報がアクセス可を示す場合にはアクセス要求に係るデータにアクセスさせるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記特定されたノードに関連付けられている上記可否情報がアクセス不可を示す場合にはエラーを送信させる制御を行うようにしてもよい。これにより、特定されたノードに関連付けられている可否情報がアクセス不可を示す場合にはエラーを送信するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記制御部は、上記特定されたノードに関連付けられている上記可否情報がアクセス不可を示す場合には上記前記アクセス要求に対して無応答とする制御を行うようにしてもよい。これにより、特定されたノードに関連付けられている可否情報がアクセス不可を示す場合にはアクセス要求に対して無応答とする制御を行うという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記可否情報は、当該可否情報が関連付けられているノードに管理されるデータにアクセスすることの可否について有効期限により特定する日時情報であるようにしてもよい。これにより、アクセスの可否が日時情報に基づいて判別されるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記ノードは階層構造により構成されているフォルダまたはファイルであり、上記制御部は、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードよりも上位の階層のノードに関連付けられている上記可否情報または上記参照情報について上記判定を行うようにしてもよい。これにより、アクセス要求に係るデータが管理されているノードよりも上位の階層のノードに関連付けられている可否情報または参照情報について判定を行うという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記複数のノードのうちの何れかのノードに関連付けられている上記可否情報を書き換えることを指示する書換指示を受信する書換指示受信部と、上記書換指示受信部により受信された上記書換指示に基づいて上記可否情報を書き換える書換部とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、書換指示を受信すると、この受信された書換指示に基づいて可否情報を書き換えるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第2の側面は、データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、上記複数のノードのうちの上記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部と、上記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータにアクセス可能であるか否かについての問合せを非接触通信により受け付ける受付部と、上記問合せに係るデータが管理されているノードに上記可否情報または上記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、上記問合せに係るデータが管理されているノードに上記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を送信させる制御を行い、上記問い合わせに係るデータが管理されているノードに上記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を送信させる制御を行う制御部とを具備する画像処理装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、問合せに係るデータが管理されているノードに可否情報または参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、問い合わせに係るデータが管理されているノードに可否情報が関連付けられている場合にはこの可否情報を送信させる制御を行い、問い合わせに係るデータが管理されているノードに参照情報が関連付けられている場合にはこの参照情報を送信させる制御を行うという作用をもたらす。
【0019】
また、この第2の側面において、上記制御部は、上記参照情報の送信に応答して第二の問合せを受信すると、当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている上記可否情報または上記参照情報を送信させる制御を行うようにしてもよい。これにより、参照情報の送信に応答して第二の問合せを受信すると、この参照情報が指し示すノードに関連付けられている可否情報または参照情報を送信するという作用をもたらす。
【0020】
また、この第3の側面は、データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、上記複数のノードのうちの上記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部と、上記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を非接触通信により受信するアクセス要求受信部と、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記可否情報または上記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、上記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに上記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている上記可否情報または上記参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う制御部とを備える非接触通信装置と、上記アクセス要求受信部にアクセス要求を非接触通信により送信するアクセス要求送信部を備える情報アクセス装置とを具備する非接触通信システムおよびこれにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、情報アクセス装置がデータにアクセスするアクセス要求を送信する場合に、非接触通信装置は、複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を受信して、このアクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報または参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定し、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報が関連付けられている場合には可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに参照情報が関連付けられている場合には、参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている可否情報または参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行うという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の事業者のサービスが利用できる非接触通信装置について、複数の事業者のサービスの停止または開始に関する手続きを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における移動体通信装置100の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における非接触通信部140の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるR/W装置200の内部構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるEEPROM144のデータ構造例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるユースケースを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるユースケースを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるアクセス制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態における可否情報出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態における非接触通信システム401のシステム構成例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における非接触通信システム401の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態におけるEEPROM144のデータ構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(非接触通信制御:移動体通信装置の例)
2.第2の実施の形態(非接触通信制御:ICカードの例)
3.第3の実施の形態(非接触通信制御:移動体通信装置の変形例)
【0024】
<1.第1の実施の形態>
[非接触通信システムの構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400のシステム構成例を示す図である。非接触通信システム400は、移動体通信装置100と、R/W装置(事業者A)200と、R/W装置(事業者B)201と、R/W装置(事業者C)202と、サーバ装置310とを備える。R/W装置200乃至202は、インターネット300を介してサーバ装置310に接続される。移動体通信装置100は、移動体通信網320を介して、サーバ装置310に接続される。
【0025】
移動体通信装置100は、移動体通信網320を介してサーバ装置310との間で、無線通信を行うとともに、R/W装置200乃至202との間で非接触通信を行うものである。移動体通信装置100は、例えば、ICカード機能および音声通話機能を備えた携帯電話装置である。ここで、ICカード機能とは、記憶されている情報が他の装置と非接触通信により読み書きされて、この通信装置を介してサービスを提供する機能である。このICカード機能は、図2に示す非接触通信部140により実現される。なお、移動体通信装置100の内部構成については、図2を参照して詳細に説明する。
【0026】
R/W装置200乃至202は、移動体通信装置100との間で非接触通信を行う情報アクセス装置である。例えば、R/W装置200乃至202と移動体通信装置100とが、非接触通信により電子マネーによる決済を行い、移動体通信装置100に記憶されている電子マネーが取引の内容に応じて減額される。なお、R/W装置200乃至202の内部構成については、図4を参照して詳細に説明する。
【0027】
サーバ装置310は、インターネット300を介して、R/W装置200乃至202から要求を受信し、あるいはR/W装置200乃至202に指示を送信するものである。また、サーバ装置310は、移動体通信網320を介して、移動体通信装置100に指示を送信する。
【0028】
[移動体通信装置の構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における移動体通信装置100の内部構成例を示すブロック図である。移動体通信装置100は、制御部110と、表示部120と、音声入出力部130と、非接触通信部140と、移動体通信部150と、アンテナ160および170と、操作部180と、バス190とを備える。
【0029】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などから構成され、移動体通信装置100の動作全体を制御するものである。
【0030】
表示部120は、画面を有する液晶表示装置などから構成され、制御部110の制御に基づいて、この画面に各種の画像を表示するものである。例えば、R/W装置200乃至202との間で、サービスの一種として電子マネーによる決済が行われる場合、この決済に関する各メニューが表示部120の画面に表示される。
【0031】
音声入出力部130は、制御部110の制御に基づいて、音声通話するためにユーザから入力されたデータをデジタルデータに変換し、あるいは移動体通信部150が受信した音声データを出力するものである。
【0032】
非接触通信部140は、制御部110の制御に基づいて、R/W装置200乃至202とアンテナ160を介して非接触通信を行うものである。この非接触通信部140により、移動体通信装置100のICカード機能が実現される。
【0033】
移動体通信部150は、アンテナ170を介して、移動体通信網320に接続されているサーバ装置310から送信される指示信号を受信するものである。また、移動体通信部150は、移動体通信網320を介して接続される他の移動体通信装置と通信して、移動体通信装置100が備える音声通話機能を実現させるものである。
【0034】
操作部180は、操作ボタン等から構成されて、ユーザにより操作ボタンに入力された内容を受け付け、受け付けた内容に応じた制御信号を制御部110に出力するものである。例えば、R/W装置200乃至202と、移動体通信装置100の非接触通信部140との間で電子マネーによる決済が行われる場合、表示部120の画面に表示される決済に関するメニューに従ってユーザが指示を入力する時に、操作部180が用いられる。
【0035】
図3は、本発明の第1の実施の形態における非接触通信部140の内部構成例を示すブロック図である。非接触通信部140は、CPU141と、ROM(Read Only Memory)142と、RAM(Random Access Memory)143とを備える。また、非接触通信部140は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Rom)144と、通信部145と、バス146とを備える。
【0036】
CPU141は、ROM142に記憶されているプログラムを読み出して、このプログラムに従って非接触通信部140全体の動作を制御するものである。なお、CPU141により実現される機能構成例については、図6を参照して詳細に説明する。
【0037】
ROM142は、読み出し専用の記憶装置から構成され、CPU141の動作に必要なプログラムやパラメータ等を記憶し、CPU141にこれらプログラム等を供給するものである。
【0038】
RAM143は、読み書き可能な記憶装置から構成され、CPU141が処理を行うときに、その処理中のデータなどを一時的に記憶するものである。
【0039】
EEPROM144は、不揮発性の記憶装置から構成され、移動体通信装置100がR/W装置200乃至202との通信を終了して電力の供給が無くなった後でも、情報を記憶し続けることができるものである。EEPROM144は階層構造にして情報を記憶して下位階層へのアクセスを鍵で制限するため、R/W装置200乃至202がアクセスできる情報が限られるようになっている。なお、EEPROM144のデータ構造については、図5を参照して詳細に説明する。
【0040】
通信部145は、変復調回路や電力発生回路等から構成され、CPU141の制御に基づいて、R/W装置200乃至202とアンテナ160を介して無線によりデータの送受信を行うものである。
【0041】
非接触通信部140のバス146は、移動体通信装置100のバス190に接続されており、非接触通信部140はバス190に接続されている制御部110などと情報のやり取りを行うことができる。
【0042】
アンテナ160は、コイル等から構成され、R/W装置200乃至202と通信部145との間で搬送波を送受信させるものである。
【0043】
[R/W装置の構成例]
次に、図4を用いて、R/W装置200乃至202の内部構成について説明する。なお、R/W装置200乃至202の構成はそれぞれ同一であり、ここではR/W装置200を例にして説明する。
【0044】
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるR/W装置200の内部構成例を示す図である。R/W装置200は、CPU210と、ネットワーク通信部211と、記憶部212と、非接触通信部213と、バス214とを備える。
【0045】
CPU210は、記憶部212に記憶されているプログラムを読み出して、このプログラムに従ってR/W装置200全体の動作を制御するものである。なお、CPU210により実現される機能構成例については、図6を参照して詳細に説明する。
【0046】
ネットワーク通信部211は、インターネット300に接続されており、CPU210の制御に基づいて、インターネット300を介してサーバ装置310と通信するものである。
【0047】
記憶部212は、ROM、RAM、EEPROMなどの情報を記憶する装置から構成され、各種の情報を記憶するものであり、記憶されている情報をCPU210等に供給する。
【0048】
非接触通信部213は、CPU210の制御に基づいて、移動体通信装置100とアンテナ215を介して通信するものである。
【0049】
バス214には、CPU210、ネットワーク通信部211、記憶部212、および非接触通信部213のそれぞれが接続され、これらの間での情報のやり取りを可能にする。
【0050】
[EEPROMのデータ構造]
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるEEPROM144のデータ構造例を示す図である。このEEPROM144は、階層構造により構成された複数のノードに各情報を関連付けて記憶する。この階層構造は、最上位階層のノード(ルートフォルダ)の下位階層に、複数のノード(フォルダ)が属する階層構造である。
【0051】
ここで、ルートフォルダ501は、この階層構造を管理するシステム全体を定義するシステム定義情報である。また、フォルダ502乃至507は、各フォルダが管理するエリアを定義するエリア定義情報である。エリアとは、フォルダにより管理される下位階層のノードを包括的に示す概念的な領域である。また、フォルダには、ファイルが属する。このファイルは、サービス定義情報とユーザブロックとを含む。なお、サービス定義情報は、対応するユーザブロックにアクセスするための鍵や、対応するユーザブロックのブロック数等を定義する情報である。また、ユーザブロックは、例えば、1ブロックあたり16バイトで構成されて、電子マネー情報等の各種の情報が格納される。
【0052】
具体的には、最上位のルートフォルダ501の下位階層にはフォルダ502が属し、フォルダ502の下位階層にはフォルダ503乃至505が属する。また、フォルダ503の下位階層にはフォルダ506が属し、フォルダ504の下位階層にはフォルダ507が属する。また、フォルダ506の下位階層にはファイル580が属し、フォルダ507にはファイル581が属し、フォルダ505にはファイル582が属する。例えば、フォルダ506に属するファイル580は、サービス定義情報511およびユーザブロック551乃至553から構成されている。
【0053】
ここで、例えば、フォルダ503が管理するエリアは、フォルダ503に属するフォルダ506およびフォルダ506に属するファイル580に相当するエリアであり、これを事業者A領域561として定義する。同様に、フォルダ504が管理するエリアを事業者事業者B領域562として定義し、フォルダ505が管理するエリアを事業者C領域563として定義する。
【0054】
また、各ノードには、固有の鍵(例えば、鍵521乃至530)が関連付けられている。例えば、ルートフォルダ501には鍵521が関連付けられ、フォルダ502には鍵522が関連付けられている。なお、図5に示す各鍵には、対応するノードを示す識別情報が括弧書きで示されている。各ノードに関連付けられている鍵は、各ノードまたは各ノードの下位階層に属するノードにアクセスがあったときに認証に用いられるものである。例えば、ファイル580にアクセスがあった場合、ファイル580に含まれるサービス定義情報511に関連付けられている鍵528を用いた認証が行われる。そして、ファイル580に属するユーザブロック551乃至553に格納されている情報が読み出され、あるいはユーザブロック551乃至553に新たな情報が書き込まれる。
【0055】
なお、R/W装置200乃至202が、あるフォルダに属するファイルにアクセスする場合には、例えば、そのファイルに関連付けられている鍵および上位階層のフォルダに関連付けられている鍵を全て有することを条件とすることができる。ただし、例えば、そのファイルに関連付けられている鍵を有していれば、上位階層のフォルダに関連付けられている全ての鍵を有していなくても、そのファイルにアクセス可能としてもよい。例えば、そのファイルに関連付けられている鍵と、予め設定されている上位階層のフォルダに関連付けられている鍵とを有することを条件とすることができる。なお、本発明の第1の実施の形態では、アクセス対象となるファイルに関連付けられている鍵および上位階層のフォルダに関連付けられている鍵を全て有することを条件に、そのファイルにアクセス可能とする場合を例にして説明する。
【0056】
例えば、R/W装置200が、ファイル580にアクセスする場合を例にして説明する。R/W装置200は、ルートフォルダ501、フォルダ502、503、506、ファイル580について認証を行うための共通鍵(鍵521、鍵522乃至523、526、528)を有しているものとする。R/W装置200がサービス定義情報511にアクセスするために、まず、ルートフォルダ501について鍵521で認証を行う。次に、フォルダ502については鍵522で認証を行い、フォルダ503については鍵523で認証を行い、フォルダ506については鍵526で認証を行う。このように、上位の階層から順に下位の階層まで、フォルダに関連付けられている鍵で認証が行われ、最後に、ファイル580については鍵528で認証が行われて、R/W装置200はファイル580にアクセスする。
【0057】
このように、各ノード(フォルダおよびファイル)には必要に応じて鍵が関連付けられている。そして、各R/W装置200乃至202が、各事業者に割り当てられているノードに関連付けられている共通鍵を有することで、EEPROM144に記憶されているファイル580乃至582へのアクセスはR/W装置200乃至202ごとに限定される。例えば、図5に示すように、R/W装置200を有する事業者Aは事業者A領域561の範囲内にのみアクセス可能と設定することができる。同様に、R/W装置201を有する事業者Bは事業者B領域562の範囲内にのみ、アクセス可能と設定することができる。また、R/W装置202を有する事業者Cは事業者C領域563の範囲内にのみアクセス可能と設定することができる
【0058】
事業者ごとに割り当てられた事業者領域に属する最上位の階層(すなわち、フォルダ503、フォルダ504、およびフォルダ505)には、例えば、参照情報または可否情報が関連付けられている。例えば、図5に示すように、フォルダ503に可否情報541が関連付けられ、フォルダ504に参照情報532が関連付けられ、フォルダ505に参照情報533が関連付けられている。
【0059】
可否情報には、この可否情報が関連付けられているノードまたはそのノードよりも下位の階層に属するファイルにアクセス要求があった場合に、そのアクセスの可否を示す情報が格納される。具体的には、可否情報には、アクセス可能を示す「可」またはアクセス不可を示す「否」が格納される。あるフォルダに関連付けられている可否情報に「否」が格納されている場合、そのフォルダおよびそのフォルダより下位の階層に属するファイルにアクセスすることはできない。一方、あるフォルダの可否情報に「可」が格納されていれば、そのフォルダおよびそのフォルダより下位の階層に属するファイルにアクセスすることができる。例えば、図5に示すように、フォルダ503に関連付けられている可否情報541に「可」が格納されている場合、R/W装置(事業者A)200は、サービス定義情報511にアクセス可能である。
【0060】
参照情報には、この参照情報が関連付けられているノード以外のノードに付与されている識別情報が格納される。例えば、図5に示すように、フォルダ504に関連付けられている参照情報532には、フォルダ503の識別情報「エリア#1000」が格納されている。また、フォルダ505に関連付けられている参照情報533には、フォルダ504の識別情報「エリア#2000」が格納されている。なお、参照情報に格納される識別情報により特定されるフォルダには、可否情報または参照情報のいずれかが関連付けられているものとする。
【0061】
例えば、参照情報が関連付けられているフォルダおよびそのフォルダより下位の階層に記憶されているファイルにアクセス要求があった場合、このファイルへのアクセスの可否について、まず、参照情報に格納されている識別情報が参照される。そして、この識別情報を有するフォルダに可否情報が関連付けられていれば、この可否情報に格納されている「可」または「否」に基づいて処理が行われる。例えば、参照先のフォルダに関連付けられている可否情報に「可」が格納されていれば、その参照元のフォルダおよびそのフォルダより下位の階層に記憶されているファイルへのアクセスが許可される。すなわち、アクセス要求に係るファイルへのアクセスが許可される。また、参照先のフォルダに関連付けられている可否情報に「否」が格納されていれば、アクセス要求元のR/W装置にエラーが送信される。または、無応答とする処理を行うようにしてもよい。一方、参照先のフォルダに可否情報が関連付けられておらず参照情報が関連付けられている場合には、参照先の参照情報に格納されている識別情報で示されるフォルダに可否情報または参照情報が関連付けられているかが判定される。このように、参照先のフォルダに可否情報および参照情報のうちのどちらが関連付けられているかが判定され、参照情報が関連付けられていればその参照情報に格納されている識別情報で示されるフォルダについて、さらに判定される。
【0062】
例えば、R/W装置(事業者B)201からのアクセス要求が図5に示すファイル581の場合、上位の階層のフォルダ504に参照情報532が関連付けられているため、ファイル581へのアクセスの可否について判定される。このとき、参照情報532に「エリア#1000」が格納されているため、エリア#1000の識別情報が付与されているフォルダ503に、可否情報または参照情報のうちのどちらが関連付けられているかが判定される。この場合、フォルダ503に可否情報541が関連付けられているため、可否情報541に「可」または「否」のいずれが格納されているかについて判定される。この場合には、可否情報541に「可」が格納されているため、R/W装置(事業者B)201からのアクセス要求に係るファイル581へのアクセスが許可される。
【0063】
また、例えば、R/W装置(事業者C)202からのアクセス要求が図5に示すファイル582の場合、上位の階層のフォルダ505に参照情報533が関連付けられているため、ファイル582へのアクセスの可否が判別される。このとき、参照情報533に参照情報「エリア#2000」が格納されているため、エリア#2000の名称を有するフォルダ504に、可否情報または参照情報のうちのどちらが関連付けられているかが判定される。フォルダ504には参照情報532が関連付けられているため、参照情報532に格納されている参照情報「エリア#1000」の名称が付与されているフォルダ503について、可否情報または参照情報のうちのどちらが関連付けられているかが次に判別される。フォルダ503には可否情報541が関連付けられているため、可否情報541に「可」または「否」のいずれが格納されているかについて判定される。この場合には、可否情報541に「可」が格納されているため、R/W装置(事業者C)202からのアクセス要求に係るファイル582へのアクセスが許可される。
【0064】
次に、R/W装置から、あるファイルにアクセス可能であるかを判別するために可否情報を取得するためのコマンド(問合せ)が出力された場合の可否情報出力処理について説明する。例えば、R/W装置(事業者A)200からファイル580にアクセス可能であるかの問合せを移動体通信装置100が受けた場合には、ファイル580の上位階層となるフォルダ503に関連付けられている可否情報541が読み出される。そして、この可否情報541がR/W装置(事業者A)200に送信される。
【0065】
また、例えば、R/W装置(事業者B)201からファイル581にアクセス可能であるかの問合せを移動体通信装置100が受けた場合には、ファイル581の上位階層となるフォルダ504に関連付けられている参照情報532が読み出される。そして、この参照情報532がR/W装置(事業者B)201に送信される。この参照情報532を取得したR/W装置(事業者B)201は、再び移動体通信装置100に問合せを出力する。そして、再び問合せを受けた移動体通信装置100により、参照情報532に格納されている「エリア#1000」の名称が付与されているフォルダ503に関連付けられている可否情報541が出力される。
【0066】
また、例えば、R/W装置(事業者C)202からファイル582にアクセス可能であるかの問合せを移動体通信装置100が受けた場合には、ファイル582の上位階層となるフォルダ505に関連付けられている参照情報533が読み出される。そして、この参照情報533がR/W装置(事業者C)202に送信される。この参照情報533を取得したR/W装置(事業者C)202は、再び移動体通信装置100に問合せを出力する。そして、再び問合せを受けた移動体通信装置100により、参照情報533に格納されている「エリア#2000」の名称が付与されているフォルダ504に関連付けられている参照情報532が出力される。この参照情報532を取得したR/W装置(事業者C)202は、再び移動体通信装置100に問合せを出力する。そして、再び問合せを受けた移動体通信装置100により、参照情報532に格納されている「エリア#1000」の名称が付与されているフォルダ503に関連付けられている可否情報541が出力される。
【0067】
このようにして、可否情報が送信されるまで、R/W装置は問合せを繰り返すことにより、可否情報を取得することができる。なお、R/W装置が可否情報を取得した場合、可否情報に基づいて問合せに係るデータにアクセスできるか否かを判別する。すなわち、R/W装置が取得した可否情報に「可」が格納されていれば、問合せに係るデータにアクセスできると判別する。また、R/W装置が取得した可否情報に「否」が格納されていれば、問合せに係るデータにアクセスできないと判別する。なお、R/W装置が問合せに係るデータにアクセスできると判別した場合には、ReadコマンドやWriteコマンドによりこのデータにアクセスするようにしてもよい。
【0068】
なお、図5に示す例では、事業者領域に属する最上位の階層(すなわち、フォルダ503乃至505)に参照情報または可否情報が関連付けられている例について説明した。しかし、事業者領域の最上位の階層以外のノードに参照情報または可否情報を関連付けるようにしてもよい。例えば、事業者領域に属する下位のフォルダおよびファイルに参照情報または可否情報が関連付けられていてもよい。例えば、図5に示すフォルダ506またはファイル580に可否情報または参照情報が関連付けられていてもよい。
【0069】
なお、可否情報に格納されている「可」または「否」の情報は、書換えが可能となっている。具体的には、サーバ装置310からの指示に基づいて、可否情報に格納されている情報が書き換えられる。
【0070】
上記説明の通り、EEPROM144に記憶されているファイル580乃至582にR/W装置200乃至202からアクセス要求があった場合に、アクセス先の事業者領域に可否情報および参照情報のいずれかが関連付けられているかについて判定される。アクセス先の事業者領域に可否情報が関連付けられていれば、その可否情報に格納されている「可」または「否」に基づいてアクセスの可否が決められる。一方、アクセス先の事業者領域に参照情報が関連付けられていれば、その参照情報に格納されている識別情報が示すフォルダについて、可否情報および参照情報のいずれかが関連付けられているかについて判定される。このように、参照情報に格納される識別情報が付与されているフォルダについて順次判定されながら、可否情報が関連付けられているフォルダが特定される。そして、この特定されたフォルダに関連付けられている可否情報に基づいた処理が行われる。例えば、可否情報に「可」が格納されていれば、アクセス要求元のR/W装置200乃至202にアクセス要求に係るデータへのアクセスが許可される。また、例えば、可否情報に格納されている情報に「否」が格納されていれば、アクセス要求元のR/W装置200乃至202に対してアクセスを許可しないための処理が行われる。この処理として、例えば、アクセス要求元にエラーを通知する処理が行われる。また、例えば、アクセス要求元に対して無応答とする処理を行うようにしてもよい。
【0071】
また、EEPROM144に記憶されているいずれかのノードにR/W装置200乃至202からアクセス可能であるか否かの問合せが送信される場合がある。この場合には、この問合せに係るノードまたは、このノードを管理するノードに参照情報または可否情報が関連付けられているか否かが判定される。この問合せに係るノードに可否情報が関連付けられていれば、この可否情報が問合せ元のR/W装置200乃至202に送信される。また、この問合せに係るノードに参照情報が関連付けられていれば、この参照情報が問合せ元のR/W装置200乃至202に送信される。そして、参照情報を取得したR/W装置200乃至202は再度問合せを行う。この再度の問合せに対して、この問合せに係る参照情報が示すノードが参照されてそのノードに関連付けられている参照情報または可否情報が問合せ元のR/W装置200乃至202に送信される。このようにして、R/W装置200乃至202は可否情報を取得するまで問合せを繰り返す。
【0072】
[非接触通信システムの機能構成例]
図6は、本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の機能構成例を示すブロック図である。非接触通信システム400は、移動体通信装置100と、R/W装置200乃至202とを備える。なお、図6では、R/W装置200乃至202のうちR/W装置200のみを示すものとする。
【0073】
移動体通信装置100は、機能構成として、記憶部411と、非接触通信制御部412と、可否情報書換部413と、情報受信部414と、情報送信部415と、書換指示受信部416とを備える。
【0074】
記憶部411は、ノードを階層構造で構成してデータを管理するものである。複数のノードには、可否情報が関連付けられているノードと、参照情報が関連付けられているノードとがそれぞれ少なくとも1つ含まれる。なお、記憶部411は、図3に示すEEPROM144に対応するものである。
【0075】
非接触通信制御部412は、情報受信部414が受信したアクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報または参照情報が関連付けられているか否かを判定するものである。この非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報が関連付けられている場合、この可否情報を参照してこの可否情報が示す内容に基づいた処理を行う。また、非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに参照情報が関連付けられている場合、参照情報を参照してこの参照情報が指し示すノードに関連付けられている可否情報または参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う。なお、アクセス要求とは、R/W装置200から送信されるものであり、記憶部411に記憶されているデータへのアクセスを要求するための信号である。例えば、非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータが管理されているノードに可否情報が関連付けられている場合には、可否情報に「可」または「否」のいずれが格納されているかについて判定する。可否情報に「可」が格納されていれば、非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータへのアクセスをアクセス要求元のR/W装置200に許可する。また、可否情報に「否」が格納されていれば、非接触通信制御部412は、情報送信部415からアクセス要求元のR/W装置200に対してアクセスを許可しないための処理を行う。例えば、アクセス要求元にエラーを通知する処理、または、アクセス要求元に対して無応答とする処理を行う。
【0076】
また、非接触通信制御部412は、情報受信部414が受信した問合せに係るデータが管理されているノードに可否情報または参照情報が関連付けられているか否かを判定する。この非接触通信制御部412は、この問合せに係るデータが管理されているノードに可否情報が関連付けられていれば、情報送信部415から問合せ元のR/W装置200にこの可否情報を送信させる制御を行う。また、非接触通信制御部412は、この問合せに係るデータが管理されているノードに参照情報が関連付けられていれば、情報送信部415から問合せ元のR/W装置200にこの参照情報を送信させる制御を行う。問合せ元のR/W装置200における情報受信部423が参照情報を取得した場合には、R/W装置制御部421は移動体通信装置100に対して再び問合せを行う。この問合せを情報受信部414により受信した非接触通信制御部412は、この参照情報が指し示すノードに可否情報または参照情報が関連付けられているか否かを判定する。この場合に、この参照情報が指し示すノードに可否情報が関連付けられていれば、非接触通信制御部412は、情報送信部415から問合せ元のR/W装置200にこの可否情報を送信させる制御を行う。また、この参照情報が指し示すノードに参照情報が関連付けられていれば、非接触通信制御部412は、情報送信部415から問合せ元のR/W装置200にこの参照情報を送信させる制御を行う。このようにして、非接触通信制御部412は、R/W装置200から問合せを受けるごとに可否情報または参照情報を送信させる制御を行う。なお、非接触通信制御部412は、図3に示すCPU141に対応するものである。また、非接触通信制御部412は、特許請求の範囲に記載の制御部の一例である。
【0077】
可否情報書換部413は、書換指示受信部416が受信した書換指示に基づいて、記憶部411に記憶されている可否情報を書き換えるものである。なお、可否情報書換部413は、特許請求の範囲に記載の書換部の一例である。
【0078】
情報受信部414は、R/W装置200の情報送信部422から非接触通信により送信されたアクセス要求または問合せを受信するものである。そして、受信したアクセス要求または問合せを非接触通信制御部412に出力する。なお、情報受信部414は、特許請求の範囲に記載のアクセス要求受信部の一例である。
【0079】
情報送信部415は、非接触通信制御部412の制御に基づいて、R/W装置200の情報受信部423に各情報を送信するものである。例えば、情報送信部415は、R/W装置200の情報受信部423に非接触通信によりエラーを送信する。また、この情報送信部415は、記憶部411から読み出された可否情報または参照情報を非接触通信によりR/W装置200の情報受信部423に送信する。
【0080】
次に、サーバ装置310から可否情報を書き換える指示がなされた時の書換処理について説明する。まず、サーバ装置310から可否情報を書き換える指示を示す書換指示を受信した書換指示受信部416は、書換指示の内容を可否情報書換部413に出力する。そして、可否情報書換部413は、その書換指示の内容に基づいて、ノードに関連付けられている可否情報を書き換える。この書換指示は、例えば、特定のノードに関連付けられている可否情報の内容を書き換える(例えば、アクセス可からアクセス不可への書き換え)指示である。
【0081】
次に、R/W装置200の機能構成について説明する。R/W装置200は、機能構成として、R/W装置制御部421と、情報送信部422と、情報受信部423とを備える。
【0082】
R/W装置制御部421は、記憶部411に記憶されているデータへのアクセス要求を情報送信部422に送信させるものである。この場合には、そのアクセス要求に係るデータへのアクセスの可否が移動体通信装置100側で判断される。また、アクセス要求に係るデータのアクセスの可否をR/W装置200側で判断する場合には、R/W装置制御部421は、問合せを情報送信部422に送信させる。この場合には、R/W装置制御部421は情報受信部423が受信した可否情報または参照情報を受け取る。なお、R/W装置制御部421が可否情報を取得した場合には可否情報に基づいて問合せに係るデータにアクセスできるか否かを判定する。一方、R/W装置制御部421が参照情報を取得した場合には再度の問合せを情報送信部422に送信させる。なお、R/W装置制御部421は、図4に示すCPU210に対応するものである。また、R/W装置制御部421は、特許請求の範囲に記載の判別部の一例である。
【0083】
情報送信部422は、R/W装置制御部421の指示に基づいて、アクセス要求を移動体通信装置100の情報受信部414に非接触通信により送信する。また、この情報送信部422は、R/W装置制御部421の指示に基づいて、問合せを移動体通信装置100の情報受信部414に非接触通信により送信する。
【0084】
情報受信部423は、移動体通信装置100の情報送信部415から可否情報または参照情報を非接触通信により受信し、これをR/W装置制御部421に送信する。なお、アクセス要求送信部422および情報受信部423は、図4に示す非接触通信部213に対応するものである。
【0085】
[移動体通信装置の通信例]
次に、図7乃至9を用いて、非接触通信システム400における非接触通信の動作の一例について説明する。本動作の説明にあたり、EEPROM144には、図5に示す通りに参照情報および可否情報がフォルダに関連付けられているものとする。また、各事業者のR/W装置200乃至202は適切な鍵を有しており、独自に割り当てられている事業者エリアにのみアクセスできるものとする。なお、図7については、図8および図9を参照しつつ詳細に説明する。図8および図9は、本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の動作の流れを模式的に示す図である。図8および図9に示す人物(所有者701)は、移動体通信装置100の所有者である。なお、この動作例の説明において、R/W装置200乃至202と移動体通信装置100との間で行われるポーリング(Polling)信号とその応答反応に係るやり取りについては説明を省略する。
【0086】
図7は、本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0087】
まず、移動体通信装置100がR/W装置(事業者A)200と通信する場合、EEPROM144の可否情報541には「可」が格納されているため、R/W装置(事業者A)200による事業者A領域561内のデータへのアクセスを許可する。例えば、図8(a)に示すように、所有者701が移動体通信装置100をR/W装置200に近づけると(710)、R/W装置(事業者A)200はEEPROM144からデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(図7、601)。このとき、R/W装置(事業者A)200は事業者A領域561内のデータにアクセスできる状態であるため、事業者A領域561内のデータを読み出す(図7、602)。
【0088】
また、図8(a)に示すように、所有者701が移動体通信装置100をR/W装置201に近づけると(711)、R/W装置(事業者B)201はEEPROM144からデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(図7、603)。このとき、R/W装置(事業者B)201は事業者B領域562内のデータにアクセスできる状態であるため、事業者B領域562内のデータを読み出す(図7、604)。
【0089】
また、図8(a)に示すように、所有者701が移動体通信装置100をR/W装置202に近づけると(712)、R/W装置(事業者C)202はEEPROM144からデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(図7、605)。このとき、R/W装置(事業者C)202は事業者C領域563内のデータにアクセスできる状態であるため、事業者C領域563内のデータを読み出す(図7、606)。
【0090】
ここで、移動体通信装置100が盗難された場合に、移動体通信装置100のEEPROM144に記憶されているファイルにアクセスされるのを防止するための動作について説明する。
【0091】
例えば、図8(b)に示すように、移動体通信装置100が所有者701から盗難されて、取得者702が移動体通信装置100を所持しているものとする。その場合、所有者701は、図9(a)に示すように、所有者701から事業者Aに盗難があった旨を連絡する(713)。
【0092】
事業者Aは、サーバ装置310を管理しているシステム管理者703に対して、事業者A領域561のサービスが利用されないように可否情報541を「可」から「否」にするように依頼する(図9(a)、714)。具体的には、R/W装置(事業者A)200からサーバ装置310に無効化要求が送信される(図7、607)。そして、サーバ装置310は、可否情報541を「可」から「否」に書き換える指示を示す書換指示を移動体通信装置100に出力する(図9(a)、715)。移動体通信装置100は、移動体通信網320を介して、書換指示を受信する(図9(a)、716)。このようにして、移動体通信装置100は、サーバ装置310から書換指示を受信する(図7、608)。そして、非接触通信部140のCPU141は、書換指示に基づいて、EEPROM144に記憶されているフォルダ503に関連付けられている可否情報541を「可」から「否」に書き換える。このように、可否情報541に「否」が格納されると、R/W装置200乃至202はそれぞれ、アクセス権限のあるデータにアクセスできなくなる。
【0093】
例えば、取得者702が移動体通信装置100をR/W装置(事業者A)200に近づけると(図9(b)、717)、R/W装置(事業者A)200がEEPROM144からデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(図7、609)。そのとき、可否情報541に「否」が格納されているため、アクセス不可を示す「Error」がR/W装置(事業者A)200に出力される(610)。よって、取得者702は、R/W装置(事業者A)200に移動体通信装置100を近づけても、R/W装置(事業者A)200は事業者A領域561のデータにアクセスできないため、サービスを利用することができない。
【0094】
また、取得者702が移動体通信装置100をR/W装置(事業者B)201に近づけると(図9(b)、718)、R/W装置(事業者B)201がEEPROM144からデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(図7、611)。このとき、参照情報532に「エリア#1000」が格納されているため、エリア#1000の識別情報が付与れているフォルダ503に参照情報または可否情報が関連付けられているか否かが判別される。この場合、フォルダ503に関連付けられている可否情報541に「否」が可格納されているため、アクセス不可を示す「Error」がR/W装置(事業者B)201に出力される(612)。よって、取得者702は、R/W装置(事業者A)200に移動体通信装置100を近づけても、R/W装置(事業者B)201は事業者B領域562のデータにアクセスできないため、サービスを利用することができない。
【0095】
また、取得者702が移動体通信装置100をR/W装置(事業者C)202に近づけると(図9(b)、719)、R/W装置(事業者C)202がEEPROM144からデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(図7、613)。このとき、参照情報533に「エリア#2000」が格納されているため、エリア#2000の識別情報が付与れているフォルダ504に参照情報または可否情報が関連付けられているか否かが判別される。フォルダ504には参照情報532が関連付けられており、参照情報532に「エリア#1000」が格納されているため、エリア#1000の識別情報が付与れているフォルダ503に参照情報または可否情報が関連付けられているか否かが判別される。フォルダ503には可否情報541が関連付けられており、可否情報541に「否」が格納されているため、アクセス不可を示す「Error」がR/W装置(事業者C)202に出力される(614)。よって、取得者702は、R/W装置(事業者C)202に移動体通信装置100を近づけても、R/W装置(事業者C)202は事業者C領域563のデータにアクセスできないため、サービスを利用することができない。
【0096】
なお、図7乃至9に示す例では、可否情報に「否」が格納されている場合に、移動体通信装置100から「Error」が出力されているが、移動体通信装置100からは何も出力されないようにしてもよい。これにより、R/W装置200乃至202は移動体通信装置100から応答反応を得られないため、アクセス要求に係るデータにアクセスすることができず、サービスを利用することができない。
【0097】
[移動体通信装置による可否・参照情報出力例]
次に、R/W装置200乃至202による問合せを受けて、移動体通信装置100から可否情報または参照情報が出力される動作例について説明する。なお、本動作の説明にあたり、EEPROM144には、図5に示す通りに参照情報および可否情報がフォルダに関連付けられているものとする。
【0098】
図10は、本発明の第1の実施の形態における非接触通信システム400の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0099】
まず、移動体通信装置100がR/W装置(事業者A)200に近づけられて、R/W装置(事業者A)200から問合せを受ける場合について説明する。R/W装置(事業者A)200はポ−リング信号を送信している(801)。移動体通信装置100がR/W装置(事業者A)200に近づけられると、移動体通信装置100がこのポーリング信号を受信して、R/W装置(事業者A)200に応答情報を送信する(802)。次に、例えば、R/W装置(事業者A)200からファイル580にアクセス可能であるか否かの問合せが送信される(803)。この問合せを受けた移動体通信装置100は、事業者A領域561内の最上位のフォルダ503に関連付けられている可否情報541をEEPROM144から読み出して、この可否情報541をR/W装置(事業者A)200に送信する(804)。この場合、可否情報541に「可」が格納されているため、R/W装置(事業者A)200は、問合せに係るファイル580にアクセス可能であると判別する。
【0100】
次に、移動体通信装置100がR/W装置(事業者B)201に近づけられて、R/W装置(事業者B)201から問合せを受ける場合について説明する。R/W装置(事業者B)201はポ−リング信号を送信している(805)。移動体通信装置100がR/W装置(事業者B)201に近づけられると、移動体通信装置100がこのポーリング信号を受信して、R/W装置(事業者B)201に応答情報を送信する(806)。次に、例えば、R/W装置(事業者B)201からファイル581にアクセス可能であるか否かの問合せが送信される(807)。この問合せを受けた移動体通信装置100は、事業者B領域562内の最上位のフォルダ504に関連付けられている参照情報532をEEPROM144から読み出して、この参照情報532をR/W装置(事業者B)201に送信する(808)。次に、R/W装置(事業者B)201は、この参照情報532に格納されている「エリア♯1000」の名称が付与されているフォルダに関連付けられている可否情報または参照情報を送信するように移動体通信装置100に再度、問合せを送信する(809)。再度の問合せを受けた移動体通信装置100は、「エリア♯1000」の名称が付与されているフォルダ503に関連付けられている可否情報541をEEPROM144から読み出して、この可否情報541をR/W装置(事業者B)201に送信する(810)。この場合、可否情報541に「可」が格納されているため、R/W装置(事業者B)201は、問合せに係るファイル581にアクセス可能であると判別する。なお、R/W装置(事業者C)202からファイル582にアクセス可能であるか否かの問合せが送信された場合についても同様に判定処理が行われる。すなわち、R/W装置(事業者C)202は、可否情報541を取得するまで問合せを繰り返す。
【0101】
[非接触通信装置の動作例]
次に、R/W装置200乃至202が移動体通信装置100のEEPROM144に記憶されているデータにアクセスするためにアクセス要求を送信した場合における移動体通信装置100の動作について説明する。
【0102】
図11は、本発明の第1の実施の形態におけるアクセス制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0103】
R/W装置200乃至202のうちのいずれかが、移動体通信装置100と互いに通信可能な距離に近づけられると、通信可能な距離に近づけられたR/W装置からアクセス要求があるかが判定される(ステップS901)。なお、ステップS901は、特許請求の範囲に記載のアクセス要求受信手順の一例である。アクセス要求があれば(ステップS901;Yes)、非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータを管理するノードに可否情報または参照情報が関連付けられているかを判定する(ステップS902)。
【0104】
アクセス要求に係るデータを管理するノードに可否情報が関連付けられていれば(ステップS902;可否情報)、非接触通信制御部412は、この可否情報に「可」が格納されているか否かを判別する(ステップS903)。
【0105】
この可否情報に「可」が格納されていれば(ステップS903;Yes)、非接触通信制御部412は、アクセス要求に係るデータへのアクセスを許可する(ステップS904)。一方、この可否情報に「否」が格納されていれば(ステップS903;No)、非接触通信制御部412は、アクセス要求元のR/W装置200乃至202に「Error」を出力する(ステップS905)。そして、ステップS904またはステップS905の動作の後に、アクセス制御処理を終了する。
【0106】
一方、アクセス要求に係るデータを管理するノードに参照情報が関連付けられていれば(ステップS902;参照情報)、非接触通信制御部412は、この参照情報が指し示すノードを参照する(ステップS906)。そして、非接触通信制御部412は、この参照情報が指し示すノードに他の参照情報が関連付けられているか否かを判別する(ステップS907)。この参照情報が指し示すノードに可否情報が関連付けられていれば(ステップS907;No)、ステップS903に進む。また、この参照情報が指し示すノードに他の参照情報が関連付けられていれば(ステップS907;Yes)、可否情報が関連付けられているノードが特定されるまでステップS906およびS907を繰り返す。なお、ステップS902乃至907は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
【0107】
次に、R/W装置200乃至202により、移動体通信装置100のEEPROM144に記憶されているファイルにアクセス可能であるか否かの問合せを受けたときの移動体通信装置100動作について、図12を用いて説明する。
【0108】
図12は、本発明の第1の実施の形態における可否情報出力処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、この例では、R/W装置200乃至202と移動体通信装置100との間で行われるポーリング信号とその応答反応に係るやり取りについての図示および説明を省略する。
【0109】
R/W装置200乃至202のうちのいずれかが、移動体通信装置100と互いに通信可能な距離に近づけられると、通信可能な距離に近づけられたR/W装置から問合せがあるか否かが判定される(ステップS911)。問合せがあれば(ステップS911;Yes)、非接触通信制御部412は、問合せに係るデータを管理するノードに可否情報または参照情報のうちのどちらが関連付けられているかを判定する(ステップS912)。
【0110】
問合せに係るデータを管理するノードに可否情報が関連付けられていれば(ステップS912;可否情報)、非接触通信制御部412は、この可否情報を問合せ元のR/W装置200乃至202に出力する(ステップS913)。そして、可否情報出力処理を終了する。一方、問合せに係るデータを管理するノードに参照情報が関連付けられていれば(ステップS912;参照情報)、非接触通信制御部412は、この参照情報を問合せ元のR/W装置200乃至202に出力する(ステップS914)。
【0111】
次に、非接触通信制御部412は、この参照情報の出力に応答してR/W装置200乃至202から問合せがあるか否かを判定する(ステップS915)。問合せがなければ(ステップS915;No)、可否情報出力処理を終了する。一方、問合せあれば(ステップS915;Yes)、ステップS912に戻り、問合せ元のR/W装置200乃至202に可否情報を送信するまで、ステップS912およびS914を繰り返す。
【0112】
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、可否情報をノードに関連付けて記憶することにより、そのノードに管理されている情報へのアクセスの可否を容易に変更することができる。また、可否情報が関連付けられているノード以外のノードに参照情報を関連付けて記憶することより、その参照情報が指し示すノードに関連付けられている可否情報に基づいて、そのノードに管理されている情報へのアクセスの可否を容易に変更することができる。また、複数のノードに参照情報が関連付けられていれば、参照情報が指し示すノードを順に辿ることにより特定されるノードの可否情報に基づいて、アクセスの可否が決まる。これにより、例えば、ある事業者領域の可否情報が書き換えられると、この可否情報を参照することによりアクセスの可否が決められる複数の事業者領域は全て、書き換えられた可否情報に従うことになる。したがって、1回の書き換えのみで、これら複数の事業者領域に係るアクセスの可否を変更できるため、参照情報により特定される可否情報に従う事業者領域が多いほど有益である。
【0113】
<2.第2の実施形態>
[非接触通信システムの構成例]
図13は、本発明の第2の実施の形態における非接触通信システム401のシステム構成例を示す図である。非接触通信システム401は、ICカード800と、R/W装置(事業者A)200と、R/W装置(事業者B)201と、R/W装置(事業者C)202と、サーバ装置310とを備える。なお、本発明の第2の実施の形態は、移動体通信装置100の代わりに、ICカード800を用いる点が本発明の第1の実施の形態と異なるが、他の部分は、本発明の第1の実施の形態と略同様である。このため、以下では、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明を省略し、本発明の第1の実施の形態に示す例と異なる部分を中心に説明する。
【0114】
ICカード800の内部構成は、図3に示す非接触通信140の内部構成と略同一であるが、ICカード800のバスが外部のバスには接続されていない点が異なる。以下、非接触通信部140と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明を省略し、非接触通信部140と異なる部分を中心に説明する。なお、ICカード800は、各ICカードを識別するための識別情報をEEPROM144に記憶しているものとする。
【0115】
R/W装置200乃至202は、図4に示す内部構成と略同一であるが、それぞれ異なる可否情報書換リストを記憶部212に記憶する点が異なる。可否情報書換リストは、ICカードの識別情報が記録されたリストであり、このリストに識別情報が記録されているICカードの可否情報が書き換えられる。
【0116】
[非接触通信システムの動作例]
次に、ICカード800の所有者が、ICカード800の利用を停止する際の非接触通信システム401の動作について説明する。以下の動作説明では、EEPROM144に記憶されているデータは図5に示すデータ構造と同一として説明する。
【0117】
図14は、本発明の第2の実施の形態における非接触通信システム401の動作を説明するためのシーケンス図である。この例では、アクセス要求に係るデータへのアクセスの可否を移動体通信装置100側で判断する場合を例にして説明する。ただし、アクセス要求に係るデータのアクセスの可否をR/W装置側で判断する場合についても同様に適用することができる。まず、第1の実施の形態の場合と同様に、ICカード800がR/W装置(事業者A)200に近づけられるとReadコマンドが送信されて(601)、Dataが出力される(602)。同様に、R/W装置(事業者B)201およびR/W装置(事業者C)202ともICカード800は正常に通信ができる。
【0118】
次に、ICカード800の所有者がICカード800の利用を停止させる場合における非接触通信システム401の動作について説明する。
【0119】
ICカード800の所有者は事業者Aに連絡して、サービスの利用停止を申し出る。この申し出を受けた事業者Aは、可否情報書換リストにICカード800の識別情報を加えて、新たな可否情報書換リストを記憶部212に記憶させる。
【0120】
このとき、ICカード800の所有者が、事業者AによるICカードを利用したサービスの提供を受けようとして、ICカード800をR/W装置(事業者A)200に近づけたとする。R/W装置(事業者A)200はポーリング信号を送信しており(620)、これを受信したICカード800は応答情報を送信する(621)。ICカード800の識別情報を含む応答情報を受信したR/W装置(事業者A)200は、ICカード800の識別情報が記憶部212に記憶されている可否情報書換リストに含まれているか否かを判定する。本例の場合、ICカード800の識別情報が可否情報書換リストに含まれているため、R/W装置(事業者A)200はICカード800によるサービスの利用を停止させる。具体的には、R/W装置(事業者A)200は、フォルダ503に関連付けられている可否情報541を「否」に書き換える指示を示す書換指示をICカード800に出力する(622)。書換指示を受信したR/W装置(事業者A)200は、フォルダ503に関連付けられている可否情報541を「否」に書き換える。そして、ICカード800は、書換を正常に終了したことを示す正常応答をR/W装置(事業者A)200に送信する(623)。なお、この書き換えは非接触通信制御部412が行うものとする。
【0121】
このように事業者A領域561の可否情報が「否」に書き換えられることにより、R/W装置(事業者A)200が事業者A領域561のファイル580にアクセスしても、可否情報541が「否」になっているためアクセスできない。同様に、事業者B領域562および事業者C領域563のファイル581または582にアクセスされようとしても、可否情報541に格納されている「否」が参照されることにより、それぞれのファイル581または582にはアクセスされない。
【0122】
例えば、ICカード800の取得者が、ICカード800をR/W装置(事業者A)200にかざすと、R/W装置(事業者A)200は事業者A領域561のデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(609)。これを受信したICカード800は、アクセス要求されたデータを管理するフォルダ503に関連付けられている可否情報541に「可」または「否」のいずれが格納されているかについて判定する。この場合には、可否情報541に「否」が格納されているため、ICカード800は、「Error」をR/W装置(事業者A)200に出力する(610)。同様に、ICカード800の取得者が、ICカード800をR/W装置(事業者B)201にかざすと、R/W装置(事業者B)201は事業者B領域562のデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(611)。これを受信したICカード800は、アクセス要求されたデータを管理するフォルダ504に関連付けられている参照情報532に格納されているフォルダの識別情報に基づいて、フォルダ503を参照する。そして、ICカード800は、フォルダ503に関連付けられている可否情報541に「可」または「否」のいずれが格納されているかについて判定する。この場合には、可否情報541に「否」が格納されているため、ICカード800は、「Error」をR/W装置(事業者B)201に出力する(612)。同様に、ICカード800の取得者が、ICカード800をR/W装置(事業者C)202にかざすと、R/W装置(事業者C)202は事業者C領域563のデータを読み出すためのReadコマンドを送信する(613)。これを受信したICカード800は、アクセス要求されたデータを管理するフォルダ505に関連付けられている参照情報533に格納されているフォルダの識別情報に基づいて、フォルダ504を参照する。次に、ICカード800は、フォルダ504に関連付けられている参照情報532が指し示すフォルダ503に関連付けられている可否情報541に「可」または「否」のいずれが格納されているかについて判定する。この場合には、可否情報541に「否」が格納されているため、ICカード800は、「Error」をR/W装置(事業者C)202に出力する(614)。
【0123】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、移動体通信網との通信機能を備えていないICカード等の非接触通信装置についても、可否情報および参照情報を用いることができる。これにより、ICカード等の非接触通信装置でも、複数の事業者のサービスの停止または開始に関する手続きを容易に行うことを目的とする。
【0124】
<3.第3の実施の形態>
[EEPROMのデータ構造]
図15は、本発明の第3の実施の形態におけるEEPROM144のデータ構造例を示す図である。本発明の第3の実施の形態におけるEEPROM144のデータ構造は、図5に示すフォルダ503に関連付けられている可否情報541には日時情報571が格納されている点が本発明の第1の実施の形態と異なる。また、各R/W装置200乃至202はCPU210に計時部を備えて、計時部より現在の日時情報を取得するものとする。他の部分については、本発明の第1の実施の形態と略同様である。このため、以下では、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明を省略し、本発明の第1の実施の形態に示す例と異なる部分を中心に説明する。
【0125】
日時情報571は、フォルダ503に属するノード(フォルダまたはファイル)に管理されているデータにアクセスすることの可否について有効期限により特定する情報である。例えば、図1に示す非接触通信システム400において、R/W装置200からアクセス要求があった場合について説明する。
【0126】
R/W装置200からファイル580にアクセス要求があると、ノードに可否情報または参照情報が関連付けられているかが判定される。この場合、上位のノードであるフォルダ503に可否情報541が関連付けられているため、ファイル580へのアクセスの可否は、可否情報541に基づいて判定される。
【0127】
ここで、可否情報541には日時情報571「2009/01/01;12:00」(2009年1月1日、12時)が格納されており、この日時情報571がR/W装置200に送信される。非接触通信により日時情報571を取得したR/W装置200のCPU210は、計時部より現在時刻を取得して、これを日時情報571と比較することによりアクセスの可否を判定する。すなわち、日時情報571が現在時刻よりも先の日時であればアクセス可と判定され、日時情報571が現在時刻よりも前の日時であればアクセス否と判定される。
【0128】
例えば、現在時刻が「2008/12/01;12:00」(2008年12月1日、12時)であれば、日時情報571と比較されて、日時情報571が現在時刻よりも先の日時であるため、アクセス可と判定される。よって、R/W装置200はファイル580にアクセスできることになる。なお、日時情報571が現在時刻よりも先の日時であればアクセス否と判定され、日時情報571が現在時刻よりも前の日時であればアクセス可と判定されるようにしてもよい。この例では、アクセス要求に係るデータへのアクセスの可否を移動体通信装置100側で判断する場合を例にして説明する。ただし、アクセス要求に係るデータのアクセスの可否をR/W装置側で判断する場合についても同様に適用することができる。
【0129】
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、アクセスの可否は可否情報に格納された日時情報と現在時刻との比較により決定される。これにより、日時情報が関連付けられているノードに管理されている情報へのアクセスの可否を日時情報に基づいて容易に変更することができる。
【0130】
以上で示したように、本発明の各実施の形態によれば、事業者A乃至Cのサービスの停止または開始に関する手続きを容易に行うことができる。
【0131】
なお、本発明の実施の形態では、非接触通信装置として、移動体通信装置100またはICカード800を例にして説明したが、例えば、ICカード機能を搭載した電子機器等の非接触通信装置に本発明の各実施の形態を適用することができる。
【0132】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、上述のように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0133】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【符号の説明】
【0134】
100 移動体通信装置
110 制御部
120 表示部
130 音声入出力部
140 非接触通信部
141 CPU
142 ROM
143 RAM
144 EEPROM
145 通信部
146 バス
150 移動体通信部
160、170 アンテナ
180 操作部
190 バス
200〜202 R/W装置
210 CPU
211 ネットワーク通信部
212 記憶部
213 非接触通信部
214 バス
215 アンテナ
300 インターネット
310 サーバ装置
320 移動体通信網
400、401 非接触通信システム
411 記憶部
412 非接触通信制御部
413 可否情報書換部
414 情報受信部
415 情報送信部
416 書換指示受信部
421 R/W装置制御部
422 アクセス要求送信部
423 情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、前記複数のノードのうちの前記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を非接触通信により受信するアクセス要求受信部と、
前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報または前記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている前記可否情報または前記参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う制御部と
を具備する非接触通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合において当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている前記可否情報がアクセス可能であることを示す場合には前記アクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行い、当該可否情報がアクセス不可であることを示す場合にはエラーを送信させる制御を行う請求項1記載の非接触通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合において当該可否情報がアクセス可能であることを示す場合には前記アクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行い、当該可否情報がアクセス不可であることを示す場合には前記アクセス要求に対して無応答とする制御を行う請求項1記載の非接触通信装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記参照情報が関連付けられているノードを複数含み、
前記制御部は、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報が指し示すノードに前記可否情報または前記参照情報の何れかが関連付けられているか否かの判定を順次行うことにより前記可否情報が関連付けられているノードを特定して当該特定されたノードに関連付けられている前記可否情報が示す内容に基づいた処理を行う
請求項1記載の非接触通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記特定されたノードに関連付けられている前記可否情報がアクセス可能であることを示す場合には前記アクセス要求に係るデータにアクセスさせる制御を行う請求項4記載の非接触通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記特定されたノードに関連付けられている前記可否情報がアクセス不可であることを示す場合にはエラーを送信させる制御を行う請求項4記載の非接触通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記特定されたノードに関連付けられている前記可否情報がアクセス不可であることを示す場合には前記アクセス要求に対して無応答とする制御を行う請求項4記載の非接触通信装置。
【請求項8】
前記可否情報は、当該可否情報が関連付けられているノードに管理されるデータにアクセスすることの可否について有効期限により特定する日時情報である請求項1記載の非接触通信装置。
【請求項9】
前記ノードは階層構造により構成されているフォルダまたはファイルであり、
前記制御部は、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードよりも上位の階層のノードに関連付けられている前記可否情報または前記参照情報について前記判定を行う請求項1記載の非接触通信装置。
【請求項10】
前記複数のノードのうちの何れかのノードに関連付けられている前記可否情報を書き換えることを指示する書換指示を受信する書換指示受信部と、
前記書換指示受信部により受信された前記書換指示に基づいて前記可否情報を書き換える書換部と
をさらに具備する請求項1記載の非接触通信装置。
【請求項11】
データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、前記複数のノードのうちの前記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータにアクセス可能であるか否かについての問合せを非接触通信により受け付ける受付部と、
前記問合せに係るデータが管理されているノードに前記可否情報または前記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、前記問合せに係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を送信させる制御を行い、前記問合せに係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を送信させる制御を行う制御部と
を具備する非接触通信装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記参照情報の送信に応答して第二の問合せを受信すると、当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている前記可否情報または前記参照情報を送信させる制御を行う請求項11記載の非接触通信装置。
【請求項13】
データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、前記複数のノードのうちの前記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を非接触通信により受信するアクセス要求受信部と、
前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報または前記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている前記可否情報または前記参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う制御部と
を備える非接触通信装置と、
前記アクセス要求受信部に前記アクセス要求を非接触通信により送信するアクセス要求送信部と、
を備える情報アクセス装置と
を具備する非接触通信システム。
【請求項14】
データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、前記複数のノードのうちの前記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部に含まれる前記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を非接触通信により受信するアクセス要求受信手順と、
前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報または前記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている前記可否情報または前記参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う制御手順と
を具備する非接触通信方法。
【請求項15】
データを管理する複数のノードのうちの少なくとも1つのノードと当該ノードに管理されているデータへのアクセスの可否を示す可否情報とを関連付けて記憶するとともに、前記複数のノードのうちの前記可否情報が関連付けられているノード以外のノードと当該ノード以外のノードを指し示す参照情報とを関連付けて記憶する記憶部に含まれる前記複数のノードのうちの何れかのノードに管理されているデータへのアクセス要求を非接触通信により受信するアクセス要求受信手順と、
前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報または前記参照情報の何れかが関連付けられているか否かを判定して、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記可否情報が関連付けられている場合には当該可否情報を参照して当該可否情報が示す内容に基づいた処理を行い、前記アクセス要求に係るデータが管理されているノードに前記参照情報が関連付けられている場合には当該参照情報を参照して当該参照情報が指し示すノードに関連付けられている前記可否情報または前記参照情報が指し示す内容に基づいた処理を行う制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−176352(P2010−176352A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17726(P2009−17726)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】