説明

非接触ICタグ

【課題】 リーダライタによる読み取りの可否を容易に変更できる非接触ICタグを提供する。
【解決手段】 非接触ICタグ1は、第1部材11と、第1部材を収容可能な溝部33が形成された第2部材13と、を備える。第1部材11はICチップ21と、第1アンテナ23と、が設けられている。第2部材13は、第2アンテナ31が設けられている。第1部材11を軸部27を中心に回転させると、突起部25の一部が開口部43に挿入されて係止し、第1部材11の回転が抑制される。この状態では、第1アンテナ23と第2アンテナ31とが電磁結合し、通信距離が飛躍的に長くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID技術を利用してリーダライタと通信を行う非接触ICタグに関する。
【背景技術】
【0002】
ICタグ(RFIDタグ、ICカード、RFIDカードなどともいう)は、従来用いられていた磁気ストライプカードなどと比較して、ICチップに大量の情報を記憶することができ、またセキュリティ機能にも優れているため、運送や流通、商品や荷物の管理、クレジットカードやIDカードなど、様々な分野で利用されている。
【0003】
また、リーダライタと無線により通信を行う非接触ICタグは、扱いが簡便となることや接触による磨耗がないことなどから利便性が高い。
このような非接触ICタグを用いる場合において、その機能のON/OFFの切り替えを行いたい場合がある。例えば、特開2008−134867号公報の図6に記載されているように、当初は非接触ICタグが靴箱に添付されており、靴を店頭に陳列する際には非接触ICタグの一部を切り離して靴に付けることで、靴箱は非接触ICタグの機能を発揮しなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−134867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非接触ICタグの機能を、OFFからONに切り替えたいという要望がある。例えば、工場の生産ラインにおいて、予め製品に非接触ICタグが取り付けられており、検品を行った後に非接触ICタグの機能を発揮させることで、検査の完了が非接触ICタグと通信することにより判別できる。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、靴箱は非接触ICタグの機能を無くすことができるが、再度その機能を発揮させることができない。このように、従来、自在にON/OFFを切り替えることができる非接触ICタグは存在しなかった。
【0007】
本発明の目的は、リーダライタによる読み取りの可否を容易に変更できる非接触ICタグを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、ICチップ、および上記ICチップと接続する第1アンテナを備える第1部材と、第2アンテナを備える第2部材と、上記第1部材が、上記第2部材における所定の位置に移動したときに、当該所定の位置からの上記第1部材の移動を制限する移動制限部と、を備え、上記所定の位置は、上記第1アンテナと上記第2アンテナとが電磁結合する位置、または、上記第1アンテナと上記第2アンテナとが導通する位置であることを特徴とする非接触ICタグである。
【0009】
このように構成された非接触ICタグは、移動制限部により第1部材が所定の位置に保持されている場合には、第2アンテナをブースターアンテナとして利用したり、第1アンテナと第2アンテナとを導通させてアンテナを拡張したりすることにより、第1アンテナのみを用いる場合と比較して長距離の通信が可能となる。一方、第1部材が所定の位置以外に位置する場合には第2アンテナを利用できず、より近距離の通信のみが可能となる。
【0010】
したがって、第1部材を第2部材における所定の位置に移動させたり、またその位置から移動させたりするだけで、非接触ICタグの通信距離を変化させることができ、それによってリーダライタによる非接触ICタグの読み取りの可否を容易に変更させることができる。
【0011】
なお、第1部材は、第2アンテナを利用しない場合では非常に通信距離が短くなるように設定することが好ましい。例えば通信距離が2mm程度の密着型とすることで、リーダライタによる読み取りを行いたくない場合にも読み取りが行われてしまうことを抑制できる。
【0012】
また上記第2アンテナは、第1アンテナよりも利得の大きいものを用いることが好ましい。
また上記移動制限部は、第1部材が所定の位置から移動することを強固に抑制する構成、例えば移動させるためには非接触ICタグの一部を破壊したり変形させたりする必要がある構成としてもよいし、一定以上の力を加えたり、所定の操作を行うことで容易に移動が可能となるように構成してもよい。
【0013】
また上述したように、第1アンテナが上記所定の位置にある場合には、第1アンテナと第2アンテナとは電磁結合する構成であってもよいし互いに導通する構成であってもよいが、第1アンテナと第2アンテナとが電磁結合する構成とすると、アンテナ同士を直接導通させる必要がないので、第1部材および第2部材の形状の自由度が高くなるとともに、第1部材と第2部材との位置合せの厳密性が低くなり、第1部材が所定の位置にあるのに通信ができないといったエラーの発生を抑制できる。
【0014】
なお、第1部材の移動は、外部からの力によって実現されるものであり、例えば人が手で操作することによって移動することができる。
上記第1部材は、上記所定の位置と、当該所定の位置以外の位置と、の間で変位可能であるように構成してもよい。
【0015】
また、上記の変位が可能となるように、第1部材と第2部材とを連結する連結部を備える構成であってもよい。
このように構成することで、第1部材が所定の位置でない場合であっても、第1部材と第2部材とが分離することが抑制され、それにより、例えばいずれかを紛失してしまうことを抑制できる。また、本発明の非接触ICタグを対象物に取り付けて用いる場合には、第1部材と第2部材とのいずれか一方を対象物に固定すればよく、取り扱いを簡便にすることができる。
【0016】
なお、連結部の具体的な構成は特に限定されず、第1部材と第2部材とを連結可能であれば様々な構成を採用することができる。例えば、第1部材および第2部材とは独立した部材をそれらの間に介在させて、第1部材および第2部材を連結する構成であってもよいし、第1部材および第2部材のいずれか一方に他方を保持する保持具を設けてもよい。
【0017】
また、上記連結部を用いて第1部材と第2部材とを連結する場合、第1部材が所定の回転軸を中心として第2部材に対して回転変位可能となる構成であってもよい。このように構成された非接触ICタグであれば、第1部材を回転させることで所定の位置に合せることができ、操作が容易になる。
【0018】
また、所定の範囲内で第1部材が第2部材に対してスライド可能に構成されていてもよい。
また第1部材および第2部材は、少なくとも第1部材が所定の位置であるときには、第1部材および前記第2部材によって環状体を形成し、第1部材が所定の位置とは異なる開放位置であるときには、上記環状体の一部が開放されるように構成されていてもよい。
【0019】
このように構成された非接触ICタグであれば、第1部材が所定の位置であるときに形成される環状体の内部において、例えばケーブルや、紐状または棒状の部材などを保持できる。よって、非接触ICタグにケーブルを配置したり、非接触ICタグを荷物や製品に取り付けたりすることが簡便に行えるようになる。
【0020】
また、非接触ICタグからケーブルなどを取り外す際には、環状体の一部を開放する必要があるため、第1部材が所定の位置から移動することとなり、その結果非接触ICタグの通信距離が短くなる。そのため、非接触ICタグとの通信距離の変化、具体的にはリーダライタにて読み取れるか否かによって、非接触ICタグからケーブルが取り外されたことや、荷物や製品から非接触ICタグが取り外されたことを検知することができる。
【0021】
なお上記環状体とは、その環状体内に配置されるケーブルなどの対象物が第1部材の移動なしには外すことができないものであればよいので、完全に閉じた環状体である必要はなく一部が開放されていてもよい。そして第1部材が所定の位置から移動した場合には、対象物が取り外せる大きさの開放が形成される構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】非接触ICタグを示す正面図(A)、平面図(B)、左側面図(C)、右側面図(D)、底面図(E)、背面図(F)、非接触ICタグの内部を透視した正面図(G)、および図1(G)において第1部材を移動させた正面図(H)である。
【図2】非接触ICタグの斜視図(A)、および図2(A)において第1部材を移動させた斜視図(B)である。
【図3】第1部材の斜視図(A)、および第2部材の斜視図(B)である。
【図4】非接触ICタグの使用例を説明する図であり、斜視図(A)〜(D)、図4(D)を上方から見た平面図(E)、および図4(D)を後方から見た背面図(F)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施例]
(1)全体構成
本実施例の非接触ICタグ1を、図1(A)〜(H)、および図2(A),(B)に示す。本実施例の非接触ICタグ1は、四隅の面取りがなされた樹脂製の板状である第1部材11と、四隅の面取りがなされ、第1部材を収容可能な溝部33が形成された樹脂製の板状である第2部材13と、を備える。
【0024】
第1部材11は、図1(G),(H),図2(A),(B)に示すように、半導体メモリを内蔵するICチップ21と、ICチップ21と接続し、第1部材11の主たる面に沿って配置されるループ状の第1アンテナ23と、が第1部材11の内部に設けられている。
【0025】
第1部材11のみを拡大した図を図3(A)に示す。なお、同図においてICチップ21と第1アンテナ23は省略されている。
第1部材11の主たる面のうち、第2部材13側の面11a(図3(A)においては奥側に位置する面)からは、略角柱状の突起部25と、円柱状であり、先端には矢じり型のスナップ27aが形成されている軸部27と、が面11aと直交する方向に突出している。
【0026】
第2部材13は、図1(G),(H),図2(A),(B)に示すように、第2アンテナ31が設けられている。第2部材13のみを拡大した図を図3(B)に示す。なお、同図において第2アンテナ31は省略されている。
【0027】
第2部材13は、主たる面と交差する側面の一つである上側面13aから、主たる面の表側面13bから裏側面13cまで貫通する溝部33が形成されている。溝部33は、表側面13b側と裏側面13c側とで異なる形状となっている。
【0028】
具体的には、表側面13b側は、第1部材11よりも大きい第1溝35が形成され、その底面の中央部分からさらに第2溝37が形成されている。裏側面13c側は、底面が第2溝37の底と同一平面となる第3溝39が形成されている。第3溝39は裏側面13cに沿う方向(第2部材13の長手方向)の幅が第1溝35よりも小さくなっている。その結果、溝部33には第1部材11の裏表方向の段差が形成されて、第3溝39の両側に、表側面13bおよび裏側面13cに平行である内部側面41a、41bが形成される。
【0029】
内部側面41aには略矩形の溝である開口部43が形成され、内部側面41bには円形の貫通孔45が形成される。
この第2部材13に設けられた第2アンテナ31は、内部側面41a、41bにて一部が露出している以外は、第2部材13の内部に埋め込まれて形成されている。
【0030】
以上説明した第1部材11および第2部材13は、軸部27を貫通孔45に通すことによって、軸部27を中心として回転変位可能に連結される。軸部27のスナップ27aが貫通孔45を通過すると、スナップ27aが貫通孔45の裏側面13c側の端部に係止されて軸部27が貫通孔45から抜けることが抑制される。
【0031】
第1部材11を軸部27を中心に回転させて、所定の位置(図1(G)、図2(A)の位置)へ変位させると、突起部25の一部が開口部43に挿入されて係止し、第1部材11の回転が抑制される。このように第1部材11と第2部材13は、貫通孔45に挿入された軸部27と、開口部43に挿入された突起部25により上記所定の位置からの移動が制限される。
【0032】
このとき、第1部材11と第2部材13とにより、第2溝37と第3溝39の下部が中心の開口となる環状体が形成される。以下の記載において、このように第1部材11が所定の位置となった状態をロック状態と述べる。
【0033】
ロック状態において、第1部材11が回転する方向に一定以上の力を加えると、突起部25の開口部43への係止が解除されて第1部材11の所定の位置以外への回転変位が可能となる。そして、図1(H)、図2(B)に示すように、上記環状体は一部が開放された状態となる。以下の記載において、この状態をアンロック状態と述べる。
【0034】
(2)非接触ICタグ1の通信機能
第1部材11が、上述したロック状態でないとき、例えば図1(H),図2(B)に示すアンロック状態の場合、非接触ICタグ1は、リーダライタとの無線通信が第1アンテナ23のみを利用して実現される。そのため通信範囲は非常に短く(例えば、約2mm程度)なる。
【0035】
一方、第1部材11がロック状態である場合、第1アンテナ23と第2アンテナ31とが電磁結合し、通信距離が飛躍的に長く(例えば、数m程度)なる。
(3)使用例
本実施例の非接触ICタグ1を、電子機器に配線されるケーブルの適切な取り付けを監視するセキュリティ製品として使用する例を説明する。
【0036】
図4(A)〜(F)に示す筐体51は電子機器の筐体の一部分を取り出し模式的に示したものである。図4(A)に示すように、筐体51の表面には、非接触ICタグ1が挿入される溝53と、ケーブル55が配置される溝57が形成されている。
【0037】
図4(B)は非接触ICタグ1を溝53に挿入した状態を示す図である。非接触ICタグ1の第2部材13はこの状態で筐体51に固定される。
非接触ICタグ1の第1部材11を開放することで、図4(C)に示すようにケーブル55が溝部33に配置可能となる。ここで、第1部材11を回転させて環状体を形成しロック状態とすると、ケーブル55が非接触ICタグ1に保持される。そしてこの状態では第2アンテナ31が機能するため、非接触ICタグ1の通信距離が長くなる。
【0038】
よって、上述したように通信距離が長くなった状態においては、近傍型(ISO 15693)や遠隔型の通信が可能であるリーダライタにより非接触ICタグ1との通信を確認することにより、非接触ICタグ1がロック状態であること、即ちケーブル55が適切な位置に収められていることが確認できる。
【0039】
ケーブル55を取り外すためには、非接触ICタグ1を破壊するか、あるいは第1部材11を移動させてアンロック状態とする必要がある。そのようにした場合には、リーダライタによる非接触ICタグ1との通信が不能となるため、ケーブル55の取り外しや非接触ICタグ1が破壊されたことが検知できる。
【0040】
なお上記使用例においては、非接触ICタグ1およびケーブル55を配置する溝が形成される構成を例示したが、少なくとも筐体51に非接触ICタグ1が固定できればよく、上述した溝が形成されていなくともよい。
【0041】
(4)効果
本実施例の非接触ICタグ1は、第1部材11を回転移動させるだけで、リーダライタとの長距離の通信が可能となるロック状態と、長距離の通信が不可能となるアンロック状態と、を容易に切り替えることができる。
【0042】
また、第1部材11と第2部材13とが軸部27により連結されているため、一方を紛失してしまうことが抑制できる。
また、ロック状態では第1部材11と第2部材13とにより環状体が形成されケーブルなどを簡便に保持できる。さらに、ロック状態でなければ長距離通信ができないため、アンロック状態としたり、非接触ICタグ1を破壊したりしてケーブルなどを取り外したことが読み取り結果から検知できる。
【0043】
(5)その他の使用例
上述した使用例以外にも、以下の(i)〜(iV)のような使用が考えられる。なお、下記の使用例では上記実施例の非接触ICタグ1の形状そのままでは利用できない場合があるが、その場合には適宜形状を変えて用いるとよい。また、以下の記載において、第1部材とはICチップと第1アンテナを有する部分であり、第2部材は第2アンテナを有する部分である。第1部材および第2部材は、下記の具体例において対象物に予め設けられているものであってもよいし、対象物に取り付けて固定して用いるものであってもよい。
【0044】
(i)キャップ開栓検出
キャップの開栓、閉栓を行うものについて、その開閉を検出することができる。具体例としては、ビン、缶、ガソリン缶、灯油缶、蛇口などがある。ビンの場合、キャップを第1部材として第1アンテナを設置するとともに、ビンを第2部材として第2アンテナを設置し、閉栓時に第2アンテナを用いて通信可能となるように構成する。キャップの開栓によって第1アンテナと第2アンテナの距離が離れるため、長距離の通信ができなくなる。
【0045】
このように構成することで、例えば、複数本のビンの中から閉栓不良品を判別する際に、目視では困難であっても通信確認により判別することができる。
(ii)開閉ロック検知(施錠鍵)
非接触ICタグを、開閉ロック検知に使用することができる。具体例としては、傘立て、南京錠、ドア、ポスト、箱の蓋、小コンテナ蓋などのように、ロック片、扉、栓などの移動可能であって開閉を行う部分(以降、移動体という)と移動しない本体部とからなり、移動体が開位置にあるときは内部が開放され、移動体が閉位置にある場合には内部が塞がれる(さらにその状態で施錠を行う)ものが該当する。
【0046】
移動体を第1部材として第1アンテナを設置するとともに、本体部を第2部材として第2アンテナを設置し、移動体が閉位置にあるときに第2アンテナを用いて通信可能となるように構成する。移動体が開位置に移動すると第1アンテナと第2アンテナの距離が離れるため、長距離の通信ができなくなり、それにより開錠を検出することができる。
【0047】
(iii)スライド(PUSH)させて嵌合する部品の適切・不適切な嵌合の検知
非接触ICタグを、スライドさせて嵌合できるものに使用することができる。具体例としては、USB規格部品などのコネクタ部分、プリンタ用インク、はめ込み式ボタンなどがある。スライドする側の部材を第1部材として第1アンテナを設置するとともに、嵌合される側である本体側を第2部材として第2アンテナを設置し、適切にスライドさせて嵌合されたときに第2アンテナを用いて通信可能となるように構成する。スライドする側の部材が適切に嵌合されていないと第1アンテナと第2アンテナの距離が充分に近接しないため、長距離の通信ができなくなり、それにより不適切な嵌合状態を検知することができる。
【0048】
(iv)倒れ検知
対象物が、予め定められた位置から移動した場合に検出する。例えば、外観からは内部が目視できない箱の中に置かれた物品の転倒、位置ずれなどの検出に用いる。対象となる物品に第1部材を取り付け、箱などの設置面に第2部材を設ける。そして、物品が適切な位置にあるときに第2アンテナを用いて通信可能となるように構成する。物品が転倒したり位置がずれたりすると第1アンテナと第2アンテナの距離が充分に近接しないため、長距離の通信ができなくなり、それにより物品の転倒や位置ずれを検知することができる。地震等で物品が倒れた場合に、検知できるように構成してもよい。
【0049】
[変形例]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0050】
例えば、上記実施例においては、突起部25を開口部43に係合させることで第1部材11の回転を抑制する構成を例示したが、それ以外の構成により第1部材11の回転を抑制してもよい。例えば、第1部材11が回転する際の摩擦力を高めて移動を抑制する構成としてもよいし、ネジやクリップなどを用いて固定する構成であってもよい。
【0051】
また、第1部材11は、一度ロック状態とすると第1部材11や第2部材13を変形させたり破壊したりせずには移動できないように構成してもよい。
また上記実施例においては、ロック状態において第1アンテナ23と第2アンテナ31とが電磁結合する構成を例示したが、アンテナ同士が直接導通する構成であってもよい。
【0052】
また、第1アンテナ23および第2アンテナ31の形状は、図1,図2に示したものに限定されず様々な形状とすることができる。なお第2アンテナは、第1アンテナよりも利得の大きいものを用いることが好ましい。
【0053】
また上記実施例においては、軸部27を貫通孔45に通すことによって、第1部材11および第2部材13が軸部27を中心として回転変位可能に連結される構成を例示したが、上記以外の構成によって第1部材11および第2部材13が連結される構成であってもよい。その場合には、回転変位が不能であってもよい。例えば、リング状や紐状の部材を介して第1部材11および第2部材13が連結される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…非接触ICタグ、11…第1部材、11a…面、13…第2部材、13a…上側面、13b…表側面、13c…裏側面、21…ICチップ、23…第1アンテナ、25…突起部、27…軸部、27a…スナップ、31…第2アンテナ、33…溝部、35…第1溝、37…第2溝、39…第3溝、41a,41b…内部側面、43…開口部、45…貫通孔、51…筐体、53…溝、55…ケーブル、57…溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップ、および前記ICチップと接続する第1アンテナを備える第1部材と、
第2アンテナを備える第2部材と、
前記第1部材が、前記第2部材における所定の位置に移動したときに、当該所定の位置からの前記第1部材の移動を制限する移動制限部と、を備え、
前記所定の位置は、前記第1アンテナと前記第2アンテナとが電磁結合する位置、または、前記第1アンテナと前記第2アンテナとが導通する位置である
ことを特徴とする非接触ICタグ。
【請求項2】
前記第1部材は、前記所定の位置と、当該所定の位置以外の位置と、の間で変位可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICタグ。
【請求項3】
前記変位が可能となるように、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の非接触ICタグ。
【請求項4】
前記第1部材および前記第2部材は、
少なくとも前記第1部材が前記所定の位置であるときには、前記第1部材および前記第2部材によって環状体を形成し、前記第1部材が前記所定の位置とは異なる開放位置であるときには、前記環状体の一部が開放されるように構成した
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非接触ICタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−105441(P2013−105441A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250835(P2011−250835)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【Fターム(参考)】