説明

非水電解質二次電池

【課題】電池ケースから溶出した鉄による電池の性能劣化を低減することが可能な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】この電池100(非水電解質二次電池)は、鉄を含有する材料からなる電池ケース1と、最外周面に負極22が配置された発電要素2とを備え、発電要素2の最外周面に配置された負極22cと電池ケース1との間に延長部23aが設けられており、延長部23aの空孔体積が電池ケース1の内部空間体積の2.5%以上になるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、電池ケースと、正極および負極をセパレータを介して巻回した発電要素とを備える非水電解質二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池ケースと、正極および負極をセパレータを介して巻回した発電要素とを備える非水電解質二次電池が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ステンレス鋼板(SUS材)からなる長円筒形状の電池ケースと、正極および負極をセパレータを介して巻回した発電要素とを備えた非水電解質二次電池が開示されている。発電要素は、負極、セパレータ、正極およびセパレータを内側からこの順で配置して巻回することにより形成されている。したがって、発電要素の最外周部では、内側の負極と外側の正極とがセパレータを挟んで対向している。また、発電要素は、電解液とともに電池ケースの内部に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−149901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者は、上記特許文献1のように電池ケースにステンレス鋼板(SUS材)を用いた非水電解質二次電池では、使用期間の経過に伴い、電池ケース(ステンレス鋼板)から内部の電解液中に鉄イオン(Fe)が溶出し、発電要素の負極に鉄が析出するという不都合があることを見出した。そして、負極と正極とが対向する部分(負極の表面上)に析出する鉄の量が多くなると、負極の反応を阻害したり、負極と正極との対向部分において鉄がセパレータを貫通して微小な短絡状態を作る微小短絡が発生して電池の自己放電による容量低下が大きくなり、その結果、電池の性能劣化を引き起こすという問題点があるという知見を得た。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電池ケースから溶出した鉄による電池の性能劣化を低減することが可能な非水電解質二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために本願発明者が鋭意検討した結果、負極を最外周に配置し、かつ、最外周の負極と電池ケースとの間に多孔質部材を所定の空孔体積で配置することによって、負極に溶出した鉄による電池の性能劣化を低減させることが可能であることを見出した。すなわち、この発明の一の局面による非水電解質二次電池は、鉄を含有する材料からなる電池ケースと、最外周面に負極が配置された発電要素とを備え、発電要素の最外周面に配置された負極と電池ケースとの間に多孔質部材が設けられており、多孔質部材の空孔体積が電池ケースの内部空間体積の2.5%以上になるように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による非水電解質二次電池では、発電要素の最外周面に配置された負極と電池ケースとの間に多孔質部材を設けるとともに、多孔質部材の空孔体積が電池ケースの内部空間体積の2.5%以上になるように構成することによって、電池ケースから溶出した鉄による電池の性能劣化を低減することができる。
【0009】
上記一の局面による非水電解質二次電池において、好ましくは、多孔質部材は、正極と負極との間に備えられたセパレータの延長部分からなり、セパレータの延長部分が発電要素の外周に巻回または積層されている。このように構成すれば、多孔質部材を設けた場合にも、部品点数が増加することがないとともに、電池の組み立て工程が複雑化するのを抑制することができる。
【0010】
この場合において、好ましくは、セパレータの空孔率が45%以上である。このように構成すれば、セパレータ(多孔質部材)の空孔体積が電池ケースの内部空間体積の2.5%以上になるように構成した場合にも、電池のエネルギー密度が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態による電池の全体構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1の400−400線に沿った電池の内部構造を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による電池の発電要素の構造を模式的に示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による電池の発電要素の内部構造を模式的に示した拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による電池の発電要素の構造を模式的に示した斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態による電池の発電要素の内部構造を模式的に示した拡大断面図である。
【図7】本発明の実施例および比較例の試験結果を示したグラフである。
【図8】本発明の第1および第2実施形態の変形例による電池の発電要素の構造を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態による電池100の構成について説明する。なお、電池100は、本発明の「非水電解質二次電池」の一例である。
【0014】
本発明の一実施形態による電池100は、EV(電気自動車)などに用いられる大型の角形リチウムイオン電池である。この電池100は、図1に示すように、上面(Z1側の面)が開口した直方体の箱型形状を有する箱部1aと、箱部1aの開口に上方(Z1側)から嵌合する蓋部1bとを含む電池ケース1と、一対の発電要素2とを備えている。一対の発電要素2は、各々の縦断面(垂直断面)がZ方向(上下方向)に延びる長円筒形状を有するとともにY方向に隣接するように配置されている。
【0015】
電池ケース1は、鉄を含有する材料からなり、より具体的には、ステンレス鋼(SUS材)からなる。なお、電池ケース1としては、ニッケルメッキした鉄材や、ステンレス鋼以外の鉄合金からなる電池ケースを用いてもよい。電池100では、一対の発電要素2が箱部1aの内部に収納された状態で、蓋部1bが箱部1aの開口縁部に沿って周状に溶接されることによって封止されている。また、電池ケース1の内部には、発電要素2を浸漬させるようにして非水電解液が注入されている。図2に示すように、注入された非水電解液は、一部が発電要素2の内部(正極21および負極22の間のセパレータ23)に保持されているとともに、他の一部(余剰電解液ES)が電池ケース1の底部(内底面1c近傍)に溜められている。
【0016】
非水電解液は、非水溶媒に電解質塩を溶解させたものである。非水電解液の非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートおよびビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類や、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどの環状エステル類や、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)などの鎖状カーボネート類を用いることができる。上記した非水溶媒を単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0017】
また、非水電解液の電解質塩としては、LiPFを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。LiPF、LiClO、LiBF、LiAsFなどのLiを含む無機イオン塩を用いることができる。
【0018】
また、図1および図2に示すように、各発電要素2は、巻回軸方向が横向き(X方向、電池ケースの長手方向)になるように配置されるとともに2つの発電要素2は、電気的に並列接続されている。また、電池100には、図1に示すように、電池ケース1の蓋部1bから上方に突出する正極端子3および負極端子4が設けられている。また、電池100は、正極端子3を発電要素2に電気的に接続する正極集電端子5と、負極端子4を発電要素2に電気的に接続する負極集電端子6とをさらに備えている。
【0019】
各々の発電要素2は、図3に示すように、内周側の帯状の正極21と外周側の帯状の負極22とを帯状の2枚のセパレータ23を介して巻回した巻回体からなる。
【0020】
正極21は、アルミニウム箔からなる正極集電体21aを含んでいる。また、正極集電体21aの両面には、巻回軸方向(X方向)の一方端部(図1のX1側の端部)周辺領域を除いて、正極合剤21bが塗布されている。そして、正極集電端子5は、正極集電体21aの正極合剤21bが塗布されていない一方端部周辺において正極集電体21aに接続されている。
【0021】
同様に、負極22は、銅箔からなる負極集電体22aを含んでいる。また、負極集電体22aの両面には、巻回軸方向(X方向)の他方端部(図1のX2側の端部)周辺領域を除いて、負極合剤22bが塗布されている。そして、負極集電端子6は、負極集電体22aの負極合剤22bが塗布されていない他方端部周辺において負極集電体22aに接続されている。図4に示すように、本実施形態では、負極22が正極21よりも外周側に配置されており、負極22の最外周部22cが、電池ケース1の内底面1cに沿うように配置されている。なお、図4では、説明の便宜のため、巻回された発電要素2の構造を簡略化して模式的に示している。
【0022】
正極合剤21bおよび負極合剤22bは、それぞれ、正極および負極活物質と結着剤とを含んでいる。また、正極合剤21bおよび負極合剤22bに活物質の導電性を向上させるための導電剤を含ませてもよい。なお、必要に応じて、結着剤および導電剤の一方または両方を活物質と混合しなくてもよいし、結着剤および導電剤に加えて他の添加物を混合させてもよい。合剤に用いるこれらの活物質、結着剤および導電剤の混合比率は、用いる材料の物性に応じて最適値を選択すればよい。
【0023】
正極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であればよく、LiMn、LiCoO、LiNiOなどのリチウム複合酸化物や、これらの複合酸化物の遷移金属部分を他の遷移金属や軽金属で置換したリチウム複合酸化物を用いることができる。
【0024】
負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素および非晶質カーボンなどの炭素材料や、リチウムを吸蔵・放出可能な合金などを用いることができる。
【0025】
また、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂や、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマ(EPDM)、スルホン化エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびフッ素ゴムなどのゴム弾性を有するポリマーなどを1種類または2種類以上用いることができる。
【0026】
また、導電剤としては、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛および土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカーおよび炭素繊維などの導電性材料を1種類または2種類以上用いることができる。
【0027】
図3に示すように、セパレータ23は、絶縁体からなる帯状の多孔質膜である。セパレータとしては、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂からなる多孔膜や、多孔膜以外の不織布などを用いることが可能である。
【0028】
また、本実施形態では、セパレータ23は、長さLの延長部23aを有しており、セパレータ23の長さが他の正極21および負極22の長さよりも大きくなるように構成されている。セパレータ23は、この延長部23aが負極22の最外周部22cの外側に巻回されて複数枚(第1実施形態では4枚)積層された状態になるように形成されている。このため、図4に示すように、セパレータ23の延長部23aは、電池ケース1の内部で、負極22の最外周部22cと電池ケース1との間に配置されている。なお、延長部23aは、本発明の「多孔質部材」の一例である。
【0029】
延長部23aは、負極22の最外周部22cの外側において、電池ケース1内の電解液を保持する機能を有する。
【0030】
また、本実施形態では、負極22の最外周部22cの外側に巻回された4枚の延長部23aの合計空孔体積が、電池ケース1の内部空間の体積(容積)の2.5%以上になるように構成されている。なお、電池ケース1内に2つの発電要素2が収容されるため、各々の発電要素2の4枚の延長部23aの空孔体積の合計が、電池ケース1の内部空間の体積(容積)の2.5%以上になるように構成されている。
【0031】
延長部23aの空孔体積は、延長部23aの長さL(すなわち、延長部23aを発電要素2の外周に巻回する回数(枚数))を調節することによって変更することが可能である。延長部23aの巻回回数は、電池ケース1の内部空間体積に対する延長部23aの空孔体積の割合Pが、2.5%以上の所望の値となるように調整すればよい。
【0032】
また、延長部23aの合計空孔体積は、セパレータ23(延長部23a)の空孔率によっても変化する。セパレータ23の空孔率は、42%以上であり、好ましくは、45%以上である。これにより、セパレータ23の空孔体積を大きくした場合にも、電池100(電池ケース1)内に占めるセパレータ23全体の体積が増大するのを抑制することができる。その結果、セパレータ23の空孔体積が電池ケース1の内部空間体積の2.5%以上になるように構成しても、電池100のエネルギー密度が低下するのを抑制することができる。
【0033】
次に、第1実施形態による電池100における負極22の最外周部22cへの鉄の析出について説明する。
【0034】
図2および図4に示すように、電池ケース1の内底面1c近傍には、余剰電解液ESが溜められる。電池ケース1にはステンレス鋼(SUS材)が用いられるため、電池100の使用期間の経過に伴って、電池ケース1から余剰電解液ESに鉄イオンが溶出する。
【0035】
このため、発電要素2の合計4枚の延長部23aでは、電池ケース1から溶出した鉄イオンを多く含んだ電解液(余剰電解液ES)が保液される。この結果、延長部23aと対向する負極22の最外周部22cには、電池ケース1から溶出した鉄が選択的に析出する。
【0036】
第1実施形態では、上記のように、鉄を含有するSUS材料からなる電池ケース1の内部で負極22の最外周部22cに対向するように配置された絶縁体からなる延長部23aを有するセパレータ23を設けるとともに、セパレータ23の延長部23aの空孔体積が電池ケース1の内部空間体積(容積)の2.5%以上になるように構成することによって、電池ケース1から溶出した鉄イオンを含む電解液(余剰電解液ES)をセパレータ23の延長部23aに多量に保持させることができる。そして、延長部23aが負極22の最外周部22cと対向するため、延長部23aに保持させた多量の余剰電解液ES中の鉄を電池性能に影響しない負極22の最外周部22cに選択的に析出させることができる。これにより、電池性能に影響する負極22と正極21とが対向する部分(負極22の内周側部分)への鉄の析出を抑制することができ、電池ケース1から溶出した鉄による電池100の性能劣化を低減することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、上記のように、セパレータ23の延長部23aを負極22の最外周部22cの外側に巻回することによって、正極21および負極22の間に介在させるセパレータ23と、多孔質部材としての延長部23aとを共通化することができるので、多孔質部材を設けた場合にも、部品点数が増加することがないとともに、電池100の組み立て工程が複雑化するのを抑制することができる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態による電池200の構成について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、セパレータ123の延長部123aに多孔質の無機材料123bを塗布した例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。なお、電池200は、本発明の「非水電解質二次電池」の一例である。また、延長部123aは、本発明の「多孔質部材」の一例である。
【0039】
図5および図6に示すように、第2実施形態による電池200の発電要素102は、内周側の帯状の正極21と外周側の帯状の負極22とを帯状の2枚のセパレータ123を介して巻回した巻回体からなる。セパレータ123の延長部123aは、負極22の最外周部22cに対向するようにして、最外周部22cの外側に巻回されている。なお、図6においても上記第1実施形態(図4)と同様に、延長部123aが最外周部22cの外側に2回(合計4枚)重ねて巻回された例を示している。
【0040】
ここで、第2実施形態では、セパレータ123の延長部123aには、片面(内周面)に多孔質の無機材料123bが形成されている。無機材料123bは、セパレータ123の空孔率よりも大きい空孔率を有する。このような無機材料123bとしては、たとえばアルミナ(Al)またはシリカ(SiO)などの多孔質材料を用いることが可能である。無機材料123bは、たとえば、無機材料の粉末と結着剤とを溶媒に溶解または分散させ、延長部123aに塗布することによって形成することができる。そして、延長部123aは、負極22の最外周部22cの外側に巻回された延長部123aの空孔体積が、電池ケース1の内部空間の体積(容積)の2.5%以上になるように構成されている。
【0041】
無機材料123bの結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂や、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマ(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびフッ素ゴムなどのゴム弾性を有するポリマーなどを1種類または2種類以上用いることができる。
【0042】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0043】
第2実施形態では、上記のように、負極22の最外周部22cの外側に配置されたセパレータ123の延長部123aの片面(内周面)に、延長部123a(セパレータ123)の空孔率よりも大きい空孔率を有する無機材料123bを設けることによって、セパレータ123よりも空孔率の大きい無機材料123bにより、電池ケース1から溶出した鉄イオンを含む余剰電解液ESを、より多量にセパレータ123の延長部123aに保持させることができる。これにより、延長部123aおよび無機材料123bに保持させた電解液中の鉄を負極22の最外周部22cにより多量に析出させることができる。
【0044】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【実施例】
【0045】
次に、本発明の効果を確認するために、上記第1実施形態の電池100および第2実施形態の電池200に対応する実施例による電池と、比較対象としての比較例による電池とを作製して行った評価試験について説明する。
【0046】
(実施例1)
(正極の作製)
LiMnからなる正極活物質の粉末90質量%と、アセチレンブラック(AB)からなる導電剤4質量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる結着剤6質量%とを混合した混合物に、N−メチルピロリドン(NMP)を適量加えて粘度を調整することにより、ペースト状の正極合剤を作製した。作製したペースト状の正極合剤を約20μmの厚みを有するアルミニウム箔からなる正極集電体21aの両面に、巻軸方向(X方向)の一方端部(図1のX1側の端部)周辺領域を除いて塗布した。そして、この状態で正極集電体21aを乾燥させた。これにより、正極合剤が塗布された正極21を作製した。その後、正極集電体21aの正極合剤が塗布されていない一方端部周辺領域に正極集電端子5(図1参照)を接続した。
【0047】
(負極の作製)
グラファイトからなる負極活物質92質量%と、PVDFからなる結着剤8質量%とを混合した混合物に、NMPを適量加えてペースト状の負極合剤を作製した。作製したペースト状の負極合剤を約15μmの厚みを有する銅箔からなる負極集電体22aの両面に、巻軸方向(X方向)の他方端部(図1のX2側の端部)周辺領域を除いて塗布した。そして、この状態で負極集電体22aを乾燥させた。これにより、負極合剤が塗布された負極22を作製した。その後、負極集電体22aの負極合剤が塗布されていない他方端部周辺領域に負極集電端子6を接続した。
【0048】
(未注液電池の作製)
セパレータ23として、空孔率42%のポリエチレン微多孔膜を準備した。この際、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが2.6%となるようにした。正極21、セパレータ23、負極22、セパレータ23の順番で重なるように、これらの正極21、セパレータ23、負極22およびセパレータ23を巻回した。この際、負極22の最外周部22cと対向するようにして、セパレータ23の延長部23aを負極22の最外周部22cの外側に巻回した。これにより、一対の発電要素2(図2参照)を作製した。そして、図1に示すように、一対の発電要素2を互いに対向させて、各々の正極端子3と正極集電端子5とを接合するとともに、各々の負極端子4と負極集電端子6とを接合した。その後、互いに対向させた一対の発電要素2を箱部1aの内部に配置して、箱部1aの開口に蓋部1bを嵌合させ、レーザ溶接によって箱部1aと蓋部1bとの嵌合部分を溶接した。このようにして、非水電解質を注入する前の電池100を作製した。
【0049】
(非水電解質の作製および注液)
また、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、EC:DEC:EMC=25:35:40(体積比)となるように混合した非水溶媒に、電解質塩の濃度が1mol/LになるようにLiPFを溶解させて非水電解質(電解液)を作製した。そして、作製した非水電解質(電解液)を箱部1aの側面の図示しない注液口から注入した。最後に、注液口を封止することによって、図1に示す実施例1の電池100を作製した。
【0050】
(実施例2)
セパレータ23として、空孔率45%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが2.7%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、実施例2による電池100を作製した。
【0051】
(実施例3)
セパレータ23として、空孔率45%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが4.1%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、実施例3による電池100を作製した。
【0052】
(実施例4)
セパレータ23として、空孔率45%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが5.5%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、実施例4による電池100を作製した。
【0053】
(実施例5)
実施例5では、上記第2実施形態の電池200を作製した。セパレータ123として、空孔率45%のポリエチレン微多孔膜を準備した。また、空孔率70%、平均粒径0.9μmのアルミナ(Al)の粉末と、スチレンブタジエンゴム(SBR)からなる結着剤とを混合した混合物に、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を適量加えて粘度を調整することにより、無機材料ペーストを作製した。作製した無機材料ペーストをセパレータ123の延長部123aの片面(内側表面)に塗布して厚み5μmの無機材料123bを形成した。
【0054】
また、セパレータ123の延長部123aの長さL(図5参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部123aの空孔体積(一対の発電要素102の延長部123aの空孔体積の合計)の割合Pが2.7%となるようにした。そして、正極21、セパレータ123、負極22、セパレータ123の順番で重なるように、これらの正極21、セパレータ123、負極22およびセパレータ123を巻回した。これにより、一対の発電要素102(図2参照)を作製した。これ以外の点は、実施例1と同様にして、実施例5による電池200を作製した。
【0055】
(比較例1)
セパレータ23として、空孔率38%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが2.3%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、比較例1による電池を作製した。
【0056】
(比較例2)
セパレータ23として、空孔率40%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが2.4%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、比較例1による電池を作製した。
【0057】
(比較例3)
セパレータ23として、空孔率42%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが1.3%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、比較例3による電池を作製した。
【0058】
(比較例4)
セパレータ23として、空孔率42%のポリエチレン微多孔膜を準備した点と、セパレータ23の延長部23aの長さL(図3参照)を調節して、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積(一対の発電要素2の延長部23aの空孔体積の合計)の割合Pが1.9%となるようにした点とを除いては、実施例1と同様にして、比較例4による電池を作製した。
【0059】
(放置試験)
そして、作製した実施例1〜4の電池100および実施例5の電池200と、比較例1〜4の電池とを用いて、所定期間経過後における負極22の最外周部22cへの鉄の析出量を測定した。具体的には、それぞれの電池を85℃、SOC(State Of Charge)100%で2ヶ月間放置した後、電池から取り出した負極22の最外周部22cの表面における炭素(C)と鉄(Fe)との元素存在比R(Fe/C)を測定した。元素存在比Rの測定には、電子線マイクロアナライザ(島津製作所製EPMA−1600)を用いた。また、試験開始時および2ヶ月経過時に電池の電圧測定を行い、2ヶ月間放置前後の電池の電圧降下量(ΔV)を算出した。
【0060】
表1に、実施例1〜4の電池100および実施例5の電池200と、比較例1〜4の電池とに対する放置試験の結果を示す。また、図7には、表1に対応する電圧降下量(ΔV)と元素存在比R(Fe/C)との実験結果をグラフにして示した。
【0061】
【表1】

【0062】
上記表1および図7に示すように、比較例1〜4では、負極22の最外周部22cの表面における元素存在比R(Fe/C)が0.0028(比較例3)から0.0042(比較例2)の範囲に止まった。一方、実施例1〜5では、元素存在比Rが0.0050を下回ることはなく、最小でも0.0056(実施例1)であり、最大では0.0080(実施例5)となった。特に、無機材料を塗布した実施例5による電池200(元素存在比R=0.0080)では、他の実施例1〜4の電池100と比較しても元素存在比Rが顕著に高くなった。この負極22の最外周部22cの表面における元素存在比R(Fe/C)は、値が大きいほど最外周部22cの表面への鉄の析出量が大きいことを示している。
【0063】
また、放置前後の電池の電圧降下量(ΔV)については、比較例1〜4では、ΔVが93.3mV(比較例2)から112.4mV(比較例3)の範囲となった。一方、実施例1〜5では、ΔVはほとんど等しく、約75mV〜約76mVの範囲内に収まった。このように、実施例1〜5では、比較例1〜4よりもΔVの値が平均して約20mV以上小さくなっており、電圧降下量(ΔV)(自己放電量)が小さくなった。すなわち、実施例1〜5では、比較例1〜4と比較して、電池100(200)の自己放電特性が改善されていることが分かる。
【0064】
上記試験結果から、電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積の割合Pと元素存在比Rとの関係をみると、空孔体積の割合P=2.3%の比較例1(元素存在比R=0.0040)と空孔体積の割合P=2.4%の比較例2(元素存在比R=0.0042)との間では、元素存在比Rの差異(0.0002)は極めて小さく、元素存在比Rにほとんど変化が見られない。一方、延長部23aの空孔体積の割合P=2.4%の比較例2と、空孔体積の割合P=2.6%の実施例1(元素存在比R=0.0056)とを比較すると、元素存在比Rに大きな差異(0.0014)が生じている。このことから、2.4%と2.6%との間を境界として、空孔体積の割合Pが2.5%以上では、最外周部22cの表面における元素存在比Rが顕著に大きくなっていると言える。各実施例および比較例で、電池ケース1から電解液への鉄の溶出量は略等しいと考えられるため、負極22の最外周部22cの表面における元素存在比Rが大きい程、溶出した鉄イオンがより多く最外周部22cに析出したものと考えられる。したがって、空孔体積の割合Pが2.5%以上である実施例1〜5では、比較例1〜4と比較して、負極22の最外周部22cの表面への鉄の選択的な析出が顕著に生じおり、負極22の最外周部22cで電池ケース1から溶出した鉄を捕捉していることが分かる。
【0065】
また、放置前後の電圧降下量(ΔV)と電池ケース1内に占める延長部23aの空孔体積の割合Pとの関係についても同様に、割合P=2.4%以下の比較例1〜4と、割合P=2.6%以上の実施例1〜5との間(2.5%)を境界として、電圧降下量(ΔV)に大きな差異(約20mV)が生じている。
【0066】
延長部23aの空孔体積の割合Pが2.5%未満の場合(比較例1〜4)に放置前後の電圧降下量(ΔV)が大きくなる要因としては、電池ケース1から溶出した鉄が負極22の最外周部22cよりも内周側の部分(負極22が正極21と対向している部分)(図4参照)に析出することによって、析出したFeによる微小短絡が正負極間で発生することが考えられる。つまり、空孔体積の割合Pが2.5%未満の場合(比較例1〜4)には、空孔体積の割合Pが2.5%以上の場合(実施例1〜5)と比較して元素存在比Rが小さいことから、溶出した鉄を負極22の最外周部22cに少量しか析出させることができずに、負極22が正極21と対向している内周側の部分にも溶出した鉄が析出していると考えられる。このため、正負極間の微小短絡を抑制することができずに電圧降下量(ΔV)(自己放電量)が大きくなったものと考えられる。
【0067】
一方、電池ケース1内に占める延長部23a(123a)の空孔体積の割合Pが2.5%以上の場合(実施例1〜5)では、上記の通り、空孔体積の割合Pが2.5%未満の場合(比較例1〜4)よりも元素存在比Rが大きいことから、負極22の最外周部22cの表面への鉄の析出量が多くなっている。このため、空孔体積の割合Pが2.5%以上の場合(実施例1〜5)では、電池ケース1から溶出した鉄を負極22の最外周部22cの表面で補足(トラップ)することができ、負極22が正極21と対向している部分への鉄の析出を抑制することができたと考えられる。この結果、空孔体積の割合Pが2.5%以上の場合(実施例1〜5)では、正負極間に析出したFeによる微小短絡を抑制する効果が大きくなり、実施例1〜5で放置前後の電圧降下量(ΔV)が小さくなったものと考えられる。以上により、電池ケース1内に占める延長部23a(123a)の空孔体積の割合Pを2.5%以上とすることの効果が確認された。
【0068】
なお、実施例1〜4では、割合Pの増加に伴って最外周部22cの元素存在比Rが大きくなっている一方、放置前後の電圧降下量(ΔV)にはほとんど変化がない。このため、実施例1〜4でほとんど変化しない電圧降下量(ΔV=約75mV)については、正負極間に析出したFeによる微小短絡以外の要因によるものと考えられる。したがって、析出したFeによる微小短絡の影響を抑制するためには、延長部23aの空孔体積の割合Pを2.5%以上とすれば十分であることが分かる。一方、延長部23aの空孔体積の割合Pを必要以上に大きくすることは、延長部23a全体の体積の増大につながるため、電池のエネルギー密度の観点から好ましくない。このため、本実験結果からは、延長部23aの空孔体積の割合Pが2.5%以上で、かつ、10%未満であることが好ましいと言える。また、エネルギー密度の点からは、延長部123aに無機材料123bを塗布した実施例5による電池200では、延長部123aの空孔体積の割合が2.7%であるにも関わらず、元素存在比Rが0.0080で最も大きく、放置前後の電圧降下量(ΔV)も実施例1〜5中で最小値となっている。したがって、無機材料123bを塗布した実施例5による電池200は、エネルギー密度の点からも好ましいといえる。
【0069】
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0070】
たとえば、上記第1、第2実施形態および実施例1〜5では、2つの発電要素を備えた電池の例を示したが、本発明はこれに限られない。発電要素は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0071】
また、上記第1、第2実施形態および実施例1〜5では、本発明の多孔質部材としてセパレータ(延長部)を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、セパレータ以外の多孔質部材を別途設けてもよい。この場合、多孔質部材をセパレータのような帯状形状に形成する必要はなく、発電要素(負極の最外周部)の外側に巻回する必要もない。たとえば、負極の最外周部の外側に複数枚のシート状の多孔質部材を積層するものでもよい。多孔質部材は、負極の最外周部と対向するように設けられており、かつ、多孔質部材の空孔体積が電池ケースの内部空間体積の2.5%以上になるように構成されていればよい。
【0072】
また、上記第1、第2実施形態および実施例1〜5では、本発明の多孔質部材として、セパレータの延長部を発電要素(負極の最外周部)の外側に巻回した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本発明の多孔質部材としてのセパレータを別体で設けてもよい。すなわち、図8に示す変形例のように、正極と負極とをセパレータを介して巻回することにより発電要素202を形成した上で、別途、発電要素202(負極の最外周部)の外側に巻回するためのセパレータ223を設けてもよい。なお、セパレータ223は、本発明の「多孔質部材」の一例である。この他、積層したセパレータを環状にして、発電要素202(負極の最外周部)の外周を取り囲むように配置してもよい。
【0073】
また、上記第1、2実施形態および実施例1〜5では、2枚のセパレータ23(123)の両方に延長部23a(123a)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、2枚のセパレータのいずれか一方のみに延長部を設けてもよい。この場合には、2枚のセパレータの両方に延長部を設ける場合よりも負極の最外周部の外側への延長部の巻回数(すなわち、延長部の空孔体積)をより細かく調節することができる。
【0074】
また、上記実施例1〜5では、空孔率が42%または45%のセパレータを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、セパレータの空孔率に制限はない。ただし、上記の通り、電池ケース内に占める延長部の空孔体積の割合Pを2.5%以上とするためには、セパレータの空孔率は大きい方が好ましい。一方、セパレータの空孔率が大きすぎると電極間の短絡防止性能が低下するので、空孔率を過度に大きくしすぎない方がよい。
【0075】
また、上記第1、第2実施形態および実施例1〜5では、発電要素の巻回軸方向を電池ケースの上下方向(Z方向)に直交する横向き(X方向)になるように配置(図1参照)して、負極の最外周部を電池ケースの内底面に沿うように配置した(図4参照)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発電要素の巻回軸方向を電池ケースの上下方向に一致させてもよく、この場合には、円筒型の電池ケースを用いても良い。ただし、長円筒型の発電要素を角型の電池ケース内に挿入した場合には、図4および図6に示すように、電池ケース内底部の角部分にデッドスペースが発生して余剰電解液ESが溜まることから、発電要素の外周に余剰電解液が溜まりやすい構造を得ることが可能であるため、好ましい。一方、円筒型の電池ケースを用いて発電要素の巻回軸方向を電池ケースの上下方向に一致させた場合には、電池ケース内部にデッドスペースが発生せず、余剰電解液は電池ケース内部にまんべんなく保持されることになる。
【0076】
また、上記第2実施形態および実施例5では、セパレータ123の延長部123aの片側(内周面側)にのみ、無機材料123bを形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、セパレータの延長部の外周面側のみに無機材料を形成してもよいし、セパレータの延長部の両面に無機材料を形成してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 電池ケース
2、102、202 発電要素
21 正極
22 負極
22c 最外周部
23、123 セパレータ
23a、123a 延長部(多孔質部材)
100、200 電池(非水電解質二次電池)
123b 無機材料
223 セパレータ(多孔質部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄を含有する材料からなる電池ケースと、
最外周面に負極が配置された発電要素とを備え、
前記発電要素の最外周面に配置された負極と前記電池ケースとの間に多孔質部材が設けられており、
前記多孔質部材の空孔体積が前記電池ケースの内部空間体積の2.5%以上になるように構成されている、非水電解質二次電池。
【請求項2】
前記多孔質部材は、正極と前記負極との間に備えられたセパレータの延長部分からなり、前記セパレータの延長部分が前記発電要素の外周に巻回または積層されている、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項3】
前記セパレータの空孔率が45%以上である、請求項2に記載の非水電解質二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37904(P2013−37904A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173294(P2011−173294)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】