非ECGの生体同期収集による三次元胎児心臓撮像方法を用いた超音波画像診断システム及び方法
超音波画像診断システムは、胎児心臓について検出された動きから合成される同期信号を用いて、胎児心臓の3Dデータのセットを収集する。一連の一時的に異なるエコー信号が、例えば、胎児の頚動脈の中又は胎児の心筋を横断するMラインの中のサンプルの体積のような、検出されるべき心拍のサイクルを示す動きのある生体構造の中の位置から収集される。心拍サイクル信号は、検出された動きから合成され、胎児心臓の拍動のサイクルの一つ以上の所望の位相において胎児心臓の画像データの収集を同期するために用いられる。示される実施形態において、3Dデータのセットは、胎児心臓の拍動の完全なサイクルにわたって、複数の副体積から収集される。次に、胎児心臓を鼓動させる、活動する3Dのループを生成するために結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療診断の超音波システムに関し、特に、胎児心臓の三次元(3D)の画像データのセットを収集する超音波システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、胎児の撮像によく適する。なぜなら、母体や胎児を電離放射線に晒すことなく、侵襲的でない撮像を行うためである。多くの胎児の検査の目的は、胎児が正常に発達しているかどうかを決定するために、胎児の生体構造の発達を評価することである。超音波画像の質が長年にわたって改善されるにつれて、より多くの生体構造の領域が、より詳細に、発達の評価のために可視化されることができるようになった。その結果として、胎児の超音波の検査は、検査されるべき生体構造に対する要求の増加とともに、より綿密になっている。大いに精査される生体構造の一つの領域は、発達中の胎児心臓である。近年、心臓の流出路は、より大きな注目の的になっている。しかしながら、胎児心臓の流出路は、撮像することが困難である可能性がある。この一つの理由は、胎児の生体構造のサイズが小さいことである。別の理由は、その生体構造を単純に見るのではなく、完全な胎児心臓の拍動の一サイクルの動作(heart cycle)にわたって、流出路を通る流れの特性の変遷を見ることが望ましいことである。さらなる理由は、流出路が、胎児の成長につれて相当な発達を経験する結果、胎齢に依存して変動する外観と複雑さを有し得ることである。したがって、流出路は、超音波の表示では特定することが困難であり得る。さらに、適切な診断のための適切な向きの画像フレームを収集することは、なおさら困難であり得る。
【0003】
これらの要求のいくつかは、最近の、胎児心臓を撮像するための3D超音波の使用により緩和されている。3D撮像を用いて、完全な胎児心臓を撮像することができ、さらに3D画像データのセットの配列を、後の再生と診断のために収集することができる。完全な胎児心臓のデータがデータセットで収集された場合に、画像データは、収集後の診断の間に、心臓の流出路を探すために、検査され得る。異なった様々な2D画像の面が、多断面再構成法(MPR)において3Dデータから抽出され得ることにより、所望の向きの画像面を検査することができる。したがって、三次元の撮像は、2Dの胎児撮像では問題となる、多数の静止の撮像の課題に対処する。近年、胎児の血流の一時的な変遷を分析することの問題は、「spatial temporal image correlation」又はSTICと呼ばれる技術によって、取り組まれている。STICを用いて、超音波により一回の走査(sweep)が胎児心臓を通じてなされ、多数の画像フレームが一連の心拍のサイクルを通じて収集される。2Dの超音波プローブを用いて手動でスキャンすることによりなされた場合には、この画像の収集は、10秒かそれより長い時間がかかることがある。同様の収集は、機械式の3Dプローブを用いて実行されることができる。該3Dプローブは、胎児心臓の領域を通る画像面を機械的に走査する。しかし、3Dの機械式のプローブは、多くの場合、高さのフォーカスの質が悪い。このことは、高さ次元におけるMPR画像を構成する場合に、不正確さをもたらす。収集が完了し、画像フレームが保管された後に、MPR再構成によって生成された所望の生体構造の画像フレームは、必要ならば、胎児心臓の拍動のサイクルにおける位相(phase)の順序に従って、画像のループへと再構成される。この作業は、この順序付けに関して、利用可能な胎児心臓のECG信号がないという事実により、困難なものとなる。胎児のECGは、撮像中に収集することができない。なぜなら、ECG電極は胎児に取り付けることができず、胎児の電気インパルスは、母親の自身のECG信号によって押さえ込まれるためである。その結果、胎児心臓の拍動のサイクルについての合成タイミング信号を、胎児心臓の画像から抽出する必要がある。これは、米国特許7,261,695号において記載されているように、心臓の、あるいは心臓の近くの胎児組織の動作に基づいて、イベントトリガを決定することによってなされる。合成心拍サイクルトリガ信号(synthetic heart cycle trigger signal)は、複数の心臓の拍動のサイクルから、フレームが心拍位相の順序である、心臓の一つのサイクルの一つのループへと、画像を再順序付けするために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、STIC技術はその困難性なしに存在しない。一つは、その再構成のアルゴリズムのロバスト性にある。典型的な収集では、あまりにも多くの画像を生成し、手動では順序付けることが難しい。そこで、フレームの順序付けを自動的に行うためのアルゴリズムが開発されている。これらのアルゴリズムは画像データの質に依存する。画像データの質は、十分でない可能性がある。最適なデータセットを収集するためのプローブの推奨される操作を用いることによって、この状況を改善するための努力がなされている。しかし、これは技術に依存し、さらに生体構造についての統計の使用は、個別の患者への依存を引き起こし得る。しかし、さらに大きな問題は、胎児の頻繁な動きであり、データ収集に必要とされる10秒又はそれ以上の間にずっと静止していない可能性がある。胎児が動いた場合には、プローブに対する所望の画像データの向きが変わり、完全に視界から消える可能性がある。結果として、収集されたデータセットに所望の生体構造が存在しないこととなる。同様に、収集している間の胎児の動きは、生成された合成胎児心拍サイクル(synthetic fetal heart cycle)の正確さを制限し、不自然な結果(artifact)を再構成された3Dデータに挿入する。したがって、一般には、胎児心臓の撮像のこれらの困難性、特には、STIC技術により示される困難性を克服することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の原理に従って、生理学的に生成された同期信号(gating signal)によって胎児の心拍のサイクルに同期された(gated)、3Dの胎児心臓のデータのセットを収集する超音波診断システムが説明される。胎児心臓は、1D、2D又は3D撮像により撮像され、適切な動きを示す目標からのエコー信号が収集される。胎児心臓の撮像に関して、目標とは、例えば胎児の心筋又は胎児の頸動脈の中の血液の動きであり得る。動きの信号は、胎児の心拍のサイクルに同期される同期信号を生成するために処理される。該同期信号は、3Dの画像データの収集を同期するために用いられる。次に、三次元データのセットは、この生理学的に生成された同期信号を用いて、胎児の心拍の位相にタイミングを合わせて収集される。3Dにおける収集の同期は、マイクロビームフォーマ(micro-beamformer)を含む二次元マトリックストランスデューサ(2-dimensional matrix transducer)を用いて、より容易に達成しやすい。なぜなら、この場合に、画像面は、あらゆる配列又は向きにおいて電子的に生成され得るためである。そのようなマトリックストランスデューサを用いて、心拍のサイクルの一つのループを、一般的には一秒以内に収集することができ、さらに複数のループをわずか数秒で収集することができる。収集された画像データは既に胎児の心拍のサイクルと同相であるため、画像データを順序付ける必要はない。また、収集にはわずか数秒しかかからないため、胎児の動きはそれほど懸念されない。このアプローチの一つの他の利点は、STICと比べて、ユーザは、収集の質を表す、再構成された画像を得ることができることである。これにより、ユーザは、データ収集が完了する前に、動きの影響がいくらか存在するかどうかを決定することができる。胎児が短い収集間隔の間に動いた場合には、プローブを再配置することができ、さらなる3Dデータの収集を実行できる。正常に取得された3Dデータは、その後、収集後の診断の間に、入念に分析されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の原理に従って構成される超音波画像診断システムを形成するブロック図。
【図2】心筋の運動のMモードの画像を表す図。
【図3】心臓の運動から生成される心臓の同期波形を表す図。
【図4】二次元マトリックストランスデューサによりスキャンされる体積の領域を表す図。
【図5】図4の体積の領域の三つの副領域への分割を表す図。
【図6a】図5の三つの副領域の画像面を表す図。
【図6b】図5の三つの副領域の画像面を表す図。
【図6c】図5の三つの副領域の画像面を表す図。
【図7a】マトリックスアレイトランスデューサによる心臓の三つの体積の副領域のスキャンを表す図。
【図7b】マトリックスアレイトランスデューサによる心臓の三つの体積の副領域のスキャンを表す図。
【図7c】マトリックスアレイトランスデューサによる心臓の三つの体積の副領域のスキャンを表す図。
【図8a】図7の一連のスキャンにより収集された画像データについての三つの副体積を表す図。
【図8b】図7の一連のスキャンにより収集された画像データについての三つの副体積を表す図。
【図8c】図7の一連のスキャンにより収集された画像データについての三つの副体積を表す図。
【図9】生理学的に生成された心拍のサイクルの同期信号を用いて胎児心臓の3Dデータのセットを収集する方法を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の原理に従って構成された超音波システム10がブロック図を示す。超音波システムは、フロントエンドの収集サブシステム10Aとディスプレイサブシステム10Bの、二つのサブシステムにより構成される。超音波プローブは、収集サブシステムに結合され、二次元マトリックスアレイトランスデューサ70とマイクロビームフォーマ72を含む。マイクロビームフォーマはアレイトランスデューサ70の素子(「パッチ」)のグループに適用される信号を制御する回路を含む。さらに、それぞれのグループの素子により受信されるエコー信号のいくらかの処理を行う。プローブにおけるマイクロビームフォーミングは、プローブと超音波システムとの間のケーブルの中での導体の数を有利に減少させる。該マイクロビームフォーミングは、米国特許5,997,479号(Savordら)及び米国特許6,436,048号(Pesque)で説明されている。
【0008】
プローブは、超音波システムの収集サブシステム10Aと結合される。収集サブシステムは、ビームフォームコントローラ74を含む。ビームフォームコントローラ74は、ユーザコントロール(user control)36に応じて、マイクロビームフォーマ72へ制御信号を提供し、プローブに、タイミング、周波数、方向及び送信ビームの焦点調節に関して指示を行う。ビームフォームコントローラは、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ18とビームフォーマ20を制御することによって、収集サブシステムにより受信されるエコー信号のビームフォーミングを制御する。ブローブによって受信されたエコー信号は、収集サブシステムの中のプリアンプとTGC(time gain control)回路16によって増幅され、A/Dコンバータによりデジタル化される。デジタル化されたエコー信号は、次に、ビームフォーマ20により完全に誘導され、集束されたビームへと形成される。エコー信号は、次に、画像プロセッサ22により処理される。画像プロセッサ22は、デジタルフィルタリング、BモードとMモードの検出及びドップラー処理を実行し、さらに高調波の分離、スペックル低減及び他の所望の画像信号処理のような、他の信号処理をも行うことができる。
【0009】
収集サブシステム10Aによって生成されるエコー信号は、ディスプレイサブシステム10Bに接続される。ディスプレイサブシステム10Bは、所望の画像フォーマットで表示するためにエコー信号を処理する。エコー信号は、画像水平プロセッサ(image line processor)24により処理される。画像水平プロセッサ24は、エコー信号をサンプリングし、ビームの部分を完全な水平信号へと接合し、信号対雑音をするため、あるいは流れを持続するための水平信号の平均化する。2D画像の画像の線(image line)は、スキャンコンバータ26によりスキャンされ、所望の画像フォーマットへと変換される。スキャンコンバータ26は、既知の技術であるR-theta変換を実行する。画像は、画像メモリ28に保管され、ディスプレイ38上に表示されることができる。メモリの中の画像は、画像と共に表示されるべきグラフィックス(graphics)と重ね合わせられる。該グラフィックスは、ユーザコントロール36に応じて、グラフィックスジェネレータ34によって生成される。個々の画像又は一連の画像は、画像のループ又は一連の画像を取得している間、シネメモリ(cine memory)30に保管され得る。
【0010】
リアルタイムの体積の撮像のために、ディスプレイサブシステム10Bは、3D画像描画プロセッサ32をさらに含む。3D画像描画プロセッサ32は、リアルタイムの三次元画像の描画のために、画像水平プロセッサ24から画像の線を受け取る。3D画像は、活動する(live)(リアルタイムの)3D画像としてディスプレイ38上に表示される。あるいは、3D画像は、後の評価と診断のために、3Dデータのセットを記憶するための画像メモリ28と連動し得る。
【0011】
本発明の原理に従って、動き検出器(motion estimator)40は、撮像された生体構造の指定された場所から一時的に分離したエコー信号を一時的に受信する。そして、指定された場所の動きを表す信号を生成するために、該エコーを処理する。一時的に分離したエコー信号が取得された生体構造の場所は、画像の中央のような、デフォルトの画像位置であり得る。あるいは、ユーザによるユーザコントロール36の操作の制御によって指定された場所であってもよい。例えば、ユーザは、胎児の頚動脈の中のサンプルの体積(sample volume)を決めるために、ジョイスティック、トラックボール又は他のユーザコントロールの制御を操作することができる。次に、運動する胎児の組織又は血液のサンプルから、動き検出を実行することができる。この処理のいくつかは、例えば、サンプル体積の位置からのエコー信号のドップラー処理のように、画像プロセッサにより実行され得る。画像プロセッサにより生成された、血流又は組織の動きの速さの推定値(estimate)は、次に、例えば動き検出器へ直接送られ得る。サンプルの体積が、胎児の心筋のような組織にある場合には、胎児心臓からのエコー信号は、組織ドップラー処理による動き識別に関して処理され得る。動きを検出する別の方法は、画像の中の与えられた組織の位置におけるスペックルの動きを追跡することによる。動きを検出するさらに別の方法は、米国特許6,299,579号(Petersonらによる)に記載された、MSADブロックマッチングによる、連続する画像を通じて組織の場所の変化を比較することによる。動きを検出するためのさらに別の方法は、胎児心臓に位置づけられるMライン(M line)を用いるMモードを用いることである。これは図2に示されている。図2は、胎児心臓の左心室(LV)を通じて広がるように、超音波画像上のMラインのカーソルを位置づけることによって決定される、Mラインにより生成されるMモード画像60を表す。Mラインは、この方法で位置づけられる場合には、胎児心臓の、ある側の心筋壁12を通り、LVの心室を通り、そして心臓の別の側の心筋壁14を通る。超音波のビームは、LVを通る、このMライン方向に沿って、一定間隔で送信される。そして、それぞれの送信から受信されたAライン(A-line)は、以前に受信されたAラインに沿って、スクロールする方法で画面上に表示される。この結果が、図2に示されるMモード画像である。矢印52で示されるように、心臓の反対側は、胎児心臓が、心拍のサイクルにおける拡張終期の時点において緩んでいる場合には、最も大きく離れる。矢印54’で示されるように、心臓の反対側の壁は、心拍のサイクルのピークの収縮期において最も近接する。図2は、胎児心臓がそれぞれの心拍とともに収縮し、拡張する時の、心臓壁の動きについての周期的なパターンを表す。心臓壁12又は14の位置(動き)の変化を追跡することにより、心拍のサイクルを有する周期の波形が生成される。
【0012】
動き検出のための位置が二次元又は三次元画像で指定されることができるが、より高いフレームレートとサンプリングレートのために、2D画像を用いることが望ましい。図2により示されるように、Mモードを用いた位置の指定のためのMラインは、さらにより高いサンプリングレートを提供することができる。ユーザコントロール36により選択される、サンプルの体積、Mライン又は他のカーソルの位置は、グラフィックスジェネレータ34に連動する。これにより、ユーザがカーソルを位置づけている間に、該位置が連続的に更新され、見ている超音波画像に表示される。本発明の一つの実施形態において、見積もられる動きは、胎児心臓を拍動する動きに関連する必要がある。したがって、胎児の頚動脈の中の、胎児の運動する心筋及び血流は、胎児心臓に関連する動きの検出のための、エコー信号の優れた源を提供する。
【0013】
検出された動きを表す信号は、心拍サイクル合成器(heart cycle synthesizer)に連動する。心拍サイクル合成器は、胎児心臓の拍動のサイクルを表す信号を生成する。胎児心臓の拍動のサイクルの信号は、図3で示されるような波形62を近似する、一連の信号であり得る。該波形は、米国特許5,718,229号(Pesqueらによる)に記載されるパワーモーション撮像処理法(power motion imaging processing)により、サンプルの体積から生成される心臓波形である。それによって、サンプルの体積の位置からの連続するエコーが、動きを示す信号の変化を検出することにより、識別(抽出)される。波形は、より反復的に、一貫性のある形状をとるように、要望通りに平滑化され得る。波形信号は、心拍のサイクルの連続する位相のための同期時間(gating times)を示すために用いられることができる。代わりに、心拍のサイクルの信号は、胎児心臓の画像が心拍のサイクルの所定の位相において取得されるべきである場合に、所望の同期時間においてのみ生成されることができる。例えば、拡張終期において取得される一連の画像が要求される場合には、同期信号は、それぞれの心拍のサイクルにおけるその時間においてのみ生成される。図2の例では、同期時間は、それぞれの心拍のサイクルにおいて、矢印52’で示されるように心臓壁の空間が最も大きくなったときの時間である。心拍のサイクルの信号は、ビームフォームコントローラ74に適用される。心拍のサイクルの信号は、胎児心臓の拍動のサイクルの間の、所望の時間における胎児心臓の画像の収集を同期するために用いられる。一連の画像は、心拍のサイクルの既知の位相における収集のために同期され得るため、STICにおいてなされるような、収集のタイミングの遡及的な見積もりへの試みは不要である。そして、画像を順序付けする必要はない。なぜなら、画像は、心拍のサイクルの位相の順序に既に配列されて収集されるためである。
【0014】
胎児心臓の3Dデータのセットを取得するために用いられる時間と技術は、スキャンされるべき生体構造の範囲に依存する。3Dデータのセットが取得されるべき体積の領域が比較的小さい場合には、一回の体積の走査でその3Dデータのセットを取得し得る。このことは、完全な心拍のサイクルについての活動する画像(live images)のような再生を行うための一連の画像が、一回の心拍のサイクルで取得できることを意味する。胎児の心拍は、一般的に、小児又は大人の心拍よりずっと高いため、完全な心拍についての必要な3Dデータのセットは、0.5秒以下で取得可能である。
【0015】
体積の領域が大きい場合には、連続して取得される副体積(subvolume)でスキャンされ得る。副体積は、次に、米国特許5,993,390号(Savordらによる)で説明されるように、完全な体積について、活動する画像(live images)のような再生を行うために統合される。副体積は、次に、空間的に配列され、心拍の位相と同期して再生される。したがって、収集と再生についての位相の同期は、生理学的に生成された心拍の位相を利用することができる。この分割された、完全な体積の技術は、図4−8により説明される。図4は、図1の超音波システム10のマトリックスアレイトランスデューサ70の位相配列操作によりスキャンされる、完全な体積領域80を表す。この例では、完全な体積は長方形のピラミッドの形状をしている。頂点から根元までのピラミッドの高さは、撮像される領域の深さを決定し、ビームの周波数や浸透深さのような因子に従って選択される。ピラミッドの側面の勾配は、ビームに適用される指向の度合いによって決定され、ビーム操作のために利用可能な遅延や、トランスデューサの、軸外(激しい勾配)のビーム操作に対する感度や、他の条件を考慮して、同様に選択される。
【0016】
体積の領域80のような完全な体積の領域は、3Dの撮像のための完全な胎児心臓を包むために十分なサイズであり得る。しかしながら、心臓を完全に視覚化するための、完全な体積の領域80をスキャンするために必要とされる時間は、満足のいくリアルタイムな撮像に対して遅すぎるか、長すぎて動きによる副作用が生ずるか、又はその両方であり得る。この限界を克服するため、完全な体積の領域80は、図5で示されるように、副体積B(後方)、C(中央)及びF(前方)へと分割される。体積の領域80は、60度の方位角(AZ)において角度の範囲を定めることができるが、例えば、副体積は、より小さい角度の範囲を定めることができる。図5の例では、副体積はそれぞれ30度の角度の範囲を定める。これは、同一のビーム密度とビーム深さに対して、それぞれの副体積が、完全な体積の領域80の半分の時間でスキャンされ得ることを意味する。これによって、表示についての、倍のリアルタイムのフレームレートがもたらされる。副体積は、隣接していてもよく、あるいは重複していてもよい。例えば、完全な体積の領域の角度が90度である場合に、三つの連続する30度の副体積が用いられ得る。代わりに、60度の完全な体積の領域に対して、3つの20度の副体積が、さらに高いフレームレートのために用いられてもよい。図5の例において、BとFの副体積は、完全な体積の領域80の中央において連続し、Cの副体積は領域80の中央に置かれており、連続する二つの副体積についての50%重複している。ある面がB、C及びFの副体積のそれぞれについて収集された場合に、直接のスキャンか又はMPRの再構成により、その面は図6a、6b及び6cにおいて示されるような形状を有する。
【0017】
図7a、7b及び7cにおいて示されるように、副体積B、C及びFは、ある連続的な間隔か、又はより小さな時間インターリーブによる間隔かにおいて、完全な心拍のサイクルにわたってスキャンされる。図7aは、Bの副体積がマトリックスアレイトランスデューサ70によりスキャンされることを示す。この例では、左心房と左心室の一部についての3Dデータのセットが収集される。図7bは、Cの副体積のスキャンを示す。この例では、LVの残りと、左心房の大部分と、大動脈の3Dデータのセットとが収集される。図7cは、Fの副体積のスキャンを示す。LVの右の部分と、大動脈と、右心室の3Dデータのセットとが収集される。したがって、三つの副体積は、仮想的に、全体の心臓についての完全な心拍のサイクルにわかる3Dデータのセットを収集する。図8a、8b及び8cは、それぞれの副体積の3D画像を示す。三つの副体積が空間的な配列で共に結合され、位相同期して再生されるとき、完全な心拍のサイクルの、活動する3D画像のループにおける完全な胎児心臓を見ることができる。再生は、心拍のサイクルのあらゆる時点において、3Dで心臓を綿密に検査するために停止できる。さらに、体積を通じて、MPRにより胎児心臓を分析するために再構成され得る、選択された面は、選択された2D(平面)ビューである。
【0018】
どのくらい多くの副体積が収集されるか、あるいはどのくらい重複するかに関わらず、副体積の時間で同期された収集の別の利点は、ユーザが、米国特許5,993,390号(Savordらによる)に記載される概念と同様に、擬似的なリアルタイムで更新される、完全な体積のデータを得ることができることである。このことは、副体積の完全な一つのセットが収集されたらすぐに完全な体積を生成し、一連の副体積にわたって循環させ、新たな副体積が収集されるたびに完全な体積を更新することにより達成することができる。これにより、完全な一つの体積画像が、高い副体積のレートでユーザに提供される。したがって、ユーザは、胎児心臓を動的に(擬似リアルタイムに)評価することができるか、あるいは代わりに、後の評価のための良い質の完全な体積画像が収集され、保管されていた場合に、動的な決定をすることができる。
【0019】
図9は、胎児心臓の、活動する3D画像のループのための3Dデータのセットを収集する手順を示す。ステップ90において、胎児心臓は、自動的になされない、動き検出位置の配置のために、リアルタイムの2D又は3D撮像において撮像される。胎児の流出路を綿密に検査することが望ましい場合には、例えば、流出路は撮像領域に際立って含まれる。ステップ92において、臨床医は、超音波画像において、心臓の動作を見積もる位置へカーソルを操作する。このことは、運動する心臓の組織の上、胎児の頚動脈の血流の中にサンプルの体積を配置する段階、あるいは、例えば胎児心臓の心筋を横断するMラインを位置づける段階を含む。ステップ94において、動き検出器と心拍サイクル合成器は、心臓又は血流についての示された運動からの心臓同期信号を合成する。ステップ96において、心臓同期信号は、心臓又は流出路のような心臓の中の関心の有る領域についての、一つ以上の同期された3Dデータのセットを収集するために用いられる。これは、心臓同期信号が安定したらすぐに自動的になされ得る。あるいは、臨床医による指令によってなされてもよい。例えば、胎児が動いている場合に、臨床医は、所望の胎児心臓の生体構造が画像の中央になるまで、プローブを再配置することができる。医師が、望みどおりに、画像領域内に目標の生体構造を配置した場合には、コントロールパネル36の上のボタンを押し、データ収集のための指令をシステムへ送る。心臓同期信号が十分に安定した場合には、超音波システムは、診断のための必要な、同期された3Dデータのセットを収集する。図5−8で示されるような三つの副体積において収集される、心臓の完全な体積のデータのセットは、通常二秒未満で収集され得る。従って、胎児がわずか二秒間、安定を保てば、胎児心臓の診断品質の3Dデータのセットが正常に収拾され得る。ステップ98において、胎児心臓の活動する(live)3D画像のループが、収集された単一の3Dデータのセットから生成される。あるいは、副体積の収集の3Dデータのセットを組み合わせることによって生成される。
【0020】
本発明は、胎児の心臓の検査に加え、他の種類の検査にも適用可能であることは明らかである。例えば、放射線科は、同期された血管検査のためにECG設備を有さない可能性がある。本発明の技術は、血管検査のために同期信号の収集を作るためにも用いられ得る。
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療診断の超音波システムに関し、特に、胎児心臓の三次元(3D)の画像データのセットを収集する超音波システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、胎児の撮像によく適する。なぜなら、母体や胎児を電離放射線に晒すことなく、侵襲的でない撮像を行うためである。多くの胎児の検査の目的は、胎児が正常に発達しているかどうかを決定するために、胎児の生体構造の発達を評価することである。超音波画像の質が長年にわたって改善されるにつれて、より多くの生体構造の領域が、より詳細に、発達の評価のために可視化されることができるようになった。その結果として、胎児の超音波の検査は、検査されるべき生体構造に対する要求の増加とともに、より綿密になっている。大いに精査される生体構造の一つの領域は、発達中の胎児心臓である。近年、心臓の流出路は、より大きな注目の的になっている。しかしながら、胎児心臓の流出路は、撮像することが困難である可能性がある。この一つの理由は、胎児の生体構造のサイズが小さいことである。別の理由は、その生体構造を単純に見るのではなく、完全な胎児心臓の拍動の一サイクルの動作(heart cycle)にわたって、流出路を通る流れの特性の変遷を見ることが望ましいことである。さらなる理由は、流出路が、胎児の成長につれて相当な発達を経験する結果、胎齢に依存して変動する外観と複雑さを有し得ることである。したがって、流出路は、超音波の表示では特定することが困難であり得る。さらに、適切な診断のための適切な向きの画像フレームを収集することは、なおさら困難であり得る。
【0003】
これらの要求のいくつかは、最近の、胎児心臓を撮像するための3D超音波の使用により緩和されている。3D撮像を用いて、完全な胎児心臓を撮像することができ、さらに3D画像データのセットの配列を、後の再生と診断のために収集することができる。完全な胎児心臓のデータがデータセットで収集された場合に、画像データは、収集後の診断の間に、心臓の流出路を探すために、検査され得る。異なった様々な2D画像の面が、多断面再構成法(MPR)において3Dデータから抽出され得ることにより、所望の向きの画像面を検査することができる。したがって、三次元の撮像は、2Dの胎児撮像では問題となる、多数の静止の撮像の課題に対処する。近年、胎児の血流の一時的な変遷を分析することの問題は、「spatial temporal image correlation」又はSTICと呼ばれる技術によって、取り組まれている。STICを用いて、超音波により一回の走査(sweep)が胎児心臓を通じてなされ、多数の画像フレームが一連の心拍のサイクルを通じて収集される。2Dの超音波プローブを用いて手動でスキャンすることによりなされた場合には、この画像の収集は、10秒かそれより長い時間がかかることがある。同様の収集は、機械式の3Dプローブを用いて実行されることができる。該3Dプローブは、胎児心臓の領域を通る画像面を機械的に走査する。しかし、3Dの機械式のプローブは、多くの場合、高さのフォーカスの質が悪い。このことは、高さ次元におけるMPR画像を構成する場合に、不正確さをもたらす。収集が完了し、画像フレームが保管された後に、MPR再構成によって生成された所望の生体構造の画像フレームは、必要ならば、胎児心臓の拍動のサイクルにおける位相(phase)の順序に従って、画像のループへと再構成される。この作業は、この順序付けに関して、利用可能な胎児心臓のECG信号がないという事実により、困難なものとなる。胎児のECGは、撮像中に収集することができない。なぜなら、ECG電極は胎児に取り付けることができず、胎児の電気インパルスは、母親の自身のECG信号によって押さえ込まれるためである。その結果、胎児心臓の拍動のサイクルについての合成タイミング信号を、胎児心臓の画像から抽出する必要がある。これは、米国特許7,261,695号において記載されているように、心臓の、あるいは心臓の近くの胎児組織の動作に基づいて、イベントトリガを決定することによってなされる。合成心拍サイクルトリガ信号(synthetic heart cycle trigger signal)は、複数の心臓の拍動のサイクルから、フレームが心拍位相の順序である、心臓の一つのサイクルの一つのループへと、画像を再順序付けするために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、STIC技術はその困難性なしに存在しない。一つは、その再構成のアルゴリズムのロバスト性にある。典型的な収集では、あまりにも多くの画像を生成し、手動では順序付けることが難しい。そこで、フレームの順序付けを自動的に行うためのアルゴリズムが開発されている。これらのアルゴリズムは画像データの質に依存する。画像データの質は、十分でない可能性がある。最適なデータセットを収集するためのプローブの推奨される操作を用いることによって、この状況を改善するための努力がなされている。しかし、これは技術に依存し、さらに生体構造についての統計の使用は、個別の患者への依存を引き起こし得る。しかし、さらに大きな問題は、胎児の頻繁な動きであり、データ収集に必要とされる10秒又はそれ以上の間にずっと静止していない可能性がある。胎児が動いた場合には、プローブに対する所望の画像データの向きが変わり、完全に視界から消える可能性がある。結果として、収集されたデータセットに所望の生体構造が存在しないこととなる。同様に、収集している間の胎児の動きは、生成された合成胎児心拍サイクル(synthetic fetal heart cycle)の正確さを制限し、不自然な結果(artifact)を再構成された3Dデータに挿入する。したがって、一般には、胎児心臓の撮像のこれらの困難性、特には、STIC技術により示される困難性を克服することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の原理に従って、生理学的に生成された同期信号(gating signal)によって胎児の心拍のサイクルに同期された(gated)、3Dの胎児心臓のデータのセットを収集する超音波診断システムが説明される。胎児心臓は、1D、2D又は3D撮像により撮像され、適切な動きを示す目標からのエコー信号が収集される。胎児心臓の撮像に関して、目標とは、例えば胎児の心筋又は胎児の頸動脈の中の血液の動きであり得る。動きの信号は、胎児の心拍のサイクルに同期される同期信号を生成するために処理される。該同期信号は、3Dの画像データの収集を同期するために用いられる。次に、三次元データのセットは、この生理学的に生成された同期信号を用いて、胎児の心拍の位相にタイミングを合わせて収集される。3Dにおける収集の同期は、マイクロビームフォーマ(micro-beamformer)を含む二次元マトリックストランスデューサ(2-dimensional matrix transducer)を用いて、より容易に達成しやすい。なぜなら、この場合に、画像面は、あらゆる配列又は向きにおいて電子的に生成され得るためである。そのようなマトリックストランスデューサを用いて、心拍のサイクルの一つのループを、一般的には一秒以内に収集することができ、さらに複数のループをわずか数秒で収集することができる。収集された画像データは既に胎児の心拍のサイクルと同相であるため、画像データを順序付ける必要はない。また、収集にはわずか数秒しかかからないため、胎児の動きはそれほど懸念されない。このアプローチの一つの他の利点は、STICと比べて、ユーザは、収集の質を表す、再構成された画像を得ることができることである。これにより、ユーザは、データ収集が完了する前に、動きの影響がいくらか存在するかどうかを決定することができる。胎児が短い収集間隔の間に動いた場合には、プローブを再配置することができ、さらなる3Dデータの収集を実行できる。正常に取得された3Dデータは、その後、収集後の診断の間に、入念に分析されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の原理に従って構成される超音波画像診断システムを形成するブロック図。
【図2】心筋の運動のMモードの画像を表す図。
【図3】心臓の運動から生成される心臓の同期波形を表す図。
【図4】二次元マトリックストランスデューサによりスキャンされる体積の領域を表す図。
【図5】図4の体積の領域の三つの副領域への分割を表す図。
【図6a】図5の三つの副領域の画像面を表す図。
【図6b】図5の三つの副領域の画像面を表す図。
【図6c】図5の三つの副領域の画像面を表す図。
【図7a】マトリックスアレイトランスデューサによる心臓の三つの体積の副領域のスキャンを表す図。
【図7b】マトリックスアレイトランスデューサによる心臓の三つの体積の副領域のスキャンを表す図。
【図7c】マトリックスアレイトランスデューサによる心臓の三つの体積の副領域のスキャンを表す図。
【図8a】図7の一連のスキャンにより収集された画像データについての三つの副体積を表す図。
【図8b】図7の一連のスキャンにより収集された画像データについての三つの副体積を表す図。
【図8c】図7の一連のスキャンにより収集された画像データについての三つの副体積を表す図。
【図9】生理学的に生成された心拍のサイクルの同期信号を用いて胎児心臓の3Dデータのセットを収集する方法を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の原理に従って構成された超音波システム10がブロック図を示す。超音波システムは、フロントエンドの収集サブシステム10Aとディスプレイサブシステム10Bの、二つのサブシステムにより構成される。超音波プローブは、収集サブシステムに結合され、二次元マトリックスアレイトランスデューサ70とマイクロビームフォーマ72を含む。マイクロビームフォーマはアレイトランスデューサ70の素子(「パッチ」)のグループに適用される信号を制御する回路を含む。さらに、それぞれのグループの素子により受信されるエコー信号のいくらかの処理を行う。プローブにおけるマイクロビームフォーミングは、プローブと超音波システムとの間のケーブルの中での導体の数を有利に減少させる。該マイクロビームフォーミングは、米国特許5,997,479号(Savordら)及び米国特許6,436,048号(Pesque)で説明されている。
【0008】
プローブは、超音波システムの収集サブシステム10Aと結合される。収集サブシステムは、ビームフォームコントローラ74を含む。ビームフォームコントローラ74は、ユーザコントロール(user control)36に応じて、マイクロビームフォーマ72へ制御信号を提供し、プローブに、タイミング、周波数、方向及び送信ビームの焦点調節に関して指示を行う。ビームフォームコントローラは、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ18とビームフォーマ20を制御することによって、収集サブシステムにより受信されるエコー信号のビームフォーミングを制御する。ブローブによって受信されたエコー信号は、収集サブシステムの中のプリアンプとTGC(time gain control)回路16によって増幅され、A/Dコンバータによりデジタル化される。デジタル化されたエコー信号は、次に、ビームフォーマ20により完全に誘導され、集束されたビームへと形成される。エコー信号は、次に、画像プロセッサ22により処理される。画像プロセッサ22は、デジタルフィルタリング、BモードとMモードの検出及びドップラー処理を実行し、さらに高調波の分離、スペックル低減及び他の所望の画像信号処理のような、他の信号処理をも行うことができる。
【0009】
収集サブシステム10Aによって生成されるエコー信号は、ディスプレイサブシステム10Bに接続される。ディスプレイサブシステム10Bは、所望の画像フォーマットで表示するためにエコー信号を処理する。エコー信号は、画像水平プロセッサ(image line processor)24により処理される。画像水平プロセッサ24は、エコー信号をサンプリングし、ビームの部分を完全な水平信号へと接合し、信号対雑音をするため、あるいは流れを持続するための水平信号の平均化する。2D画像の画像の線(image line)は、スキャンコンバータ26によりスキャンされ、所望の画像フォーマットへと変換される。スキャンコンバータ26は、既知の技術であるR-theta変換を実行する。画像は、画像メモリ28に保管され、ディスプレイ38上に表示されることができる。メモリの中の画像は、画像と共に表示されるべきグラフィックス(graphics)と重ね合わせられる。該グラフィックスは、ユーザコントロール36に応じて、グラフィックスジェネレータ34によって生成される。個々の画像又は一連の画像は、画像のループ又は一連の画像を取得している間、シネメモリ(cine memory)30に保管され得る。
【0010】
リアルタイムの体積の撮像のために、ディスプレイサブシステム10Bは、3D画像描画プロセッサ32をさらに含む。3D画像描画プロセッサ32は、リアルタイムの三次元画像の描画のために、画像水平プロセッサ24から画像の線を受け取る。3D画像は、活動する(live)(リアルタイムの)3D画像としてディスプレイ38上に表示される。あるいは、3D画像は、後の評価と診断のために、3Dデータのセットを記憶するための画像メモリ28と連動し得る。
【0011】
本発明の原理に従って、動き検出器(motion estimator)40は、撮像された生体構造の指定された場所から一時的に分離したエコー信号を一時的に受信する。そして、指定された場所の動きを表す信号を生成するために、該エコーを処理する。一時的に分離したエコー信号が取得された生体構造の場所は、画像の中央のような、デフォルトの画像位置であり得る。あるいは、ユーザによるユーザコントロール36の操作の制御によって指定された場所であってもよい。例えば、ユーザは、胎児の頚動脈の中のサンプルの体積(sample volume)を決めるために、ジョイスティック、トラックボール又は他のユーザコントロールの制御を操作することができる。次に、運動する胎児の組織又は血液のサンプルから、動き検出を実行することができる。この処理のいくつかは、例えば、サンプル体積の位置からのエコー信号のドップラー処理のように、画像プロセッサにより実行され得る。画像プロセッサにより生成された、血流又は組織の動きの速さの推定値(estimate)は、次に、例えば動き検出器へ直接送られ得る。サンプルの体積が、胎児の心筋のような組織にある場合には、胎児心臓からのエコー信号は、組織ドップラー処理による動き識別に関して処理され得る。動きを検出する別の方法は、画像の中の与えられた組織の位置におけるスペックルの動きを追跡することによる。動きを検出するさらに別の方法は、米国特許6,299,579号(Petersonらによる)に記載された、MSADブロックマッチングによる、連続する画像を通じて組織の場所の変化を比較することによる。動きを検出するためのさらに別の方法は、胎児心臓に位置づけられるMライン(M line)を用いるMモードを用いることである。これは図2に示されている。図2は、胎児心臓の左心室(LV)を通じて広がるように、超音波画像上のMラインのカーソルを位置づけることによって決定される、Mラインにより生成されるMモード画像60を表す。Mラインは、この方法で位置づけられる場合には、胎児心臓の、ある側の心筋壁12を通り、LVの心室を通り、そして心臓の別の側の心筋壁14を通る。超音波のビームは、LVを通る、このMライン方向に沿って、一定間隔で送信される。そして、それぞれの送信から受信されたAライン(A-line)は、以前に受信されたAラインに沿って、スクロールする方法で画面上に表示される。この結果が、図2に示されるMモード画像である。矢印52で示されるように、心臓の反対側は、胎児心臓が、心拍のサイクルにおける拡張終期の時点において緩んでいる場合には、最も大きく離れる。矢印54’で示されるように、心臓の反対側の壁は、心拍のサイクルのピークの収縮期において最も近接する。図2は、胎児心臓がそれぞれの心拍とともに収縮し、拡張する時の、心臓壁の動きについての周期的なパターンを表す。心臓壁12又は14の位置(動き)の変化を追跡することにより、心拍のサイクルを有する周期の波形が生成される。
【0012】
動き検出のための位置が二次元又は三次元画像で指定されることができるが、より高いフレームレートとサンプリングレートのために、2D画像を用いることが望ましい。図2により示されるように、Mモードを用いた位置の指定のためのMラインは、さらにより高いサンプリングレートを提供することができる。ユーザコントロール36により選択される、サンプルの体積、Mライン又は他のカーソルの位置は、グラフィックスジェネレータ34に連動する。これにより、ユーザがカーソルを位置づけている間に、該位置が連続的に更新され、見ている超音波画像に表示される。本発明の一つの実施形態において、見積もられる動きは、胎児心臓を拍動する動きに関連する必要がある。したがって、胎児の頚動脈の中の、胎児の運動する心筋及び血流は、胎児心臓に関連する動きの検出のための、エコー信号の優れた源を提供する。
【0013】
検出された動きを表す信号は、心拍サイクル合成器(heart cycle synthesizer)に連動する。心拍サイクル合成器は、胎児心臓の拍動のサイクルを表す信号を生成する。胎児心臓の拍動のサイクルの信号は、図3で示されるような波形62を近似する、一連の信号であり得る。該波形は、米国特許5,718,229号(Pesqueらによる)に記載されるパワーモーション撮像処理法(power motion imaging processing)により、サンプルの体積から生成される心臓波形である。それによって、サンプルの体積の位置からの連続するエコーが、動きを示す信号の変化を検出することにより、識別(抽出)される。波形は、より反復的に、一貫性のある形状をとるように、要望通りに平滑化され得る。波形信号は、心拍のサイクルの連続する位相のための同期時間(gating times)を示すために用いられることができる。代わりに、心拍のサイクルの信号は、胎児心臓の画像が心拍のサイクルの所定の位相において取得されるべきである場合に、所望の同期時間においてのみ生成されることができる。例えば、拡張終期において取得される一連の画像が要求される場合には、同期信号は、それぞれの心拍のサイクルにおけるその時間においてのみ生成される。図2の例では、同期時間は、それぞれの心拍のサイクルにおいて、矢印52’で示されるように心臓壁の空間が最も大きくなったときの時間である。心拍のサイクルの信号は、ビームフォームコントローラ74に適用される。心拍のサイクルの信号は、胎児心臓の拍動のサイクルの間の、所望の時間における胎児心臓の画像の収集を同期するために用いられる。一連の画像は、心拍のサイクルの既知の位相における収集のために同期され得るため、STICにおいてなされるような、収集のタイミングの遡及的な見積もりへの試みは不要である。そして、画像を順序付けする必要はない。なぜなら、画像は、心拍のサイクルの位相の順序に既に配列されて収集されるためである。
【0014】
胎児心臓の3Dデータのセットを取得するために用いられる時間と技術は、スキャンされるべき生体構造の範囲に依存する。3Dデータのセットが取得されるべき体積の領域が比較的小さい場合には、一回の体積の走査でその3Dデータのセットを取得し得る。このことは、完全な心拍のサイクルについての活動する画像(live images)のような再生を行うための一連の画像が、一回の心拍のサイクルで取得できることを意味する。胎児の心拍は、一般的に、小児又は大人の心拍よりずっと高いため、完全な心拍についての必要な3Dデータのセットは、0.5秒以下で取得可能である。
【0015】
体積の領域が大きい場合には、連続して取得される副体積(subvolume)でスキャンされ得る。副体積は、次に、米国特許5,993,390号(Savordらによる)で説明されるように、完全な体積について、活動する画像(live images)のような再生を行うために統合される。副体積は、次に、空間的に配列され、心拍の位相と同期して再生される。したがって、収集と再生についての位相の同期は、生理学的に生成された心拍の位相を利用することができる。この分割された、完全な体積の技術は、図4−8により説明される。図4は、図1の超音波システム10のマトリックスアレイトランスデューサ70の位相配列操作によりスキャンされる、完全な体積領域80を表す。この例では、完全な体積は長方形のピラミッドの形状をしている。頂点から根元までのピラミッドの高さは、撮像される領域の深さを決定し、ビームの周波数や浸透深さのような因子に従って選択される。ピラミッドの側面の勾配は、ビームに適用される指向の度合いによって決定され、ビーム操作のために利用可能な遅延や、トランスデューサの、軸外(激しい勾配)のビーム操作に対する感度や、他の条件を考慮して、同様に選択される。
【0016】
体積の領域80のような完全な体積の領域は、3Dの撮像のための完全な胎児心臓を包むために十分なサイズであり得る。しかしながら、心臓を完全に視覚化するための、完全な体積の領域80をスキャンするために必要とされる時間は、満足のいくリアルタイムな撮像に対して遅すぎるか、長すぎて動きによる副作用が生ずるか、又はその両方であり得る。この限界を克服するため、完全な体積の領域80は、図5で示されるように、副体積B(後方)、C(中央)及びF(前方)へと分割される。体積の領域80は、60度の方位角(AZ)において角度の範囲を定めることができるが、例えば、副体積は、より小さい角度の範囲を定めることができる。図5の例では、副体積はそれぞれ30度の角度の範囲を定める。これは、同一のビーム密度とビーム深さに対して、それぞれの副体積が、完全な体積の領域80の半分の時間でスキャンされ得ることを意味する。これによって、表示についての、倍のリアルタイムのフレームレートがもたらされる。副体積は、隣接していてもよく、あるいは重複していてもよい。例えば、完全な体積の領域の角度が90度である場合に、三つの連続する30度の副体積が用いられ得る。代わりに、60度の完全な体積の領域に対して、3つの20度の副体積が、さらに高いフレームレートのために用いられてもよい。図5の例において、BとFの副体積は、完全な体積の領域80の中央において連続し、Cの副体積は領域80の中央に置かれており、連続する二つの副体積についての50%重複している。ある面がB、C及びFの副体積のそれぞれについて収集された場合に、直接のスキャンか又はMPRの再構成により、その面は図6a、6b及び6cにおいて示されるような形状を有する。
【0017】
図7a、7b及び7cにおいて示されるように、副体積B、C及びFは、ある連続的な間隔か、又はより小さな時間インターリーブによる間隔かにおいて、完全な心拍のサイクルにわたってスキャンされる。図7aは、Bの副体積がマトリックスアレイトランスデューサ70によりスキャンされることを示す。この例では、左心房と左心室の一部についての3Dデータのセットが収集される。図7bは、Cの副体積のスキャンを示す。この例では、LVの残りと、左心房の大部分と、大動脈の3Dデータのセットとが収集される。図7cは、Fの副体積のスキャンを示す。LVの右の部分と、大動脈と、右心室の3Dデータのセットとが収集される。したがって、三つの副体積は、仮想的に、全体の心臓についての完全な心拍のサイクルにわかる3Dデータのセットを収集する。図8a、8b及び8cは、それぞれの副体積の3D画像を示す。三つの副体積が空間的な配列で共に結合され、位相同期して再生されるとき、完全な心拍のサイクルの、活動する3D画像のループにおける完全な胎児心臓を見ることができる。再生は、心拍のサイクルのあらゆる時点において、3Dで心臓を綿密に検査するために停止できる。さらに、体積を通じて、MPRにより胎児心臓を分析するために再構成され得る、選択された面は、選択された2D(平面)ビューである。
【0018】
どのくらい多くの副体積が収集されるか、あるいはどのくらい重複するかに関わらず、副体積の時間で同期された収集の別の利点は、ユーザが、米国特許5,993,390号(Savordらによる)に記載される概念と同様に、擬似的なリアルタイムで更新される、完全な体積のデータを得ることができることである。このことは、副体積の完全な一つのセットが収集されたらすぐに完全な体積を生成し、一連の副体積にわたって循環させ、新たな副体積が収集されるたびに完全な体積を更新することにより達成することができる。これにより、完全な一つの体積画像が、高い副体積のレートでユーザに提供される。したがって、ユーザは、胎児心臓を動的に(擬似リアルタイムに)評価することができるか、あるいは代わりに、後の評価のための良い質の完全な体積画像が収集され、保管されていた場合に、動的な決定をすることができる。
【0019】
図9は、胎児心臓の、活動する3D画像のループのための3Dデータのセットを収集する手順を示す。ステップ90において、胎児心臓は、自動的になされない、動き検出位置の配置のために、リアルタイムの2D又は3D撮像において撮像される。胎児の流出路を綿密に検査することが望ましい場合には、例えば、流出路は撮像領域に際立って含まれる。ステップ92において、臨床医は、超音波画像において、心臓の動作を見積もる位置へカーソルを操作する。このことは、運動する心臓の組織の上、胎児の頚動脈の血流の中にサンプルの体積を配置する段階、あるいは、例えば胎児心臓の心筋を横断するMラインを位置づける段階を含む。ステップ94において、動き検出器と心拍サイクル合成器は、心臓又は血流についての示された運動からの心臓同期信号を合成する。ステップ96において、心臓同期信号は、心臓又は流出路のような心臓の中の関心の有る領域についての、一つ以上の同期された3Dデータのセットを収集するために用いられる。これは、心臓同期信号が安定したらすぐに自動的になされ得る。あるいは、臨床医による指令によってなされてもよい。例えば、胎児が動いている場合に、臨床医は、所望の胎児心臓の生体構造が画像の中央になるまで、プローブを再配置することができる。医師が、望みどおりに、画像領域内に目標の生体構造を配置した場合には、コントロールパネル36の上のボタンを押し、データ収集のための指令をシステムへ送る。心臓同期信号が十分に安定した場合には、超音波システムは、診断のための必要な、同期された3Dデータのセットを収集する。図5−8で示されるような三つの副体積において収集される、心臓の完全な体積のデータのセットは、通常二秒未満で収集され得る。従って、胎児がわずか二秒間、安定を保てば、胎児心臓の診断品質の3Dデータのセットが正常に収拾され得る。ステップ98において、胎児心臓の活動する(live)3D画像のループが、収集された単一の3Dデータのセットから生成される。あるいは、副体積の収集の3Dデータのセットを組み合わせることによって生成される。
【0020】
本発明は、胎児の心臓の検査に加え、他の種類の検査にも適用可能であることは明らかである。例えば、放射線科は、同期された血管検査のためにECG設備を有さない可能性がある。本発明の技術は、血管検査のために同期信号の収集を作るためにも用いられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胎児心臓を分析するための超音波画像診断システムであって:
胎児心臓の画像データのセットを収集するよう機能する3D撮像プローブと;
前記胎児心臓の拍動のサイクルを示す、超音波画像の生体構造の中の運動の位置を指定するために操作されることのできるユーザコントロールと;
指定された前記位置からのエコー信号に応じて、前記胎児心臓の拍動のサイクルに関連する同期信号を生成するために該エコー信号を処理する動き検出器と;
前記同期信号により決定される、前記胎児心臓の拍動のサイクルの一つ以上の所定の位相において、前記同期信号に応じて前記3D撮像プローブに3Dデータのセットを収集させるプローブコントローラと;
前記3Dデータのセットに応じて前記胎児心臓の3D画像を生成するディスプレイと;
を有する、超音波画像診断システム。
【請求項2】
前記動き検出器は、さらに、指定された前記位置からのMモードのエコー信号に応じて同期信号を生成する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項3】
前記動き検出器は、さらに、組織運動のエコー信号に応じて同期信号を生成する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項4】
前記動き検出器は、さらに、2D画像のエコー信号に応じて同期信号を生成する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項5】
前記プローブコントローラは、さらに、前記同期信号に応じて指定された前記位置を含む体積の領域についての副体積の3Dデータのセットを収集し、
新たに収集された副体積の3Dデータのセットを用いて3D画像の体積を更新するように機能する副体積プロセッサをさらに有する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項6】
前記ディスプレイは、全体の画像の体積の全ての副体積を収集するために必要な時間より高速なフレームレートで前記3D画像の体積についての3D画像を表示するよう機能する、
請求項5に記載の超音波画像診断システム。
【請求項7】
合成の同期信号を用いて同期された3Dの胎児心臓の超音波画像を収集する方法であって:
2D又は3Dの超音波画像により胎児心臓を撮像する段階と;
心臓の運動の位置へカーソルを進ませる段階と;
前記心臓の運動の位置からの1D、2D又は3Dのエコー信号を収集する段階と;
心臓の運動についての夫々の情報から同期された収集信号を合成する段階と;
合成された、前記同期された収集信号を用いて前記胎児心臓の同期された3Dデータのセットを収集する段階と;
前記3Dデータのセットから一連の動的な3Dの胎児心臓の画像を形成する段階と;
を有する、方法。
【請求項8】
1D、2D又は3Dのエコー信号を収集する前記段階は、Mモード又はBモードの画像収集によってエコー信号を収集する段階をさらに有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
同期された3Dデータのセットを収集する前記段階は、前記胎児心臓を含む3Dの体積の、3Dの副体積のデータのセットを収集する段階をさらに有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
形成する前記段階は、3Dの胎児心臓の画像を形成するために複数の3Dの副体積のデータのセットを組み合わせる段階を有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
解剖学的同期信号が存在しない運動する生体構造の活動する3D画像を収集するための超音波画像診断システムであって:
運動する生体構造の3D画像データのセットを収集するよう機能する3D撮像プローブと;
超音波画像の中の生体構造の前記運動の位置を指定するために操作されることのできるユーザコントロールと;
指定された前記位置からのエコー信号に応じて、生体構造の前記運動に関連する同期信号を生成するために該エコー信号を処理する動き検出器と;
前記同期信号の一つ以上の所定の位相において、前記同期信号に応じて前記3D撮像プローブに同期された3Dデータのセットを収集させるプローブコントローラと;
前記3Dデータのセットに応じて前記運動する生体構造についての一連の動的な3D画像を生成するディスプレイと;
を有する、超音波画像診断システム。
【請求項12】
前記ユーザコントロールは、2D又は3Dの超音波画像の中の運動の位置を指定するよう操作されることができる、
請求項11に記載の超音波画像診断システム。
【請求項13】
前記動き検出器は、さらに、指定された前記位置からのMモード又はBモードのエコー信号に応じる、
請求項11に記載の超音波画像診断システム。
【請求項14】
前記プローブコントローラは、さらに、前記同期信号に応じて運動する生体構造の体積の領域の副体積についての同期された3Dデータのセットを収集する、
請求項11に記載の超音波画像診断システム。
【請求項15】
新たに収集された副体積の3Dデータのセットを用いて3D画像を更新するよう機能する副体積プロセッサをさらに有する、
請求項14に記載の超音波画像診断システム。
【請求項1】
胎児心臓を分析するための超音波画像診断システムであって:
胎児心臓の画像データのセットを収集するよう機能する3D撮像プローブと;
前記胎児心臓の拍動のサイクルを示す、超音波画像の生体構造の中の運動の位置を指定するために操作されることのできるユーザコントロールと;
指定された前記位置からのエコー信号に応じて、前記胎児心臓の拍動のサイクルに関連する同期信号を生成するために該エコー信号を処理する動き検出器と;
前記同期信号により決定される、前記胎児心臓の拍動のサイクルの一つ以上の所定の位相において、前記同期信号に応じて前記3D撮像プローブに3Dデータのセットを収集させるプローブコントローラと;
前記3Dデータのセットに応じて前記胎児心臓の3D画像を生成するディスプレイと;
を有する、超音波画像診断システム。
【請求項2】
前記動き検出器は、さらに、指定された前記位置からのMモードのエコー信号に応じて同期信号を生成する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項3】
前記動き検出器は、さらに、組織運動のエコー信号に応じて同期信号を生成する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項4】
前記動き検出器は、さらに、2D画像のエコー信号に応じて同期信号を生成する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項5】
前記プローブコントローラは、さらに、前記同期信号に応じて指定された前記位置を含む体積の領域についての副体積の3Dデータのセットを収集し、
新たに収集された副体積の3Dデータのセットを用いて3D画像の体積を更新するように機能する副体積プロセッサをさらに有する、
請求項1に記載の超音波画像診断システム。
【請求項6】
前記ディスプレイは、全体の画像の体積の全ての副体積を収集するために必要な時間より高速なフレームレートで前記3D画像の体積についての3D画像を表示するよう機能する、
請求項5に記載の超音波画像診断システム。
【請求項7】
合成の同期信号を用いて同期された3Dの胎児心臓の超音波画像を収集する方法であって:
2D又は3Dの超音波画像により胎児心臓を撮像する段階と;
心臓の運動の位置へカーソルを進ませる段階と;
前記心臓の運動の位置からの1D、2D又は3Dのエコー信号を収集する段階と;
心臓の運動についての夫々の情報から同期された収集信号を合成する段階と;
合成された、前記同期された収集信号を用いて前記胎児心臓の同期された3Dデータのセットを収集する段階と;
前記3Dデータのセットから一連の動的な3Dの胎児心臓の画像を形成する段階と;
を有する、方法。
【請求項8】
1D、2D又は3Dのエコー信号を収集する前記段階は、Mモード又はBモードの画像収集によってエコー信号を収集する段階をさらに有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
同期された3Dデータのセットを収集する前記段階は、前記胎児心臓を含む3Dの体積の、3Dの副体積のデータのセットを収集する段階をさらに有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
形成する前記段階は、3Dの胎児心臓の画像を形成するために複数の3Dの副体積のデータのセットを組み合わせる段階を有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
解剖学的同期信号が存在しない運動する生体構造の活動する3D画像を収集するための超音波画像診断システムであって:
運動する生体構造の3D画像データのセットを収集するよう機能する3D撮像プローブと;
超音波画像の中の生体構造の前記運動の位置を指定するために操作されることのできるユーザコントロールと;
指定された前記位置からのエコー信号に応じて、生体構造の前記運動に関連する同期信号を生成するために該エコー信号を処理する動き検出器と;
前記同期信号の一つ以上の所定の位相において、前記同期信号に応じて前記3D撮像プローブに同期された3Dデータのセットを収集させるプローブコントローラと;
前記3Dデータのセットに応じて前記運動する生体構造についての一連の動的な3D画像を生成するディスプレイと;
を有する、超音波画像診断システム。
【請求項12】
前記ユーザコントロールは、2D又は3Dの超音波画像の中の運動の位置を指定するよう操作されることができる、
請求項11に記載の超音波画像診断システム。
【請求項13】
前記動き検出器は、さらに、指定された前記位置からのMモード又はBモードのエコー信号に応じる、
請求項11に記載の超音波画像診断システム。
【請求項14】
前記プローブコントローラは、さらに、前記同期信号に応じて運動する生体構造の体積の領域の副体積についての同期された3Dデータのセットを収集する、
請求項11に記載の超音波画像診断システム。
【請求項15】
新たに収集された副体積の3Dデータのセットを用いて3D画像を更新するよう機能する副体積プロセッサをさらに有する、
請求項14に記載の超音波画像診断システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【公表番号】特表2012−531933(P2012−531933A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516890(P2012−516890)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052469
【国際公開番号】WO2011/001309
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052469
【国際公開番号】WO2011/001309
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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