説明

靴下およびその編成方法

【課題】人の足指形状と同一に形成して履いたときに楽で汗の吸収度が高いながらも通気性が良いため、足の健康を増進しえる機能性靴下を提供する。
【解決手段】本発明の靴下は、足指部5が親足部分5aと人指足指部分5bは広く小指部分5cは狭くなるよう左右非対称形状で段階的に編成され;前記足指部5の水平最底面Yを基準として親足指部分5aおよび人指足指部分5bの表・裏面側端部Ab,Dbの傾斜θ1,θ4は40〜50°であり、側端部Bb,Cbの傾斜θ2,θ3は60〜70°であり、小指部分5cの表・裏面側端部Aa,Ca,Daの傾斜θ6,θ7,θ8は40〜50°であり、側端部Baの傾斜θ6は60〜70°になるよう段階的にその幅が狭くなるように編成することにより段階的に傾斜度を異にして編成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は靴下およびその編成方法に関し、より詳細には右側および左側の靴下それぞれの左右両側が非対称的に編成されて人の左右側の足指形状と同一に形成された靴下およびその編成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近には靴下も他の衣類と同様に我等の生活の質を一層向上させられるよう外観のデザインは勿論その機能面を重視して材質および編成構造面において多くの改良がなされ高級化されている。
【0003】
その一例として、昔には単純に防寒用や足を保護する丈夫な靴下を選好したが、今は歩くときは勿論運動をする時にも靴下が容易く垂れ下がらないようにし、また、汗を良く吸収して足を健康に保護し得るよう特殊の高級素材で編成して着用感を高め、人体の健康増進に大いに寄与し得る色々な機能が付加された靴下が開発されている。当然にこれら靴下の製造単価は高価になる外は無いが,最近国内の消費者は値段は高くても機能が多様な高級靴下をより選好している。
【0004】
通常的に、靴下は足指部分が略45°傾斜の左右同一の形状に狭くなるピラミッド形状に編成されているが、このような靴下は、履いたとき親足指および人指足指は多少きっちりと嵌る反面、小指部分は緩くたぶたぶであるため、足の格好が見苦しく、また、靴との摩擦により編成物が磨り減る親足指部分に穴が空くなど、他の部分より早く破損されるため、非経済的であり、長期間着用時には甚だしい場合は親足指および人指足指がやや曲がる畸形を招くこともある。
【0005】
それで、最近には高い生活の質を追求する消費者の趨勢に合わせて気楽で着用感が優れた靴下を製造するために、親足指と人指足指部分に布を付加するようなY字形に広がるように編成し、他の足指部分は普通の靴下のように編成して特定部分の面積を広めた靴下が市販されている。
【0006】
このようなY字形方式の編成方法は、通常的に踵に適用している編成方式で、踵部の面積拡張には非常に有用であるが、これを足指部分に適用して編成する場合、その左・右側の編成をそれぞれ別途の段階で編成しなければならないため、編成コースの数が多くなるので、工程が複雑であり、親足指部分が締められる感じがある程度に他部分より稠密に編成されて、既存の編成方法より編糸量が多く所要されるのみならず、通気性が劣る短点があった。
【0007】
それだけでなく、親足指部分が普通の靴下よりは拡張形成されて楽であるが稠密に編成されるため、多少締められる感じがあるので、着用感も満足し得る水準ではなく、何よりも編環形成過程で張力が大きいため、不良品発生率が高く生産効率が非常に低調であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は良質の生活を追求する消費者の購買趨勢に符合し得る高付加価値の靴下を製造するために多様な方面から研究・開発を試図する中に、靴下を人の足指形態に合わせて編成する場合、着用時の外観形態も良いのは勿論、足の左・右側形状にきっちり合うため、履いたときに気楽であり、一般消費者が一見で機能性靴下の特徴を直ちに分かるので、製品の価値を高めることができ、普通の靴下との差別化が可能であるため販売が容易であり、販売量も増大し得られる展望に着目して、人体工学的に編成された靴下およびそのような靴下を製造し得る方法を開発するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は足指部の編成動作時に左側および右側の編針の動きを適切に制御して靴下の親足指部分および人指足指部分が広く小指側へ行くほど漸次に狭く編成して小指部分が最も狭く編成することにより、人の足指形状と同一に形成して履いたときに楽で汗の吸収度が高いながらも通気性が良いため、足の健康を増進しえる機能性靴下を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による靴下は足部、踵部、足裏部、足甲部および足指部を袋状に編成する通常の靴下において、
前記足指部がその親足指部分および人指足指部分は広く小指部分は狭く左右非対称形状に段階的に編成され;前記足指部の水平最底面を基準として親足指部分および人指足指部分の表・裏面の第1,4,5,8編成部分の側端部の傾斜は40〜50°であり、第2,3,6,7編成部分の側端部の傾斜は60〜70°であり、小指部分の表・裏面第1,3,4,5,6,8編成部分の側端部の傾斜は40〜50°であり、第2,7編成部分の側端部の傾斜は60〜70°になるよう段階的にその傾斜度を異にしながら編成され;左右側端の編環が中間部分の編環よりやや長く形成されて通気性が優れ、人の足指形状と一致しながら一見して右足用および左足用が区別できるように編成されたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明では足部、踵部、足裏部、足甲部および足指部が袋形状に編成される靴下の編成方において、
足指部の編成時に正・逆両方向へそれぞれ4〜6°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動して第1編成部分の両側端部を編成しながら、前記足裏部に連続する足指部の始部分になる第1編成部分を形成し;
前記第1編成部分に連続して正・逆方向へそれぞれ8〜12°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に非動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを動作状態で移動させた後、直ちに非動作状態で移動させる動作を1サイクルとして2〜4回繰り返して小指部分の側端部と親足指部分および人指足指部分の側端部を形成しながら、前記第1編成部分よりその幅が狭くなるように第2編成部分を形成し;
前記第2編成部分に連続して親足指部分および人指足指部分の側端部は正・逆方向へそれぞれ16〜24°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に非動作状態にする動作を2回繰り返した後、正方向で一つの編針を動作状態にし、逆方向では一つの編針を非動作状態にした後、正・逆方向ではそれぞれ一つの編針を動作状態にするが、この際,小指部分の側端部は正・逆両方向へそれぞれ36〜44°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で繰り返し移動するこのような動作を1サイクルとして4回繰り返すことにより、前記第2編成部分よりその幅が狭くなるように第3編成部分を編成し;
前記第3編成部分に連続して正・逆両方向へそれぞれ4〜8°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動しながら足指部の裏面最前方部分になり、前記第3編成部分よりその幅が狭くなる第4編成部分を編成して裏面の足指部を形成し;
連続して前記第4編成部分と同一の手順を継続繰り返してそれと同一の第5編成部分を編成し;
前記第5編成部分に連続して親足指部分および人指足指部分の側端部は正・逆方向へそれぞれ16〜24°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に動作状態にする動作を2回繰り返した後、正方向で一つの編針を非動作状態にし、逆方向では一つの編針を動作状態にし、その次に正・逆方向ではそれぞれ一つの編針を非動作状態にするが、この際、小指部分の側端部は正・逆両方向へそれぞれ36〜44°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で動作状態で移動するこのような正・逆方向への動作を1サイクルとして4回繰り返して編成しながら、前記第5編成部分よりその幅が広くなる第6編成部分を編成し;
前記第6編成部分に連続して正・逆方向へそれぞれ8〜12°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを非動作状態で移動させた後、直ちに動作状態で移動させる動作を1サイクルとして2〜4回繰り返すことにより、小指部分の側端部と親足指部分および人指足指部分の側端部を編成しながら、前記第6編成部分よりその幅が広くなる第7編成部分を編成し;
前記第7編成部分に連続して正・逆両方向へそれぞれ4〜6°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で動作状態で移動してその両側端部を編成しながら、足指部と足甲部との間の縫込み部分になる第8編成部分を編成して表面の足指部を形成する段階からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による靴下は人の足指形状と一致するように左右非対称形状であって人体工学的に形成されるため、長時間着用時にも親足指部分および人指足指部分の締り付き圧着現象がなく楽であり、また、普通の靴下を履く場合に生じる小指部分のだぶだぶな空き緩みがないので、全体的に足指形状にぴったり合うように形成されて履いたとき外観格好が良い特徴がある。
【0013】
しかも、本発明による靴下は一般消費者も一見して靴下の特徴を直ちに分かるため、普通の靴下との差別化が可能であるので、製品のディスプレー効果を極大化でき、楽な構造だけでなく汗の吸収度が高いながらも通気性および透湿性が向上されて足の健康増進にも大いに寄与することができる機能性の靴下である。
【0014】
なお、本発明による靴下およびその編成方法は、オーバーシューズ(上靴)や一名スチッカーズとも呼ばれる足首部分のない靴下にも適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における靴下はその素材が特別に限定されるのではないが、綿・羊毛繊維のような天然繊維と複合された合成繊維から成り、通気性および透湿性が良いようにして身体熱を発散するための水分を外部へ発散して蒸発を誘導するだけでなく汗を吸収する各種の異形断面構造の特殊糸が用いられこともあり、抗バクテリア処理された糸が用いられる場合は一層望ましい。
【0016】
上記のごとき構成の本発明による靴下およびその編成方法の特徴の代表的な一例を図示した添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1および図2に示した通り、本発明による靴下は通常のように袋形状に形成され、足の出入のための入口部が上部に具備された足部1と踵部2および足裏部3と足甲部4が連続して編成されてなる。
【0018】
そして、足指部5は、図2乃至図4に示した通り、左右非対称形状で人の足指形状と一致するように形成される。すなわち、親足指部分5aおよび人指足指部分5bは幅が広く高く編成され足裏の中心線付近を通過しながら漸次に傾くように編成されて小指部分5c側へ行くほど狭くなるように編成される。
【0019】
本発明による靴下は全てのシングルまたはダブルの自動靴下編織機により編成されることができ、足部1、踵部2、足裏部3および足甲部4は通常の方式により袋形状に編成される。足指部5もまた通常と同様にシリンダーの上部または下部の編針の半分を用いて第1〜8編成部分A,B,C,D,D′,C′,B′,A′を編成するが、両側端部Aa,Ab,Ba,Bb,Ca,Cb,Da,Dbは次の8段階と同様な工程により形成されることにより、特徴的な人体工学的構造を形成するようになる。
【0020】
まず、図3および図4に示した通り、足裏部3に連続する足指部5の始部分である第1編成部分Aは正・逆両方向へそれぞれ4〜6°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動しながらその両側端部Aa,Abを編成するが、360°のニードルシリンダー上に編針が144個装着されたシングルシリンダー自動靴下編織機の場合を一例として挙げると、正・逆両方向へ側端部Abは90〜95°、側端部Abは265〜270°の範囲内でそれぞれ一つの編針を順次に非動作状態にしながら4コースを編成することにより編成される(第1段階)。
【0021】
その次に、前記第1編成部分Aに連続して正・逆方向へそれぞれ8〜12°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に非動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを動作状態で移動させた後、直ちに非動作状態で移動させる動作を1サイクルとして2〜4回繰り返すことにより、小指部分5cの側端部Baと親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Bbを形成しながら、前記第1編成部分Aよりその幅が狭い第2編成部分Bを形成する(第2段階)。
【0022】
この場合、ニードルシリンダー上に編針が144個装着された靴下編織機では正・逆方向へそれぞれ95〜105°および255〜265°の範囲内の編針が用いられ、4回繰り返す場合、第2編成部分Bには16コースを編成するようになる。
【0023】
継続して、前記第2編成部分Bに連続して親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Cbは正・逆方向へそれぞれ16〜24°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に非動作状態にする動作を2回繰り返した後、正方向で一つの編針を動作状態にし、逆方向では一つの編針を非動作状態にし、その次に正・逆方向ではそれぞれ一つの編針を動作状態にするが、この際、小指部分5cの側端部Caは正・逆方向へニードルシリンダー上の36〜44°の範囲内の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で繰り返し移動させるこのような動作を1サイクルとして4回繰り返すことにより第3編成部分Cを編成する(第3段階)。
【0024】
この際、ニードルシリンダー上の編針が144個である靴下編織機では、小指部分5cの側端部Caは正・逆方向へそれぞれニードルシリンダー上の105〜145°の範囲内の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で編成し、親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Cbは235〜255°範囲内の編針が前記の通り動作するが、これを4回繰り返して32コースを編成する。
【0025】
また、前記第3編成部分Cに連続して正・逆両方向へそれぞれ4〜8°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動して側端部Da,Dbを編成しながら足指部5の裏面の最前方部分になる第4編成部分Dを編成して、裏面の足指部を形成する(第4段階)。
【0026】
この第4段階の第4編成部分Dの場合、ニードルシリンダー上の編針が144個である靴下編織機では正・逆方向へそれぞれ145〜153°の範囲内で三つの編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動して足指部の先端部になる6コースを編成して足指部の裏面を形成するようになる。
【0027】
次に、足指部5の表面は、前記第4編成部分Dと同一の手順を継続繰り返してそれと同一の第5編成部分D′を編成し(第5段階)、
前記第5編成部分D′に連続して第6編成部分C′は、その親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Cbを前記第3編成部分Cの場合とは反対に正・逆方向へそれぞれ16〜24°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に動作状態にする動作を2回繰り返した後、正方向で一つの編針を非動作状態にし、逆方向では一つの編針を動作状態にし、その次に正・逆方向ではそれぞれ一つの編針を非動作状態にして編成する一方、小指部分5cの側端部Caは正・逆両方向へ36〜44°範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で動作状態で繰り返し移動して編成するこのような動作を1サイクルとして4回繰り返して編成する(第6段階)。
【0028】
ニードルシリンダー上の編針が144個である靴下編織機は第6編成部分C´の編成時に親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Cbは235〜255°の範囲内のニードルシリンダー上の編針二つを正・逆方向へそれぞれ順次に動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを非動作状態で移動させた後、直ちに動作状態で移動させ、小指部分5cの側端部Caは正・逆方向へそれぞれニードルシリンダー上の105〜145°の範囲内の編針を順次に1:1の比率で動作状態にして4回繰り返し編成することにより総16コースの第6編成部分C′を形成する。
【0029】
前記第6編成部分C′に連続して正・逆方向へそれぞれ8〜12°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを非動作状態で移動させた後、直ちに動作状態で移動させる動作を1サイクルとして2〜4回繰り返して小指部分5cの側端部Baと親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Bbを編成しながら前記第6編成部分C′より幅が広い第7編成部分B′を形成する(第7段階)。
【0030】
この場合、代表的な一例として挙げた編針144個のシングル靴下編織機の場合、第7編成部分B′は正・逆方向へそれぞれ95〜105°および255〜265°の範囲内の編針を用いそれらの側端部Ba,Bbを編成して4回繰り返すと第2編成部分Bと同様に16コースを編成するようになる。
【0031】
最後に、正・逆両方向へそれぞれ4〜6°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で動作状態で移動しながら第8編成部分A′の両側端部Aa,Abを編成しながら、その端部が足指部5と足甲部4との間の縫込み部分になる第8編成部分A′を形成するが(第8段階)、また360°ニードルシリンダー上に編針が144個装着された靴下編織機の場合、正・逆両方向へ90〜95°および265〜270°範囲内でそれぞれ一つの編針を順次に動作状態にしながら4コースを編成することにより足指部5の表面を形成するようになる。
【0032】
このような編成方法により製造された靴下の足指部5は、親足指部分5aおよび人指足指部分5bと小指部分5cの側端部らAa,Ab,Ba,Bb,Ca,Cb,Da,Dbが段階的にその傾斜を異にしながらそれぞれ編成されて、小指側へ行くほどかなり狭くなるよう編成されて、靴下の足指部は左右非対称形状を成す。
【0033】
より具体的に言えば、図3に示された通り、前記足指部5の最底面Yを基準として親足指部分5aおよび人指足指部分5bの表・裏面側端部Ab,Dbの傾斜θ1,θ4は40〜50°になり、側端部Bb,Cbの傾斜θ2,θ3は60〜70°になり、小指部分5cの表・裏面側端部Aa,Ca,Daの傾斜θ5,θ7,θ8は40〜50°であり、側端部Baの傾斜θ6は60〜70°になるよう段階的にその傾斜度を異にして幅が狭くなるように編成されて、第1〜8編成部分A,B,C,D,D′,C′,B′,A′それぞれの左右側端の側端部らAa,Ab,Ba,Bb,Ca,Cb,Da,Dbにおける編環が中間部分の編環よりやや長く形成されて通気性が優れ、図3に示された最適の仮想線Xに近接するよう編成されて親足指部分5aと人指足指部分5bは幅が広く編成される反面、小指部分5c側へ行くほど漸次に狭く編成されて小指部分5cが最も狭く編成されるため、若しか左右両方の靴下を逆さまに履き換えた場合、外観の格好が見苦しい程度に一見して左・右用の靴下を明らかに区別できるように編成される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による靴下の全体的な形態を示した斜視図である。
【図2】本発明による靴下を履いたとき靴下内に配置される足指の状態を概略的に示した底面図である。
【図3】本発明による靴下において足指部の編成形状およびニードルシリンダー上の編針の動作区間を示した図式図である。
【図4】前記図3の靴下の足指部を編成する工程を図式的に示した概略図である。
【符号の説明】
【0035】
1 足部
2 踵部
3 足裏部
4 足甲部
5 足指部
5a 親足指
5b 人指足指
5c 小指
A 第1編成部分
B 第2編成部分
C 第3編成部分
D 第4編成部分
D′ 第5編成部分
C′ 第6編成部分
B′ 第7編成部分
A′ 第8編成部分
X 最適の仮想線
Y 足指部の最底面
θ1,θ2,θ3,θ4,
θ5,θ6,θ7,θ8 編成側端部の傾斜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足部1、踵部2、足裏部3、足甲部4および足指部5が袋状に編成される通常の靴下において、
前記足指部5がその親足指部分5aおよび人指足指部分5bは広く小指部分5cは狭いように左右非対称形状に段階的に編成され;
前記足指部5の水平最底面Yを基準として親足指部分5aおよび人指足指部分5bの表・裏面の第1,4,5,8編成部分A,D,D′,A′の側端部Ab,Dbにおける傾斜θ1,θ4は40〜50°であり、第2,3,6,7編成部分B,C,C′,B′の側端部Bb,Cbの傾斜θ2,θ3は60〜70°であり、小指部分5cの表・裏面第1,3,4,5,6,8編成部分A,C,D,D′,C′,A′の側端部Aa,Ca,Daにおける傾斜θ6,θ7,θ8は40〜50°であり、第2,7編成部分B,B′の側端部Baの傾斜θ6は60〜70°になるよう段階的にその幅が狭くなりながら傾斜度を異にして編成され;
前記足指部5の左右側端の編環が中間部分の編環より長く形成されて通気性が優れ;
人の足指形状と一致させることにより右足用および左足用が区別できるように編成されたことを特徴とする靴下。
【請求項2】
足部1、踵部2、足裏部3、足甲部4および足指部5が袋状に編成される靴下の編成方法において、
前記足指部5の編成時に正・逆両方向へそれぞれ4〜6°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動させてその両側端部Aa,Abを編成しながら、前記足裏部3に連なる足指部5の始め部分になる第1編成部分Aを形成し;
前記第1編成部分Aに連続して正・逆方向へそれぞれ8〜12°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に非動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを動作状態で移動させた後、直ちに非動作状態で移動させる動作を1サイクルとして2〜4回繰り返すことにより、小指部分5cの側端部Baと親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Bbを編成して、前記第1編成部分Aよりその幅が狭くなる第2編成部分Bを形成し;
前記第2編成部分Bに連続して親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Cbは正・逆方向へそれぞれ16〜24°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に非動作状態にする動作を2回繰り返した後、正方向で一つの編針を動作状態にし、逆方向では一つの編針を非動作状態にし、その次に正・逆方向ではそれぞれ一つの編針を動作状態にするが、この際、小指部分5cの側端部Caは正・逆両方向へそれぞれ36〜44°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で繰り返し移動させるこのような動作を1サイクルとして4回繰り返し編成しながら、第3編成部分Cを編成し;
前記第3編成部分Cに連続して正・逆両方向へそれぞれ4〜8°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で非動作状態で移動させて側端部Aa,Dbを編成しながら、足指部の裏面の最前方部分になる第4編成部分Dを編成して裏面足指部を形成し;
連続して前記第4編成部分Dと同様な手順を継続繰り返してそれと同一な第5編成部分D′を編成し;
前記第5編成部分Cに連続して親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Cbは正・逆方向へそれぞれ16〜24°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に動作状態にする動作を2回繰り返した後、正方向で一つの編針を非動作状態にし、逆方向では一つの編針を動作状態にした後、正・逆方向ではそれぞれ一つの編針を非動作状態にするが、この際、小指部分5cの側端部Caは正・逆両方向へそれぞれ36〜44°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1:1の比率で動作状態で繰り返し移動させるこのような動作を1サイクルに4回繰り返しながら、第6編成部分C´を編成し;
前記第6編成部分C´に連続して正・逆方向へそれぞれ8〜12°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に動作状態で移動させ、さらに後に移動された編針一つを非動作状態で移動させた後、直ちに動作状態で移動させる動作を1サイクルに2〜4回繰り返して小指部分5cの側端部Baと親足指部分5aおよび人指足指部分5bの側端部Bbを編成しながら、第7編成部分B′を編成し;
前記最7編成部分B′に連続して正・逆両方向へそれぞれ4〜6°の範囲内のニードルシリンダー上の編針を順次に1;1の比率で動作状態で移動させてその両側端部Aa,Abを編成しながら、足指部5と足甲部4との間の縫込み部分になる第8編成部分A′を編成して表面足指部を形成する段階らからなることを特徴とする靴下の編成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−144209(P2006−144209A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26835(P2005−26835)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(305006967)
【出願人】(305006956)
【Fターム(参考)】