鞍乗り型車両の前部構造
【課題】ステアリング軸が車体フレームの前部から起立し、ステアリング軸にステアリング部材が回転自在に取付けられる構造において、ステアリング軸を小径にすることができる構造を提供することを課題とする。
【解決手段】前部13からステアリング軸25が延びている車体フレーム12と、下部に前輪21が回転自在に取付けられるフォーク部材23と、このフォーク部材23の上部に連結されると共にステアリング軸25に回転自在に取付けられるステアリング部材26と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、車体フレーム12から上板部材72が延ばされ、この上板部材72でステアリング軸25の先端を支えるようにした。
【効果】ステアリング軸が両端で支持されるため、ステアリング軸の撓み剛性及び曲げ剛性を高めることができ、ステアリング軸の小径化が可能となる。
【解決手段】前部13からステアリング軸25が延びている車体フレーム12と、下部に前輪21が回転自在に取付けられるフォーク部材23と、このフォーク部材23の上部に連結されると共にステアリング軸25に回転自在に取付けられるステアリング部材26と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、車体フレーム12から上板部材72が延ばされ、この上板部材72でステアリング軸25の先端を支えるようにした。
【効果】ステアリング軸が両端で支持されるため、ステアリング軸の撓み剛性及び曲げ剛性を高めることができ、ステアリング軸の小径化が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両の前部構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車では、一般に、車体フレームの前部にヘッドパイプが設けられ、このヘッドパイプに回転可能にステアリング部材が取付けられ、操向ハンドルの操作により前輪が左又は右へ転舵される(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0003】
具体的には、特許文献1の図1に示されるように、車体フレーム(11)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)の前部(11b)から、図示せぬステアリング軸が立てられ、このステアリング軸にステアリング部材(12a)が回転自在に取付けられる。このステアリング部材(12a)の上端に操向ハンドル(12b)が固定され、ステアリング部材(12a)の高さ方向途中からアッパリンク(13c)が車両前方へ延ばされ、このアッパリンク(13c)の先端からフォーク部材(13a)が下げられ、このフォーク部材(13a)の下端に前輪(14)の車軸(14a)が軸支される。
【0004】
操向ハンドル(12b)を左又は右へ回すと、ステアリング部材(12a)が回転し、アッパリンク(13c)及びフォーク部材(13a)を旋回させ、結果、前輪(14)がステアリング軸線(S)を中心に転舵される。
【0005】
ステアリング部材(12a)を支えるステアリング軸(図示せぬ)は、車体フレーム(11)の前部(11b)から起立された片持ち軸となる。片持ち軸であるため、上端に最大撓みが発生する。撓みを抑えるために、片持ち軸の外径を増大する必要があり、ステアリング部材(12a)も外径が大きくなり、外観性に影響が出るとともに、車体重量の増加の要因となる。
【0006】
車体の軽量化が求められるため、ステアリング軸の小径化が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開00/61427号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ステアリング軸が車体フレームの前部から起立し、ステアリング軸にステアリング部材が回転自在に取付けられる構造において、ステアリング軸を小径にすることができる構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前部からステアリング軸が延びている車体フレームと、下部に前輪が回転自在に取付けられるフォーク部材と、このフォーク部材の上部に連結されると共に前記ステアリング軸に回転自在に取付けられるステアリング部材と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、前記車体フレームから上板部材が延ばされ、この上板部材で前記ステアリング軸の先端を支えるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、ステアリング部材は、上側ベアリングと下側ベアリングを介してステアリング軸に軸支され、これらのベアリングは、ステアリング軸にねじ込む予圧付与ナットで上側ベアリングの内輪を下側ベアリング側へ押すことで、予圧が付与され、上板部材は、雌ねじ部を有し、この雌ねじ部に筒型ボルトがねじ込まれ、この筒形ボルトは、ステアリング軸に被せつつ下面が予圧付与ナットに当たるまでねじ込まれ、予圧付与ナットとは別にステアリング軸にねじ込むロックナットで回り止め処置が施されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、車体フレームの前部にクッションユニットの上端を支持するクッションブラケットが取付けられ、このクッションブラケットに上板部材が締結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、車体フレームの前部から延ばしたステアリング軸の先端を、車体フレームから延ばした上板部材で支えるようにした。
ステアリング軸が両端で支持されるため、ステアリング軸の撓み剛性及び曲げ剛性を高めることができ、ステアリング軸の小径化が可能となる。
すなわち、ステアリング軸が車体フレームの前部から起立し、ステアリング軸にステアリング部材が回転自在に取付けられる構造において、ステアリング軸を小径にすることができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、上板部材とステアリング軸との連結に、筒形ボルトを介在させた。すなわち、上板部材に筒形ボルトをねじ込む。この筒形ボルトの先端が予圧付与ナットに当接するようにして、上板部材を車体フレームに取付ける。筒形ボルトはロックナットにより回り止めを図る。この構成により、上板部材に上下方向の外力を極力加えないようにすることができる。結果、上板部材に上下方向の撓みが発生しないため、上板部材の薄肉化、軽量化が図れると共に強固に上板部材にステアリング軸の先端を連結することができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、クッションブラケットに上板部材を締結する。クッションブラケットはクッションユニットの軸力に耐えるような剛性に富んだ部材である。このように強固なクッションブラケットに上板部材を締結すれば、上板部材の変形や振動の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る鞍乗り型車両前部の左側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】乗車1G状態における前輪懸架装置の模式図である。
【図5】クッションユニットが伸びきったとき(全伸時)における前輪懸架装置の模式図である。
【図6】クッションユニットが完全に縮んだとき(全屈時)における前輪懸架装置の模式図である。
【図7】前輪車軸の移動軌跡を示す図である。
【図8】ステアリング軸にステアリング部材を取付ける手順を説明する図である。
【図9】上板部材及び筒型ボルトを取付ける手順を説明する図である。
【図10】ロックナット及び化粧キャップを取付ける手順を説明する図である。
【図11】本発明に係る鞍乗り型車両の前部構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態は、図8〜図11で詳しく述べるが、一緒に用いられる前輪懸架装置の構成及び作用を、先に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0017】
図1に示すように、鞍乗り型車両10は、駆動源としての内燃機関11を支える車体フレーム12の前部13に、前輪懸架装置20を介して前輪21を上下揺動可能に且つ転舵可能に備える。
すなわち、操向ハンドル22に付与される転舵力により、フォーク部材23を旋回させ、前輪21を転舵させる。
【0018】
この鞍乗り型車両10では、内燃機関11を冷却するラジエータ14が内燃機関11と前輪21との間に配置される。また、フォーク部材23の上部前部にブラケット15が取付けられ、このブラケット15に前照灯16やメータ類17やフロントカウル18が取付けられ、フロントカウル18からシールド19が上方へ延ばされている。
【0019】
図2に示すように、車体フレーム12の前部13にステアリング軸25が立てられ、このステアリング軸25に筒状のステアリング部材26がステアリング軸25回りに回転可能に嵌められる。ステアリング軸25の上部(先端)はステアリング部材26から突出して、車体フレーム12から延ばした上板部材72で支えられる。
そして、テアリング部材26の前部上面26aに、操向ハンドル(図1、符号22)がボルト締結されるため、ステアリング部材26は操向ハンドルによりステアリング軸25回りに回転する。
【0020】
ステアリング部材26の後部に上部ピボット軸27が車幅方向(図では表裏方向)に延びる形態で設けられ、この上部ピボット軸27で上下スイング可能に軸支されるアッパアーム28が車両前方へ延びている。
アッパアーム28は、後部が上部ピボット軸27でステアリング部材26に連結され、前部が球ジョイント29で張出し部31に連結される。この張出し部31はフォーク部材23の上端に一体形成される。
【0021】
上部ピボット軸27より下位位置にて車体フレーム12に下部ピボット軸38が車幅方向(図では表裏方向)に延びる形態で設けられ、この下部ピボット軸38で上下スイング可能に軸支されるロアアーム40が車両前方へ延びている。
【0022】
ロアアーム40は、軌跡補正リンク機構50を介してフォーク部材23に連結される。
軌跡補正リンク機構50は、ロアアーム40とフォーク部材23とを連結するリンク部材49と、このリンク部材49を車体フレーム12に連結するテンションロッド51とからなる。
【0023】
そして、リンク取付部46にリンク部材49が連結され、クッション取付部47にクッションユニット48が連結される。
また、テンションロッド51は、車両後方下方へ延びるようにして車体フレーム12の前部13に上下にスイング可能に軸支される。
【0024】
リンク部材49は球ジョイント61によりフォーク部材23に連結され、アッパリンク28も球ジョイント29によりフォーク部材23に連結されているため、フォーク部材23の上下ストロークが可能となる。
【0025】
フォーク部材23の上下ストロークに伴って、リンク部材49は、ロアアーム側連結部57を中心に揺動する。この揺動の際に、湾曲部53がロアアーム40の前部に被さる。言い換えると、相対的に湾曲部53にロアアーム40の前部が進入する。結果、ロアアーム40とリンク部材49との干渉を回避しつつ、リンク部材49の揺動量を増大することができる。
【0026】
図3に示すように、車体フレーム12にクッションブラケット84が固定され、このクッションブラケット84に平面視三角形の上板部材72がボルト81で締結される。
クッションブラケット84に車幅方向に延びるボルト85にてクッションユニット48の上部が連結される。
【0027】
以上の構成からなる鞍乗り型車両の前輪懸架装置20の作用を次に説明する。
図4は乗車1G状態(平坦な路面で乗員が乗車した状態)における前輪懸架装置20の模式図である。フォーク部材23の上下ストロークに伴って、前輪21が車体フレーム12に対して下がるときの作用を説明する。
【0028】
このときには、アッパアーム28が上部ピボット軸27を中心に、図反時計方向に回転する。並行してロアアーム40が下部ピボット軸38を中心に、図反時計方向に回転する。
ロアアーム側連結部57が下がるため、テンションロッド51は前部ボルト71を中心に図時計方向に回転し、V字形状を呈するテンションロッド51とリンク部材49のなす角度θは、増加する。結果、球ジョイント61及び後部ボルト69は車両前方(図左)へ移動する。
【0029】
図5は前輪21が前輪21Aに示す位置まで下がった形態(クッションユニットの全伸時に相当)を示す。細線で示す乗車1G状態の前輪懸架装置20がクッションユニットの全伸時には、太線で示すようになる。移動後には要素の符号に添え字Aを付した。
フォーク部材23は車両前方斜め下へ、ほぼ平行に移動する。結果、前輪車軸63は63Aまで車両前方斜め下へ直線的に移動する。
【0030】
次に、図4においてフォーク部材23の上下ストロークに伴って、前輪21が車体フレーム12に対して上がるときの作用を説明する。
【0031】
このときには、アッパアーム28が上部ピボット軸27を中心に、図時計方向に回転する。ロアアーム40が下部ピボット軸38を中心に、図時計方向に回転する。ロアアーム側連結部57が上がるため、V字形状を呈するテンションロッド51とリンク部材49のなす角度θは、減少する。結果、球ジョイント61及び後部ボルト69は車両後方(図右)へ移動する。
【0032】
図6は前輪21が前輪21Bに示す位置まで上がった形態(クッションユニットの全屈時に相当)を示す。細線で示す乗車1G状態の前輪懸架装置20がクッションユニットの全屈時には、太線で示すようになる。移動後には要素の符号に添え字Bを付した。
フォーク部材23は、ほぼ真上に移動する。結果、前輪車軸63は63Bまで上方へほぼ直線的に移動する。
【0033】
前輪車軸63の移動軌跡を細かく計算して描いた移動軌跡のグラフを図7に示す。
図7は横軸が車両前後方向における水平移動量を示し、縦軸は上下方向のストローク形態を示し、細線Aはテレスコピックフォークでの前輪車軸の移動軌跡を示し、細線Bはダブルウイッシュボーン構造での前輪車軸の移動軌跡の一例を示す。
【0034】
太線は、本実施例による前輪車軸63の移動軌跡を示す。太線で示す前輪車軸63の移動軌跡は、乗車1G状態の横線より下の領域(ストロークの初期)では、細線A(テレスコピックフォークの移動軌跡)に近似し、乗車1G状態の横線より上の領域(ストロークの後半)では、細線B(ダブルウイッシュボーン構造の移動軌跡の一例)に近似する。
【0035】
よって、ストロークの初期においてはテレスコピックフォークのような特性を有し、ストロークの後半においては細線Bのような軌跡を持つダブルウイッシュボーンのような特性を有する鞍乗り車両の前輪懸架装置が提供される。
【0036】
次に、鞍乗り型車両の前部構造を、図8〜図11に基づいて説明する。
図8に示すように、車体フレーム12の前部13からステアリング軸25を上へ延ばす。ステアリング軸25は、下部を車体フレーム12にかしめることで固定する。ただし、かしめ結合の他、ねじ結合や溶接で固定することは差し支えない。
【0037】
ステアリング軸25は中空部材が望ましい。軽量化が図れるからである。ステアリング軸25の先端に、第1雄ねじ部73を形成し、この第1雄ねじ部73より下位位置にてステアリング軸25に、第1雄ねじ部73よりねじ径が大きな第2雄ねじ部74を形成する。
【0038】
ステアリング部材26に、上側ベアリング75と下側ベアリング76とが嵌められている。
相対的に上側ベアリング75と下側ベアリング76にステアリング軸25が挿入されるようにして、ステアリング軸25にステアリング部材26を取付ける。下側ベアリング76の内輪76aが車体フレーム12側の座面13aに当たる。
【0039】
図9に示すように、第2雄ねじ部74に予圧付与ナット78をねじ込む。この予圧付与ナット78をねじ込むと、上側ベアリング75の内輪75aが下側ベアリング76の内輪76aに接近し、上側ベアリング75と下側ベアリング76とに予圧が付与される。予圧が所定値になったら予圧付与ナット78の回転を停止する。
【0040】
上板部材72に設けた雌ねじ部72aに筒形ボルト79を軽くねじ込む(次の図10に示す隙間aが確保できるように、ねじ込む)。
筒形ボルト79の穴79aにステアリング軸25の上部を挿入する要領で、ステアリング軸25に上板部材72を取付ける。
次に、上板部材72を固定ボルト81、81により、クッションブラケット84に固定する。
【0041】
図10にて、筒形ボルト79の上部鍔79bの下面と予圧付与ナット78の上面との間に隙間aがある。隙間が無い場合には図9の時点で予圧付与ナット78を緩めておく。
すなわち、予圧付与ナット78に軽く当たるまで、筒形ボルト79を回す。予圧付与ナット78に当ったときに筒形ボルト79の上部鍔79bが上板部材72と隙間aが確保できるようにする。ところで、隙間aを確保すると、筒形ボルト79に軸力が発生しないため、筒形ボルト79が空回りする可能性がある。
【0042】
そこで、第1雄ねじ部73にロックナット82をねじ込んで、筒形ボルト79に軸力を発生させて、筒形ボルト79の空回りを防止する。
最後に、化粧キャップ83をステアリング軸25の上端に差し込むようにして、取付ける。化粧キャップ83は、第1雄ねじ部73への水の侵入を防止する役割を果たす。
【0043】
出来上がった形態を、図11に示す。
すなわち、ステアリング部材26は、上側ベアリング75と下側ベアリング76を介してステアリング軸25に軸支され、これらのベアリング75、76は、ステアリング軸25にねじ込む予圧付与ナット78で上側ベアリング75の内輪75aを下側ベアリング76側へ押すことで、予圧が付与され、上板部材72は、雌ねじ部72aを有し、この雌ねじ部72aに筒型ボルト79がねじ込まれ、この筒形ボルト79は、ステアリング軸25に被せつつ下面が予圧付与ナット78に当たるまでねじ込まれ、予圧付与ナット78とは別にステアリング軸25にねじ込むロックナット82で回り止め処置が施されている。
【0044】
仮に、ステアリング軸25に上板部材72(筒型ボルト79は付いていない。)をセットし、ボルト又はナットをステアリング軸25にねじ込むことで、ステアリング軸25に上板部材72を締結する構造の場合、ボルト又はナットをねじ込むに従って上板部材72が下がる。上板部材72が変形するとステアリング軸25が曲げられ、上側ベアリング75に影響がでる。
【0045】
一方、本発明では、上板部材72に上下方向の外力を極力加えないようにすることができる。結果、上板部材72に上下方向の撓みが発生しないため、上板部材72の薄肉化、軽量化が図れると共に強固に上板部材72にステアリング軸25の先端を連結することができる。
【0046】
図2に示すように、前部13からステアリング軸25が延びている車体フレーム12と、下部に前輪21が回転自在に取付けられるフォーク部材23と、このフォーク部材23の上部に連結されると共にステアリング軸25に回転自在に取付けられるステアリング部材26と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、車体フレーム12から上板部材72が延ばされ、この上板部材72でステアリング軸25の先端(上部)を支えるようにした。
【0047】
ステアリング軸25が両端で支持されるため、ステアリング軸25の撓み剛性及び曲げ剛性を高めることができ、ステアリング軸25の小径化が可能となる。
【0048】
また、車体フレーム12の前部13にクッションユニット48の上端を支持するクッションブラケット84が取付けられ、このクッションブラケット84に上板部材72が締結される。
クッションブラケット84はクッションユニット48の軸力に耐えるような剛性に富んだ部材である。このように強固なクッションブラケット84に上板部材72を締結すれば、上板部材72の変形や振動の発生を抑制することができる。
【0049】
尚、鞍乗り型車両は、乗員がシートに跨って乗車するタイプの車両であり、本発明は二輪車の他、三輪車や四輪車にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の鞍乗り型車両の前部構造は、二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0051】
10…鞍乗り型車両、12…車体フレーム、13…車体フレームの前部、21…前輪、23…フォーク部材、25…ステアリング軸、26…ステアリング部材、48…クッションユニット、72…上板部材、72a…上板部材に設けられる雌ねじ部、75…上側ベアリング、75a…上側ベアリングの内輪、76…下側ベアリング、78…予圧付与ナット、79…筒形ボルト、82…ロックナット、84…クッションブラケット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両の前部構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車では、一般に、車体フレームの前部にヘッドパイプが設けられ、このヘッドパイプに回転可能にステアリング部材が取付けられ、操向ハンドルの操作により前輪が左又は右へ転舵される(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0003】
具体的には、特許文献1の図1に示されるように、車体フレーム(11)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)の前部(11b)から、図示せぬステアリング軸が立てられ、このステアリング軸にステアリング部材(12a)が回転自在に取付けられる。このステアリング部材(12a)の上端に操向ハンドル(12b)が固定され、ステアリング部材(12a)の高さ方向途中からアッパリンク(13c)が車両前方へ延ばされ、このアッパリンク(13c)の先端からフォーク部材(13a)が下げられ、このフォーク部材(13a)の下端に前輪(14)の車軸(14a)が軸支される。
【0004】
操向ハンドル(12b)を左又は右へ回すと、ステアリング部材(12a)が回転し、アッパリンク(13c)及びフォーク部材(13a)を旋回させ、結果、前輪(14)がステアリング軸線(S)を中心に転舵される。
【0005】
ステアリング部材(12a)を支えるステアリング軸(図示せぬ)は、車体フレーム(11)の前部(11b)から起立された片持ち軸となる。片持ち軸であるため、上端に最大撓みが発生する。撓みを抑えるために、片持ち軸の外径を増大する必要があり、ステアリング部材(12a)も外径が大きくなり、外観性に影響が出るとともに、車体重量の増加の要因となる。
【0006】
車体の軽量化が求められるため、ステアリング軸の小径化が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開00/61427号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ステアリング軸が車体フレームの前部から起立し、ステアリング軸にステアリング部材が回転自在に取付けられる構造において、ステアリング軸を小径にすることができる構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前部からステアリング軸が延びている車体フレームと、下部に前輪が回転自在に取付けられるフォーク部材と、このフォーク部材の上部に連結されると共に前記ステアリング軸に回転自在に取付けられるステアリング部材と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、前記車体フレームから上板部材が延ばされ、この上板部材で前記ステアリング軸の先端を支えるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、ステアリング部材は、上側ベアリングと下側ベアリングを介してステアリング軸に軸支され、これらのベアリングは、ステアリング軸にねじ込む予圧付与ナットで上側ベアリングの内輪を下側ベアリング側へ押すことで、予圧が付与され、上板部材は、雌ねじ部を有し、この雌ねじ部に筒型ボルトがねじ込まれ、この筒形ボルトは、ステアリング軸に被せつつ下面が予圧付与ナットに当たるまでねじ込まれ、予圧付与ナットとは別にステアリング軸にねじ込むロックナットで回り止め処置が施されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、車体フレームの前部にクッションユニットの上端を支持するクッションブラケットが取付けられ、このクッションブラケットに上板部材が締結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、車体フレームの前部から延ばしたステアリング軸の先端を、車体フレームから延ばした上板部材で支えるようにした。
ステアリング軸が両端で支持されるため、ステアリング軸の撓み剛性及び曲げ剛性を高めることができ、ステアリング軸の小径化が可能となる。
すなわち、ステアリング軸が車体フレームの前部から起立し、ステアリング軸にステアリング部材が回転自在に取付けられる構造において、ステアリング軸を小径にすることができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、上板部材とステアリング軸との連結に、筒形ボルトを介在させた。すなわち、上板部材に筒形ボルトをねじ込む。この筒形ボルトの先端が予圧付与ナットに当接するようにして、上板部材を車体フレームに取付ける。筒形ボルトはロックナットにより回り止めを図る。この構成により、上板部材に上下方向の外力を極力加えないようにすることができる。結果、上板部材に上下方向の撓みが発生しないため、上板部材の薄肉化、軽量化が図れると共に強固に上板部材にステアリング軸の先端を連結することができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、クッションブラケットに上板部材を締結する。クッションブラケットはクッションユニットの軸力に耐えるような剛性に富んだ部材である。このように強固なクッションブラケットに上板部材を締結すれば、上板部材の変形や振動の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る鞍乗り型車両前部の左側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】乗車1G状態における前輪懸架装置の模式図である。
【図5】クッションユニットが伸びきったとき(全伸時)における前輪懸架装置の模式図である。
【図6】クッションユニットが完全に縮んだとき(全屈時)における前輪懸架装置の模式図である。
【図7】前輪車軸の移動軌跡を示す図である。
【図8】ステアリング軸にステアリング部材を取付ける手順を説明する図である。
【図9】上板部材及び筒型ボルトを取付ける手順を説明する図である。
【図10】ロックナット及び化粧キャップを取付ける手順を説明する図である。
【図11】本発明に係る鞍乗り型車両の前部構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態は、図8〜図11で詳しく述べるが、一緒に用いられる前輪懸架装置の構成及び作用を、先に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0017】
図1に示すように、鞍乗り型車両10は、駆動源としての内燃機関11を支える車体フレーム12の前部13に、前輪懸架装置20を介して前輪21を上下揺動可能に且つ転舵可能に備える。
すなわち、操向ハンドル22に付与される転舵力により、フォーク部材23を旋回させ、前輪21を転舵させる。
【0018】
この鞍乗り型車両10では、内燃機関11を冷却するラジエータ14が内燃機関11と前輪21との間に配置される。また、フォーク部材23の上部前部にブラケット15が取付けられ、このブラケット15に前照灯16やメータ類17やフロントカウル18が取付けられ、フロントカウル18からシールド19が上方へ延ばされている。
【0019】
図2に示すように、車体フレーム12の前部13にステアリング軸25が立てられ、このステアリング軸25に筒状のステアリング部材26がステアリング軸25回りに回転可能に嵌められる。ステアリング軸25の上部(先端)はステアリング部材26から突出して、車体フレーム12から延ばした上板部材72で支えられる。
そして、テアリング部材26の前部上面26aに、操向ハンドル(図1、符号22)がボルト締結されるため、ステアリング部材26は操向ハンドルによりステアリング軸25回りに回転する。
【0020】
ステアリング部材26の後部に上部ピボット軸27が車幅方向(図では表裏方向)に延びる形態で設けられ、この上部ピボット軸27で上下スイング可能に軸支されるアッパアーム28が車両前方へ延びている。
アッパアーム28は、後部が上部ピボット軸27でステアリング部材26に連結され、前部が球ジョイント29で張出し部31に連結される。この張出し部31はフォーク部材23の上端に一体形成される。
【0021】
上部ピボット軸27より下位位置にて車体フレーム12に下部ピボット軸38が車幅方向(図では表裏方向)に延びる形態で設けられ、この下部ピボット軸38で上下スイング可能に軸支されるロアアーム40が車両前方へ延びている。
【0022】
ロアアーム40は、軌跡補正リンク機構50を介してフォーク部材23に連結される。
軌跡補正リンク機構50は、ロアアーム40とフォーク部材23とを連結するリンク部材49と、このリンク部材49を車体フレーム12に連結するテンションロッド51とからなる。
【0023】
そして、リンク取付部46にリンク部材49が連結され、クッション取付部47にクッションユニット48が連結される。
また、テンションロッド51は、車両後方下方へ延びるようにして車体フレーム12の前部13に上下にスイング可能に軸支される。
【0024】
リンク部材49は球ジョイント61によりフォーク部材23に連結され、アッパリンク28も球ジョイント29によりフォーク部材23に連結されているため、フォーク部材23の上下ストロークが可能となる。
【0025】
フォーク部材23の上下ストロークに伴って、リンク部材49は、ロアアーム側連結部57を中心に揺動する。この揺動の際に、湾曲部53がロアアーム40の前部に被さる。言い換えると、相対的に湾曲部53にロアアーム40の前部が進入する。結果、ロアアーム40とリンク部材49との干渉を回避しつつ、リンク部材49の揺動量を増大することができる。
【0026】
図3に示すように、車体フレーム12にクッションブラケット84が固定され、このクッションブラケット84に平面視三角形の上板部材72がボルト81で締結される。
クッションブラケット84に車幅方向に延びるボルト85にてクッションユニット48の上部が連結される。
【0027】
以上の構成からなる鞍乗り型車両の前輪懸架装置20の作用を次に説明する。
図4は乗車1G状態(平坦な路面で乗員が乗車した状態)における前輪懸架装置20の模式図である。フォーク部材23の上下ストロークに伴って、前輪21が車体フレーム12に対して下がるときの作用を説明する。
【0028】
このときには、アッパアーム28が上部ピボット軸27を中心に、図反時計方向に回転する。並行してロアアーム40が下部ピボット軸38を中心に、図反時計方向に回転する。
ロアアーム側連結部57が下がるため、テンションロッド51は前部ボルト71を中心に図時計方向に回転し、V字形状を呈するテンションロッド51とリンク部材49のなす角度θは、増加する。結果、球ジョイント61及び後部ボルト69は車両前方(図左)へ移動する。
【0029】
図5は前輪21が前輪21Aに示す位置まで下がった形態(クッションユニットの全伸時に相当)を示す。細線で示す乗車1G状態の前輪懸架装置20がクッションユニットの全伸時には、太線で示すようになる。移動後には要素の符号に添え字Aを付した。
フォーク部材23は車両前方斜め下へ、ほぼ平行に移動する。結果、前輪車軸63は63Aまで車両前方斜め下へ直線的に移動する。
【0030】
次に、図4においてフォーク部材23の上下ストロークに伴って、前輪21が車体フレーム12に対して上がるときの作用を説明する。
【0031】
このときには、アッパアーム28が上部ピボット軸27を中心に、図時計方向に回転する。ロアアーム40が下部ピボット軸38を中心に、図時計方向に回転する。ロアアーム側連結部57が上がるため、V字形状を呈するテンションロッド51とリンク部材49のなす角度θは、減少する。結果、球ジョイント61及び後部ボルト69は車両後方(図右)へ移動する。
【0032】
図6は前輪21が前輪21Bに示す位置まで上がった形態(クッションユニットの全屈時に相当)を示す。細線で示す乗車1G状態の前輪懸架装置20がクッションユニットの全屈時には、太線で示すようになる。移動後には要素の符号に添え字Bを付した。
フォーク部材23は、ほぼ真上に移動する。結果、前輪車軸63は63Bまで上方へほぼ直線的に移動する。
【0033】
前輪車軸63の移動軌跡を細かく計算して描いた移動軌跡のグラフを図7に示す。
図7は横軸が車両前後方向における水平移動量を示し、縦軸は上下方向のストローク形態を示し、細線Aはテレスコピックフォークでの前輪車軸の移動軌跡を示し、細線Bはダブルウイッシュボーン構造での前輪車軸の移動軌跡の一例を示す。
【0034】
太線は、本実施例による前輪車軸63の移動軌跡を示す。太線で示す前輪車軸63の移動軌跡は、乗車1G状態の横線より下の領域(ストロークの初期)では、細線A(テレスコピックフォークの移動軌跡)に近似し、乗車1G状態の横線より上の領域(ストロークの後半)では、細線B(ダブルウイッシュボーン構造の移動軌跡の一例)に近似する。
【0035】
よって、ストロークの初期においてはテレスコピックフォークのような特性を有し、ストロークの後半においては細線Bのような軌跡を持つダブルウイッシュボーンのような特性を有する鞍乗り車両の前輪懸架装置が提供される。
【0036】
次に、鞍乗り型車両の前部構造を、図8〜図11に基づいて説明する。
図8に示すように、車体フレーム12の前部13からステアリング軸25を上へ延ばす。ステアリング軸25は、下部を車体フレーム12にかしめることで固定する。ただし、かしめ結合の他、ねじ結合や溶接で固定することは差し支えない。
【0037】
ステアリング軸25は中空部材が望ましい。軽量化が図れるからである。ステアリング軸25の先端に、第1雄ねじ部73を形成し、この第1雄ねじ部73より下位位置にてステアリング軸25に、第1雄ねじ部73よりねじ径が大きな第2雄ねじ部74を形成する。
【0038】
ステアリング部材26に、上側ベアリング75と下側ベアリング76とが嵌められている。
相対的に上側ベアリング75と下側ベアリング76にステアリング軸25が挿入されるようにして、ステアリング軸25にステアリング部材26を取付ける。下側ベアリング76の内輪76aが車体フレーム12側の座面13aに当たる。
【0039】
図9に示すように、第2雄ねじ部74に予圧付与ナット78をねじ込む。この予圧付与ナット78をねじ込むと、上側ベアリング75の内輪75aが下側ベアリング76の内輪76aに接近し、上側ベアリング75と下側ベアリング76とに予圧が付与される。予圧が所定値になったら予圧付与ナット78の回転を停止する。
【0040】
上板部材72に設けた雌ねじ部72aに筒形ボルト79を軽くねじ込む(次の図10に示す隙間aが確保できるように、ねじ込む)。
筒形ボルト79の穴79aにステアリング軸25の上部を挿入する要領で、ステアリング軸25に上板部材72を取付ける。
次に、上板部材72を固定ボルト81、81により、クッションブラケット84に固定する。
【0041】
図10にて、筒形ボルト79の上部鍔79bの下面と予圧付与ナット78の上面との間に隙間aがある。隙間が無い場合には図9の時点で予圧付与ナット78を緩めておく。
すなわち、予圧付与ナット78に軽く当たるまで、筒形ボルト79を回す。予圧付与ナット78に当ったときに筒形ボルト79の上部鍔79bが上板部材72と隙間aが確保できるようにする。ところで、隙間aを確保すると、筒形ボルト79に軸力が発生しないため、筒形ボルト79が空回りする可能性がある。
【0042】
そこで、第1雄ねじ部73にロックナット82をねじ込んで、筒形ボルト79に軸力を発生させて、筒形ボルト79の空回りを防止する。
最後に、化粧キャップ83をステアリング軸25の上端に差し込むようにして、取付ける。化粧キャップ83は、第1雄ねじ部73への水の侵入を防止する役割を果たす。
【0043】
出来上がった形態を、図11に示す。
すなわち、ステアリング部材26は、上側ベアリング75と下側ベアリング76を介してステアリング軸25に軸支され、これらのベアリング75、76は、ステアリング軸25にねじ込む予圧付与ナット78で上側ベアリング75の内輪75aを下側ベアリング76側へ押すことで、予圧が付与され、上板部材72は、雌ねじ部72aを有し、この雌ねじ部72aに筒型ボルト79がねじ込まれ、この筒形ボルト79は、ステアリング軸25に被せつつ下面が予圧付与ナット78に当たるまでねじ込まれ、予圧付与ナット78とは別にステアリング軸25にねじ込むロックナット82で回り止め処置が施されている。
【0044】
仮に、ステアリング軸25に上板部材72(筒型ボルト79は付いていない。)をセットし、ボルト又はナットをステアリング軸25にねじ込むことで、ステアリング軸25に上板部材72を締結する構造の場合、ボルト又はナットをねじ込むに従って上板部材72が下がる。上板部材72が変形するとステアリング軸25が曲げられ、上側ベアリング75に影響がでる。
【0045】
一方、本発明では、上板部材72に上下方向の外力を極力加えないようにすることができる。結果、上板部材72に上下方向の撓みが発生しないため、上板部材72の薄肉化、軽量化が図れると共に強固に上板部材72にステアリング軸25の先端を連結することができる。
【0046】
図2に示すように、前部13からステアリング軸25が延びている車体フレーム12と、下部に前輪21が回転自在に取付けられるフォーク部材23と、このフォーク部材23の上部に連結されると共にステアリング軸25に回転自在に取付けられるステアリング部材26と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、車体フレーム12から上板部材72が延ばされ、この上板部材72でステアリング軸25の先端(上部)を支えるようにした。
【0047】
ステアリング軸25が両端で支持されるため、ステアリング軸25の撓み剛性及び曲げ剛性を高めることができ、ステアリング軸25の小径化が可能となる。
【0048】
また、車体フレーム12の前部13にクッションユニット48の上端を支持するクッションブラケット84が取付けられ、このクッションブラケット84に上板部材72が締結される。
クッションブラケット84はクッションユニット48の軸力に耐えるような剛性に富んだ部材である。このように強固なクッションブラケット84に上板部材72を締結すれば、上板部材72の変形や振動の発生を抑制することができる。
【0049】
尚、鞍乗り型車両は、乗員がシートに跨って乗車するタイプの車両であり、本発明は二輪車の他、三輪車や四輪車にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の鞍乗り型車両の前部構造は、二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0051】
10…鞍乗り型車両、12…車体フレーム、13…車体フレームの前部、21…前輪、23…フォーク部材、25…ステアリング軸、26…ステアリング部材、48…クッションユニット、72…上板部材、72a…上板部材に設けられる雌ねじ部、75…上側ベアリング、75a…上側ベアリングの内輪、76…下側ベアリング、78…予圧付与ナット、79…筒形ボルト、82…ロックナット、84…クッションブラケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部(13)からステアリング軸(25)が延びている車体フレーム(12)と、下部に前輪(21)が回転自在に取付けられるフォーク部材(23)と、このフォーク部材(23)の上部に連結されると共に前記ステアリング軸(25)に回転自在に取付けられるステアリング部材(26)と、を備える鞍乗り型車両(10)の前部構造において、
前記車体フレーム(12)から上板部材(72)が延ばされ、この上板部材(72)で前記ステアリング軸(25)の先端を支えるようにしたことを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項2】
前記ステアリング部材(26)は、上側ベアリング(75)と下側ベアリング(76)を介して前記ステアリング軸(25)に軸支され、これらのベアリング(75、76)は、前記ステアリング軸(25)にねじ込む予圧付与ナット(78)で前記上側ベアリング(75)の内輪(75a)を前記下側ベアリング(76)側へ押すことで、予圧が付与され、前記上板部材(72)は、雌ねじ部(72a)を有し、この雌ねじ部(72a)に筒型ボルト(79)がねじ込まれ、この筒形ボルト(79)は、前記ステアリング軸(25)に被せつつ下面が前記予圧付与ナット(78)に当たるまでねじ込まれ、前記予圧付与ナット(78)とは別に前記ステアリング軸(25)にねじ込むロックナット(82)で回り止め処置が施されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項3】
前記車体フレーム(12)の前部にクッションユニット(48)の上端を支持するクッションブラケット(84)が取付けられ、このクッションブラケット(84)に前記上板部材(72)が締結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項1】
前部(13)からステアリング軸(25)が延びている車体フレーム(12)と、下部に前輪(21)が回転自在に取付けられるフォーク部材(23)と、このフォーク部材(23)の上部に連結されると共に前記ステアリング軸(25)に回転自在に取付けられるステアリング部材(26)と、を備える鞍乗り型車両(10)の前部構造において、
前記車体フレーム(12)から上板部材(72)が延ばされ、この上板部材(72)で前記ステアリング軸(25)の先端を支えるようにしたことを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項2】
前記ステアリング部材(26)は、上側ベアリング(75)と下側ベアリング(76)を介して前記ステアリング軸(25)に軸支され、これらのベアリング(75、76)は、前記ステアリング軸(25)にねじ込む予圧付与ナット(78)で前記上側ベアリング(75)の内輪(75a)を前記下側ベアリング(76)側へ押すことで、予圧が付与され、前記上板部材(72)は、雌ねじ部(72a)を有し、この雌ねじ部(72a)に筒型ボルト(79)がねじ込まれ、この筒形ボルト(79)は、前記ステアリング軸(25)に被せつつ下面が前記予圧付与ナット(78)に当たるまでねじ込まれ、前記予圧付与ナット(78)とは別に前記ステアリング軸(25)にねじ込むロックナット(82)で回り止め処置が施されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項3】
前記車体フレーム(12)の前部にクッションユニット(48)の上端を支持するクッションブラケット(84)が取付けられ、このクッションブラケット(84)に前記上板部材(72)が締結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−192899(P2012−192899A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60096(P2011−60096)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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