説明

音処理プログラム、音処理装置、および音制御方法

【課題】情報を入力する人が、画像表示部に表示された情報を、容易かつ間違いなく取得することができるようにする。
【解決手段】本プログラムでは、複数の記号それぞれに対応する記号データM(i,j)および記号データM(i,j)に対応する音データS(N)が、制御部1に認識される。また、記号を画像表示部3に表示する位置を規定するための位置データ(i,j)が、制御部1に認識される。すると、記号データM(i,j)に対応する記号が、位置データ(i,j)により規定される位置において画像表示部3に表示される。そして、発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データ(i_st,j_st)が、制御部1に認識される。すると、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音が、記号データM(i,j)に対応する音データS(N)に基づいて音出力部4から出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音処理プログラム、特に、画像表示部に表示された記号を発音可能なコンピュータにより実行される音処理プログラムに関する。また、この音処理プログラムを実行可能な音処理装置、および音処理プログラムに基づいてコンピュータにより制御される音制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力装置たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。
【0003】
このようなゲーム装置において実現されるゲームの1つとして、たとえば、野球ゲームが知られている(非特許文献1を参照)。この野球ゲームでは、プレイヤが選手キャラクタを育成するモード(育成モード)が用意されている。
【0004】
この育成モードにおいては、あるプレイヤが、様々なタイプの選手キャラクタを育成することができるようになっている。また、ここで育成された選手キャラクタの各種の情報たとえば基本情報および能力情報は、インターネット上に設けられた掲示板等を介して、他のプレイヤに譲渡することができるようになっている。
【0005】
たとえば、あるプレイヤが選手キャラクタを育成したときに、各種の選手情報が、複数のランダムな文字列から構成される文字情報(パスワード)に変換される。そして、この文字情報が、たとえばインターネット上に設けられた掲示板に書き込まれる。そして、この掲示板を介して、文字情報が他のプレイヤに取得される。そして、他のプレイヤが自分のゲーム装置において文字情報を入力し復元すると、あるプレイヤが育成した選手キャラクタの各種の情報を他のプレイヤが利用することができる。言い換えると、あるプレイヤが育成した能力を有する選手キャラクタを、他のプレイヤは自分のゲームにおいて利用することができる。
【0006】
このように、従来の野球ゲームでは、あるプレイヤが育成した選手キャラクタの情報を文字情報に変換し、この文字情報を他のプレイヤに譲渡することにより、他のプレイヤは、あるプレイヤが育成した選手キャラクタを、自分の野球ゲームにおいて利用することができるようになっている。
【非特許文献1】実況パワフルプロ野球14、コナミデジタルエンタテインメント、PS2版、2007年7月19日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の野球ゲームでは、あるプレイヤが育成した選手キャラクタを、他のプレイヤが自分のゲーム装置において利用することができるようになっている。
【0008】
ここで、あるプレイヤが他のプレイヤに育成済みの選手キャラクタを譲渡するときには、たとえば、あるプレイヤは、各種の選手情報に対応する文字情報を自分のゲーム装置のモニタを見ながら紙へとメモし、紙にメモした文字情報を掲示板等に書き込む必要がある。一方で、他のプレイヤは、掲示板等に書き込まれた文字情報を紙にメモし、紙にメモした文字情報を自分のゲーム装置のモニタを見ながら所定欄に入力する必要がある。
【0009】
このような入力情報すなわち選手キャラクタの情報に対応する文字情報は、一般的に、文字数が非常に多く、ランダムな文字列から構成されている。このため、プレイヤが文字情報をメモするときに、文字情報を誤ってメモしてしまうおそれがあった。また、プレイヤが文字情報を誤ってメモしてしまった場合に、プレイヤが誤ってメモした文字情報において、どの部分が誤った部分であるかをプレイヤが見つけ出すことが、非常に困難であった。
【0010】
このような問題を解決するために、本発明では、情報を入力する人が、画像表示部に表示された情報を、容易かつ間違いなく取得することができるようにすることにある。また、本発明では、情報を入力する人が、画像表示部に表示された情報の誤った部分や取得された情報の誤った部分を、容易に見つけ出すことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る音処理プログラムは、画像表示部に表示された記号を発音可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)画像表示部に表示される複数の記号それぞれに対応する記号データを、制御部に認識させる記号データ認識機能。
(2)記号データに対応する音データを、制御部に認識させる音データ認識機能。
(3)記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データを、制御部に認識させる位置データ認識機能。
(4)記号データおよび位置データに基づいて、複数の記号それぞれを位置において画像表示部に表示する記号表示機能。
(5)記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、制御部に認識させる発音開始位置認識機能。
(6)発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音を、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力する発音機能。
【0012】
この音処理プログラムでは、記号データ認識機能において、画像表示部に表示される複数の記号それぞれに対応する記号データが、制御部に認識される。音データ認識機能においては、記号データに対応する音データが、制御部に認識される。位置データ認識機能においては、記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データが、制御部に認識される。記号表示機能においては、記号データに対応する記号が、位置データにより規定される位置において画像表示部に表示される。発音開始位置認識機能においては、記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データが、制御部に認識される。発音機能においては、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音が、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0013】
たとえば、本音処理プログラムが、選手キャラクタの情報に対応する文字列(選手パスワード)に適用される場合を考える。この場合、まず、画像表示部に表示される複数の文字それぞれに対応する文字データが、制御部に認識される。そして、これら複数の文字データそれぞれに対応する音データが、制御部に認識される。そして、複数の文字それぞれを画像表示部に表示する位置を規定するための位置データが、制御部に認識される。そして、文字データに対応する文字が、位置データにより規定される位置において画像表示部に表示される。そして、文字の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データが、制御部に認識される。すると、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音が、文字データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0014】
この場合、発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データが制御部に認識されると、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音が、文字データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0015】
このため、プレイヤは、画像表示部を見なくても、画像表示部に表示された複数の文字を、音で確認することができる。これにより、プレイヤは、たとえば画面上の選手パスワードを手元の紙に書き写したい場合に、従来のように画面上の各文字を目で見て記憶し、さらに手元の紙に書き留めるといった、文字記録時に間違いやすい煩雑な過程をとらなくても、単に発音されるパスワードの音を聞くだけでパスワードを手元の紙に書き留めることができる。この例は画面上の選手パスワードを記録する場合であるが、本発明は、自分が入力した選手パスワードを手元の紙などの選手パスワードと比較して入力ミスがないかを確認する際にも有用である。すなわち、プレイヤは、一旦入力したパスワードを発音させながら、手元の紙の文字を発音される音に従って目で追いかけながら視認するだけで、入力した文字にミスが有るか無いかを容易に確認することができる。
【0016】
また、プレイヤは、自分が所望する発音開始位置を制御部に認識させることにより、任意の位置から上記の文字を音で確認することができる。これにより、プレイヤは、音を聞きながら、画像表示部に表示された上記の文字を部分的に書き取ったり、上記の文字の誤った部分を部分的に照合したりすることができる。
【0017】
以上の内容を一般的に記述すると、情報を入力する人が、画像表示部に表示された情報を、容易かつ間違いなく取得することができる。また、情報を入力する人が、画像表示部に表示された情報の誤った部分や書き取られた情報の誤った部分を、容易に見つけ出すことができる。
【0018】
請求項2に係る音処理プログラムは、請求項1に記載の音処理プログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(7)記号を発音するときの経路を規定するための発音経路設定命令を制御部に認識させることにより、発音経路に位置する位置データを制御部に認識させる発音経路認識機能。
【0019】
この音処理プログラムでは、発音経路認識機能において、記号を発音するときの経路を規定するための発音経路設定命令を制御部に認識させることにより、発音経路に位置する記号の位置データが制御部に認識される。ここでは、発音機能において、発音開始位置に表示された記号を起点として、発音経路に位置する複数の記号の音が、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0020】
たとえば、本音処理プログラムが野球ゲームに適用された場合、選手キャラクタの情報に対応する文字列(複数の文字)を発音するときの経路を規定するための発音経路設定命令を制御部に認識させることにより、発音経路に位置する文字の位置データが制御部に認識される。これにより、発音開始位置に表示された文字を起点として、発音経路に位置する複数の文字の音が、文字データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0021】
この場合、発音経路に位置する位置データを制御部に認識させることにより、発音経路に位置する複数の文字の音が、発音開始位置に表示された文字を起点として、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0022】
このため、プレイヤは、上記の文字の誤った部分の照合を様々な経路で行うことができる。たとえば、選手パスワードがマトリクス状に画面上に並んでいるような場合、発音経路として、英文の文字を読むように、1行目の文字を左から右へと発音し、その後、2行目、3行目・・・と発音させてもよい。また、日本語の本を読むように、1列目の文字を上から下へと発音し、次に、2列目、3列目・・・と発音させてもよい。これにより、プレイヤは、上記の文字の誤った部分を、自分が確認しやすい経路で容易に照合することができる。また、プレイヤは、発音経路を変えて確認作業を行うことで(たとえば発音経路を変えてダブルチェック等を行うことで)、間違いをより確実に見つけ出すことができる。
【0023】
以上の内容を一般的に記述すると、情報を入力する人は、情報を任意の経路で発音させることができるため、情報の誤った部分の照合を行う際の労力を低減することができるだけでなく、必要に応じて確認作業をより確実に行うことができる。
【0024】
請求項3に係る音処理プログラムは、請求項1又は2に記載の音処理プログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(8)記号データに対応する音データを音出力部から順次出力するときの発音速度を設定する処理を制御部に実行させる出力速度制御機能。
【0025】
この音処理プログラムでは、出力速度制御機能において、記号データに対応する音データを音出力部から順次出力するときの発音速度を設定する処理が、制御部により実行される。ここでは、発音機能において、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音が、記号データに対応する音データに基づいて、上記機能において設定された発音速度で音出力部から出力される。
【0026】
たとえば、本音処理プログラムが野球ゲームに適用された場合、文字データに対応する音データを音出力部から順次出力するときの発音速度を設定する処理が、制御部により実行される。これにより、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音が、文字データに対応する音データに基づいて、上記機能において設定された発音速度で音出力部から出力される。
【0027】
この場合、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音が、文字データに対応する音データに基づいて、上記機能において設定された発音速度で音出力部から出力される。
【0028】
このため、プレイヤは、自分が聞き取りやすい発音速度で上記の文字を発音させることができる。これにより、プレイヤは、画像表示部に表示された上記の文字を容易に書き取ったり、上記の文字の誤った部分の照合を行う際の労力を低減したりすることができる。以上の内容を一般的に記述すると、情報を入力する人は、情報を任意の発音速度で発音させることができるため、画像表示部に表示された情報を容易に取得することができる。また、情報の誤った部分の照合を行う際の労力を低減することができる。
【0029】
請求項4に係る音処理プログラムは、請求項1から3のいずれかに記載の音処理プログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)上記の音データの音質とは異なる音質の他の音データを、制御部に認識させる異音データ認識機能。
【0030】
この音処理プログラムでは、異音データ認識機能において、上記の音データの音質とは異なる音質の他の音データが、制御部に認識される。ここでは、発音機能において、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音が、上記の音データおよび上記の音データの音質とは異なる音質の音データのいずれか一方の音データに基づいて、音出力部から出力される。
【0031】
たとえば、本音処理プログラムが野球ゲームに適用された場合、上記の音データの音質とは異なる音質の他の音データが、制御部に認識される。ここでは、発音機能において、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音が、上記の音データおよび上記の音データの音質とは異なる音質の他の音データのいずれか一方の音データに基づいて、音出力部から出力される。
【0032】
この場合、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音が、上記の音データおよび上記の音データの音質とは異なる音質の他の音データのいずれか一方の音データに基づいて、音出力部から出力される。
【0033】
このため、プレイヤは、自分が聞き取りやすい音質で上記の文字を発音させることができる。これにより、プレイヤは、画像表示部に表示された上記の文字を快適に書き取ったり、上記の文字の誤った部分の照合を快適に行ったりすることができる。以上の内容を一般的に記述すると、情報を入力する人は、情報を任意の音質で発音させることができるため、画像表示部に表示された情報を快適に取得することができ、情報の誤った部分の照合を快適に行うことができる。
【0034】
請求項5に係る音処理プログラムは、請求項1から4のいずれかに記載の音処理プログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)所定数の記号を発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データを、制御部に認識させる第1報知音データ認識機能。
(11)所定数の記号が発音されたか否かを制御部に判断させる発音数判断機能。
(12)所定数の記号が発音されたと制御部により判断された場合に、第1報知音を第1報知音データに基づいて音出力部から出力する第1報知音出力機能。
【0035】
この音処理プログラムでは、第1報知音データ認識機能において、所定数の記号を発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データが、制御部に認識される。発音数判断機能においては、所定数の記号が発音されたか否かが制御部により判断される。第1報知音出力機能においては、所定数の記号が発音されたと制御部により判断された場合に、第1報知音が第1報知音データに基づいて音出力部から出力される。
【0036】
たとえば、本音処理プログラムが野球ゲームに適用された場合、所定数の文字を発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データが、制御部に認識される。そして、所定数の文字が発音されたか否かが制御部により判断される。そして、所定数の文字が発音されたと制御部により判断された場合に、第1報知音が第1報知音データに基づいて音出力部から出力される。
【0037】
この場合、所定数の文字が発音されたと制御部により判断された場合に、所定数の文字を発音したことを報知するための第1報知音が、第1報知音データに基づいて音出力部から出力される。このため、プレイヤは、たとえば画面上の選手パスワードを紙に書き留める場合に、選手パスワードの音と第1報知音との2種類の音のリズムに従って選手パスワードを記録することができるので、間違いをより少なくすることができる。単に選手パスワードを構成する各文字が順次読み上げられていくだけの場合、その単調さのために、聞き漏れ等による記録の欠落が生じるおそれがある。しかしながら、上記のように第1報知音を設けることで、上記の単調さを解消することができる。また、第1報知音を用いることによって、その音の直前の所定数のひとまとまりの音を素早く視認することも可能なため、間違いをより少なくすることができる。なお、上記の所定数を人が概ね一度に記憶できる範囲内の文字数にすれば、プレイヤはひとまとまりの音を記憶しやすくなるので、さらに間違いを少なくすることができる。
【0038】
以上の内容を一般的に記述すると、情報を入力する人は、所定数の文字ごとに、画像表示部に表示された文字を断続的に書き取ったり、上記の文字の誤った部分を照合したりすることができる。
【0039】
請求項6に係る音処理プログラムは、請求項1から5のいずれかに記載の音処理プログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(13)記号の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データを、制御部に認識させる発音終了位置認識機能。
(14)発音終了位置に位置する記号が発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データを、制御部に認識させる第2報知音データ認識機能。
(15)発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の記号が発音されたか否かを、制御部に判断させる発音終了判断機能。
(16)発音終了位置の記号が発音されたと制御部により判断された場合に、第2報知音を第2報知音データに基づいて音出力部から出力する第2報知音出力機能。
【0040】
この音処理プログラムでは、発音終了位置認識機能において、記号の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データが、制御部に認識される。第2報知音データ認識機能においては、発音終了位置に位置する記号が発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データが、制御部に認識される。発音終了判断機能においては、発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の記号が発音されたか否かが、制御部により判断される。第2報知音出力機能においては、発音終了位置の記号が発音されたと制御部により判断された場合に、第2報知音が第2報知音データに基づいて音出力部から出力される。
【0041】
たとえば、本音処理プログラムが野球ゲームに適用された場合、文字の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データが、制御部に認識される。そして、発音終了位置に位置する文字が発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データが、制御部に認識される。そして、発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の文字が発音されたか否かが、制御部により判断される。そして、発音終了位置の文字が発音されたと制御部により判断された場合に、第2報知音が第2報知音データに基づいて音出力部から出力される。
【0042】
この場合、発音終了位置の文字が発音されたと制御部により判断された場合に、発音終了位置に位置する文字が発音されたことを報知するための第2報知音が、第2報知音データに基づいて音出力部から出力される。
【0043】
このため、プレイヤは、この第2報知音により、文字の発音が終了したことを知ることができる。これにより、プレイヤは、スムーズに次の作業に移ることができる。すなわち、プレイヤは、次の作業、たとえば画像表示部に表示された上記の文字を音で再確認する作業や、上記の文字の誤った部分を音を聞きながら容易に再照合する作業に、スムーズに移行することができる。以上の内容を一般的に記述すると、第2報知音を発生させることにより、情報を入力する人は、画像表示部に表示された上記の記号を音で再確認する作業や、上記の記号の誤った部分を音を聞きながら容易に再照合する作業等に、スムーズに移行することができる。
【0044】
請求項7に係る音処理プログラムは、請求項1から6のいずれかに記載の音処理プログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(17)画像表示部に表示された所定の記号に対応する記号データを、特殊記号用の記号データとして制御部に認識させる特殊記号認識機能。
(18)特殊記号用の記号データに対応する音データを、特殊音データとして制御部に認識させる特殊音データ認識機能。
(19)画像表示部に表示された所定の記号の位置を規定する位置データを、特殊記号用の位置データとして制御部に認識させる特殊記号位置認識機能。
【0045】
この音処理プログラムでは、特殊記号認識機能において、画像表示部に表示された所定の記号に対応する記号データが、特殊記号用の記号データとして制御部に認識される。特殊音データ認識機能においては、特殊記号用の記号データに対応する音データが、特殊音データとして制御部に認識される。特殊記号位置認識機能においては、画像表示部に表示された所定の記号の位置を規定する位置データが、特殊記号用の位置データとして制御部に認識される。
【0046】
ここでは、発音機能において、発音開始位置に表示された記号を起点として、所定の記号を含む複数の記号の音が、記号データに対応する音データおよび所定の記号データに対応する特殊音データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて音出力部から出力される。
【0047】
たとえば、本音処理プログラムが野球ゲームに適用された場合、画像表示部に表示された空白文字等の所定の文字に対応する文字データが、特殊文字用の文字データとして制御部に認識される。そして、特殊文字用の文字データに対応する音データが、特殊音データとして制御部に認識される。そして、画像表示部に表示された所定の文字の位置を規定する位置データが、特殊文字用の位置データとして制御部に認識される。そして、発音開始位置に表示された文字を起点として、空白文字等の所定の文字を含む複数の文字の音が、文字データに対応する音データおよび所定の文字データに対応する特殊音データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、音出力部から出力される。
【0048】
この場合、発音開始位置に表示された文字を起点として、空白文字等の所定の文字を含む複数の文字の音が、文字データに対応する音データおよび所定の文字データに対応する特殊音データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、音出力部から出力される。
【0049】
このため、プレイヤは、上記の文字の中に空白文字等の所定の文字が含まれていても、空白文字等の所定の文字を特殊音で識別することができる。これにより、プレイヤは、空白文字等の所定の文字と、空白文字等の所定の文字を除いた上記の文字とを識別しながら、画像表示部に表示された文字を書き取ったり、上記の文字の誤った部分を照合したりすることができる。以上の内容を一般的に記述すると、情報を入力する人は、所定の情報と所定の情報を除いた情報とを識別しながら、画像表示部に表示された情報を書き取ったり、情報の誤った部分を照合したりすることができる。
【0050】
請求項8に係る音処理装置は、画像表示部に表示された記号を発音可能な装置である。この音処理装置は、画像表示部に表示される複数の記号それぞれに対応する記号データを、制御部に認識させる記号データ認識手段と、記号データに対応する音データを、制御部に認識させる音データ認識手段と、記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データを、制御部に認識させる位置データ認識手段と、記号データおよび位置データに基づいて、複数の記号それぞれを位置において画像表示部に表示する記号表示手段と、記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、制御部に認識させる発音開始位置認識手段と、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音を、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力する発音手段と、を備えている。
【0051】
請求項9に係る音制御方法は、画像表示部に表示された記号の発音をコンピュータにより制御する方法である。この音制御方法は、画像表示部に表示される複数の記号それぞれに対応する記号データを、制御部に認識させる記号データ認識ステップと、記号データに対応する音データを、制御部に認識させる音データ認識ステップと、記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データを、制御部に認識させる位置データ認識ステップと、記号データおよび位置データに基づいて、複数の記号それぞれを位置において画像表示部に表示する記号表示ステップと、記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、制御部に認識させる発音開始位置認識ステップと、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音を、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力する発音ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0052】
本発明では、発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データが制御部に認識されると、発音開始位置に表示された記号を起点として、複数の記号の音が、記号データに対応する音データに基づいて音出力部から出力される。
【0053】
このため、プレイヤは、画像表示部を見なくても、画像表示部に表示された記号を、音で確認することができる。これにより、プレイヤは、画像表示部に表示された上記の記号を、容易かつ間違いなく取得することができる。また、プレイヤは、手元の紙等のような記録媒体からゲーム装置に入力された記号の誤った部分や、画像表示部を見ながら手元の記録媒体に書き取られた記号の誤った部分を、音を聞きながら容易に見つけ出すことができる。また、プレイヤは、自分が所望する発音開始位置を制御部に認識させることにより、任意の位置から記号を音で確認することができる。これにより、プレイヤは、音を聞きながら、画像表示部に表示された記号を部分的に書き取ったり、記号の誤った部分を部分的に照合したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置を対象として説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0055】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音出力部4と、操作入力部5、通信部23とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0056】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0057】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0058】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0059】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0060】
音出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音データを音として出力するために設けられている。音出力部4は、たとえば、スピーカ13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカ13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音信号に変換される。このアナログ音信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカ13から音として出力される。音データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音をスピーカ13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音をスピーカ13から出力することができる。
【0061】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0062】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0063】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0064】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0065】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0066】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0067】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0068】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0069】
通信部23は、通信制御回路24および通信インターフェース25を有している。通信制御回路24および通信インターフェース25は、ゲーム機をサーバや他のゲーム機等に接続するために用いられる。通信制御回路20および通信インターフェース21は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20および通信インターフェース21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機をインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。また、通信制御回路20および通信インターフェース21は、インターネットを介してゲーム機をサーバや他のゲーム装置に接続するための接続信号を制御し発信する。
【0070】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音データを画像や音としてテレビジョンモニタ20やスピーカ13に出力するためのコマンドを発行する。
【0071】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0072】
音データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音データの生成および加工処理を行う。ここでは、音データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音データがアナログ音信号に変換される。そして、音データは増幅回路14を介してスピーカ13から音として出力される。
【0073】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム装置において実行されるゲームプログラムは、たとえば野球ゲームプログラムである。この野球ゲームプログラムでは、たとえば、テレビジョンモニタ20に表示された文字が、CPU7からの命令に基づいて発音されるようになっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0074】
文字データ認識手段50は、テレビジョンモニタ20に表示される複数の文字それぞれに対応する文字データを、CPU7に認識させる機能を備えている。文字データ認識手段50では、テレビジョンモニタ20に表示される複数の文字それぞれに対応する文字データが、CPU7に認識される。
【0075】
この手段では、テレビジョンモニタ20に表示される複数のランダムな文字列それぞれに対応する文字データが、CPU7に認識される。ここでは、たとえば、テレビジョンモニタ20に表示される複数のひらがなそれぞれに対応する文字データが、CPU7に認識される。具体的には、複数のひらがなそれぞれに対応する文字コードのコード番号が、文字データとしてCPU7に認識される。
【0076】
なお、テレビジョンモニタ20に表示される複数のランダムな文字列(ひらがな)は、選手キャラクタの各種の情報たとえば基本情報および能力情報を、所定のアルゴリズムに基づいて変換することにより生成されるものである。このため、複数のランダムな文字列の容量と、選手キャラクタの各種の情報たとえば基本情報および能力情報の容量とは、同じになっている。
【0077】
音データ認識手段51は、文字データに対応する音データを、CPU7に認識させる機能を備えている。音データ認識手段51では、文字データに対応する音データが、CPU7に認識される。
【0078】
この手段では、テレビジョンモニタ20に表示される複数のランダムな文字列それぞれに対応する音データが、CPU7に認識される。ここでは、たとえば、テレビジョンモニタ20に表示される複数のひらがなそれぞれに対応する音データが、CPU7に認識される。具体的には、複数のひらがなそれぞれのコード番号に対応する音データが、CPU7に認識される。
【0079】
第1報知音データ認識手段52は、所定数の文字を発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データを、CPU7に認識させる機能を備えている。第1報知音データ認識手段52では、所定数の文字を発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データが、CPU7に認識される。
【0080】
この手段では、RAM12に格納された、所定数のひらがなを発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データが、CPU7に認識される。ここでCPU7に認識される第1報知音には、たとえば、音量が所定量である場合の報知音と、音量がゼロである場合の報知音すなわち無音の報知音とが、含まれている。また、第1報知音には、たとえば、複数のひらがなが発音されるときの時間間隔よりも長い間、発音状態が継続する報知音と、複数のひらがなが発音されるときの時間間隔よりも短い間、発音状態が継続する報知音とが、含まれている。
【0081】
なお、このような第1報知音データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0082】
第2報知音データ認識手段53は、発音終了位置に位置する文字が発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データを、CPU7に認識させる機能を備えている。第2報知音データ認識手段53では、発音終了位置に位置する文字が発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データが、CPU7に認識される。
【0083】
この手段では、RAM12に格納された、発音終了位置に位置するひらがなが発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データが、CPU7に認識される。なお、第2報知音データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0084】
位置データ認識手段54は、文字をテレビジョンモニタ20に表示する位置を規定するための位置データを、CPU7に認識させる機能を備えている。位置データ認識手段54では、文字をテレビジョンモニタ20に表示する位置を規定するための位置データが、CPU7に認識される。
【0085】
この手段では、ひらがなをテレビジョンモニタ20に表示する位置を規定するための位置データが、CPU7に認識される。ここでは、ひらがなの表示形式に応じた位置データが、CPU7に認識される。たとえば、ひらがなの表示形式が表形式である場合、(i,j)のようなマトリックス形式の位置データが、CPU7に認識される。
【0086】
文字表示手段55は、文字データに対応する文字を、位置データにより規定された位置においてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。文字表示手段55では、文字データに対応する文字が、位置データにより規定された位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0087】
この手段では、複数のひらがなそれぞれが、位置データにより規定された位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、ひらがなの表示形式が表形式である場合、文字データに対応するひらがなが、ひらがなの位置データ(i,j)により規定された位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。なお、ひらがなの表示形式が表形式であり、表においてひらがなが表示されていないセルがある場合、このセルには空白文字等の所定の文字が表示される。
【0088】
特殊文字認識手段56は、テレビジョンモニタ20に表示された所定の文字に対応する文字データを、特殊文字用の文字データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。特殊文字認識手段56では、テレビジョンモニタ20に表示された所定の文字に対応する文字データが、特殊文字用の文字データとしてCPU7に認識される。
【0089】
この手段では、テレビジョンモニタ20に表示された空白文字等の所定の文字に対応する文字データが、特殊文字用の文字データとしてCPU7に認識される。ここでは、たとえば、テレビジョンモニタ20に表示された空白文字等の所定の文字に対応する文字コードのコード番号が、特殊文字用の文字データとしてCPU7に認識される。
【0090】
特殊音データ認識手段57は、特殊文字用の文字データに対応する音データを、特殊音データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。特殊音データ認識手段57では、特殊文字用の文字データに対応する音データが、特殊音データとしてCPU7に認識される。
【0091】
この手段では、特殊文字用の文字データに対応する音データが、特殊音データとしてCPU7に認識される。ここでは、たとえば、空白文字等の所定の文字に対応する文字データが、特殊文字用の文字データとなっているので、空白文字等の所定の文字に対応する音データが、特殊音データとしてCPU7に認識される。具体的には、空白文字等のコード番号に対応する音データが、CPU7に認識される。
【0092】
特殊文字位置認識手段58は、テレビジョンモニタ20に表示された所定の文字の位置を規定する位置データを、特殊文字用の位置データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。特殊文字位置認識手段58では、テレビジョンモニタ20に表示された所定の文字の位置を規定する位置データが、特殊文字用の位置データとしてCPU7に認識される。
【0093】
この手段では、テレビジョンモニタ20に表示された空白文字等の所定の文字の位置を規定する位置データが、特殊文字用の位置データとしてCPU7に認識される。ここでは、ひらがなの表示形式に応じた特殊文字用の位置データが、CPU7に認識される。たとえば、ひらがなの表示形式が表形式である場合、特殊文字用の位置データが、(i,j)のようなマトリックス形式でCPU7に認識される。
【0094】
発音開始位置認識手段59は、文字の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、CPU7に認識させる機能を備えている。発音開始位置認識手段59では、文字の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データが、CPU7に認識される。
【0095】
この手段では、発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データが、CPU7に認識される。ここでは、たとえば、発音を開始する発音開始位置を指示するためにコントローラ17が操作されると、発音開始位置を規定するための位置データが、CPU7に認識される。また、発音を開始する発音開始位置を指示するための操作がコントローラ17により実行されなかったときには、発音開始位置を規定するための所定の位置データが、CPU7に認識される。なお、発音開始位置を規定するための所定の位置データは、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0096】
出力速度制御手段60は、文字データに対応する音データを音出力部4たとえばスピーカ13から順次出力するときの発音速度を設定する処理をCPU7に実行させる機能を備えている。出力速度制御手段60では、文字データに対応する音データをスピーカ13から順次出力するときの発音速度を設定する処理が、CPU7により実行される。
【0097】
この手段では、文字データに対応する音データをスピーカ13から順次出力するときの発音速度が、CPU7により設定される。ここでは、たとえば、各音データをスピーカ13から出力する時間間隔DTが、CPU7により設定される。具体的には、発音速度を指示するためにコントローラ17が操作されると、ひらがなに対応する音データをスピーカ13から出力するときの時間間隔が、CPU7により設定される。また、発音速度を指示するための操作がコントローラ17により実行されなかったときには、所定の時間間隔が、ひらがなに対応する音データをスピーカ13から出力するときの時間間隔としてCPU7に認識される。なお、ここに示した所定の時間間隔は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0098】
異音データ認識手段61は、文字データに対応する、音データの音質とは異なる音質の音データを、CPU7に認識させる機能を備えている。異音データ認識手段61では、文字データに対応する、音データの音質とは異なる音質の音データが、CPU7に認識される。
【0099】
この手段では、RAM12に格納された、上記の音データの音質とは異なる音質の音データが、CPU7に認識される。ここでは、たとえば、音質を変更するためにコントローラ17が操作されると、上記の音データの音質とは異なる音質の音データが、発音用の音データとしてCPU7に認識される。なお、音質を変更するための操作がコントローラ17により実行されなかったときには、上記の音データが、発音用の音データとしてCPU7に認識される。
【0100】
発音経路認識手段62は、文字を発音するときの経路を規定するための発音経路設定命令をCPU7に認識させることにより、発音経路に位置する文字の位置データをCPU7に認識させる機能を備えている。発音経路認識手段62では、文字を発音するときの経路を規定するための発音経路設定命令をCPU7に認識させることにより、発音経路に位置する文字の位置データがCPU7に認識される。
【0101】
この手段では、発音する経路を規定するための発音経路設定命令がCPU7に認識され、発音経路に位置する文字の位置データがCPU7に認識される。ここでは、たとえば、発音するときの経路を指示するためにコントローラ17が操作されると、コントローラ17により指示された発音経路に位置する文字の位置データが、CPU7に認識される。また、発音するときの経路を指示するための操作がコントローラ17により実行されなかったときには、所定の発音経路に位置する文字の位置データが、CPU7に認識される。なお、所定の発音経路は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0102】
発音終了位置認識手段63は、文字の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データを、CPU7に認識させる機能を備えている。発音終了位置認識手段63では、文字の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データが、CPU7に認識される。
【0103】
この手段では、文字の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データが、CPU7に認識される。ここでは、ひらがなの表示形式に応じた位置データが、CPU7に認識される。たとえば、ひらがなの表示形式が表形式である場合、(i,j)のようなマトリックス形式の位置データが、CPU7に認識される。なお、文字の発音を終了する発音終了位置は、発音経路に応じて異なる位置に設定される。
【0104】
発音手段64は、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音を、文字データに対応する音データに基づいてスピーカ13から出力する機能を備えている。詳細には、発音手段64は、発音開始位置に表示された文字を起点として、発音経路に位置する複数の文字の音を、文字データに対応する音データに基づいてスピーカ13から出力する機能を備えている。より詳細には、発音手段64は、発音開始位置に表示された文字を起点として、所定の文字を含む複数の文字の音を、文字データに対応する音データおよび所定の文字データに対応する特殊音データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、スピーカ13から出力する機能を備えている。
【0105】
また、発音手段64は、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音を、文字データに対応する音データに基づいて、設定された発音速度でスピーカ13から出力する機能を備えている。さらに、発音手段64は、発音開始位置に表示された文字を起点として、複数の文字の音を、文字データに対応する、上記の音データおよび上記の音データの音質とは異なる音質の音データのいずれか一方の音データに基づいて、スピーカ13から出力する機能を備えている。
【0106】
この手段では、発音開始位置に表示された文字を起点として、発音経路に位置する複数の文字の音が、文字データに対応する音データに基づいてスピーカ13から出力される。ここでは、たとえば、発音の開始を指示するためにコントローラ17が操作されると、発音開始位置に表示された文字を起点として、発音経路に位置する、所定の文字を含む複数の文字の音が、文字データに対応する音データおよび所定の文字データに対応する特殊音データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、スピーカ13から出力される。なお、ここでは、上記の設定音質および設定速度で、音がスピーカ13から出力される。
【0107】
発音数判断手段65は、所定数の文字が発音されたか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。発音数判断手段65では、所定数の文字が発音されたか否かがCPU7により判断される。
【0108】
この手段では、所定数の文字が発音されたか否かが、CPU7により判断される。ここでは、たとえば、3p個の文字が発音されたか否かが、CPU7により判断される。具体的には、3p個の音データがスピーカ13から出力されたか否かが、CPU7により判断される。ここでpは自然数である。
【0109】
第1報知音出力手段66は、所定数の文字が発音されたとCPU7により判断された場合に、第1報知音を第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力する機能を備えている。第1報知音出力手段66では、所定数の文字が発音されたとCPU7により判断された場合に、第1報知音が、第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。
【0110】
この手段では、所定数の文字が発音されたとCPU7により判断された場合に、第1報知音が、第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。たとえば、3p個の音データがスピーカ13から出力されたとCPU7により判断された場合に、第1報知音が、第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。
【0111】
発音終了判断手段67は、発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の文字が発音されたか否かを、CPU7に判断させる機能を備えている。発音終了判断手段67では、発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の文字が発音されたか否かが、CPU7により判断される。
【0112】
この手段では、発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の文字が発音されたか否かが、CPU7により判断される。ここでは、たとえば、発音終了位置の文字に対応する音データがスピーカ13から出力されたか否かが、CPU7により判断される。
【0113】
第2報知音出力手段68は、発音終了位置の文字が発音されたとCPU7により判断された場合に、第2報知音を第2報知音データに基づいてスピーカ13から出力する機能を備えている。第2報知音出力手段68では、発音終了位置の文字が発音されたとCPU7により判断された場合に、第2報知音が、第2報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。
【0114】
この手段では、発音終了位置の文字が発音されたとCPU7により判断された場合に、第2報知音が、第2報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。たとえば、発音終了位置の文字に対応する音データがスピーカ13から出力されたとCPU7により判断された場合に、第2報知音が、第2報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。
【0115】
〔野球ゲームにおけるパスワード読み上げシステムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおけるパスワード読み上げシステムについて説明する。ここに示すパスワードとは、野球ゲームにおける選手パスワードのことである。選手パスワードは、複数のランダムな文字列たとえばランダムな複数のひらがなから構成されている。
【0116】
この選手パスワードは、選手キャラクタの基本情報および能力情報等を所定のアルゴリズムに基づいてエンコードすることにより、生成することができる。また、この選手パスワードを所定のアルゴリズムに基づいてデコードすることにより、選手キャラクタの基本情報および能力情報等を復元することができる。このように、野球ゲームでは、選手パスワードと選手キャラクタの基本情報および能力情報との間を双方向に変換可能になっている。
【0117】
以下では、図9および図10に示すフローについても同時に説明する。なお、図9は野球ゲームの全体概要を説明するためのフローであり、図10はパスワード読み上げシステムを説明するためのフローである。
【0118】
まず、ゲーム装置の電源が投入されゲーム装置が起動されると、野球ゲームプログラムが、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される。このときには、野球ゲームを実行する上で必要となる各種の基本ゲームデータも、同時に、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される(S1)。
【0119】
たとえば、基本ゲームデータには、3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータが含まれている。そして、この3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータ、たとえば、スタジアム用の画像データ、選手キャラクタ用の画像データ、および各種のオブジェクトの画像データ等が、CPU7に認識される。また、基本ゲームデータには、3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータを3次元ゲーム空間に配置するための位置座標データが含まれている。また、基本ゲームデータには、後述するパスワード読み上げシステムで用いられるデータも、含まれている。
【0120】
続いて、RAM12に格納された野球ゲームプログラムが、基本ゲームデータに基づいて、CPU7により実行される(S2)。すると、野球ゲームの起動画面がテレビジョンモニタ20に表示される。すると、野球ゲームを実行するための各種の設定画面がテレビジョンモニタ20に表示される。ここでは、たとえば、野球ゲームのプレイモードを選択するためのモード選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される(図示しない)。このモード選択画面において、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、プレイモードが決定される(S3)。プレイモードには、たとえば、12球団の中から好きなチームを選択して1試合の対戦を楽しむ対戦モード、12球団の中から好きなチームを選択してペナントレースを戦うペナントモード、およびプレイヤが監督の立場でチームの選手キャラクタを育成する育成モード等が、用意されている。
【0121】
続いて、モード選択画面で選択されたプレイモードにおいて、各種のイベントが、CPU7により実行される(S4)。ここで実行される各種のイベントには、たとえば、AIプログラム(Artificial Intelligence プログラム)に基づいてCPU7により自動制御されるイベントや、コントローラ17からの入力信号に基づいてプレイヤにより手動制御されるイベントのようなイベントがある。また、選手キャラクタの制御には、AIプログラムに基づいて選手キャラクタに命令を自動的に指示する自動制御や、コントローラ17からの入力信号に基づいて選手キャラクタに命令を直接的に指示する手動制御等がある。このように、本野球ゲームでは、コントローラ17からの指示やAIプログラムからの指示に応じて、イベントが制御されたり、選手キャラクタに命令が指示されたりするようになっている。
【0122】
続いて、選択されたプレイモードが終了したか否かが、CPU7により判断される(S5)。具体的には、プレイモードが終了したことを示す命令が発行されたか否かが、CPU7により判断される。そして、プレイモードが終了したことを示す命令が発行されたとCPU7により判断された場合(S5でYes)、ゲーム継続用のデータをRAM12に格納する処理が、CPU7により実行される。そして、ゲーム継続用のデータがRAM12に格納されると、この野球ゲームを終了するか否かを選択する選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される(S6)。そして、この選択画面において、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、野球ゲームの終了を示す項目が選択されると(S6でYes)、野球ゲームを終了するための処理がCPU7により実行される(S7)。一方で、この選択画面において、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、野球ゲームの継続を示す項目が選択されると(S6でNo)、ステップ3(S3)のモード選択画面が、テレビジョンモニタ20に再表示される。
【0123】
なお、プレイモードが終了するための命令が発行されたとCPU7に判断されない限り(S5でNo)、モード選択画面で選択されたプレイモードにおいて、各種のイベントがCPU7により実行される(S4)。
【0124】
次に、パスワード読み上げシステムの詳細を説明する。
【0125】
野球ゲームプログラムおよび基本ゲームデータは、上記のステップ1(S1)においてRAM12に格納されている。基本ゲームデータには、たとえば、パスワード読み上げシステムで用いられる第1報知音データが、含まれている。第1報知音データは、所定数のひらがなが発音されたことを報知するためのものである。第1報知音データとしては、たとえば、音量が所定量である場合の報知音データすなわち有音の第1報知音データと、音量がゼロである場合の報知音データすなわち無音の第1報知音データとが、用意されている。
【0126】
ここでは、無音の第1報知音データが、第1報知音データとして用いられる場合を例として説明を行う。たとえば、無音の第1報知音データは、複数のひらがなが発音されるときの時間間隔DTよりも長い間、無音状態が継続するように作成されている。なお、ここでは、無音の第1報知音データをスピーカ13より出力する処理をCPU7に実行させることにより、無音状態が実現されるようになっている。
【0127】
また、この基本ゲームデータには、たとえば、パスワード読み上げシステムで用いられる第2報知音データが、含まれている。第2報知音データは、発音終了位置に位置するひらがなが発音されたことを報知するためのものである。第2報知音データとしては、たとえば、音量が所定量である場合の報知音データすなわち有音の第2報知音データが、用意されている。
【0128】
なお、第1報知音の音量および第2報知音の音量は、ゲームプログラムにおいて所定の音量に設定されている。しかしながら、この音量は、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、プレイヤの所望する音量に変更することが可能になっている。
【0129】
以上のような第1報知音データおよび第2報知音データは、上記のステップ1(S1)においてRAM12に格納されている。
【0130】
続いて、上記のステップ2(S2)において、RAM12に格納された野球ゲームプログラムが、基本ゲームデータに基づいて実行されると、野球ゲームを実行するための各種の設定画面がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0131】
ここでは、たとえば、選手パスワードを入力するためのパスワード入力画面21が、図3に示すように、テレビジョンモニタ20に表示される(S201)。このパスワード入力画面21は、パスワード表示エリア21aとワード指示エリア21bとから構成されている。パスワード表示エリア21aは、テレビジョンモニタ20の上部に表示されている。このパスワード表示エリア21aには、初期状態では空白文字が表示されている。また、ワード指示エリア21bは、テレビジョンモニタ20の下部に表示されている。このワード指示エリア21bには、コントローラ17により選択可能な50音のひらがなが表示されている。なお、本実施形態では、「50音のひらがな」という文言が、「濁点が付されたひらがなおよび半濁点がふされたひらがな」を含んだ文言であると解釈して、用いられている。
【0132】
パスワード入力画面21がテレビジョンモニタ20に表示された状態において、プレイヤがコントローラ17を操作すると、コントローラ17からの入力信号に対応するワード指示エリア21bのひらがなが選択される。すると、選択されたひらがなに対応する文字データ、すなわちひらがな用の文字データM(i,j)が、CPU7に認識される(S202)。なお、ここに示した(i,j)は、後述する位置データに対応している。
【0133】
具体的には、選択されたひらがなに対応する文字コードのコード番号Nが、ひらがな用の文字データM(i,j)としてCPU7に認識される(M(i,j)=N)。すると、選択されたひらがなに対応する音データS(N)が、CPU7に認識される(S203)。具体的には、選択されたひらがなのコード番号Nに対応する音データS(N)が、CPU7に認識される。
【0134】
このように、選択されたひらがなに対応するコード番号NがCPU7に認識されると、このコード番号Nに対応する、文字および音データS(N)がCPU7に認識される。ここで、コード番号Nは、各文字に付与されている番号である。このコード番号をエンコードすることにより、コード番号を文字に変換することができる。
【0135】
なお、50音のひらがなそれぞれに対応する文字データM(i,j)、および50音のひらがなそれぞれに対応する音データS(N)は、基本ゲームデータに含まれている。また、文字データM(i,j)と音データS(N)との対応関係は、たとえば対応テーブル等により、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。
【0136】
すると、選択されたひらがなをテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示するための位置データが、CPU7に認識される(S204)。ここでは、パスワード表示エリア21aが表形式になっているので、(i,j)のようなマトリックス形式の位置データが、選択されたひらがなの表示位置を示す位置データとしてCPU7に認識される(図5を参照)。たとえば、選択されたひらがなが最初の1文字目であった場合、(1,1)のようなマトリックス形式の位置データが、1文字目に選択されたひらがなの位置データとしてCPU7に認識される。
【0137】
すると、選択されたひらがなが、位置データにより規定された位置においてテレビジョンモニタ20に表示される(S205)。具体的には、選択されたひらがなすなわちコード番号Nに対応するひらがなが、ひらがなの位置データ(i,j)により規定された位置において、テレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、選択されたひらがなが最初の1文字目であった場合、コード番号Nに対応するひらがなが、ひらがなの位置データ(1,1)により規定された位置、たとえばパスワード表示エリア21aの右上の位置に表示される。
【0138】
この操作が繰り返されることにより、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれに対応する文字データM(i,j)が、CPU7に認識される。具体的には、複数のひらがなそれぞれに対応する文字コードのコード番号Nが、ひらがな用の文字データM(i,j)としてCPU7に認識される。そして、、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれに対応する音データS(N)が、CPU7に認識される。具体的には、複数のひらがなそれぞれのコード番号Nに対応する音データS(N)が、CPU7に認識される。
【0139】
そして、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれに対応する位置データが、CPU7に認識される。たとえば、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれに対応するマトリックス形式の位置データ(i,j)が、CPU7に認識される。
【0140】
具体的には、選手パスワードを構成する複数のひらがなの文字数がL文字である場合、1文字目のひらがなからL文字目のひらがなまでの各文字に対応する位置データ(i,j)が、CPU7に認識される。
【0141】
ここでは、1文字目のひらがなに対応する位置データが、(1,1)に設定されている。そして、図5に示すように、パスワード表示エリア21aの横方向のセル数がm個である場合、2文字目からm文字目までの位置データ(i,j)が、(2,1)から(m,1)までの値に設定される。そして、(m+1)文字目から(2m)文字目までの位置データ(i,j)が、(1,2)から(m,2)までの値に設定される。このように設定された、複数のひらがなそれぞれに対応する、パスワード表示エリア21aの各行のm個のセルそれぞれの位置を示す位置データ(i,j)が、CPU7に認識される。
【0142】
そして、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれが、位置データ(i,j)により規定された位置において、テレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれに対応するコード番号Nに基づいて、複数のひらがなそれぞれが、ひらがなの位置データ(i,j)により規定された位置において、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0143】
具体的には、選手パスワードを構成する複数のひらがなそれぞれに対応するコード番号Nをエンコードする処理をCPU7に実行させることにより、コード番号Nがひらがなに変換される。そして、変換されたひらがなが、ひらがなの位置データ(i,j)により規定された位置において、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0144】
なお、パスワード表示エリア21aにおいてひらがなが入力されていないセルには、空白文字(所定の文字)が表示されている。この場合には、空白文字に対応する文字データM(i,j)、すなわち空白文字に対応する文字コードのコード番号TNが、特殊文字用の文字データTM(i,j)(=M(i,j)=TN)としてCPU7に認識される(S206)。また、空白文字に対応する音データS(TN)、すなわち空白文字用のコード番号TNに対応する音データS(TN)が、特殊音データTS(TN)(=S(TN))としてCPU7に認識される(S207)。さらに、空白文字の表示位置を示す位置データ、すなわち空白文字の表示位置を示すマトリックス形式の位置データ(i,j)が、CPU7に認識される(S208)。
【0145】
このようにして、複数のひらがなから構成される選手パスワードが、ワード指示エリア21bから入力されると、図4に示すように、選手パスワードを構成するひらがながパスワード表示エリア21aに表示され、選手パスワードを構成するひらがな用の文字データM(i,j)、空白文字用の文字データTM(i,j)、ひらがな用の音データS(N)、空白文字用の音データTS(TN)、および位置データ(i,j)等がCPU7に認識される。
【0146】
続いて、発音を開始する発音開始位置を指示するための指示がコントローラ17から行われたか否かが、CPU7により判断される(S209)。たとえば、発音を開始する発音開始位置を指示するための入力信号がコントローラ17から入力されたか否かが、CPU7により判断される。そして、発音を開始する発音開始位置を指示するための入力信号がコントローラ17から入力された場合(S209でYes)、入力信号に対応する発音開始位置を示す位置データ(i_st,j_st)が、CPU7に認識される(S210)。
【0147】
一方で、発音を開始する発音開始位置を指示するための入力信号がコントローラ17から未入力である場合(S209でNo)、発音開始位置を示す所定の位置データが、CPU7に認識される(S211)。なお、発音開始位置が未指示である場合の所定の位置データは、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。ここでは、マトリックス形式の位置データ(1,1)が、発音開始位置が未指示である場合の所定の位置データとして設定されている。
【0148】
続いて、発音速度を設定するための指示がコントローラ17から行われたか否かが、CPU7により判断される(S212)。たとえば、発音速度を設定するための入力信号がコントローラ17から入力されたか否かが、CPU7により判断される。そして、発音速度を設定するための入力信号がコントローラ17から入力された場合(S212でYes)、図6に示すような発音速度を設定するための速度設定メータが、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、この速度設定メータにおいてプレイヤの所望するレベルの速度が選択されると、選択されたレベルの発音速度が、CPU7に認識される(S213)。
【0149】
なお、この速度設定メータでは、レベル1からレベル5までの5段階の速度が設定できるようになっている。具体的には、レベル1からレベル5までの5段階の速度は、音データS(N)をスピーカ13から出力するときの時間間隔DTに基づいて設定されている。ここでは、音データS(N)をスピーカ13から出力するときの時間間隔DTが、たとえば、0.50秒(レベル1)、0.75秒(レベル2)、1.00秒(レベル3)、1.25秒(レベル4)、および1.50秒(レベル5)の5段階に設定できるようになっている。このため、速度設定メータにおいてプレイヤの所望するレベルの速度が選択されると、選択されたレベルの発音速度に対応する時間間隔DTが、CPU7に認識される。
【0150】
一方で、発音速度を指示するための指示がコントローラ17により実行されなかった場合、所定のレベルの発音速度すなわち所定の時間間隔DTが、CPU7に認識される(S214)。ここでは、レベル3の発音速度に対応する時間間隔DTすなわち1.00秒が、所定の時間間隔DTに設定されている。
【0151】
続いて、音質を変更するための指示がコントローラ17から行われたか否かが、CPU7により判断される(S215)。たとえば、音質を変更するための入力信号がコントローラ17から入力されたか否かが、CPU7により判断される。そして、音質を変更するための入力信号がコントローラ17から入力された場合(S215でYes)、図7に示すような音質リストが、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、この音質リストにおいてプレイヤの所望する音質が選択されると、選択された音質の音データS’(N)が、CPU7に再認識される(S216)。
【0152】
一方で、音質を変更するための指示がコントローラ17により実行されなかった場合、ステップ203(S203)でCPU7に認識された音データS(N)が、発音用の音データS(N)として用いられる。
【0153】
ここでは、音質を変更するための指示が行われた場合(S215でYes)、パスワード表示エリア21aに表示された全てのひらがなの音データS(N)が、選択された音質の音データS’(N)に変更されるようになっている。しかしながら、たとえば、パスワード表示エリア21aに表示された一部のひらがなを選択した状態において、この処理をCPU7に実行させることにより、パスワード表示エリア21aに表示された全てのひらがなのうちの一部のひらがなだけを、異なる音質に変更することも可能である。
【0154】
続いて、発音する経路(発音経路)を設定するための指示がコントローラ17から行われたか否かが、CPU7により判断される(S217)。たとえば、発音経路を設定するための入力信号がコントローラ17から入力されたか否かが、CPU7により判断される。そして、発音経路を設定するための入力信号がコントローラ17から入力された場合(S217でYes)、図8に示すような発音経路リストが、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、この発音経路リストにおいてプレイヤの所望する経路が選択されると、発音経路すなわち発音経路設定命令が、CPU7に認識される(S218)。すると、発音経路に位置するひらがなの位置データがCPU7に認識される(S219)。
【0155】
ここでは、発音経路リストにおいて、パターン1からパターン8までの発音経路が、用意されており選択可能になっている。
【0156】
具体的には、パターン1は、パスワード表示エリア21aにおいて、第1行目から第n行目までを左から右へと順次発音するパターンである。パターン2は、パスワード表示エリア21aにおいて、第n行目から第1行目までを左から右へと順次発音するパターンである。パターン3は、パスワード表示エリア21aにおいて、第1行目から第n行目までを右から左へと順次発音するパターンである。パターン4は、パスワード表示エリア21aにおいて、第n行目から第1行目までを右から左へと順次発音するパターンである。
【0157】
また、具体的には、パターン5は、パスワード表示エリア21aにおいて、第1列目から第m列目までを上から下へと順次発音するパターンである。パターン6は、パスワード表示エリア21aにおいて、第m列目から第1列目までを上から下へと順次発音するパターンである。パターン7は、パスワード表示エリア21aにおいて、第1列目から第m列目までを下から上へと順次発音するパターンである。パターン8は、パスワード表示エリア21aにおいて、第m列目から第1列目までを下から上へと順次発音するパターンである。
【0158】
一方で、発音経路を設定するための指示がコントローラ17により実行されなかった場合(S217でNo)、所定の発音経路に位置するひらがなの位置データが、CPU7に認識される(S220)。ここでは、図8に示した発音経路リストのうちの左上の発音経路、すなわちパターン1の発音経路が、所定の発音経路に設定されており、この発音経路に位置するひらがなの位置データがCPU7に認識される(S221)。
【0159】
続いて、選手パスワードを構成する複数のひらがなの発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データが、CPU7に認識される(S222)。たとえば、選手パスワードを構成する複数のひらがなの発音を終了する発音終了位置を規定するための、発音終了用のマトリックス形式の位置データ(i,j)が、CPU7に認識される。
【0160】
ここでは、複数のひらがなの発音を終了する発音終了位置は、選択された発音経路に応じて異なる位置に設定される。たとえば、以下に示すように、選択された発音経路に対応する発音終了用の位置データ(i,j)が、CPU7に認識される。
【0161】
具体的には、選手パスワードを構成する複数のひらがなのうちの最後のひらがなの位置を示す位置データが(i_fn,j_fn)である場合、パターン1の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(i_fn,j_fn)となる。たとえば、図4では(18,8)となる(図4の「ず」)。また、パターン2の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(m,1)となる。たとえば、図4では(18,1)となる(図4の「ほ」)。また、パターン3の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(1,j_fn)となる。たとえば、図4では(1,8)となる(図4の「た」)。また、パターン4の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(1,1)となる。たとえば、図4では(1,1)となる(図4の「さ」)。
【0162】
同様に、パターン5の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(m,j_fn)又は(m,j_fn−1)となる。たとえば、図4では(18,8)となる(図4の「ず」)。また、パターン6の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(1,j_fn)となる。たとえば、図4では(1,8)となる(図4の「た」)。また、パターン7の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(m,1)となる。たとえば、図4では(18,1)となる(図4の「ほ」)。また、パターン8の発音経路では、発音終了位置を示す発音終了用の位置データは、(1,1)となる。たとえば、図4では(1,1)となる(図4の「さ」)。
【0163】
続いて、発音を開始するための指示がコントローラ17から行われたか否かが、CPU7により判断される(S223)。たとえば、発音開始を指示するための入力信号がコントローラ17から入力されたか否かが、CPU7により判断される。そして、発音開始を指示するための入力信号がコントローラ17から入力された場合(S223でYes)、発音開始位置に表示された文字(ひらがな又は空白文字)を起点として、空白文字を含む複数のひらがなの音が、ひらがな用の文字データM(i,j)に対応する音データS(N)、および特殊文字用の文字データTM(i,j)に対応する特殊音データS(TN)の少なくともいずれか一方のデータに基づいて、スピーカ13から出力される(S224)。
【0164】
たとえば、発音の開始を指示するための入力信号がコントローラ17から入力された場合、パスワード表示エリア21aの発音開始位置に表示された文字(ひらがな又は空白文字)を起点として、発音経路に位置する、空白文字を含む複数のひらがなの音が、ひらがな用の文字データM(i,j)に対応する音データS(N)、および特殊文字用の文字データTM(i,j)に対応する特殊音データS(TN)の少なくともいずれか一方のデータに基づいて、スピーカ13から出力される。なお、このときには、上述した設定済みの音質および発音速度で、音がスピーカ13から出力される。
【0165】
具体的には、発音の開始を指示するための入力信号がコントローラ17から入力された場合、CPU7に認識された発音経路に位置する文字(ひらがな又は空白文字)の位置データに基づいて、発音開始位置の文字(ひらがな又は空白文字)を含む、発音経路に位置する空白文字および複数のひらがなのいずれか一方の音が、ひらがな用の音データS(N)、および特殊文字用の特殊音データS(TN)の少なくともいずれか一方のデータに基づいて、スピーカ13から出力される。
【0166】
より具体的には、発音開始位置を示す位置データ(i_st,j_st)が(1,1)であり発音経路がパターン1である場合、図4を参照すると、第1行目から第n行目までの各行の文字(ひらがな)の音が、左から右へと順にスピーカ13から連続的に発音される。なお、この場合は、発音終了用の位置データ(m,1)は、(18,8)となる(図4では「ず」に対応)。また、この場合は、発音経路に空白文字が含まれていないので、空白文字は発音されない。
【0167】
また、発音開始位置を示す位置データ(i_st,j_st)が(1,9)であり発音経路がパターン7である場合、図4を参照すると、まず、空白文字に対応する音が、空白文字用の文字データM(1,9)(=TM(1,9)=TN)に対応する音データS(TN)(=TS(TN))に基づいて、スピーカ13から出力される。そして、(1,8)から(1,1)までのひらがなに対応する音が、ひらがな用の文字データM(1,8)〜M(1,1)に対応する音データS(N)に基づいて、スピーカ13から連続的に出力される。同様に、第2列目から第18列目までの各列の文字(ひらがな又は空白文字)の音が、下から上へと順にスピーカ13から連続的に発音される。なお、この場合は、発音終了用の位置データ(m,1)は、(18,1)となる(図4では「ほ」に対応)。
【0168】
このように、ひらがなに対応する音だけでなく空白文字に対応する音をも発音できるようにしたことで、様々な発音経路で選手パスワードが発音されても、プレイヤは、選手パスワードと空白文字とを識別しながら、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを確実に把握することができる。
【0169】
続いて、パスワード表示エリア21aに表示されたひらがな(空白文字を含む)が発音されると(S224)、発音された文字の背景画像を変更する処理が、CPU7により実行される(S225)。たとえば、ひらがなの背景画像が白色である場合を一例として説明を行うと、あるひらがなが発音されたときに、発音されたひらがなの背景画像を白色から赤色へと変更する処理が、CPU7により実行される。これにより、プレイヤは、パスワード表示エリア21aを見たときに、発音済みのひらがなを、パスワード表示エリア21aにおいて確認することができる。
【0170】
また、パスワード表示エリア21aに表示された複数のひらがな(空白文字を含む)の音が発音されているときには、所定数のひらがなが発音されたか否かが、CPU7により判断されている(S226)。ここでは、3p個の文字が発音されたか否か、たとえば3p個の音データS(N)がスピーカ13から出力されたか否かが、CPU7により判断される。ここでpは自然数である。
【0171】
具体的には、発音開始位置に表示されたひらがなが発音されると、発音数を示すパラメータkに「1」を加算する処理が行われる。ここで、発音開始位置に表示されたひらがなが発音される前のパラメータkには、初期値として「0」が割り当てられている。そして、発音開始位置に表示されたひらがなを含む発音経路に位置するひらがなが、1つ発音されるごとに、パラメータkを1づつインクリメントする処理が、CPU7により実行される。このパラメータkの値は1文字が発音されるごとにCPU7に参照され、このパラメータkの値が「3p」に等しいか否かが、CPU7により判断される。
【0172】
そして、所定数の文字が発音されたとCPU7により判断された場合(S226でYes)、第1報知音が、RAM12に格納された第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力される(S227)。たとえば、3p個(3個、6個、9個、・・・)の音データS(N),S(TN)がスピーカ13から出力されたとCPU7により判断された場合に、第1報知音が、RAM12に格納された第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。具体的には、発音数を示すパラメータkの値が「3p」に等しくなった場合ごとに、第1報知音が、RAM12に格納された第1報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。
【0173】
続いて、上述した発音終了用の位置データにより規定される発音終了位置の文字が発音されたか否かが、CPU7により判断される(S228)。ここでは、たとえば、発音終了位置の文字データに対応する音データS(N)がスピーカ13から出力されたか否かが、CPU7により判断される。
【0174】
そして、発音終了位置の文字が発音されたとCPU7により判断された場合(S228でYes)、第2報知音が、RAM12に格納された第2報知音データに基づいてスピーカ13から出力される(S229)。たとえば、発音終了位置の文字に対応する音データS(N)がスピーカ13から出力されたとCPU7により判断された場合に、第2報知音が、RAM12に格納された第2報知音データに基づいてスピーカ13から出力される。
【0175】
続いて、選手パスワードの入力を終了するための指示がコントローラ17から行われたか否かが、CPU7により判断される(S230)。たとえば、選手パスワードの入力を終了するための入力信号がコントローラ17から入力されたか否かが、CPU7により判断される。そして、選手パスワードの入力を終了するための入力信号がコントローラ17から入力された場合(S230でYes)、選手パスワードがRAM12に格納される(S231)。一方で、選手パスワードの入力を終了するための入力信号がコントローラ17から未入力である場合(S230でNo)、ステップ201(S201)以降の処理を再実行できるようにCPU7が待機した状態になっている。
【0176】
上記のように、本実施形態では、プレイヤは、テレビジョンモニタ20を見なくても、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワード(複数のひらがな)および空白文字を、音で確認することができる。これにより、プレイヤは、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを、容易かつ間違いなく取得することができる。また、プレイヤは、選手パスワードを手元の紙等のような記録媒体からゲーム装置に誤入力したときの選手パスワードの誤った部分や、選手パスワードをテレビジョンモニタ20を見ながら手元の記録媒体に誤って書き取ってしまったときの選手パスワードの誤った部分等を、音を聞きながら容易に見つけ出すことができる。
【0177】
また、本実施形態では、プレイヤは、自分が所望する発音開始位置を制御部に認識させることにより、任意の位置から選手パスワードを音で確認することができる。これにより、プレイヤは、音を聞きながら、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを部分的に書き取ったり、選手パスワードの誤記部分を部分的に照合したりすることができる。また、プレイヤは、選手パスワードの誤記部分の照合を様々な経路で行うことができ、選手パスワードの誤記部分を容易に見つけ出すことができる。
【0178】
また、本実施形態では、プレイヤは、自分が聞き取りやすい発音速度で選手パスワードを発音させることができる。これにより、プレイヤは、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを容易に書き取ったり、選手パスワードの誤記部分を容易に見つけ出したりすることができる。また、プレイヤは、自分が聞き取りやすい音質で選手パスワードを発音させることができる。これにより、プレイヤは、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを快適に書き取ったり、選手パスワードの誤記部分の照合を快適に行ったりすることができる。
【0179】
また、本実施形態では、プレイヤは、第1報知音により、所定数の文字が発音されたことを知ることができる。これにより、プレイヤは、一度に記憶できる範囲内の文字数(所定数の文字)ごとに、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを断続的に書き取ったり、選手パスワードの誤記部分を照合したりすることができる。
【0180】
また、プレイヤは、第2報知音により、文字の発音が終了したことを知ることができる。これにより、プレイヤは、スムーズに次の作業に移ることができる。すなわち、プレイヤは、次の作業、たとえばテレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを音で再確認する作業や、選手パスワードの誤記部分を音を聞きながら容易に再照合する作業に、スムーズに移行することができる。
【0181】
最後に、プレイヤは、発音経路に空白文字等の所定の文字が含まれていても、空白文字等の所定の文字を特殊音で識別することができる。これにより、プレイヤは、空白文字等の所定の文字と、空白文字等の所定の文字を除いた選手パスワードとを識別しながら、テレビジョンモニタ20に表示された選手パスワードを書き取ったり、選手パスワードの誤記部分を照合したりすることができる。
【0182】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。また、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、携帯型コンピュータ、携帯型ゲーム装置などにも同様に適用することができる。
【0183】
(b)本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ゲーム装置の機能ブロック図。
【図3】初期状態のパスワード入力画面。
【図4】選手パスワードの入力後のパスワード入力画面。
【図5】パスワード表示エリアを説明するための図。
【図6】速度設定メータを示す図。
【図7】音質リストを示す図。
【図8】発音経路リストを示す図。
【図9】野球ゲームの全体概要を示すフロー。
【図10A】野球ゲームにおけるパスワード読み上げシステムを示すフロー。
【図10B】野球ゲームにおけるパスワード読み上げシステムを示すフロー。
【図10C】野球ゲームにおけるパスワード読み上げシステムを示すフロー。
【符号の説明】
【0185】
1 制御部
2 記憶部
3 画像表示部
4 音出力部
5 操作入力部
7 CPU
12 RAM
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
23 通信部
50 文字データ認識手段
51 音データ認識手段
52 第1報知音データ認識手段
53 第2報知音データ認識手段
54 位置データ認識手段
55 文字表示手段
56 特殊文字認識手段
57 特殊音データ認識手段
58 特殊文字位置認識手段
59 発音開始位置認識手段
60 出力速度制御手段
61 異音データ認識手段
62 発音経路認識手段
63 発音終了位置認識手段
64 発音手段
65 発音数判断手段
66 第1報知音出力手段
67 発音終了判断手段
68 第2報知音出力手段
(i,j) 位置データ
S(N) ひらがな用の音データ
S(TN) 特殊文字用の音データ
M(i,j),N ひらがな用の文字データ
TM(i,j),TN 特殊文字用の文字データ
DT 発音速度に対応する時間間隔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部に表示された記号を発音可能なコンピュータに、
画像表示部に表示される複数の前記記号それぞれに対応する記号データを、制御部に認識させる記号データ認識機能と、
前記記号データに対応する音データを、制御部に認識させる音データ認識機能と、
前記記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データを、制御部に認識させる位置データ認識機能と、
前記記号データおよび前記位置データに基づいて、複数の前記記号それぞれを前記位置において画像表示部に表示する記号表示機能と、
前記記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、制御部に認識させる発音開始位置認識機能と、
前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、複数の前記記号の音を、前記記号データに対応する前記音データに基づいて音出力部から出力する発音機能と、
を実現させるための音処理プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記記号を発音するときの経路を規定するための発音経路設定命令を制御部に認識させることにより、前記発音経路に位置する前記位置データを制御部に認識させる発音経路認識機能、
をさらに実現させ、
前記発音機能では、前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、前記発音経路に位置する複数の前記記号の音が、前記記号データに対応する前記音データに基づいて音出力部から出力される、
請求項1に記載の音処理プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記記号データに対応する前記音データを音出力部から順次出力するときの発音速度を設定する処理を制御部に実行させる出力速度制御機能、
をさらに実現させ、
前記発音機能では、前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、複数の前記記号の音が、前記記号データに対応する前記音データに基づいて前記発音速度で音出力部から出力される、
請求項1又は2に記載の音処理プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記記号データに対応する、前記音データの音質とは異なる音質の音データを、制御部に認識させる異音データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記発音機能では、前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、複数の前記記号の音が、前記記号データに対応する、前記音データおよび前記音データの音質とは異なる音質の前記音データのいずれか一方の音データに基づいて、音出力部から出力される、
請求項1から3のいずれかに記載の音処理プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
所定数の前記記号を発音したことを報知するための第1報知音に対応する第1報知音データを、制御部に認識させる第1報知音データ認識機能と、
所定数の前記記号が発音されたか否かを制御部に判断させる発音数判断機能と、
所定数の前記記号が発音されたと制御部により判断された場合に、前記第1報知音を前記第1報知音データに基づいて音出力部から出力する第1報知音出力機能と、
をさらに実現させるための請求項1から4のいずれかに記載の音処理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記記号の発音を終了する発音終了位置を規定するための発音終了用の位置データを、制御部に認識させる発音終了位置認識機能と、
前記発音終了位置に位置する前記記号が発音されたことを報知するための第2報知音に対応する第2報知音データを、制御部に認識させる第2報知音データ認識機能と、
前記発音終了用の位置データにより規定される前記発音終了位置の記号が発音されたか否かを、制御部に判断させる発音終了判断機能と、
前記発音終了位置の記号が発音されたと制御部により判断された場合に、前記第2報知音を前記第2報知音データに基づいて音出力部から出力する第2報知音出力機能と、
をさらに実現させるための請求項1から5のいずれかに記載の音処理プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
画像表示部に表示された所定の前記記号に対応する前記記号データを、特殊記号用の記号データとして制御部に認識させる特殊記号認識機能と、
特殊記号用の前記記号データに対応する音データを、特殊音データとして制御部に認識させる特殊音データ認識機能と、
画像表示部に表示された所定の前記記号の位置を規定する位置データを、特殊記号用の位置データとして制御部に認識させる特殊記号位置認識機能と、
をさらに実現させ、
前記発音機能では、前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、所定の前記記号を含む複数の前記記号の音が、前記記号データに対応する前記音データおよび所定の前記記号データに対応する前記特殊音データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて音出力部から出力される、
請求項1から6のいずれかに記載の音処理プログラム。
【請求項8】
画像表示部に表示された記号を発音可能な音処理装置であって、
画像表示部に表示される複数の前記記号それぞれに対応する記号データを、制御部に認識させる記号データ認識手段と、
前記記号データに対応する音データを、制御部に認識させる音データ認識手段と、
前記記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データを、制御部に認識させる位置データ認識手段と、
前記記号データおよび前記位置データに基づいて、複数の前記記号それぞれを前記位置において画像表示部に表示する記号表示手段と、
前記記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、制御部に認識させる発音開始位置認識手段と、
前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、複数の前記記号の音を、前記記号データに対応する前記音データに基づいて音出力部から出力する発音手段と、
を備える音処理装置。
【請求項9】
画像表示部に表示された記号の発音をコンピュータにより制御する音制御方法であって、
画像表示部に表示される複数の前記記号それぞれに対応する記号データを、制御部に認識させる記号データ認識ステップと、
前記記号データに対応する音データを、制御部に認識させる音データ認識ステップと、
前記記号を画像表示部に表示する位置を規定するための位置データを、制御部に認識させる位置データ認識ステップと、
前記記号データおよび前記位置データに基づいて、複数の前記記号それぞれを前記位置において画像表示部に表示する記号表示ステップと、
前記記号の発音を開始する発音開始位置を規定するための発音開始用の位置データを、制御部に認識させる発音開始位置認識ステップと、
前記発音開始位置に表示された前記記号を起点として、複数の前記記号の音を、前記記号データに対応する前記音データに基づいて音出力部から出力する発音ステップと、
を備える音制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公開番号】特開2009−66287(P2009−66287A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239576(P2007−239576)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】