説明

音声データ中継システム及び方法

【課題】運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が同一内容の複製パケットを受信できなかった場合にも、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が実行する音声処理の不一致を解消することができる音声データ中継システムを提供する。
【解決手段】
2つのゲートウェイ装置のうちの一方は、自身の音声処理用データを他方のゲートウェイ装置へ周期的に送信し、当該他方のゲートウェイ装置は、自身の音声処理用データを当該一方のゲートウェイ装置から転送された音声処理用データに一致させる音声データ中継システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話網と例えばIP(Internet Protocol)網等のパケット網との間で音声データを中継する音声データ中継システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話網とパケット網との間で音声データを中継する複数の例えばゲートウェイ装置等の中継装置からなる冗長構成のデータ中継システムが知られている。例えば特許文献1には、運用系と待機系の系切替に起因する通信の瞬断によって生じる通信品質の劣化を改善するための冗長化ゲートウェイシステムが開示されている。当該システムは、受信パケットを複製して得られた複製パケットを冗長系相互間で受け渡すことにより、同一内容のパケットを複数のゲートウェイ装置で受信し、各々に内蔵されているジッタバッファを同期して動作させると共に、音声処理のタイミングを同期させるものである。かかる構成によって、瞬断を回避し、音声品質の劣化を防ぐことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4308287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、受信パケットを複製して得られた複製パケットを冗長系間相互で受け渡す際にデータ誤りなどにより、冗長系ゲートウェイ装置の各々が同一内容のパケットを受信できなかった場合、それ以降の音声処理が冗長系間で完全に一致しなくなってしまうという問題点があった。
【0005】
図6は、従来の冗長化された音声データ中継システムにおける、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が受信する複製パケットと、音声処理状態の一致/不一致状態とを表すタイムチャートである。運用系のゲートウェイ装置におけるチャネル0についての複製パケット(ch0運用系受信)と、待機系のゲートウェイ装置におけるチャネル0についての複製パケット(ch0待機系受信)と、運用系と待機系各々のチャネル0についての音声処理状態の一致/不一致状態(ch0音声処理状態)とが示されている。横軸の時刻t0〜t12は、音声処理基準タイミングを示している。時刻t0〜t2及びt3〜t12においては、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置は同一内容のパケットを受信している(図中の○記号)。時刻t2〜t3においては、例えばノイズ等の外乱的要因によるパケットロスやビット誤りにより、運用系ゲートウェイ装置が受信した複製パケットの内容と待機系ゲートウェイ装置が受信した複製パケットの内容とは互いに異なっている(図中の□及び△記号)。
【0006】
時刻t2〜t3における複製パケットは、一時的にジッタバッファに蓄積され、時刻t5から音声処理が施されるので、時刻t5以降における運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が実行する音声処理は互いに異なったものになる。時刻t3〜t12においては、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置は同一内容のパケットを受信しているが、時刻t6以降も音声処理の不一致は解消しない。音声処理における例えばエコーキャンセラ処理が、過去に受信した複製パケットのデータ内容に基づいてなされるからである。
【0007】
このように、従来の音声データ中継システムにおいては、一度、複製パケットの内容が不一致となった場合、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が実行する音声処理の不一致が解消されないという問題点があった。
【0008】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置各々が同一内容の複製パケットを受信できなかった場合にも、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が実行する音声処理の不一致を解消することができる音声データ中継システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による音声データ中継システムは、パケット網から到来したパケットを複製して少なくとも2つの複製パケットを生成するパケット複製部と、前記複製パケットに含まれる音声データに対して各々が保持している音声処理用データに基づいて音声処理を施した後に前記音声データを時分割多重化してTDMデータを各々が生成する少なくとも2つのゲートウェイ装置と、前記ゲートウェイ装置の各々によって生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータ送信部と、を含む音声データ中継システムであって、前記ゲートウェイ装置の一方は、自身が保持している音声処理用データを他方のゲートウェイ装置へ周期的に送信する音声処理用データ送信手段を含み、前記他方のゲートウェイ装置は、自身が保持している音声処理用データを、前記一方のゲートウェイ装置から転送された音声処理用データに一致させる音声処理用データ更新手段を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明による音声データ中継システムは、パケット網から到来したパケットを複製して少なくとも2つの複製パケットを生成するパケット複製部と、前記複製パケットに含まれる音声データに対して各々が保持している音声処理用データに基づいて音声処理を施した後に前記音声データを時分割多重化してTDMデータを各々が生成する少なくとも2つのゲートウェイ装置と、前記ゲートウェイ装置の各々によって生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータ送信部と、を含む音声データ中継システムであって、前記ゲートウェイ装置の一方は、自身が保持しているTDMデータを複製して得られた複製TDMデータを他方のゲートウェイ装置へ順次送信する複製TDMデータ送信手段を含み、前記他方のゲートウェイ装置は、前記複製TDMデータ送信手段からの前記複製TDMデータと、自身が保持しているTDMデータとが一致するか否かを判別するTDMデータ判別手段と、前記TDMデータ判別手段によって不一致と判別された場合に自身が保持している音声処理用データを前記一方のゲートウェイ装置へ送信する音声処理用データ送信手段と、を含み、前記一方のゲートウェイ装置は、自身が保持している音声処理用データを、前記他方のゲートウェイ装置から転送された音声処理用データに一致させる音声処理用データ更新手段を更に含むことを特徴とする。
【0011】
本発明による音声データ中継方法は、パケット網から到来したパケットに含まれる音声データに対して少なくとも2つの音声処理用データに基づいて少なくとも2系統の音声処理を施した後に前記系統毎に前記音声データを時分割多重化して少なくとも2つのTDMデータを生成するTDMデータ生成ステップと、前記TDMデータ生成ステップにおいて生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータステップと、を含む音声データ中継方法であって、転送周期信号を生成する転送周期生成ステップと、前記転送周期信号に同期して前記音声処理用データの各々の内容を一致させる音声処理用データ更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるによる音声データ中継方法は、パケット網から到来したパケットに含まれる音声データに対して少なくとも2つの音声処理用データに基づいて少なくとも2系統の音声処理を施した後に前記系統毎に前記音声データを時分割多重化して少なくとも2つのTDMデータを生成するTDMデータ生成ステップと、前記TDMデータ生成ステップにおいて生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータ生成ステップと、を含む音声データ中継方法であって、転送周期信号を生成する転送周期生成ステップと、前記TDMデータ生成ステップにおいて生成されたTDMデータの各々が互いに一致するか否かを判別するTDMデータ判別ステップと、前記TDMデータ判別手段によって不一致と判別された場合に前記音声処理用データの各々の内容を一致させる音声処理用データ更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による音声データ中継システム及び方法によれば、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置各々が同一内容の複製パケットを受信できなかった場合にも、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が実行する音声処理の不一致を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施例の音声データ中継システムを電話網及びパケット網と共に表すブロック図である。
【図2】図1の音声処理部と音声処理情報更新部による音声処理及び音声処理用データ転送処理を表すタイムチャートである。
【図3】図1の音声処理部が受信した複製パケットと、音声処理状態の一致/不一致状態とを表すタイムチャートである。
【図4】第2の実施例の音声データ中継システムを電話網及びパケット網と共に表すブロック図である。
【図5】図4の音声処理部が受信した複製パケットと、音声処理状態の一致/不一致状態とを表すタイムチャートである。
【図6】従来の冗長化された音声データ中継システムにおける、運用系と待機系各々のゲートウェイ装置が受信する複製パケットと、音声処理状態の一致/不一致状態とを表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施例>
図1は本実施例の音声データ中継システム1を電話網70及びパケット網80と共に表すブロック図である。音声データ中継システム1は、運用系ゲートウェイ装置10と、待機系ゲートウェイ装置20と、を含むことによって冗長化された、電話網70とパケット網80との間で音声データを中継するシステムである。音声データ中継システム1は、パケットネットワークインターフェース部(以下、パケットI/F部と称する)30と、パケット複製選択部40と、TDM(Time Division Multiplex:時分割多重化)交換部50と、制御部60と、を更に含む。
【0017】
パケットI/F部30は、パケット網80から到来したパケットを受信して(以下、当該受信したパケットを受信パケットと称する)、受信パケットのヘッダに含まれる宛先アドレスに基づいて中継すべきパケットであると判別した場合には、これをパケット複製選択部40へ供給する。また、パケットI/F部30は、パケット複製選択部40から供給されたパケットをパケット網80へ送信する機能も有する。
【0018】
パケット複製選択部40は、パケットI/F部30から供給された受信パケットを複製して同一内容の複製パケットを生成し、そのうちの1つの複製パケットaを運用系ゲートウェイ装置10へ供給し、もう1つの複製パケットbを待機系ゲートウェイ装置20へ供給する。また、パケット複製選択部40は、運用系ゲートウェイ装置10及び待機系ゲートウェイ装置20の各々からパケットの供給を受け、制御部60によって指定された側の装置からのパケットを選択してパケットI/F部30へ供給する機能も有する。通常は、制御部60によって運用系ゲートウェイ装置10が指定されているので、パケット複製選択部40は、運用系ゲートウェイ装置10からのパケットを選択してこれをパケットI/F部30へ供給する。
【0019】
運用系ゲートウェイ装置10は、通常時に電話網70とパケット網80との間で音声データを中継する音声データ中継装置であり、パケット処理部11と、音声処理部12と、音声処理情報更新部13と、TDM処理部14と、転送周期生成部15と、を含む。
【0020】
パケット処理部11は、パケット複製選択部40から供給された複製パケットについて、各レイヤのヘッダ情報からパケットの正常性をチェックし、正常な複製パケットのみを音声処理部12へ供給する。また、パケット処理部11は、音声処理部12から供給されたパケットに、各レイヤのヘッダ情報を付加してパケット複製選択部40へ供給する機能も有する。
【0021】
音声処理部12は、パケット処理部11から供給された複製パケットに含まれる音声データに対して、自身が保持している音声処理情報に基づいて各種の音声処理を施してTDM処理部14へ供給する。音声処理は、例えば、パケット網80を介して到来したことによるパケットの時間的な揺らぎを吸収するジッタバッファ処理、エコー消去を行うエコーキャンセラ処理、受信パケットが欠落した場合の音声データを補償するパケットロス補償処理、音声データを時分割多重化してTDMデータを生成するTDM生成処理である。音声処理情報は、音声データに対して音声処理を施すための例えばエコーキャンセラ処理に用いるエコー係数などの各種データである。なお、音声処理情報を音声処理用データとも称する。音声処理部12は、この音声処理情報に基づいて複製パケットに音声処理を施す。また、音声処理部12は、TDM処理部14からのTDMデータすなわち音声データに対してもこれらの処理を施してパケット処理部11へ供給する機能も有する。
【0022】
音声処理情報更新部13は、転送周期生成部15から供給される転送周期信号d、及びTDM交換部50のタイミング信号生成部51から供給される音声処理同期化タイミング信号fに応じて、音声処理情報cを待機系ゲートウェイ装置20の音声処理情報更新部23へ周期的に転送する(以下、音声処理情報送信手段と称する)。音声処理情報は、例えばエコーキャンセラ処理に用いるエコー係数などの、音声データに対して施す音声処理に関する各種情報である。
【0023】
TDM処理部14は、音声処理部12とTDM交換部50との間のTDMフレームタイミングの位相合わせなどのタイミング調整を行う。TDM処理部14は、音声処理部12から出力されたTDMデータに対してタイミング調整を行い、当該タイミング調整後のTDMデータをTDM交換部50へ供給する。また、TDM処理部14は、TDM交換部50から供給されたTDMデータについても同様の処理を施し、これを音声処理部12へ供給する機能も有する。
【0024】
転送周期生成部15は、TDM交換部50のタイミング信号生成部51から供給される転送処理同期化タイミング信号gに同期させた所定周期の転送周期信号dを生成して、これを音声処理部12の音声処理情報更新部13へ供給する。
【0025】
待機系ゲートウェイ装置20も運用系ゲートウェイ装置10と同じ構成である。待機系ゲートウェイ装置20の音声処理情報更新部23は、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理情報更新部13から例えばエコー係数などの音声処理情報を周期的に受信し、転送周期信号dに同期して、音声処理部22の音声処理情報を、音声処理情報更新部13から転送された音声処理情報に更新する。なお、音声処理情報更新部23は、音声処理情報更新部13の音声処理情報と、音声処理部22が有している音声処理情報とを比較して、これらの内容が互いに異なると判別した場合に、転送周期信号dに同期して、音声処理部22の音声処理情報を、音声処理情報更新部13から転送された音声処理情報に更新するようにしても良い(以下、音声処理情報更新手段と称する)。
【0026】
このように音声処理情報を共通させることにより、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理部12における音声処理と、待機系ゲートウェイ装置20の音声処理部22における音声処理とを一致させることができる。これにより、音声処理部12が音声処理を施して得られた音声データと、音声処理部22が音声処理を施して得られた音声データとが一致するので、運用系ゲートウェイ装置10と待機系ゲートウェイ装置20とを切替えた場合にも、瞬断が生じず、音声品質の劣化を防ぐことができる。
【0027】
TDM交換部50(TDMデータ送受信部)は、運用系ゲートウェイ装置10及び待機系ゲートウェイ装置20の各々から供給されたTDMデータのうちの一方のTDMデータを電話網70へ送信する。通常、TDM交換部50は、制御部60からの選択指示に応じて、運用系ゲートウェイ装置10から供給されたTDMデータを選択してこれを電話網70へ送信する。また、TDM交換部50は、電話網70から到来したTDMデータを運用系ゲートウェイ装置10及び待機系ゲートウェイ装置20へ供給する。
【0028】
タイミング信号生成部51は、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理部12における音声処理と、待機系ゲートウェイ装置20の音声処理部22における音声処理とを同期させるための音声処理同期化タイミング信号fを生成し、これを音声処理部12及び22に供給する。また、タイミング信号生成部51は、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理情報更新部13における音声処理情報の転送周期と、運用系ゲートウェイ装置20の音声処理情報更新部23における音声処理情報の転送周期とを同期させるための転送処理同期化タイミング信号gを生成し、これを音声処理情報更新部13及び23に供給する。
【0029】
制御部60は、運用系ゲートウェイ装置10、待機系ゲートウェイ装置20、パケットI/F部30、パケット複製選択部40及びTDM交換部50の動作を制御する例えばマイクロプロセッサにより構成される処理装置である。制御部60は、運用系ゲートウェイ装置10の動作正常性を監視し、異常が発生したと判別した場合には、中継対象とする音声データを運用系ゲートウェイ装置10から待機系ゲートウェイ装置20へ切り替える。
【0030】
図2は、運用系ゲートウェイ装置10及び待機系ゲートウェイ装置20における音声処理チャネル数を8チャネルとした場合の、音声処理部12及び22と音声処理情報更新部13及び23による音声処理及び音声処理用データ転送処理を表すタイムチャートである。横軸が時間を表す。
【0031】
音声処理同期化タイミング信号fは、タイミング信号生成部51から音声処理部12及び22へ供給される信号であり、所定の単位時間毎にパルスが存在する信号である。当該パルスによって区切られる時刻t0〜t1、t1〜t2、・・・、t9〜t10の各々の期間を音声処理単位時間と称する。
【0032】
転送周期信号d及びeは、転送周期生成部15から音声処理情報更新部13へ、転送周期生成部25から音声処理部22へそれぞれ供給される信号であり、8つの音声処理単位時間(例えばt0〜t8の期間)毎にパルスが存在する信号である。8つの音声処理単位時間としたのは、チャネル数が8つであることに対応させたものである。
【0033】
「音声処理部動作」は、音声処理部12及び22における音声処理、及び音声処理情報更新部13及び23における音声処理用データ転送処理を時系列的に表している。音声処理部12及び22の各々は、各音声処理単位時間内の所定期間(図2の「音声処理期間」)において、チャネル0〜7についての音声処理を行っている(図2の「ch0〜7音声処理」)。また、音声処理情報更新部13は、各音声処理単位時間内の一部期間(図2の「0ch音声処理情報転送期間」等)において、0〜7のチャネルのうちの1つのチャネルについての音声処理情報を周期的に音声処理情報更新部23へ転送する。詳細には、音声処理情報更新部13は、音声処理単位時間t0〜t1の一部期間においてチャネル0についての音声処理情報を音声処理情報更新部23へ転送する。次に、音声処理情報更新部13は、音声処理単位時間t1〜t2の一部期間においてチャネル1についての音声処理情報を音声処理情報更新部23へ転送する。このように、音声処理情報更新部13は、転送対象のチャネルを順次変更しながら、音声処理情報を転送する。音声処理情報更新部13は、音声処理単位時間t7〜t8の一部期間においてチャネル7についての音声処理情報を音声処理情報更新部23へ転送し、これにより、チャネル0〜7までの音声処理情報が音声処理情報更新部23へ順次転送されたこととなる。音声処理情報更新部13は、音声処理単位時間t8〜t9以降についても同様にチャネル0〜7までの音声処理情報を音声処理情報更新部23へ順次転送する。これにより、各チャネルの音声処理情報が周期的に音声処理情報更新部23へ転送される。
【0034】
音声処理情報更新部23は、音声処理部22の音声処理情報を音声処理情報更新部13から転送された音声処理情報に更新する。これにより、音声処理部12における音声処理と、音声処理部22における音声処理とを一致させることができ、音声処理部12が音声処理を施して得られた音声データと、音声処理部22が音声処理を施して得られた音声データとが一致する。なお、音声処理情報更新部23は、音声処理情報更新部13から転送されたチャネルについての音声処理情報と、音声処理部22が有している当該チャネルについての音声処理情報とを順次比較し、これらの内容が互いに異なると判別した場合に、音声処理部22の音声処理情報を音声処理情報更新部13から転送された音声処理情報に更新するようにしても良い。
【0035】
図3は、音声処理部12及び22における複製パケットの受信状態と、音声処理状態の一致/不一致状態とを表すタイムチャートである。横軸が時間を表す。以下、音運用系ゲートウェイ装置10及び待機系ゲートウェイ装置20が、チャネル0〜7の計8チャネルを扱う場合について説明する。
【0036】
「ch0運用系受信」は、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理部12が受信したチャネル0についての音声データを含む複製パケットの受信状態を記号○及び□で表している。記号○は、音声処理部12が受信したパケットの内容と、待機系ゲートウェイ装置20の音声処理部22が受信したパケットの内容とが同一であることを表し、記号□は、これら両パケットの内容が不一致であることを表している。
【0037】
「ch0待機系受信」は、待機系ゲートウェイ装置20の音声処理部22が受信したチャネル0についての音声データを含む複製パケットの受信状態を記号○及び△で表している。記号○は、音声処理部22が受信したパケットの内容と、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理部12が受信したパケットの内容とが同一であることを表し、記号△は、これら両パケットの内容が不一致であることを表している。
【0038】
時刻t0〜t1、t1〜t2、・・・、t9〜t10の各々の期間は、図2に示される音声処理単位時間と同じものである。ここでは、音声処理単位時間t2〜t3の期間に受信した複製パケットの内容のみが音声処理部12と音声処理部22とで不一致である。当該不一致は、パケット複製選択部40とパケット処理部11との間のパケット供給経路(図2のa)、又はパケット複製選択部40とパケット処理部21との間のパケット供給経路(図2のb)において、例えばノイズ等の単発的な外乱要因によりパケットの内容が異なることによって生じる。
【0039】
「音声処理部動作」は、音声処理部12及び22における音声処理、及び音声処理情報更新部13及び23における音声処理用データ転送処理を時系列的に表したものであり、図2に示される「音声処理部動作」と同じものである。音声処理部12及び22の各々は、各音声処理単位時間内の所定期間において、チャネル0〜7についての音声処理を行っている(図3の「ch0〜7音声処理」)。また、各音声処理単位時間内の一部期間(図3の網掛け部分(ch0、ch1、・・・)の期間)において、音声処理情報更新部13は、0〜7のチャネルのうちの1つのチャネルについての音声処理情報を周期的に音声処理情報更新部23へ転送し、音声処理情報更新部23は当該転送された音声処理情報を周期的に受信する。
【0040】
「音声処理情報更新状況」は、音声処理情報更新部23が、音声処理情報更新部13から転送された音声処理情報に基づいて各チャネルについての音声処理情報を更新するタイミングを示している。音声処理情報更新部23は、音声処理情報更新部13から音声処理情報を受信したときに、音声処理部22の音声処理情報を、音声処理情報更新部13からの音声処理情報に更新する。なお、音声処理情報更新部23は、音声処理情報更新部13から転送されたある1つのチャネルについての音声処理情報と、音声処理部22が有している当該チャネルについての音声処理情報とを比較して、これらの情報が互いに不一致である場合に、音声処理部22が有している当該チャネルについての音声処理情報を、音声処理情報更新部13から転送された当該チャネルについての音声処理情報に更新するようにしても良い。
【0041】
音声処理部22は、音声処理部12から音声処理情報が転送された直後に当該更新を行う。例えば時刻t1にチャネル0、時刻t2にチャネル1、・・・、時刻t8にチャネル7についての音声処理情報を更新する。時刻t09以降も、音声処理部22は、同様の処理を行う。
【0042】
「ch0音声処理状態」は、音声処理部22におけるチャネル0についての音声処理と、音声処理部12におけるチャネル0についての音声処理とが一致しているか否かを表す。音声処理部12が受信した複製パケットに含まれる音声データは、音声処理部12が備えるジッタバッファ(図示せず)に一時的に蓄積され、所定時間の経過後に音声処理部12によって音声処理が施される。音声処理単位時間t2〜t3の期間に受信した複製パケットの内容のみが運用系と待機系とで互いに異なるが、当該複製パケットはジッタバッファ(図示せず)に一時的に蓄積され(JB内滞留時間)、時刻t5から音声処理が施される。
【0043】
故に、時刻t0〜t5までは音声処理の内容が音声処理部12と音声処理部22と一致しており、時刻t5から音声処理の不一致状態が始まる。そして、この不一致状態は、チャネル0についての音声処理情報の更新が音声処理部22においてなされる時刻t9まで続く。これは、例えば音声処理におけるエコーキャンセラ処理が、過去に受信した複製パケットのデータ内容に基づいてなされるからである。その後、音声処理部22において時刻t9の時点でチャネル0についての音声処理情報が更新されるので、時刻t9以降においては、チャネル0についての音声処理部12の音声処理と音声処理部22の音声処理とが一致している。
【0044】
上記したように、本実施例の音声データ中継システム1は、運用系ゲートウェイ装置10から待機系ゲートウェイ装置20へ各チャネルの音声処理情報を周期的に転送する。待機系ゲートウェイ装置20においては、転送された音声処理情報と、自身が保持している音声処理情報とが一致するか否かを判断し、不一致であると判断した場合に、自身が保持している音声処理情報を当該転送された音声処理情報の内容に更新する。これにより、音声処理部12における音声処理と、音声処理部22における音声処理とを一致させることができる。故に、音声処理部12が音声処理を施して得られた音声データ及びそのTDMデータと、音声処理部22が音声処理を施して得られた音声データ及びそのTDMデータとが一致し、運用系ゲートウェイ装置10と待機系ゲートウェイ装置20とを切替えた場合にも、瞬断が生じず、音声品質の劣化を防ぐことができる。
【0045】
<第2の実施例>
図4は、本実施例の音声データ中継システム1を電話網70及びパケット網80と共に表すブロック図である。以下、第1の実施例と異なる部分について主に説明する。音声データ中継システム1は、転送周期生成部15及び25を含まず、TDM出力データ比較部16及び26を含む。
【0046】
待機系ゲートウェイ装置20のTDM出力データ比較部26は、音声処理部22から出力されたTDMデータの複製データh(以下、複製TDMデータと称する)を、運用系ゲートウェイ装置10のTDM出力データ比較部16へ順次転送する(以下、複製TDMデータ送信手段と称する)。TDM出力データ比較部16は、転送された複製TDMデータに含まれる各チャネルの音声データと、音声処理部16から出力されたTDMデータに含まれる各チャネルの音声データとが一致するか否かを判別する(以下、TDMデータ判別手段と称する)。
【0047】
運用系ゲートウェイ装置10が例えばチャネル0〜7の8つのチャネルを処理する場合、TDM出力データ比較部16は、チャネル0〜7の各チャネルについて音声データの一致/不一致を判別する。そして、TDM出力データ比較部16は、いずれかのチャネルについて音声データの不一致があった場合、当該不一致のあったチャネルについての音声処理情報を音声処理情報更新部23へ転送すべき旨の指示信号m(以下、転送指示信号と称する)を音声処理情報更新部13に対して与える(以下、転送指示手段と称する)。
【0048】
音声処理情報更新部13は、転送指示信号mに応じて、当該チャネルについての音声処理情報を待機系ゲートウェイ装置20の音声処理情報更新部23へ転送する(以下、音声処理情報送信手段と称する)。音声処理情報更新部23は、音声処理部22が有する音声処理情報を、当該転送された音声処理情報に更新する(以下、音声処理情報更新手段と称する)。これにより、音声処理部12における音声処理と、音声処理部22における音声処理とを一致させることができ、音声処理部12が音声処理を施して得られた音声データと、音声処理部22が音声処理を施して得られた音声データとが一致する。
【0049】
なお、運用系ゲートウェイ装置10のTDM出力データ比較部16、音声処理部12及び音声処理情報更新部13も、上記と同様の処理を行うことができる。
【0050】
図5は、音声処理部12及び22が受信した複製パケットと、音声処理状態の一致/不一致状態とを表すタイムチャートである。横軸が時間を表す。以下、運用系ゲートウェイ装置10及び待機系ゲートウェイ装置20が、チャネル0〜7の計8チャネルを扱う場合について説明する。
【0051】
「ch0運用系受信」は、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理部12が受信したチャネル0についての音声データを含む複製パケットの受信状態を記号○及び□で表している。「ch0待機系受信」は、待機系ゲートウェイ装置20の音声処理部22が受信したチャネル0についての音声データを含む複製パケットの受信状態を記号○及び△で表している。記号○は、運用系ゲートウェイ装置10の音声処理部12が受信したパケットの内容と、待機系ゲートウェイ装置20の音声処理部22が受信したパケットの内容とが同一であることを表し、記号□及び△は、これら両パケットの内容が不一致であることを表している。
【0052】
時刻t0〜t1、t1〜t2、・・・、t9〜t10の各々の期間は、図2に示される音声処理単位時間と同じものである。ここでは、第1の実施例と同様に、音声処理単位時間t2〜t3の期間に受信した複製パケットの内容のみが音声処理部12と音声処理部22とで不一致である。
【0053】
TDM出力データ比較部26は、TDM交換機50へTDMデータを出力するのと同じタイミングで複製TDMデータをTDM出力データ比較部16へ転送する。TDM処理部24がTDMデータを例えば8KHzでサンプリングしている場合には、TDM出力データ比較部26は、1フレーム(125μs)毎に各チャネルについて1サンプル(1Byte)の複製TDMデータをTDM出力データ比較部16へ転送する。TDM出力データ比較部16は、TDM出力データ比較部26から転送された複製TDMデータと、音声処理部12から供給されたTDMデータとを1サンプル毎に比較して、チャネル0〜7の各チャネルについてTDMデータの一致/不一致を判別する。
【0054】
音声処理部12が受信した複製パケットに含まれる音声データは、音声処理部12が備えるジッタバッファ(図示せず)に一時的に蓄積され、所定時間の経過後に音声処理部12によって音声処理が施される。音声処理単位時間t2〜t3の期間に受信した複製パケットの内容のみが運用系と待機系とで互いに異なるが、当該複製パケットはジッタバッファ(図示せず)に一時的に蓄積され(JB内滞留時間)、時刻t5から音声処理が施される。
【0055】
また、時刻t5において、TDM出力データ比較部26が当該複製TDMデータをTDM出力データ比較部16へ転送し、TDM出力データ比較部16がTDMデータの一致/不一致を判別する。ここでは、TDM出力データ比較部16が時刻t5においてチャネル0についてのTDMデータの不一致を検出する。その後、TDM出力データ比較部16は、チャネル0についての音声処理情報を音声処理情報更新部23へ転送すべき旨の転送指示信号を音声処理情報更新部13に対して与える。
【0056】
「音声処理部動作」は、音声処理部12及び22における音声処理及び音声処理用データ転送処理を時系列的に表したものである。音声処理部12及び22の各々は、各音声処理単位時間内の所定期間において、チャネル0〜7についての音声処理を行っている(図5の「ch0〜7音声処理」)。また、音声処理情報更新部13は、TDM出力データ比較部16から供給された転送指示信号に応じて、当該信号が示すチャネル(ここではチャネル0)についての音声処理情報を音声処理情報更新部23へ転送する(時刻t5〜t6の間の一部期間。図5の網掛け部分)。
【0057】
「音声処理情報更新状況」は、音声処理情報更新部23が、音声処理情報更新部13から転送されたある1つのチャネルについての音声処理情報に基づいて、当該チャネルについての音声処理情報を更新するタイミングを示している。音声処理情報更新部23は、ある1つのチャネル(ここではチャネル0)についての音声処理情報を音声処理情報更新部13から受信し、音声処理部22が有している当該チャネルについての音声処理情報を、当該受信した音声処理情報に更新する。音声処理部22は、音声処理情報更新部13から音声処理情報が転送された直後(ここでは時刻t6)に当該更新を行う。
【0058】
「ch0音声処理状態」は、音声処理部22におけるチャネル0についての音声処理と、音声処理部12におけるチャネル0についての音声処理とが一致しているか否かを表す。音声処理部22が受信した不一致の複製パケット(記号□及び△)に含まれる音声データは、音声処理部22が備えるジッタバッファ(図示せず)に所定時間(ここでは時刻t3〜t5)だけ蓄積され、時刻t5から音声処理部22によって音声処理が施される。故に、時刻t0〜t5までは音声処理の内容が音声処理部12と音声処理部22とで一致しており、時刻t5から音声処理の不一致状態が始まる。そして、この不一致状態は、チャネル0についての音声処理情報の更新が音声処理部22においてなされる時刻t6まで続く。その後、音声処理部22において時刻t6の時点でチャネル0についての音声処理情報が更新されるので、時刻t6以降においては、チャネル0についての音声処理部12の音声処理と音声処理部22の音声処理とが一致している。
【0059】
上記したように、本実施例の音声データ中継システム1は、待機系ゲートウェイ装置20から運用系ゲートウェイ装置10へ複製TDMデータを周期的に転送する。運用系ゲートウェイ装置10においては、転送された複製TDMデータと、自身が保持しているTDMデータとが一致するか否かを各チャネルについて判断し、不一致であると判断した場合に、自身が保持している当該不一致のチャネルについての音声処理情報を待機系ゲートウェイ装置20へ転送する。これにより、音声処理部12における音声処理と、音声処理部22における音声処理とを一致させることができる。故に、音声処理部12が音声処理を施して得られた音声データ及びそのTDMデータと、音声処理部22が音声処理を施して得られた音声データ及びそのTDMデータとが一致し、運用系ゲートウェイ装置10と待機系ゲートウェイ装置20とを切替えた場合にも、瞬断が生じず、音声品質の劣化を防ぐことができる。また、第1の実施例に比較して、音声処理情報の不一致期間を短縮できるという効果も奏する。
【0060】
第1及び第2の実施例ともに、運用系ゲートウェイ装置10から待機系ゲートウェイ装置20へ音声処理情報を転送する場合の例であるが、それぞれ音声処理情報を逆方向(待機系ゲートウェイ装置20から運用系ゲートウェイ装置10)に転送するようにしても良い。この場合にも上記した実施例と同様の処理がなされ、同様の効果を奏することができる。
【0061】
また、第1及び第2の実施例では、待機系ゲートウェイ装置が1つであるが、2以上の待機系ゲートウェイ装置がある場合でも同様の処理により、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 音声データ中継システム
10 運用系ゲートウェイ装置
20 待機系ゲートウェイ装置
11、21 パケット処理部
12、22 音声処理部
13、23 音声処理情報更新部
14、24 TDM処理部
15、25 転送周期生成部
16、26 TDM出力データ比較部
30 パケットネットワークインターフェース(I/F)部
40 パケット複製選択部
50 TDM交換部(TDMデータ送信部)
51 タイミング信号生成部
60 制御部
70 電話網
80 パケット網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット網から到来したパケットを複製して少なくとも2つの複製パケットを生成するパケット複製部と、
前記複製パケットに含まれる音声データに対して各々が保持している音声処理用データに基づいて音声処理を施した後に前記音声データを時分割多重化してTDMデータを各々が生成する少なくとも2つのゲートウェイ装置と、
前記ゲートウェイ装置の各々によって生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータ送信部と、を含む音声データ中継システムであって、
前記ゲートウェイ装置の一方は、自身が保持している音声処理用データを他方のゲートウェイ装置へ周期的に送信する音声処理用データ送信手段を含み、
前記他方のゲートウェイ装置は、自身が保持している音声処理用データを、前記一方のゲートウェイ装置から転送された音声処理用データに一致させる音声処理用データ更新手段を含むことを特徴とする音声データ中継システム。
【請求項2】
前記TDMデータは、複数のチャネルについての音声データを含み、
前記音声処理用データ送信手段は、前記複数のチャネルの各々についての前記音声処理用データを周期的に順次転送し、
前記音声処理用データ更新手段は、前記チャネル毎に音声処理用データを更新することを特徴とする請求項1に記載の音声データ中継システム。
【請求項3】
パケット網から到来したパケットを複製して少なくとも2つの複製パケットを生成するパケット複製部と、
前記複製パケットに含まれる音声データに対して各々が保持している音声処理用データに基づいて音声処理を施した後に前記音声データを時分割多重化してTDMデータを各々が生成する少なくとも2つのゲートウェイ装置と、
前記ゲートウェイ装置の各々によって生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータ送信部と、を含む音声データ中継システムであって、
前記ゲートウェイ装置の一方は、
自身が保持しているTDMデータを複製して得られた複製TDMデータを他方のゲートウェイ装置へ順次送信する複製TDMデータ送信手段を含み、
前記他方のゲートウェイ装置は、
前記複製TDMデータ送信手段からの前記複製TDMデータと、自身が保持しているTDMデータとが一致するか否かを判別するTDMデータ判別手段と、
前記TDMデータ判別手段によって不一致と判別された場合に自身が保持している音声処理用データを前記一方のゲートウェイ装置へ送信する音声処理用データ送信手段と、を含み、
前記一方のゲートウェイ装置は、自身が保持している音声処理用データを、前記他方のゲートウェイ装置から転送された音声処理用データに一致させる音声処理用データ更新手段を更に含むことを特徴とする音声データ中継システム。
【請求項4】
前記TDMデータは、複数のチャネルについての音声データを含み、
前記複製TDMデータ送信手段は、前記複数のチャネルについての前記音声処理用データを転送し、
前記TDMデータ判別手段は、前記チャネル毎に前記TDMデータの各々が互いに一致するか否かを判別し、
前記音声処理用データ送信手段は、前記TDMデータ判別手段によって不一致と判別されたチャネルについての自身が保持している音声処理用データを送信し、
前記音声処理用データ更新手段は、前記チャネル毎に音声処理用データを更新することを特徴とする請求項3に記載の音声データ中継システム。
【請求項5】
前記音声処理用データは、エコーキャンセラ処理におけるエコー係数を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の音声データ中継システム。
【請求項6】
パケット網から到来したパケットに含まれる音声データに対して少なくとも2つの音声処理用データに基づいて少なくとも2系統の音声処理を施した後に前記系統毎に前記音声データを時分割多重化して少なくとも2つのTDMデータを生成するTDMデータ生成ステップと、
前記TDMデータ生成ステップにおいて生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータステップと、を含む音声データ中継方法であって、
転送周期信号を生成する転送周期生成ステップと、
前記転送周期信号に同期して前記音声処理用データの各々の内容を一致させる音声処理用データ更新ステップと、を含むことを特徴とする音声データ中継方法。
【請求項7】
前記音声処理用データ更新ステップは、前記転送周期信号に同期して前記音声処理用データの各々が互いに一致するか否かを判別し、不一致と判別した場合に前記音声処理用データの各々の内容を一致させることを特徴とする請求項6に記載の音声データ中継方法。
【請求項8】
前記音声処理用データはチャネル毎のデータであることを特徴とする請求項6又は7に記載の音声データ中継方法。
【請求項9】
パケット網から到来したパケットに含まれる音声データに対して少なくとも2つの音声処理用データに基づいて少なくとも2系統の音声処理を施した後に前記系統毎に前記音声データを時分割多重化して少なくとも2つのTDMデータを生成するTDMデータ生成ステップと、
前記TDMデータ生成ステップにおいて生成されたTDMデータのうちの一方を電話網を介して送信するTDMデータ生成ステップと、を含む音声データ中継方法であって、
転送周期信号を生成する転送周期生成ステップと、
前記TDMデータ生成ステップにおいて生成されたTDMデータの各々が互いに一致するか否かを判別するTDMデータ判別ステップと、
前記TDMデータ判別手段によって不一致と判別された場合に前記音声処理用データの各々の内容を一致させる音声処理用データ更新ステップと、を含むことを特徴とする音声データ中継方法。
【請求項10】
前記TDMデータは複数のチャネルについてのデータからなることを特徴とする請求項9に記載の音声データ中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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