説明

音声処理装置

【課題】デジタル放送の受信電波の強度低下時に、受信オーディオフレーム単位でエンコード継続か、一時停止かを判断し、デコードエラーによるノイズ音声を除去した再エンコードを行うことを目的とする。
【解決手段】入力検出部2の電波強度検出により、デコード部4による予め決められたデコード再生が不可となる受信電波の強度閾値にいたる前に、オーディオデータ出力部6が、フレーミングされた単位でのデータ出力状態からデータ出力ポーズ状態に遷移させ、電波強度の低下期間中、同期状態を保ったまま、記録部20のエンコード状態を遷移させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送から受信された圧縮符号化された音声信号を元にして、再記録する音声処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮符号化されて記録されたビデオ信号およびオーディオ信号をCD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ、ハードディスク等の記録媒体から読み出し、デコード(伸張)して出力するデータ再生装置が知られている。データ再生装置が伸張されたデータを装置に接続された映像モニタ、音響スピーカ等に送ることにより、ビデオおよびオーディオの再生が実現される。デジタル放送もまた圧縮符号化されたビデオ信号およびオーディオ信号を受信し、記録媒体からの再生同様に、デコード出力することで再生を実現することができる。
【0003】
圧縮符号化に関しては、多くの規格が規定されている。例えばMPEG(MotionPicture Experts Group)は、ビデオ信号およびオーディオ信号
の両方を圧縮符号化する規格として知られている。
【0004】
以下従来のデジタル放送を受信し、再生するシステムや再生方法について説明する。なお、出願人は、特許文献1、及び特許文献2に開示されているデジタル放送システムを認識しており、本発明の課題を明確にするために、先行技術の内容を従来例として、簡単に説明する。
【0005】
まず特許文献1における従来のデジタル放送システムについて説明する。デジタル放送を配信する局側に、複数同じ内容を放送する設備を設け、デジタル放送受信機が、受信電波の強度の低下により、現在視聴中のデジタル放送をこれ以上視聴できなくなった場合、同じ番組を放送する系列局情報を元に、別のデジタル放送局を選局するものである。その結果、受信電波の強度が低下する前に視聴していた番組を、同じ系列の別放送局を選択し、受信できれば、前と同じ番組を継続して視聴することができる。
【0006】
次に特許文献2における従来のデジタル放送信号送出システムについて説明する。送信局から受信された第1の信号源からフレーム同期情報を抜き出し、このフレーム同期情報をもとにデコードを実施するとともに、このデコード信号を先のフレーム同期情報を元に、再エンコードして送出するものである。そして第1の信号源から第2の信号源に切り替えるときに、フレーム同期を再設定するためのリセット手段を設け、音声信号の無音期間に切り替えを実施するものである。これらの構成により、元信号のフレーム情報に同期した再エンコードが実施できるため、フレーム同期を行わない場合に比べ、フレーム位相が異なることが無いため、音質の劣化を抑えた再エンコード音声を作り出すことができる。
【特許文献1】特開2004−140690号公報(第4−8頁、第1図)
【特許文献2】特開2003−209712号公報(第3−6頁、第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行例である特許文献1のシステムでは、デジタル放送が、突然の豪雨やなんらかの電波障害により受信電波の強度が低下してきたときに、系列の放送にすみやかに切り替える手段をもつことにより、継続利用を可能とするものである。このデジタル放送を再生した音声を、DVDなどの記録メディアに記録するためには、受信したデータをそのままデータストリーム記録する場合と、受信したデータを元にして、再エンコードして記録する場合がある。
【0008】
放送番組の記録を前提とした場合、受信番組の受信電波の強度が低下した時には、電波が届きにくい場所や状態であると想定されることがある。そのような場合には、他の系列のデジタル放送の受信電波の強度も下がっている場合がある。このようなときには、系列局の同じ番組に切り替えて番組記録することができない。
【0009】
一般に、デジタル放送を番組記録する場合において、受信電波の強度が下がり続けると、デコードエラーによるノイズ音を発生する場合や、デコード音声が途切れ途切れに再生される場合などを経て、デコード再生が全くできなくなる状態に陥る。これらの再生音声をそのまま再エンコードすれば、受信電波の強度の低下時に記録した箇所は、音声ノイズだらけの聞き苦しい音声となってしまう。そこで再エンコード部並びに記録部が、受信電波の強度を感知し、低下時に記録を停止するなどの手段を講じれば、音声ノイズを記録することを防ぐことができる。しかし、留守録番組予約の場合、利用者の録画予約等の操作設定ミスにより番組記録が失敗したのか、機器個別の故障により番組記録を失敗したのか、受信電波の強度の低下により番組記録を停止したのかがわかりにくく、番組記録機器などの利用者からのクレーム処理に苦慮するものであった。
【0010】
また特許文献2は、放送局から受信された信号からフレーム同期情報を抜き出し、このフレーム同期情報をもとにデコードした音声を、フレーム同期情報を元に、再エンコードするものである。従って、再エンコードした音声は、元のデコード音声とフレーム単位での同期がとれているため、音質の劣化もなく再エンコード音声をつくりだすことができる。しかしながら、受信電波の強度が低下した場合、放送局から受信される信号の劣化により、デコードを継続することが困難になり、レベルが下がり続けると、デコードが不可状態となる。デコードができなければ、フレーム同期情報を抜き出すことはできない。
【0011】
このため移動中の車両内で、放送受信を妨害する障害物による受信電波の強度の低下が発生し、障害物を通過後に受信電波の強度が回復すれば(特許文献2の解釈では、第2の信号源が相当)、回復後の切り替えを行い、フレーム同期を再設定するためにリセット手段を設け、無音区間を経て、フレーム再確立が必要となる。レベル復帰時に記録を再開するために、音声のフレーム同期をとりなおす必要がある。そこで、復帰時の同期確立のために、フレーム同期をとりなおすため、音声無音区間が長く記録されてしまうことになる。特許文献2に対し、受信電波の強度の低下を考慮すれば、受信電波の強度の低下からの復帰ごとにフレーム同期をかけなおすことになり、無音区間が多い記録となってしまう。
【0012】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、受信電波の強度の低下を捉え、デコード再生が不可となる受信電波の強度にいたる前に、同期状態を保ったまま、オーディオフレーム単位で出力一時停止状態に遷移させる手段を提供することにより、記録中断からの再開の遷移をスムーズに切り替えるとともに、中断時のデータ処理記録を残す装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の本発明(請求項1に対応)による音声処理装置は、デジタル放送を受信するための電波強度検出手段と、受信オーディオデータを一時貯めるバッファ手段と、バッファされたオーディオデータをフレーミング単位で出力するデータ出力手段と、出力されたデータをエンコードするためのエンコード手段とを備え、電波強度検出手段により、受信電波の強度の低下を捉え、予め決められたデコード再生が不可となる受信電波の強度閾値にいたる前に、データ出力手段が、フレーミングされた単位でのデータ出力状態からデータ出力ポーズ状態に遷移させるとともに、エンコード手段が、データ出力の遷移状態を捉え、エンコード実行状態を遷移させることを特徴とするもので、電波強度が下がり始めたが、デコード不可能となる前までに、オーディオフレーム単位で受信オーディオデータ出力を停止させる手段を提供するものである。
【0014】
第2の本発明(請求項2に対応)による音声処理装置は、データ出力手段が、受信電波の強度が下がったときに、受信電波の強度が低下する前のフレーミング単位のオーディオデータを出力する単位時間毎に、データ出力ポーズ状態を示すデータ出力を行うことを特徴とするもので、同期状態を保ったまま、オーディオフレーム単位で出力一時停止状態に遷移させる手段を提供するものである。
【0015】
第3の本発明(請求項3に対応)による音声処理装置は、データ出力手段が、フレーミング単位のオーディオデータ、もしくはデータ出力ポーズ状態を示すデータに加え、電波強度情報を示すデータを出力することを特徴とするもので、エンコード手段側が電波強度情報を獲得できるため、エンコード記録として電波強度情報のログを残すことが可能となるほか、電波強度が再び上がってきた場合の情報もいち早く獲得することができるものである。
【0016】
第4の本発明(請求項4に対応)による音声処理装置は、エンコード手段が、データ出力の遷移状態を捉え、ポーズ状態を検知したときに、オーディオフレーミング単位で、無音を示すオーディオエンコードデータに差し替えることを特徴とするもので、受信電波の強度が低下してきたときのも、ノイズ音とすることなく、エンコード作業を続けることができるものである。
【0017】
第5の本発明(請求項5に対応)による音声処理装置は、エンコード手段が、データ出力の遷移状態を捉え、ポーズ状態を検知したときに、オーディオフレーミング単位で、オーディオエンコードを停止させることを特徴とするもので、受信電波の強度が低下してきたときには、オーディオデータ以外(たとえばビデオデータ等)のみをエンコードし続け、オーディオデータをエンコードしない装置を提供するものである。
【0018】
第6の本発明(請求項6に対応)による音声処理装置は、デジタル放送を受信するための電波強度検出手段と、受信オーディオデータを一時貯めるバッファ手段と、前記バッファ手段で貯められたオーディオデータをフレーミング単位でデコードするデコード手段と、
前記デコード手段でデコードされたオーディオデータを出力するデータ出力手段と、前記データ出力手段から出力されたオーディオデータを再入力するデータ再入力手段と、前記データ再入力手段から再入力されたオーディオデータをエンコードするためのエンコード手段とを備え、前記電波強度検出手段により、受信電波の強度の低下を捉え、所定の受信電波の強度閾値にいたる前に、前記データ出力手段が、フレーミングされた単位でデコードしたデコードデータ出力状態からデータ出力ポーズ状態に遷移させるとともに、前記データ出力手段が、前記電波強度情報を示すデータ並びにデコードエラー情報を出力することにより、前記エンコード手段が、再入力データの遷移状態を捉え、エンコード状態を遷移させることを特徴とするもので、デコードデータを出力している際において、電波強度が低下したことによるデコードエラーによる異音などが発生する前に、デコードされたオーディオデータ出力を出力ポーズに遷移させる手段を提供するものである。
【0019】
第7の本発明(請求項7に対応)による音声処理装置は、データ出力手段が、デコードされたオーディオデータ、もしくはデータ出力ポーズ状態を示すデータに加え、電波強度情報を示すデータ並びにデコードエラー情報を出力することを特徴とするもので、エンコード手段側が、電波強度情報に加えて、デコードエラー情報を獲得できるため、エンコード記録としてデコードエラー情報とのログを残すことが可能となるほか、電波強度が再び上昇してきた場合、デコードエラーがなくなってきた情報もいち早く獲得し、ポーズ状態からの解除を知らせることができるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の音声処理装置は、電波強度検出手段からの電波強度情報と、フレーミング単位での同期情報を保ちながら、オーディオフレーム単位でオーディオデータを再生及び停止する手段を有することにより、デジタル放送を受信記録するエンコード時に、受信電波の強度の低下を捉え、デコード再生が不可となる受信電波の強度にいたる前に、同期状態を保ったまま、オーディオフレーム単位で出力一時停止状態に遷移できるとともに、記録中断からの再開への遷移をスムーズに切り替えることができ、さらに、中断時のデータ処理記録を残す装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施の形態1)
はじめに、本発明の実施の形態1による音声処理装置の構成を示すブロック図である図1を主として参照しながら、本実施の形態1の構成について説明する。図1は、デジタル放送を受信する再生部10と、再生部10で受信されたデータを記録する記録部20から構成される音声処理装置を示している。
【0022】
再生部10とは、セットトップボックス(以下STBと略す)や、デジタル放送レコーダなどで衛星デジタル放送を受信する部位、パーソナルコンピュータ(以下PCと略す)のチューナ部位などであり、記録部20とは、受信されたデータをハードディスクや光ディスク、半導体メモリなどにエンコード記録する記録機器である。
【0023】
まず、信号処理の流れから説明する。アンテナ部1において、複数のデジタル放送局の送出する電波を受信し、入力検出部2が、アンテナ部1が受信した放送電波から利用者が選局したひとつの放送局を選ぶ復調部内で復調し、エラー訂正を行い、トランスポートストリームを出力する。トランスポートストリームは、入力検出部2内のトランスポートデコーダ部で、パケットID別に、映像、音声、番組情報など各々のデータにフィルタリングされ、一旦バッファ3に一時記録される。映像、音声のデータは、デコード部4でデコードされ、画像表示部(図示せず)や、音声出力部(図示せず)から出力される。番組情報などのその他のデータは、バッファ3から再生情報生成部5へ送られる。またデコード部4で発生したデコードエラーなどの情報についても再生情報再生部5へ送られる。入力検出部2は、天候の急変などで発生した視聴中の受信電波の強度の低下を検出し、復調部、トランスポートデコーダからのエラーレベルを、再生情報生成部5に送る。
【0024】
デコード部4でデコードしたオーディオデコードデータは、記録に有効なオーディオデータとして、オーディオデータ出力部6から出力される。さらに記録部20に、再生情報生成部5で生成された再生情報を再生情報出力部7が編集し、オーディオデータと共に出力される。
【0025】
記録部20は、再入力部12が、オーディオデータと再生情報を受け取り、エンコード部13が、再生情報から再生部10側の再生状況を知った上で、デコードされたオーディオデコードデータを元にオーディオエンコードを実行し、記録メディア等に記録する。
【0026】
入力検出部2に入力されるデジタルデータストリームは、デジタル放送等のMPEGなどの方式によるデジタル圧縮符号化されたオーディオ・ビデオ信号である。デジタル放送チューナ装置等からデータの供給を受け、多重化されて記録されているオーディオ・ビデオ信号を分離し、圧縮ビデオデータ及び圧縮オーディオデータの分離とビデオ再生時刻情報とオーディオ再生時刻情報を抽出する入力解析を行うものである。
【0027】
MPEGでは、ビデオおよびオーディオの同期再生を実現するために、ビデオとオーディオの各アクセスユニットと呼ばれるデコードの単位ごと(ビデオは1フレーム、オーディオは1オーディオフレーム)に、いつ再生すべきかの時刻を管理するためのタイムスタンプ値が付加されている。このタイムスタンプ値は、PTS(Presentation Time Stamp)と呼ばれ、オーディオ用はオーディオPTS(以下「APTS」と記述する)およびビデオ用はビデオPTS(以下「VPTS」と記述する)が規定されている。PTSが上述のシステム時刻基準STCに一致したときに、そのPTSが付加されたアクセスユニットが再生のために出力される。PTSの精度は、90kHzのクロックで計測した値であり、33ビット長で表されている。90kHzで計測する理由は、NTSC、PALの両方のビデオ方式のフレーム周波数の公倍数であることと、オーディオの1サンプル周期よりも高い精度を得るためである。
【0028】
図2は、オーディオデコードの詳細な機能ブロックの構成例を示す。 入力検出部2は、データストリームから、デジタル圧縮符号化されたオーディオおよびビデオデータを分離して抽出するとともに、オーディオパックに付加されたAPTSをオーディオ再生時刻情報として抽出するとともに、ビデオパックに付加されたVPTSをビデオ再生時刻情報として抽出する。バッファ3には、圧縮オーディオバッファ部31と、オーディオ再生時刻情報管理部32を有する。圧縮オーディオバッファ部31は、入力検出部2によって分離されたオーディオデータを格納することができる半導体メモリである。そのバッファサイズは、取り扱う符号化オーディオデータの圧縮率等によって異なり、例えば数キロバイトから数十キロバイト程度である。オーディオ再生時刻情報管理部32は、圧縮オーディオバッファ部31に格納されたオーディオデータとオーディオ再生時刻情報を関連づけるテーブルを生成し、管理する。
【0029】
オーディオデコード部41は、圧縮符号化されたオーディオデータの属性情報(オーディオヘッダ情報)を解析するとともに、圧縮オーディオバッファ部31に格納されているオーディオデータをAPTS情報に従ってデコードする。オーディオデコード部41にはPCM(Pulse Code Modulation)バッファ部42およびオーディオ出力部43が設けられている。PCMバッファ部42は、デコードしたオーディオデータを格納する。オーディオ出力部43は、外部へオーディオデータを出力する。このオーディオデータは、さらに記録部20に出力されるオーディオデータ出力部6に出力される。
【0030】
なお図7に示すように、デコードしたオーディオデータを、オーディオデータ出力部6へ出力するのではなく、バッファに蓄えられたストリーム形式のデータそのものをオーディオデータ出力部6へ出す場合がある。図1と図7の構成の差は、図1の場合はデコードされたオーディオデータをオーディオデータ出力部6に出力するが、図7の場合は、デコードされる前のストリーム形式のデータをそのままオーディオデータ出力部6に出力するものである。図7の場合は、例えば、オーディオ出力部43からドルビーデジタル方式等のエンコードデジタル信号方式であるストリームのままで出力する。このような場合、オーディオデコードデータを出力するのではなく、デコードと同時に、STCを参照し、APTSが一致もしくは超過した時点で、バッファ3から、ストリーム形式のオーディオデータを出力する。
【0031】
なお、オーディオデコード部41は、各々別々の半導体集積回路等とその制御用のプログラムにより実現することができる。しかし、それぞれの機能を実現できる限り、1つの半導体集積回路等とその制御用のプログラムによって実現してもよい。
【0032】
ビデオ信号においても、オーディオ信号と同様に扱われる。入力検出部2によって分離されたビデオデータを、圧縮ビデオバッファ部に一次格納し、ビデオ再生時刻情報管理部として、ビデオデータとビデオ再生時刻情報を関連づけたテーブルを生成し、管理する。
【0033】
ビデオデコード部は、圧縮符号化されたビデオデータの属性情報(ビデオヘッダ情報)を解析するとともに、圧縮ビデオバッファ部に格納されているビデオデータをビデオ再生時刻情報に従ってデコードする。ビデオデコード部にはフレームバッファ部およびビデオ出力部が設けられ、フレームバッファ部は、デコードしたビデオデータを格納し、ビデオ出力部は、ビデオデータを出力する。
【0034】
ビデオデータおよびオーディオデータのデコードタイミングおよび再生タイミングは、システム時刻基準参照部40によって実現される。システム時刻基準参照部40は、再生部10の内部においてシステム時刻基準STCを生成する。STCを生成するためには、BSデジタル放送で使用されるトランスポートストリーム(TS)のときは、PCR(Program Clock Reference:プログラム時刻基準参照値)を用い、 システム時刻基準参照部40は、ビデオデータの最終バイトの到着時に、PCRの値をシステム時刻基準STCと同じ値に設定する。これにより基準となる時刻を設定することができる。デコード部4は、STCがAPTSに一致したときにそのPTSが付加されていたアクセスユニットを出力し再生させる。PTSの周波数は90kHzであるから、この精度の範囲内で、STCとAPTSとの同期をとれるようにオーディオデータをデコードする。ビデオ信号についても、STCとVPTSとの同期がとれるようにビデオデータをデコードする。これにより、ビデオおよびオーディオの同期再生を実現できる。
【0035】
デジタル放送から受信したオーディオデータは、AAC(Advanced Audio Coding)符号化のような音声信号圧縮方式が使用されている。アナログベースバンド音声を、48KHzのサンプリング周波数でサンプリングし、2048サンプル毎にフレーミングを行い、MDCT(Modified Discreate Cosine Transform)変換、量子化符号化などの手法により音声圧縮されている。エンコード、デコードを繰り返すと、音声品質は徐々に劣化する。ただし、エンコード、デコードが同一のフレーム構成で行われる際には、同一フレーム構成で行われていない場合で、劣化が少ないことが知られており、受信したオーディオデータを再エンコードする場合は、できるだけ、デコードしたオーディオデータのフレーム単位で行う方がよい。
【0036】
図3及び、図5を用いて、受信電波の強度が低下してきたときの音声処理装置の動作を説明する。受信電波の強度が低下する前は、デコード部4にて、オーディオフレーム単位でデコードされたオーディオデータを準備し、オーディオデータ出力部6から出力されている。S401にて、受信電波の強度を測定し、S402にて、トランスポートデコードエラーやオーディオデコードが発生することのない規定値以上の電波の強度であるか判定する。規定値以上であれば、S403でパケットID別に分類されたオーディオデータを、バッファ3内に格納する。S404にて、そしてオーディオデータをデコードする。
【0037】
受信電波の強度が規定値を下回った状態では、デコードエラーが発生する可能性がある。しかしバッファ3内には、受信されたオーディオデータが蓄えられているので、S405にてバッファ内のデータをデコード部4に送り、S406で、オーディオフレーム単位でデコード出力が可能かどうかを判定する。デコード可能な場合、S407でデコードエラーが発生しないことを確認し、発生がなければ、S401に戻る。
【0038】
バッファ3の容量は、数オーディオフレームが蓄えられる容量が望まれる。1オーディオフレーム単位で、出力するオーディオデータを準備する構成であるためである。放送方式が異なり、使用される符号化方式が異なる場合は、各符号化方式によりオーディオフレームサイズが異なる。受信できる符号化方式を考慮した容量でなければならない。
【0039】
一方、S406でデータ出力が不可能もしくは、S407で、デコードエラー発生の場合は、S408で、オーディオフレームデータを出力する予定だった単位で、オーディオデータ出力部6が、ポーズデータを作成し、出力する。このポーズデータ出力は、受信電波の強度が規定値以上に復帰するまでの間、継続される。受信電波の強度が低下している間は、デコードエラー等が検出されるが、デコードエラーが発生する以前にバッファ再生の後、ポーズデータに切り替えるため、記録部20側は、デコードエラー時のノイズ音声などの異音が、一切送られることはない。
【0040】
受信電波の強度が低下している状態からの復帰は、図6を用いて説明する。S421は、受信電波の強度が低く、ポーズデータを出力している状態である。この状態から、S422において、受信電波の強度が規定値レベルに回復したかどうかを判定し、レベル以下であれば、ポーズデータを出し続ける。一方回復すれば、S423にて、バッファ3へのオーディオデータ格納を再開し、S424にて、デコードエラーが発生していないことを確認して、S425にてオーディオフレーム単位でデコードした音声の出力を再開する。ポーズ状態から通常のオーディオデータ出力への復帰は、48KHzのサンプリング周波数でサンプリングし、2048サンプル毎にフレーミングされたオーディオフレーム単位の倍数の位置で行われる。これは、放送局側からの放送が受信電波の強度の低下がなければ、継続されているはずであるから、オーディオフレーム単位の倍数の位置で復帰すれば、中断前と同じ品質の音声品質を得られることになる。また復帰前のオーディオデータ情報との位相関係もあっている。復帰時において、オーディオフレーム再生及び再エンコードのために、再同期をはかる必要がなく、すばやく同期録画のための再エンコード処理を再開することができる。
【0041】
つまり、受信電波の強度が低下した期間も、途切れる前の同期状態を保ち続けることによって、リセット処理を施さなくてもすばやく同期状態に復帰できるものである。しかしながら、受信電波の強度が低下している間に、利用者が記録を要望していた番組が終了し、別の番組が始まった場合には、互いの番組間で同期状態が継続されている保証はないので、改めてリセット処理を施して、フレーム同期をとりなおす必要がある。
【0042】
さらに、図3の受信電波の強度復帰時に、規定値を超える状態になってもデコードエラーなし状態を確認してから、通常デコード出力状態に復帰する理由は、規定値を超えかつデコードエラーが発生しないような安定状態にならないと、天候が不安定などの状態により、再び受信電波の強度が低下する可能性が高いからである。
【0043】
規定値は、以下のように決定する。エラー訂正が不可能なデコードエラーが発生する状態を引き起こす電波強度に至る前に、設定する。規定値を下回っても、デコードエラーが発生しオーディオデータが出力できなくなるまでに、少なくとも、バッファ3にある1〜数オーディオフレームデータをだせるだけの余裕が必要である。つまり、デコードエラーが発生する電波強度より若干高めの値を設定することになる。
【0044】
図4は、オーディオデータ及び、再生情報を伝えるデータ出力フォーマットの例を示している。例えば、これは光出力などで用いられるIEC958フォーマットを利用した場合であり、1サンプルは、サンプリング周波数の逆数とする。この1サンプルのなかのオーディオデータ部に、オーディオデコードしたリニアPCMデータ(以下LPCMと略)や、ストリームデータをオーディオデータとして、格納する。ストリームデータというのは、国内のBSデジタル放送で使われているAAC方式のエンコードデジタル信号であるストリーム形式のデータをLPCMにデコード変換することなく、ストリーム形式のデータの状態のままで出力する。
【0045】
再生情報は、図4の予備bit領域を使用してもよいし、音声属性情報を伝える場所である図4中の再生情報bit領域でもよい。例えば、再生情報bit領域中のチャンネルステータス領域(図示せず)や、ユーザデータ領域(図示せず)でもよい。プリアンブル領域、もしくはオーディオデータ領域以外の領域を使用することにより、別の伝送路を設けることなく、再生部10側の情報を、記録部20側に伝えることができる。そして再生情報ビットに、音声の属性情報(オーディオサンプルワード長、プリエンファシス、オーディオチャンネル数や、標本化周波数を規定するデータ)だけでなく、再生情報生成部5が収集したデコードエラーの情報や、受信電波の強度を示す値、またデコード時刻情報など付与する。また、ポーズデータに関しても、IEC958で規定しているポーズデータをオーディオデータとして出力することにより、IEC958などで利用している半導体や出力フォーマットをそのまま利用することができる。
【0046】
この伝送は、装置内部の専用バスであったり、IEC958を用いた転送であったり、HDMIや、IEEE1394等のデジタルインターフェースを用いてもよい。必要なことは、オーディオデータの伝送と同時に、再生情報を伝送することである。別経路での伝送路で構成された場合、その伝送路がなんらの障害で使えなくなったときには、障害内容を記録部20側に伝えられなくなる。
【0047】
また受信電波の強度が低下している間、ポーズデータを送り続けるのは、光出力などにより、デコード音声を、接続アンプなどを介して、モニタ出力音声をだす場合にも都合がよいからである。接続アンプは、送られてきた音声が、ポーズデータである場合は、前の同期状態を保ったまま、出力ミュート処理をして、ポーズからの復帰のための待機処理をしている。つまり、記録部20側と同じオーディオデータを外部アンプへ出力可能であり、記録用とアンプ出力用の出力音声データを兼用することができる。
【0048】
次に記録部20側のデータ処理について説明する。記録部20は、再入力部12から入力されたオーディオデータを元にオーディオエンコードを実施する。オーディオデータが、LPCMであった場合は、LPCM形式のまま、もしくは、利用者が指定した圧縮符号化方式であるオーディオエンコードを実施することにより、オーディオエンコード記録される。ビデオエンコードデータと同時にAV記録する場合は、ビデオ側とオーディオ側で記録するPTS情報をあわせて記録することにより、再生時にAV同期可能な記録を行うことができる。一方、オーディオ信号をストリームデータ形式のまま記録する場合は、改めてエンコード処理を施すことなく、所望のビデオ信号との同期をとるためのPTS情報を付与し、AV同期をとった記録を実施することができる。
【0049】
途中でオーディオデータとして、ポーズデータが送られてきた場合について説明する。オーディオデータがLPCM形式の場合、例えば、エンコード部13が、音量レベル0のLPCMデータをエンコードしたデータに差し替えることにより、エンコード記録を継続することができる。つまり受信電波の強度が低下した期間は、無音データが記録され続けることになる。また、利用者の選択により、受信電波の強度が低下している間は、オーディオエンコード自体を一旦停止し、記録をとりやめるようにしてもよい。但し、記録をとりやめた期間もあとで、利用者がその記録を取りやめた期間を確認できる情報を残しておけば、留守録などで、利用者が記録時間に立ち会っていなかったとしても、あとで、何が原因で記録できないことがあったかをたどることができる。またオーディオデータがストリームデータ形式であった場合も、LPCM時と同様にデータを差し替えるもしくは、記録を一時中止の方法をとることによって、受信電波の強度の低下期間を乗り越える。例えば、AAC形式のストリームデータであった場合、ポーズデータ受信期間は、音量レベル0のLPCMデータをAACエンコードしたデータをあらかじめ準備しておき、ポーズデータの受信が継続される間ずっと、音量レベル0をAACエンコードしたデータに差し替える。ポーズデータを送出する側が、オーディオフレーム単位でポーズデータをだすことを保障しているので、記録部もオーディオフレーム単位で、音量0レベルのAACエンコードデータに差し替えればよい。
【0050】
図1の構成例を用いて、オーディオデータがLPCM形式で送られる場合には、オーディオフレーム単位でのポーズデータ出力ではなく、音量レベル0のLPCMデータを送る形式にしてもよい。このようにすれば、記録部20側のエンコーダは、受信電波強度の低下中は、ずっと音量0レベルの音声をエンコードしていれば、ノイズを記録することを避け、オーディオデータを連続的にエンコードし続けることができる。オーディオデータ出力中も先に説明した再生情報bitのデータは付与しつづけるものとする。
【0051】
また、図7の構成例を用いて、オーディオデータをAAC形式などのストリームデータで送る場合は、受信電波強度低下中に、再生部10側で、オーディオフレーム単位で、ポーズデータではなく、音量レベル0のLPCMデータをAACエンコードしたデータを送る形式でもよい。このようにすれば、記録部20側のエンコーダは、受信電波強度の低下中であっても、ずっとストリームデータをエンコードしつづければよい。このときオーディオデータ出力中も先に説明した再生情報bitのデータは付与しつづけるものとする。
【0052】
記録部20で、再生部10からきた再生情報を受け取ることにより、エンコーダ部13が次にどのような処理が期待されているかをあらかじめ知ることができる。例えば受信電波の強度情報を得ることができる。つまり受信電波の強度が回復状況にあるか、また回復しない状態であるかを知ることができる。回復状況である場合は、ポーズ状態から通常記録状態への復帰が近いことがわかり、ポーズデータの差し替えの終わり、または一時記録の中断からの復帰処理を準備することにより、いち早く通常記録状態への遷移を迎えることができる。またCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーなど、デコード時にエラーが検出される場合は、ストリームデータをそのまま記録しても、そのデータをデコードが不可能であるということから、ポーズデータへの差し替え、もしくは記録中断という処理を選択しつづけたほうがよいということがわかる。また時刻情報などが送られてきている場合は、受信電波の強度が低下している間も音声処理装置が、記録中断時などの時刻情報を残すことが可能となる。そのため記録部20の故障ではなく、受信電波の強度の低下による記録の中断であることが、わかるためである。
【0053】
とくに受信電波の強度が低下している間、つまりポーズデータ等を出している間の再生情報は、なぜ再生部10がポーズデータ等を出しているかの理由を示している。また、オーディオフレーム単位でのポーズデータは、受信電波の強度の低下からの復帰を少しでも早めることにある。連続的にデータを出し続けることにより、フレーム同期を保ったままでおくことで、特に走行中の自動車などに搭載された音声処理装置が、走行中の障害物による電波障害により、受信電波の強度が刻々と変化する場合は、少しでもはやく記録可能な状態に復帰させることができる。
【0054】
上記は、オーディオデータの再生及び記録について説明してきたが、ビデオデータについても同様な方法をとることができる。ビデオの場合は、NTSC方式やPAL方式では、1ビデオフレームの周期が特定されているので、受信電波強度が低下して、デコードができなくなった場合でも、再生部10が、デコードエラー前のフレームデータを再出力する(リピート再生)処理や、ブルーバックデータへの差し替え処理を施し、1ビデオフレーム周期ごとに出力すればよい。そして、ブランキング期間などに、電波強度やデコードエラーなどの再生情報を送れば、記録部20側で、電波強度低下時におけるエンコード処理を継続することができる。
【0055】
さらに、オーディオフレーム単位での同期をとっておけば、PTS情報を送らなくても、AV同期記録の復帰をはやめることができる。デジタル放送の場合、すべてのオーディオフレームにAPTS情報がついているわけではない。従って、APTSの値を基準として同期確立をする場合は、デコードエラーが発生しない状態に復帰したとしても、APTS情報がくるまでは、どのタイミングでオーディオ再生を開始してよいかわからないため、受信したデータを捨てて、まずAPTSがついたオーディオフレームのデータをシステム時刻と照らしあわせる作業を行う。つまり受信電波の強度低下により、APTSの更新がなされなくなった場合には、受信電波の強度低下時からの復帰は、最初にAPTS情報のついたオーディオフレームを受信し、オーディオフレーム同期をかけなおし、記録を再開せねばならない。
【0056】
しかし本発明の場合は、オーディオフレーム単位で受信電波の強度低下前の同期状態を保っているため、APTS情報のオーディオフレームを待つことなく、またオーディオフレーム同期をかけなおすことなく、記録を再開することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明における音声処理装置は、再生機器側と記録機器側間にインターフェースを有し、再生機器側の受信電波の強度条件を元に、記録機器側で記録の継続を実施するため、同期状態を保ったまま再生機器側の放送受信電波の強度条件に合わせた符号化音声信号記録を選択するといった用途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1に於ける装置の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1に於けるオーディオのデコード構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における装置の電波強度の低下時における装置内部のデータ処理を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に於けるオーディオデータ出力フォーマットの構成の例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1に於ける装置の受信電波の強度低下時処理を示す図
【図6】本発明の実施の形態1に於ける装置の受信電波の強度復帰時処理を示す図
【図7】本発明の実施の形態1に於ける装置の他の接続構成を示す図
【符号の説明】
【0059】
1 アンテナ部
2 入力検出部
3 バッファ
4 デコード部
5 再生情報生成部
6 オーディオデータ出力部
7 再生情報出力部
10 再生部
12 再入力部
13 エンコーダ部
20 記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を受信するための電波強度検出手段と、受信オーディオデータを一時貯めるバッファ手段と、前記バッファ手段で貯められたオーディオデータをフレーミング単位で出力するデータ出力手段と、前記データ出力手段で出力されたデータをエンコードするためのエンコード手段とを備え、前記電波強度検出手段により、受信電波の強度の低下を捉え、所定の受信電波の強度閾値にいたる前に、前記データ出力手段が、フレーミングされた単位でのデータ出力状態からデータ出力ポーズ状態に遷移させるとともに、前記エンコード手段が、データ出力の遷移状態を捉え、エンコード実行状態を遷移させることを特徴とする音声処理装置。
【請求項2】
前記データ出力手段が、受信電波の強度が下がったときに、受信電波の強度が低下する前のフレーミング単位のオーディオデータを出力する単位時間毎に、データ出力ポーズ状態を示すデータ出力を行うことを特徴とする、請求項1に記載の音声処理装置。
【請求項3】
前記データ出力手段が、さらに電波強度情報を示すデータを出力することを特徴とする、請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項4】
前記エンコード手段が、データ出力の遷移状態を捉え、ポーズ状態を検知したときに、オーディオフレーミング単位で、無音を示すオーディオエンコードデータに差し替えることを特徴とする、請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項5】
前記エンコード手段が、データ出力の遷移状態を捉え、ポーズ状態を検知したときに、オーディオフレーミング単位で、オーディオエンコードを停止させることを特徴とする、請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項6】
デジタル放送を受信するための電波強度検出手段と、受信オーディオデータを一時貯めるバッファ手段と、前記バッファ手段で貯められたオーディオデータをフレーミング単位でデコードするデコード手段と、前記デコード手段でデコードされたオーディオデータを出力するデータ出力手段と、前記データ出力手段から出力されたオーディオデータを再入力するデータ再入力手段と、前記データ再入力手段から再入力されたオーディオデータをエンコードするためのエンコード手段とを備え、前記電波強度検出手段により、受信電波の強度の低下を捉え、所定の受信電波の強度閾値にいたる前に、前記データ出力手段が、フレーミングされた単位でデコードしたデコードデータ出力状態からデータ出力ポーズ状態に遷移させるとともに、前記エンコード手段が、再入力データの遷移状態を捉え、エンコード状態を遷移させることを特徴とする音声処理装置。
【請求項7】
前記データ出力手段が、デコードされたオーディオデータ、もしくはデータ出力ポーズ状態を示すデータに加え、電波強度情報を示すデータ並びにデコードエラー情報を出力することを特徴とする請求項6記載の音声処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−221211(P2007−221211A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36285(P2006−36285)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】