説明

音声又は画像処理装置

【課題】総合的に料理全体を、料理の手順に合わせて子供が楽しみながら学ぶことができる仮想調理を行うことが可能な音声又は画像処理システムを提供する。
【解決手段】仮想調理を行うための遊戯に使用される音声又は画像処理システムであり、異なった形態の仮想調理を各々行う複数の入力装置11、12、13及び14と、各々の入力装置11、12、13及び14から入力されたデータに基づいて、各入力装置11、12、13及び14に対応する音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置4に出力する音声又は画像処理装置3と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想調理を行うための遊戯に使用される音声又は画像処理システムに関するものである。さらに詳しくは、入力装置から入力されたデータに基づいて、各入力装置に対応する音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力することで、仮想調理を実現させる音声又は画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、おままごとなど、仮想調理を行うための遊戯に使用される玩具として、種々の調理用器具や食材を真似たクッキング玩具がある。
【0003】
コンロ付きのクッキング玩具としては、例えば、LEDを用いて発光させることで炎を擬似したものや、音声発生装置を内蔵させて、調理する音を出し、調理の臨場感を得るものなどがある。また、野菜や果物、肉などの食材側に、分割可能な細工を施し、玩具の包丁でこれらの食材を切る真似をして、食材が切れたように模倣するものもある。
【0004】
近年では、入力装置から入力されたデータに基づいて所定の音声又は画像処理を行い、この結果を例えばテレビなどの出力再生装置に表示させる音声又は画像処理システムが、子供の知育玩具に利用されてきてきる。このような知育玩具としては、例えば、入力装置としてのタッチペンを用いてタブレット上に描いた絵や文字が、前記出力再生装置に表示されるものや、自動車のハンドルやギヤなどを模倣した入力装置を用い、このハンドルやギヤの操作によって、前記出力再生装置に表示された画像を見ながら仮想ドライブを行い、交通ルールに親しむことができるものなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記コンロ付きのクッキング玩具は、鍋やフライパンをコンロに置くと、炎を擬似するためのLEDが、これらの底に隠れてしまい、擬似効果が薄れてしまうという問題がある。また、調理する音が発生するクッキング玩具は、例えば、ただ単にジャージャーという音がするのみであり、臨場感に欠けるという問題もある。さらにまた、従来のクッキング玩具は、それぞれのスイッチの配置が煩雑である場合が多く、誤動作しやすいという欠点もある。
【0006】
また、音声又は画像処理システムを利用した子供の知育玩具には、コンロ、まな板、水道、シンク等、いわゆるシステムキッチンとして、総合的に料理全体を子供が楽しみながら学ぶことができるものは提供されていないのが実状である。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、総合的に料理全体を、料理の手順に合わせて子供が楽しみながら学ぶことができる仮想調理を行うことが可能な音声又は画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、仮想調理を行うための遊戯に使用される音声又は画像処理システムであって、異なった形態の仮想調理を各々行う複数の入力装置と、前記各々の入力装置から入力されたデータに基づいて、前記各入力装置に対応する音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力する音声又は画像処理装置と、を備えた音声又は画像処理システムを提供するものである。
【0009】
この構成を備えた音声又は画像処理システムは、総合的に料理全体を料理の手順に合わせて、子供が楽しみながら学ぶことができる仮想調理を行うことができる。また、一つの入力装置からのみ、データを入力すれば、例えば、焼く、切る、洗う等、各入力装置に応じた単独の仮想調理を行うこともできる。
【0010】
前記音声又は画像処理装置は、前記各入力装置から入力された第1の信号と、当該第1の信号の次に入力された第2の信号との時間間隔に応じて前記音声又は画像処理を行うことができる。
【0011】
この構成により、例えば、仮想調理時間や、調理のタイミング等が変化し、仮想調理された料理の結果を現実に近い形で出力することができる。
【0012】
前記各入力装置は一体的に配置されると共に、各入力装置への入力操作が干渉し合わないよう、少なくとも2つの入力装置の配置高さを変えて配置することができる。
【0013】
この構成により、各入力装置に対する誤入力が発生することを防止することができる。
【0014】
前記複数の入力装置の一つは、前記第1の信号と第2の信号の時間間隔に基づいて振動を行う振動機構を備えることができる。
【0015】
また、前記振動機構を備えた入力装置は、コンロを擬似したコンロ状入力装置であり、載置された調理用具に前記振動を伝えると共に、前記調理用具の載置の有無によって入力のオン/オフを行い、当該調理用具が載置されている間は、オン状態が維持されるよう構成することもできる。
【0016】
この構成により、前記コンロ状入力装置に調理用具を載置しておいた時間に応じて、調理用具自身を振動させることができる。したがって、より現実の調理に近づけることができ、臨場感が向上する。
【0017】
そしてまた、前記振動機構を備えた入力装置は、前記当該調理用具と係合する係合部を有し、前記調理用具には、前記係合部と係合する被係合部を形成することができる。
【0018】
この構成により、前記振動機構によって、前記調理用具が振動しても、この調理用具がコンロ状入力装置からずれたり、落ちたりすることを防止することができる。
【0019】
また、前記係合部又は被係合部の一方が凹部からなり、他方が凸部から構成することができる。
【0020】
そしてまた、前記複数の入力装置の他の一つは、入力の支点を中心から変位した位置に配置することができる。
【0021】
この入力の支点が変位してなる入力装置は、まな板を擬似したまな板状入力装置であり、その上面の略中央部分に食材を載置する位置を示す凹部を形成することもできる。
【0022】
この構成により、前記まな板状入力装置は、入力の支点から近い端部や中央付近を押した場合には、入力信号が入力され難くなる。すなわち、まな板状入力装置の凹部に仮想食材を置くという行為や、置いた食材に手を添えるという行為を行った際に入力信号が入力されることを防止することができる。一方、入力の支点から遠い端部を押した場合に、入力信号がスムーズに入力されることになる。すなわち、食材を切るという行為を行った際に、入力信号がスムーズに入力されることになるため、動作と異なった信号が入力されることを防止することができる。また、前記凹部を設けたことで、この部分に食材を置かせることができるため、入力信号が誤入力されることをさらに防止させることができる。
【0023】
そしてまた、前記入力装置のさらに他の一つは、段階的に入力信号を変化させることができる。
【0024】
また、前記段階的に入力信号を変化させる入力装置は、前記振動機構を備えた入力装置の振動を制御することができる。
【0025】
さらにまた、前記段階的に入力信号を変化させる入力装置は、前記仮想コンロの火力を調節するツマミを擬似した火力調節ツマミ状入力装置を構成することができる。
【0026】
この構成により、火力調節ツマミ状入力装置の調節、例えば、消火、弱火、中火、強火などを指定することで、食材への火の通り方を変化させることができる。また、指定された位置に留まった時間に応じて食材への火の通り方を変化させることができる。このため、より現実に近い調理を再現することができる。
【0027】
そしてまた、前記複数の入力装置のさらに他の一つは、仮想の水道の水の放出及び停止を行う水道レバーを擬似した水道レバー状入力装置として構成することができる。
【0028】
この水道レバー状入力装置は、入力操作毎に元の位置に戻るよう入力操作方向とは逆方向に付勢する付勢部材を備えることもできる。
【0029】
この構成により、使用者は、例えば、上から下へ押すなど、一方向にのみ水道レバー状入力装置を動かすことで、入力を行うことができるため、操作が簡単となる。
【0030】
前記水道レバー状入力装置は、前記まな板状入力装置の後方に配置されると共に、当該まな板状入力装置より高い位置に配置することができる。
【0031】
このレイアウトにより、食材の切断がし易くなる。また、水道レバー状入力装置を操作した際に、誤ってまな板状入力装置に触れることが少なくなるため、入力信号が誤入力されることを防止することができる。
【0032】
前記音声又は画像処理装置は、前記まな板状入力装置から入力された第1の信号と第2の信号の時間間隔に応じて、仮想調理の食材の切れ方を制御することができる。
【0033】
また、前記音声又は画像処理装置は、前記火力調節ツマミ状入力装置から入力された第1の信号と第2の信号の時間間隔に応じて、仮想調理の食材への火の通り方を制御することができる。
【0034】
そしてまた、前記音声又は画像処理装置は、前記水道レバー状入力装置から入力された第1の信号と第2の信号の時間間隔に応じて、仮想水道水の水量を制御することができる。
【0035】
さらにまた、前記複数の入力装置のさらに他の一つは、前記出力再生装置に表示されたメニューの内容を選択する選択ボタンと、選択ボタンで選択した内容を決定する決定ボタンから構成することができる。
【0036】
前記選択ボタン及び決定ボタンは、前記コンロ状入力装置、前記まな板状入力装置及び前記水道レバー状入力装置より低い位置に配置することができる。この構成により、入力信号の誤入力が生じることを防止することができる。
【0037】
また、前記各入力装置は、一つの仮想調理台に一体的に配置されてなり、前記仮想調理台は、前記音声又は画像処理装置に対し着脱可能とすることができる。
【0038】
そしてまた、本発明は、請求項1ないし請求項21のいずれか一項に記載の各入力装置を一つの筐体に配置した入力システムを提供するものである。
【0039】
また、本発明は、入力装置と、当該入力装置から入力されたデータに基づいて音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力する音声又は画像処理装置と、を備え、仮想調理を行うための遊戯に使用される音声又は画像処理システムの周辺機器であって、前記入力装置は、コンロを擬似した形状を備え、調理用具の載置の有無によって入力のオン/オフを行い、前記調理用具の載置時間に応じたデータを前記音声又は画像処理装置に入力する周辺機器を提供するものである。
【0040】
そしてまた、前記周辺器機は、前記調理用具の載置時間に応じて振動する振動機構をさらに備えることができる。
【0041】
また、前記周辺器機は、前記仮想コンロの火力を調節する信号を入力する第2の入力装置を備えることもできる。
【0042】
さらにまた、本発明は、入力装置と、当該入力装置から入力されたデータに基づいて音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力する音声又は画像処理装置と、を備え、仮想調理を行うための遊戯に使用される音声又は画像処理システムの周辺機器であって、前記入力装置は、まな板を擬似した形状を備え、入力の支点を中心から変位した位置に配置した周辺機器を提供するものである。
【0043】
そしてまた、本発明は、入力装置と、当該入力装置から入力されたデータに基づいて音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力する音声又は画像処理装置と、を備え、仮想調理を行うための遊戯に使用される音声又は画像処理システムの周辺機器であって、前記入力装置は、仮想の水道の水の放出及び停止を行う水道レバーを擬似した形状を備え、入力操作毎に元の位置に戻るよう入力操作方向とは逆方向に付勢する付勢部材を有した周辺機器を提供するものである。
【0044】
また、本発明は、請求項1ないし請求項27のいずれか一項に記載の音声又は画像処理システムを実現するための記憶媒体を提供するものである。
【0045】
そしてまた、本発明は、異なった形態で入力可能に構成される複数の入力装置が一体的に配された総合入力装置と、前記各入力装置から入力されたデータに基づいて、前記各入力装置に対応する音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力する音声又は画像処理装置とを備え、前記総合入力装置では、操作者の正面方向に対して並べて前記複数の入力装置が配されており、操作者に対して奥側の入力装置は、手前側の入力装置よりも高い位置に形成された音声又は画像処理システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように、本発明に係る音声又は画像処理システムは、異なった形態の仮想調理を各々行う複数の入力装置と、前記各々の入力装置から入力されたデータに基づいて、前記各入力装置に対応する音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置に出力する音声又は画像処理装置を備えているため、使用者が入力したデータに基づいて仮想調理が展開し、また出力再生装置に表示された映像や音声にしたがって、楽しく現実に則した双方向性の仮想調理を行うことができる。この結果、総合的に料理全体を料理の手順に合わせて、子供が楽しみながら学ぶことができる。また、一つの入力装置からのみ、データを入力すれば、洗う、切る、煮る・焼く等、各入力装置に応じた単独の仮想調理を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の本実施の形態に係る音声又は画像処理システムを出力再生装置に接続した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の本実施の形態に係る音声又は画像処理システムを出力再生装置に接続した状態を示すブロック図である。
【図3】本発明の本実施の形態に係る入力システムを示す平面図である。
【図4】図3の右側面図である。
【図5】図3の左側面図である。
【図6】図3の正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンロ状入力装置のコンロ載置部を外した状態を示す平面図である。
【図8】図7に示すVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図7に示すVN−VN線に沿った断面図である。
【図10】図3のX−X線に沿った断面図である。
【図11】図10に示すXI−XI線に沿った断面図である。
【図12】図10に示すXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る水道レバー状入力装置付近の正面図であり、一部を破断した状態を示す図である。
【図14】図13に示すXIV−XIV線に沿った断面図である。
【図15】図3に示すXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】本発明の本実施の形態に係る音声又は画像処理システムで使用されるフライパンの平面図である。
【図17】図16に示すXVII−XVII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本発明の実施の形態に係る仮想調理を行うための音声又は画像処理システムの一例について図面を参照して説明する。
【0049】
図1は、本実施の形態に係る音声又は画像処理システムを出力再生装置に接続した状態を示す斜視図、図2は、本実施の形態に係る音声又は画像処理システムを出力再生装置に接続した状態を示すブロック図、図3は、本実施の形態に係る入力システムを示す平面図、図4は、図3の右側面図、図5は、図3の左側面図、図6は、図3の正面図、図7は、コンロ状入力装置のコンロ載置部を外した状態を示す平面図、図8は、図7に示すVIII−VIII線に沿った断面図、図9は、図7に示すVN−VN線に沿った断面図、図10は、図3のX−X線に沿った断面図、図11は、図10に示すXI−XI線に沿った断面図、図12は、図10に示すXII−XII線に沿った断面図、図13は、水道レバー状入力装置付近の正面図であり、一部を破断した状態を示す図、図14は、図13に示すXIV−XIV線に沿った断面図、図15は、図3に示すXV−XV線に沿った断面図、図16は、本実施の形態に係る音声又は画像処理システムで使用されるフライパンの平面図、図17は、図16に示すXVII−XVII線に沿った断面図である。
【0050】
図1〜図15に示すように、本実施の形態に係る音声又は画像処理システム1は、複数の入力装置が一体に配置された入力システム2と、入力システム2からの入力信号(データ)を受け取り、このデータに基づいて、前記各入力装置に対応する音声又は画像処理を行い、その結果を出力再生装置4に出力する音声又は画像処理装置3と、を備えて構成されている。
【0051】
入力システム2は、一つの筐体2A上に、コンロを擬似したコンロ状入力装置11と、前記コンロの火力を調節するツマミを擬似した火力調節ツマミ状入力装置12と、水道のレバーを擬似した水道レバー状入力装置13と、まな板を擬似したまな板状入力装置14と、4つの異なった入力ボタン15A、15B、15C及び15Dからなる選択ボタン15と、選択ボタン15によって選択した内容を決定する決定ボタン16と、入力ペン17を保持する入力ペンホルダ18と、が配置されている。
【0052】
コンロ状入力装置11は、筐体2Aの奥右側(図3参照)に配置され、その中央に、例えば鍋やフライパン等の調理用具が載置された際にオン状態となり、調理用具が載置されていない際にはオフ状態となるコンロスイッチ21が配置されている。
【0053】
コンロスイッチ21の周りには、リング状の凸部22が設けられており、この凸部22には、前記調理用具を載置する載置部22A、22B、22C及び22Dがほぼ等間隔で設けられている。載置部22Aと22Bとの間と、載置部22Cと22Dとの間には、前記載置された調理用具を振動させる振動部23A及び23Bが配置されている。
【0054】
コンロスイッチ21は、特に図9に示すように、断面略T字状を有しており、基盤27によって上下移動可能に支持されている。このコンロスイッチ21は、コイルばね26の付勢力によって、通常は上方に付勢されている。このコンロスイッチ21の下端は、スイッチ本体24にスイッチ端子25を介して接続されており、コンロスイッチ21が載置した調理用具の重量によって下げられた際に、スイッチ端子25を押し下げ、スイッチ本体24をオン状態にする。一方、調理用具が取り除かれた際には、コイルばね26がその付勢力によって、コンロスイッチ21を元の位置に戻し、スイッチ本体24は、オフ状態となる。このスイッチ本体24のオン/オフ状態と、このオン/オフ状態の時間の長さを示すデータは、後に詳述する音声又は画像処理装置3の制御回路5に入力される。
【0055】
なお、このコンロ状入力装置11は、調理用具の載置の有無によって、スイッチのオン/オフが行われるように構成されているため、現実の調理に近い形で仮想調理を行うことができる。
【0056】
また、載置部22A、22B、22C及び22Dの内側と、コンロスイッチ21との間には、後に詳述するフライパン80(図16及び図17参照)の底面外側に形成されたリング状の凸部81が係合するリング状の溝20が形成されている。
【0057】
振動部23A及び23Bは、基盤28の両端に接続されている。この基盤28は、モータ29の回転に伴って伸縮するコイルばね30によって、図8に示すように、その中心を支点として揺動し、この揺動によって、振動部23A及び23Bを上下に振動させるよう構成されている。
【0058】
このモータ29は、後に詳述する火力調節ツマミ状入力装置12から音声又は画像処理装置3の制御回路5に入力されたデータが所定の値を満たした時に、モータ29の駆動を制御する制御部(図示せず)に駆動信号が入力され、振動部23A及び23Bを振動させるように設計されている。
【0059】
このように、コンロ状入力装置11は、鍋やフライパンなどの調理用具を載置した後、ある一定の時間が経過した際に、振動部23A及び23Bを実際に上下に振動させ、これによって、前記調理用具を実際に振動させて、音を発生させる構成を備えているため、より自然な音を発生させることができる。また、鍋やフライパンなどが実際に振動するため、一層臨場感の高い仮想調理を行うことができる。
【0060】
火力調節ツマミ状入力装置12は、筐体2Aの手前側(使用者と向き合う側)の側面に設けられている。この火力調節ツマミ状入力装置12は、そのほぼ中央に火力調節ダイヤル31が設けられている。この火力調節ダイヤル31は、特に図6に示すように、フロントパネル31Aに表示された強32A、弱32B及び消火32Cの各位置に合わせることができるよう支軸33を中心に回転可能に構成されている。
【0061】
また、火力調節ダイヤル31は、特に図11に示すように、その底面に、略半円径状の溝34A、34B及び34Cが形成されている。この溝34Aの右側には、図12に示すスイッチボタン61A及び61Bを押圧する突起38が形成されている。
【0062】
フロントパネル31Aを支持している基盤35の裏面には、アーム36の一端が固定されている。このアーム36の略中央部には、溝34A、34B及び34Cに嵌合する略半円径状の凸部36Aが形成されている。また、アーム36の他端には、一端が基盤35の裏面に固定されたコイルばね37の他端が固定されている。このアーム36は、コイルばね37により、常に下方に付勢されている。このコイルばね37の付勢力によって、凸部36Aは、火力調節ダイヤル31が回転しない限り、嵌合された各溝34A(34B及び34C)から外れることが防止される。
【0063】
この構成を備えた火力調節ツマミ状入力装置12は、火力調節ダイヤル31を例えば、消火32Cの位置から弱32Bの位置に合わせるように回転させると、アーム36がコイルばね37の付勢力に逆らって溝34Cから外れ、溝34Bに嵌合する。この時、突起38は、スイッチボタン61Bを押圧し、火力調節ダイヤル31が弱32Bの位置にあるという信号及びその時間の長さが、後に詳述する音声又は画像処理装置3の制御回路5に入力される。また、火力調節ダイヤル31を、消火32Cの位置から強32Aの位置に合わせた場合は、突起38が、スイッチボタン61Aを押圧し、火力調節ダイヤル31が強32Aの位置にあるという信号及びその時間の長さが、制御回路5に入力される。なお、弱32Bから強32Aに合わせた場合、強32Aから弱32Bに合わせた場合も同様に、それぞれを示す信号及び時間の長さ制御回路5に入力される。
【0064】
なお、この火力調節ツマミ状入力装置12から音声又は画像処理装置3の制御回路5に入力されたデータが所定の条件を満たした際に、これに基づいて、前述したモータ29の駆動が行われ、振動部23A及び23Bを振動させるように構成されている。
【0065】
水道レバー状入力装置13は、特に図3に示すように、筐体2Aの奥側ほぼ中央に配置されている。水道レバー状入力装置13の左側には、水道の蛇口41が配置されている。また、水道レバー状入力装置13と、蛇口41の手前には、シンク42が配置されている。
【0066】
水道レバー状入力装置13は、スイッチカバー44から延出した操作レバー43を備えている。操作レバー43は、図14に示す矢印X方向に支軸45を支点として回動するよう構成されている。この支軸45には、操作レバー43を常に上方に付勢するコイルばね46が設けられている。このコイルばね46によって、操作レバー43は、矢印X方向に押された後、使用者が手を放すと、すぐに元の位置に戻ることになる。このため、水道レバー状入力装置13は、入力のオンもオフも、操作レバー43を矢印X方向に押し下げることで行われることになる。このため、操作が簡単である。
【0067】
操作レバー43のスイッチカバー44の内部には、支軸45と共に回転する回転盤47が固定されている。この回転盤47の外周には、凸部48が形成されており、操作レバー43を矢印X方向に押し下げた際に回転する支軸45の回転に伴って移動し、スイッチカバー44内に設けられたスイッチボタン49を押し下げる。また、使用者が手を放し、操作レバー43が元の位置に戻されると、スイッチボタン49も元の位置に復帰する。このスイッチボタン49は、次の押し下げが行われるまで、現状の状態(オン状態であれば、オン状態のまま)が維持され、この状態と、オンの状態であれば、その経過時間が、後に詳述する音声又は画像処理装置3の制御回路5に入力される。
【0068】
まな板状入力装置14は、特に図3に示すように、筐体2Aの水道レバー用入力装置13の手前、すなわちシンク42の手前側に配置されている。このまな板状入力装置14は、特に図13に示すように、まな板本体51と、まな板本体51を下から支持する支持基盤52を備えている。このまな板本体51は、その中央からやや左側に、仮想の食材を置く目安となる凹部53が形成されている。
【0069】
また、まな板本体51は、前記中央から左側に偏位した位置を支点56として上下に揺動可能に設けられている。このまな板本体51の底面の中央から右側に偏位した位置には、まな板本体51を上方に向けて付勢するコイルばね57が設けられている。このコイルばね57は、下方に向けて押されたまな板本体51を上方に押上げて元の位置に戻す役割を果たしている。
【0070】
このまな板本体51の右側底面には、支持基盤52に設けられたスイッチボタン55を押圧する突起54が形成されている。すなわち、この突起54は、まな板本体51が揺動した際にスイッチボタン55を押圧するよう構成されている。このスイッチボタン55は、突起54に押圧された際にオン状態となり、押圧が開放された際にオフ状態となる。このスイッチボタン55の状態及び、スイッチングの間隔は、後に詳述する音声又は画像処理装置3の制御回路5に入力される。
【0071】
このように、まな板本体51は、揺動の支点が中央より左側にあるため、まな板本体51の中央部に触れたり、仮想の食材を凹部53上に置いたり、右利きの使用者が、この食材を玩具の包丁などで切る動作をする際に左手を添えるなど、食材を切るという動作を行っていない場合に、スイッチボタン55が押されることを防止することができる。また、右利きの使用者は、食材を切る際に、まな板本体51の右側を玩具の包丁などで軽く叩く動作を行うが、この動作の際に、突起54によってスイッチボタン55が確実に押されることになる。
【0072】
なお、このまな板状入力装置14は、右利きの使用者用に設計されているため、揺動の支点を中央より左側に設定したが、左利きの使用者用に設計する場合は、揺動の支点を中央より右側に設定すればよい。
【0073】
ここで、このまな板状入力装置14は、水道レバー状入力装置13より低い位置に配置されている。このため、水道レバー状入力装置13を操作しようとした際に、まな板状入力装置14を誤って操作することを減少させることができる。このため、後に詳述する音声又は画像処理装置3に誤った信号が入力されることを防止することができる。
【0074】
選択ボタン15は、コンロ状入力装置11、水道レバー状入力装置13及びまな板状入力装置14が配置されている面から一段低くなった位置に配置されている。この選択ボタン15を構成する入力ボタン15A、15B、15C及び15Dは、その下端が筐体2Aの底面から突出しており、後に詳述する音声又は画像処理装置3の本体100上に形成された入力ボタン71A、71B、71C(及び71D:図示せず)を直接押圧することができるようになっている。
【0075】
決定ボタン16も選択ボタン15と同様に、一段低くなった位置に配置されており、後に詳述する音声又は画像処理装置3の本体100上に形成された入力ボタン72を直接押圧することができるようになっている。
【0076】
この選択ボタン15及び決定ボタン16は、コンロ状入力装置11、水道レバー状入力装置13及びまな板状入力装置14が配置されている面から一段低くなった位置に配置されているため、コンロ状入力装置11、水道レバー状入力装置13及びまな板状入力装置14を操作しようとした際に、誤って選択ボタン15や決定ボタン16が押されることを防止することができる。また、選択ボタン15や決定ボタン16を操作しようとした際に、誤ってコンロ状入力装置11、水道レバー状入力装置13及びまな板状入力装置14が押されることも防止することができる。
【0077】
入力ペンホルダ18も、コンロ状入力装置11、水道レバー状入力装置13及びまな板状入力装置14が配置されている面から一段低くなった位置に配置されている。この入力ペンホルダ18は、音声又は画像処理装置3の蓋部101の内側に形成されているセット部102の所定位置を指定する際に使用する入力ペン17を収納する。
【0078】
なお、これらの入力装置11、12、13、14、15及び入力ペンホルダ18が配置された筐体2Aは、その両側に設けられた固定部40A及び40Bによって、音声又は画像処理装置3の本体100に着脱可能に固定される。
【0079】
図16及び図17に示すフライパン80は、その外側底面に、リング状の凸部81が形成されている。この凸部81は、コンロ状入力装置11に形成されたリング状の溝20に係合するよう構成されている。この凸部81と溝20とが係合することで、振動部23A及び23Bが振動してフライパン80が振動した際に、フライパン80がコンロ状入力装置11からずれたり、落ちたりすることを防止することができる。
【0080】
音声又は画像処理装置3は、図2に示すように、各入力装置11、12、13、14、15及び16及び、後に詳述するセット部102から出力された信号を受け取り、所望の処理を行う制御回路5と、制御回路5から入力されたデータに基づいてプログラムを展開するROM(読み出し専用記憶装置)6と、ROM6から呼び出した内容を映像信号及び音声信号に変換する映像回路7及び音声回路8を備えて構成されている。
【0081】
この音声又は画像処理装置3は、入力システム2が配置された筐体2Aを固定する本体100と、本体100に設けられた蓋部101を備えている。この本体100は、入力システム2と電気的に接続されており、各入力装置11、12、13、14、15、16及び後に詳述するセット部102から入力された信号データが制御回路5に入力されるように構成されている。
【0082】
蓋部101のセット部102には、仮想調理のプログラムの内容に沿った絵や文字などが描かれているブック103が設置可能となっている。ここで、使用者がブック103内の所望位置を入力ペン17で指定すると、その座標データが制御回路5に入力される。また、ブック103の縁部には、複数の凹部105が形成されており、この凹部105に対応するセット部102には、これらの凹部105を通過した光を検知することによりブック103のページを検出する検出部104が設けられている。この検出部104によって検出されたページデータは、制御回路5に入力される。
【0083】
このように、音声又は画像処理装置3の蓋体101の内側であるセット部102も、入力装置としての役割を持っている。
【0084】
一方、ROM6には、ブック103の各ページの各座標に対し、ブック103に印刷された内容、又はこれに関する情報が割り当てられ、記憶されている。このROM6から前記座標データ及びページデータと一致する内容を呼び出し、映像回路7及び音声回路8によって映像信号及び音声信号を、出力再生装置4の表示装置9及びスピーカ10に出力する構成となっている。
【0085】
また、各入力装置11、12、13、14、15及び16から制御回路5に入力されたデータに基づいた内容をROM6から呼び出し、映像回路7及び音声回路8によって映像信号及び音声信号を、出力再生装置4の表示装置9及びスピーカ10に出力する構成となっている。
【0086】
なお、本実施の形態では、ROM6は、ブック103の下端に設けられており、このROM6のコネクタ部(図示せず)を蓋体101の所定位置に設けられたコネクタ部(図示せず)に接続する構成とした。
【0087】
次に、本実施の形態に係る音声又は画像処理システム1の具体的動作について説明する。
【0088】
先ず、本実施の形態に係る音声又は画像処理システム1を用いて、所望の仮想料理を作る遊戯を行う場合について説明する。
【0089】
入力システム2を音声又は画像処理装置3の本体100にセットし、両者を電気的に接続する。次に、ROM6が設けられたブック103を蓋体101のセット部102の所定位置にセットし、ROM6を音声又は画像処理装置3に電気的に接続する。また、音声又は画像処理装置3をテレビなどの出力再生装置4に電気的に接続する。
【0090】
次に、ブック103の中の作りたいメニューを入力ペン17でクリックすると、そのメニューが印刷されているページデータと、クリックした座標データが、セット部102から制御回路5に入力される。ROM6では、この両データに一致する内容を呼び出し、映像回路7及び音声回路8によって映像信号及び音声信号を、出力再生装置4の表示装置9及びスピーカ10に出力する。この動作によって、メニューの作り方が、出力再生装置4に表示されると共に、音声による説明が開始される。
【0091】
この出力再生装置4の表示及び音声にしたがって仮想調理を開始する。
【0092】
先ず、仮想の食材を洗う指示が出された場合は、使用者は、水道レバー状入力装置13の操作レバー43を図14に示す矢印X方向に押し下げる。この時、水道レバー状入力装置13は、その手前に配置されたまな板状入力装置14より高い位置に配置されているため、誤ってまな板状入力装置14を操作してしまうことが防止される。この動作によって、スイッチボタン49が回転板47の凸部48に押されて、オン状態となる。その後、操作レバー43は、コイルばね46によって元の位置に戻されるが、次に操作レバー43によりスイッチボタン49が押されるまでは、このオン状態が続く。このオン信号は、制御回路5に入力され、ROM6、映像回路7及び音声回路8を経て、出力再生装置4の表示装置9に、水道から水が流れ、この水によって食材を洗う映像を映し出し、食材を洗う音がスピーカ10から発生する。この映像及び音声に合わせて使用者は、例えば、プラスチックなどから形成された玩具の食材を洗う擬似的な動作を行うことができる。
【0093】
ここで、制御回路5は、水道レバー状入力装置13から入力されたオン状態を示す第1の信号と、次に入力される第2の信号(オフ状態を示す信号)との間隔を測定し、これに基づいた映像及び音声が出力再生装置4に出力される。
【0094】
具体的には、第1の信号と第2の信号の間隔が短いと、少量の水が水道から流れる映像となり、間隔が長いと多量の水が水道から流れる映像となる。また、前記間隔が適度な長さであれば、適量の水が流れる映像になる。
【0095】
一定時間が経過すると、水道を止めて食材を洗うことを終了する指示が出されるので、この指示にしたがって、操作レバー43を図14に示す矢印X方向に押し下げる。この動作によって、スイッチボタン49が回転板47の凸部48に押されて、オフ状態となる。ここで、このオフ信号が制御回路5に入力され、出力再生装置4は、水道から水が流れる映像表示と音声を停止し、使用者に次の指示を与える。
【0096】
次に、前記工程で洗った仮想の食材を切る指示が出された場合は、使用者は、この食材をまな板状入力装置14のまな板本体51上の中央よりやや左側に形成された凹部53上に置く。出力再生装置4の表示装置9には、この映像が映し出される。使用者は、出力再生装置4の指示にしたがって、食材を玩具の包丁で切るため、食材に手を添える。この時、まな板本体51は、その揺動の支点がまな板本体51の中央部から左側に偏位した位置にあるため、この動作でまな板本体51が揺動することを防止することができる。このため、「食材を切る」という動作を行っていない時に、制御回路5にこの種の信号が入力される、いわゆる誤入力が行われることを防止することができる。
【0097】
使用者が、食材を切るため、まな板本体51を玩具の包丁で叩くと、この動作に基づいてまな板本体51が揺動し、突起54によってスイッチボタン55が押される。スイッチボタン55が押されると、この信号が制御回路5に入力される。この制御回路5では、このスイッチボタン55が押された際に入力される第1の入力信号と、スイッチボタン55が次に押された際に入力される第2の入力信号との時間間隔(タイミング)を測定し、この時間間隔に応じて食材の切れた大きさを変化させる処理を行い、これに応じた内容をROM6から呼び出し、映像回路7及び音声回路8を経て、この映像及び音声を出力再生装置4に出力する。すなわち、この時間間隔に応じて、表示装置9に表示される食材の切れ方が変化する。
【0098】
具体的には、例えば、使用者が仮想食材を玩具の包丁で切る(まな板本体51を叩く)間隔が2秒以内であれば食材は細く切れ、2秒〜4秒であれば普通の太さに切れ、4秒を超えると太く切れるようにプログラムされている。したがって、現実に近い調理を行うことができる。
【0099】
次に、仮想食材をフライパンで焼くという指示が出された場合は、使用者は、フライパン80をコンロ状入力装置11の上に載置する。このフライパン80の載置によりコンロスイッチ21が押され、これによってスイッチ本体24からオン信号が制御回路5に入力される。
【0100】
次いで、出力再生装置4からの指示にしたがって、火力調節ツマミ状入力スイッチ12の火力調節ダイヤル31を回して強32Aに合わせる。これによって、スイッチボタン61Aが突起38によって押され、この信号が制御回路5に入力される。また、制御回路5は、このスイッチボタン61Aが押された際に入力される第1の入力信号と、次に入力される第2の信号(例えば、スイッチボタン61Bが押された信号、あるいは火力調節ダイヤル31が、消火32Cに戻された信号)が入力されまでの時間間隔(タイミング)を測定し、この時間間隔に応じて食材に対する火の通り方を変化させる処理を行い、これに応じた内容をROM6から呼び出し、映像回路7及び音声回路8を経て、この映像及び音声を出力再生装置4に出力する。すなわち、火力調節ダイヤル31の位置及び前記時間間隔に応じて表示装置9に表示される食材の火の通り方が変化する。
【0101】
具体的には、例えば、火力調節ダイヤル31が、強32Aの位置のままであると、早く焦げてしまい、弱32Bの位置のままであると、食材に火が通るのに時間が長くかかり、長時間に亘って消火32Cの位置にしないと、焦げすぎて炭になり、すぐに消火32Cの位置にすると生焼けになる映像が表示される。また、強32Aと弱32Bを適当に切り換え、時間も適当に行うと、ほどよい焼け具合で出来上がった料理の映像が表示される。
【0102】
また、この動作の途中で、フライパン80をコンロ状入力装置11から持上げて、コンロスイッチ21を元の位置に戻し、スイッチ本体24からオフ信号が制御回路5に入力されると、フライパン80の中身がひっくり返される映像が表示装置9に映される。この時も、前記火力調節ダイヤル31の位置及び前記時間間隔に応じて、生焼けの状態でひっくり返る映像や、焦げた状態でひっくり返る映像、ほどよい焼け具合でひっくり返る映像が、表示装置9に映し出される。この後、さらに加熱を行う場合は、フライパン80を再びコンロ状入力装置11に載置する。
【0103】
一方、制御回路5は、火力調節ダイヤル31の位置及び前記時間間隔を測定し、ある条件を満たした際に、モータ29を駆動させる信号を図示しないモータ制御部にフィードバックしてモータ29を駆動させ、振動部23A及び23Bを振動させる。これによって、コンロ状入力装置11に載置されたフライパン80が振動し、自然な音が発生する。この時、コンロ状入力装置11には、リング状の溝20が形成されており、フライパン80の底面には、この溝20に係合する凸部81が形成されているため、フライパン80が振動しても、コンロ状入力装置11からずれたり、落ちたりすることを防止することができる。
【0104】
次に、出力再生装置4からの指示にしたがって味付けをする際は、この指示にしたがって選択ボタン15の入力ボタン15A〜15Dを押す。これらの入力ボタン15A〜15Dは、それぞれ塩、こしょう、砂糖、醤油などの調味料が割り当てられており、入力ボタン15A〜15Dを押す回数で、その量の調節を行うようになっている。
【0105】
味付けが終わると、出力再生装置4から決定ボタン16を押すように指示される。この決定ボタン16を押すことにより、表示装置9上では、自動的に盛り付けが行われ、料理が完成する。
【0106】
次に、音声又は画像処理装置3は、前記工程で調理した料理に対する試食会のプログラムを実行し、この結果を出力再生装置4に出力する。この時、前記料理の工程で制御回路5に入力された各信号に基づいて、料理の評価が行われる。
【0107】
試食会が終了すると、音声又は画像処理装置3は、食器を洗う後片付けのプログラムが実行し、出力再生装置4から後片付けの指示が出される。使用者は、この指示にしたがって水道レバー状入力装置13を押すと、表示装置9に食器を洗っている映像が表示され、その音声がスピーカ10から発生される。
【0108】
このように、本実施の形態に係る音声又は画像入力システム1は、食材を洗う、切る、焼く・煮る、味付けする、盛り付けるなど、一連の調理を現実に沿って総合的に使用者が楽しみながら学ぶことができる。
【0109】
また、調理の途中で、作業が正しく行えたり、うまく行えた場合は、出力再生装置4に表示されたキャラクタが使用者をほめ、一方、作業がうまく行えなかった場合には、使用者を励ましたり、アドバイスを与えたりするため、双方向的な学習を行うことができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、全ての入力装置を使用して所望の料理を作る場合について説明したが、これに限らず、本発明に係る音声又は画像入力システム1は、各入力装置を単品で使用することもできる。
【0111】
例えば、コンロ状入力装置11を使用して鍋でお湯を沸かす場合、ブック103のコンロが印刷されている部分(あるいはそれに代わるキャラクタが印刷されている部分)を指定すると、そのページデータ及び座標データが制御回路5に入力され、このデータに一致した内容がROM6から呼び出され、映像回路7及び音声回路8を経て、その内容の画像及び音声が出力再生装置4に出力される。
【0112】
次に、使用者は、出力再生装置4の指示にしたがって、コンロ状入力装置11に鍋(図示せず)を載置し、火力調節ツマミ状入力装置12の火力調節ダイヤル31を所定位置(強32A又は弱32B)に回すと、しばらくして鍋の中の水が沸騰し始める様子が、出力再生装置4に表示される。この時、制御回路5は、火力調節ダイヤル31の位置及び信号の時間間隔を測定し、これがある条件を満たすと、前述したように振動部23A及び23Bを振動させて、鍋を振動させ、沸騰したことを模倣した自然な音を発生させる。ここで、この鍋の底面にも、フライパン80の底面に形成された凸部81と同様の凸部を形成すれば、この振動によって鍋がコンロ状入力装置11からずれたり、落ちたりすることがない。お湯が沸いたら出力再生装置4の指示にしたがって火力調節ダイヤル31を消火32Cに合せ、コンロの火を消す。
【0113】
この作業が終わった後は、例えば、出力再生装置4に表示されたキャラクタが、このお湯でお茶を飲む場面が映し出されるという演出を行うこともできる。
【0114】
また、水道レバー状入力装置13は、食材や食器を洗う作業の他、所定量の水を鍋などに入れる作業も行うことができる。この場合も、入力ペン17によりブック103の水道が印刷されている部分(あるいはそれに代わるキャラクタが印刷されている部分)を指定し、出力再生装置4に表示された指示にしたがって水道レバー状入力装置13の操作レバー43を押してスイッチボタン49のオン/オフを行えばよい。
【0115】
この作業においても、水を正しく測れた場合には、出力再生装置4に表示されたキャラクタが、水を正しく測れたことを誉めたり、失敗した場合には、励ましたり、アドバイスしたりするようになっている。
【0116】
また、まな板状入力装置14では、例えば、野菜を速く細く切るゲームを行うこともできる。このゲームは、玩具の包丁で、まな板本体51を叩く間隔及び回数を制御回路5に入力し、このデータに基づいて野菜の切れ方及び速さを評価するものである。この場合も、入力ペン17によりブック103のまな板が印刷されている部分(あるいはそれに代わるキャラクタが印刷されている部分)を指定し、出力再生装置4に表示された指示にしたがった作業を行えばよい。
【0117】
なお、本発明に係る音声又は画像処理システムは、前述した実施の形態の他、任意の入力装置を任意に組み合わせた仮想調理を行うことができることは勿論である。
【0118】
また、本実施の形態で説明した各入力装置のレイアウトは、一例であり、各入力装置としての機能を損なわない限り、このレイアウトは変更可能であることは勿論である。
【0119】
そしてまた、本実施の形態では、振動部が振動しても、コンロ状入力装置に載置した調理器具がずれたり、落ちたりすることを防止するため、コンロ状入力装置に凹部を設け、調理用具の底面にこの凹部に係合する凸部を設けた場合について説明したが、これに限らず、コンロ状入力装置に凸部を設け、調理用具の底面にこの凸部に係合する凹部を設けた構造としてもよく、また、他の形状の係合部と被係合部の組合わせを採用してもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 音声又は画像処理システム
2 入力システム
3 音声又は画像処理装置
4 出力再生装置
5 制御回路
6 ROM
7 映像回路
8 音声回路
9 表示装置
10 スピーカ
11 コンロ状入力装置
12 火力調節ツマミ状入力装置
13 水道レバー状入力装置
14 まな板状入力装置
15 選択ボタン
16 決定ボタン
80 フライパン
81 凸部
100 本体
101 蓋部
102 セット部
103 ブック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声又は画像処理装置に接続して使用するクッキング玩具であって、
前記音声又は画像処理装置は、ブックとROMをセットし、前記ブックの開かれたページに印刷されている絵又は文字をペンで指定すると、指定した位置の座標に対応して前記ROMから読み出されたデータを処理して指定したブック上の絵又は文字に関連する画像又は音声を出力再生装置から再生するように構成されてなり、
前記クッキング玩具は、当該クッキング玩具上に作りこまれた擬似まな板、擬似コンロ、擬似水道、シンクセットのいずれかを含む擬似クッキング設備を備え、
前記擬似クッキング設備が可動部を備え、前記可動部が操作されると当該操作に対応する信号が前記音声又は画像処理装置に入力され、前記音声又は画像処理装置は当該信号に応じて前記ROMから読み出されたデータを処理し前記出力再生装置に対応する映像を表示しあるいは音声を出力するように構成されてなり、
前記擬似クッキング設備の可動部に対する操作に対応して前記出力再生装置に表示される画像又は音声並びに当該操作に関連して作動する擬似クッキング設備の動きがクッキングの臨場感を与えるように構成されてなることを特徴とする、音声又は画像処理装置に接続して使用するクッキング玩具。
【請求項2】
前記擬似まな板は、クッキング玩具上に設けた支点に対し揺動可能に構成されてなり、玩具包丁で前記擬似まな板を叩く操作を行うと当該擬似まな板の揺動に応じてスイッチが動作し当該操作に応じた信号が前記音声又は画像処理装置に入力されるように構成された請求項1記載のクッキング玩具。
【請求項3】
前記擬似コンロは、擬似フライパン又は擬似鍋の載置又は取り外し操作に応じて信号を前記音声・画像処理装置に送り出すスイッチ部と、前記音声又は画像処理装置からの信号に応じて振動する振動部とを備え、当該振動部上に前記擬似フライパン又は前記擬似鍋等を載置すると、当該載置操作に対応する信号が前記出力再生装置に送られ、所定時間後に前記振動部が振動し沸騰を模擬する音を発生するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のクッキング玩具。
【請求項4】
前記擬似水道に備えられたレバーに対応する操作に応じて信号を前記音声又は画像処理装置に送出するスイッチ部を備え、前記レバーに対する操作に応じて前記出力再生装置に水が流れ洗う映像が表示され水の音を発生するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のクッキング玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−233351(P2009−233351A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164422(P2009−164422)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【分割の表示】特願平11−72723の分割
【原出願日】平成11年3月17日(1999.3.17)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】