説明

音声記録再生装置及び音声再生装置

【課題】 音声記録再生装置及び音声再生装置において、記録された複数チャンネルの音声のうち、音声が設定時間以上続いて記録されたチャンネルを選択して出力する。
【解決手段】 音声記録再生装置及び音声再生装置において、前記記録媒体にチャンネル毎に記録された音声データを再生する音声再生手段と、入力された音声データが予め定めた時間以上連続するか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数チャンネルの音声データを記録し再生する音声記録再生装置、及び複数チャンネルの音声データを再生する音声再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会議等、室内で複数の話者が対話する音声を記録するために、室内の複数箇所にマイクロホンを設置して、各々のマイクロホンから入力される音声を入力系統(チャンネル)毎に記録し再生する記録再生装置がある(特許文献1参照)。記録再生装置に記録された音声データは議事録を作成する場合などに用いられ、議事録作成者などが会議後に会議の発言を聴取する場合に音声データを再生して使用する。
【0003】
また、複数のマイクロホンから入力される音声情報を管理ファイルに記憶し、入力されたマイクロホン毎の音声データの記録状況、即ち時間の経過に沿った音声データの記録の有無をディスプレイに表示し、使用者が当該表示を見ながら、入力されたマイクロホン又は時間帯を選択することによって、当該選択された音声データを再生する音声録音再生装置がある(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−90754号公報
【特許文献2】特開2003−122397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された記録再生装置は、複数チャンネルの音声データを再生するとき、チャンネル毎に検出した音声信号レベルが予め定めたしきい値以下の場合には、当該チャンネルの音声信号レベルを一定量減衰させた後、全チャンネルの音声を合成して出力する。しきい値以下の音声信号レベルが自動的に一定量減衰されるので、発言者が、記録用マイクロホンから離れていた場合、又は声の小さな人であった場合、記録された音声信号レベルがしきい値を下回ることがあり、当該音声が再生されなくなることがある。また、このような音声信号レベルがしきい値を下回ることによって当該音声データが再生されなくなることを防止するために音声信号レベルのしきい値を下げると、会議の発言の聴取に不要な音声も再生されることがあり、議事録の作成等に必要な発言の聴取に支障となる虞があった。
【0006】
特許文献2に記載された音声録音再生装置は、使用者がディスプレイに表示される音声データの記録状況を見て、再生する音声データを選択する操作を必要とする。
会議中の発言者は、複数の相手に対して発言するときに複数の相手を交互に見て発言するため、発言中に顔の向きを変えることがあり、マイクロホンによって収音される声の大きさが変わることがあった。そうすると、複数箇所に設置したマイクロホンを使用して記録する場合、同じ発言者の一連の発言であっても、発言中に顔の向きを変えることによって、その発言者の発言が収音されるマイクロホンが変わる。このような場合、特許文献2に記載された音声録音再生装置において、使用者は、同じ発言者の一連の発言を再生するために、音声データの選択をいちいち手動で操作しなければならなかった。
【0007】
本発明の目的は、音声記録再生装置及び音声再生装置において、記録された複数チャンネルの音声データのうち、予め定めた時間以上続けて音声データが記録されたチャンネルを自動的に選択して音声データを出力する機能を備える装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の音声記録再生装置は、複数のチャンネルの音声データを記録し再生する音声記録再生装置において、チャンネル毎に入力される音声データの入力開始と入力終了を検出する音声検出手段と、チャンネル毎に入力される音声データを記録する第1の記録手段と、前記第1の記録手段に記録される音声データに関連するインデックスデータを記録する第2の記録手段と、時刻を計時する計時手段と、前記音声検出手段が音声データの入力開始を検出した時から入力終了を検出した時までの間前記第1の記録手段に音声データを記録させ、前記計時手段が出力する時刻データに基づいて前記音声検出手段が検出した音声データの入力開始を示す時刻と入力終了を示す時刻とを前記第2の記録手段を制御してインデックスデータに記録させる記録制御手段と、前記第1の記録手段に記録された音声データを再生する音声再生手段と、前記第2の記録手段に記録されたインデックスデータの入力開始時刻及び入力終了時刻に基づいて音声データが予め定めた時間以上連続して記録されているか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる再生制御手段とを備えるものである。
【0009】
本発明の請求項2に記載の音声再生装置は、複数のチャンネルの音声データ及び前記各チャンネルの音声データに関連するインデックスデータが記録され前記インデックスデータには音声データの入力開始時刻と入力終了時刻が記録されている記録媒体を再生する音声再生装置であって、前記記録媒体にチャンネル毎に記録された音声データを再生する音声再生手段と、インデックスデータの入力開始時刻及び入力終了時刻に基づいて音声データが予め定めた時間以上連続して記録されているか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続して音声データが記録されていると検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備えるものである。
【0010】
本発明の請求項3に記載の音声記録再生装置は、複数のチャンネルの音声データを記録し再生する音声記録再生装置において、チャンネル毎に入力される音声データを記録する記録手段と、前記記録手段に記録された音声データを再生する音声再生手段と、前記音声再生手段が再生する音声データの振幅が予め定めた値以上であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段によって振幅が予め定めた値以上であると検出された音声データが予め定めた時間以上連続するか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備えるものである。
【0011】
本発明の請求項4に記載の音声再生装置は、複数のチャンネルの音声データが記録された記録媒体を再生する音声再生装置において、記録媒体にチャンネル毎に記録された音声データを再生する音声再生手段と、前記音声再生手段が再生する音声データの振幅が予め定めた値以上であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段によって振幅が予め定めた値以上であると検出された音声データが予め定めた時間以上連続するか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の音声記録再生装置及び音声再生装置によれば、記録された複数チャンネルの音声データのうち、予め定めた時間以上続いて音声データが記録されたチャンネルを自動的に選択して音声データを再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の音声記録再生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。nチャンネルの入力端子1a、1b、・・・、1nには、それぞれマイクロホンが接続され、マイクロホンからの音声信号が音声入力部2a、2b、・・・、2nに入力される。音声入力端子2a、2b、・・・、2nは、各々、音声検出部201a、201b、・・・、201n、音声圧縮部202a、202b、・・・、202nを備える。
【0014】
音声検出部201a、201b、・・・、201nは、入力端子1a、1b、・・・、1nから入力される音声信号の振幅電圧の実効値が、音声検出部201a、201b、・・・、201n内に予め設定された電圧値以上であるか否か(又は、音声信号が入力されないときのノイズの電圧値を越えるか否か)を判別することによって音声データの入力の有無を検出し、検出信号を機器制御部301に出力する。ここで、音声信号が入力された場合であっても、入力された音声信号の振幅電圧が予め設定された電圧値未満であれば、音声検出部201a、201b、・・・、201nは、音声データの入力なしと判別する。
また、音声検出部201a、201b、・・・、201nは、音声データの入力を検出した後、予め定めた時間(例えば0.5秒程度)、音声データの入力がない状態を検出しても、音声データの入力なしの検出信号を出力しない。従って、後述する記録再生部4は、音声データの記録の処理を続行し、このことによって、一発言の途中で短時間の中断や休止があったとしても、一連の音声データとして記録することができる。
音声圧縮部202a、202b、・・・、202nは、入力端子1a、1b、・・・、1nから入力される音声信号をデジタルオーディオ信号に変換して圧縮処理して記録部4に出力する。音声圧縮部102が出力したデジタルオーディオ信号は、記録部4の音声記録領域部401に記録される。
【0015】
制御部3は、機器制御部301、計時部302、設定部303を備える。
計時部302は、現在時刻を計時し日時データを機器制御部301に出力する。
設定部303は、音声データを出力する条件として、音声検出部201a、201b、・・・、201nが入力ありと検出した音声データの連続時間を予め設定する。
機器制御部301は、使用者が操作パネル6に備える記録開始ボタン601を操作することによって、圧縮された音声データを記録再生部4の音声記録領域部401に記録するように制御する。
機器制御部301は、操作パネル6に備える記録開始ボタン601又は記録停止ボタン602が使用者によって操作された時刻と、音声検出部101の検出信号が音声データの入力無しから入力ありに変化した時刻と、音声検出部101の検出信号が音声データの入力ありから入力無しに変化した時刻を、計時部302から出力される日時データに基づいて、記録再生部4のインデックス記録領域部402に記録する。
【0016】
機器制御部301は、操作パネル6に備える自動再生開始ボタン603が使用者によって操作された場合、インデックス記録領域部402に記録されているインデックスデータ及び装置の動作状態を表示部7に表示する制御をする。
機器制御部301は、音声記録領域部401に記録されている音声データを再生する場合、設定部303に予め設定された時間以上の時間、連続して音声データの入力ありと検出されたチャンネルの音声データを出力するように、出力選択部501を制御する。
【0017】
記録再生部4は、不揮発性半導体メモリ等の記録媒体を用いたデータ記録再生装置であり、データ記録再生装置内の記録領域には、第1の記録再生部として音声データを記録再生するための音声記録領域部401、第2の記録再生部として音声データを検索するための見出し情報であるインデックスデータを記録再生するためのインデックス記録領域部402が設けられている。記録再生部4は、制御部3の制御により音声データ及びインデックスデータの記録再生を行う。
【0018】
音声出力部5は、出力選択部501、バッファ502a、502b、・・・、502n、音声伸張部503a、503b、・・・、503n、音声増幅部504、スピーカ505を備える。
出力選択部501は、機器制御部301の制御によって、記録再生部4から出力されるチャンネル毎の音声データをバッファ502a、502b、・・・、502nに出力するか否かを選択する。バッファ502a、502b、・・・、502nは、出力選択部501から出力された音声データを、機器制御部302の制御によって出力タイミングを調整して、音声伸張部503a、503b、・・・、503nに出力する。音声伸張部503a、503b、・・・、503nは、圧縮された音声データを伸張処理しアナログ音声信号に変換して音声増幅部504に出力する。音声増幅部504は、入力された音声信号を出力選択部501が選択したチャンネル分合成して増幅し、スピーカ505を介して外部に出力する。
【0019】
操作パネル6は、記録開始ボタン601、記録停止ボタン602、自動再生開始ボタン603、再生停止ボタン604、手動再生開始ボタン605、チャンネル入力部606を備える。
記録開始ボタン601は、使用者の操作に基づいて、音声の記録開始の操作信号を出力する。記録停止ボタン602は、使用者の操作に基づいて、音声の記録停止の操作信号を出力する。自動再生開始ボタン603は、使用者の操作に基づいて、音声の自動再生開始の操作信号を出力する。再生停止ボタン604は、使用者の操作に基づいて、音声の再生停止の操作信号を出力する。手動再生開始ボタン605は、使用者の操作に基づいて、音声の手動再生開始の操作信号を出力する。チャンネル入力部606は、使用者の操作に基づいて、再生チャンネルの入力の操作信号を出力する。
【0020】
表示部7は、機器制御部301から出力される、装置の動作状態、再生する音声チャンネルを示す番号、インデックスデータに記録されている時刻等を表示する。
【0021】
図2は、本実施例の音声記録再生装置の記録動作を示すフローチャートである。
装置の電源スイッチをオンにした後、記録開始ボタン601を押すと(S1でYes)、装置は音声データを記録開始可能な状態で待機し、音声検出部201a、201b、・・・、201nによって各チャンネルの音声データの入力の有無を検出する(S2)。音声検出部201a、201b、・・・、201nは、音声データの入力電圧により音声データの入力ありと検出すると(S2でYes)、機器制御部301に音声データの入力ありの検出信号を出力する。
【0022】
機器制御部301は、音声データの入力ありの検出信号が入力されると、当該音声データの入力があったチャンネルの音声データの記録開始時刻を含むインデックスデータを作成し、インデックス記録領域部402に記録するように記録再生部4を制御し(S3)、音声圧縮部202a、202b、・・・、202nが圧縮処理した音声データを音声記録領域部401に記録開始するように記録再生部4を制御する(S4)。
音声データの記録を開始した後、音声検出部201a、201b、・・・、201nが当該チャンネルの音声なしと検出すると(S5でNo)、音声データの入力なしの検出信号を機器制御部301に出力する。機器制御部301は、音声データの記録を停止するように記録再生部4を制御し、当該チャンネルの記録終了時刻を含むインデックスデータをインデックス記録領域部402に記録するように記録再生部4を制御する(S6)。
【0023】
記録停止ボタン602が押されなければ(S7でNo)、装置は、S2の音声検出部201a、201b、・・・、201nによる音声データの入力の有無の検出処理に戻って、音声データを記録開始可能な状態で待機し、以後の処理を行う。記録停止ボタン602が押されれば(S7でYes)、終了する。
以上の記録動作により、入力されたチャンネル毎に音声データの入力ありと検出されたとき、音声データは音声記録領域部401に記録される。
【0024】
図3は、本実施例の図1の音声記録再生装置及び後述する図4の音声再生装置の再生動作を示すフローチャートである。
装置の電源スイッチをオンにした後、音声データの再生を開始する場合(ST1)、自動再生開始ボタン603が押されると(ST2でYes)、機器制御部301は、インデックス記録領域部402に記録されたインデックスデータを読み出し、インデックスデータに記録された記録開始時刻及び記録終了時刻から音声データの記録時間を算出し、音声データが、設定部303に予め設定された時間以上連続して記録されたチャンネルを、検索する(ST3)。
【0025】
検索した結果、音声データが、設定部303に予め設定された時間以上連続して記録されたチャンネルがあれば(ST4でYes)、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、該当するチャンネルの音声データを再生させる(ST5)。ここで、該当するチャンネルが複数ある場合には、その複数のチャンネルの音声データを音声増幅部504が合成して再生する。音声データが終了するまで(ST8でNo)、再生が継続している間は(ST9でNo)、手動再生開始ボタンが押されたか否かの確認(ST2)、設定部303に予め設定された時間以上連続して記録されたチャンネルの検索(ST3)を行う。
【0026】
ST2で手動再生開始ボタンが押されたとき(ST2でNo)、使用者がチャンネル入力ボタン606を操作して再生するチャンネルの番号を指定することによって、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、指定されたチャンネルの音声データを再生させる(ST7)。
【0027】
音声データの再生中に、設定部303に予め設定された時間以上連続して記録されたチャンネルの検索(ST3)を行った結果によって、再生していないチャンネルで音声データの記録ありと検出された場合、又は再生しているチャンネルで音声データの記録なしと検出された場合、機器制御部201は、音声データの記録ありと検出されたチャンネルの音声データを再生するチャンネルに加え、音声データの記録なしと検出されたチャンネルの音声データを再生するチャンネルから外して、該当するチャンネルに切り換えて再生する(ST5)。
【0028】
ST4で検索した結果、該当チャンネルがない場合(ST4でNo)、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、全チャンネルの音声データを音声増幅部504によって合成して再生する(ST6)。音声出力部5の出力は、音声データが終了するか(ST8でYes)、又は再生停止ボタン604が押される(ST9でYes)まで続行される。
以上のようにして、音声データが記録されたチャンネルを自動的に選択して、再生することができる。
【0029】
ST2で手動再生開始ボタンが押されたとき(ST2でNo)、使用者がチャンネル入力ボタン606を操作して再生するチャンネルの番号を指定することによって、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、指定されたチャンネルの音声データを再生させ(ST7)、ST8以降の処理を行う。
以上の再生動作により、複数のチャンネルのうち、音声データが記録されたチャンネルが、自動的に選択されて再生される。
【0030】
図4は、本発明の音声再生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。図4において、図1と共通の構成要素には同符号を付して説明を省略する。図4に示す音声再生装置と図1の音声記録再生装置との相違点は、図4の音声再生装置は、入力端子1a、1b、・・・、1n、音声入力部2a、2b、・・・、2n、記録再生部4を備えないこと、記録媒体9の再生を行う再生部10を備えることである。
【0031】
再生部10は、データが記録されたメモリカード等の記録媒体9を再生する装置を用い、制御部3bの制御により音声データ及びインデックスデータの再生を行う。
制御部3bは、機器制御部301b、計時部302を備える。
機器制御部301bは、操作パネル6bに備える自動再生開始ボタン603が操作された場合、インデックス記録領域部902に記録されているインデックスデータ及び装置の動作状態を表示部7に表示し、音声記録領域部901に記録されている音声データを再生する場合、設定部303に予め設定された時間以上の時間、連続して音声データありと検出されたチャンネルの音声データを出力するように、出力選択部501を制御する。
図4の音声再生装置は、図3の再生動作を示すフローチャートに従って再生動作を行う。
【0032】
図5は、図4の音声再生装置が再生する記録媒体の記録を行う音声記録装置の構成の一例を示すブロック図である。図5において、図1と共通の構成要素には同符号を付して説明を省略する。図5に示す音声記録装置と図1の音声記録再生装置との相違点は、図5の音声記録装置は、記録再生部4、音声出力部5を備えないこと、記録媒体9に記録を行う記録部8を備えることである。
【0033】
制御部3aは、機器制御部301a、計時部302を備える。
機器制御部301aは、操作パネル6aに備える記録開始ボタン601を操作することによって、圧縮された音声データを記録部8によって記録媒体9の音声記録領域部901に記録するように制御する。
機器制御部301aは、操作パネル6aに備える記録開始ボタン601、記録停止ボタン602が操作された時刻、及び音声検出部101から音声ありの検出信号が出力された場合、音声データの入力開始時刻と入力終了時刻を、計時部302から出力される日時データに基づいて、記録部8によって記録媒体9のインデックス記録領域部902に記録する。
【0034】
記録部8は、交換可能なメモリカード等の記録媒体9を用いたデータ記録装置であり、記録媒体9の記録領域を、音声データを記録するための音声記録領域部901、音声データを検索するための見出し情報であるインデックスデータを記録するためのインデックス記録領域部902を設けて構成し、制御部3aの制御により音声データ及びインデックスデータの記録を行う。
【0035】
図6は本発明の音声記録再生装置の他の実施例の構成を示すブロック図である。図6において、図1と共通の構成要素には同符号を付して説明を省略する。図6に示す音声記録再生装置の図1の音声記録再生装置との相違点は、図6の音声記録再生装置は、音声出力部5に検出部506a、506b、・・・、506nを備えることである。
設定部303は、音声データを出力する条件として、音声データを検出するための電圧値、及び音声データの入力ありの状態の連続時間を、予め設定する。
【0036】
音声出力部5は、検出部506a、506b、・・・、506n、出力選択部501、バッファ502a、502b、・・・、502n、音声伸張部503a、503b、・・・、503n、音声増幅部504、スピーカ505を備える。
検出部506a、506b、・・・、506nは、機器制御部301に接続され、記録再生部4から音声データが出力されるチャンネル毎に、設定部303に設定された電圧値及び時間に基づいて、音声データの入力の有無を検出し、音声データが検出された場合にはその連続時間を検出する。
出力選択部501は、機器制御部301の制御によって、検出部506a、506b、・・・、506nから出力されるチャンネル毎の音声データをバッファ502a、502b、・・・、502nに出力するか否かを選択する。
【0037】
図7は、本発明の音声再生装置の他の実施例の構成を示すブロック図である。図7において、図4、図6と共通の構成要素には同符号を付して説明を省略する。図7に示す音声再生装置と図4の音声再生装置との相違点は、図7の音声再生装置は、音声出力部5に検出部506a、506b、・・・、506nを備えることである。
【0038】
図8は、本実施例の図6の音声記録再生装置及び図7の音声再生装置の再生動作を示すフローチャートである。
装置の電源スイッチをオンにした後、音声データの再生を開始する場合(ST1)、自動再生開始ボタン603が押されると(ST2でYes)、機器制御部301は、音声記録領域部401に記録されたチャンネル毎の音声データを音声出力部5に出力させる。音声記録領域部401からの音声データは、チャンネル毎の検出部506a、506b、・・・、506nに入力される。検出部506a、506b、・・・、506nは、設定部303に設定された電圧値及び時間に基づいて、音声データの入力の有無を検出し、音声データが検出された場合にはその連続時間を検出する(ST10)。
【0039】
検出部506a、506b、・・・、506nが、音声データの入力があり、音声データの入力ありの状態が設定部303に予め設定された時間以上の時間連続するチャンネルを検出した場合(ST11でYes)、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、該当するチャンネルの音声データを再生する(ST5)。ここで、該当するチャンネルが複数ある場合には、その複数のチャンネルの音声を音声増幅部504が合成して再生する。
音声データが終了するまで(ST8でNo)、再生が継続している間は(ST9でNo)、手動再生開始ボタンが押されたか否かの確認(ST2)、音声データの入力の有無の検出、音声データが検出された場合にはその連続時間の検出 (ST10)を行う。
【0040】
ST2で手動再生開始ボタンが押されたとき(ST2でNo)、使用者がチャンネル入力ボタン606を操作して再生するチャンネルの番号を指定することによって、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、指定されたチャンネルの音声データを再生させる(ST7)。
【0041】
音声データの再生中に、音声データの入力の有無の検出、音声データが検出されればその連続時間の検出(ST10)を行った結果、再生していないチャンネルで音声データが検出された場合、又は再生しているチャンネルで音声データが検出されなかった場合、機器制御部201は、検出されたチャンネルの音声データを再生するチャンネルに加え、検出されなかったチャンネルの音声データを再生するチャンネルから外して、該当するチャンネルに切り換えて再生する(ST5)。
【0042】
ST11で該当するチャンネルがない場合(ST11でNo)、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、全チャンネルの音声を音声増幅部504によって合成して再生する(ST6)。音声出力は、音声データが終了するか(ST8でYes)、又は再生停止ボタン604が押される(ST9でYes)まで続行される。
【0043】
ST2で手動再生開始ボタンが押されたとき(ST2でNo)、使用者がチャンネル入力ボタン606を操作して再生するチャンネルを指定することによって、機器制御部301は、音声出力部5を制御して、指定されたチャンネルの音声データを再生させ(ST7)、ST8以降の処理を行う。
【0044】
以上のように、本実施例の音声記録再生装置及び音声再生装置は、複数のチャンネルに記録された音声データを、音声データが記録されたチャンネルを自動的に選択して再生することができる。
【0045】
本実施例の音声記録再生装置及び音声再生装置によれば、複数のチャンネルに記録された音声データを再生する場合、音声データが予め設定した時間以上連続して記録されたチャンネルを選択して音声データを合成して出力するので、音声データが記録されていないチャンネルの雑音の影響を受けず、短時間の雑音や不規則な発言が記録されたチャンネルの音声データを軽減した再生を自動的に行うことができる
【0046】
本実施例の音声記録再生装置及び音声再生装置によれば、音声データが記録されたチャンネルを選択して音声データを合成して出力するので、単一のチャンネルの音声データだけでは十分に聴き取れない場合であっても、当該音声データが記録されている可能性のあるチャンネルの音声データを合成して出力するので、聴き取りやすくすることができる場合がある。例えば、離れて設置したマイクロホンの中間位置で発言者が発言した場合、どちらか一方のマイクロホンが収音した音声データだけでは聴き取れなくても、両方の音声データを合成して再生し、聴き取りやすくすることができる。
【0047】
本実施例の音声記録再生装置及び音声再生装置によれば、議事録を作成する場合等にも手動操作を行うことなく、音声データが記録されたチャンネルを自動的に選択して、音声データを聴取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の音声記録再生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例の音声記録再生装置の記録動作を示すフローチャートである。
【図3】本実施例の音声記録再生装置及び音声再生装置の再生動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の音声再生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の音声再生装置が再生する記録媒体に記録する音声記録装置の構成の例を示すブロック図である。
【図6】本発明の音声記録再生装置の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の音声再生装置の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】本実施例の音声記録再生装置及び音声再生装置の再生動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1a、1b、1n 入力端子
2a、2b、2n 音声入力部
3、10、11 制御部
4 記録再生部
5 音声出力部
6、6a、6b 操作パネル
7 表示部
8 記録部
9 記録媒体
10 再生部
201a、201b、201n 音声検出部
202a、202b、202n 音声圧縮部
301、301a、301b 機器制御部
302、302a、302b 計時部
401、901 音声記録領域部
402、902 インデックス記録領域部
501 出力選択部
502a、502b、502n バッファ
503a、503b、503n 音声伸長部
504 音声増幅部
505 スピーカ
601 記録開始ボタン
602 記録停止ボタン
603 自動再生開始ボタン
604 再生停止ボタン
605 手動再生開始ボタン
606 チャンネル入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルの音声データを記録し再生する音声記録再生装置において、チャンネル毎に入力される音声データの入力開始と入力終了を検出する音声検出手段と、チャンネル毎に入力される音声データを記録する第1の記録手段と、前記第1の記録手段に記録される音声データに関連するインデックスデータを記録する第2の記録手段と、時刻を計時する計時手段と、前記音声検出手段が音声データの入力開始を検出した時から入力終了を検出した時までの間前記第1の記録手段に音声データを記録させ、前記計時手段が出力する時刻データに基づいて前記音声検出手段が検出した音声データの入力開始を示す時刻と入力終了を示す時刻とを前記第2の記録手段を制御してインデックスデータに記録させる記録制御手段と、前記第1の記録手段に記録された音声データを再生する音声再生手段と、前記第2の記録手段に記録されたインデックスデータの入力開始時刻及び入力終了時刻に基づいて音声データが予め定めた時間以上連続して記録されているか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる再生制御手段とを備えることを特徴とする音声記録再生装置。
【請求項2】
複数のチャンネルの音声データ及び前記各チャンネルの音声データに関連するインデックスデータが記録され前記インデックスデータには音声データの入力開始時刻と入力終了時刻が記録されている記録媒体を再生する音声再生装置であって、前記記録媒体にチャンネル毎に記録された音声データを再生する音声再生手段と、インデックスデータの入力開始時刻及び入力終了時刻に基づいて音声データが予め定めた時間以上連続して記録されているか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続して音声データが記録されていると検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備えることを特徴とする音声再生装置。
【請求項3】
複数のチャンネルの音声データを記録し再生する音声記録再生装置において、チャンネル毎に入力される音声データを記録する記録手段と、前記記録手段に記録された音声データを再生する音声再生手段と、前記音声再生手段が再生する音声データの振幅が予め定めた値以上であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段によって振幅が予め定めた値以上であると検出された音声データが予め定めた時間以上連続するか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備えることを特徴とする音声記録再生装置。
【請求項4】
複数のチャンネルの音声データが記録された記録媒体を再生する音声再生装置において、記録媒体にチャンネル毎に記録された音声データを再生する音声再生手段と、前記音声再生手段が再生する音声データの振幅が予め定めた値以上であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段によって振幅が予め定めた値以上であると検出された音声データが予め定めた時間以上連続するか否かを検出する連続時間検出手段と、前記連続時間検出手段が予め定めた時間以上連続したと検出したチャンネルの音声データを前記音声再生手段に再生させる制御手段とを備えることを特徴とする音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−24247(P2006−24247A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199235(P2004−199235)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(301066006)株式会社デノン (61)
【Fターム(参考)】