説明

音声/データ送信と共に高速パケットデータ送信を多重化するための方法と装置

【課題】音声/データおよびパケットデータサービスを送信するための技術を提供する。
【解決手段】1局面では、音声/データとパケットデータとは、利用可能な資源が効果的に使用されるように送信間隔内で多重化される。もう1つの局面では、1基地局からの総送信パワーにおける変動量は、この基地局および他の基地局からの送信への劣化を減少させるように制御される。多数のタイプのデータを同時送信するための特定の方法では、第1のデータタイプ(例えば、音声、オーバヘッド、およびあるデータ)および第2のデータタイプは、それぞれ、第1および第2のペイロードを発生するために第1および第2の処理スキームに従ってそれぞれ処理される。第1および第2の区画はその後送信間隔内で定義される。第1および第2のペイロードは、それぞれ、第1および第2の区間に時間多重化され、そして多重化されたペイロードが送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ通信に関する。さらに詳しくは、本発明は無線通信システムにおいて従前の音声/データ送信と共に高速パケットデータ送信を多重化するための新規なおよび改良された技術に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の通信システムは種々の応用を支持するために必要とされる。1つのそのようなシステムは地上リンクによりユーザ間の音声およびデータ通信を支持する符号分割多重アクセス(CDMA)システムである。多重アクセス通信システムにおけるCDMA技術の使用は、米国特許番号4,901,307号、タイトル“衛星または地上中継器使用のスペクトル拡散多重アクセス通信システム(SPREAD SPECTRUM MULTIPLE ACCESS COMMUNICATION SYSTEM USING SATELLITE OR TERRESTRIAL REPEATER)”、および米国特許番号5,103,459号、タイトル“CDMAセルラ電話システムにおける信号波形を発生するためのシステムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING WAVEFORMS IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM)”に開示されている。特別のCDMAシステムは、1997年11月3日出願の米国特許出願番号08/963,386号、タイトル“高速パケットデータ送信のための方法と装置(METHOD AND APPARATUS FOR HIGH RATE PACKET DATA TRANSMISSION)”(HDRシステム)に開示されている。これらの特許と特許出願とは、本発明の譲受人に譲渡されそして引用されてこの中に組み込まれる。
【0003】
CDMAシステムは典型的に1つまたはそれ以上の標準に従うように構成される。そのような標準は、“TIA/EIA/IS−95−Bデュアルモード・ワイドバンド・スペクトル拡散セルラシステム用の移動局−基地局互換性標準(TIA/EIA/IS−95−B Mobile Station−Base Station Compatibility Standard for Dual−Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System)”(IS−95標準)、“TIA/EIA/IS−98デュアルモード・ワイドバンド・スペクトル拡散セルラ移動局用の勧告最小標準(TIA/EIA/IS−98 Recommended Minimum Standard for Dual−Mode Wideband Spread Spectrum Cellular Mobile Station)”(IS−98標準)、“第3世代パートナシップ・プロジェクト(3rd Generation Partnership Project)”(3GPP)と名づけられて、ドキュメント番号3G TS 25,211号、3G TS 25,212号、3G TS 25,213号および3G TS 25,214号を含む1セットのドキュメント内に具体化された、協会によって提供された標準(W−CDMA標準)、“cdma2000スペクトル拡散システム用のTR−45.5物理層標準(TR−45.5 Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems)”(cdma2000標準)、および“TIA/EIA/IS−856 cdma2000高速パケットデータ大気中インターフェイス仕様(TIA/EIA/IS−856 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification)”(HDR標準)を含む。新たなCDMA標準が頻繁に提案され、使用のために採用されている。これらのCDMA標準は引用されてこの中に組み込まれる。
【0004】
いくつかのCDMAシステムは、順方向および逆方向リンクを通して複数のタイプのサービス(例えば、音声、パケットデータなど)を支持することができる。各タイプのサービスは典型的に特別のセットの条件により特徴付けられ、そのいくつかは以下に記述される。
【0005】
音声サービスは(比較的に)厳重な固定遅延と同様に固定された共通のサービスグレード(GOS)を全ユーザに対して典型的に必要とする。例えば、音声フレームの全一方向遅延は100ミリ秒未満下に指定される。これらの要求条件は、(例えば、通信セッションの間そのユーザに割り当てられた専用チャネルを介して)各ユーザのために固定された(そして保証された)データレートを提供し、そしてリンク資源とは無関係の音声フレームのための最大の(許容)誤り率を保証することにより満足される。任意の与えられたデータレートでの必要な誤り率を維持するために、さらに高度の資源の割当てが劣化リンクを有するユーザに対して必要となる。
【0006】
対比して、パケットデータサービスは異なるユーザに対して異なるGOSを許容することができ、そしてさらに種々の遅延量を許容することができる。データサービスのGOSは典型的にデータメッセージのエラーの無い転送において発生する全遅延として定義される。送信遅延はデータ通信システムの効率を最高に利用するために使用されるパラメータであり得る。
【0007】
両タイプのサービスを支持するために、CDMAシステムは、特定のGOSとより短い遅延とを要する音声ユーザに送信パワーを最初に割り当てるように構成されて運用されてもよい。任意の残りの利用可能な送信パワーもその後、より長い遅延を許容できるパケットデータユーザに割り当てられることができる。
【0008】
CDMAシステムでは、各送信源は他の送信源への干渉として働く。パケットデータのバースト的な性質のため、1送信源からの送信パワーはデータバーストの送信中に広範に変動しうる。送信パワーにおける急激なそして広範な変動は他の資源からの他の送信と干渉して、これらの送信の性能を下げる可能性がある。
【0009】
理解されるように、高速パケットデータ送信を音声または他の送信と効率的にまた効果的に多重化するために使用できる技術は、大いに望ましい。
【発明の概要】
【0010】
本発明は音声/データおよび高速パケットデータサービスを同時に支持するための、そして音声/データサービス上のパケットデータサービスの影響を最小化するために、種々の技術を提供する。この発明の1局面に従って、音声/データとパケットデータとは利用可能な資源が効率的に使用されるように1送信間隔(例えば1スロット)以内で多重化されることができる。この発明のもう1つの局面に従って、基地局からの送信パワーは、総送信パワーにおける変動量がこの送信源および他の送信源(例えば基地局)からの送信の劣化を減少させるために特定の範囲以内に維持されるように制御される。
【0011】
この発明の特定の実施形態は、無線(例えば、CDMA)通信システムにおける多数のタイプのデータを同時に送信するための方法を提供する。この方法に従って、第1のタイプのデータ(例えば、音声、オーバヘッド、低および中間レートデータ、遅延鋭敏データ(delay sensitive data)、シグナリングなど)が受信され、そして第1のペイロードを発生するために第1の信号処理スキームに従って処理される。第2のタイプのデータ(例えば、高速パケットデータ)もまた受信され、そして第2のペイロードを発生するために第2の信号処理スキームに従って処理される。第1の信号処理スキームは、例えば、W−CDMAまたはcdma2000標準に従うことができ、そして第2の信号処理スキームは、例えば、HDR構成を実施できる。
【0012】
第1および第2の区画(partitions)はその後、第1のタイプのデータを送出するために使用されている第1の区画および第2のタイプのデータを送出するために使用されている第2の区画と共に、送信間隔内に定義される。第1および第2のペイロードはその後、それぞれ第1および第2の区画上に多重化され、そして多重化された第1および第2のペイロードが送信される。送信間隔についての容量は、第1のペイロードによって(例えば、より短い長さのチャネル化符号を使用することによって)必要とされたものよりも大きくなるように選択されることができる。
【0013】
この発明はさらに他の方法、送信器ユニット(例えば基地局)、受信器ユニット(例えば、遠隔端末)、および、以下にさらに詳細に記述されるように、この発明の種々の局面、実施形態、および特徴を実施する他の素子を提供する。
【0014】
本発明の特徴、性質および長所は、ここでおよび全体を通して付記される参照符号を有する図面と関連して、以下に述べる詳細説明からさらに明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】図1Aは無線通信システム内の多数の遠隔端末に対して複数のタイプのサービスを提供するためのFDM技術を図示する図である。
【図1B】図1Bは無線通信システム内の多数の遠隔端末に対して複数のタイプのサービスを提供するためのTDM技術を図示する図である。
【図1C】図1Cは無線通信システム内の多数の遠隔端末に対して複数のタイプのサービスを提供するためのCDM技術を図示する図である。
【図2A】図2Aは多数の音声/データユーザのためのおよび多数の音声/データおよびパケットデータユーザのための、CDMシステム内の基地局からの送信パワーのプロットである。
【図2B】図2Bは多数の音声/データユーザのためのおよび多数の音声/データおよびパケットデータユーザのための、CDMシステム内の基地局からの送信パワーのプロットである。
【図3】図3はW−CDMA標準により定義されたような専用物理チャネルのためのフレームフォーマットおよびスロットフォーマットの図である。
【図4】図4はこの発明の種々の局面を実施することができる通信システムの簡略ブロック図である。
【図5】図5は特定の基地局からの多数の音声/データ送信および多数のパケットデータ送信のための送信パワーのプロットである。
【図6】図6はW−CDMA標準に従うダウンリンク音声/データ送信およびHDR構成に従うパケットデータ送信のための送信器ユニットでの信号処理を示すブロック図である。
【図7】図7はW−CDMA標準に従うダウンリンク音声/データ送信およびHDR構成に従うパケットデータ送信のための送信器ユニットでの信号処理を示すブロック図である。
【図8】図8はW−CDMA標準に従うダウンリンク音声/データ送信およびHDR構成に従うパケットデータ送信のための受信器ユニットでの信号処理を示すブロック図である。
【図9】図9はW−CDMA標準に従うダウンリンク音声/データ送信およびHDR構成に従うパケットデータ送信のための受信器ユニットでの信号処理を示すブロック図である。
【発明の詳細な説明】
【0016】
図1A乃至1Cは無線通信システム内の多数の遠隔端末に対して複数タイプのサービスを提供するために3つの異なる技術を図示する図である。これらの異なるタイプのサービスのあるものは、例えば、音声、パケットデータ、ビデオ、放送、メッセージングなどを含んでもよい。無線通信システムのために典型的に使用された他のオーバヘッド送信は、例えば、ページング、パイロット、制御チャネルなどを含んでもよい。簡単のため、高速パケットデータはこの中では単純に“パケットデータ”と呼ばれ、そして残りのタイプのデータ(例えば、音声、オーバヘッド、あるタイプの中間および低レートデータ、遅延鋭敏データ、およびその他)は集合的に“音声/データ”と呼ばれる。パケットデータ送信の最適化は効率的なスペクトル使用の重要な局面である。しかしながら、音声/データ送信上のパケットデータ送信の影響を最小にすることはまた、望ましいレベルのサービス品質と信頼性とを維持するために重要である。
【0017】
図1Aは2つの周波数帯域を使用して音声/データとパケットデータサービスとを支持する周波数分割多重(FDM)システムを示す。上述されたように、音声/データとパケットデータサービスとの特性および要求条件における差異のため、これらのサービスを分離することが典型的には望ましい。FDMシステムでは、音声/データサービスは第1の周波数での1つの搬送波信号を有する第1のシステム(例えば、IS−95システム)によって支持されることができ、そしてパケットデータサービスは第2の周波数での第2の搬送波信号を有する第2のシステム(例えば、HDRシステム)によって支持されることができる。
【0018】
図1Bは時分割多重(TDM)システムを示し、そこでは送信が、あるシステムでは“スロット”と呼ばれ、またはある他のシステムでは“フレーム”と呼ばれてもよい、離散時間ユニットにより発生する。TDMシステムとしては、多数のスロットは音声/データサービスを支持するために割り当てられ、そして残りのスロットはパケットデータサービスを支持するために使用される。かつてのそのようなTDMシステムは、移動体通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))+一般化パケット無線システム(GPRS)システムである。GPRSはGSMパケットデータサービスを提供する。
【0019】
図1Cは符号分割多重(CDM)システムを示し、そこでは音声/データとパケットデータサービスとが利用可能な送信パワーを共有する。CDMシステムとしては、各音声/データ送信と各パケットデータ送信とは、送信が互いに(理想的には)直交するようにそれぞれのチャネル化符号により典型的にチャネル化される。各送信のための送信パワーは、望ましいレベルの性能を維持するために調節可能である。同時に支持されうる送信数と各送信のデータレートとは、データ負荷、利用可能な送信パワー、および他のファクタにより規定される。
【0020】
図2Aは多数の音声/データユーザを同時に支持するCDMシステム内の基地局からの送信パワーのプロットである。このCDMシステムとしては、各個人ユーザへの送信パワーはデータレートおよび経路条件における変化のため広範に変動してもよい。しかしながら、全音声/データユーザ用の総加算送信パワーは、統計的な平均化のため、より小範囲(パーセンテージ関連)を超えて典型的に変動する。各音声/データユーザはデータレートを低くする手段のみを典型的に必要とするので、多数の音声/データユーザは同時に支持されることができる。音声/データユーザの数が増加するほど、統計的な平均化はよくなりそして総加算送信パワーにおける変動量は減少する。
【0021】
無線通信システムとしては、各送信源(例えば、各基地局)からの送信パワーは、他の送信源が同じ無線資源を使用する時にそれへの干渉として働く。CDMシステムとしては、各ユーザにより受信された信号の品質は、そのユーザによって受信された信号により経験された総ノイズおよび干渉に依存する。このように、望ましい信号品質を維持するために、干渉はできるだけ低いままであり、そしてできるだけ一定のままである(システムは一般に干渉における漸進的な変化に対しては補償できるが急変に対しては補償できない)ことが望ましい。
【0022】
図2Bは多数の音声/データおよびパケットデータユーザを同時に支持するCDMシステム内の基地局からの送信パワーのプロットである。パケットデータサービスのバースト的な性質のため、そしてパケットデータ送信のために使用されうる高いピークレートのために、音声/データおよびパケットデータユーザのための総加算送信パワーは、音声/データユーザのみへの送信の時よりも短い時間周期の間、より大きい範囲を超えて変動できる。これは図2B内のプロットを図2A内のプロットと比較することにより観察される。基地局からの総送信パワーにおけるより大きい変動は、他の基地局からの送信の信号品質にさらに大きい変動を引き起こし、それはこれらの送信について性能劣化という結果となる可能性がある。さらに、総送信パワーにおけるより大きい変動はまた、マルチパスおよび他の現象のため、この送信基地局からの送信における信号品質により大きい変動を引き起こすことが可能である。
【0023】
開示された方法および装置は、音声/データおよびパケットデータサービスを同時に支持するために、そして音声/データサービス上のパケットデータサービスの影響を最小化するために使用されることができる種々の技術を提供する。1実施形態に従って、利用可能な資源が効率的に使用されるように、音声/データおよびパケットデータは1送信間隔(例えば、1スロット)内で多重化されることができる。もう1つの実施形態に従って、この基地局および他の基地局からの送信への劣化を減少させるために総送信パワー内の変動量が特定の範囲内に維持されるように、基地局からの送信パワーは制御される。
【0024】
多くのCDMシステムでは、データは離散送信間隔の間送信される。送信間隔の期間は、CDMシステムにより支持されているサービスに対して良好な性能を提供するように、典型的に定義される。例えば、W−CDMAシステムとしては、さらに15スロットに分割されている各無線フレームで、10ミリ秒無線フレームの間、送信が発生する。送信されるべきデータは区切られ、処理され、そして定義された送信間隔で送信される。
【0025】
一実施形態に従って、送信間隔の一部(即ち、音声/データの区画)は音声/データ送信のために割り当てられることができ、そして送信間隔の残りの部分(即ち、パケットデータの区画)は高速パケットデータ送信のために使用されることができる。音声/データおよびパケットデータの区画は、音声/データ負荷およびパケットデータ負荷に基づいてダイナミックに定義されることができ、そして以下にさらに詳細に記述されるように、固有のシグナリングを介して実施されることができる。音声/データおよびパケットデータの区画への送信間隔の区切りは、例えば、W−CDMAシステム、cdma2000システム、および他のシステムのような種々のCDMシステムについて達成されることができる。よりよい理解のために、送信間隔の区切りはW−CDMAシステムにおけるダウンリンク送信について、今明確に記述される。
【0026】
図3はW−CDMA標準により定義されたような専用物理チャネルのためのフレームフォーマットおよびスロットフォーマットの図である。種々のフレームフォーマットは、ダウンリンク専用チャネル(DPCH)、ダウンリンク共有チャネル(DSCH)など、のような各タイプの物理チャネル用のW−CDMA標準により定義される。各物理チャネル上に送信されるべきデータ(即ち、トラフィックデータ)は、10ミリ秒の時間周期をカバーしてスロット0乃至スロット14と表記された15スロットを含んでいる各無線フレームを有する、無線フレームに区切られる。各スロットはさらに、トラフィックデータ、オーバヘッドデータ、およびパイロットデータの組み合わせを運ぶために使用される1つまたはそれ以上のフィールドに区切られる。
【0027】
図3に示されるように、専用物理チャネルとしては、スロット310は第1のデータ(Data1)フィールド320a、第2のデータ(Data2)フィールド320b、送信パワー制御(TPC)フィールド322、トランスポートフォーマット結合インディケータ(TFCI)フィールド324、およびパイロットフィールド326を含む。データフィールド320aと320bとは専用物理チャネル用のトラフィックデータ(例えば、音声、パケットデータ、メッセージング、またはその他)を送るために使用される。送信パワー制御フィールド322は、他の遠隔端末への干渉を最小にする一方で、望ましいレベルの性能を達成するためにアップリンク上のそれの送信パワーをアップかダウンのいずれかに調節するように遠隔端末に指示すべくパワー制御情報を送るために使用される。トランスポートフォーマット結合インディケータフィールド324は、専用物理チャネルに関連する共用物理チャネルと同様にその専用物理チャネルのフォーマットの指示情報(例えば、ビットレート、チャネル化符号、など)を送るために使用される。パイロットフィールド326は専用物理チャネル用のパイロットデータを送るために使用される。
【0028】
表1は専用物理チャネル用のW−CDMA標準(V3.1.1版)により定義された、いくつかのスロットフォーマットを記載する。表1内の各スロットフォーマットはスロット内の各フィールドの(ビット数での)長さを定義する。表1に示されるように、専用物理チャネルのビットレートは広範な値(例えば、15Kbpsから1920Kbpsまで)上で変動することができ、そして各スロット内のビット数は同様に変動する。スロット内の1つまたはそれ以上のフィールドは、いくつかのスロットフォーマットについては省略(即ち、長さ=0)されてもよい。
【表1】

【0029】
W−CDMA標準に従って、多数の物理チャネルは特定の遠隔端末にデータを送るために使用されることができる。各物理チャネルは、(ダウンリンクについては4から512まで分布している)特定の拡散ファクタを有する直交可変拡散ファクタ(OVSF)符号でチャネル化される。OVSF符号は、この物理チャネル上の送信が他の物理チャネル上の他の送信と直交するようにこの物理チャネルをチャネル化する。OVSF符号は順方向リンク送信をチャネル化するためにIS−95システム内で使用されるウォルシュ符号と類似している。各物理チャネル用のOVSF符号は、通信セッションの出発点で(ネットワークにより)典型的に決定され、そしてそのセッションの間中は典型的に変化しない。
【0030】
拡散ファクタはOVSF符号の長さに相当する。より小さい拡散ファクタ(例えば、4)はより短い符号長に相当して、より高いデータレートとして使用され、またより大きい拡散ファクタ(例えば、512)はより長い符号長に相当して、より低いデータレートのために使用される。表1に示されるように、スロット当たりのビットの総数(およびこのようにトラフィックデータとして利用可能なビットの総数)は広範囲に亘って変動し、そしてそのスロットのために使用された拡散ファクタに依存する。
【0031】
一実施形態に従って、各スロットにおいてトラフィックデータに割り当てられたデータフィールド320aおよび320bは音声/データ区画とパケットデータ区画とに区切られる。音声/データ区画はそのスロット内に送信されるべき音声/データのために使用される。パケットデータ区画はパケットデータを送信するために使用される。
【0032】
物理チャネル上の特定の音声/データ送信については、送信のためのデータビットは、以下にさらに詳細に記述されるように、セグメントに分けられて処理される。W−CDMA標準に従って、各スロットのための音声/データペイロードは、いずれかの数のデータビット(即ち、特定数のビットである必要はない)を含む。また、音声/データペイロードのサイズはスロット毎で変動する。ペイロード内のビット数により、OVSF符号の拡散ファクタは適宜に選択される。
【0033】
表1に示されるように、OVSF符号のための拡散ファクタは4から512まで、そして2の冪に分布する。各拡散ファクタとスロットフォーマットとは、1スロット内に送信されることができる特定数のデータビットと関連する。拡散ファクタはこのようにスロットの容量を(粗く)選択するために使用されることができる。典型的に、与えられたペイロードサイズについては、そのペイロードサイズにほぼ匹敵する最大の可能性のある拡散ファクタが選択される。
【0034】
1スロットのためのペイロード内の符号化されたビット数は、選択された拡散ファクタとして利用可能なデータビット数と等しくなくてもよい。W−CDMA標準はこのようにレートマッチング・スキームを定義し、それによってペイロード内の多数の符号化されたビットはパンクチュアされる(即ち、削除される)か、またはレートマッチド・ビット数がそのスロット内の利用可能なビット数と等しくなるように繰り返される。
【0035】
W−CDMA標準により定義された処理メカニズム(例えば、拡散)を使用して、1スロットの容量は定義される。スロット容量の一部は音声/データのために使用され、そして残りの部分はパケットデータのために使用される。“スロット区画パラメータ”は定義され、そしてパケットデータおよび音声/データのために利用可能なスロットの特定の割当て(例えば、パーセンテージ量)を識別するために使用される。スロット区画パラメータは、音声/データ用のスロットの全割当て(例えば、スロット区画パラメータ=0%)、またはパケットデータ用のスロットの全割当て(例えば、スロット区画パラメータ=100%)、あるいはこれら2つの極端な状態の間におけるいずれか可能性のあるパーセンテージおよび混合を表す。
【0036】
表2は3つの異なるセットの拡散ファクタについて音声/データおよびパケットデータのための1スロットの区切りを記載する。与えられた音声/データペイロードについては、拡散ファクタはそのスロット容量がそのペイロードにほぼマッチするように選択されることができる。第2の欄に示されるように、特定のペイロードサイズによって、異なる拡散ファクタが必要となる可能性がある。もしその時に拡散ファクタがファクタ2だけ減少されれば、表1に示されるように、スロット容量はほぼ2倍になる。この場合、第3の欄に示されるように、スロット容量の半分は音声/データペイロードのために割り当てられることができ、そしてスロット容量の他の半分はパケットデータのために使用されることができる。このように、もし拡散ファクタがファクタ2だけ減少されれば、スロット容量のほぼ50%はパケットデータのために使用されることができる(即ち、スロット区画パラメータ=50%)。
【0037】
同様に、もし拡散ファクタがファクタ4だけ減少されれば、スロット容量はほぼ4倍になる。第4の欄に示されるように、その時にスロット容量の1/4は音声/データペイロードのために割り当てられることができ、そしてスロット容量の他の3/4はパケットデータのために使用されることができる。このように、もし拡散ファクタがファクタ4だけ減少されれば、スロット容量のほぼ75%はパケットデータのために使用されることができる(即ち、スロット区画パラメータ=75%)。スロット容量とスロット区画パラメータとをさらに増加させるために、拡散ファクタはさらに減少されることができる。
【表2】

【0038】
表1に示されるように、拡散ファクタは2の冪の長さを有し、そしてスロット容量は拡散ファクタがファクタ2だけ減少されるたびにほぼ2倍になる。拡散ファクタのこの粗い増加は、スロット区画パラメータにおける同様に粗い増加(例えば、0%、50%、75%など、100%まで)という結果となる。スロット区画パラメータの微調整はW−CDMAシステムにより定義されたレートマッチング・メカニズムの使用により達成される。レートマッチングで、スロット区画パラメータはいずれかの特定値(例えば、20%、30%、など)になるように定義されてもよい。音声/データペイロードはその時、以下にさらに詳細に記述されるように、固有のレートマッチング・パラメータを選択することにより音声/データ区画にフィットされることができる。レートマッチングはこのようにスロット区画パラメータの微調整のために使用されることができる。
【0039】
各物理チャネルの各スロットについて、音声/データ区画は1ユーザのために使用され、そしてパケットデータ区画は同じまたは異なるユーザのために使用される。区画は複数ユーザ間で混合されそしてマッチされる。
【0040】
図3は2つの縮小拡散ファクタに対応するスロットの区切りを示す。スロット330では、拡散ファクタはファクタ2だけ(SからS/2にダウン)縮小されて、スロット容量はほぼ2倍になる。データフィールド320aと320bとは音声/データ区画332とパケットデータ区画334とに区切られる。音声/データ区画332はそのスロットのほぼ半分(即ち、図3に示される例では左半分)を構成して、音声/データのために使用される。パケットデータ区画334はそのスロットの残りの半分を構成して、パケットデータのために使用される。
【0041】
同様に、スロット340では、拡散ファクタはファクタ4だけ(SからS/4にダウン)縮小されて、スロット容量はほぼ4倍になる。データフィールド320aと320bとは音声/データ区画342とパケットデータ区画344とに区切られる。音声/データ区画342はそのスロットのほぼ1/4を構成して、音声/データのために使用される。パケットデータ区画344はそのスロットの残りの3/4を構成して、パケットデータのために使用される。他の拡散ファクタもまた異なるスロット容量を提供するために、そして音声/データとパケットデータとの間の異なるパーセンテージ割当て(即ち、異なるスロット区画パラメータ)を提供するために使用される。
【0042】
表1に示されるように、拡散ファクタが特定のファクタ(例えば、2)だけ縮小される時には、異なるスロットフォーマットが使用される。新スロットフォーマットは典型的に異なる数のオーバヘッドビットと関連するので、新スロットのペイロード容量は特定のファクタだけほぼ(そして厳密にではなくてもよい)増大される。音声/データ区画およびパケットデータ区画へのスロットの区切りは種々の方法で達成される。
【0043】
第1の区切りの実施形態では、スロット区画パラメータは音声/データ負荷とパケットデータ負荷とに基づいて選択される。例えば、もし音声/データ負荷がパケットデータ負荷にほぼ等しいならば、拡散ファクタは丁度音声/データ負荷のために選択されている値の半分であるように選択される。そのスロット容量のほぼ半分はその後音声/データのために、そして他の半分はパケットデータのために割り当てられる。音声/データとパケットデータとは、以下にさらに詳細に記述されるように、その選択されたスロット区画パラメータに基づいて処理される。
【0044】
第2の区切りの実施形態では、音声/データペイロードがまず処理されて、スロット内の利用可能なスペースにマップされる。音声/データのために使用されないそのスロットの任意の残りの部分はその後パケットデータを多重化するために使用される。この実施形態では、スロット区画パラメータは音声/データペイロードの処理の後にそしてそのスロット内の残りの利用可能なスペースに基づいて決定される。あるスペースがパケットデータのために利用可能であることを保証するために、より小さい拡散ファクタが選択される。
【0045】
W−CDMAシステムについて、レートマッチング処理は、符号化されたビットの特定の番号が音声/データ区画内で利用可能なビット位置の番号とマッチすべく音声/データペイロードとして発生され得るように、運用される。もしペイロードが音声/データ区画よりも大きいならば、多数の符号化されたビットはパンクチュアされる(即ち、削除される)ことができる。あるいは、もしペイロードが音声/データ区画よりも小さいならば、多数の符号化されたビットは繰り返される。
【0046】
同様のレートマッチングはまた、ペイロードをパケットデータ区画内の利用可能なスペースにマッチさせるように、パケットデータ上で実行される。あるいは、パケットデータペイロードはパケットデータ区画とマッチするように形成される。パケットデータペイロードをパケットデータ区画にマップする他の技術はまた、予期されそしてこの発明の範囲内にある。
【0047】
一実施形態では、特定の基地局について、音声/データ用の全チャネルが同じ区画長を有するように定義される(それはチャネルに対する処理が異なってもよいので、必ずしも同じペイロードには対応しない)。これはパケットデータ区画内の完全に異なる送信機構(例えば、HDRシステムのそれと同種)の使用を支持する。
【0048】
1スロットの区切りとそのスロット内の音声/データおよびパケットデータの両者の送信とは多数の利益を提供できる。第1に、音声/データとパケットデータとは切り離される。この切離しは、例えば、2つの区画の間のオーバラップを最小にすることにより達成できる。音声/データとパケットデータとの切離しは音声/データ上へのパケットデータの影響を最小にすることができ、そして両タイプのサービスのための性能を改善できる。第2に、スロット区画は同じ搬送波上での音声/データとパケットデータとの両者の送信を支持する。これはCDMシステムが複数タイプのサービスをユーザに提供することを可能にする。第3に、スロット区画は、以下にさらに詳細に記述されるように、音声/データおよびパケットデータのための複数の(そして別々の)チャネル構造を支持できる。各チャネル構造は、そのチャネルにより支持されている特定のタイプのサービス(例えば、種々の符号化およびインターリービング・スキーム)のために特別に構成されることができる。また、W−CDMAシステムのような、いくつかのCDMシステムは、(既構成へのできるだけの小変更で)この発明のスロット区画を支持するように適用される。
【0049】
図4はこの発明の種々の局面を実施することができる通信システム400の簡略ブロック図である。特定の実施形態では、通信システム400はW−CDMA標準、cdma2000標準、または何か他の標準かCDMA(ベースの)構成に従うところの、CDMA(ベースの)システムである。送信器410(例えば、基地局)では、音声/データが、典型的にはブロックで、音声/データ源412aから送信(TX)音声/データプロセッサ414aに送出され、このプロセッサは符号化された音声/データを発生するためにそのデータをフォーマットし、符号化し、そして処理する。同様に、パケットデータが、典型的にはパケットで、パケットデータ源412bから送信パケットデータプロセッサ414bに送出され、このプロセッサは符号化されたパケットデータを発生するためにそのデータをフォーマットし、符号化し、そして処理する。
【0050】
符号化された音声/データとパケットデータとはその後、データを1TDMデータストリームに多重化するTDMマルチプレクサ416に供給される。TDM多重化されたデータは図3に示されるフォーマットを有し、そして変調された信号を発生するためにそのデータを(ディジタル方式でおよびアナログ法で)フィルタリングし、(直交)変調し、増幅し、そしてアップコンバートする送信器(TMTR)418に供給する。変調された信号はその後、1つまたはそれ以上のアンテナ420(図4には1アンテナのみが示されている)を介して1つまたはそれ以上の受信器ユニット(例えば、遠隔端末)に送信される。
【0051】
音声/データプロセッサ414aおよびパケットデータプロセッサ414bにより実行される処理は、実施されている特定のCDMA標準による。W−CDMA標準のための処理は、以下にさらに詳細に記述される。送信コントローラ422は望ましい出力データを供給するために音声/データプロセッサ414aおよびパケットデータプロセッサ414bの動作を指示する。コントローラ422はさらに望ましいTDMデータストリームが得られるようにTDMマルチプレクサ416の動作を指示する。
【0052】
受信器ユニット430では、送信された信号は1つまたはそれ以上のアンテナ432(再び、図4には1アンテナのみが示されている)により受信され、そして受信器(RCVR)434に供給される。受信器434内では、受信された信号はサンプルを発生するために増幅され、フィルタリングされ、ダウンコンバートされ、(直交)復調され、そしてディジタル化される。記号を発生するために、サンプルは、例えば、ディジタル方式でフィルタリングされ、スケーリングされるなど、処理されてもよい。TDMデマルチプレクサ(DEMUX)436は記号を受信してデマルチプレックスし、そして音声/データ記号を受信(RX)音声/データプロセッサ438aに、またパケットデータ記号を受信パケットデータプロセッサ438bに供給する。各データプロセッサ438は、送信器ユニット410で実行された処理および符号化に幾分か相補的なそれぞれ受信された記号を処理して、復号する。データプロセッサ438aおよび438bからの復号されたデータはその後それぞれのデータシンク440aおよび440bに供給される。
【0053】
受信コントローラ442は、データ記号が正確にデマルチプレクスされて、固有の受信データプロセッサに送られるように、TDMデマルチプレクサ436の動作を指示できる。コントローラ442はデータ記号を正確に処理して復号するように、受信データプロセッサ438aおよび438bの動作をさらに指示できる。
【0054】
スロット区画、スロット区画パラメータ、および信号処理パラメータ(集合的に、処理情報)は種々のシグナリング・スキームに基づいて送信源(例えば、基地局)により受信装置(例えば、遠隔端末)に送られる。一実施形態では、処理情報は基地局により(1)制御チャネル(例えば、W−CDMAシステムにおける共通制御物理チャネル(CCPCH))上で、(2)送信自身内で(例えば、そのスロット内の制御データフィールド内で)、または何か他のメカニズムを介して、遠隔端末に送られる。もう1つの実施形態では、処理情報のあるものはセッション初期化ステージの間中、遠隔端末に供給される。その後遠隔端末はあとの使用のためにこの情報を蓄積する。
【0055】
上述された信号処理は種々のタイプのサービスの送信を支持する。双方向通信システムは両方向データ送信を支持する。しかしながら、逆方向のための信号処理は、簡単のため図4には示されていない。しかしながら、逆方向リンク送信は両区画に共通であるか、またはなお区切られることは注意されねばならない。
【0056】
音声/データおよびパケットデータは種々の方法で処理されることができる。処理の1実施形態では、音声/データおよびパケットデータは2つの異なる処理スキームを実施できる2つの(独立の)処理経路により処理される。種々の信号処理スキームは、例えば、CDMA、TDMAなどのように使用されることができる。各処理経路は最近のスロット区画パラメータを考慮に入れることができ、そしてそれがそのスロット内に割り当てられたスペースにマップされることができるように音声/データまたはパケットデータペイロードを処理する。図4に示されるように、音声/データおよびパケットデータのための2つの信号処理スキームは送信器ユニット410では2つのデータプロセッサ414aおよび414bにより、そして受信器ユニット430ではデータプロセッサ438aおよび438bにより支持される。
【0057】
各処理経路のための信号処理スキームは、その経路により送信されているデータタイプについて具体的に選択されてもよい。音声/データについては、特定のCDMA標準(例えば、W−CDMA、cdma2000、またはIS−95標準)か、または何か他のCDMA(ベースの)構成により定義された信号処理が使用されてもよい。パケットデータについては種々のCDMA標準の同じものか、または何か他の構成(例えば、HDR)により定義された信号処理が使用されてもよい。HDR構成はパケットデータによく適合し、そして他のCDMA信号処理スキーム以上に改善された性能を提供できる。音声/データとパケットデータとはこのようにそれらのそれぞれの信号処理スキームに基づいてセグメント分けされ、符号化され、レートマッチングされ、そしてインターリーブされる。
【0058】
図4には明白には示されていないが、音声/データとパケットデータとは同じまたは2つの異なる変調スキームを使用して変調される。使用されてもよい変調スキームは、例えば、直交PSK(QPSK)またはオフセットQPSK(OQPSK)のような位相シフトキーイング(PSK)、直交振幅変調(QAM)、直交周波数分割多重(OFDM)、およびその他を含む。
【0059】
1つの代替の処理例では、音声/データおよびパケットデータは共通の信号処理スキームに基づいて処理され、それは特定のCDMA標準(例えば、W−CDMAまたはcdma2000標準)あるいは何か他のCDMA(ベースの)構成により定義されることができる。しかしながら、種々のパラメータのセットが音声/データおよびパケットデータのために使用されてもよい。例えば、パケットデータ用のブロック長およびインターリービング間隔が音声/データ用よりも長くなるように選択されてもよい。また、異なる符号化スキームが音声/データおよびパケットデータのために使用されてもよい。例えば、音声/データは畳込み符号化を使用して符号化されてもよく、そしてパケットデータはターボ符号化を使用して符号化されてもよい。これらの種々の処理スキームは、W−CDMAおよびcdma2000標準のような何かより新しい世代のCDMA標準により支持される。共通信号処理スキームの使用は送信器ユニットおよび受信器ユニットの構成を単純化できる。
【0060】
一実施形態では、図4に示されるように、音声/データとパケットデータとは共に信号処理の後に1スロットに時分割多重化される。音声/データとパケットデータとがTDMマルチプレクサ416の出力に現れる時間オーダはほぼ、データが大気中に送信される時間オーダである。信号処理の後に音声/データとパケットデータとをTDM多重化することは、以下にさらに詳細に記述されるように、これら2つのデータタイプの切離しを可能とする。
【0061】
1つの代替の実施形態では、音声/データとパケットデータとは共に信号処理より前に1スロットに時分割多重化される。TDM音声/データとパケットデータとはその後(例えば、共通信号処理スキームに基づいて)処理される。音声/データとパケットデータとはこの実施形態では混合されてもよいが、種々の技術が音声/データ上へのパケットデータの影響を最小化するために使用されることができる。例えば、特定の基地局について、音声/データ用の全チャネルは同じ区画長を有することを定義されることができる。音声/データ上へのパケットデータの影響を最小化するための追加の技術が以下にさらに詳細に記述される。
【0062】
改善された性能は、もし近隣基地局(またはセル)のためのパケットデータ区画がほぼ時間的に揃えられるならば得ることができる。音声/データ送信とパケットデータ送信との間のオーバラップの量を(可能な限度まで)最小にすることにより、2つのタイプの送信間の干渉の量を減少させることができ、それは両タイプの送信の性能を改善できる。区画のアラインメントは音声/データ送信上へのパケットデータ送信のバースト性および高データレートの影響を減少できる。
【0063】
近隣セル内のパケットデータ区画のタイムアラインメントは、使用しているセルのタイミング、例えば、グローバル・ポジション・システム(GPS)衛星からのタイミングをまず同期化させることにより達成される。スロット区画パラメータは、与えられたセルクラスタに対してほぼ同じもの(例えば、50%)であるように選択されてもよい。スロットはその後、そのクラスタ内のセルのためのパケットデータ区画ができるだけ多くオーバラップするように区切られる。また、スロット区画パラメータ内の変更は特定の範囲に限定される。(近隣の)基地局間のシグナリングはパケットデータ区間を合わせるために使用される。
【0064】
もし近隣セルのためのパケットデータ負荷が異なるならば、スロット区画はなおパケットデータ区画ができるだけ多くオーバラップするように定義される。しかしながら、より軽いパケットデータ負荷を有するセルについては、いくつかのスロットはパケットデータ区画を持たない(即ち、スロット区画=0%)と定義されてもよい。もし音声/データ区画とパケットデータ区画とが1特定基地局または1グループの近隣基地局についてオーバラップするならば、音声/データ区間またはパケットデータ区間、あるいはその両者についての送信パワーは、オーバラップからの影響を減少させるために調節される。例えば、音声/データ区間についての送信パワーは増加され、パケットデータ区間についての送信パワーは減少されるか、あるいはある特定値(例えば、以下に記述されるように、同じスロット内の音声/データ区間のそれとほぼ等しい)か、またはそれの組み合わせに制限される。
【0065】
また音声/データおよびパケットデータ区間の間のオーバラップの量を減少させるためには、“ガードタイム”が音声/データ区間およびパケットデータ区間の間に供給される。ガードタイムはいずれかのタイプのどのデータも送信されない特定時間の持続期の間隙である。
【0066】
一実施形態では、種々の信号処理スキームを支持するために、そして他の(例えば、より古い世代の)CDMAシステムと下位互換性があるために、ある(物理)チャネル上の送信は音声/データおよびパケットデータを同時に支持するために時分割多重化され、そしてある他のチャネル上の送信は音声/データのみ(または多分パケットデータのみ)を支持するように動作される。この発明のシステムがレガシーシステム上に載置される時は、レガシーシステムのあるものはチャネルの区切りを支持しないので、全ダウンリンクチャネルのすべての区画を合わせることは典型的に不可能である。そのような場合には、パケットデータチャネル構造は、チャネル間の干渉を最小にするためにレガシーチャネル構造と矛盾しない(例えば、直交する)ように構成される。
【0067】
もう1つの実施形態に従って、音声/データ送信上へのパケットデータ送信の影響を減少させるために、特に2タイプの送信がオーバラップする時には、パケットデータ送信のための送信パワーは基地局からの総加算送信パワーにおける変動量を減少させるように調整される。図2Bに示されるように、パケットデータ送信のバースト性と高いデータレートとは基地局からの総加算送信パワーにおける大きい変動を引き起こし、それはその後、この基地局および他の基地局からの他の送信への干渉量における大きい変動を引き起こす可能性がある。総加算送信パワーにおける変動は種々のスキームに基づいて減少される。
【0068】
図5は特定の基地局からの多数の音声/データ送信および多数のパケットデータ送信のための送信パワーのプロットである。各スロットについて、すべての音声/データのみの送信のための送信パワーは合計され、そして総加算音声/データ送信パワーは図5に示されるようにプロットされる。混合音声/データおよびパケットデータ送信について、すべての音声/データ区画のための送信パワーは合計され、そしてすべてのパケットデータ区画のための送信パワーもまた合計される。パケットデータ区画のための総加算送信パワーは、図5に示されるように、音声/データ区画のための総加算送信パワーとほぼ等しくなるように維持される。
【0069】
音声/データおよびパケットデータのための送信パワーの“等化”は、“送信当たり”レベルか“基地局当たり”レベルで達成される。送信当たりレベルでは、(例えば、特定の遠隔端末への)各混合送信のパケットデータ区画のための送信パワーは音声/データ区画のための送信パワーとほぼ等しくなるように維持される。これは、多数の遠隔端末への多数の送信についての2つの区画のための総加算送信パワーがほぼ等しくなるであろうことを保証する。送信当たりレベルでの等化は、基地局当たりレベルでよりも実施するのがより簡単になる可能性がある。
【0070】
基地局当たりレベルでは、各混合送信のパケットデータ区画のための送信パワーは、音声データ区画のための送信パワーから変化することを可能とする。しかしながら、2区画のための基地局からの総加算送信パワーはほぼ等しくなるように維持される。基地局内のコントローラは、加算送信パワーの等化が達成されるように各混合送信に対してパケットデータ区画のための送信パワーを割り当てる。
【0071】
図6および7はW−CDMA標準に従うダウンリンク音声/データ送信のためのおよびHDR構成に従うダウンリンクパケットデータ送信のための、送信器ユニット410での信号処理の図である。ダウンリンクは基地局から遠隔端末(またはユーザ装置(UE)、W−CDMA標準において使用される述語)への送信に当てはまり、そしてアップリンクは遠隔端末から基地局への送信に当てはまる。
【0072】
音声/データのための信号処理は図4に示される音声/データプロセッサ414aにより実行される。W−CDMAシステムの上位信号層は、特定の通信のための音声/データ(例えば、音声、ビデオ、データなど)を搬送できる各トランスポートチャネルを有する、多数のトランスポートチャネルの同時送信を支持する。各トランスポートチャネルのための音声/データは、トランスポートブロックとも呼ばれるブロックにおいて、それぞれのトランスポートチャネル処理セクション610に供給される。
【0073】
各トランスポートチャネル処理セクション610内では、各トランスポートブロックは、ブロック612において、巡回冗長検査(CRC)ビットを計算するために使用される。CRCビットはトランスポートブロックに添付されて、エラー検出のために受信器ユニットで使用される。多数のCRC符号ブロックはその後、ブロック614において、共に連続的に連結される。もし連結後のビットの総数が符号ブロックの最大サイズより大きいならば、そのビットは多数の(均等なサイズの)符号ブロックにセグメント分けされる。各符号ブロックはその後、ブロック616において、特定の符号化スキーム(例えば、畳込み符号、ターボ符号)で符号化されるか、または少しも符号化されない。
【0074】
レートマッチングはその後、ブロック618において、符号ビット上で実行される。レートマッチングはより高い信号層によって割り当てられたレートマッチング属性に基づいて実行される。1実施形態に従って、レートマッチングはさらに、各スロットのための音声/データ区画を定義するスロット区画パラメータに基づいて実行される。
【0075】
アップリンク上のレートマッチングについて、ビットは各音声/データペイロードのために送信されるべきビット数が、配置された音声/データ区画内で利用可能なビット数とマッチするように繰り返されるか、またはパンクチュアされる。ダウンリンク上では、W−CDMA標準に従って、使用しないビット位置は、ブロック620において、不連続送信(DTX)ビットで満たされる。DTXビットは送信が止められねばならない時を示し、そして実際には送信されない。1実施形態に従って、使用しないビット位置はパケットデータ区画に好都合に割り当てられて、パケットデータ送信のために使用される。
【0076】
レートマッチングされたビットはその後、ブロック622において、タイムダイバーシティを提供するために特定のインターリービング・スキームに従ってインターリーブされる。その間インターリービングが実行される時間間隔は、1セットの可能な時間間隔(即ち、10ミリ秒、20ミリ秒、40ミリ秒、または80ミリ秒)から選択される。インターリービング時間間隔は送信時間間隔(TTI)とも呼ばれる。TTIは各トランスポートチャネルと関連する属性であり、そしてW−CDMA標準に従って、通信セッションの間は典型的に変化しない。この中で使用されるように、“トラフィック”は特定のトランスポートチャネル用の1TTI以内のビットから成る。
【0077】
選択されたTTIが10ミリ秒よりも長い時には、ブロック624において、そのトラフィックはセグメント分けされて、連続的なトランスポートチャネル無線フレーム上にマップされる。各トランスポートチャネル無線フレームは1(10ミリ秒)無線フレーム周期に亘る送信に相当する。W−CDMA標準に従って、1トラフィックは1、2、4、または8無線フレーム周期に亘ってインターリーブされてもよい。
【0078】
すべての活動中のトランスポート処理セクション610からの無線フレームはその後、ブロック630において、符号化された合成トランスポートチャネル(CCTrCH)上で連続的に多重化される。DTXビットはその後、ブロック632において、送信されるべきビット数がデータ送信のために使用された物理チャネル上で利用可能なビット数とマッチするように、多重化された無線フレームに挿入されてもよい。再び、1実施形態に従って、DTXビット位置はパケットデータ送信のために好都合に使用されることができる。もし1以上の物理チャネルが使用されれば、ブロック634において、そのビットはその物理チャネルの間でセグメント分けされる。各物理チャネルは種々のTTIを有するトランスポートチャネルを運ぶことができる。各物理チャネルのための各無線フレーム周期内のビットはその後、ブロック636において、追加のタイムダイバーシティを供給するためにインターリーブされる。インターリーブされた物理チャネル無線フレームはその後、ブロック638において、それらのそれぞれの物理チャネルにマップされる。
【0079】
図6はまたHDR構成に従うダウンリンクパケットデータ送信のための送信器ユニット410での信号処理を示す。データプロセッサ414b内部では、各データパケットは、ブロック652において、CRCビットを計算するために使用される。CRCビットはパケットに添付されて、エラー検出用の受信器ユニットで使用される。CRCビット、データビット、および(もしあるなら)他の制御ビットはその後、ブロック654において、フォーマットされる。フォーマットされたパケットはその後、ブロック656において、特定の符号化スキーム(例えば、畳込み符号、ターボ符号)で符号化される。符号ビットはその後、ブロック658において、パケットデータ送信を受信するために選択された遠隔端末に割り当てられたスクランブリングシーケンスでスクランブルされる。
【0080】
スクランブルされたビットは次に、ブロック660において、特定の変調スキームに従って変調される。種々の変調スキーム(例えば、PSK、QPSK、およびQAM)が,例えば、送信のデータレートによって選択されたスキームで使用される。変調記号はその後、ブロック662において、インターリーブされる。記号はその後、ブロック664において、望ましい数の記号を得るためにパンクチュアされるか反復されてもよい。記号のパンクチャリング/反復はまた、スロット区間パラメータおよび割り当てられたパケットデータ区間に基づいて実行される。記号はその後、ブロック666において、デマルチプレクスされ、そしていくつかの物理チャネル上にマップされる。
【0081】
図7は物理チャネルのための信号処理の図である。図7に示されるように、各物理チャネル用の音声/データは、データプロセッサ414a内のそれぞれの物理チャネル処理セクション640に供給される。各物理チャネル処理セクション640内部で、データは、ブロック642において、複素表示(即ち、同相および直交成分)に変換される。各物理チャネル用の複素データはその後、ブロック644において、それぞれのチャネル化符号(例えば、OVSF符号)でチャネル化(即ち、カバー)され、そしてその後、ブロック646において、疑似ノイズ(PN)拡散符号で拡散される。拡散されたデータは、ブロック648において、音声/データ送信の送信パワーを調整するために、スケールされてもよい。
【0082】
各物理チャネルについてパケットデータのための処理はそれぞれの物理チャネル処理セクション670により実行され、それは典型的にカバリング、拡散、およびスケーリングをも実行する。すべての活動中の物理チャネル処理セクション640および670からの処理されたデータはその後、TDMマルチプレクサ416に供給される。TDMマルチプレクサ416は、受信されたデータをスロット内の固有の区画に時分割多重化する。遠隔端末への送信にふさわしい変調された信号を発生するためのその後の信号処理は当技術分野において既知であり、この中には記述されない。
【0083】
図8および9はW−CDMA標準に従うダウンリンク音声/データ送信およびHDR構成に従うダウンリンクパケットデータ送信のための受信器ユニット430での信号処理の図である。図8および9に示される信号処理は図6および7に示されるものと相補的である。初めに、変調された信号が受信され、調節され、ディジタル化され、そして送信のために使用される各物理チャネル用の記号を供給するために処理される。各記号は特定の分解能(例えば、4ビット)を有し、そして送信されたビットに相当する。記号はTDMデマルチプレクサ436に供給され、それは音声/データ記号をデータプロセッサ438aに、そしてパケットデータ記号をデータプロセッサ438bに供給する。
【0084】
図8は物理チャネルのための信号処理を示す。各物理チャネル上に送信された音声/パケットデータとパケットデータとは、受信された信号を固有の逆拡散およびデカバリング符号で逆拡散およびデカバリングすることにより再生される。図8に示されるように、音声/データ記号は多数の物理チャネル処理セクション710に供給される。各物理チャネル処理セクション710内部では、記号は、ブロック712において、送信器ユニットで使用された同じPN拡散符号で逆拡散され、ブロック714において、固有のチャネル化符号でデカバーされ、そしてブロック716において、実記号に変換される。各物理チャネル処理セクション710からの出力は、その物理チャネル上に送信された符号化された音声/データから成る。パケットデータ用の処理は物理チャネル処理セクション750により同様の方法で達成される。
【0085】
図9はW−CDMA標準に従う物理チャネル上の音声/データ送信のための受信器ユニット430での処理を示す。データプロセッサ438aの内部では、各物理チャネルのための各無線フレーム周期内の記号は、ブロック722において、デ・インターリーブされ、そして送信のために使用されたすべての物理チャネルからのデ・インタリーブされた記号は、ブロック724において、連結される。ダウンリンク送信については、(もしあるならば)送信されなかったビットは、ブロック726において、検出されて取り除かれる。記号はその後、ブロック728において、種々のトランスポートチャネルの中でデマルチプレクスされる。各トランスポートチャネルのための無線フレームはその後、それぞれのトランスポートチャネル処理セクション730に供給される。
【0086】
各トランスポートチャネル処理セクション730の内部では、トランスポートチャネル無線フレームは、ブロック732において、トラフィックの中に連結される。各トラフィックは1つまたはそれ以上のトランスポートチャネル無線フレームを含み、そして送信のために使用された特定のTTIに相当する。各トラフィック内部の記号は、ブロック734において、デ・インターリーブされ、そして(もしあるなら)送信されなかった記号は、ブロック736において、取り除かれる。逆レートマッチングはその後、ブロック738において、反復された記号を蓄積するために実行され、そしてパンクチュアド記号用の表示を挿入する。トラフィック内の各符号化されたブロックはその後、ブロック740において、復号化され、そして復号化されたブロックは、ブロック742において、連結されて、それらのそれぞれのトランスポートブロックにセグメント分けされる。各トランスポートブロックはその後、ブロック744において、CRCビットを使用してエラーについて検査される。
【0087】
図9はまたHDR構成に従うダウンリンクパケットデータ送信のための受信器ユニット430での信号処理を示す。データプロセッサ438aの内部では、多数の物理チャネルからの記号は、ブロック760において、共に多重化される。抹消がその後、ブロック762において、パンクチュアドビットのために挿入され、そして反復された記号は蓄積される。レートマッチされた記号は、ブロック764においてデ・インターリーブされ、ブロック766において復調され、ブロック768においてデスクランブルされ、そしてブロック770において復号される。デ・インターリービング、復調、デスクランブリング、および復号は、送信器ユニットで実行された処理に相補的に実行される。復号されたデータは、ブロック772において、フォーマットされ、そして復号されたデータパケットは、ブロック774において、CRCビットを使用してエラーについて検査される。
【0088】
特定の送信のための音声/データおよびパケットデータ区間は単一のユーザのために使用され、または2つの異なるユーザのために使用される。送信における両区画を受信するために、図8および9に示される処理セクションが使用される。もし遠隔端末が送信において音声/データ区画のみを受信していれば、TDMデマルチプレクサおよび音声/データプロセッサのみが必要である。同様に、もし遠隔端末が送信においてパケットデータ区画のみを受信していれば、TDMデマルチプレクサおよびパケットデータプロセッサのみが必要である。
【0089】
明快なこととして、この発明の種々の局面は、2つのタイプのデータ、即ち、高速パケットデータおよび音声/データについて記述している。この発明は2以上のタイプのデータを収容するために応用されることができる。各タイプのデータはスロット内のそれぞれの区画により支持されることができる。
【0090】
また明快なこととして、この発明の種々の局面は、W−CDMA標準に従うCDMAシステムについて記述している。この発明はまた、例えば、cdma2000標準のような他のCDMA標準に従うか、またはある他のCDMA(ベースの)構成に従う、他のCDMA(ベースの)システム内で使用されるために応用されてもよい。
【0091】
送信器ユニット410および受信器ユニット430の素子は種々の方法で実施されることができる。例えば、図4に示された各データプロセッサおよびコントローラは、1つまたはそれ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、ディジタル信号プロセッサ(DSPs)、プログラマブル論理装置(PLDs)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、この中に記述された機能を実行するために構成された他の電子ユニット、またはそれの組み合わせで、実施されることができる。また、ASICまたはDSPは、送信器ユニット410内の複合素子(例えば、データプロセッサ414aと414bとコントローラ422との組み合わせ)あるいは受信器ユニット430内の複合素子(例えば、データプロセッサ438aと438bとコントローラ442との組み合わせ)を実施するように構成されることができる。
【0092】
この発明の種々の局面および実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれの組み合わせにおいて実施されることができる。例えば、図6乃至9において上述された信号処理は、プロセッサ上で遂行されるソフトウェアにより実行されることができる。ソフトウェア実行のために、ソースコードがメモリユニット内に蓄積され、そしてプロセッサにより遂行される。複数区画への送信間隔の区切りはまた、専用のハードウェア、プロセッサ上で遂行されるソフトウェア、またはそれの組み合わせにより実施されることができる。
【0093】
好ましい実施形態の前の説明は、この分野のいかなる技術者も本発明を製作または使用することを可能とするために提供される。これらの実施形態への種々の変更は、この分野の技術者にはたやすく明白であるだろうし、その中に定義された包括的な原理はさらなる発明を必要とせずに他の実施形態に適用されてもよい。従って、本発明はその中に示された実施形態に制限されるつもりはなく、しかしむしろこの中に開示された原理および新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲が許容されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて複数のタイプのデータを同時に送信するための方法であって、
第1のペイロードを発生するために第1の信号処理スキームに従って第1のタイプのデータを受信して処理することと;
第2のペイロードを発生するために第2の信号処理スキームに従って第2のタイプのデータを受信して処理することと;
前記第1のタイプのデータを送信するために使用されるように送信間隔内に第1の区画を、および前記第2のタイプのデータを送信するために使用されるように前記送信間隔内に第2の区画を定義することと;
前記第1および第2のペイロードを、それぞれ、前記第1および第2の区画内に多重化することと;および
前記多重化された第1および第2のペイロードを送信することと;
を備える方法。
【請求項2】
前記第1のタイプのデータは音声データを備え、および前記第2のタイプのデータは高速パケットデータを備える、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1のタイプのデータは遅延鋭敏データをさらに備える、請求項2の方法。
【請求項4】
前記第1および第2のペイロードは、それぞれ、前記第1および第2の区画に時分割多重化される、請求項1の方法。
【請求項5】
前記第1のペイロードにより必要とされるものを超える、前記送信間隔のための特定の容量を選択することをさらに備え、前記第1および第2の区画は、前記選択された容量に一部基づいて定義される、請求項1の方法。
【請求項6】
前記送信間隔の前記容量は、より短い長さを有するチャネル化符号によって選択される、請求項5の方法。
【請求項7】
前記送信間隔内の前記第1および第2の区画の間に送信無しのガードタイムを設けることをさらに備える、請求項1の方法:
【請求項8】
データが複数のチャネル上で送信され、各チャネルがそれぞれのセットの第1および第2の区画で定義され、および前記複数のチャネルの前記第1の区画がほぼ揃え合わせられる、請求項1の方法。
【請求項9】
前記第1のタイプのデータのための前記処理は、前記第1のペイロードを前記第1の区間とマッチングすることを含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記マッチングすることは、
もし前記第1のペイロードが前記第1の区画の前記容量を超えるならば前記第1のペイロード内の1つ以上のビットをパンクチュアすることと;
もし前記第1のペイロードが前記第1の区画の前記容量よりも小さいならば前記第1のペイロード内の1つ以上のビットを繰り返すことと;
を含む、請求項9の方法。
【請求項11】
前記第1および第2のタイプのデータの各々のための前記処理は、前記データをチャネル化符号でカバーすることを含む、請求項1の方法。
【請求項12】
前記第1および第2のタイプのデータの各々のための前記処理は、前記データを拡散シーケンスで拡散することをさらに含む、請求項11の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の信号処理スキームの各々は、特定のCDMA標準またはCDMAベースの構成に従う、請求項1の方法。
【請求項14】
前記第1の信号処理スキームはW−CDMA標準に従う、請求項1の方法。
【請求項15】
前記第1の信号処理スキームはcdma2000標準に従う、請求項1の方法。
【請求項16】
前記第1および第2の区画は区画パラメータにより定義される、請求項1の方法。
【請求項17】
前記多重化された第1または第2のペイロード、またはそれら両者を受信するために、指定された装置に前記区画パラメータをシグナリングすることをさらに備える、請求項16の方法。
【請求項18】
近隣の送信源のための前記第2の区画は、時間的にほぼ揃えられるように定義される、請求項1の方法。
【請求項19】
近隣の送信源のための前記第2の区画は前記第2の区画は、時間に関してオーバラップするように定義される、請求項1の方法。
【請求項20】
前記第2の区画のための送信パワーは前記第1の区画のための送信パワーとほぼ等しいかまたはそれより小さくなるように維持される、請求項1の方法。
【請求項21】
時分割多重(TDM)送信を受信するための方法であって、
前記TDM送信の送信間隔の第1の区画内に送信された第1のペイロードをデマルチプレクスすることと、なお、前記TDM送信は、前記送信間隔の第2の区画内に送信された第2のペイロードをさらに含む;
第1の信号処理スキームに従って前記第1のペイロードを処理することと;
を備える方法。
【請求項22】
前記送信間隔の前記第2の区画内に送信された前記第2のペイロードをデマルチプレクスすることと;
第2の信号処理スキームに従って前記第2のペイロードを処理することと;
をさらに備える、請求項21の方法。
【請求項23】
前記送信間隔内の前記第1および第2の区画を表示するシグナリングを受信することをさらに備える、請求項21の方法。
【請求項24】
複数タイプのデータを送信するように動作する通信システムにおける送信機ユニットであって、
第1のペイロードを発生するために第1の信号処理スキームに従って第1のタイプのデータを受信して処理するように動作する第1のデータプロセッサと;
第2のペイロードを発生するために第2の信号処理スキームに従って第2のタイプのデータを受信して処理するように動作する第2のデータプロセッサと;
前記第1および第2のデータプロセッサと結合され、前記第1および第2のペイロードを、それぞれ、第1および第2の区画に多重化するように動作するマルチプレクサと、なお、前記第1の区画は、送信間隔内で定義され、かつ前記第1のタイプのデータを送信するために使用され、前記第2の区画は、前記送信間隔内でさらに定義され、かつ前記第2のタイプのデータを送信するために使用される;
前記マルチプレクサと結合され、前記多重化された第1および第2のペイロードを処理して送信するために動作する送信機と;
を備える送信機ユニット。
【請求項25】
前記送信間隔内の前記第1および第2の区画を定義するために動作するコントローラをさらに備える、請求項24の送信機ユニット。
【請求項26】
前記送信間隔の前記容量は、前記第1のタイプのデータのために使用されるチャネル化符号の長さに一部基づいて決定される、請求項24の送信機ユニット。
【請求項27】
前記第1のタイプのデータは音声データを備え、および前記第2のタイプのデータは高速パケットデータを備える、請求項24の送信機ユニット。
【請求項28】
時分割多重(TDM)送信において1つまたはそれ以上のタイプのデータを受信するように動作する通信システム内の受信機ユニットであって、
複数の記号を供給するために前記TDM送信を受信して処理するように動作する受信機と;
前記TDM送信のための送信間隔の第1の区画内に送られた記号の第1のペイロードを受信してデマルチプレクスするように動作するデマルチプレクサと、なお、前記TDM送信は、前記送信間隔の少なくとも1つの他の区画内に送られた少なくとも1つの他のペイロードを含む;
第1の復号されたデータを発生するために第1の信号処理スキームに従って前記第1のペイロードを受信して処理するように動作する第1のデータプロセッサと;
を備える受信機ユニット。
【請求項29】
第2の復号されたデータを発生するために第2の信号処理スキームに従って第2のペイロードを受信して処理するように動作する第2のデータプロセッサをさらに備える、請求項28の受信機ユニット。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−66182(P2013−66182A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−219626(P2012−219626)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【分割の表示】特願2010−96904(P2010−96904)の分割
【原出願日】平成13年11月7日(2001.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】