説明

音響減衰特性を有する加硫組成物

本発明は、全組成物に対して、(a)5〜90重量%の、ジエンおよび/または芳香族置換オレフィンに基づくオレフィン性二重結合含有ポリマーまたはコポリマーであって、ポリマーまたはコポリマーが22℃で液体またはペースト状であって、DSC法により測定したガラス転移温度が−30℃〜15℃であるポリマーまたはコポリマー;(b)以下の(b1)〜(b3)の群から選択される加硫系:(b1)イオウおよび1種以上の促進剤、(b2)ペルオキシド加硫系またはジスルフィド加硫系、(b3)キノン、キノンジオキシムもしくはジニトロソベンゼンを含んでなる熱硬化することのできる組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化後、一方では音響減衰特性を有し、他方では少なくとも1つのさらなる(機械的)機能、例えば下塗りコンパウンドとして、または接着剤若しくは封止剤としての機能を満たすことのできる熱硬化性組成物に関する。しかしながら、本発明の組成物を、専ら音響減衰コーティングとして使用し得る。本発明の組成物は、室温でまたは加熱した状態で一般的なポンプを用いて注入し得るという利点を有しており、それにより、既製部材(例えば射出成形による)を作製する必要性または特定の押出技術の必要性を除去する。一般的な用途は、車両構築および機材構築(特に、騒音を発するエンジンを備える機材)の分野にある。
【背景技術】
【0002】
現代の車両構造物(乗用車/HGV/バス/電車)、付属物、パネルに限らず、例えばルーフ領域や車体の床は、−40〜90℃の適用範囲において構造の様々な振動およびそれによる騒音伝達を低減または防止するために、音響減衰コンパウンドを備えている。これらの減衰コンパウンドは、多くの場合、各車両形状に適合させられたマット状のビチューメンに基づく。同様に、ゴム、エポキシおよび水性(アクリレート)分散物に基づく射出可能で押出可能な減衰コンパウンドは既知である。全てのこれらの減衰コンパウンドは、主に車体の表面または車両の塗装領域に塗布される。さらに、特に付属部品およびパネルに対して、またそれらに限らずルーフ領域においても、あらゆる外板の振動および車体の個々の部品のノッキングを防止するため、また、部品群の対応する分離距離を確保するために、いわゆる下塗りが外板とルーフアーチまたは防護および強化構造部材との間に適用される。さらに、車両構造は、下塗りの堅牢性により強化される。これらの下塗りは、同時に封止機能を有する場合がある。下塗りを車両製造においてポンプ輸送可能な生成物として使用できるだけでなく、直接押出可能な成形物または押出成形物若しくは射出成形物として使用することができ、また下塗りは主にゴムに基づく。しかしながら、アクリレート、エポキシまたはPVCも原料ベースとして知られている。
【0003】
したがって、先行技術における車両構築においては、減衰と下塗りのために少なくとも2種の異なる材料が使用されており、種々の車両部位において製造元により必要に応じて様々な程度で使用されている。この結果、顧客にとっては以下の不利益が生じる:
−少なくとも2種の異なる製品に対する複雑なロジスティック
−異なる物品と製品を管理するための管理費および出費
−異なる製品に対する異なる特定のアプリケーション設備およびそれによる高い投資費用
−異なるアプリケーション設備に必要となるスペース
−車体へ異なる製品を塗布し得るための精密な車両デザイン。
【0004】
さらに、要求される効果を達成するために少なくとも2種の異なる製品を用いることは、その材料に起因して車体重量を著しく増加させることがあり、この重量のため燃費が増加することになる。したがって、音響的に効果的な製品は、主に外板の表面または車両の下側に用いられ、一方下塗りは適切なルーフアーチ上または強化構造部材上に用いられ、あるいは単に2枚の金属板の間に用いられる。これは、両製品群に対して異なるターゲット域が存在することを意味する。
【0005】
上述した全ての製品および機能は、主に相手先商標製品の製造会社によるポンプ輸送可能な製品を用いて直接的に利用される。
【0006】
最新の技術によると、白物家電(例えば、洗濯機、洗濯乾燥機、食器洗浄機など)は防音マットを用いることにより防音されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願第10200500305号明細書
【特許文献2】独国特許出願第102006016577号明細書
【特許文献3】国際特許出願第2009/036784号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この問題を解決するため、防音機能と下塗りまたは接着若しくは封止機能を1つの製品に一体化することが望まれている。実際に、そのような製品を押出可能または射出成形可能な変形体において製造することができるが、これまでにポンプ輸送可能なそのような製品の製造の可能性は存在していないと思われる。車両製造業者による高度な自動化を受け手、本出願は主にロボットにより被覆されるポンプ輸送可能な製品のために設計される;下塗りと音響減衰効果コンパウンドの複合製品のポンプ輸送可能な改良型を製造することも望ましい。従来の下塗り接着剤(今のところ車両構築において使用される)は、音響減衰特性を有していないか、または非常に低い音響減衰特性を有しているのみである。
【0009】
独国特許出願DE10 2005 00305は、天然および/または合成オレフィン性二重結合含有エラストマーおよび加硫剤に基づき、下記成分を含む射出可能な低粘度ゴム音響減衰コンパウンドを記載する:
(a)20000未満の分子量を有する液体ポリエン、5〜50重量%、
(b)以下の群から選択される加硫系:
・イオウおよび1種以上の有機促進剤ならびに金属酸化物、
・ペルオキシド加硫系、
・必要により有機促進剤および/または金属酸化物と組み合わせたキノン、キノンジオキシムまたはジニトロソベンゼン
(c)50〜500μm、好ましくは100〜250μmの平均繊維長さを有する短繊維(コンパウンドは、0.5〜15重量%の短繊維を含む)、
(d)必要に応じて、以下の群から選択されるさらなる添加剤:
・微粉砕粉末の形態にある熱可塑性ポリマー、
・フィラー、
・軽量フィラー、
・粘着付与剤および/または接着プロモーター、
・エキステンダー油、
・老化保護剤、
・レオロジー助剤、またはこれらの混合物。
【0010】
独国特許出願DE10 2006 016577は、天然および/または合成オレフィン性二重結合含有エラストマーおよび加硫剤に基づき、400〜80000の分子量を有する少なくとも1種の液体ポリエン、および狭い分子量分布を有し、分子中に10〜20%のビニル1,2−二重結合、50〜60%のトランス型1,4−二重結合と25〜35%のシス型1,4−二重結合の微小構造を有する少なくとも1種以上のポリブタジエンを含む熱硬化性反応性組成物を記載する。さらに、これらの組成物は、イオウおよび促進剤および/または任意のキノンオキシムの加硫系を含む。これらの組成物は、特に、低温で高い引張せん断強度および高い衝撃剥離強度を有する一成分系接着剤、封止剤またはコーティングコンパウンドとして車両構築において使用するのに適している。この文献には、減衰挙動については記載されていない。
【0011】
WO2009/036784は、音響減衰特性を有する膨張性熱硬化性材料が開示されている。その主な成分は、−13℃〜8℃のガラス転移温度を有する2つの異なるスチレン/イソプレン/スチレンコポリマーと加硫系である。使用されるブロックコポリマーが室温で固体であるため、この文献の組成物も室温で固体である。この組成物は、押出により加温下変形し得る。この文献に、60℃以下の温度でポンプ輸送可能なコンパウンドは記載されておらず、その教示は明らかにない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの主題は、全組成物に対して、
(a)5〜90重量%の、ジエンおよび/または芳香族置換オレフィンに基づくオレフィン性二重結合含有ポリマーまたはコポリマーであって、ポリマーまたはコポリマーが22℃で液体またはペーストであって、DSC法により測定したガラス転移温度が−30℃〜15℃、好ましくは−20℃〜5℃であるポリマーまたはコポリマー、
(b)以下の(b1)〜(b3)の群から選択される加硫系:
(b1)イオウおよび1種以上の促進剤、
(b2)ペルオキシド加硫系またはジスルフィド加硫系
(b3)キノン、キノンジオキシムもしくはジニトロソベンゼン
を含んでなる熱硬化性組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例10のマスター曲線を示す。
【図2】図2は、実施例13のマスター曲線を示す。
【図3】図3は、DIN EN ISO 6721に従う損失係数tanδを示す。
【図4】図4は、本発明の組成物の使用例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明によれば、用語「コポリマー」は2種以上の異なるモノマーから構成される全てのポリマーを意味すると理解される。これに関して、コポリマー中のコモノマーの全ての配置が、本発明の実施のために一般的に適している。振動減衰特性に関するその特に有利な特性により、特にブロックコポリマーに限らず、統計的コポリマー(ランダムコポリマー)が適している。本発明には、統計的コポリマーが特に好ましい。
【0015】
熱硬化後、本発明の組成物は内在性の振動減衰特性を示す。「内在性の振動減衰特性」とは、機械的振動エネルギーを熱に変換することを意味するものと理解される。したがって、開始した振動の振幅は、短時間で急速に減少する。硬化組成物の特性は、後述するようなDMA法を使用してその振動減衰挙動を測定することにより決定することができる。
【0016】
ポリマーまたはコポリマー(a)に対して、特質「液体」とは、重力の影響下容器から流出することができる生成物を意味するものと理解される。平らな均一層に伸ばし得る生成物は「ペースト」として表現される。ポリマーまたはコポリマー(a)のガラス転移温度は、ポリマーまたはコポリマー(a)が室温で固体でない場合には、「示差走査熱計量」(DSC)により測定する。一方、室温で固体である完全に硬化した組成物の下記に記載されるガラス転移温度は、「動的機械分析」(DMA)を用いた測定値をいう。
【0017】
硬化コンパウンドのガラス転移温度は、約−5℃〜約40℃の範囲にあることが好ましく、この場合に振動減衰挙動は、通常の周囲温度の範囲で最適となる。硬化コンパウンドのガラス転移温度は、動的機械分析(DMA)により以下のように測定する。
【0018】
測定は、DIN EN ISO 6721に従って行う:
測定機器:Metravib 01dB DMA100
分析ソフトウェア:Dynatest
試料容積:約20×10×20mm(w×h×t)
サンプルホルダー:平行板/板
マスター曲線:伸張/収縮モード
測定周波数:1;2;4;8;16;31.5;63;125Hz、
形状因子:<0.9
振幅:10μm
動的変形:0.0005
【0019】
ガラス転移温度の測定:
(1)マスター曲線は、(DIN EN ISO 6721に従って)時間/温度の重ね合わせ原理により記載された
(2)Tg(ガラス転移温度)は、与えられた周波数に対してtanδが最大となる基準温度である。Tgの全測定の選択周波数は101Hzであった。
【0020】
本発明の組成物の記載において、%で記載される量は、ほかに明示しない限り、組成物の総重量に対する重量%を意味する。
【0021】
全組成物に対するポリマーまたはコポリマー(a)の量は、少なくとも10重量%であり、特に少なくとも15重量%である。以下に記載するさらなる成分の好適な存在のために、その上限は好ましくは60重量%であり、特に45重量%である。したがって、15〜45重量%が特に好ましい。
【0022】
散逸振動減衰(すなわち、機械的振動エネルギーの熱への転換)の意味における特に顕著な音響減衰特性のために、ポリマーまたはコポリマー(a)は好ましくはスチレンとジエンのコポリマーである。ジエンは、好ましくはブタジエン、イソプレンまたはそれらの混合物から選択される。これに関して、コポリマー(a)が全コポリマーに対して、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%であり、60重量%までの、好ましくは50重量%までのスチレン含量を有する場合に、顕著な散逸振動減衰が達成される。
【0023】
この主題の好ましい実施態様において、ポリマーまたはコポリマー(a)は、好ましくは、スチレンとジエンのブロックコポリマーである。ジエンは、好ましくはブタジエン、イソプレンまたはそれらの混合物から選択される。これに関して、ブロックコポリマー(a)が全ブロックコポリマーに対して、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%であり、60重量%までの、好ましくは50重量%までのスチレン含量を有する場合に、顕著な散逸振動減衰が達成される。
【0024】
この主題の別の好ましい実施態様において、ポリマーまたはコポリマー(a)は、好ましくは、スチレンとジエンの統計的コポリマーである。ジエンは、好ましくはブタジエン、イソプレンまたはそれらの混合物から選択される。これに関して、統計コポリマー(a)が全統計コポリマーに対して、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%であり、60重量%までの、好ましくは50重量%までのスチレン含量を有する場合に、顕著な散逸振動減衰が達成される。
【0025】
ジエン成分は、置換されていなくてもよい。しかしながら、ジエン成分は置換基を有していてもよく、特にカルボキシル基、ヒドロキシ基およびアミノ基から選択される置換基を有していてよい。金属基材への組成物の接着性をこれにより改善し得る。
【0026】
ポリマーまたはコポリマー(a)は、一方で、室温(22℃)で液体またはペーストであるべきであるが、他方で室温をはるかに下回らないガラス転移温度を有するべきである。ポリマーまたはコポリマーの構造組成に加えて、ポリマーの分子量も本発明にとって重要である。特に、ポリマーまたはコポリマー(a)が少なくとも1000、好ましくは少なくとも2000、特に少なくとも5000であって、最大50000、好ましくは最大35000、特に最大25000までの重量平均分子量を有する場合に、組成物の所望する特性が得られる。これに関しては、5000〜18000の範囲が特に好ましい。本明細書において、平均分子量は、一般的にポリマーの重量平均分子量を意味すると理解される。
【0027】
オレフィン性二重結合を介したジエンの重合においては、各モノマー中に新しいオレフィン性二重結合が形成され、オレフィン性二重結合はポリマー鎖中に異なる方法で配置され得る。本発明において、化学的性質(加硫可能性)と音響減衰挙動の有利な組み合わせのために、ポリマーまたはコポリマー(a)は、ジエンの重合により形成される不飽和ジエン画分を含み、(オレフィン性二重結合全体に基づき)ジエン画分中のC=C二重結合が、ジエン画分中のビニル画分が少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも40モル%であり、最大98モル%、好ましくは最大80モル%となるように構成されることが好ましい。
【0028】
本発明において、化学的性質(加硫可能性)と音響減衰挙動の有利な組み合わせのために、ポリマーまたはコポリマー(a)は、ジエンの重合により形成される不飽和ジエンブロック画分を含み、(オレフィン性二重結合全体に基づき)ジエンブロック中のC=C二重結合が、ジエンブロック中のビニル画分が少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも40モル%であり、最大98モル%、好ましくは最大80モル%となるように構成されることが好ましい。
【0029】
加硫系はゴムの加硫で既知の加硫系から選択することができる。したがって、選択肢(b1)において、
(b1)イオウおよび1種以上の促進剤
を含み得る。
【0030】
ここで、粉末状のイオウを、組成物の総重量に基づいて0.5〜6.5重量%の量で使用することが好ましい。1〜4重量%の量で特に好適に使用される。(アンモニウム塩または金属塩の形態の)ジチオカルバメート、キサントゲン酸塩、 チウラム化合物(モノスルフィドおよびジスルフィド)、チアゾール化合物、アルデヒド/アミン促進剤(例えばヘキサメチレンテトラミン)ならびにグアニジン促進剤が適当な有機促進剤である。ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、その亜鉛塩(ZMBT)、ジベンジルジチオカルバミド酸亜鉛(ZBEC)、N−シクロヘキシルベンゾジチアジルスルフェンアミド(CBS)またはジフェニルグアニジンが特に好ましい。前記促進剤および次段落に記載のさらなる亜鉛化合物を含む促進剤は、好ましくは0.25〜20重量%、特に好ましくは0.8〜12重量%の量で使用される。接着剤の特に高い熱安定性および戻り強度を達成するために、加硫混合物は、2官能架橋剤を含有することもできる。その具体例には、2官能ジチオカルバメート、例えば、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンに基づく架橋剤が含まれる。そのような架橋剤は、組成物中に0〜2重量%、好ましくは0〜1重量%の量で含まれていてよい。
【0031】
促進剤として作用する亜鉛化合物については、脂肪酸の亜鉛塩、ジチオカルバミド酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、および特に微細分割した酸化亜鉛の中から選択することができる。亜鉛化合物の含量は、0.5〜10重量%、好ましくは2〜8重量%の範囲内である。これらの亜鉛化合物を、前段落に記載した促進剤と併用してもよく、併用することが好ましい。さらに、他の通常のゴム加硫補助剤、例えば脂肪酸(例えばステアリン酸)が、調製物中に存在していてもよい。
【0032】
しかしながら、加硫系は元素イオウを含んでいなくてもよい。例えば、
(b2)ペルオキシド、好ましくは、加硫系として添加し得る目的で既知の有機ペルオキシド。その例は、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、および、特に1,1−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)3,3,5−取りメチルシクロヘキサン、ブチル−4,4−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)吉草酸、ジクミルペルオキシド、ジ−(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルペルオキシド2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサ−3−イン、ならびにトリアリルイソシアヌレートのような架橋剤である。
【0033】
ペルオキシドの代わりに、「ジスルフィド」加硫系、すなわち、ジスルフィドに基づく加硫系を使用することもできる。例えば、チウラムジスルフィドが好適である。
【0034】
添加量は、
ペルオキシドの場合には、0.3〜4.5重量%でることが好ましく、
ジスルフィドの場合には、0.2〜5重量%であることが好ましい。
【0035】
加硫系として、さらなる選択肢(b3):
(b3)キノン、キノンジオキシム、特にp−ベンゾキノンジオキシム、ニトロ祖ベンゼンまたはジニトロソベンゼン、特にp−ジニトロソベンゼン
を使用することもできる。これらは、ゴムの加硫系としても既知である。
【0036】
本発明によれば、元素イオウ、上記した有機促進剤およびキノンジオキシムからなる混合加硫系を使用することもできる。その例としてp−ベンゾキノンジオキシムを挙げ得る。しかしながら、他のキノンジオキシムを、上記したイオウ系と組合せて使用することもできる。加硫系は、専らキノンジオキシムからなっていてもよい。添加量は、イオウと併用するか否かにかかわらず、特にキノンジオキシムについて好ましくは1.5〜6.0重量%である。
【0037】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、組成物の総量に対して、
(c)10〜45重量%の、好ましくは15〜40重量%の、特に25〜36重量%のフィラー
をさらに含有する。
【0038】
フィラーは、種々の物質から選択することができる。特に以下のものが挙げられる:白亜、天然または粉砕炭酸カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、シリカ、タルク、バライトおよびカーボンブラック。フィラーの少なくとも一部が表面処理されていることが有利であり得る。特に、硬化した組成物に取り込まれる水分を減少させるためおよび硬化組成物の水分感受性を低下させるためのステアリン酸による被覆が、種々の炭酸カルシウムおよび/または白亜に有利であることがわかった。特に、高いアスペクト比(=フレーク面の大きさと比較して厚みの小さいフレーク状フィラー:フレーク面と垂直する厚みは、フレーク面の最小面積の最大1/10である)、例えば層状ケイ酸塩、特に好ましくはマイカ、タルクおよびグラファイトが良好な音響減衰特性に有益であることがわかった。
【0039】
本発明の組成物は水分を結合させるために、上記のフィラーに加えて0〜8重量%の、好ましくは1〜6重量%の酸化カルシウムをさらに含有し得る。
【0040】
本発明の組成物は、好ましくは、熱硬化の間または前に不可逆的に膨張(「発泡」)するように処方組みされる。この不可逆的膨張は、硬化コンパウンドによって空洞または中間領域をより完全に満たし得る不可逆的な体積増加を引き起こす。この目的のために、本発明の組成物は、いわゆる発泡剤(成分d)を含有することが好ましい。
【0041】
原則として、例えば、分解により気体を放出する「化学的発泡剤」または、「物理的発泡剤」、いわゆる発泡性中空ビーズなど、の全ての既知の発泡剤が発泡剤として適当である。化学的発泡剤の例は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジドである。発泡性プラスチック中空微小球は、特に好ましくはポリ塩化ビニリデンコポリマーまたはアクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマーに基づく。これらは、例えば、「Dualite(登録商標)」または「Expancel(登録商標)」の名称のもと、それぞれPierce & StevensおよびCasco Nobelから市販されている。
【0042】
発泡剤の量は、好ましくは、活性温度(または発泡温度)まで加熱した際にコンパウンドの体積が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも100%不可逆的に増加するように選択される。これは、化合物が、その熱膨張係数に従う通常の可逆的な熱膨張に加えて、活性温度まで加熱することにより、室温(22℃)時の出発体積と比較して不可逆的にその体積が増加し、室温まで冷却した後に冷却前と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも100%大きくなることを意味するものと理解される。したがって、上記の膨張率は、活性温度までの一時的な加熱の前後の、室温における化合物の体積に関する。膨張率の上限、すなわち、不可逆的体積増加の上限は、膨張率が600%、好ましくは300%となるように発泡剤の量を選択することにより調節することができる。したがって、100〜300%の発泡度が好ましい。発泡度は体積を比較することにより(発泡に対する空間的制限なしで、すなわち、発泡は3次元で生じる)または発泡前後の密度を比較することにより決定することができる。少なくともこれらの方法の1つが、上述した範囲の体積を示すべきである。
【0043】
このために必要となる発泡剤の量は、発泡剤の厳密な種類に依存し、実験的に設定することができ、または製造業者の提言に基づく。1つの指針として、本発明の出願目的に対して本発明の組成物は、組成物の総量に基づいて、6重量%までの、好ましくは4重量%までの、好ましくは少なくとも0.2重量%の発泡剤を含有する。
【0044】
別の好ましい実施態様において、本発明の組成物は、組成物の総量に基づいて、
(e)最大12重量%、好ましくは最大9重量%まで、特に最大5重量%であり、好ましくは少なくとも1重量%の固体ゴムおよび/または熱可塑性ポリマー、および/または
(f)最大25重量%、好ましくは最大12重量%まで、好ましくは少なくとも1重量%であり、特に少なくとも2.5重量%の、カルボキシル基、ヒドロキシ基またはアミン基を有する分子量1000〜10000のポリジエン(好ましくはポリブタジエン)
をさらに含んでなる。好ましくは、これらの成分(e)および(f)が同時に存在する。いずれの成分も、効果組成物の強度を改善するが、さらに、カルボキシル基に起因して、成分(f)は金属製基材への接着性を改善する。
【0045】
特に、ポリブタジエンに基づく固体ゴム、好ましくは(一般的には85%を越える)非常に高いシス−1,4−二重結合含量を有する固体ゴム、スチレンブタジエンゴム(スチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー、SBS)、ブタジエン/アクリロニトリルゴム、スチレン/イソプレンゴム(スチレン/イソプレン/スチレンコポリマー、SIS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー、SEPS、スチレン−エチレン/エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー、SEEPS、合成または天然イソプレンゴム、ポリシクロオクテナマー、ブチルゴムまたはポリウレタンゴムが、成分(e)として好適である。
【0046】
本発明の組成物の音響減衰特性は、本発明の組成物が、組成物の総量に基づいて、
(g)最大40重量%、好ましくは最大30重量%まで、特に最大25重量%であり、好ましくは少なくとも2重量%、特に少なくとも5重量%の炭化水素樹脂
をさらに含んでなる場合に改善される。
【0047】
炭化水素樹脂は、硬化組成物のガラス転移温度を約−5度〜約40度の所望する範囲にするのに寄与する。そのため、音響減衰は、通常の周囲温度下で特に顕著になる。この樹脂は、完全に脂肪族または完全に芳香族であってよく、あるいは脂肪族構造および芳香族構造を有していてもよい。さらにこれらは芳香族的に修飾された脂肪族樹脂であり得る。いずれの場合にも、ポリマーマトリクスとの適合性は必須である。使用し得る市販製品の例は、Escorez(商標)1102、Escorez(商標)2173、Escorez(商標)2184、Escorez(商標)2101、Escorez(商標)2105、Novares(商標)TK、Novares(商標)TV、Novares(商標)TA、Novares(商標)TP、Novares(商標)TR、Novares(商標)TS、Nova(商標)TWおよびNevtac(商標)10である。
【0048】
ポリマーマトリクスと適合性のある10℃を越える(>10℃)軟化点を有する樹脂、好ましくは40℃を越える(>40℃)軟化点を有する樹脂、特に70℃を越える(>70℃)軟化点を有する樹脂は、約−5℃〜40℃の所望する範囲にガラス転移温度を変え、tanδの最大値を大きくするのに寄与する。
【0049】
未硬化組成物の加工可能性を改善するため、および硬化組成物の機械的特性を改善するため、未硬化組成物は、
(h)最大40重量%、好ましくは最大30重量%まで、特に最大25重量%であり、好ましくは少なくとも2重量%、特に少なくとも5重量%の可塑剤
をさらに含んでなる。
【0050】
このための既知の可塑剤の例としては、例えばフタル酸エステル、炭化水素油、例えばホワイトオイル、22℃で液体の天然油(例えば、いわゆるトリグリセリドのような脂肪酸グリセリンエステル、例えば、菜種油、大豆油、くるみ油、亜麻仁油、ヒマワリ油、オリーブ油など)が考えられる。
【0051】
特に、組成物中における成分(g)と(h)の併用は、音響減衰特性を改善する。すなわち、約−5℃〜約40℃の所望する範囲における損失係数tanδの最大値を大きくし、tanδのピークを拡大する。
【0052】
本発明の組成物は、さらに強化フィラー、好ましくはアラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維またはポリエステル繊維に基づく強化フィラーをさらに含有し得る。これらの繊維は、好ましくは、パルプ繊維またはステープル繊維の形態である短繊維である。これらの繊維は、特に好ましくは、100〜250μmの平均繊維長さおよび5〜20μmの直径を有するべきである。ここで、最も長い繊維は、1000〜2000μmを超えるべきではない。ここで特に好ましいのは、ガラス繊維、アラミド繊維型のポリアミド繊維、さらにはポリエステル繊維である。組成物の繊維含量は0.5〜10重量%である。
【0053】
本発明の組成物は、さらに、請求項1に記載した必須成分に加えて、成分(c)〜(h)の少なくとも1つを、以下の組み合わせの少なくとも1つに対応するように含有する:(a)+(b)+(c)、(a)+(b)+(d)、(a)+(b)+(e)、(a)+(b)+(f)、(a)+(b)+(g)、(a)+(b)+(h)。本発明の組成物が上記成分(a)〜(h)の全てを同時に所定量含むことが特に好ましいが、唯一の上記系(b1)、(b2)または(b3)が存在しなければならない。
【0054】
下記表は、本発明の組成物の概略を提供する。
【0055】
【表1】

【0056】
第2の好ましい実施態様において、本発明の組成物は以下の境界条件を満たす。
【0057】
【表2】

【0058】
本発明の組成物の利点は、22℃で液体および固体である成分の適当に選択された比率であり、この比率を、自動車産業における接着剤および封止剤用の標準的な塗装装置を用いて60℃以下の温度で機械的に塗布(例えばロボットによる)または手動で塗布できるように調節することができる。このための決定的要因は、オレフィン性二重結合含有ポリマーまたはコポリマー(a)が22℃で液体またはペーストであることである。したがって、本発明の組成物は、好ましくは15〜60℃の範囲の温度における組成物の粘度が、ポンプ(回転ポンプ、ギアポンプまたはくみ上げ式ピストンポンプ)により送り出すことのできる粘度であることを特徴とする。
【0059】
本発明の別の態様は、本発明の組成物の塗布に関する。したがって、本発明は、15〜60℃の範囲の温度で、ポンプ(例えば上述したポンプ)により本発明の組成物を適用箇所に注入し、潤滑基材、未処理基材または清浄基材上に液状またはペースト状で塗布する本発明の組成物の塗布方法に関する。
【0060】
塗布した後の本発明の組成物を熱的に硬化させることができ、このために焼付け塗料コーティング用の車両構築および機材構築の産業分野で一般的に使用し得るオーブンを使用することができる。熱硬化、および必要に応じて発泡するための活性温度は、好ましくは120〜220℃の範囲である。この温度を好ましくは10〜150分間維持すべきである。
【0061】
コンパウンドが硬化した後、硬化コンパウンドのDMA法(上記参照)により測定したガラス転移温度は、好ましくは−5℃〜40℃の範囲である。したがって、音響減衰は通常の周囲温度で特に顕著となる。DMA法により0〜500Hzの周波数範囲、−5℃〜40℃の範囲の温度で測定される最大損失係数tanδ(詳細な測定方法については実施例を参照)は、少なくとも0.50、好ましくは少なくとも0.9、特に少なくとも1.1であり、これにより良好な音響減衰特性を示す。「−5℃〜40度の範囲の温度」とは、上記tanδの最小値が上記範囲の全ての温度で達成されることを意味する。
【0062】
硬化コンパウンドの貯蔵弾性率E’は、少なくとも0.50の、好ましくは少なくとも0.9の特に1.1の損失係数tanδに対して0.1〜10000MPaの範囲であり、貯蔵弾性率G’は、周波数0〜500Hzで0.1〜10000MPaの範囲である。
【0063】
さらに、硬化後、本発明の組成物は良好なコーティング特性(部材上に圧痕がない)ならびに十分な硬度(ショアA<30)を示す。
【0064】
エラストマーに対するショア硬さの測定は、標準DIN53505で定義される。ショア硬さの測定においては、先端の丸い針が試験物質中へ侵入する深さが、0ショアから100ショア(0ミリの侵入度)の尺度で測定される対応するショア硬さとなる。ドウェル時間は3秒である。
【0065】
本発明の組成物は、特に、構造的付属部材(例えばドア、エンジンフードおよびトランクリッド、ルーフ、フロントおよびシャーシ部分)用の下塗りならびに接着剤および封止剤として使用されるだけでなく、車両の客室(自動車、HGV、バス)において直接的に使用され、または鉄道車両の製造用の下塗りならびに接着剤および封止剤として使用される。また、モーター、ギア、ポンプから生じ得る音響的振動(一般的に振動は回転機械類により生じる)を減衰すべき場合に、本発明の組成物を機材構築において使用することもできる。したがって、本発明は、車両構築および機材構築における音響減衰材料としての本発明の組成物の使用に関する。
【0066】
一般的な態様において、本発明は、全組成物に対して、
(a)5〜90重量%の、22℃で液体またはペーストであるオレフィン性二重結合含有ポリマーまたはコポリマー、
(b)以下の(b1)〜(b3)の群から選択される加硫系:
(b1)イオウおよび1種以上の促進剤、
(b2)ペルオキシド加硫系
(b3)キノン、キノンジオキシムもしくはジニトロソベンゼン
を含み、熱硬化後、−5℃〜40℃の範囲の温度においてDMA法により測定した損失係数tanδが少なくとも0.50であり、好ましくは少なくとも0.9であり、特に少なくとも1.1である、15〜60℃の温度で熱硬化し、(例えば回転ポンプ、ギアポンプまたはくみ上げピストンポンプにより)輸送可能な組成物に関する。これに関して、上述した化学的性質ならびに好適な付加範囲をどちらも、加硫系(b)およびさらなる使用可能な活性物質および助剤に対して適用する。したがって、これは適用様式、硬化および応用分野に対して適用される。
【実施例】
【0067】
1.実施例
以下の表は、比較例と本発明の組成物の実施例、その硬化および発泡挙動に関するデータ、ならびに損失係数tanδで示される音響減衰特性に関するデータを含む。測定方法は上述したようなDIN EN ISO 6721に従うDMA法である。他に明示しない限り、量は重量%であると理解されたい。
【0068】
膨張率はオープン、すなわち、発泡および硬化前後の体積を比較することによりサンプルの幾何学的制限なしに測定された(各温度は表に示す)。
【0069】
1.1 比較例
1.1.1 比較例1:
【表3】

【0070】
1.1.2 比較例2
【表4】

【0071】
1.1.3 比較例3
【表5】

【0072】
1.1.4 比較例4
【表6】

【0073】
1.2 本発明の組成物
1.2.1 実施例1
【表7】

【0074】
1.2.2 実施例2
【表8】

【0075】
1.2.3 実施例3
【表9】

【0076】
1.2.4 実施例4
【表10】

【0077】
1.2.5 実施例5
【表11】

【0078】
1.2.6 実施例6
【表12】

【0079】
1.2.7 実施例7
【表13】

【0080】
1.2.8 実施例8
【表14】

【0081】
1.2.9 実施例9
【表15】

【0082】
1.2.10 実施例10
【表16】

【0083】
1.2.11 実施例11
【表17】

【0084】
1.2.12 実施例12
【表18】

【0085】
1.2.13 実施例13
【表19】

【0086】
1.2.14 実施例14
【表20】

【0087】
1.2.15 実施例15
【表21】

【0088】
1.2.16 実施例16
【表22】

【0089】
1.2.17 実施例17〜31
さらに、それぞれ添加したブロックコポリマー(a)の含量を、対応する量の統計的ポリスチレン/ポリブタジエンコポリマー(Tg−7℃、スチレン含量40重量%、ビニル含量55%、Mw15000g/mol)に置き換えて、組成物1〜14と類似する調製物を調製した場合に有利な特性を有する調製物が得られた。
【0090】
1.3 図
図1:実施例10のマスター曲線
図2:実施例13のマスター曲線
図3:DIN EN ISO 6721に従う損失係数tanδ
図4:本発明の組成物の使用例
上:横衝撃防止用の強化バー(横衝撃吸収体)を備える自動車ドアの概略図
下:2つの細長い断片に塗布された振動減衰組成物を備える絶縁強化バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全組成物に対して、
(a)5〜90重量%の、ジエンおよび/または芳香族置換オレフィンに基づくオレフィン性二重結合含有ポリマーまたはコポリマーであって、ポリマーまたはコポリマーが22℃で液体またはペーストであって、DSC法により測定したガラス転移温度が−30℃〜15℃であるポリマーまたはコポリマー
(b)以下の(b1)〜(b3)の群から選択される加硫系:
(b1)イオウおよび1種以上の促進剤、
(b2)ペルオキシド加硫系またはジスルフィド加硫系
(b3)キノン、キノンジオキシムまたはジニトロソベンゼン
を含んでなる熱硬化性組成物。
【請求項2】
ポリマーまたはコポリマー(a)がスチレンとジエンのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
コポリマー(a)が、全組成物に基づいて、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%であり、60重量%までの、好ましくは50重量%までのスチレン含量を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリマーまたはコポリマー(a)が、少なくとも1000、好ましくは少なくとも2000、特に少なくとも5000であり、50000までの、好ましくは35000までの、特に25000までの数平均分子量を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
ポリマーまたはコポリマー(a)がジエン画分を含み、ジエン画分中のビニル画分が少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも40モル%であり、最大98モル%、好ましくは最大80モル%である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
加硫系(b)として、全組成物に対して、
0.5〜6.5重量%のイオウ、
0.25〜20重量%の加硫促進剤
を含んでなる、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
全組成物に対して、
(c)10〜45重量%のフィラー
をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
全組成物に対して、
(d)最大6重量%、好ましくは最大4重量%までであり、好ましくは少なくとも0.2重量%の発泡剤
をさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
全組成物に対して、
(e)最大12重量%、好ましくは最大9重量%まで、特に最大5重量%であり、好ましくは少なくとも1重量%の固体ゴムおよび/または熱可塑性ポリマー、
およびまたは、
(f)最大25重量%、好ましくは最大12重量%までであり、好ましくは少なくとも1重量%、特に少なくとも2.5重量%の、カルボキシル基を有する数平均分子量1000〜10000のポリジエン
をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
全組成物に対して、
(g)最大40重量%、好ましくは最大30重量%まで、特に最大25重量%であり、好ましくは少なくとも2重量%、特に少なくとも5重量%の炭化水素樹脂
をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
全組成物に対して、
(h)最大40重量%、好ましくは最大30重量%まで、特に最大25重量%であり、好ましくは少なくとも2重量%、特に少なくとも5重量%の可塑剤
をさらに含んでなる、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
15〜60℃の温度範囲でポンプにより輸送し得るような粘性を示す、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
硬化後、−5℃〜40℃の範囲の温度においてDMA法により測定した損失係数tanδが少なくとも0.50である、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
15〜60℃の範囲の温度でポンプ輸送し得る組成物である熱硬化性組成物であって、全組成物に対して、
(a)5〜90重量%の、22℃で液体またはペースト状のオレフィン性二重結合含有ポリマーまたはコポリマー、
(b)以下の(b1)〜(b3)の群から選択される加硫系:
(b1)イオウおよび1種以上の促進剤、
(b2)ペルオキシド加硫系
(b3)キノン、キノンジオキシムもしくはジニトロソベンゼン
を含んでなり、熱硬化後、−5℃〜40℃の範囲の温度においてDMA法により測定した損失係数tanδが少なくとも0.50である熱硬化性組成物。
【請求項15】
自動車構築産業または機材構築産業における音響減衰材料としての、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の組成物を塗布する方法であって、組成物を15〜60℃の範囲の温度でポンプにより適用箇所に注入し、基材上に液状またはペースト状で塗布する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−529545(P2012−529545A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514418(P2012−514418)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057591
【国際公開番号】WO2010/142563
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】