説明

顔料および該顔料で艶消しされた高分子材料

本発明の対象は、顔料、その製造および使用、さらに該顔料で艶消しされた高分子材料、この高分子材料の製造法および使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、顔料、その製造および使用、さらに該顔料で艶消しされた高分子材料、この高分子材料の製造法および使用である。
【0002】
艶消しされた合成繊維は、望ましい艶消し効果を達成するために、無機固体、特にTiO2(二酸化チタン)0.03〜3質量%を含有する高分子材料である。合成ポリマーの均一な構造は、光に対して屈折または拡散反射の可能性を全く提供しないという理由で、ポリマー溶融液は、多少とも透明である。TiO2の添加は、周知のように、脂ぎった光沢の減少、または合成繊維の透明度の減少ならびに他の加工プロセスでの合成繊維の走行特性の改善を可能にする表面構造を生じる。
【0003】
合成繊維中の高いTiO2含量(TiO2 1.5〜3質量%)は、目視的に知覚可能であり、ならびに柔らかな手触り(繊維の手触り)を知覚しうる特に顕著な艶消し効果を生じる。この合成繊維の形状は、合成繊維に強い綿花類似の外観像(綿様)を付与するためにしばしば望まれている。その上、このように構成されたフルダル繊維(Fuell Dull-Fasern)から製造された織物表面は、UV線に対して特に高い不透過性を有する。
【0004】
合成繊維の光沢および透明度に対するTiO2顔料の影響と共に、TiO2顔料は、種々の合成繊維の別の製造特性および製品特性に影響を及ぼす。この顔料に対する要件は、種々のポリマー型、方法および繊維品質で変動する。表面特性および顔料特性は、TiO2格子中への異質イオンの組み込み、無機的および/または有機的な後処理の施与のような手段によって変化されうる。前記手段の正しい組合せにより、特殊な顔料は、全てのポリマーに対して最適化することができる。殊に、例えばエタンジオール、水またはポリマー溶融液のような使用媒体中での分散可能性および繊維中での次の顔料分布は、こうしてプラスに影響を及ぼしうる。
【0005】
合成繊維の物理的性質および化学的性質と共に、合成繊維の品質を評価する場合には、光学的性質も重要な役を演じる。この場合には、殊に、不透明性の性質および色に関連する色の印象は、白と呼ばれることができる。現在、合成繊維の大抵の製造業者は、青色がかった白色を合成繊維製品のための色調として好む。繊維の前記の色調は、顔料の比色的性質、繊維中の顔料の分布および相応する合成繊維を製造するためのそれぞれの条件(例えば、温度および圧力)下での顔料表面と包囲するポリマーとの化学的相互作用によって影響を及ぼされる。
【0006】
数多くの繊維製造業者によって好まれた、色調としての青色がかった白色は、現在の公知技術水準によれば、極めて制限されているかまたは十分には満たされていない。即ち、比色的に適したTiO2顔料(青色がかった白色を有する)の使用にも拘わらず、ポリマーの製造および加工の際の使用中に望ましくない反応が起こり、この反応は、合成繊維の色調を黄色がかった範囲に移行させる。
【0007】
本発明の課題は、公知技術水準の欠点を克服することであった。殊に、本発明の課題は、ポリマーの製造および加工でTiO2顔料を使用する際に、通常、艶消しに必要とされる高いTiO2含量によって生じる望ましくない反応または高分子材料の製造の際に望ましくない色調の移行を惹起する望ましくない反応を全く触発しないかまたは僅かに触発するにすぎない適したTiO2顔料を提供し、また、本発明の課題は、ポリマーの製造および加工の際に望ましい青色がかった色調および/または特に高い光安定性を形成するTiO2顔料を提供することであった。
【0008】
更に、本発明の課題は、高分子材料の製造の際に、通常、艶消しに必要とされるTiO2含量によって生じた望ましくない色調の移行を有しないかまたは僅かに有する、顔料で艶消しされた高分子材料、または望ましい青色がかった色調を示しかつ特に高い光安定性を有する、顔料で艶消しされた高分子材料を提供することであった。
【0009】
この課題は、本発明によれば、適したTiO2顔料に関連して、意外なことに、独立請求項の特徴を有するTiO2顔料によって解決される。好ましい実施態様は、独立請求項に依存する従属請求項中に特徴付けられている。
【0010】
前記の課題は、顔料で艶消しされた高分子材料に関連して、本発明によれば、意外なことに副次的独立請求項22の特徴を有する、顔料で艶消しされた高分子材料によって解決される。好ましい実施態様は、副次的独立請求項に依存する従属請求項中に特徴付けられている。
【0011】
意外なことに、顔料で艶消しされた高分子材料の帯青色に関連して特徴を示す光学的性質を達成させるために、顔料の比色的性質だけを調節しなければならないのではなく、同時にポリマー製造中の色調の移行を回避させるために対抗措置を講じなければならないことが見出された。
【0012】
純粋に白色の物質の場合には、実際に、入射する全ビームは、100%が直接反射するかまたは拡散反射し、即ち反射される。しかし、この理想的状態(反射率100%を有する理想的な白)は、実際には達成することができない。それというのも、達成可能な白は、極めて僅かであっても、全スペクトルに亘って吸収を有するからである。TiO2の場合には、反射は、吸収端の状態によっても影響を及ぼされる。この吸収端は、UV領域内にあるが、しかし、既に可視領域内で開始する。この場合、ルチル型のTiO2顔料は、アナターゼ型のTiO2顔料と比較して黄色がかっている。それというのも、このルチル型のTiO2顔料は、"青"の波長領域内でよりいっそう強く吸収し、それによってこのルチル型のTiO2顔料の反射された光は、黄色のよりいっそう高い割合を有するからである。即ち、アナターゼ型の吸収端は、ルチル型の吸収端と比較して短波長の領域内に移行する。それに加えて、白色顔料は、選択的な吸収を短波長の可視波長領域内で示し、このことは、多少とも僅かな色刺激(黄刺激)を生じる。この選択的な吸収は、異質イオン、例えば鉄イオン、クロムイオン、銅イオンまたはバナジウムイオンによる白色顔料の汚染の原因を有しうる。従って、顔料の本発明による望ましい光学的性質を調節するために、好ましくはTiO2は、アナターゼ変態で使用される。これは、とにかく可視スペクトルの短波長領域内で前記の選択的な吸収を生じるであろう異質イオンが少ない。
【0013】
更に、殊にTiO2中の微細粒子の割合は、よりいっそう高い反射率のために短波長の可視領域内で強化された青刺激を生じる。この割合が高ければ高いほど、水性TiO2懸濁液(25mg/l)の測定された吸光度(フィルターHg492nm、キュベット20mm)は、ますます高くなる。従って、本発明により使用可能なTiO2顔料は、顔料の比色的性質を調節するための特殊な粒子分布を示し、吸光値によって表わされる。顔料の適した比色的性質に調節するために、本発明によれば、吸光度は、0.9〜1.2の範囲内、有利に0.95〜1.1の範囲内、特に有利に1.0〜1.05の範囲内に調節される。この種の本発明により選ばれた顔料は、意外なことに、別の粉末特性、例えば不透明性および散乱能に不利な影響を及ぼさない。TiO2の適した吸光度は、本発明によれば、例えば最適化された結晶成長法(加水分解、灼熱塩処理および/またはか焼の処理工程によって影響を及ぼされかつ調節された)、粉砕(乾式粉砕または湿式粉砕)および/または分級(例えば、篩別または選別)によって達成されうる。
【0014】
意外なことに、本発明によるTiO2顔料の本発明による望ましい適合は、艶消しされた高分子材料中での望ましい青刺激の達成のために、アンチモンイオンの添加によってさらに改善されうることが見出された。本発明によれば、0.05〜1質量%、特に0.1〜0.5質量%、特に有利に0.25〜0.4質量%のアンチモンイオンの含量は、好ましい。本発明によれば、少なくとも50%、有利に70%を上廻る、特に有利に90%を上廻るアンチモンイオンが顔料中に5価の酸化段階で存在することは、特に好ましい。
【0015】
この本発明により得らればれたTiO2顔料により、艶消しされた高分子材料中で望ましい青刺激を達成することができ、この場合には、アンチモンイオンの含量によって、顔料の光学的粉末データー(色刺激)は、完成された高分子材料においても得られたままであり、およびポリマー製造における色障害の反応によって変化されず;アンチモンイオンは、あたかも"保存剤"として使用される。アンチモンは、アンチモン塩または酸化物のアンチモン化合物の形でTiO2製造の全ての処理工程で添加されてよい。
【0016】
更に、TiO2含有高分子材料の種々のポリマー系中への混入可能性を改善するため、および/またはTiO2含有高分子材料の光安定性を上昇させるために、本発明によるTiO2顔料は、無機的および/または有機的な表面処理によって変性されていてよい。TiO2の無機的表面処理のために、本発明によれば、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、マンガン(Mn)の酸化物および/または水酸化物が使用されるが、チタン(Ti)の酸化物および/または水酸化物が使用されてもよい。無機的表面処理は、本発明によれば、必ずしも酸化物の性質を有している必要はなく、別の陰イオンを含有していてもよい。例えば、アルミニウム、チタンおよびマンガンは、難溶性の燐酸塩を形成し、この燐酸塩は、同様に顔料表面に堆積される。本発明による表面処理は、粉砕されたTiO2材料の水性分散液が装入され、沈殿すべき化合物が最初に溶解された形で添加されるという原理を基礎とする。望ましい無機物質は、pH値の意図的な変化(例えば、苛性ソーダ液、硫酸または燐酸の添加によって)によりTiO2基礎材料上に沈殿される。即ち、本発明によれば、TiO2粒子は、無機物質の1つの層または複数の層で被覆することができる。この場合、表面処理は、本発明によれば、順次に行なうことができるが、しかし、同時に行なってもよい。本発明による望ましい光安定性を達成させるために、無機的後処理は、有利にアルミニウム、珪素およびマンガンからなる組合せ物、特に有利にAl1.0%、Si0〜0.1%およびMn0.05〜0.8%からなる組合せ物を有する。後処理の量は、通常、使用されたTiO2基礎材料に対して陽イオンの質量%、例えばアルミニウム0.5%として記載される。本発明によれば、酸化段階+2で5%を上廻る、特に有利に酸化段階+2で10%を上廻るマンガンが存在していることは、特に好ましい。
【0017】
無機的表面処理されたTiO2顔料をなおいっそう良好に種々の使用媒体(例えば、水、エタンジオール、プロパンジオール、ポリアミド溶融液またはポリエステル溶融液)中に混入することができるようにするために、本発明によれば、TiO2顔料は、付加的に少なくとも1つの有機物質で変性されてよい(有機的表面処理)。好ましくは、有機的表面処理は、1つ以上の次の物質:ポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、またはこれらからのコポリマー)、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリットまたはネオペンチルグリコール)、シラン、シロキサンおよびシロキサン誘導体、シリコーン油、ポリ燐酸塩のアルカリ金属塩、アミノアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸の塩またはポリ(メタ)アクリレートコポリマー(例えば、ナトリウムポリアクリレート、カリウムポリアクリレートまたはアンモニウムポリアクリレート)を有する。有機表面処理剤の添加量(全体量)は、有利に0.01〜8質量%、特に有利に0.05〜4質量%、殊に有利に0.1〜1.5質量%である。
【0018】
有機表面処理剤は、本発明によれば、全ての処理工程で無機表面処理剤の施与後または無機的表面処理されていないTiO2顔料の際に全ての処理工程でか焼後に添加されてよい。
【0019】
ポリマー材料は、有利にポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリラクチド(PLA))、ポリアミド(例えば、PA−6またはPA−6,6)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP))、ポリアクリルニトリル(PAN)、ビスコース(CV)またはセルロースアセテート(CA)を含む。
【0020】
本発明による高分子材料の形は、特定の形式に制限されるものではない。好ましくは、本発明による高分子材料は、合成繊維の形(例えば、フィラメント、ステーペル繊維またはフロック繊維)で存在する。高分子材料は、本発明によれば、フィルム、シートまたは成形部材の形で存在していてもよい。
【0021】
本発明によれば、好ましくは、高分子材料中のTiO2含量は、0.02〜10質量%の範囲内にある。合成繊維の使用分野でTiO2含量は、本発明によれば、有利に0.1〜3質量%、特に有利に1.5〜2.7質量%、殊に有利に0.15〜0.4質量%である。ポリマーフィルムの使用分野の場合、TiO2含量は、本発明によれば、特に有利に0.1〜8質量%、殊に有利に0.4〜5質量%の範囲内にある。
【0022】
本発明による高分子材料は、これまで使用されてきた添加剤TiO2の代わりに本発明によるTiO2顔料を使用することにより製造されてよい。このTiO2顔料は、本発明によれば、公知方法で重合反応前、重合反応中および/または重合反応後に添加することができる。本発明によるTiO2顔料は、ポリマー製造処理に有利に水中の分散された懸濁液(PAのため)またはエタンジオール中の分散された懸濁液(PETのため)として添加される。所謂マスターバッチとしてのポリマー流または溶融液中で容易に分布しうる調製物としてのポリマー流への添加は、ポリマー処理で重合中に添加が許容されない(PEまたはPPの場合)かまたは例えばメルトコンディショニング法(Melt Conditioning Verfahren)または直接艶消し法(Direktmattierungsverfahren)の場合(例えば、PETまたはPA−6の場合)のように、意図的に望ましい場合に有利に行なわれる。
【0023】
本発明による高分子材料は、例えば衣類用織物または普段着用織物(Heimtextile)のための織物表面の形成の際に使用される。更に、本発明による高分子材料は、例えば高分子量のフィルムおよびシートの製造の際(例えば、包装用途または印刷用途のため)に使用される。
【0024】
本発明の対象は、詳細には次の通りである:
TiO2顔料;
アナターゼ変態で存在するTiO2顔料;
アナターゼ変態で存在し、吸光値で表わされる、顔料の比色的性質を調節するための特殊な粒子分布を示すTiO2顔料、この場合
吸光値は、0.9〜1.2の範囲内、有利に0.95〜1.1の範囲内、特に有利に1.0〜1.05の範囲内にあり;
上記したようなTiO2顔料、このTiO2顔料は、さらにアンチモンイオンを含有し、この場合
アンチモンイオンの含量は、0.05〜1質量%、有利に0.1〜0.5質量%、特に有利に0.25〜0.4質量%であり、
少なくとも50%、有利に70%を上廻る、特に有利に90%を上廻るアンチモンイオンは、5価の酸化段階で存在し、
上記したようなTiO2顔料、このTiO2顔料は、さらに無機的表面処理に掛けられ、この場合
TiO2粒子は、無機物質および/または有機物質の1つの層または複数の層で被覆され、この場合
無機物質としてアルミニウム(Al)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、マンガン(Mn)またはチタン(Ti)の化合物が使用され、この場合には、有利に
アルミニウム(Al)、珪素(Si)およびマンガン(Mn)の化合物からなる組合せ物が、好ましくはAl0.2〜1.0%、Si0〜1.0%およびMn0.05〜0.8%の量(使用されたTiO2基礎材料に対して陽イオンの質量%で記載された)で使用され、この場合
好ましくは、酸化段階+2で5%を上廻る、特に有利に酸化段階+2で10%を上廻るマンガンが存在し、有機物質としてポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、またはこれらからのコポリマー)、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリットまたはネオペンチルグリコール)、シラン、シロキサンおよびシロキサン誘導体、シリコーン油、ポリ燐酸塩のアルカリ金属塩、アミノアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸の塩またはポリ(メタ)アクリレートコポリマー(例えば、ナトリウムポリアクリレート、カリウムポリアクリレートまたはアンモニウムポリアクリレート)またはこれらの混合物が、有利に0.01〜8質量%、特に有利に0.05〜4質量%、殊に有利に0.1〜1.5質量%の量で使用される。
TiO2顔料の製造法;
TiO2顔料の使用;
高分子材料を製造するためのTiO2顔料の使用;
顔料で艶消しされた高分子材料;
顔料で艶消しされた高分子材料、この高分子材料は、次の群から選択された1つ以上の物質を含有する:ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリルニトリル、ビスコースまたはセルロースアセテート;
本発明によるTiO2顔料0.02〜10質量%を含有する、顔料で艶消しされた高分子材料;
合成繊維の使用分野で本発明によるTiO2顔料0.02〜10質量%、有利に0.1〜3質量%、特に有利に0.15〜0.4質量%または1.5〜2.7質量%を含有する、顔料で艶消しされた高分子材料;
フィルムまたはシートの使用分野で本発明によるTiO2顔料0.02〜10質量%、有利に0.1〜8質量%、特に有利に0.4〜5質量%を含有する、顔料で艶消しされた高分子材料;
顔料で艶消しされた高分子材料の製造法;
顔料で艶消しされた高分子材料の製造法、この場合本発明によるTiO2顔料は、重合反応前、重合反応中および/または重合反応後に添加することができ;
顔料で艶消しされた高分子材料の製造法、この場合本発明によるTiO2顔料は、マスターバッチとして添加することができる;
顔料で艶消しされた高分子材料の製造法、この場合本発明によるTiO2顔料は、それぞれの溶融液中で容易に分布しうる調製物として添加することができ;
合成繊維を製造するための、顔料で艶消しされた高分子材料の使用;
織物表面を形成させるための、顔料で艶消しされた高分子材料の使用;
フィルムおよび/またはシートを製造するための、顔料で艶消しされた高分子材料の使用;
成形部材を製造するための、顔料で艶消しされた高分子材料の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TiO2顔料において、該TiO2顔料がアナターゼ変態で存在し、0.9〜1.2の範囲内の吸光値を有することを特徴とする、TiO2顔料。
【請求項2】
吸光値が0.95〜1.1の範囲内、有利に1.0〜1.05の範囲内にある、請求項1記載のTiO2顔料。
【請求項3】
アンチモンイオンを含有する、請求項1または2記載のTiO2顔料。
【請求項4】
アンチモンイオンの含量が、0.05〜1質量%、有利に0.1〜0.5質量%、特に有利に0.25〜0.4質量%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項5】
少なくとも50%、有利に70%を上廻る、特に有利に90%を上廻るアンチモンイオンが、5価の酸化段階で存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項6】
付加的に表面処理に掛けられる、請求項1から5までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項7】
無機物質および/または有機物質の1つの層または複数の層で被覆されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項8】
無機物質としてアルミニウム(Al)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、マンガン(Mn)および/またはチタン(Ti)の化合物が使用されている、請求項1から7までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項9】
アルミニウム(Al)、珪素(Si)およびマンガン(Mn)の化合物からなる組合せ物が使用されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項10】
Al0.2〜1.0%、Si0〜1.0%およびMn0.05〜0.8%の量(使用されたTiO2基礎材料に対して陽イオンの質量%で記載された)が使用されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項11】
酸化段階+2で5%を上廻る、特に有利に酸化段階+2で10%を上廻るマンガンが存在している、請求項1から10までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項12】
有機物質の1つの層または複数の層で被覆されている、請求項1から11までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項13】
無機物質としてポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、またはこれらからのコポリマー)、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリットまたはネオペンチルグリコール)、シラン、シロキサンおよびシロキサン誘導体、シリコーン油、ポリ燐酸塩のアルカリ金属塩、アミノアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸の塩またはポリ(メタ)アクリレートコポリマー(例えば、ナトリウムポリアクリレート、カリウムポリアクリレートまたはアンモニウムポリアクリレート)またはこれらの混合物が使用されている、請求項1から12までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項14】
有機物質が0.01〜8質量%、特に有利に0.05〜4質量%、殊に有利に0.1〜1.5質量%の量で使用されている、請求項1から13までのいずれか1項に記載のTiO2顔料。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載のTiO2顔料の製造法において、
a)TiO2をアナターゼ変性で望ましい吸光度に調節し、この場合には、結晶成長法(加水分解、灼熱塩処理および/またはか焼の処理工程)、粉砕(乾式粉砕または湿式粉砕)および/または分級(例えば、篩別または選別)に相応する方法で最適化し、
b)場合によってはアンチモンイオンを添加しおよび/または
c)場合によってはTiO2顔料を表面処理することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載のTiO2顔料の製造法。
【請求項16】
工程c)で粉砕すべきTiO2材料の水性分散液を装入し、沈殿すべき化合物を最初に溶解された形で添加し、次に例えば苛性ソーダ液、硫酸または燐酸の添加によってpH値を意図的に変化させ、望ましい物質を沈殿させる、請求項15記載のTiO2顔料の製造法。
【請求項17】
TiO2粒子を、無機物質および/または有機物質の1つの層または複数の層で被覆する、請求項15または16に記載のTiO2顔料の製造法。
【請求項18】
層を順次にかまたは同時に形成させる、請求項15から17までのいずれか1項に記載のTiO2顔料の製造法。
【請求項19】
有機表面処理剤をか焼後に添加する、請求項15から18までのいずれか1項に記載のTiO2顔料の製造法。
【請求項20】
有機表面処理剤を無機表面処理剤の施与後に添加する、請求項15から18までのいずれか1項に記載のTiO2顔料の製造法。
【請求項21】
高分子材料を製造するための請求項1から14までのいずれか1項に記載のTiO2顔料の使用。
【請求項22】
顔料で艶消しされた高分子材料において、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリルニトリル、ビスコースおよび/またはセルロースアセテートの群から選択された1つ以上の物質、および請求項1から14までのいずれか1項に記載のTiO2顔料を含有することを特徴とする、顔料で艶消しされた高分子材料。
【請求項23】
TiO2顔料0.02〜10質量%を含有する、請求項22記載の顔料で艶消しされた高分子材料。
【請求項24】
合成繊維の使用分野でTiO2顔料0.02〜10質量%、有利に0.1〜3質量%、特に有利に0.15〜0.4質量%を含有する、請求項22または23に記載の顔料で艶消しされた高分子材料。
【請求項25】
TiO2顔料1.5〜2.7質量%を含有する、請求項24記載の顔料で艶消しされた高分子材料。
【請求項26】
ポリマーフィルムまたはシートの使用分野でTiO2顔料0.02〜10質量%、有利に0.1〜8質量%、特に有利に0.4〜5質量%を含有する、請求項22または23に記載の顔料で艶消しされた高分子材料。
【請求項27】
請求項22から26までのいずれか1項に記載の顔料で艶消しされた高分子材料の製造法において、顔料で艶消しされた高分子材料を製造するための自体公知の方法で請求項1から14までのいずれか1項に記載のTiO2顔料を重合反応前、重合反応中および/または重合反応後に添加することを特徴とする、請求項22から26までのいずれか1項に記載の顔料で艶消しされた高分子材料の製造法。
【請求項28】
TiO2顔料をマスターバッチとして添加する、請求項27記載の顔料で艶消しされた高分子材料の製造法。
【請求項29】
合成繊維を製造するための請求項22から26までのいずれか1項に記載の顔料で艶消しされた高分子材料の使用。
【請求項30】
織物表面を形成させるための請求項22から26までのいずれか1項に記載の顔料で艶消しされた高分子材料の使用。
【請求項31】
フィルムおよび/またはシートを製造するための請求項22から26までのいずれか1項に記載の顔料で艶消しされた高分子材料の使用。
【請求項32】
成形部材を製造するための請求項22から26までのいずれか1項に記載の顔料で艶消しされた高分子材料の使用。

【公表番号】特表2009−539741(P2009−539741A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513709(P2009−513709)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055695
【国際公開番号】WO2007/141342
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(501082864)ザッハトレーベン ヒェミー ゲゼルシヤフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【氏名又は名称原語表記】Sachtleben Chemie GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Rudolf−Sachtleben−Strasse 4, 47198 Duisburg, Germany
【Fターム(参考)】