顔画像抽出装置、顔画像抽出装置の制御方法、及び制御プログラム
【課題】データベースに蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができる顔画像抽出装置を提供する。
【解決手段】顔画像抽出装置は、検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する設定部100と、参照画像から顔領域を抽出する抽出部101と、参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながらデータベース104に蓄積された映像データを探索して取得し、取得した映像データから顔領域を抽出する抽出部102と、抽出部101,102で抽出された各顔領域に基づき、取得した映像データが参照画像と同一人物であるか否かを判定する処理部103と、該処理部103で同一人物であると判定された場合に、設定部100で設定された参照画像を抽出部102で抽出された顔領域の画像に切替える切替え部107と、を備える。
【解決手段】顔画像抽出装置は、検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する設定部100と、参照画像から顔領域を抽出する抽出部101と、参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながらデータベース104に蓄積された映像データを探索して取得し、取得した映像データから顔領域を抽出する抽出部102と、抽出部101,102で抽出された各顔領域に基づき、取得した映像データが参照画像と同一人物であるか否かを判定する処理部103と、該処理部103で同一人物であると判定された場合に、設定部100で設定された参照画像を抽出部102で抽出された顔領域の画像に切替える切替え部107と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影日時情報を有する映像データから任意の日時を基準に撮影日時を変更しながら顔画像を検索して、検索対象の人物の顔画像を抽出する顔画像抽出装置、顔画像抽出装置の制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔画像情報のデータベースから特定の人物を検索する顔画像検索装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
この顔画像検索装置は、撮像された人物の顔画像から顔領域を検出し、検出結果に基づいて目や口等のパーツを抽出するとともに顔の特徴量を抽出して、登録済の顔画像情報データベースとの類似度を評価することにより、撮像された顔画像の人物を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−178304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人物の顔は、通常、加齢と共に大きく変化し、また、年代によってその変化の割合も異なる。
【0006】
従って、上記特許文献1では、データベースに蓄積されている特定人物の顔画像情報と撮像された顔画像とが同一の人物であっても、年齢が大きく離れている場合には誤った人物と判定される可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、データベースに蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができる顔画像抽出装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の顔画像抽出装置は、撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースと、検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定手段と、前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出手段と、前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得手段と、該取得手段によって取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出手段と、前記第1の顔領域抽出手段により抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域とに基づき、前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定手段で設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域の画像に切替える切替え手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、データベースに蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態である顔画像抽出装置を説明するためのブロック図である。
【図2】データベースに蓄積される映像データと参照画像設定部で設定した参照画像データの概略図である。
【図3】顔画像抽出装置の動作例について説明するためのフローチャート図である。
【図4】逆方向探索でデータベースから最初に取得した映像データから候補画像を抽出する処理を説明するための図である。
【図5】参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度の算出結果を示す図である。
【図6】逆方向探索によりデータベースから取得した映像データから候補画像を抽出する処理を説明するための図である。
【図7】参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度の算出結果を示す図である。
【図8】逆方向探索を繰り返してデータベースから先頭の映像データを取得し、取得した映像データから候補画像を抽出する処理を説明するための図である。
【図9】参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度の算出結果を示す図である。
【図10】逆方向探索により抽出された対象人物の候補画像を撮影日時と共に一覧表示した図である。
【図11】本発明の第2の実施形態である顔画像抽出装置において、画像入力部に表示される、参照画像の検索対象人物の生年月日を設定する画面の一例を示す概略図である。
【図12】検索対象人物の年齢とデータベースでの映像データの探索範囲との関係を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態である顔画像抽出装置において、データベースにおける映像データの全探索区間及び区分した探索区間の概略図である。
【図14】検索対象人物の年代と探索区間との関係を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態である顔画像抽出装置について説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である顔画像抽出装置を説明するためのブロック図である。
【0013】
図1において、参照画像設定部100は、抽出対象の人物の顔画像の参照画像を設定する。なお、参照画像は、画像入力部106のインタフェースを介してビデオカメラ等で撮影した映像から所望の画像を選択して取り込むようにしてもよい。また、参照画像は、パーソナルコンピュータ等に保存されているデジタルカメラ等の撮影画像を画像入力部106のインタフェースを介して取り込んでも良い。更に、参照画像は、データベース104に蓄積されている映像から不図示の選択手段で選択した画像を参照画像として設定することも可能であり、また、デジタルカメラ等を直接接続して、撮影した画像を取り込むようにしてもよい。
【0014】
第1の顔領域抽出部101は、参照画像設定部100で設定した参照画像から抽出対象の人物の顔領域を抽出する。もし参照画像から複数の顔領域が抽出された場合には、その中のどの顔を抽出対象とするかをユーザに選択させるようにすればよい。第2の顔領域抽出部102は、データベース104から取得した映像データから顔領域を抽出する。
【0015】
評価処理部103は、第1の顔領域抽出部101で抽出された第1の顔領域データと第2の顔領域抽出部102で抽出された第2の顔領域データを基に、第1の顔領域データに対する第2の顔領域データの類似度を算出して評価する。例えば、抽出された目、口および鼻等のパーツの個々の形状の類似度や、それぞれのパーツの相対位置の類似度の程度の総和を算出して評価する。
【0016】
類似度は、0〜100%の百分率で算出され、評価処理部103は、算出された類似度が所定のしきい値以上のとき、第1の顔領域データと第2の顔領域データを同一人物と判定する。
【0017】
画像表示部105は、参照画像や抽出画像等を表示する。画像入力部106は、外部から参照画像等を入力する場合に用いられる。
【0018】
参照画像切替え部107は、評価処理部103での評価結果に基づいて参照画像を切替える。ここで、参照画像を切替える条件としては、第2の顔領域データが第1の顔領域データと同一人物と判定された場合である。
【0019】
図2は、データベース104に蓄積される映像データNo.1〜No.1000と参照画像設定部100で設定した参照画像データ200の概略図である。
【0020】
映像データ及び参照画像データには、撮影日時情報が付与されている。図2の例では、1970年1月1日から2008年1月1日までの映像データがデータベース104に蓄積されている。なお、本実施形態では、映像データは、撮影日時順にソートされてデータベース104に保持されているものとする。
【0021】
次に、図3を参照して、上記構成の顔画像抽出装置の動作例について説明する。図3での各処理は、不図示のROMやHDD等に格納された制御プログラムがRAMにロードされて、CPU等により実行される。
【0022】
ステップS801では、CPUは、参照画像設定部100で参照画像が設定されると、第1の顔領域抽出部101により、参照画像から人物の顔領域を抽出し、ステップS802に進む。
【0023】
ステップS802では、CPUは、データベース104に蓄積された映像データの撮影日時の探索開始点の設定を行い、ステップS803に進む。
【0024】
ここで、参照画像設定部100で設定された参照画像データの撮影日時は、例えば2007年11月1日とする。従って、データベース104での映像データの撮影日時の探索開始点を2007年11月1日とする。また、探索開始点を起点に撮影日時を遡ってデータベース104の映像データを探索する場合を逆方向探索とし、探索開始点を起点に撮影日時を進めてデータベース104の映像データを探索する場合を順方向探索とする。本実施形態では、まず、撮影日時の逆方向探索を行った後、順方向探索を行う。
【0025】
ステップS803では、CPUは、前記逆方向探索及び/又は前記順方向探索の結果、データベース104に次の映像データが有るか否かを判断し、次の映像データが有る場合は、ステップS804に進み、次の映像データが無い場合は、処理を終了する。
【0026】
ステップS804では、CPUは、データベース104から映像データを取得し、ステップS805に進む。
【0027】
ステップS805では、CPUは、第2の顔領域抽出部102によりデータベース104から取得した映像データの顔領域(以下、候補画像という)の抽出が終了したか否かを判断する。
【0028】
そして、CPUは、候補画像の抽出が終了した場合は、ステップS808に進み、終了していない場合は、ステップS806に進む。なお、候補画像の抽出が終了したことの判断は、映像データの録画時間の終了地点まで探索を終えているか否かにより判断することができる。
【0029】
ステップS806では、CPUは、第2の顔領域抽出部102により映像データから候補画像を抽出し、ステップS807に進む。候補画像は、映像データの顔領域を検出して切り出すことにより行う。顔領域の検出は、例えば、特開2001−167110号公報等の公知の技術を用いて行うことができる。
【0030】
ステップS807では、CPUは、評価処理部103によりステップS801で抽出された参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度を算出し、ステップS805に戻る。
【0031】
ここで、図4及び図5を参照して、ステップS806及びステップS807の処理について具体的に説明する。
【0032】
図4は逆方向探索でデータベース104から最初に取得した映像データ998から候補画像301〜303を抽出する処理を説明するための図、図5は参照画像300の顔領域に対する候補画像301〜303の類似度の算出結果を示す図である。
【0033】
図4において、映像データ998の録画時間は5分間であり、区間Aの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像301が抽出され、抽出された候補画像301は、評価処理部103で参照画像300の顔領域に対する類似度が算出される。図5(a)に示すように、ここでの候補画像301の類似度は30%と算出される。なお、類似度の算出方法としては、特開2003−178304号公報等の公知の技術を用いることができる。
【0034】
次に、図4の区間Bの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像302が抽出され、候補画像302は、図5(a)に示すように、評価処理部103で参照画像300の顔領域に対する類似度が20%と算出される。
【0035】
さらに、図4の区間Cの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像303が抽出され、候補画像303は、図5(a)に示すように、評価処理部103で参照画像300の顔領域に対する類似度が類似度98%と算出される。
【0036】
図3に戻って、ステップS808では、CPUは、評価処理部103により候補画像301〜303の類似度としきい値とを比較する類似度評価を行い、ステップS809に進む。ここで、本実施形態では、しきい値を80%に設定している。
【0037】
ステップS809では、CPUは、評価処理部103により類似度がしきい値以上の候補画像が有るか無いかを判断する。
【0038】
そして、CPUは、類似度がしきい値以上の候補画像が有る場合は、参照画像300の顔領域と候補画像が同一人物であるとしてステップS810に進み、無い場合は、参照画像300の顔領域と同一人物の候補画像がないものとしてステップS803に戻る。ここでは、評価処理部103により類似度98%の候補画像303が参照画像300の顔領域と同一人物として判定される。
【0039】
ステップS810では、CPUは、参照画像切替え部107により参照画像300と同一人物と判定された候補画像303を新たな参照画像310(図5(b))に切替える。
【0040】
そして、CPUは、新たな参照画像310を参照画像設定部100に設定するとともに、第1の顔領域抽出部101により参照画像310から人物の顔領域を抽出し、ステップS803に戻る。
【0041】
ステップS803では、CPUは、データベース104に次の映像データが有るか無いかを判断し、映像データが有る場合は、ステップS804以降で前述と同様にデータベース104から取得した映像データから候補画像401〜403の抽出処理が実行される。
【0042】
図6及び図7を参照して、参照画像300が参照画像310に切り替えられた後のステップS806及びステップS807の処理について具体的に説明する。
【0043】
図6は逆方向探索によりデータベース104から取得した映像データ970から候補画像401〜403を抽出する処理を説明するための図、図7は参照画像310の顔領域に対する候補画像401〜403の類似度の算出結果を示す図である。
【0044】
図6において、映像データ970の録画時間は8分間であり、区間Aの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像401が抽出され、抽出された候補画像401は、評価処理部103で参照画像310の顔領域に対する類似度が算出される。図7(a)に示すように、ここでの候補画像401の類似度は25%と算出される。
【0045】
次に、図6の区間Bの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像402が抽出され、候補画像402は、図7(a)に示すように、評価処理部103で参照画像310の顔領域に対する類似度が90%と算出される。
【0046】
さらに、図6の区間Cの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像403が抽出され、候補画像403は、図7(a)に示すように、評価処理部103で参照画像310の顔領域に対する類似度が類似度15%と算出される。
【0047】
図3に戻って、ステップS808では、CPUは、評価処理部103により候補画像401〜403の類似度としきい値(80%)とを比較する類似度評価を行い、ステップS809に進む。
【0048】
ステップS809では、CPUは、評価処理部103により類似度がしきい値以上の候補画像が有るか無いかを判断する。
【0049】
そして、CPUは、類似度がしきい値以上の候補画像が有る場合は、参照画像310の顔領域と候補画像が同一人物であるとしてステップS810に進み、無い場合は、参照画像310の顔領域と同一人物の候補画像がないものとしてステップS803に戻る。ここでは、評価処理部103により類似度90%の候補画像402が参照画像310の顔領域と同一人物として判定される。
【0050】
ステップS810では、CPUは、参照画像切替え部107により参照画像310と同一人物と判定された候補画像402を新たな参照画像410(図7(b))に切替える。
【0051】
そして、CPUは、新たな参照画像410を参照画像設定部100に設定するとともに、第1の顔領域抽出部101により参照画像410から人物の顔領域を抽出し、ステップS803に戻る。
【0052】
図8は、前述のように逆方向探索を繰り返してデータベース104から先頭の映像データ1を取得し、取得した映像データ1から候補画像501,502を抽出する処理を説明するための図である。図9は、参照画像510の顔領域に対する候補画像501,502の類似度の算出結果を示す図である。
【0053】
前述のように、検索対象の人物の顔画像と同一人物と判定された候補画像が次の参照画像として切替えられながら検索が行われるため、映像データ1を探索する際の参照画像510は、対象人物の幼少期の画像となっている。
【0054】
図8において、映像データ1の録画時間は12分間であり、区間Aの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像501が抽出され、抽出された候補画像501は、評価処理部103で参照画像510の顔領域に対する類似度が算出される。図9(a)に示すように、ここでの候補画像501の類似度は5%と算出される。
【0055】
次に、図8の区間Bの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像502が抽出され、候補画像502は、図9(a)に示すように、評価処理部103で参照画像510の顔領域に対する類似度が84%と算出される。
【0056】
ここでは、類似度がしきい値(80%)以上の候補画像502が評価処理部103により参照画像510の顔領域と同一人物として判定される。
【0057】
そして、参照画像切替え部107により、参照画像510と同一人物と判定された候補画像502が新たな参照画像610(図9(b))に切替えられる。即ち、参照画像510に替わって候補画像502が次の参照画像510として参照画像設定部100に設定される。
【0058】
以上の一連の処理により、データベース104に蓄積されている映像データから逆方向探索による映像データの取得が終わり、検索対象の人物の顔画像の判定処理が終了する。
【0059】
図10は、逆方向探索により抽出された対象人物の候補画像を撮影日時と共に一覧表示したものである。図10において、候補画像705は、最初の参照画像300に相当し、候補画像701は、最後の参照画像610に相当する。
【0060】
順方向探索においても同様に、参照画像300と撮影日時が近い映像データから順に候補画像を抽出し、候補画像が参照画像と同一人物である場合は、この候補画像を新たな参照画像として設定する処理を繰り返せばよい。
【0061】
以上説明したように、本実施形態では、データベース104に蓄積された映像データの撮影日時情報を用いて逆方向探索及び/又は前記順方向探索によりデータベース104から映像データを取得する。そして、取得した映像データから候補画像を抽出し、抽出した候補画像が参照画像と同一人物である場合は、該候補画像を新たな参照画像に切り替え設定する。これにより、データベース104に蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができ、判定処理の信頼性が向上する。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、図11及び図12を参照して、本発明の第2の実施形態である顔画像抽出装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0063】
本実施形態では、参照画像設定部100で最初の参照画像を設定する際に、ユーザ操作により参照画像の検索対象の人物の生年月日を画像入力部106で入力することにより、データベース104で映像データの探索を行う撮影日時の範囲を制限する。
【0064】
これにより、入力された生年月日から検索対象人物が登場する映像データの範囲が予測できるので、撮像画像の撮影日時情報を基に、撮影日時が誕生日から現在の日時までの範囲で映像データを探索すれば良いことになる。
【0065】
また、データベース104内の映像データの蓄積年月期間が非常に長くなり、例えば数百年分となった場合でも、誕生日から150年分の期間に探索範囲を限定することで探索時間を削減することが可能でなる。
【0066】
図11は、画像入力部106に表示される、参照画像300の検索対象人物の生年月日を設定する画面の一例を示す概略図である。この設定画面では、生年月日の数値を例えば画面上に数値キーを表示して選択することで対応する。なお、生年月日の数値の入力方法はこれに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0067】
本実施形態では、検索対象人物の生年月日を1970年5月1日とし、現在の日時を2008年5月5日として説明をする。
【0068】
図11の設定画面で生年月日が入力されると、入力された生年月日に応じてデータベース104に蓄積された映像データの探索範囲が制限される。
【0069】
探索範囲は、誕生日である1970年5月1日から現在の日時2008年5月5日までの38年と5日分である。但し、誕生日から現在の日時までの日時範囲が150年を超える場合には、誕生日から150年分を最長探索範囲として探索範囲を制限する。なお、ここでは、最長探索範囲を150年としているが、他の値に変更することは可能である。
【0070】
図12は、検索対象人物の年齢とデータベース104での映像データの探索範囲との関係を示す図である。
【0071】
誕生日は、1970年5月1日であるので、参照画像の撮影日時時点では35歳となり、また、現在の日時2008年5月5日の時点では38歳である。探索の開始点は、上記第1の実施形態と同様に、最初の参照画像の撮影日時である2005年10月10日である。映像データの探索は、上記第1の実施形態と同様に、逆方向探索及び/又は順方向探索を行う。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、参照画像設定部100で最初の参照画像を設定する際に、ユーザ操作により参照画像の検索対象人物の生年月日を設定する。これにより、データベース104内の映像データを探索する撮影日時の範囲を制限することができるので、探索時間の高速化を実現することができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0073】
(第3の実施形態)
次に、図13及び図14を参照して、本発明の第3の実施形態である顔画像抽出装置について説明する。なお、上記第1及び第2の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0074】
本実施形態では、データベース104における映像データの全探索区間を複数の探索区間に区分し、区分した探索区間毎に検索対象人物の代表画像の映像データを取得し、また、探索区間を検索対象人物の年代に応じて変更する。
【0075】
図13は、データベース104における映像データの全探索区間及び区分した探索区間の概略図である。
【0076】
ここで、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、参照画像設定部100で最初の参照画像を設定する際に、ユーザ操作により参照画像の検索対象人物の生年月日を設定する手段を有し、設定した生年月日を基に全探索区間を複数の探索区間に区分する。
【0077】
また、本実施形態では、検索対象人物の生年月日を1970年5月1日とし、現在の日時を2008年5月5日とし、最初の参照画像の撮影日時を2005年10月10として説明する。
【0078】
探索区間は、図14に示すように、探索する画像の撮影日時に対応する検索対象人物の年代に応じて変更する。ここで、年代によって探索区間が異なるのは、幼少期は時間の経過に対して人物の顔の変化が大きく、年齢が増すと変化の割合が小さくなることを想定しているためである。
【0079】
映像データの探索は、上記第1の実施形態と同様に、逆方向探索及び/又は順方向探索を行う。ここでは、逆方向探索について説明する。
【0080】
図13において、最初の参照画像の撮影日時は2005年10月10日であるので、この日時を探索開始点とする。開始点での年齢は35歳である。20歳以上の場合の探索区間は10年(図14)であるので、検索対象人物の年代が35歳から25歳に対応する撮影日時2005年10月10日から遡って1995年5月1日までの範囲の映像データに限定して探索する。
【0081】
なお、ここでは映像データの探索範囲を日時まで指定しているが、年月日の年の単位まで、或いは月の単位までを指定して範囲設定しても良い。
【0082】
例えば、参照画像の撮影日時である2005年10月10日の年の単位までを評価して2005年から遡って10年分として撮影日時の年の値が1995年までを探索範囲とする場合などである。
【0083】
ここで、本実施形態では、探索区間毎に検索対象人物の候補画像の代表画像を選択する必要がある。ここでは、評価処理部103により各探索区間内で参照画像との間で類似度の評価を行い、最初に参照画像と同一人物であると判定された候補画像をその探索区間の代表画像とする。そして、35歳から25歳の探索区間での代表画像が参照画像設定部100で次の参照画像として設定される。
【0084】
なお、代表画像は、各探索区間において類似度が所定のしきい値以上の候補画像の中で、最も類似度が高い候補画像を代表画像としても良い。
【0085】
次の探索区間は25歳から10年分であるので、25歳から15歳までが探索区間となるが、図14に示すように、10歳から20歳の年代は探索区間が5年であるので、探索区間が異なる年代に跨る場合には、境界の年齢で探索区間を区切る。
【0086】
図13においては、本来は25歳から10年分で15歳までが探索区間であるが、境界の年齢20歳で探索区間が区切られるので、25歳から20歳までが探索区間となり、探索の際の参照画像は、前述の探索区間で設定されているものを用いる。
【0087】
図14に示すように、本実施形態では、探索区間の長さが切り替わる境界の年齢は、5歳、10歳、20歳であるので、各探索区間毎に上記同様の処理を繰り返すことにより、各探索区間毎の代表画像が抽出される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態では、データベース104における映像データの全探索区間を複数の探索区間に区分し、区分した探索区間毎に検索対象人物の代表画像の映像データを取得し、また、探索区間を検索対象人物の年代に応じて変更する。これにより、検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定処理の処理速度の向上と信頼性の向上を図ることができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1及び第2の実施形態と同様である。
【0089】
(第4の実施形態)
次に、図15を参照して、本発明の第4の実施形態である顔画像抽出装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図に同一符号を付して説明する。
【0090】
本実施形態では、ビデオカメラに顔画像抽出装置が搭載される。図15において、映像信号処理部111は、カメラ部110から出力された被写体像の映像信号を圧縮符号化してデータベース104に蓄積する。
【0091】
参照画像入力部112は、映像信号処理部111からの映像を参照画像として参照画像設定部100に入力することができる。
【0092】
参照画像設定部100は、参照画像入力部112から出力される画像を参照画像として設定する。なお、データベース104に蓄積された映像データから不図示の選択手段で選択した所望の画像を参照画像として参照画像設定部100に設定することも可能である。参照画像設定部100では、設定されている参照画像を電源断後も不揮発メモリ等に保持する。
【0093】
画像表示部105は、カメラ部110で撮影している映像を表示したり、データベース104に保存されている映像を再生したりすることができる。
【0094】
第1の顔領域抽出部101は、参照画像設定部100で設定した参照画像から抽出対象の人物の顔領域を抽出する。第2の顔領域抽出部102は、データベース104に蓄積された映像データから顔領域を抽出する。
【0095】
評価処理部103は、第1の顔領域抽出部101で抽出された第1の顔領域データと第2の顔領域抽出部102で抽出された第2の顔領域データを基に、第1の顔領域データに対する第2の顔領域データの類似度を算出して評価する。
【0096】
類似度は、0〜100%の百分率で算出され、評価処理部103は、算出された類似度が所定のしきい値以上のとき、第1の顔領域データと第2の顔領域データを同一人物と判定する。
【0097】
参照画像切替え部107は、評価処理部103での評価結果に基づいて第2の顔領域データを参照画像として切替設定する。ここで、参照画像を切替える条件としては、第2の顔領域データが第1の顔領域データと同一人物と判定された場合である。
【0098】
次に、顔画像抽出装置を搭載したビデオカメラにおける顔画像の抽出動作例について説明する。ここでの処理は、不図示のROMやHDD等に格納された制御プログラムがRAMにロードされて、CPU等の制御により実行される。
【0099】
電源投入時に参照画像設定部100に参照画像が設定されている場合には、電源投入後にカメラ部110で撮影された映像データを撮影日時情報を基にデータベース104から取得する。そして、取得した映像データから第2の顔領域抽出部102により顔領域(以下、候補画像という)を抽出する。
【0100】
第2の顔領域抽出部102で抽出した候補画像は、上記第1の実施形態と同様に、評価処理部103により、第1の顔領域抽出部101で参照画像から抽出した顔領域との間で類似度が算出される。
【0101】
評価処理部103は、算出した類似度が所定のしきい値(例えば80%)以上の場合は、候補画像が参照画像と同一人物であると判定する。
【0102】
参照画像と同一人物と判定された候補画像は、参照画像切替え部107により次回以降の検索の新たな参照画像に切り替えられ、新たな参照画像は、参照画像設定部100に設定される。
【0103】
カメラ部110で新たに映像が撮影され、データベース104に保存されると上記同様の動作を行い、逐次参照画像が更新される。また、電源切断の際には、参照画像は、データベース104、あるいは不図示の記録媒体に保存される。
【0104】
次に、電源投入時に参照画像設定部100に参照画像が設定されていない場合には、カメラ部110で撮影した画像を参照画像として新たに設定する。設定の際には、参照画像の設定を促すメッセージを画像表示部105に表示してもよい。
【0105】
参照画像設定部100に参照画像を設定するには、画像表示部105に表示中の画像を映像信号処理部111から参照画像入力部112を通して参照画像設定部100に設定する。参照画像の設定後の動作は、上記同様である。
【0106】
以上説明したように、本実施形態では、ビデオカメラで撮影を行う際に、撮影された映像と参照画像との比較が逐次行われるので、参照画像は常に最新の状態に更新される。これにより、検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定処理の処理精度の向上と信頼性の向上を図ることができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0107】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0108】
また、上記各実施形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0109】
100 参照画像設定部
101 第1の顔領域抽出部
102 第2の顔領域抽出部
103 評価処理部
104 データベース
105 画像表示部
106 画像入力部
107 参照画像切替え部
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影日時情報を有する映像データから任意の日時を基準に撮影日時を変更しながら顔画像を検索して、検索対象の人物の顔画像を抽出する顔画像抽出装置、顔画像抽出装置の制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔画像情報のデータベースから特定の人物を検索する顔画像検索装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
この顔画像検索装置は、撮像された人物の顔画像から顔領域を検出し、検出結果に基づいて目や口等のパーツを抽出するとともに顔の特徴量を抽出して、登録済の顔画像情報データベースとの類似度を評価することにより、撮像された顔画像の人物を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−178304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人物の顔は、通常、加齢と共に大きく変化し、また、年代によってその変化の割合も異なる。
【0006】
従って、上記特許文献1では、データベースに蓄積されている特定人物の顔画像情報と撮像された顔画像とが同一の人物であっても、年齢が大きく離れている場合には誤った人物と判定される可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、データベースに蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができる顔画像抽出装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の顔画像抽出装置は、撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースと、検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定手段と、前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出手段と、前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得手段と、該取得手段によって取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出手段と、前記第1の顔領域抽出手段により抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域とに基づき、前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定手段で設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域の画像に切替える切替え手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、データベースに蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態である顔画像抽出装置を説明するためのブロック図である。
【図2】データベースに蓄積される映像データと参照画像設定部で設定した参照画像データの概略図である。
【図3】顔画像抽出装置の動作例について説明するためのフローチャート図である。
【図4】逆方向探索でデータベースから最初に取得した映像データから候補画像を抽出する処理を説明するための図である。
【図5】参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度の算出結果を示す図である。
【図6】逆方向探索によりデータベースから取得した映像データから候補画像を抽出する処理を説明するための図である。
【図7】参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度の算出結果を示す図である。
【図8】逆方向探索を繰り返してデータベースから先頭の映像データを取得し、取得した映像データから候補画像を抽出する処理を説明するための図である。
【図9】参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度の算出結果を示す図である。
【図10】逆方向探索により抽出された対象人物の候補画像を撮影日時と共に一覧表示した図である。
【図11】本発明の第2の実施形態である顔画像抽出装置において、画像入力部に表示される、参照画像の検索対象人物の生年月日を設定する画面の一例を示す概略図である。
【図12】検索対象人物の年齢とデータベースでの映像データの探索範囲との関係を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態である顔画像抽出装置において、データベースにおける映像データの全探索区間及び区分した探索区間の概略図である。
【図14】検索対象人物の年代と探索区間との関係を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態である顔画像抽出装置について説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である顔画像抽出装置を説明するためのブロック図である。
【0013】
図1において、参照画像設定部100は、抽出対象の人物の顔画像の参照画像を設定する。なお、参照画像は、画像入力部106のインタフェースを介してビデオカメラ等で撮影した映像から所望の画像を選択して取り込むようにしてもよい。また、参照画像は、パーソナルコンピュータ等に保存されているデジタルカメラ等の撮影画像を画像入力部106のインタフェースを介して取り込んでも良い。更に、参照画像は、データベース104に蓄積されている映像から不図示の選択手段で選択した画像を参照画像として設定することも可能であり、また、デジタルカメラ等を直接接続して、撮影した画像を取り込むようにしてもよい。
【0014】
第1の顔領域抽出部101は、参照画像設定部100で設定した参照画像から抽出対象の人物の顔領域を抽出する。もし参照画像から複数の顔領域が抽出された場合には、その中のどの顔を抽出対象とするかをユーザに選択させるようにすればよい。第2の顔領域抽出部102は、データベース104から取得した映像データから顔領域を抽出する。
【0015】
評価処理部103は、第1の顔領域抽出部101で抽出された第1の顔領域データと第2の顔領域抽出部102で抽出された第2の顔領域データを基に、第1の顔領域データに対する第2の顔領域データの類似度を算出して評価する。例えば、抽出された目、口および鼻等のパーツの個々の形状の類似度や、それぞれのパーツの相対位置の類似度の程度の総和を算出して評価する。
【0016】
類似度は、0〜100%の百分率で算出され、評価処理部103は、算出された類似度が所定のしきい値以上のとき、第1の顔領域データと第2の顔領域データを同一人物と判定する。
【0017】
画像表示部105は、参照画像や抽出画像等を表示する。画像入力部106は、外部から参照画像等を入力する場合に用いられる。
【0018】
参照画像切替え部107は、評価処理部103での評価結果に基づいて参照画像を切替える。ここで、参照画像を切替える条件としては、第2の顔領域データが第1の顔領域データと同一人物と判定された場合である。
【0019】
図2は、データベース104に蓄積される映像データNo.1〜No.1000と参照画像設定部100で設定した参照画像データ200の概略図である。
【0020】
映像データ及び参照画像データには、撮影日時情報が付与されている。図2の例では、1970年1月1日から2008年1月1日までの映像データがデータベース104に蓄積されている。なお、本実施形態では、映像データは、撮影日時順にソートされてデータベース104に保持されているものとする。
【0021】
次に、図3を参照して、上記構成の顔画像抽出装置の動作例について説明する。図3での各処理は、不図示のROMやHDD等に格納された制御プログラムがRAMにロードされて、CPU等により実行される。
【0022】
ステップS801では、CPUは、参照画像設定部100で参照画像が設定されると、第1の顔領域抽出部101により、参照画像から人物の顔領域を抽出し、ステップS802に進む。
【0023】
ステップS802では、CPUは、データベース104に蓄積された映像データの撮影日時の探索開始点の設定を行い、ステップS803に進む。
【0024】
ここで、参照画像設定部100で設定された参照画像データの撮影日時は、例えば2007年11月1日とする。従って、データベース104での映像データの撮影日時の探索開始点を2007年11月1日とする。また、探索開始点を起点に撮影日時を遡ってデータベース104の映像データを探索する場合を逆方向探索とし、探索開始点を起点に撮影日時を進めてデータベース104の映像データを探索する場合を順方向探索とする。本実施形態では、まず、撮影日時の逆方向探索を行った後、順方向探索を行う。
【0025】
ステップS803では、CPUは、前記逆方向探索及び/又は前記順方向探索の結果、データベース104に次の映像データが有るか否かを判断し、次の映像データが有る場合は、ステップS804に進み、次の映像データが無い場合は、処理を終了する。
【0026】
ステップS804では、CPUは、データベース104から映像データを取得し、ステップS805に進む。
【0027】
ステップS805では、CPUは、第2の顔領域抽出部102によりデータベース104から取得した映像データの顔領域(以下、候補画像という)の抽出が終了したか否かを判断する。
【0028】
そして、CPUは、候補画像の抽出が終了した場合は、ステップS808に進み、終了していない場合は、ステップS806に進む。なお、候補画像の抽出が終了したことの判断は、映像データの録画時間の終了地点まで探索を終えているか否かにより判断することができる。
【0029】
ステップS806では、CPUは、第2の顔領域抽出部102により映像データから候補画像を抽出し、ステップS807に進む。候補画像は、映像データの顔領域を検出して切り出すことにより行う。顔領域の検出は、例えば、特開2001−167110号公報等の公知の技術を用いて行うことができる。
【0030】
ステップS807では、CPUは、評価処理部103によりステップS801で抽出された参照画像の顔領域に対する候補画像の類似度を算出し、ステップS805に戻る。
【0031】
ここで、図4及び図5を参照して、ステップS806及びステップS807の処理について具体的に説明する。
【0032】
図4は逆方向探索でデータベース104から最初に取得した映像データ998から候補画像301〜303を抽出する処理を説明するための図、図5は参照画像300の顔領域に対する候補画像301〜303の類似度の算出結果を示す図である。
【0033】
図4において、映像データ998の録画時間は5分間であり、区間Aの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像301が抽出され、抽出された候補画像301は、評価処理部103で参照画像300の顔領域に対する類似度が算出される。図5(a)に示すように、ここでの候補画像301の類似度は30%と算出される。なお、類似度の算出方法としては、特開2003−178304号公報等の公知の技術を用いることができる。
【0034】
次に、図4の区間Bの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像302が抽出され、候補画像302は、図5(a)に示すように、評価処理部103で参照画像300の顔領域に対する類似度が20%と算出される。
【0035】
さらに、図4の区間Cの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像303が抽出され、候補画像303は、図5(a)に示すように、評価処理部103で参照画像300の顔領域に対する類似度が類似度98%と算出される。
【0036】
図3に戻って、ステップS808では、CPUは、評価処理部103により候補画像301〜303の類似度としきい値とを比較する類似度評価を行い、ステップS809に進む。ここで、本実施形態では、しきい値を80%に設定している。
【0037】
ステップS809では、CPUは、評価処理部103により類似度がしきい値以上の候補画像が有るか無いかを判断する。
【0038】
そして、CPUは、類似度がしきい値以上の候補画像が有る場合は、参照画像300の顔領域と候補画像が同一人物であるとしてステップS810に進み、無い場合は、参照画像300の顔領域と同一人物の候補画像がないものとしてステップS803に戻る。ここでは、評価処理部103により類似度98%の候補画像303が参照画像300の顔領域と同一人物として判定される。
【0039】
ステップS810では、CPUは、参照画像切替え部107により参照画像300と同一人物と判定された候補画像303を新たな参照画像310(図5(b))に切替える。
【0040】
そして、CPUは、新たな参照画像310を参照画像設定部100に設定するとともに、第1の顔領域抽出部101により参照画像310から人物の顔領域を抽出し、ステップS803に戻る。
【0041】
ステップS803では、CPUは、データベース104に次の映像データが有るか無いかを判断し、映像データが有る場合は、ステップS804以降で前述と同様にデータベース104から取得した映像データから候補画像401〜403の抽出処理が実行される。
【0042】
図6及び図7を参照して、参照画像300が参照画像310に切り替えられた後のステップS806及びステップS807の処理について具体的に説明する。
【0043】
図6は逆方向探索によりデータベース104から取得した映像データ970から候補画像401〜403を抽出する処理を説明するための図、図7は参照画像310の顔領域に対する候補画像401〜403の類似度の算出結果を示す図である。
【0044】
図6において、映像データ970の録画時間は8分間であり、区間Aの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像401が抽出され、抽出された候補画像401は、評価処理部103で参照画像310の顔領域に対する類似度が算出される。図7(a)に示すように、ここでの候補画像401の類似度は25%と算出される。
【0045】
次に、図6の区間Bの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像402が抽出され、候補画像402は、図7(a)に示すように、評価処理部103で参照画像310の顔領域に対する類似度が90%と算出される。
【0046】
さらに、図6の区間Cの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像403が抽出され、候補画像403は、図7(a)に示すように、評価処理部103で参照画像310の顔領域に対する類似度が類似度15%と算出される。
【0047】
図3に戻って、ステップS808では、CPUは、評価処理部103により候補画像401〜403の類似度としきい値(80%)とを比較する類似度評価を行い、ステップS809に進む。
【0048】
ステップS809では、CPUは、評価処理部103により類似度がしきい値以上の候補画像が有るか無いかを判断する。
【0049】
そして、CPUは、類似度がしきい値以上の候補画像が有る場合は、参照画像310の顔領域と候補画像が同一人物であるとしてステップS810に進み、無い場合は、参照画像310の顔領域と同一人物の候補画像がないものとしてステップS803に戻る。ここでは、評価処理部103により類似度90%の候補画像402が参照画像310の顔領域と同一人物として判定される。
【0050】
ステップS810では、CPUは、参照画像切替え部107により参照画像310と同一人物と判定された候補画像402を新たな参照画像410(図7(b))に切替える。
【0051】
そして、CPUは、新たな参照画像410を参照画像設定部100に設定するとともに、第1の顔領域抽出部101により参照画像410から人物の顔領域を抽出し、ステップS803に戻る。
【0052】
図8は、前述のように逆方向探索を繰り返してデータベース104から先頭の映像データ1を取得し、取得した映像データ1から候補画像501,502を抽出する処理を説明するための図である。図9は、参照画像510の顔領域に対する候補画像501,502の類似度の算出結果を示す図である。
【0053】
前述のように、検索対象の人物の顔画像と同一人物と判定された候補画像が次の参照画像として切替えられながら検索が行われるため、映像データ1を探索する際の参照画像510は、対象人物の幼少期の画像となっている。
【0054】
図8において、映像データ1の録画時間は12分間であり、区間Aの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像501が抽出され、抽出された候補画像501は、評価処理部103で参照画像510の顔領域に対する類似度が算出される。図9(a)に示すように、ここでの候補画像501の類似度は5%と算出される。
【0055】
次に、図8の区間Bの映像データから第2の顔領域抽出部102により候補画像502が抽出され、候補画像502は、図9(a)に示すように、評価処理部103で参照画像510の顔領域に対する類似度が84%と算出される。
【0056】
ここでは、類似度がしきい値(80%)以上の候補画像502が評価処理部103により参照画像510の顔領域と同一人物として判定される。
【0057】
そして、参照画像切替え部107により、参照画像510と同一人物と判定された候補画像502が新たな参照画像610(図9(b))に切替えられる。即ち、参照画像510に替わって候補画像502が次の参照画像510として参照画像設定部100に設定される。
【0058】
以上の一連の処理により、データベース104に蓄積されている映像データから逆方向探索による映像データの取得が終わり、検索対象の人物の顔画像の判定処理が終了する。
【0059】
図10は、逆方向探索により抽出された対象人物の候補画像を撮影日時と共に一覧表示したものである。図10において、候補画像705は、最初の参照画像300に相当し、候補画像701は、最後の参照画像610に相当する。
【0060】
順方向探索においても同様に、参照画像300と撮影日時が近い映像データから順に候補画像を抽出し、候補画像が参照画像と同一人物である場合は、この候補画像を新たな参照画像として設定する処理を繰り返せばよい。
【0061】
以上説明したように、本実施形態では、データベース104に蓄積された映像データの撮影日時情報を用いて逆方向探索及び/又は前記順方向探索によりデータベース104から映像データを取得する。そして、取得した映像データから候補画像を抽出し、抽出した候補画像が参照画像と同一人物である場合は、該候補画像を新たな参照画像に切り替え設定する。これにより、データベース104に蓄積されている検索対象の人物の年齢範囲が広くても、該検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定を精度よく行うことができ、判定処理の信頼性が向上する。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、図11及び図12を参照して、本発明の第2の実施形態である顔画像抽出装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0063】
本実施形態では、参照画像設定部100で最初の参照画像を設定する際に、ユーザ操作により参照画像の検索対象の人物の生年月日を画像入力部106で入力することにより、データベース104で映像データの探索を行う撮影日時の範囲を制限する。
【0064】
これにより、入力された生年月日から検索対象人物が登場する映像データの範囲が予測できるので、撮像画像の撮影日時情報を基に、撮影日時が誕生日から現在の日時までの範囲で映像データを探索すれば良いことになる。
【0065】
また、データベース104内の映像データの蓄積年月期間が非常に長くなり、例えば数百年分となった場合でも、誕生日から150年分の期間に探索範囲を限定することで探索時間を削減することが可能でなる。
【0066】
図11は、画像入力部106に表示される、参照画像300の検索対象人物の生年月日を設定する画面の一例を示す概略図である。この設定画面では、生年月日の数値を例えば画面上に数値キーを表示して選択することで対応する。なお、生年月日の数値の入力方法はこれに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0067】
本実施形態では、検索対象人物の生年月日を1970年5月1日とし、現在の日時を2008年5月5日として説明をする。
【0068】
図11の設定画面で生年月日が入力されると、入力された生年月日に応じてデータベース104に蓄積された映像データの探索範囲が制限される。
【0069】
探索範囲は、誕生日である1970年5月1日から現在の日時2008年5月5日までの38年と5日分である。但し、誕生日から現在の日時までの日時範囲が150年を超える場合には、誕生日から150年分を最長探索範囲として探索範囲を制限する。なお、ここでは、最長探索範囲を150年としているが、他の値に変更することは可能である。
【0070】
図12は、検索対象人物の年齢とデータベース104での映像データの探索範囲との関係を示す図である。
【0071】
誕生日は、1970年5月1日であるので、参照画像の撮影日時時点では35歳となり、また、現在の日時2008年5月5日の時点では38歳である。探索の開始点は、上記第1の実施形態と同様に、最初の参照画像の撮影日時である2005年10月10日である。映像データの探索は、上記第1の実施形態と同様に、逆方向探索及び/又は順方向探索を行う。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、参照画像設定部100で最初の参照画像を設定する際に、ユーザ操作により参照画像の検索対象人物の生年月日を設定する。これにより、データベース104内の映像データを探索する撮影日時の範囲を制限することができるので、探索時間の高速化を実現することができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0073】
(第3の実施形態)
次に、図13及び図14を参照して、本発明の第3の実施形態である顔画像抽出装置について説明する。なお、上記第1及び第2の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0074】
本実施形態では、データベース104における映像データの全探索区間を複数の探索区間に区分し、区分した探索区間毎に検索対象人物の代表画像の映像データを取得し、また、探索区間を検索対象人物の年代に応じて変更する。
【0075】
図13は、データベース104における映像データの全探索区間及び区分した探索区間の概略図である。
【0076】
ここで、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、参照画像設定部100で最初の参照画像を設定する際に、ユーザ操作により参照画像の検索対象人物の生年月日を設定する手段を有し、設定した生年月日を基に全探索区間を複数の探索区間に区分する。
【0077】
また、本実施形態では、検索対象人物の生年月日を1970年5月1日とし、現在の日時を2008年5月5日とし、最初の参照画像の撮影日時を2005年10月10として説明する。
【0078】
探索区間は、図14に示すように、探索する画像の撮影日時に対応する検索対象人物の年代に応じて変更する。ここで、年代によって探索区間が異なるのは、幼少期は時間の経過に対して人物の顔の変化が大きく、年齢が増すと変化の割合が小さくなることを想定しているためである。
【0079】
映像データの探索は、上記第1の実施形態と同様に、逆方向探索及び/又は順方向探索を行う。ここでは、逆方向探索について説明する。
【0080】
図13において、最初の参照画像の撮影日時は2005年10月10日であるので、この日時を探索開始点とする。開始点での年齢は35歳である。20歳以上の場合の探索区間は10年(図14)であるので、検索対象人物の年代が35歳から25歳に対応する撮影日時2005年10月10日から遡って1995年5月1日までの範囲の映像データに限定して探索する。
【0081】
なお、ここでは映像データの探索範囲を日時まで指定しているが、年月日の年の単位まで、或いは月の単位までを指定して範囲設定しても良い。
【0082】
例えば、参照画像の撮影日時である2005年10月10日の年の単位までを評価して2005年から遡って10年分として撮影日時の年の値が1995年までを探索範囲とする場合などである。
【0083】
ここで、本実施形態では、探索区間毎に検索対象人物の候補画像の代表画像を選択する必要がある。ここでは、評価処理部103により各探索区間内で参照画像との間で類似度の評価を行い、最初に参照画像と同一人物であると判定された候補画像をその探索区間の代表画像とする。そして、35歳から25歳の探索区間での代表画像が参照画像設定部100で次の参照画像として設定される。
【0084】
なお、代表画像は、各探索区間において類似度が所定のしきい値以上の候補画像の中で、最も類似度が高い候補画像を代表画像としても良い。
【0085】
次の探索区間は25歳から10年分であるので、25歳から15歳までが探索区間となるが、図14に示すように、10歳から20歳の年代は探索区間が5年であるので、探索区間が異なる年代に跨る場合には、境界の年齢で探索区間を区切る。
【0086】
図13においては、本来は25歳から10年分で15歳までが探索区間であるが、境界の年齢20歳で探索区間が区切られるので、25歳から20歳までが探索区間となり、探索の際の参照画像は、前述の探索区間で設定されているものを用いる。
【0087】
図14に示すように、本実施形態では、探索区間の長さが切り替わる境界の年齢は、5歳、10歳、20歳であるので、各探索区間毎に上記同様の処理を繰り返すことにより、各探索区間毎の代表画像が抽出される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態では、データベース104における映像データの全探索区間を複数の探索区間に区分し、区分した探索区間毎に検索対象人物の代表画像の映像データを取得し、また、探索区間を検索対象人物の年代に応じて変更する。これにより、検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定処理の処理速度の向上と信頼性の向上を図ることができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1及び第2の実施形態と同様である。
【0089】
(第4の実施形態)
次に、図15を参照して、本発明の第4の実施形態である顔画像抽出装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図に同一符号を付して説明する。
【0090】
本実施形態では、ビデオカメラに顔画像抽出装置が搭載される。図15において、映像信号処理部111は、カメラ部110から出力された被写体像の映像信号を圧縮符号化してデータベース104に蓄積する。
【0091】
参照画像入力部112は、映像信号処理部111からの映像を参照画像として参照画像設定部100に入力することができる。
【0092】
参照画像設定部100は、参照画像入力部112から出力される画像を参照画像として設定する。なお、データベース104に蓄積された映像データから不図示の選択手段で選択した所望の画像を参照画像として参照画像設定部100に設定することも可能である。参照画像設定部100では、設定されている参照画像を電源断後も不揮発メモリ等に保持する。
【0093】
画像表示部105は、カメラ部110で撮影している映像を表示したり、データベース104に保存されている映像を再生したりすることができる。
【0094】
第1の顔領域抽出部101は、参照画像設定部100で設定した参照画像から抽出対象の人物の顔領域を抽出する。第2の顔領域抽出部102は、データベース104に蓄積された映像データから顔領域を抽出する。
【0095】
評価処理部103は、第1の顔領域抽出部101で抽出された第1の顔領域データと第2の顔領域抽出部102で抽出された第2の顔領域データを基に、第1の顔領域データに対する第2の顔領域データの類似度を算出して評価する。
【0096】
類似度は、0〜100%の百分率で算出され、評価処理部103は、算出された類似度が所定のしきい値以上のとき、第1の顔領域データと第2の顔領域データを同一人物と判定する。
【0097】
参照画像切替え部107は、評価処理部103での評価結果に基づいて第2の顔領域データを参照画像として切替設定する。ここで、参照画像を切替える条件としては、第2の顔領域データが第1の顔領域データと同一人物と判定された場合である。
【0098】
次に、顔画像抽出装置を搭載したビデオカメラにおける顔画像の抽出動作例について説明する。ここでの処理は、不図示のROMやHDD等に格納された制御プログラムがRAMにロードされて、CPU等の制御により実行される。
【0099】
電源投入時に参照画像設定部100に参照画像が設定されている場合には、電源投入後にカメラ部110で撮影された映像データを撮影日時情報を基にデータベース104から取得する。そして、取得した映像データから第2の顔領域抽出部102により顔領域(以下、候補画像という)を抽出する。
【0100】
第2の顔領域抽出部102で抽出した候補画像は、上記第1の実施形態と同様に、評価処理部103により、第1の顔領域抽出部101で参照画像から抽出した顔領域との間で類似度が算出される。
【0101】
評価処理部103は、算出した類似度が所定のしきい値(例えば80%)以上の場合は、候補画像が参照画像と同一人物であると判定する。
【0102】
参照画像と同一人物と判定された候補画像は、参照画像切替え部107により次回以降の検索の新たな参照画像に切り替えられ、新たな参照画像は、参照画像設定部100に設定される。
【0103】
カメラ部110で新たに映像が撮影され、データベース104に保存されると上記同様の動作を行い、逐次参照画像が更新される。また、電源切断の際には、参照画像は、データベース104、あるいは不図示の記録媒体に保存される。
【0104】
次に、電源投入時に参照画像設定部100に参照画像が設定されていない場合には、カメラ部110で撮影した画像を参照画像として新たに設定する。設定の際には、参照画像の設定を促すメッセージを画像表示部105に表示してもよい。
【0105】
参照画像設定部100に参照画像を設定するには、画像表示部105に表示中の画像を映像信号処理部111から参照画像入力部112を通して参照画像設定部100に設定する。参照画像の設定後の動作は、上記同様である。
【0106】
以上説明したように、本実施形態では、ビデオカメラで撮影を行う際に、撮影された映像と参照画像との比較が逐次行われるので、参照画像は常に最新の状態に更新される。これにより、検索対象の人物の顔画像と撮像された顔画像とが同一の人物であるか否かの判定処理の処理精度の向上と信頼性の向上を図ることができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0107】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0108】
また、上記各実施形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0109】
100 参照画像設定部
101 第1の顔領域抽出部
102 第2の顔領域抽出部
103 評価処理部
104 データベース
105 画像表示部
106 画像入力部
107 参照画像切替え部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースと、
検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定手段と、
前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出手段と、
前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得手段と、
該取得手段によって取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出手段と、
前記第1の顔領域抽出手段により抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域とに基づき、前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定手段で設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域の画像に切替える切替え手段と、を備える
ことを特徴とする顔画像抽出装置。
【請求項2】
前記参照画像設定手段で参照画像を設定する際に、検索対象人物の生年月日を設定する手段を有し、前記取得手段は、前記設定された生年月日に基づき、撮影日時の探索範囲を制限する、
ことを特徴とする請求項1に記載の顔画像抽出装置。
【請求項3】
前記データベースにおける映像データの全探索区間を複数の探索区間に区分して、該区分した各探索区間を検索対象人物の年代に応じて変更する手段を備え、前記取得手段は、区分した探索区間毎に映像データを探索して取得する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の顔画像抽出装置。
【請求項4】
被写体像を撮像する撮像手段と、電源投入後に前記参照画像設定手段で参照画像が設定されていない場合に、前記撮像手段により撮像された被写体像を参照画像として前記参照画像設定手段に出力する手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔画像抽出装置。
【請求項5】
撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースを備える顔画像抽出装置の制御方法であって、
検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定ステップと、
前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出ステップと、
前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出ステップと、
前記第1の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域とに基づき、前記取得ステップで取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記取得ステップにより取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定ステップで設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域の画像に切替える切替えステップと、を備える
ことを特徴とする顔画像抽出装置の制御方法。
【請求項6】
撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースを備える顔画像抽出装置の制御プログラムであって、
検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定ステップと、
前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出ステップと、
前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出ステップと、
前記第1の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域とに基づき、前記取得ステップで取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記取得ステップにより取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定ステップで設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域の画像に切替える切替えステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする顔画像抽出装置の制御プログラム。
【請求項1】
撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースと、
検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定手段と、
前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出手段と、
前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得手段と、
該取得手段によって取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出手段と、
前記第1の顔領域抽出手段により抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域とに基づき、前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記取得手段によって取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定手段で設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出手段により抽出された顔領域の画像に切替える切替え手段と、を備える
ことを特徴とする顔画像抽出装置。
【請求項2】
前記参照画像設定手段で参照画像を設定する際に、検索対象人物の生年月日を設定する手段を有し、前記取得手段は、前記設定された生年月日に基づき、撮影日時の探索範囲を制限する、
ことを特徴とする請求項1に記載の顔画像抽出装置。
【請求項3】
前記データベースにおける映像データの全探索区間を複数の探索区間に区分して、該区分した各探索区間を検索対象人物の年代に応じて変更する手段を備え、前記取得手段は、区分した探索区間毎に映像データを探索して取得する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の顔画像抽出装置。
【請求項4】
被写体像を撮像する撮像手段と、電源投入後に前記参照画像設定手段で参照画像が設定されていない場合に、前記撮像手段により撮像された被写体像を参照画像として前記参照画像設定手段に出力する手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔画像抽出装置。
【請求項5】
撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースを備える顔画像抽出装置の制御方法であって、
検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定ステップと、
前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出ステップと、
前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出ステップと、
前記第1の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域とに基づき、前記取得ステップで取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記取得ステップにより取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定ステップで設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域の画像に切替える切替えステップと、を備える
ことを特徴とする顔画像抽出装置の制御方法。
【請求項6】
撮影日時情報を有する映像データを蓄積するデータベースを備える顔画像抽出装置の制御プログラムであって、
検索対象人物の顔画像を含む参照画像を設定する参照画像設定ステップと、
前記参照画像から顔領域を抽出する第1の顔領域抽出ステップと、
前記参照画像の撮影日時を起点に撮影日時を変更しながら前記データベースに蓄積された映像データを探索して取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得された映像データから顔領域を抽出する第2の顔領域抽出ステップと、
前記第1の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域と前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域とに基づき、前記取得ステップで取得された映像データが前記参照画像と同一人物であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記取得ステップにより取得された映像データが前記参照画像と同一人物であると判定された場合に、前記参照画像設定ステップで設定された参照画像を前記第2の顔領域抽出ステップで抽出された顔領域の画像に切替える切替えステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする顔画像抽出装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−59940(P2011−59940A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208279(P2009−208279)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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