説明

風力発電装置用支柱

【課題】支柱を複数段のブロックに分けてブロックを上下方向に接続するようにして支柱を組み立てるようにすることにより、運搬車に対するブロックの上げ下ろしや取り扱いを容易に行なえるようにした風力発電装置用支柱を提供する。
【解決手段】複数本の筒状の支柱ブロック2〜7を下から上に複数の筒状のジョイント部材8〜12を介して接続して上方に積み上げるように構成されており、下側に位置する支柱ブロック2の上端にジョイント部材8のほぼ下半分を差し込み、この支柱ブロック2の上端から突出するジョイント部材8のほぼ上半分に次の支柱ブロック3の下端が外嵌され、支柱ブロック2に対するジョイント部材8の嵌合部を雄ねじ部材13により結合してなり、上端に位置する支柱ブロック7に風力発電用の風車24が位置決めされるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上端で風力発電の風車を支える風力発電装置用支柱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種風力発電装置の支柱は特許文献1に開示されているように、地盤に支持される下端から風車を支持する上端までが一体に作られたものが一般に多く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−339852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているような支柱が地盤に支持される下端から風車を支持する上端までが一体に作られたものであると、支柱は全長が長いために運搬車での搬送や取り扱いに手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、支柱を複数段のブロックに分けてブロックを上下方向に接続するようにして支柱を組み立てるようにすることにより、運搬車に対するブロックの上げ下ろしや取り扱いを容易に行なえるようにした風力発電装置用支柱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の風力発電装置用支柱は、鉄またはステンレスなどからなる複数本の筒状の支柱ブロックを下から上に鉄またはステンレスなどからなる複数の筒状のジョイント部材を介して接続して上方に積み上げるように構成されており、下側に位置する支柱ブロックの上端にジョイント部材のほぼ下半分を差し込み、この支柱ブロックの上端から突出するジョイント部材のほぼ上半分に次の支柱ブロックの下端が外嵌され、支柱ブロックに対するジョイント部材の嵌合部をねじにより結合してなり、上端に位置する支柱ブロックに風力発電用の風車が位置決めされるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の風力発電装置用支柱は、複数本の筒状の支柱ブロックを下から上に鉄またはステンレスなどからなる複数の筒状のジョイント部材を介して接続して上方に積み上げ、結合させることにより形成されるようになっており、組み立て前において運搬車に対するブロックの上げ下ろしや取り扱いを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態における風力発電装置の全体正面図である。
【図2】同風力発電装置の平面図である。
【図3】同風力発電装置の側面図である。
【図4】同風力発電装置を支える支柱の分解図である。
【図5】同支柱の完成状態の正面図である。
【図6】同支柱の完成状態の側面図である。
【図7】同支柱の上端部の一部切り欠き拡大正面図である。
【図8】同支柱に取り付けられ昇降する風車取り付けケーシングの一部切り欠き拡大斜視図である。
【図9】同支柱に取り付けられたケーシングに風車が取り付けられた状態を示す拡大斜視図である。
【図10】同ケーシングの昇降機構部の斜視図である。
【図11】同ケーシングに対する風車の支持部の拡大断面図である。
【図12】(A)〜(D)は同ケーシングの昇降により風車が横向きの状態と上向きの状態との間で回転する状態を示す動作説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における風力発電装置の全体正面図である。
【図14】同風力発電装置の平面図である。
【図15】同風力発電装置の側面図である。
【図16】同風力発電装置を支える支柱の分解図である。
【図17】同支柱の完成状態の正面図である。
【図18】同支柱の完成状態の側面図である。
【図19】同支柱の接続部の拡大断面図である。
【図20】同2本の支柱の上端間を繋ぐ上横枠と支柱との関係を示す斜視図である。
【図21】同支柱に昇降可能に支持されるゴンドラの斜視図である。
【図22】同支柱に昇降可能に支持されるゴンドラの平面図である。
【図23】同支柱に昇降可能に支持されるゴンドラの断面図である。
【図24】同ゴンドラの昇降機構部の正面図である。
【図25】同ゴンドラの昇降機構部の拡大平面図である。
【図26】同ゴンドラに対する風車の支持部の拡大断面図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態における風力発電装置の全体正面図である。
【図28】同ゴンドラに対する風車の支持部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
先ず、図1〜図12に示す第1の実施の形態について説明すると、1は鉛直方向に立設された風力発電装置の支柱で、この支柱1は鉄またはステンレスなどからなる複数本の円筒状の支柱ブロック2〜7を下から上に鉄またはステンレスなどからなる複数の円筒状のジョイント部材8〜12を介して接続して上方に積み上げるように構成されている。詳しくは、支柱ブロック2〜7の内最下段に位置する支柱ブロック2は下端に排水口2aが形成されるとともに上端が開口しており、この支柱ブロック2は上端が地面に揃うように地中に鉛直方向に埋設されるようになる。この支柱ブロック2の上端の開口部にジョイント部材8の下半分が差し込まれ、支柱ブロック2の上端の側面に形成したねじ挿通孔2bより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材8の下半分の側面に形成した雌ねじ孔8aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック2の上端にジョイント部材8が取り付けられている。このように、最下段に位置する支柱ブロック2の上端に上半分が突出するように取り付けられたジョイント部材8の上半分には最下段の支柱ブロック2の上に来る次の支柱ブロック3の下端が外嵌され、支柱ブロック3の下端の側面に形成したねじ挿通孔3aより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材8の上半分の側面に形成した雌ねじ孔8bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック2の上端に支柱ブロック3が接続される。次に、支柱ブロック3の上端の開口部にジョイント部材9の下半分が差し込まれる。このジョイント部材9は下半分の外径が支柱ブロック3の内径に合うように作られ、上半分の外径は下半分の外径よりも小さくなるように下半分と上半分との間に段差9aが形成され、支柱ブロック3の上端の開口部にジョイント部材9の下半分が差し込まれた状態で支柱ブロック3の上端の側面に形成したねじ挿通孔3bより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材9の下半分の側面に形成した雌ねじ孔9bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック3の上端にジョイント部材9が取り付けられる。支柱ブロック3の上端に取り付けられたジョイント部材9は上半分が支柱ブロック3の上端から突出し、このジョイント部材9の上半分には支柱ブロック3の上に来る次の支柱ブロック4の下端が外嵌されるとともに支柱ブロック4の下端は前記段差9a上に載り、かかる状態で支柱ブロック4の下端の側面に形成したねじ挿通孔4aより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材9の上半分の側面に形成した雌ねじ孔9cに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック3の上端に支柱ブロック4が接続される。この支柱ブロック4の径は前記支柱ブロック2および3の径よりも細く作られている。次に、支柱ブロック4の上端の開口部にジョイント部材10の下半分が差し込まれ、かかる状態で支柱ブロック4の上端の側面に形成したねじ挿通孔4bより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材10の下半分の側面に形成した雌ねじ孔10aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック4の上端にジョイント部材10が取り付けられる。このジョイント部材10の下半分と上半分との間には前記ジョイント部材9のような段差が存在せず、上下方向全長に亘って同径である。支柱ブロック4の上端に取り付けられたジョイント部材10は上半分が支柱ブロック4の上端から突出し、このジョイント部材10の上半分には支柱ブロック4の上に来る次の支柱ブロック5の下端が外嵌され、かかる状態で支柱ブロック5の下端の側面に形成したねじ挿通孔5aより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材10の上半分の側面に形成した雌ねじ孔10bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック4の上端に支柱ブロック5が接続される。次に、支柱ブロック5の上端の開口部にジョイント部材11の下半分が差し込まれ、かかる状態で支柱ブロック5の上端の側面に形成したねじ挿通孔5bより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材11の下半分の側面に形成した雌ねじ孔11aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック5の上端にジョイント部材11が取り付けられる。このジョイント部材11も前記ジョイント部材10と同様に段差が存在せず、上下方向全長に亘って同径である。支柱ブロック5の上端に取り付けられたジョイント部材11は上半分が支柱ブロック5の上端から突出し、このジョイント部材11の上半分には支柱ブロック5の上に来る次の支柱ブロック6の下端が外嵌され、かかる状態で支柱ブロック6の下端の側面に形成したねじ挿通孔6aより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材11の上半分の側面に形成した雌ねじ孔11bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック5の上端に支柱ブロック6が接続される。次に、支柱ブロック6の上端の開口部にジョイント部材12の下半分が差し込まれ、かかる状態で支柱ブロック6の上端の側面に形成したねじ挿通孔6bより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材12の下半分の側面に形成した雌ねじ孔12aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック6の上端にジョイント部材12が取り付けられる。支柱ブロック6の上端に取り付けられたジョイント部材12は上半分が支柱ブロック6の上端から突出し、このジョイント部材12の上半分には支柱ブロック6の上に来る次の支柱ブロック7の下端が外嵌され、かかる状態で支柱ブロック7の下端の側面に形成したねじ挿通孔7aより挿通した雄ねじ部材13をジョイント部材12の上半分の側面に形成した雌ねじ孔12bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック6の上端に支柱ブロック7が接続される。この支柱ブロック7が支柱1の最上端に位置するブロックとなる。なお、支柱ブロック2〜7とジョイント部材8〜12を繋ぐ雄ねじ部材13は支柱ブロック2〜7の表面から突出しないように構成されている。
【0010】
上記のように6本の支柱ブロック2〜7が繋がれてなる支柱1には上部4本の支柱ブロック4〜7の外面、詳しくは側面に上下方向に繋がるラック14が取り付けられている。15は前記支柱1にラック14が設けられている範囲で上下動可能に装着される風車取り付けケーシングで、このケーシング15の上下両端の板部16,17には前記支柱ブロック4〜7およびラック14に外から嵌まり上下動可能となるように孔部16a,17aが形成され、ケーシング15内に設けたピニオン18がラック14に噛合し、ピニオン18が回転することによってケーシング15が上下動するように構成されている。さらに詳しくは、ピニオン18は同軸に歯車19を備え、モーター20により回転する歯車21と前記歯車19との間に前記歯車21と噛合する第1の中間歯車22を備え、この第1の中間歯車22と同軸に第2の中間歯車23を備え、この第2の中間歯車23とピニオン18と同軸の歯車19を噛合させ、前記モーター20により歯車21が回転してその回転がピニオン18に伝達され、ケーシング15が上下動するように構成されている。ケーシング15の上端には風車24から下方に伸びる支持軸25を嵌入させねじなどで固定させる風車支持体26を上向きの状態と水平に向いた状態との間で90度の範囲で水平軸心の周りで回転可能に取り付けている。詳しくは、この風車支持体26はケーシング15を前後から挟むように軸27によりケーシング15に対して水平軸心の周りで回転可能に支持される門型の支持部28と、風車支持体26が上向きの状態となったときに門型の支持部28から上方に突出して前記風車24の支持軸25を嵌入固定させる筒状部29と、前記門型の支持部28の片側の下端から延出され風車24とともに風車支持体26を上向きの状態と水平に向いた状態との間で回転させるときの作動片30とを備えている。
【0011】
一方、前記上端の支柱ブロック7の上端は風車支持体26の門型の支持部28が回転するときに当たらないように一側部の角を無くして円弧状に形成され、また支柱ブロック7の上端には他側部から支柱ブロック7と平行に下向きに垂下し下端にケーシング15、つまり風車24の上昇につれて前記作動片30を下側から当接させ風車24を立ち上がらせるために作動棒31を備えた作動棒取り付け金具32が取り付けられている。
【0012】
上記構成において、前記ケーシング15はラック14が取り付けられた支柱ブロック4〜7の長さ範囲で昇降するものである。即ち、ケーシング15に内蔵されたピニオン18がラック14に噛合しており、ケーシング15が支柱ブロック4〜7の内、一番下側に位置する支柱ブロック4のラック14の下端にピニオン18が噛合した状態において風車支持体26は水平に向いた状態で風車24も横向きの状態であり、この状態から前記モーター20が一方向に回転することによりピニオン18が回転してラック14に沿ってケーシング15が上昇する。図12(A)〜(D)はケーシング15が上昇する過程を示し、その過程で図12(B)に示すように前記作動片30が前記作動棒31に下から当接する。その後、ケーシング15が上昇するにつれて風車支持体26および風車24は作動棒31を支点として起き上がる方向に回転し、図12(D)に示すように風車支持体26および風車24が一番上側に位置する支柱ブロック7の上端で完全に起立状態となる。この状態で風車24は使用可能な状態となり、発電に供することができる。風車支持体26および風車24などをメンテナンスのために一番下側に位置する支柱ブロック4の下端近傍まで下げるときは、モーター20を逆転させることによりケーシング15が下降しながら風車支持体26および風車24は作動棒31を支点として倒れる方向に回転し、最終的に図12(A)に示すように風車支持体26および風車24は横向きの状態で停止する。ところで、風車支持体26および風車24は横向きの状態で保持するために前記ケーシング15には風車支持体26の門型の支持部28を水平状態で受けるための受けピン33が設けられている。なお、図面には示されていないが、風車支持体26および風車24が一番上側に位置する支柱ブロック7の上端から下降する際、倒れやすくするために、一番上側に位置する支柱ブロック7の上端にばねで付勢され先端が風車支持体26に当接する押しピンを設けるようにしても良い。
【0013】
次に、図13〜図26に示す第2の実施の形態について説明すると、前記第1の実施の形態では1本の支柱1に沿ってケーシング15、風車支持体26からなる昇降体および風車24が昇降可能に構成されているが、第2の実施の形態は鉛直方向に立設された2本の平行な支柱41に沿ってゴンドラ42からなる昇降体および風車43が昇降可能に構成されている。即ち、2本の各支柱41は鉄またはステンレスなどからなる複数本の円筒状の支柱ブロック44〜48を下から上に鉄またはステンレスなどからなる複数の円筒状のジョイント部材49〜52を介して接続して上方に積み上げるように構成されている。詳しくは、支柱ブロック44〜48の内最下段に位置する支柱ブロック44は下端に排水口44aが形成されるとともに上端が開口しており、この支柱ブロック44は上端が地面に揃うように地中に鉛直方向に埋設されるようになる。この支柱ブロック44の上端の開口部にジョイント部材49の下半分が差し込まれ、支柱ブロック44の上端の側面に形成したねじ挿通孔44bより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材49の下半分の側面に形成した雌ねじ孔49aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック44の上端にジョイント部材49が取り付けられている。このように、最下段に位置する支柱ブロック44の上端に上半分が突出するように取り付けられたジョイント部材49の上半分には最下段の支柱ブロック44の上に来る次の支柱ブロック45の下端が外嵌され、支柱ブロック45の下端の側面に形成したねじ挿通孔45aより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材49の上半分の側面に形成した雌ねじ孔49bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック44の上端に支柱ブロック45が接続される。次に、支柱ブロック45の上端の開口部にジョイント部材50の下半分が差し込まれる。このジョイント部材50は下半分の外径が支柱ブロック45の内径に合うように作られ、上半分の外径は下半分の外径よりも小さくなるように下半分と上半分との間に段差50aが形成され、支柱ブロック45の上端の開口部にジョイント部材50の下半分が差し込まれた状態で支柱ブロック45の上端の側面に形成したねじ挿通孔45bより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材50の下半分の側面に形成した雌ねじ孔50bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック45の上端にジョイント部材50が取り付けられる。支柱ブロック45の上端に取り付けられたジョイント部材50は上半分が支柱ブロック45の上端から突出し、このジョイント部材50の上半分には支柱ブロック45の上に来る次の支柱ブロック46の下端が外嵌されるとともに支柱ブロック46の下端は前記段差50a上に載り、かかる状態で支柱ブロック46の下端の側面に形成したねじ挿通孔46aより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材50の上半分の側面に形成した雌ねじ孔50cに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック45の上端に支柱ブロック46が接続される。この支柱ブロック46の径は前記支柱ブロック44および45の径よりも細く作られている。次に、支柱ブロック46の上端の開口部にジョイント部材51の下半分が差し込まれ、かかる状態で支柱ブロック46の上端の側面に形成したねじ挿通孔46bより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材51の下半分の側面に形成した雌ねじ孔51aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック46の上端にジョイント部材51が取り付けられる。このジョイント部材51の下半分と上半分との間には前記ジョイント部材50のような段差が存在せず、上下方向全長に亘って同径である。支柱ブロック46の上端に取り付けられたジョイント部材51は上半分が支柱ブロック46の上端から突出し、このジョイント部材51の上半分には支柱ブロック46の上に来る次の支柱ブロック47の下端が外嵌され、かかる状態で支柱ブロック47の下端の側面に形成したねじ挿通孔47aより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材51の上半分の側面に形成した雌ねじ孔51bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック46の上端に支柱ブロック47が接続される。次に、支柱ブロック47の上端の開口部にジョイント部材52の下半分が差し込まれ、かかる状態で支柱ブロック47の上端の側面に形成したねじ挿通孔47bより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材52の下半分の側面に形成した雌ねじ孔52aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック47の上端にジョイント部材52が取り付けられる。支柱ブロック47の上端に取り付けられたジョイント部材52は上半分が支柱ブロック47の上端から突出し、このジョイント部材52の上半分には支柱ブロック47の上に来る次の支柱ブロック48の下端が外嵌され、かかる状態で支柱ブロック48の下端の側面に形成したねじ挿通孔48aより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材52の上半分の側面に形成した雌ねじ孔52bに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック47の上端に支柱ブロック48が接続される。この支柱ブロック48が支柱41の最上端に位置するブロックとなる。なお、支柱ブロック44〜48とジョイント部材49〜52を繋ぐ雄ねじ部材53は支柱ブロック44〜48の表面から突出しないように構成されている。
【0014】
上記のようにして作られた2本の平行な支柱41,41の上端の支柱ブロック48,48の上端間は上横枠54で繋がれる。支柱ブロック48,48の上端間に対する上横枠54の取り付け部について説明すると、各支柱ブロック48の上端には前記ジョイント部材52と同様の円筒状のジョイント部材55の下半分が差し込まれ、かかる状態で支柱ブロック48の上端の側面に形成したねじ挿通孔48bより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材55の下半分の側面に形成した雌ねじ孔55aに螺合させて締め付けることにより支柱ブロック48の上端にジョイント部材55が取り付けられる。支柱ブロック48の上端に取り付けられたジョイント部材55の上半分は支柱ブロック48の上端から突出しており、この支柱ブロック48の上端から突出したジョイント部材55の上半分に上横枠54の長さ方向両端のキャップ部54aが被さり、キャップ部54aの側面に形成したねじ挿通孔54bより挿通した雄ねじ部材53をジョイント部材55の上半分の側面に形成した雌ねじ孔55bに螺合させて締め付けることに支柱ブロック48の上端に上横枠54が取り付けられている。
【0015】
上記のように5本の支柱ブロック44〜48が繋がれてなる各支柱41には上部3本の支柱ブロック46〜48の外面、詳しくは前面に上下方向に繋がるラック56が取り付けられている。2本の平行な支柱41,41に跨って昇降可能に装着される前記ゴンドラ42は、長さ方向両端に前記支柱ブロック46〜48およびラック56に外から嵌まり上下動可能となるように孔部57a,57aが形成された上枠57と、同じく長さ方向両端に前記支柱ブロック46〜48およびラック56に外から嵌まり上下動可能となるように孔部58a,58aが形成された下枠58と、前記支柱41,41間の内側に沿って位置するように前記上枠57と下枠58とを繋ぎ下枠58から下端が突出する縦枠59,59とからなり、この縦枠59,59の下端には両端に前記ラック56に噛合するピニオン60を取り付けた回転軸61を貫通させて受ける孔部59a,59aが形成された軸受け片59b,59bが連設されている。そして、前記ゴンドラ42の下枠58には前記ピニオン60を駆動する駆動部取り付け用のケーシング62が吊り下げられるように取り付けられる。ケーシング62は凵状を呈し、上端に前記下枠58の下面に重なって下枠58に対する取り付け板部63を一体に備え、両側の立ち上がり板部62aの上端近傍には前記回転軸61を挿通させる挿通孔62bが形成されている。そして、前記ケーシング62内においてピニオン60を取り付ける回転軸61に歯車64を備え、ケーシング62内に設けたモーター65により回転する歯車66と前記歯車64との間に歯車66と噛合する第1の中間歯車67を備え、この第1の中間歯車67と同軸に第2の中間歯車68を備え、この第2の中間歯車68とピニオン18と同軸の歯車64を噛合させ、前記モーター65により歯車66が回転してその回転がピニオン60に伝達され、ケーシング62および前記ゴンドラ42が昇降するように構成されている。
【0016】
前記上枠57、下枠58、縦枠59,59で構成される前記ゴンドラ42で囲まれる空間内において、上枠57、下枠58に水平軸芯の周りで回転する風車43の周りの枠体43aを鉛直軸芯の周りで首を振るように支持して取り付けている。69は上枠57、下枠58に対する枠体43aの支持部であり、枠体43aの上下に設けた支持軸70および71を上枠57および下枠58に設けたベアリング72および73に差し込み、枠体43aを鉛直軸芯の周りで首を振るように支持している。
【0017】
上記構成において、ゴンドラ42からなる昇降体および風車43はラック56が取り付けられた支柱ブロック46〜48の長さ範囲で昇降するものである。即ち、ゴンドラ42の下側で回転軸61の両端に取れ付けられたピニオン60はラック56に噛合しており、前記モーター65の正逆回転によりゴンドラ42からなる昇降体および風車43はラック56が取り付け範囲で昇降することになる。風車43を動作させる通常時はゴンドラ42からなる昇降体とともに風車43を支柱ブロック48の上端に位置させることにより使用可能な状態となり、発電に供することができる。また、ゴンドラ42内で風車43の枠体43aが鉛直軸芯の周りで回転する支持されているので、枠体43aは風の向きに合わせて自在に首を振ることが可能であり、効率良く発電することができる。さらに、メンテナンスの際はモーター65を上昇時とは逆方向に回してゴンドラ42からなる昇降体とともに風車43を一番下側に位置する支柱ブロック46の下端近傍まで下げれば良い。
【0018】
次に、図27および図28に示す第3の実施の形態について説明すると、この第3の実施の形態はゴンドラ42内において上枠57、下枠58に鉛直軸芯の周りで回転するタービン型の風車43を支持している。74および75は上枠57、下枠58に対する風車43の上下の支持部であり、風車43の上下に設けた支持軸76および77を上枠57および下枠58に設けたベアリング78および79に差し込み、風車43を鉛直軸芯の周りで回転可能に支持している。基本的には他の構成は前記第2の実施の形態と同様である。
【0019】
ところで、上記した各実施の形態において支柱ブロックの接続作業や支柱ブロックに対する昇降体および風車の取り付けなどの組み立て作業は横向きにして地上で行なわれるものであり、組み立て作業の後、全体を立てた状態で最下段に位置する支柱ブロックを地中に埋設するか、あるいは最下段に位置する支柱ブロックを切り離して地中に埋設しておき、他の支柱ブロックの接続作業や支柱ブロックに対する昇降体および風車の取り付けなどの組み立て作業の後、最下段に位置する支柱ブロックにその支柱ブロックのすぐ上の支柱ブロックを接続するものである。
【0020】
上記した各実施の形態において、風車の昇降操作は地上から遠隔操作により行なうものであり、風速などに応じて風車の高さを最適に調整することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の風力発電装置用支柱は、支柱を複数段の支柱ブロックに分けて支柱ブロックを上下方向に接続するようにして支柱を組み立てるようにすることにより、支柱ブロックの取り扱いを容易に行なえるようにした風力発電装置用支柱である。
【符号の説明】
【0022】
1 支柱
2,3,4,5,6,7 支柱ブロック
2b,3a,3b,4a,4b ねじ挿通孔
5a,5b,6a,6b,7a ねじ挿通孔
8,9,10,11,12 ジョイント部材
8a,8b,9b,9c,10a,10b 雌ねじ孔
11a,11b,12a,12b 雌ねじ孔
9a 段差
13 雄ねじ部材
14 ラック
15 ケーシング
16,17 板部
16a,17a 孔部
18 ピニオン
19 歯車
20 モーター
21 歯車
22 第1の中間歯車
23 第2の中間歯車
24 風車
25 支持軸
26 風車支持体
27 軸
28 支持部
29 筒状部
30 作動片
31 作動棒
32 作動棒取り付け金具
33 受けピン
41 支柱
42 ゴンドラ
43 風車
43a 枠体
44,45,46,47,48 支柱ブロック
44b,45a,45b,46a,46b ねじ挿通孔
47a,47b,48a,48b ねじ挿通孔
49,50,51,52 ジョイント部材
49a,49b,50b,50c 雌ねじ孔
51a,51b,52a,52b 雌ねじ孔
50a 段差
53 雄ねじ部材
54 上横枠
54a キャップ部
54b ねじ挿通孔
55 ジョイント部材
55a,55b 雌ねじ孔
56 ラック
57 上枠
57a 孔部
58 下枠
58a 孔部
59 縦枠
59a 孔部
59b 軸受け片
60 ピニオン
61 回転軸
62 ケーシング
62a 立ち上がり板部
62b 挿通孔
63 取り付け板部
64 歯車
65 モーター
66 歯車
67 第1の中間歯車
68 第2の中間歯車
69 支持部
70,71 支持軸
72,73 ベアリング
74,75 支持部
76,77 支持軸
78,79 ベアリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄またはステンレスなどからなる複数本の筒状の支柱ブロックを下から上に鉄またはステンレスなどからなる複数の筒状のジョイント部材を介して接続して上方に積み上げるように構成されており、下側に位置する支柱ブロックの上端にジョイント部材のほぼ下半分を差し込み、この支柱ブロックの上端から突出するジョイント部材のほぼ上半分に次の支柱ブロックの下端が外嵌され、支柱ブロックに対するジョイント部材の嵌合部をねじにより結合してなり、上端に位置する支柱ブロックに風力発電用の風車が位置決めされるように構成したことを特徴とする風力発電装置用支柱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2011−99325(P2011−99325A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252548(P2009−252548)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(309016212)
【Fターム(参考)】