風力発電設備のローターブレード
【課題】撓みを簡単な手段で検出できるローターブレードを提供する。
【解決手段】風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための方法。ローターブレードまたはパイロン内には測定ラインが存在し、測定ラインは、ローターブレードまたはパイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに長さの変化にさらされる。本方法は、信号発生器によって信号を発生させることと、この信号を測定ラインの第1の入力端部において測定ラインに供給することと、測定ラインの第2の端部に配置された信号発生器信号受信器からの信号を受けたとき、さらなる信号を信号発生器から発生させることと、所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定することと、発せられた信号の測定された数の比較からローターブレードあるいはパイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定することとを具備する。
【解決手段】風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための方法。ローターブレードまたはパイロン内には測定ラインが存在し、測定ラインは、ローターブレードまたはパイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに長さの変化にさらされる。本方法は、信号発生器によって信号を発生させることと、この信号を測定ラインの第1の入力端部において測定ラインに供給することと、測定ラインの第2の端部に配置された信号発生器信号受信器からの信号を受けたとき、さらなる信号を信号発生器から発生させることと、所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定することと、発せられた信号の測定された数の比較からローターブレードあるいはパイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定することとを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風力発電設備のローターブレードに関し、このローターブレードは、風力発電設備のローターのハブに対する接続のためのローターブレード接続部と、ローターブレードの反対側の端部に配されたブレード先端とを具備する。そうしたローターブレードは一般に以前から知られており、しかもほとんど全ての水平軸風力発電設備において使用されている。
【0002】
本発明はさらにそうしたローターブレードを有する風力発電設備に関する。
【特許文献1】独国特許出願番号第38 21 642号明細書
【特許文献2】独国特許出願番号第37 12 780号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゆえに本発明の目的は、撓みを簡単な手段で検出できるローターブレードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の冒頭部分で述べた種類のローターブレードにおいては、上記目的は以下のことにより達成される。すなわち、少なくとも一つの導電体がローターブレード長にわたって配設され、この導電体はローターブレード接続部において発し、ローターブレードの長手方向に延在し、そしてローターブレード接続部へ戻る。しかも電気抵抗を検出する検出器が設けられ、かつこの検出器は導体の電気抵抗を評価する評価デバイスに接続される。
【0005】
この点に関し、本発明は、ローターブレードの撓みは常にサポート構造体の伸びにつながり、そしてそうした伸びが導電体に伝達された際、導体の電気抵抗の変化を引き起こすという認識に基づくものである。
【0006】
抵抗の変化は導体の伸びに比例するので、抵抗の変化はローターブレードの撓みに比例する。最も簡単な事例では、抵抗の変化に関する限界値を予め決定することが可能であり、この限界値を上回ったという事実は実質的に構造的損傷を引き起こすようなローターブレードの撓みを示す。それゆえ、そうした状況の認識は、ローターブレードを交換するべきか否かを確証するためにローターブレードのしかるべき時点での交換または点検を可能にする。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、風力発電設備の負荷はローターブレードへの負荷から推測でき、しかも風力発電設備は所定値が限度を超過した際に停止可能である。これによって、さらなるそしてまた一層過酷な負荷が確実に回避される。
【0008】
導電体の抵抗の温度依存変化を補償できるようにするため、および/または複数の測定結果をもらすため、複数の導電体を設けることも可能である。これら導電体はローターブレードの長手方向に延在し、かつ検出器に接続される。この場合には、複数の導体を一つの検出器に接続可能であり、あるいは各導体をそれ自身の検出器に接続可能である。温度補償のために設けられる導体は、それが曲げ荷重を受けないように、そしてそれゆえ抵抗の温度依存変化にのみさらされるよう配置される。この方法で、抵抗の温度誘起変化が見分けられ、そして適切に考慮することができる。
【0009】
複数の導体はまた余剰的使用を可能とする。ある導体に関して問題が生じた場合、抵抗の変化は常に余剰導体によって依然として確実に検出可能である。これは、導体の破損による費用のかかるオーバーホール作業の必要性を排除する。
【0010】
加えて、導体の余剰的導入はまた、抵抗の変化の比較確認を可能とする。こうして、検出された抵抗の変化に関する比較によって、導体はそれぞれ互いに対して監視できる。
【0011】
特に好ましい特徴では、少なくとも一つの導電体はローターブレードの長手方向に所定距離延在する。だが、この距離はローターブレード長よりも短いものである。上記導体はローターブレード先端には達していないが、ローターブレードの所定位置において終わりをなしている。これによって、個々の導体はローターブレードの撓みに依存して異なる影響を受け、そしてそれゆえに自身の抵抗を変える。したがって撓み作用の正確なパターンが抵抗の変化に関する異なる値から推測できる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、ローターブレード長よりも短い導体は、ローターブレードの全長にわたって延在する導体の枝路の形態とすることができる。この目的のため、それらは、ローターブレード長にわたって延在する導体に対して所定の位置で電気的に接続される。これによって、ローターブレードの撓みの検出における解決方法のレベルは、枝路の数および間隔によって変更可能である。
【0013】
導電体の望ましくない変形を回避するため、それらは好ましくはローターブレードのサポート構造体に接合される。そして特に好ましい特徴に関しては、ローターブレードのサポート構造体内に組み込まれる。この場合、特に好ましい特徴に関して、ローターブレードの撓みによって引き伸ばされることになる導体は、サポート構造体内に組み込まれる。枝路としてそうした導体に電気的に接続され、かつここでは戻り導体の機能を発揮する導体はまた、たとえば、ケーブルの形態でサポート構造体の外面に自由に配置可能である。
【0014】
この点に関して、少なくとも一つの導電体をローターブレードの長手方向に各サポート構造体内に設けることが特に有益である。こうした構造はまた、ローターブレードの撓みの方向を検出することを可能にする。なぜなら、導電体の一つが引っ張り作用を受け、これによってその抵抗が変化、さらに詳しくは増大し、一方、少なくとも一つの他の導体は引き伸ばされないからである。むしろ、好適な取り付け構造によって、導電体は引っ張り荷重の代わりに圧縮荷重を受け、それゆえに伸ばされるよりもむしろひっくり返る。したがって、その抵抗値はせいぜい反対方向に変化するに過ぎない。それゆえ抵抗値は減少する。
【0015】
特に好ましい特徴に関し、(本発明による)導電体は、少なくとも一つの所定のアルミニウム要素を含むか、あるいはアルミニウムからなる。これは既に導体の弾性変形領域で抵抗に著しい変化をもたらす。この抵抗変化は完全に可逆的であり、ゆえに再現可能である。対応する手法で、撓み作用が生じた後に必要な導電体の交換あるいはローターブレード全体の交換さえ必要とせずに、ローターブレードの撓みを永続的に監視できる。原理的にいかなる導電体もセンサーとして適することに留意されたい。だが、この点で、導体は、周囲の材料に対する良好な機械的結合を実現するため所定度合いの表面粗さを備えるべきである。
【0016】
たとえば過度の伸長の後または材料欠陥に起因して導体の領域に問題が生じた場合、ローターブレード全体を交換しなくてもよくするため、導体は有利には、サポート構造体に接合されるがそれから取り外し可能な部材中に組み込まれる。本発明のそうした実施形態はまた、既に製造されたローターブレードを改良することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0018】
図1はローターブレード10の平面図である。構造をわかりやすく図示するため、ローターブレード10は部分的に切断されており、この結果、二つの導体20,22の経路を見ることが可能となっている。
【0019】
ローターブレード10はローターブレード根部11で風力発電設備のハブ12に取り付けられている。これは同図および他の図において、状況判断目的のために示されているに過ぎない。第1の導体20および第2の導体22はローターブレード内でローターブレード根部11からローターブレードの長手方向にローターブレード先端13まで延在し、そして再び元の場所に戻る。したがって、導体20,22のそれぞれは出て行く導体20a,22aと戻り導体20b,22bとを含む。導体20,22はいずれも検出器16に接続されており、この検出器は両導体20,22の電気抵抗を突き止める。
【0020】
この例では、第1の導体20は真っ直ぐなものとして示されている。これは、この導体がローターブレードに対して、ローターブレード構造体の伸びはまた導体20の伸びにつながるように接合されるという事実を象徴する。第2の導体22はローターブレード先端13の領域において非直線形状に配置されたものとして示されている。これは、この導体がローターブレード10に対して、導体がローターブレードと共に変形させられるように接合されてはいないことを示している。むしろ、第2の導体は明確には変形させられるべきではない。したがって、その抵抗はとりわけ温度に依存して変化し、これによって第1の導電体20の抵抗の変化を検出するとき抵抗の変化に関する温度の影響がわかり、かつそれを考慮することができ、そして誤った結果につながらない。
【0021】
検出器16は風力発電設備の制御システムに接続可能であり、これによって風力発電設備の運転に当たって、ローターブレードの撓みをも考慮することができる。
【0022】
図2は、図1を参照して既に説明したものに類似の構造体を示す。ここでは四つの導電体20,22,24,26が示されていることに留意されたい。温度補償用の導体は、図面をよりわかりやすくするため、ここでは示していない。だが当然ながら、この実施形態でも設けることができる。
【0023】
同図では、四つの導電体20,22,24,26の全ては、それらがローターブレード10の撓みに追従するようローターブレード10に接合できる。だが、これら導体はローターブレード10の長手方向に異なる距離だけ延びているので、それらの長さがわかる場合、個々の導体の抵抗の変化からローターブレード10の変形を推測できる。
【0024】
ローターブレード先端13まで延在する第1の導体20のみが存在する場合、抵抗の変化から撓みそれ自体を推測することが可能であるに過ぎないであろう。だが、第2の導体22はローターブレード先端13まで延在していないので、第1の導体20の抵抗の変化からローターブレード先端に撓みが生じていることを推断することができる。他の導体22,24,26に関して抵抗の変化が生じない場合、これは、ここでおよび以後は抵抗の伸び依存変化を意味し、したがって上記撓みは明らかにローターブレード先端付近のローターブレード10の外側領域にのみ限定される。
【0025】
導体20,22および24に抵抗の変化が生じ、一方、導体26の抵抗は相変わらず変化しない場合、これは、ローターブレードの概ね外側半分が長手方向に撓んでいることを示す。
【0026】
同図において、導体20,22,24,26はやはり検出器16に接続されており、この検出器16は今度は風力発電設備を制御するための制御システムに接続可能である。
【0027】
図3は本発明の代替的実施形態を示す。導体20はローターブレード10内で検出器16からローターブレードの全長に沿ってローターブレード先端13まで延びている。枝路28は電気接続部29によって導体20に対して接続されている。枝路の数およびポジションの選択によって、ローターブレード10のどの領域をどの程度の精度で監視すべきかを予め決定できる。あるいは別の言い方をすれば、どの程度の分解能で、かつローターブレード10のどの領域について、その撓みを検出すべきかを予め決定できる。
【0028】
特に、同図に示す本発明の実施形態では、ローターブレード根部11の領域でのプラグコネクターの使用は有益であることがわかるであろう(ただしここでは示していない)。なぜなら、ローターブレード10の製造時、導体20,28をプラグコネクターに既に接続でき、しかも接続を試験できるからである。構築現場でのローターブレードの組立と同時に、検出器に対する接続をなすために既に作り上げられたケーブルを使用することもそれゆえ可能である。これによって組立作業が簡単になり、エラーに対する低いレベルの感受性がもたらされる。
【0029】
図4は撓んだローターブレード10の概略側面図である。同図はまたブレード根部領域11、上述したハブ12および検出器16も示す。この例では、ローターブレード10の表面に対する導体20の間隔は、決して正確な縮尺であると解釈すべきではない。むしろ、撓みの程度の検出は、導体20がローターブレード10の表面に近付くほど、ますます正確になるという状況にある。説明のためには当然ながらローターブレード10の表面と導体20とは同図においては区別可能であるべきである。同図ではローターブレード10は下方に曲がっている。したがって、撓みの方向にあるローターブレード10の面は下面であり、一方で反対側の面はそれゆえ上面である。
【0030】
同図から、導体20はローターブレード10の上面に設けられ、かつ導体21が下面に設けられていることが明瞭にわかるであろう。ローターブレードの図示の撓みによって、ローターブレードの上面における導体20は引き伸ばされ、そして、これが検出器16によって確実に検出可能であるよう、その抵抗に顕著な変化をもたらす。ローターブレードのこの撓みによって、ローターブレード10の下面における導体21は引き伸ばされない。せいぜいひっくり返るだけである。その導体の抵抗を増大させないことは確実である。この結果、ローターブレードの撓みの方向は、ローターブレード10の上面における導体20の抵抗の変化から確実に推測可能である。
【0031】
図5はローターブレード10の撓みに関する特殊な事例を示すが、これは実際には決して稀なものではない。この例では、ローターブレードはその中央領域において矢印A(下面側に向う)の方向に撓んでいるが、ローターブレード先端13付近のその外側領域では矢印Bの方向、すなわちローターブレードの上面側に向って撓んでいる。いずれもローターブレード先端13まで延在する導体20,21をローターブレード10に配備したことは、これら導体の両方に関する伸びを必然的に伴うであろう。
【0032】
欠陥状況が全く無視されても、そこからローターブレード10の危険な撓みを推定することが既に可能であり、かつ設備を適当に制御、たとえば停止できる。だが、ローターブレードの撓みに伴う実際の形状は依然としてそこから認識することはできないことに留意されたい。ローターブレード先端13まで延在しないさらなる導体22,23が設けられるので、図示の撓み状況では、導体22もまた引き伸ばされ、ゆえにこれに対応してその抵抗が増大する。対応する方式で、ローターブレード10の実際の撓みは、ここでは、検出器16によって、導体20,21,22,23の抵抗または抵抗の変化を検出することによって推測することができる。この点に関して、導体20,21,22,23は相互に非常に近接して並置された関係で、かつローターブレード10のそれぞれの面に可能な限り近接して延在しており、これによって、ローターブレードの下側における第2の導体23の伸び(これは同図において明白であると仮定される)は実際には生じないことをもう一度強調しておくべきであろう。
【0033】
ここでは導体ループの形態とすることが可能な、異なる長さの複数の導体20,21,22,23を備えた上記実施形態の代替例として、図1に示す本発明の実施形態を、ローターブレード10の上面および/または下面において使用することも、もちろん可能である。それはまた当然ながら、ここで説明した利益をもたらし、特に、枝路の数および間隔を選定することで、ローターブレードの撓みの検出に関する精度を前もって決定する可能性をもたらす。
【0034】
図6および図7は本発明によるローターブレードを通る断面の概略図である。長手方向に延在するサポート構造体34,36が図6に図示するローターブレード内に示されている。これらサポート構造体34,36はたとえばロービングベルト、すなわちガラス繊維束およびエポキシ樹脂から形成されたサポート構造体とすることができ、これは実質的にローターブレード全長にわたって延在する。
【0035】
導電体20,21,22,23はこれらサポート構造体34,36内に埋め込まれている。この点に関し、各装置が、ローターブレードの長手方向にローターブレード根部から延在し再び元の場所に戻る導体を具備することを明瞭なものとするために、出て行く導体および戻り導体はそれぞれ文字aおよびbによって識別する。
【0036】
導体20,21,22,23をサポート構造体34,36内に組み込むことは、その経路を非常に正確に確定できることを意味する。それはまた、十分な程度の確実性を伴って、抵抗の変化から結論を引き出すことが可能であるよう、導体がローターブレードのそれぞれの面に対して可能な限り近接して延在することを確実にする。
【0037】
図7はやはりサポート構造体34,36を示す。だが、この例では、導体20,21,22,23はサポート構造体34,36自身の中ではなく、キャリア38内に組み込まれていることに留意すべきである。このキャリア38はサポート構造体34,36と同じ構造のものとすることができ、これによって、キャリア38と導体20,21,22,23との間の共同作用はサポート構造体34,36を備えた導体の共同作用と正確に一致する。
【0038】
この例では、キャリア38は固定的に、しかしながら取り外し可能にサポート構造体34,36に連結できる。素材の欠陥または他の損傷により導体の交換が必要になった場合、それは必ずしもローターブレード全体の損失またはその非常にコストを要する修理には結び付かず、対応するキャリア38がサポート構造体34,36から取り外され、そして新しいものに交換される。
【0039】
本発明のこの実施形態は、サポート構造体34,36とキャリア38との間の接続部に関して、あるいはまたローターブレード10の表面(当然ながら内側において)とキャリア38との間の接続部に関して好適な選択をなすことにより、既に製造されたローターブレードを改良することを可能にする。
【0040】
図8は引っ張り応力に依存する電線の電気抵抗の経験的に確認された様態を示す。曲線の左側領域40は直線的に延び、曲線の中間領域2では著しく立ち上がり、一方、それに続く抵抗の低下および最終的な抵抗の増大を伴って抵抗が突如増大する以前に、右側領域44では曲線は初め再び直線状に延びる。
【0041】
曲線の右側領域44は、過度に高いレベルの引っ張り応力において、導電体がちぎれた特性であることがわかっている。対照的に、曲線の中間領域42の抵抗の変化は導電体の弾性変形の領域にある。上記曲線を確定するための測定シリーズにおいて、導電体の弾性変形の範囲は、導体長さの1パーセント未満の長手方向の伸びで確認された。アルミニウムの場合、これは特に約0.3パーセントの領域にある。
【0042】
したがって0.3%までの長手方向のアルミニウム電線の伸びは弾性変形であり、これはしかしながら、著しいそして検出可能な抵抗の変化をもたらす。これは25mΩまでの測定シリーズで確かめられた。
【0043】
変形は弾性的なので、導電体はそれによって損傷せず、しかも抵抗変化は確実に再現可能である。したがって、ローターブレードの撓みは同じ導電体を用いて繰り返し検出可能である。
【0044】
さらに図9および図10はそれぞれ、上記方法または上記アプローチへの付加案および代替案を示す。このアプローチはアナログおよび/またはデジタル信号を用いて実現できる。図9および図10に示す両方の解決策に共通するのは、回路の信号の遅延時間は、遅延時間検出手続きに含まれないことである。この方法により、ラインの実際の遅延時間を確定することができる。
【0045】
図9および図10のアナログおよびデジタル解決策の構成は実質的に類似する。いずれの場合も、トランスミッターと受信器との間に2本のライン、すなわちその長さが変化しない基準ラインとそれと平行な測定ラインがあり、その伸びによって、ローターブレードのたとえば撓みが検出される。ここで基準ラインと測定ラインとの間で遅延時間を比較できるという事実に加えて、これら2本のラインはまた同じ熱影響を受け、この結果、その影響が補償される。
【0046】
アナログ構造(第1の代替案)において、休止状態では基準信号(アナログ電気信号)と測定信号とは同位相である。したがって、同じ周波数であるがより大きな振幅の和信号が存在する。
【0047】
測定ラインの伸びによって位相シフトが生じた場合、和信号も当然ながら変化する。一方で、ピーク・トゥ・ピーク値は同位相信号の場合よりも小さいが、さらに和信号に関して改変された包絡曲線が存在する。
【0048】
そうした変化を検出する方法は従来技術の状況において十分に公知である。180°の位相シフトまで振幅は小さくなることが容易にわかる。この範囲を超えると、完全な周期まで、位相ポジションに関する信頼できる情報を得るため信号をまた考慮しなければならない。
【0049】
デジタル解決策の場合、受信器での信号の同相入力により、処理は最低算術平均(当然ながらやはりパルスデュティ率に依存する)を伴う。だが、依然として同じであるパルスデュティ率を仮定すると、算術平均は、基準信号と測定信号との間の増大する位相シフトによって増大する。それゆえ、これは受信器での信号の位相シフトに関する測定値である。
【0050】
上記方法は電気信号、光学信号および基本的には音響信号によっても実現できる。基本的に状況は次のとおりである。僅かな量の伸びについては高い周波数(すなわち1kHz超、好ましくは数MHzの周波数)が有利であり、一方、大きな量の伸びの場合は、一周期内の範囲で個々の位相シフトを得るため低周波数の選択が好まれる。
【0051】
本出願は独国特許出願番号第38 21 642号および第37 12 780号の内容を明らかに含む。どのようにして長さまたは間隔の変化(これは物理的パラメーター、たとえば温度または圧力の変化によって引き起こされる)を、物理的パラメーターにさらされる光ファイバーケーブルにおける電気信号の遅延時間測定により特定できるかが、これらの出願からわかる。信号は光学マルチバイブレーターによって光ファイバーケーブルに供給される。この状況では、複数のパルスのトータル遅延は高周波数カウンターによって特定される。標準計数結果(基準)との比較により、この標準計数結果からの、実際に確認された計数結果の偏差が定まり、生じた長さまたは間隔の差異はこれから突き止められる。しかも長さまたは間隔のこの差異は、特定されるべき物理的パラメーターへと変換される。
【0052】
独国特許出願番号第37 12 780号明細書は、ラインの電気的不連続に関して試験されるべきラインの長さの正確でかつ迅速な測定のための方法および装置を開示する。ここで、パルスエッジはパルスエッジ発生器によってライン端部まで伝達され、不連続面から一端へと戻る反射パルスエッジが検出される。パルスエッジの生成は反射パルスエッジの検出後、所定時間経過後に引き起こされる。この結果、ラインの長さの移動時間遅延に関連する周波数で、パルスエッジ発生器は繰り返しパルスエッジを生成させる。そしてこの周波数が測定される。独国特許出願番号第37 12 780号明細書は、ゆえに、どのようにしてラインの「不連続面」を検出できるかを説明し、かつまた、遅延時間を使用する代わりに、逆数すなわちさらに詳しくは周波数を使用する可能性を説明する。
【0053】
独国特許出願番号第38 21 642号明細書によれば、トランスミッターと受信器との間のラインの遅延時間が検出され、そしてこれはいわゆるストップウォッチ処理によってもたらされる。すなわち、著しく高い周波数において信号のクロックの計数はパルスの放出によって始まり、そしてこの計数処理は受信器がパルスを受信するまで続く。計数値はゆえに遅延時間に関する測定値である。
【0054】
ここで図11について言及する。これは(図9および図10において既にそうしたように)基本的に、その内部に配置され、そして好ましくは測定電線(または光ファイバーケーブルすなわちOFC)の形態でローターブレードの表面に埋め込まれた測定ラインを備えたローターブレードを示す。機械的荷重(風力荷重)はローターブレードを撓め、そして測定ラインはその長さの中で引き伸ばされるかあるいはひっくり返される。上記の荷重変化はそれゆえ長さの変化に比例する。すなわち、
ΔF〜Δl
である。
【0055】
0.0%ないし0.2%の間の長さの変化が予想され、これは0.0%荷重ないし100%荷重の間に対応する。それゆえ作業は、可能な限り最も高いレベルの分解能で長さの変化を特定することである。
【0056】
第1の解決策として、電線のオーム抵抗は長さに、したがってまた荷重に比例すると仮定できる。すなわち、
ΔR〜Δl〜ΔF
である。
【0057】
電流が電線に加えられ、そして電圧降下が、図2に示すように、その方法によって測定される。
【0058】
試験は、この原理が実施可能であることを示した。
【0059】
だが、いくつか問題もある。なぜなら、信号が絶対値の0.2%であるとき非常に高いレベルの測定精度が要求され(<0.002%)、しかもまた少なくとも100ステップに分割されなければならない。さらに、電線のオーム抵抗は電線温度によって非常に激しく変化する。電界および磁界によって生じ得るノイズが信号に重畳される。これは雷雨が発生した際に特に顕著になる。電子機器が接続された電線は雷の直撃によって損傷する可能性がある。
【0060】
代替解決策が図13に示されている。この場合、通過電線の長さはパルスの遅延時間によって特定される。速度は光速の2/3であり、すなわち約200,000km/sである。
【0061】
図13からわかるように、
Δt〜Δl〜ΔF
であり、しかも通過時間の変化は荷重の測定値である。
【0062】
40mのライン長を仮定すると、これは、0と400psとの間のΔtの重畳によって、t=200nsを得る。
【0063】
こうした時間は測定手法で検出するのは簡単ではないので、逆数が形成される。さらに詳しくは次のとおりである。
f=1/(t+Δt)
【0064】
これは、ここでは周波数を与える。
【0065】
周波数値は特定するのが非常に簡単であり、しかも測定値は(周波数カウンターのゲート時間の適合によって)望まれるであろう限りの高精度で分析できる。
【0066】
周波数はここでは信号の遅延時間からある処理によって生成される。この処理によって、入ってくるパルスは直ちに新しいパルスをラインに送り込む(ストップウォッチ処理)。1秒あたり放出されるパルスの数は周波数を形成する。
【0067】
図14は上記観点で対応する回路図を時間グラフと共に示す。
【0068】
パルスはレベルの変化によって置き換えられ、そして予期されるように、
f=1/(2t)
の周波数が存在する。すなわちここで、
t=l/[2(2c/3)]
である。
【0069】
40mのライン長では以下のようになる。
f=40m/[2(200・10−9m/s+Δt)]=2.5MHz
【0070】
荷重の影響により、2.5MHzと2.505MHzとの間の周波数、すなわち5000Hzの値の変化が存在する。
【0071】
20msのゲート時間を持つ周波数カウンターは、1%の荷重に関する分解能によって、1秒当たり50値を発するであろう。これらの値は既に50の個々の長さ測定値の平均値からなる。
【0072】
ゆえに鋭敏なアナログセンサーシステムを要しないという利益がある。なぜなら、信号対ノイズ比(0Vまたは10V)が高く、しかも温度変動に起因する厄介な遅延時間変化が存在しないからである。
【0073】
これは、特に図9および図10に示す装置によって適用される。ここでは、測定ラインの他に基準ラインも存在する。
【0074】
上記解決策はまた光学的にも実現可能である。この場合、電線は光ファイバーケーブルで置き換えられ、かつ図15に示すようにフィードバックはOFCトランスミッターおよびOFC受信器によってもたらされる。
【0075】
この場合、利点は特に鋭敏なアナログセンサーシステムが必要ないということである。なぜなら、信号対ノイズ比(ライトオンまたはオフ)が高く、温度変動に起因した厄介な遅延時間変化はなく、電界または磁界に起因したノイズ妨害が光ファイバーケーブルにはなく、そして落雷に起因する影響もまた予期されないからである。
【0076】
実際にはブレードの撓みは、1mm未満の長さの変化によって既に明確に測定されるべきであることが期待されるべきである。本出願で、本発明による解決策はローターブレードの長さの変化に関連して使用されるべきであると説明する限りにおいて、ローターブレードのねじれもまた、曲げて配備された測定ラインの長さの変化に自動的につながるように、測定ラインがローターブレードの表面にスパイラル状に対応配置される場合、ローターブレードのねじれを測定することもまた可能であることに留意すべきである。
【0077】
特に本発明による測定方法は、測定手続きによってローターブレードの荷重およびさらに長手方向の伸びに関してその一部を監視するのにも使用できる。これは、突風が生じた際に、所与のブレード負荷の特定の個々の場合に伴うリスクを以前よりも良好に検出するため、特にブレード先端領域において非常に有用となり得る。
【0078】
図11ないし図14に開示されたものは他の図に開示されたものと明らかに容易に組み合わせることができることが特に指摘されるべきである。ストップウォッチ処理に言及するとき、これはとりわけ、ストップウォッチは発せられたパルスの受信と同時に止められ、そして同時に再び始動させられることを意味するということが、したがって所与の時間範囲、たとえば1秒に関するストップ/スタートサイクルの頻度を示すということが、これによって明瞭なものとなる。
【0079】
この点で、サインx/x関数にしたがって、いかなる形態のパルス信号でも、とりわけチャープパルス信号もまた予見できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態のローターブレードの部分的に破断した状態での平面図である。
【図2】本発明の第2実施形態のローターブレードの部分的に破断した状態での平面図である。
【図3】本発明の第3実施形態のローターブレードの部分的に破断した状態での平面図である。
【図4】第1の様式で曲げられたローターブレードの概略側面図である。
【図5】第2の様式で曲げられたローターブレードの概略側面図である。
【図6】ローターブレードの概略断面図である。
【図7】ローターブレードのさらなる概略断面図である。
【図8】本発明にしたがって使用される導電体の抵抗パターンを示す図である。
【図9】本発明によるローターブレードの概略構造を、アナログ位相シフトの場合に測定グラフb)〜e)と共に示す図である。
【図10】ローターブレードの場合の本発明による測定デバイスa)およびデジタル位相シフトの場合の得られた測定グラフ(b)〜d))の概略図である。
【図11】測定ラインを備えたローターブレードを示す概略図である。
【図12】電流または電圧を印加した状態での図11と同様の図である。
【図13】インプットパルス入力の場合に測定ラインを備えた本発明によるローターブレードおよびそれに対応する出力パルスおよび時間の測定値グラフを示す概略図である。
【図14】時間グラフと共にストップウォッチ処理用のスイッチング線図を示す図である。
【図15】図14と同様の回路を示す図であるが、対応する測定時間グラフを与える光学構造体に関するものである。
【符号の説明】
【0081】
10 ローターブレード
11 ローターブレード根部
12 ハブ
13 ローターブレード先端
16 検出器
20,21,22,23,24,26 導電体
20a,22a 出て行く導体
20b,22b 戻り導体
28 枝路
29 電気接続部
34,36 サポート構造体
38 キャリア
【技術分野】
【0001】
本発明は風力発電設備のローターブレードに関し、このローターブレードは、風力発電設備のローターのハブに対する接続のためのローターブレード接続部と、ローターブレードの反対側の端部に配されたブレード先端とを具備する。そうしたローターブレードは一般に以前から知られており、しかもほとんど全ての水平軸風力発電設備において使用されている。
【0002】
本発明はさらにそうしたローターブレードを有する風力発電設備に関する。
【特許文献1】独国特許出願番号第38 21 642号明細書
【特許文献2】独国特許出願番号第37 12 780号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゆえに本発明の目的は、撓みを簡単な手段で検出できるローターブレードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の冒頭部分で述べた種類のローターブレードにおいては、上記目的は以下のことにより達成される。すなわち、少なくとも一つの導電体がローターブレード長にわたって配設され、この導電体はローターブレード接続部において発し、ローターブレードの長手方向に延在し、そしてローターブレード接続部へ戻る。しかも電気抵抗を検出する検出器が設けられ、かつこの検出器は導体の電気抵抗を評価する評価デバイスに接続される。
【0005】
この点に関し、本発明は、ローターブレードの撓みは常にサポート構造体の伸びにつながり、そしてそうした伸びが導電体に伝達された際、導体の電気抵抗の変化を引き起こすという認識に基づくものである。
【0006】
抵抗の変化は導体の伸びに比例するので、抵抗の変化はローターブレードの撓みに比例する。最も簡単な事例では、抵抗の変化に関する限界値を予め決定することが可能であり、この限界値を上回ったという事実は実質的に構造的損傷を引き起こすようなローターブレードの撓みを示す。それゆえ、そうした状況の認識は、ローターブレードを交換するべきか否かを確証するためにローターブレードのしかるべき時点での交換または点検を可能にする。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、風力発電設備の負荷はローターブレードへの負荷から推測でき、しかも風力発電設備は所定値が限度を超過した際に停止可能である。これによって、さらなるそしてまた一層過酷な負荷が確実に回避される。
【0008】
導電体の抵抗の温度依存変化を補償できるようにするため、および/または複数の測定結果をもらすため、複数の導電体を設けることも可能である。これら導電体はローターブレードの長手方向に延在し、かつ検出器に接続される。この場合には、複数の導体を一つの検出器に接続可能であり、あるいは各導体をそれ自身の検出器に接続可能である。温度補償のために設けられる導体は、それが曲げ荷重を受けないように、そしてそれゆえ抵抗の温度依存変化にのみさらされるよう配置される。この方法で、抵抗の温度誘起変化が見分けられ、そして適切に考慮することができる。
【0009】
複数の導体はまた余剰的使用を可能とする。ある導体に関して問題が生じた場合、抵抗の変化は常に余剰導体によって依然として確実に検出可能である。これは、導体の破損による費用のかかるオーバーホール作業の必要性を排除する。
【0010】
加えて、導体の余剰的導入はまた、抵抗の変化の比較確認を可能とする。こうして、検出された抵抗の変化に関する比較によって、導体はそれぞれ互いに対して監視できる。
【0011】
特に好ましい特徴では、少なくとも一つの導電体はローターブレードの長手方向に所定距離延在する。だが、この距離はローターブレード長よりも短いものである。上記導体はローターブレード先端には達していないが、ローターブレードの所定位置において終わりをなしている。これによって、個々の導体はローターブレードの撓みに依存して異なる影響を受け、そしてそれゆえに自身の抵抗を変える。したがって撓み作用の正確なパターンが抵抗の変化に関する異なる値から推測できる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、ローターブレード長よりも短い導体は、ローターブレードの全長にわたって延在する導体の枝路の形態とすることができる。この目的のため、それらは、ローターブレード長にわたって延在する導体に対して所定の位置で電気的に接続される。これによって、ローターブレードの撓みの検出における解決方法のレベルは、枝路の数および間隔によって変更可能である。
【0013】
導電体の望ましくない変形を回避するため、それらは好ましくはローターブレードのサポート構造体に接合される。そして特に好ましい特徴に関しては、ローターブレードのサポート構造体内に組み込まれる。この場合、特に好ましい特徴に関して、ローターブレードの撓みによって引き伸ばされることになる導体は、サポート構造体内に組み込まれる。枝路としてそうした導体に電気的に接続され、かつここでは戻り導体の機能を発揮する導体はまた、たとえば、ケーブルの形態でサポート構造体の外面に自由に配置可能である。
【0014】
この点に関して、少なくとも一つの導電体をローターブレードの長手方向に各サポート構造体内に設けることが特に有益である。こうした構造はまた、ローターブレードの撓みの方向を検出することを可能にする。なぜなら、導電体の一つが引っ張り作用を受け、これによってその抵抗が変化、さらに詳しくは増大し、一方、少なくとも一つの他の導体は引き伸ばされないからである。むしろ、好適な取り付け構造によって、導電体は引っ張り荷重の代わりに圧縮荷重を受け、それゆえに伸ばされるよりもむしろひっくり返る。したがって、その抵抗値はせいぜい反対方向に変化するに過ぎない。それゆえ抵抗値は減少する。
【0015】
特に好ましい特徴に関し、(本発明による)導電体は、少なくとも一つの所定のアルミニウム要素を含むか、あるいはアルミニウムからなる。これは既に導体の弾性変形領域で抵抗に著しい変化をもたらす。この抵抗変化は完全に可逆的であり、ゆえに再現可能である。対応する手法で、撓み作用が生じた後に必要な導電体の交換あるいはローターブレード全体の交換さえ必要とせずに、ローターブレードの撓みを永続的に監視できる。原理的にいかなる導電体もセンサーとして適することに留意されたい。だが、この点で、導体は、周囲の材料に対する良好な機械的結合を実現するため所定度合いの表面粗さを備えるべきである。
【0016】
たとえば過度の伸長の後または材料欠陥に起因して導体の領域に問題が生じた場合、ローターブレード全体を交換しなくてもよくするため、導体は有利には、サポート構造体に接合されるがそれから取り外し可能な部材中に組み込まれる。本発明のそうした実施形態はまた、既に製造されたローターブレードを改良することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0018】
図1はローターブレード10の平面図である。構造をわかりやすく図示するため、ローターブレード10は部分的に切断されており、この結果、二つの導体20,22の経路を見ることが可能となっている。
【0019】
ローターブレード10はローターブレード根部11で風力発電設備のハブ12に取り付けられている。これは同図および他の図において、状況判断目的のために示されているに過ぎない。第1の導体20および第2の導体22はローターブレード内でローターブレード根部11からローターブレードの長手方向にローターブレード先端13まで延在し、そして再び元の場所に戻る。したがって、導体20,22のそれぞれは出て行く導体20a,22aと戻り導体20b,22bとを含む。導体20,22はいずれも検出器16に接続されており、この検出器は両導体20,22の電気抵抗を突き止める。
【0020】
この例では、第1の導体20は真っ直ぐなものとして示されている。これは、この導体がローターブレードに対して、ローターブレード構造体の伸びはまた導体20の伸びにつながるように接合されるという事実を象徴する。第2の導体22はローターブレード先端13の領域において非直線形状に配置されたものとして示されている。これは、この導体がローターブレード10に対して、導体がローターブレードと共に変形させられるように接合されてはいないことを示している。むしろ、第2の導体は明確には変形させられるべきではない。したがって、その抵抗はとりわけ温度に依存して変化し、これによって第1の導電体20の抵抗の変化を検出するとき抵抗の変化に関する温度の影響がわかり、かつそれを考慮することができ、そして誤った結果につながらない。
【0021】
検出器16は風力発電設備の制御システムに接続可能であり、これによって風力発電設備の運転に当たって、ローターブレードの撓みをも考慮することができる。
【0022】
図2は、図1を参照して既に説明したものに類似の構造体を示す。ここでは四つの導電体20,22,24,26が示されていることに留意されたい。温度補償用の導体は、図面をよりわかりやすくするため、ここでは示していない。だが当然ながら、この実施形態でも設けることができる。
【0023】
同図では、四つの導電体20,22,24,26の全ては、それらがローターブレード10の撓みに追従するようローターブレード10に接合できる。だが、これら導体はローターブレード10の長手方向に異なる距離だけ延びているので、それらの長さがわかる場合、個々の導体の抵抗の変化からローターブレード10の変形を推測できる。
【0024】
ローターブレード先端13まで延在する第1の導体20のみが存在する場合、抵抗の変化から撓みそれ自体を推測することが可能であるに過ぎないであろう。だが、第2の導体22はローターブレード先端13まで延在していないので、第1の導体20の抵抗の変化からローターブレード先端に撓みが生じていることを推断することができる。他の導体22,24,26に関して抵抗の変化が生じない場合、これは、ここでおよび以後は抵抗の伸び依存変化を意味し、したがって上記撓みは明らかにローターブレード先端付近のローターブレード10の外側領域にのみ限定される。
【0025】
導体20,22および24に抵抗の変化が生じ、一方、導体26の抵抗は相変わらず変化しない場合、これは、ローターブレードの概ね外側半分が長手方向に撓んでいることを示す。
【0026】
同図において、導体20,22,24,26はやはり検出器16に接続されており、この検出器16は今度は風力発電設備を制御するための制御システムに接続可能である。
【0027】
図3は本発明の代替的実施形態を示す。導体20はローターブレード10内で検出器16からローターブレードの全長に沿ってローターブレード先端13まで延びている。枝路28は電気接続部29によって導体20に対して接続されている。枝路の数およびポジションの選択によって、ローターブレード10のどの領域をどの程度の精度で監視すべきかを予め決定できる。あるいは別の言い方をすれば、どの程度の分解能で、かつローターブレード10のどの領域について、その撓みを検出すべきかを予め決定できる。
【0028】
特に、同図に示す本発明の実施形態では、ローターブレード根部11の領域でのプラグコネクターの使用は有益であることがわかるであろう(ただしここでは示していない)。なぜなら、ローターブレード10の製造時、導体20,28をプラグコネクターに既に接続でき、しかも接続を試験できるからである。構築現場でのローターブレードの組立と同時に、検出器に対する接続をなすために既に作り上げられたケーブルを使用することもそれゆえ可能である。これによって組立作業が簡単になり、エラーに対する低いレベルの感受性がもたらされる。
【0029】
図4は撓んだローターブレード10の概略側面図である。同図はまたブレード根部領域11、上述したハブ12および検出器16も示す。この例では、ローターブレード10の表面に対する導体20の間隔は、決して正確な縮尺であると解釈すべきではない。むしろ、撓みの程度の検出は、導体20がローターブレード10の表面に近付くほど、ますます正確になるという状況にある。説明のためには当然ながらローターブレード10の表面と導体20とは同図においては区別可能であるべきである。同図ではローターブレード10は下方に曲がっている。したがって、撓みの方向にあるローターブレード10の面は下面であり、一方で反対側の面はそれゆえ上面である。
【0030】
同図から、導体20はローターブレード10の上面に設けられ、かつ導体21が下面に設けられていることが明瞭にわかるであろう。ローターブレードの図示の撓みによって、ローターブレードの上面における導体20は引き伸ばされ、そして、これが検出器16によって確実に検出可能であるよう、その抵抗に顕著な変化をもたらす。ローターブレードのこの撓みによって、ローターブレード10の下面における導体21は引き伸ばされない。せいぜいひっくり返るだけである。その導体の抵抗を増大させないことは確実である。この結果、ローターブレードの撓みの方向は、ローターブレード10の上面における導体20の抵抗の変化から確実に推測可能である。
【0031】
図5はローターブレード10の撓みに関する特殊な事例を示すが、これは実際には決して稀なものではない。この例では、ローターブレードはその中央領域において矢印A(下面側に向う)の方向に撓んでいるが、ローターブレード先端13付近のその外側領域では矢印Bの方向、すなわちローターブレードの上面側に向って撓んでいる。いずれもローターブレード先端13まで延在する導体20,21をローターブレード10に配備したことは、これら導体の両方に関する伸びを必然的に伴うであろう。
【0032】
欠陥状況が全く無視されても、そこからローターブレード10の危険な撓みを推定することが既に可能であり、かつ設備を適当に制御、たとえば停止できる。だが、ローターブレードの撓みに伴う実際の形状は依然としてそこから認識することはできないことに留意されたい。ローターブレード先端13まで延在しないさらなる導体22,23が設けられるので、図示の撓み状況では、導体22もまた引き伸ばされ、ゆえにこれに対応してその抵抗が増大する。対応する方式で、ローターブレード10の実際の撓みは、ここでは、検出器16によって、導体20,21,22,23の抵抗または抵抗の変化を検出することによって推測することができる。この点に関して、導体20,21,22,23は相互に非常に近接して並置された関係で、かつローターブレード10のそれぞれの面に可能な限り近接して延在しており、これによって、ローターブレードの下側における第2の導体23の伸び(これは同図において明白であると仮定される)は実際には生じないことをもう一度強調しておくべきであろう。
【0033】
ここでは導体ループの形態とすることが可能な、異なる長さの複数の導体20,21,22,23を備えた上記実施形態の代替例として、図1に示す本発明の実施形態を、ローターブレード10の上面および/または下面において使用することも、もちろん可能である。それはまた当然ながら、ここで説明した利益をもたらし、特に、枝路の数および間隔を選定することで、ローターブレードの撓みの検出に関する精度を前もって決定する可能性をもたらす。
【0034】
図6および図7は本発明によるローターブレードを通る断面の概略図である。長手方向に延在するサポート構造体34,36が図6に図示するローターブレード内に示されている。これらサポート構造体34,36はたとえばロービングベルト、すなわちガラス繊維束およびエポキシ樹脂から形成されたサポート構造体とすることができ、これは実質的にローターブレード全長にわたって延在する。
【0035】
導電体20,21,22,23はこれらサポート構造体34,36内に埋め込まれている。この点に関し、各装置が、ローターブレードの長手方向にローターブレード根部から延在し再び元の場所に戻る導体を具備することを明瞭なものとするために、出て行く導体および戻り導体はそれぞれ文字aおよびbによって識別する。
【0036】
導体20,21,22,23をサポート構造体34,36内に組み込むことは、その経路を非常に正確に確定できることを意味する。それはまた、十分な程度の確実性を伴って、抵抗の変化から結論を引き出すことが可能であるよう、導体がローターブレードのそれぞれの面に対して可能な限り近接して延在することを確実にする。
【0037】
図7はやはりサポート構造体34,36を示す。だが、この例では、導体20,21,22,23はサポート構造体34,36自身の中ではなく、キャリア38内に組み込まれていることに留意すべきである。このキャリア38はサポート構造体34,36と同じ構造のものとすることができ、これによって、キャリア38と導体20,21,22,23との間の共同作用はサポート構造体34,36を備えた導体の共同作用と正確に一致する。
【0038】
この例では、キャリア38は固定的に、しかしながら取り外し可能にサポート構造体34,36に連結できる。素材の欠陥または他の損傷により導体の交換が必要になった場合、それは必ずしもローターブレード全体の損失またはその非常にコストを要する修理には結び付かず、対応するキャリア38がサポート構造体34,36から取り外され、そして新しいものに交換される。
【0039】
本発明のこの実施形態は、サポート構造体34,36とキャリア38との間の接続部に関して、あるいはまたローターブレード10の表面(当然ながら内側において)とキャリア38との間の接続部に関して好適な選択をなすことにより、既に製造されたローターブレードを改良することを可能にする。
【0040】
図8は引っ張り応力に依存する電線の電気抵抗の経験的に確認された様態を示す。曲線の左側領域40は直線的に延び、曲線の中間領域2では著しく立ち上がり、一方、それに続く抵抗の低下および最終的な抵抗の増大を伴って抵抗が突如増大する以前に、右側領域44では曲線は初め再び直線状に延びる。
【0041】
曲線の右側領域44は、過度に高いレベルの引っ張り応力において、導電体がちぎれた特性であることがわかっている。対照的に、曲線の中間領域42の抵抗の変化は導電体の弾性変形の領域にある。上記曲線を確定するための測定シリーズにおいて、導電体の弾性変形の範囲は、導体長さの1パーセント未満の長手方向の伸びで確認された。アルミニウムの場合、これは特に約0.3パーセントの領域にある。
【0042】
したがって0.3%までの長手方向のアルミニウム電線の伸びは弾性変形であり、これはしかしながら、著しいそして検出可能な抵抗の変化をもたらす。これは25mΩまでの測定シリーズで確かめられた。
【0043】
変形は弾性的なので、導電体はそれによって損傷せず、しかも抵抗変化は確実に再現可能である。したがって、ローターブレードの撓みは同じ導電体を用いて繰り返し検出可能である。
【0044】
さらに図9および図10はそれぞれ、上記方法または上記アプローチへの付加案および代替案を示す。このアプローチはアナログおよび/またはデジタル信号を用いて実現できる。図9および図10に示す両方の解決策に共通するのは、回路の信号の遅延時間は、遅延時間検出手続きに含まれないことである。この方法により、ラインの実際の遅延時間を確定することができる。
【0045】
図9および図10のアナログおよびデジタル解決策の構成は実質的に類似する。いずれの場合も、トランスミッターと受信器との間に2本のライン、すなわちその長さが変化しない基準ラインとそれと平行な測定ラインがあり、その伸びによって、ローターブレードのたとえば撓みが検出される。ここで基準ラインと測定ラインとの間で遅延時間を比較できるという事実に加えて、これら2本のラインはまた同じ熱影響を受け、この結果、その影響が補償される。
【0046】
アナログ構造(第1の代替案)において、休止状態では基準信号(アナログ電気信号)と測定信号とは同位相である。したがって、同じ周波数であるがより大きな振幅の和信号が存在する。
【0047】
測定ラインの伸びによって位相シフトが生じた場合、和信号も当然ながら変化する。一方で、ピーク・トゥ・ピーク値は同位相信号の場合よりも小さいが、さらに和信号に関して改変された包絡曲線が存在する。
【0048】
そうした変化を検出する方法は従来技術の状況において十分に公知である。180°の位相シフトまで振幅は小さくなることが容易にわかる。この範囲を超えると、完全な周期まで、位相ポジションに関する信頼できる情報を得るため信号をまた考慮しなければならない。
【0049】
デジタル解決策の場合、受信器での信号の同相入力により、処理は最低算術平均(当然ながらやはりパルスデュティ率に依存する)を伴う。だが、依然として同じであるパルスデュティ率を仮定すると、算術平均は、基準信号と測定信号との間の増大する位相シフトによって増大する。それゆえ、これは受信器での信号の位相シフトに関する測定値である。
【0050】
上記方法は電気信号、光学信号および基本的には音響信号によっても実現できる。基本的に状況は次のとおりである。僅かな量の伸びについては高い周波数(すなわち1kHz超、好ましくは数MHzの周波数)が有利であり、一方、大きな量の伸びの場合は、一周期内の範囲で個々の位相シフトを得るため低周波数の選択が好まれる。
【0051】
本出願は独国特許出願番号第38 21 642号および第37 12 780号の内容を明らかに含む。どのようにして長さまたは間隔の変化(これは物理的パラメーター、たとえば温度または圧力の変化によって引き起こされる)を、物理的パラメーターにさらされる光ファイバーケーブルにおける電気信号の遅延時間測定により特定できるかが、これらの出願からわかる。信号は光学マルチバイブレーターによって光ファイバーケーブルに供給される。この状況では、複数のパルスのトータル遅延は高周波数カウンターによって特定される。標準計数結果(基準)との比較により、この標準計数結果からの、実際に確認された計数結果の偏差が定まり、生じた長さまたは間隔の差異はこれから突き止められる。しかも長さまたは間隔のこの差異は、特定されるべき物理的パラメーターへと変換される。
【0052】
独国特許出願番号第37 12 780号明細書は、ラインの電気的不連続に関して試験されるべきラインの長さの正確でかつ迅速な測定のための方法および装置を開示する。ここで、パルスエッジはパルスエッジ発生器によってライン端部まで伝達され、不連続面から一端へと戻る反射パルスエッジが検出される。パルスエッジの生成は反射パルスエッジの検出後、所定時間経過後に引き起こされる。この結果、ラインの長さの移動時間遅延に関連する周波数で、パルスエッジ発生器は繰り返しパルスエッジを生成させる。そしてこの周波数が測定される。独国特許出願番号第37 12 780号明細書は、ゆえに、どのようにしてラインの「不連続面」を検出できるかを説明し、かつまた、遅延時間を使用する代わりに、逆数すなわちさらに詳しくは周波数を使用する可能性を説明する。
【0053】
独国特許出願番号第38 21 642号明細書によれば、トランスミッターと受信器との間のラインの遅延時間が検出され、そしてこれはいわゆるストップウォッチ処理によってもたらされる。すなわち、著しく高い周波数において信号のクロックの計数はパルスの放出によって始まり、そしてこの計数処理は受信器がパルスを受信するまで続く。計数値はゆえに遅延時間に関する測定値である。
【0054】
ここで図11について言及する。これは(図9および図10において既にそうしたように)基本的に、その内部に配置され、そして好ましくは測定電線(または光ファイバーケーブルすなわちOFC)の形態でローターブレードの表面に埋め込まれた測定ラインを備えたローターブレードを示す。機械的荷重(風力荷重)はローターブレードを撓め、そして測定ラインはその長さの中で引き伸ばされるかあるいはひっくり返される。上記の荷重変化はそれゆえ長さの変化に比例する。すなわち、
ΔF〜Δl
である。
【0055】
0.0%ないし0.2%の間の長さの変化が予想され、これは0.0%荷重ないし100%荷重の間に対応する。それゆえ作業は、可能な限り最も高いレベルの分解能で長さの変化を特定することである。
【0056】
第1の解決策として、電線のオーム抵抗は長さに、したがってまた荷重に比例すると仮定できる。すなわち、
ΔR〜Δl〜ΔF
である。
【0057】
電流が電線に加えられ、そして電圧降下が、図2に示すように、その方法によって測定される。
【0058】
試験は、この原理が実施可能であることを示した。
【0059】
だが、いくつか問題もある。なぜなら、信号が絶対値の0.2%であるとき非常に高いレベルの測定精度が要求され(<0.002%)、しかもまた少なくとも100ステップに分割されなければならない。さらに、電線のオーム抵抗は電線温度によって非常に激しく変化する。電界および磁界によって生じ得るノイズが信号に重畳される。これは雷雨が発生した際に特に顕著になる。電子機器が接続された電線は雷の直撃によって損傷する可能性がある。
【0060】
代替解決策が図13に示されている。この場合、通過電線の長さはパルスの遅延時間によって特定される。速度は光速の2/3であり、すなわち約200,000km/sである。
【0061】
図13からわかるように、
Δt〜Δl〜ΔF
であり、しかも通過時間の変化は荷重の測定値である。
【0062】
40mのライン長を仮定すると、これは、0と400psとの間のΔtの重畳によって、t=200nsを得る。
【0063】
こうした時間は測定手法で検出するのは簡単ではないので、逆数が形成される。さらに詳しくは次のとおりである。
f=1/(t+Δt)
【0064】
これは、ここでは周波数を与える。
【0065】
周波数値は特定するのが非常に簡単であり、しかも測定値は(周波数カウンターのゲート時間の適合によって)望まれるであろう限りの高精度で分析できる。
【0066】
周波数はここでは信号の遅延時間からある処理によって生成される。この処理によって、入ってくるパルスは直ちに新しいパルスをラインに送り込む(ストップウォッチ処理)。1秒あたり放出されるパルスの数は周波数を形成する。
【0067】
図14は上記観点で対応する回路図を時間グラフと共に示す。
【0068】
パルスはレベルの変化によって置き換えられ、そして予期されるように、
f=1/(2t)
の周波数が存在する。すなわちここで、
t=l/[2(2c/3)]
である。
【0069】
40mのライン長では以下のようになる。
f=40m/[2(200・10−9m/s+Δt)]=2.5MHz
【0070】
荷重の影響により、2.5MHzと2.505MHzとの間の周波数、すなわち5000Hzの値の変化が存在する。
【0071】
20msのゲート時間を持つ周波数カウンターは、1%の荷重に関する分解能によって、1秒当たり50値を発するであろう。これらの値は既に50の個々の長さ測定値の平均値からなる。
【0072】
ゆえに鋭敏なアナログセンサーシステムを要しないという利益がある。なぜなら、信号対ノイズ比(0Vまたは10V)が高く、しかも温度変動に起因する厄介な遅延時間変化が存在しないからである。
【0073】
これは、特に図9および図10に示す装置によって適用される。ここでは、測定ラインの他に基準ラインも存在する。
【0074】
上記解決策はまた光学的にも実現可能である。この場合、電線は光ファイバーケーブルで置き換えられ、かつ図15に示すようにフィードバックはOFCトランスミッターおよびOFC受信器によってもたらされる。
【0075】
この場合、利点は特に鋭敏なアナログセンサーシステムが必要ないということである。なぜなら、信号対ノイズ比(ライトオンまたはオフ)が高く、温度変動に起因した厄介な遅延時間変化はなく、電界または磁界に起因したノイズ妨害が光ファイバーケーブルにはなく、そして落雷に起因する影響もまた予期されないからである。
【0076】
実際にはブレードの撓みは、1mm未満の長さの変化によって既に明確に測定されるべきであることが期待されるべきである。本出願で、本発明による解決策はローターブレードの長さの変化に関連して使用されるべきであると説明する限りにおいて、ローターブレードのねじれもまた、曲げて配備された測定ラインの長さの変化に自動的につながるように、測定ラインがローターブレードの表面にスパイラル状に対応配置される場合、ローターブレードのねじれを測定することもまた可能であることに留意すべきである。
【0077】
特に本発明による測定方法は、測定手続きによってローターブレードの荷重およびさらに長手方向の伸びに関してその一部を監視するのにも使用できる。これは、突風が生じた際に、所与のブレード負荷の特定の個々の場合に伴うリスクを以前よりも良好に検出するため、特にブレード先端領域において非常に有用となり得る。
【0078】
図11ないし図14に開示されたものは他の図に開示されたものと明らかに容易に組み合わせることができることが特に指摘されるべきである。ストップウォッチ処理に言及するとき、これはとりわけ、ストップウォッチは発せられたパルスの受信と同時に止められ、そして同時に再び始動させられることを意味するということが、したがって所与の時間範囲、たとえば1秒に関するストップ/スタートサイクルの頻度を示すということが、これによって明瞭なものとなる。
【0079】
この点で、サインx/x関数にしたがって、いかなる形態のパルス信号でも、とりわけチャープパルス信号もまた予見できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態のローターブレードの部分的に破断した状態での平面図である。
【図2】本発明の第2実施形態のローターブレードの部分的に破断した状態での平面図である。
【図3】本発明の第3実施形態のローターブレードの部分的に破断した状態での平面図である。
【図4】第1の様式で曲げられたローターブレードの概略側面図である。
【図5】第2の様式で曲げられたローターブレードの概略側面図である。
【図6】ローターブレードの概略断面図である。
【図7】ローターブレードのさらなる概略断面図である。
【図8】本発明にしたがって使用される導電体の抵抗パターンを示す図である。
【図9】本発明によるローターブレードの概略構造を、アナログ位相シフトの場合に測定グラフb)〜e)と共に示す図である。
【図10】ローターブレードの場合の本発明による測定デバイスa)およびデジタル位相シフトの場合の得られた測定グラフ(b)〜d))の概略図である。
【図11】測定ラインを備えたローターブレードを示す概略図である。
【図12】電流または電圧を印加した状態での図11と同様の図である。
【図13】インプットパルス入力の場合に測定ラインを備えた本発明によるローターブレードおよびそれに対応する出力パルスおよび時間の測定値グラフを示す概略図である。
【図14】時間グラフと共にストップウォッチ処理用のスイッチング線図を示す図である。
【図15】図14と同様の回路を示す図であるが、対応する測定時間グラフを与える光学構造体に関するものである。
【符号の説明】
【0081】
10 ローターブレード
11 ローターブレード根部
12 ハブ
13 ローターブレード先端
16 検出器
20,21,22,23,24,26 導電体
20a,22a 出て行く導体
20b,22b 戻り導体
28 枝路
29 電気接続部
34,36 サポート構造体
38 キャリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための方法であって、
風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内には測定ラインが存在し、前記測定ラインは、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされ、
前記方法は、
信号発生器によって信号を発生させることと、
前記信号を、前記測定ラインの第1の入力端部において前記測定ラインに供給することと、
前記測定ラインの第2の端部に配置された信号発生器信号受信器からの信号を受けたとき、さらなる信号を前記信号発生器から発生させることと、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定することと、
発せられた信号の測定された数の比較から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定することと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための方法であって、
風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内には測定ラインが存在し、前記測定ラインは、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされ、
前記方法は、
信号発生器によって信号を発生させることと、
前記信号を、その第1の入力端部において前記測定ラインに供給することと、
前記測定ラインの第2の端部に配置された反射器で、前記信号発生器からの信号を前記測定ラインの前記第1の入力端部へと反射させることと、
信号受信器によって前記第1の入力端部において反射された信号を受けることと、
前記信号発生器からの信号を受けたときに前記信号受信器によって、さらなる信号を発生させることと、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定することと、
所定の単位時間当たりに発せられた信号の測定された数から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定することと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項3】
前記測定ラインは導電体または光ファイバーケーブルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定ラインは、確実なロック関係で前記風力発電設備のローターブレードまたはパイロンに対して少なくともその端部において接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記測定ラインは、確実なロック関係で前記風力発電設備のローターブレードまたはパイロンに対して少なくとも所与の領域で接続されており、風力発電設備の前記ローターブレードまたはパイロンが撓むかまたは伸長すると同時に、前記測定ラインは前記所定領域内でのみ引き伸ばされることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ローターハブを備えたローターと、前記ハブに対して連結された少なくとも一つのローターブレード(10)と、を有する風力発電設備であって、
前記風力発電設備はさらに、この風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための装置を具備してなり、
前記装置は、
前記風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内に置かれた測定ラインであって、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされる測定ラインと、
信号を発生させると共に、前記信号をその入力端部において前記測定ラインに供給するための信号発生器と、
前記測定ラインの出力端部に配置された信号受信器であって、前記信号発生器からの信号を受けたとき、前記信号発生器にさらなる信号を発生させるよう構成されている信号受信器と、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定すると共に、所定の単位時間当たりに発せられた信号の測定された数の比較から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定するよう構成されたデバイスと、を具備してなることを特徴とする風力発電設備。
【請求項7】
ローターハブを備えたローターと、前記ハブに対して連結された少なくとも一つのローターブレード(10)と、を有する風力発電設備であって、
前記風力発電設備はさらに、この風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための装置を具備してなり、
前記装置は、
前記風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内に置かれた測定ラインであって、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされる測定ラインと、
信号を発生させると共に、前記信号をその第1の入力端部において前記測定ラインに供給するための信号発生器と、
前記測定ラインの第2の端部に配置された反射器であって、この反射器は前記信号発生器からの信号を前記測定ラインの前記第1の入力端部へと反射させ、信号受信器によって前記第1の入力端部において反射された信号を受けるようになっており、前記信号受信器は前記信号発生器からの信号を受けたときに前記信号発生器に、さらなる信号を発生させるよう構成されている反射器と、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定すると共に、所定の単位時間当たりに発せられた信号の測定された数の比較から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定するよう構成されたデバイスと、を具備してなることを特徴とする風力発電設備。
【請求項8】
前記ラインは導電体または光ファイバーケーブルであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の風力発電設備。
【請求項9】
前記測定ラインは、確実なロック関係で風力発電設備のローターブレードまたはパイロンに対して少なくともその端部において接続されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の風力発電設備。
【請求項10】
前記測定ラインは、確実なロック関係で製品に対して少なくとも所与の領域で接続されており、前記製品が撓むかまたは伸長すると同時に、前記導体は前記所定領域内でのみ引き伸ばされることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の風力発電設備。
【請求項11】
前記デバイスは前記風力発電設備の制御デバイスに接続されると共に、抵抗の変化が所定値を超過した場合に前記風力発電設備を停止できるようになっていることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の風力発電設備。
【請求項1】
風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための方法であって、
風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内には測定ラインが存在し、前記測定ラインは、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされ、
前記方法は、
信号発生器によって信号を発生させることと、
前記信号を、前記測定ラインの第1の入力端部において前記測定ラインに供給することと、
前記測定ラインの第2の端部に配置された信号発生器信号受信器からの信号を受けたとき、さらなる信号を前記信号発生器から発生させることと、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定することと、
発せられた信号の測定された数の比較から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定することと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための方法であって、
風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内には測定ラインが存在し、前記測定ラインは、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされ、
前記方法は、
信号発生器によって信号を発生させることと、
前記信号を、その第1の入力端部において前記測定ラインに供給することと、
前記測定ラインの第2の端部に配置された反射器で、前記信号発生器からの信号を前記測定ラインの前記第1の入力端部へと反射させることと、
信号受信器によって前記第1の入力端部において反射された信号を受けることと、
前記信号発生器からの信号を受けたときに前記信号受信器によって、さらなる信号を発生させることと、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定することと、
所定の単位時間当たりに発せられた信号の測定された数から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定することと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項3】
前記測定ラインは導電体または光ファイバーケーブルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定ラインは、確実なロック関係で前記風力発電設備のローターブレードまたはパイロンに対して少なくともその端部において接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記測定ラインは、確実なロック関係で前記風力発電設備のローターブレードまたはパイロンに対して少なくとも所与の領域で接続されており、風力発電設備の前記ローターブレードまたはパイロンが撓むかまたは伸長すると同時に、前記測定ラインは前記所定領域内でのみ引き伸ばされることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ローターハブを備えたローターと、前記ハブに対して連結された少なくとも一つのローターブレード(10)と、を有する風力発電設備であって、
前記風力発電設備はさらに、この風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための装置を具備してなり、
前記装置は、
前記風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内に置かれた測定ラインであって、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされる測定ラインと、
信号を発生させると共に、前記信号をその入力端部において前記測定ラインに供給するための信号発生器と、
前記測定ラインの出力端部に配置された信号受信器であって、前記信号発生器からの信号を受けたとき、前記信号発生器にさらなる信号を発生させるよう構成されている信号受信器と、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定すると共に、所定の単位時間当たりに発せられた信号の測定された数の比較から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定するよう構成されたデバイスと、を具備してなることを特徴とする風力発電設備。
【請求項7】
ローターハブを備えたローターと、前記ハブに対して連結された少なくとも一つのローターブレード(10)と、を有する風力発電設備であって、
前記風力発電設備はさらに、この風力発電設備のローターブレードまたはパイロンの撓みまたは長さの変化を測定するための装置を具備してなり、
前記装置は、
前記風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロン内に置かれた測定ラインであって、風力発電設備の前記ローターブレードまたは前記パイロンが撓んだとき、あるいは長さが変化したとき、あるいはその両方が生じたときに、長さの変化にさらされる測定ラインと、
信号を発生させると共に、前記信号をその第1の入力端部において前記測定ラインに供給するための信号発生器と、
前記測定ラインの第2の端部に配置された反射器であって、この反射器は前記信号発生器からの信号を前記測定ラインの前記第1の入力端部へと反射させ、信号受信器によって前記第1の入力端部において反射された信号を受けるようになっており、前記信号受信器は前記信号発生器からの信号を受けたときに前記信号発生器に、さらなる信号を発生させるよう構成されている反射器と、
所定の単位時間内に発せられた信号の数を測定すると共に、所定の単位時間当たりに発せられた信号の測定された数の比較から風力発電設備の前記ローターブレードあるいは前記パイロンの撓みまたは長さの増大あるいはその両方を確定するよう構成されたデバイスと、を具備してなることを特徴とする風力発電設備。
【請求項8】
前記ラインは導電体または光ファイバーケーブルであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の風力発電設備。
【請求項9】
前記測定ラインは、確実なロック関係で風力発電設備のローターブレードまたはパイロンに対して少なくともその端部において接続されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の風力発電設備。
【請求項10】
前記測定ラインは、確実なロック関係で製品に対して少なくとも所与の領域で接続されており、前記製品が撓むかまたは伸長すると同時に、前記導体は前記所定領域内でのみ引き伸ばされることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の風力発電設備。
【請求項11】
前記デバイスは前記風力発電設備の制御デバイスに接続されると共に、抵抗の変化が所定値を超過した場合に前記風力発電設備を停止できるようになっていることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の風力発電設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−303882(P2008−303882A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206167(P2008−206167)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【分割の表示】特願2004−560454(P2004−560454)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【分割の表示】特願2004−560454(P2004−560454)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】
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