説明

食品処理媒体の劣化の抑制によって食品処理媒体の耐用期間を延長する装置、システム及び方法

電子の付加によって食品処理媒体の劣化を抑制することによってその耐用期間を延長する装置、システム、及び方法を開示する。付加は、自動的であることができ、媒体の質パラメータのモニタリングに応答することができる。これらの装置、システム、及び方法は、既存の食品処理装置に改造据付可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年4月4日付で出願された米国特許仮出願第61/042,477号、2008年10月17日付で出願された同第61/106,313号、2009年1月26日付で出願された同第61/147,266号、2009年3月6日付で出願された同第61/158,102号、及び2009年3月27日付で出願された同第12/412841号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、食品処理媒体の使用に関係する装置、システム及び方法を目的とし、より具体的には、異なる調理環境における調理油及び脂肪のような食品処理媒体の耐用期間を効率的かつ経済的に延長する装置、システム及び方法を目的とする。
【0003】
食品処理中の食品処理媒体の劣化は広く認識されている。油で揚げる調理法は、食品の処理又は調理方法として極めて人気があるものの一例であり、典型的には、主に調理油、脂肪及び炭水化物の使い過ぎ及び/又は過熱による遊離脂肪酸、総極性成分(TPC)及びアクリルアミドのような揮発性及び不揮発性分解生成物を過剰なレベルでもたらす源である。過剰なレベルでのこれらの揮発性及び不揮発性分解生成物は、高血圧、心臓発作及び糖尿病のようないくつかの種類の疾患とこれまで関連付けられてきた。遊離脂肪酸、総極性成分(TPC)及びアクリルアミドは、例えば酸化及び加水分解に曝されると、例えば調理油及び脂肪内に蓄積する傾向がある。酸化及び/又は加水分解は、長期にわたる調理油の使用中に、特に過熱されたときに、増大する傾向がある。
【0004】
通常、揚げ物調理器の槽での同じ油のバッチの使い過ぎ及び過熱は、油の安定性を下げる傾向があり、したがって、その耐用期間を短縮する傾向がある。現在、健康上の理由から、半硬化植物油を無トランス脂肪植物油と交換する動向がある。しかし、後者の油は使用中の安定性がより低く、より費用がかかる。現在、世界中で数百万トンの油及び脂肪が揚げ物調理に使用されている。更に、そのような油及び脂肪を取り扱う揚げ物調理機のような既存のハードウェアが多く使用されている。
【0005】
分解成分の量を低減することによって、調理油及び脂肪の耐用期間を延長する一方で、良質な油の質を維持するための努力が為されてきた。例えば、遊離脂肪酸及び総極性成分(TPC)のような分解生成物の過剰な蓄積を低減するための民間及び政府による努力が行われてきた。一部の努力では、政府は、調理油及び食品中の分解生成物の量に制限を課すに至っている。より高い基準は、揚げ物調理設備のような既存の設備を持つ施設が、より新しい規制、基準などに早急に準拠しようと試みた場合に、準拠するために必要となるより新しい設備及び/又はより高価な油のための潜在的な重大な資本投資によって、そのような施設に経済的問題を呈する場合がある。更に、調理油の耐用期間を延長することによって不健康な調理油の交換量が削減されれば、かなりの節約もまた、実現される。
【0006】
したがって、調理油の耐用期間を延長し得る安価なアプローチによる容易かつ経済的な設備の改造を求める要望がある。加えて、また更に、調理媒体の質の安定を強化するための、非常に信頼できる経済的なアプローチ、特に、長引く遅延及び不要な費用を伴わずにオンライン及び実時間ベースで使用できるそのようなアプローチの提供に対する要望がある。
【0007】
劣化した調理油の使用を防ぐための一般的なアプローチは、その調理油のモニタリング、濾過、及び交換である。調理油の質のモニタリングは、通常、いつ油が劣化するかに関する主観的な判断に基づいて作業者が油を交換することに依存している。上述の民間及び政府努力の勢いを鑑み、調理油の質に関する作業者の主観的見解をできるだけ少なくしたい又は排除したいという要望がある。例えば、調理油の色が変わった場合に調理油を交換してよい。しかし、色の変化のどの時点で交換を行うかを作業者が決定することは、色の変化の妥当性を決定するという非常に主観的性質があるので、問題である。異なる種類の調理油及び調理される食品によってもたらされ得る多様な色の変化が、この問題を更に悪化させる。明らかに、調理油の早過ぎる交換は、本来高価で使用可能な油の無駄をもたらし得る。一方、過剰な遊離脂肪酸及び総極性成分(TPC)を含有する劣化した油を使用することは不健康であり、また、適用される基準、規則、規制及び法律に違反する場合がある。
【0008】
油の質を評価する他のいくつかの既知の方法としては、調理油の化学的及び物理的パラメータのモニタリングが挙げられる。例えば、いくつかのアプローチは、誘電定数測定、可視及び赤外線分光器、フーリエ変換赤外線(FTIR)、カラムクロマトグラフィー、並びに超音波技術を使用する。吸収性膜及び表面音響波(SAW)もまた、油の質の測定に使用されてきた。前述の方法の多くは、油の質についての主観的判断を最少限にする又は低減するものの、面倒で時間がかかる。遠隔の検査施設に試験のために油の試料を送付する場合もある。欠点及び遅延を最少限にするために、一部の努力は、光学プローブ、又は調理媒体の誘電反応の測定によって得られる測定による、調理油の実時間モニタリングに向けられた。
【0009】
油をいつ交換すべきかを決定するために油及び脂肪のモニタリングをすることのほかに、他のアプローチによっても、調理油及び脂肪を交換するまでの耐用期間の延長が為されてきた。耐用期間を延長するために、酸化によって引き起こされる劣化を遅らせるように働く、より費用のかかる、より高質の脂肪及び油の使用が含まれてきた。この後者のアプローチは健全ではあるものの、比較的費用のかかる油を要求する。
【0010】
耐用期間を延長するための他の努力としては、調理油及び脂肪の過熱を防ぐ熱制御の使用により熱劣化を最低限にすることが含まれる。そのようなアプローチは十分ではあるものの、既存の揚げ物調理機の改造を高価なものにする場合があり、したがって、食品施設に、より新しくより高価な設備の購入を考慮させる。
【0011】
調理油及び脂肪の耐用期間を延長する更に他のアプローチとしては、調理油から粒状食品物質を濾過して調理油中のそのような食品物質のカラメル化(carmelization)を最低限にするという一般的な慣習が含まれる。いくつかの従来の揚げ物調理機は、調理油を揚げ油槽から排出してから、手作業で又は機械的に濾過して、清浄化された調理油を揚げ油槽に戻す、バッチ式濾過システムを採用している。
【0012】
他の従来の揚げ物調理機は、連続濾過システムを採用し、フィルターを調理油流体の通り道内に配置することにより、調理油が揚げ油槽とポンプ/熱交換器との間を再循環されて調理油を継続的に濾過する。明らかに、そのような濾過システムを揚げ物調理機に追加することは、重大な改造の問題を提示する。
【0013】
調理油の耐用期間を延長するための更に他のアプローチは、調理媒体に電子を供給するための電気システムを含む。例えば、1つのアプローチは、電子を一定速度で直接に調理容器に供給する。調理容器自体が、調理容器と一体式で電気化学電池を含む回路への陰極として作用する。速度が一定であるだけでなく、電子の流れる量もまた、電気化学電池が比較的小さく自給式であるため、制限される。そのようなアプローチは、堅固な商業用途としては好適でない場合がある。更に、そのようなアプローチは、揚げている間の電子の付加中に食品が存在することを要求する。また、電池及び回路が調理容器の一部でなくてはならない。更に、そのようなアプローチでは、いつ電池の動作を開始するかを決定するための調理油モニタリングがない。
【0014】
別のアプローチは、調理油の中に懸架されて一定速度で調理媒体に電子を発する電子プローブを使う。プローブ全体を流体の中に懸架して、調理媒体の酸化を抑制してもよい。このアプローチは、絶縁体に囲まれた電極を用い、この絶縁体を囲む金属ケーシングから電子を発する。しかし、一定の電子の流れであること及び全体が調理油に懸架されていることによって、酸化の量が制限される場合がある。また、そのようなアプローチでは、いつプローブの動作を開始するかを決定するための調理油モニタリングがない。
【0015】
前述のアプローチを使用して調理油をモニタリングする又は調理油の耐用期間を延長することに成功した例はあるものの、これらのアプローチのいずれも、食品処理中の油の質の実時間評価に基づいて効果的で経済的に質を延長するやり方で、かつ揚げ物調理機若しくは同類物のような既存の食品処理システムに効果的で経済的に構造据付できるやり方で、それを成したわけではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、この導電性部分と接触している食品処理媒体を有するこの導電性部分と関連付けられる半導体材料を含む低電圧源を提供する工程と、を含む。
【0017】
本明細書は、前記方法が提供する低電圧源を導電性部分と接触させ、容器内に収容される食品処理媒体に少なくとも部分的に浸すことを含む。本明細書は、低電圧源によって実行される付加が容器から独立している、上記方法を含む。本明細書は、低電圧源が容器の外面に電気接続される、上記方法を含む。本明細書は、既定のモニタリングされた値を、食品処理媒体の質パラメータをモニタリングすることによって得る、上記方法を含む。本明細書は、低電圧源を提供することが、既定のモニタリングされた値に応答して自動的に電子を付加することを含む、上記方法を含む。
【0018】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制するシステムを含む。このシステムは、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分と関連付けられる1つ以上の電子源と、を備える。
【0019】
本明細書は、1つ以上の源が容器の外面と係合する、上記システムを含む。本明細書は、1つ以上の源が導電性部分と接触しており、容器内に収容された食品処理媒体に浸されている、上記システムを含む。本明細書は、1つ以上の源が、一定速度で電子を付加するように動作可能であり、また可変速度で電子を付加するように動作可能である、上記システムを含む。本明細書は、食品処理媒体の質をモニタリングし食品媒体処理の質に関係する少なくとも1つの信号を生成するモニタリングアセンブリを更に備える、上記システムを含む。本明細書は、1つ以上の源が既定値に対して自動的に応答する、上記システムを含む。本明細書は、1つ以上の源が半導体材料を使うことを含む、上記システムを含む。
【0020】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容するために1つ以上の槽を有しかつこの1つ以上の槽のそれぞれに少なくとも1つの導電性部分を有する容器を提供する工程と、食品処理媒体の劣化を抑制するため導電性部分の表面からの電子を前記1つ以上の槽の導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を、容器から独立して、1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含む。
【0021】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、導電性部分の表面からの電子を、導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含み、1つ以上の源は容器に収容されている食品処理媒体から分離され離れている。
【0022】
本明細書は、食品処理方法を含む。この方法は、質と相関する既定値を得るために食品処理媒体の少なくとも質パラメータをモニタリングする工程と、食品処理媒体の劣化を抑制するために既定値に応答して食品処理媒体に電子を付加する工程と、を含む。
【0023】
本明細書は、この最後に言及した方法において、既定値への自動的な応答を適用することを含む。本明細書は、この最後に言及した適用方法において、容器と導電性の関係にある1つ以上の源を使うことを含み、更に、この適用することが、食品処理媒体に1つ以上の源を浸すことを含む。本明細書は、この最後に言及した方法において、既定値が、発光測定値、誘電定数測定値、可視及び赤外線分光法測定値、フーリエ変換赤外線(FTIR)測定値、カラムクロマトグラフィー測定値、温度測定値、密度測定値、粘度測定値、煙測定値、電子嗅覚測定値(e-nose measurements)及び超音波測定値からなるパラメータモニタリングアセンブリの群の1つを含むことを包含する。本明細書は、この最後に言及した方法において、モニタリング工程が、食品が処理されて酸化及び加水分解に曝される温度で食品処理媒体をモニタリングすることを含むことを包含する。本明細書は、この最後に言及した方法において、食品処理媒体の酸化及び加水分解が、異なる速度で電子を付加することによって変更されることを包含する。本明細書は、この最後に言及した方法において、この付加することが、1つ以上の半導体材料の使用によるものであることを包含する。
【0024】
本明細書は、食品処理システムを含む。この食品処理システムは、食品処理媒体を保持するように構成された食品処理装置と、質と相関する既定値を得るために食品処理媒体の少なくとも質パラメータをモニタリングするためのモニタリングアセンブリと、食品処理媒体の劣化を抑制するために既定値に応答して食品処理媒体に電子を付加するように動作可能な安定化アセンブリと、を備える。
【0025】
本明細書は、この最後に言及したシステムにおいて、安定化アセンブリが既定値に応答して自動的に動作することを包含する。本明細書は、この最後に言及したシステムが、発光測定値、誘電定数測定値、可視及び赤外線分光法測定値、フーリエ変換赤外線(FTIR)測定値、カラムクロマトグラフィー測定値、温度測定値、密度測定値、粘度測定値、煙測定値、電子嗅覚測定値(e-nose measurements)及び超音波測定値からなるパラメータモニタリングアセンブリの群の1つを含むことを包含する。本明細書は、この最後に言及したシステムにおいて、既定値がメモリに格納可能であることを包含する。本明細書は、この最後に言及した上記システムが、半導体材料を使用することを包含する。
【0026】
本明細書は、調理油を保持するための共通の壁で仕切られた少なくとも第1のチャンバと第2のチャンバを画定するための一部分を有する少なくとも1つの壁を含む容器と、プローブのそれぞれが調理油内にあるように第1と第2のチャンバのそれぞれにおいて低電圧プローブを支持するために共通の壁に装着可能なプローブ支持アセンブリと、を備え、プローブ支持アセンブリが、第1と第2のチャンバのうち少なくとも1つに挿入可能な容器の下のある位置においてプローブを支える、システムを包含する。
【0027】
本明細書は、導電性部分を含む支持壁によって部分的に画定された槽内の調理油媒体に電子を付加するためのプローブアセンブリを含む。プローブアセンブリは、ハウジングアセンブリと、その通電に応答して電子を供給するためのハウジングアセンブリ内の半導体材料であって、半導体材料への電子の移動のために半導体材料がハウジングアセンブリの少なくとも一部分と導電性の関係にある、半導体材料と、ハウジングアセンブリを支持壁上で固定及び支持するための、ハウジングアセンブリ上の連結アセンブリであって、それによって電子移動部分が支持壁の導電性部分と緊密に係合されている、連結アセンブリと、を備える。
【0028】
本明細書は、複数のプローブアセンブリを複数の槽を有する揚げ物調理機に対して実装するために適応されるシステムを含み、このシステムは、複数のプローブアセンブリと、プローブアセンブリの1つ以上が槽の対応する少なくとも1つと協働するようにプローブアセンブリのそれぞれを支持するための支持アセンブリと、を備え、支持アセンブリは揚げ物調理機に取り付け可能であり、プローブアセンブリは支持アセンブリに連結される。
【0029】
本明細書は、最後に言及した上記のシステムを含み、このシステムにおいて、コントローラは、それぞれのプローブアセンブリを制御するために、1つ以上のプローブアセンブリのそれぞれと動作可能に関連付けられ、支持アセンブリを介してプローブアセンブリに連結される。本明細書は、支持アセンブリが導管である上記システムを含み、この導管に、プローブアセンブリのそれぞれが連結され、この導管を通して、1つ以上のプローブアセンブリのそれぞれがコントローラと電気通信している。
【0030】
本明細書は、異なる調理油媒体を加えることが可能な複数の槽を含む揚げ物調理システムと関連付けられるように構成された複数のプローブアセンブリを制御する方法を含み、この方法は、それぞれが独立して動作する複数のプローブアセンブリを提供する工程と、プローブアセンブリのそれぞれを、プローブアセンブリの1つ以上が槽の少なくとも1つと動作可能に関連付けられるように揚げ物調理機上に支持する工程と、プローブアセンブリの動作を制御する工程と、を含む。
【0031】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、容器と一体化され、導電性部分と関連付けられ、かつ導電性部分と接触している食品処理媒体を有する低電圧の電子源を提供する工程と、を含む。
【0032】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制するシステムを含む。このシステムは、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器と、容器と一体化され、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分と関連付けられる1つ以上の電子源と、を備える。
【0033】
本明細書は、側壁を有する1つ以上の槽を有する食品処理システムを改造するための据付システムを含む。この据付システムは、槽によって支持されるように適応される概して水平に配置可能な支持部材を含む支持アセンブリと、概して直立した関係で、槽上で支持される前記水平に配置可能な支持部材に対応して、前記水平に配置可能な支持部材の長さに対してそれに沿って依存するように配置される少なくとも1つ以上の概して延出した支持部材であって、前記1つ以上の延出支持部材のそれぞれが、前記水平に配置可能な支持部材にその一端で連結される、延出支持部材と、1つ以上の延出支持部材のもう一方の端に連結され、槽の側壁と係合可能に配向される、少なくとも1つのプローブアセンブリと、を備える。
【0034】
本明細書は、延出支持部材の回転によって少なくとも1つのプローブアセンブリが回転して槽の異なる側壁と係合するように、少なくとも1つのプローブアセンブリが概して細長いその軸を中心に回転可能である延出支持部材に連結されている、前記据付システムを含む。本明細書は、回転可能な支持部材が延出支持アセンブリに連結され、少なくとも1つの回転位置においてプローブアセンブリを槽の側壁と係合させて保持するように延出支持アセンブリに対して少なくとも1つの回転位置に固定して保持され得る、前記据付システムを含む。本明細書は、回転可能な延出支持部材が支持アセンブリに連結されて、蒸気及び流体に対して密封する、前記据付システムを含む。
【0035】
本明細書は、保持アセンブリを更に含む又は少なくとも1つのプローブアセンブリを槽側壁と係合させて保持する前記据付システムを含む。本明細書は、回転可能な支持部材が延出支持アセンブリに連結され、少なくとも1つの回転位置においてプローブアセンブリを槽の側壁と係合させて保持するように延出支持アセンブリに対して少なくとも1つの回転位置に固定して保持され得る、前記据付システムを含む。本明細書は、少なくとも1つのプローブアセンブリを槽側壁と係合させて保持するための保持アセンブリを更に含む、前記据付システムを含む。本明細書は、支持アセンブリがその軸を中心に回転可能に支持されて、それが回転されることによって少なくとも1つのプローブアセンブリが対応して槽の側壁との係合から離れて回転可能である、前記据付システムを含む。本明細書は、支持アセンブリが食品処理システムの壁に取り付け可能な取り付けブラケットを含み、それによって、1つのプローブアセンブリが槽の内壁の少なくとも1つと緊密に係合する、前記据付システムを含む。
【0036】
本明細書は、取り付けブラケットが、1つの槽内壁を画定する槽の仕切り壁に取り付け可能なクランプを有し、かつ取り付けブラケットが、一対の離間して突出した要素を含み、それが、1つのプローブアセンブリが1つの槽内壁と係合可能であるようなやり方で、水平に配置可能な支持部材をこれらの突出した要素間に受け入れ可能に保持する、前記据付システムを含む。本明細書は、突出した要素が、そこに取り付けられている水平に配置可能な支持部材を回転可能にすることができ、それによって、プローブアセンブリが、1つの槽内壁との係合から離れて回転可能である、前記据付システムを含む。本明細書は、突出要素の少なくとも1つが、水平に配置可能な支持部材と協働して、水平に配置可能な支持部材が取り付けられている間にその長手方向軸に沿って水平に配置可能な支持部材の変位を制限する、前記据付システムを含む。本明細書は、水平に配置可能な支持部材が、突出要素上及び突出要素間に取り付けられるように構成される低減された断面部分を有することによって、水平に配置可能な支持部材の肩部分が、一対の突出部材のうちの少なくとも1つの対向端部分と係合可能であり、それによってその線状変位が制限される、前記据付システムを含む。本明細書は、水平に配置可能な支持部材が概して多角形の断面を有する、前記据付システムを含む。本明細書は、突出する要素が不均等な長さであることによって、取り付けられている間の水平に配置可能な支持部材の回転を容易にする、前記据付システムを含む。本明細書は、プローブアセンブリが、1つの槽内壁と係合可能な少なくとも1つのばね付勢された要素を含む、前記据付システムを含む。本明細書は、水平に配置可能な支持部材が、水平に配置可能な支持部材の線状変位を制限するために直立突出の少なくとも1つと協働可能な、水平に配置可能な支持部材から延出する少なくとも1つの突起を有する、前記据付システムを含む。
【0037】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を容量効果によって提供される1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含む。本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制するシステムを含む。このシステムは、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するための、容量効果によって提供される1つ以上の電子源と、を備える。本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、この導電性部分と接触している食品処理媒体を有する導電性部分と関連付けられる電子源を提供する工程と、を含む。
【0038】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を容量効果によって提供される1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含み、1つ以上の源は容器に収容されている食品処理媒体から分離され離れている。
【0039】
本明細書は、改造可能なシステムの据付けに使用するための定型アセンブリを含み、このアセンブリは、調理油のための槽側壁を有する1つ以上の槽を含み据付システムのプローブアセンブリが係合して配置される食品処理システムに対して、このシステムの支持アセンブリから懸架された、1つ以上のプローブアセンブリを含む。この定型アセンブリは、食品処理システムに対して固定した関係にて支持され得る細長い支持装置と、細長い支持装置に沿って1つ以上の位置に配置される細長い支持装置の異なる係合位置に選択的に移動可能なアセンブリと、を備え、このアセンブリは、据付けられるシステムのプローブアセンブリに概して対応する構成体を有する依存要素を含み、このアセンブリは、依存要素が細長い支持装置の長さに沿って異なる軸位置に移動し槽の側壁に係合することを可能にし、それによって、槽側壁と係合した位置に応答した支持装置の長さに対する依存要素の位置の測定を可能にする。
【0040】
本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、アセンブリが、細長い支持装置の長さに沿って摺動可能な摺動可能アセンブリであることを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、依存要素が槽側壁に係合するように構成されたプローブアセンブリであることを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、依存要素が、改造に使用される実際のプローブアセンブリを模倣するようなサイズ及び形に作られることを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、細長い支持装置が、改造される槽システムの長さに対応する長さになるように終端間の関係(end-to-endrelationship)において1つに接合し得る複数のセグメントを含むことを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、セグメントが、支持装置上のアセンブリの位置を測定することを容易にするための印を上に有することを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、細長い支持装置から延出した支持要素に沿った異なる位置に依存要素を垂直に位置づけることができることを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、支持要素が、それに対する依存要素の位置を測定することを容易にするための印を上に含むことを含む。本明細書は、この最後に言及した定型アセンブリにおいて、支持装置、アセンブリ、及び依存要素が出荷のために固定の配向にあることを含む。
【0041】
本明細書は、それぞれが槽側壁を有する1つ以上の槽を含む食品処理システムを改造するプロセスを含む。このプロセスは、食品処理システムに対して固定した関係に支持され得る細長い支持装置を含む定型アセンブリと、細長い支持装置に沿って1つ以上の位置に配置される細長い支持装置上の異なる係合位置に選択的に移動可能なアセンブリと、を提供する工程であり、選択的に移動可能なアセンブリが、据付けられるシステムのプローブアセンブリに概して対応する構成体を有する依存要素を更に含む、工程と、依存要素を細長い支持装置の長さに沿った異なる軸位置に動かし、槽の側壁に係合することを可能にすることにより、槽の側壁に係合した位置にあることへの応答としての支持装置の長さに対する依存要素の位置の測定を可能にするように、選択的に移動可能なアセンブリを利用する工程と、1つ以上の槽に対する細長い支持部材の長さと、槽の側壁と係合した位置にある装置に応答して支持装置の長さに対する依存要素の位置とを測定することによって、改造システムを据付けるときにそのような位置を用いてプローブアセンブリを位置決めすることを可能にする工程と、1つ以上の槽に対する細長い支持部材の長さ、及び槽側壁と係合位置にある装置に応答する支持装置の長さに対する依存要素の位置を測定する工程であって、改造システムが据付けられたときにプローブアセンブリを位置づけるためにそのような位置を使用することができる、工程と、1つ以上の槽によって支持される、測定された長さを有する概して水平に配置可能な支持部材を含む据付システムの支持アセンブリを利用する工程と、水平に配置可能な支持部材の長さに沿って依存する少なくとも1つ以上の概して延出した支持部材を利用する工程であって、1つ以上の延出支持部材のそれぞれは、その一端で、水平に配置可能な支持部材と連結可能であり、そのもう一方の端で、プローブアセンブリと連結可能である、工程と、を含み、1つ以上の延出支持部材は、槽側壁に係合している支持装置に応答して支持装置の長さに対する依存要素の位置に対応する位置で、水平に配置可能な支持部材に連結可能である。
【0042】
本明細書は、定型アセンブリを製造のために出荷することができるように、1つ以上の依存要素を細長い支持装置に、プローブアセンブリの所望の位置に対応する位置で付加した後に、固定された配向で定型アセンブリをロックする工程を含む、最後に言及されたプロセスを含む。
【0043】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を容量効果によって提供される1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含む。
【0044】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制するシステムを含む。このシステムは、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するための、容量効果によって提供される1つ以上の電子源と、を備える。
【0045】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、この導電性部分と接触している食品処理媒体を有する導電性部分と関連付けられる電子源を提供する工程と、を含む。
【0046】
本明細書は、食品処理媒体の劣化を抑制する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を容量効果によって提供される1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含み、1つ以上の源は容器に収容されている食品処理媒体から分離され離れている。
【0047】
本明細書は、食品処理媒体を保持するために構成された食品処理装置に改造据付するように構成されるシステムを含む。このシステムは、質と相関する既定値を得るために食品処理媒体の少なくとも質パラメータをモニタリングするために食品処理装置に連結可能なモニタリングアセンブリと、食品処理装置に連結可能な及び食品処理媒体の劣化を抑制するために既定値に応答して食品処理媒体に電子を付加するように動作可能な安定化アセンブリと、を備える。
【0048】
本明細書は、食品を支持するために構成され、食品処理媒体を保持する容器内に取り外し可能に受容される支持アセンブリと、支持アセンブリが容器内にあるときに低電圧プローブを少なくとも部分的に食品処理媒体に浸すことができ、支持された食品が食品処理媒体と接触するようなやり方で支持アセンブリから離間して装着された低電圧プローブと、を備える装置を含む。
【0049】
本明細書は、調理油を保持するための共通の壁で仕切られた少なくとも第1のチャンバと第2のチャンバを画定するための一部分を有する少なくとも1つの壁を含む容器と、プローブが調理油内にあるように第1と第2のチャンバのそれぞれにおいて低電圧プローブを支持するために共通の壁に装着可能なプローブ支持アセンブリと、を備え、このプローブ支持アセンブリは、第1と第2のチャンバのうち少なくとも1つに挿入可能な容器の下にある位置においてプローブを支える、システムを含む。
【0050】
本明細書は、食品容器に収容可能な食品処理媒体の劣化を抑制するために食品容器を改造する方法を含む。この方法は、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、導電性部分の表面からの電子を導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、導電性部分を容量効果によって提供される1つ以上の電子源と接触させることによって電子を付加する工程と、を含む。
【0051】
本明細書の一態様は、食品処理媒体の劣化を抑制するための方法、装置、及びシステムである。
【0052】
本明細書の一態様は、食品処理媒体を収容する容器に電子を付加することによって食品処理媒体の劣化を抑制するための方法、装置、及びシステムである。
【0053】
本明細書の一態様は、食品処理媒体を収容する容器に容量効果によって電子を付加することによって食品処理媒体の劣化を抑制するための方法、装置、及びシステムである。
【0054】
本明細書の一態様は、電子源が食品処理媒体と接触しないようにして食品処理媒体を収容する容器に電子を付加することによって食品処理媒体を延長するための方法、装置、及びシステムである。
【0055】
本明細書の一態様は、電子源が食品処理媒体と接触しないようにして食品処理媒体を収容する容器に、容量効果によって電子を付加することによって食品処理媒体を延長するための方法、装置、及びシステムである。
【0056】
本明細書の一態様は、定常的又は動的に電子を付加することによる媒体の質の劣化の抑制に基づいて媒体の質を延長するための方法、装置、及びシステムである。
【0057】
本明細書の一態様は、質と相関する既定値を得るために食品処理媒体の少なくとも質パラメータをモニタリングするため、及び電子を食品処理媒体に付加することによって、食品処理媒体の劣化を抑制するための、方法、装置、及びシステムである。
【0058】
本明細書の一態様は、既存の食品処理システムを改造するための極めて迅速かつ安価なアプローチを提供する方法、装置、及びシステムである。
【0059】
本明細書の一態様は、食品処理媒体の耐用期間を延長することによって経時的にかなりの量の食品処理媒体を節約するための極めて迅速かつ安価なアプローチを提供する方法、装置、及びシステムである。
【0060】
本明細書の一態様は、食品処理媒体の劣化を変化させるために、食品処理媒体に動的に電子を付加するための方法、装置、及びシステムである。
【0061】
本明細書の更に別の態様は、調理媒体の耐用期間を有意に増加させるやり方で前述のことを達成する方法、装置、及びシステムである。
【0062】
本明細書の更なる態様は、1つ以上の槽の複数のプローブアセンブリを支持及び制御するための方法及びシステムである。
【0063】
本明細書の態様は、複数のプローブアセンブリを利用する多様な異なる形及び寸法の揚げ物調理システム又は同類物に、同一の有用で汎用性があり低コストでありながら容易な改造を据付けるシステム及び方法を含む。
【0064】
本明細書の態様は、揚げ物調理槽及びプローブアセンブリ自体の洗浄を容易にするシステム及び方法を含む。
【0065】
本明細書の態様は、槽システムの容易な改造を可能にする定型アセンブリを提供するシステム及び方法を含み、この定型システムは、改造据付されて実際に使用される据付システムの実物大模型又は複製である。
【0066】
本明細書の態様は、固定された配向で定型アセンブリをロックすることにより、定型アセンブリを製造のために出荷することができる、定型アセンブリを提供するシステム及び方法を含む。
【0067】
本明細書に記載の態様は、本開示を用いて達成することができるいくつかのうちのわずかにすぎない。態様の上記の記載は、上記の態様を達成するために本明細書を特定の方法においてのみ用いるべきであると示唆するものではない。
【0068】
本明細書のこれらの及び他の特徴及び態様は、以下の代表的実施形態の詳細な説明によって、より完全に理解されるであろう。先に述べた概要及び以下の詳細な説明は例示であり、本明細書を制限するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】食品処理媒体の酸化及び加水分解を抑制するための本明細書の1つの代表的実施形態により作製された食品処理システムの一態様の概略斜視図。
【図2】図1に図示した食品処理システムの一部分の拡大概略図。システムに容易に改造据付することができるモニタリングシステムの配置を図示する。
【図3】本明細書の食品処理システムにおいて有用な1つの光学モニタリングシステムの斜視図。
【図4】使用可能な光学モニタリングシステムの別の代表的な実施形態。
【図5】本明細書の食品処理システムにおいて有用な低電圧プローブの斜視図。
【図6】食品処理システムの食品処理システムによって実施され得る食品処理方法のブロック図。
【図7】本明細書にしたがった油の加水分解の低減における改善された結果を示す棒グラフ。
【図8】本明細書にしたがった酸化の遅延における改善された結果を示す棒グラフ。
【図9】揚げ物調理機で使用するための複数の槽及び低電圧プローブを含む揚げ物調理機の概略図。
【図10】低電圧プローブが接続された複数の揚げ物調理バスケットを含む揚げ物調理機の概略図。
【図11】揚げ物調理槽に接続された低電圧プローブを有する複数の揚げ物調理バスケットを含む、図10と同様の揚げ物調理機の概略図。
【図12】揚げ物調理槽の壁に接続された低電圧プローブの概略図。
【図13A】時間的相関における遊離脂肪酸の低減における改善された結果を示すプロット。
【図13B】時間的相関における遊離脂肪酸の低減における改善された結果を示すプロット。
【図14A】時間的相関におけるTPC値の低減における改善された結果を示す棒グラフ。
【図14B】時間的相関におけるTPC値の低減における改善された結果を示す棒グラフ。
【図15】本明細書の別の代表的な実施形態。
【図16】本明細書の別の代表的な実施形態。
【図17】本明細書の別の代表的な実施形態。
【図18】プローブを保持する屈曲可能かつ形状保持性の管の一部分の拡大概略図。
【図19】複数のプローブのそれぞれを揚げ物調理機の対応する分離した槽に配置するためのシステムの概略図。
【図20】本明細書にしたがった槽システムに改造据付されたシステムの代表的な実施形態。
【図21】本明細書にしたがった定型アセンブリの代表的な実施形態。
【図22】本明細書にしたがったプローブアセンブリ構成の別の代表的な実施形態の立面図。
【図23】図22のプローブアセンブリの末端図。
【図24】本明細書にしたがった保持アセンブリの代表的な実施形態。
【図25】図20に図示したシステムの支持構成の別の代表的な実施形態。
【図26】本明細書にしたがったプローブアセンブリの別の代表的な実施形態の末端図。
【図27】本明細書にしたがったプローブアセンブリの別の代表的な実施形態の立面図。
【図28】本明細書にしたがったプローブアセンブリの別の代表的な実施形態の立面図。
【図29】本明細書の別の代表的な実施形態にしたがった据付システムの斜視図。
【図30】据付システムで使用可能な水平に配置可能な支持部材の部分区画立面図。
【図31】食品処理システムの槽の一部を画定する仕切り壁に装着されたブラケット部材に装着された水平に配置可能な支持部材の部分断面図。
【図32】図31と類似の図であるが、ブラケット部材に装着された水平に配置可能な支持部材の部分側面図。
【図33】プローブアセンブリを囲むためのばねクリップの別の代表的な実施形態。
【図34】槽の内壁に係合するために回転される水平に配置可能な支持部材の概略図。
【図35】水平に配置可能な支持部材を保持するためのブラケット部材の別の代表的な実施形態。
【図36】水平に配置可能な支持部材を保持して図示されている図35に図示したブラケットの代表的な実施形態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本明細書により、調理媒体などの食品処理媒体の耐用期間を安定化することによって、上記の欠点及び短所が改善される。安定化は、固定又は動的ベースでの電子の付加を介して、例えば酸化及び加水分解による媒体の劣化を抑制することによって、媒体の質を効果的かつ経済的に延長するアプローチによって達成され得る。安定化は、特に食品処理中の調理媒体の質に関係するモニター値への応答である場合がある。また、揚げ物調理機のような既存の食品処理システムに上記のものを効果的かつ経済的に改造据付できるやり方で行われる。「a」、「an」、及び「the」といった単語は「少なくとも1つの」と同義的に使用され、説明される要素のうちの1つ以上を意味するものとする。開示する物品の様々な要素の位置について、「最上部の」、「最下部の」「上を覆う」、「前方の」、「裏の」などの配向の語を使用することによって、水平に配置された本体部分に対する要素の相対位置を指す。開示する物品は、その製造中又は製造後に、空間内の任意の特定の配向を有することが意図されない。
【0071】
オンライン及び実時間ベースで食品処理媒体の質を経済的、自動的、定常的、又は動的に、かつ効率的に、安定化するための方法、システム、及び装置のいくつかの代表的な実施形態を例示するために、図1〜14Bを参照する。結果的に、食品が不健康な又は過剰なレベルの揮発性及び不揮発性分解生成物に曝される速度が抑制される。揮発性及び不揮発性分解生成物は、酸化及び加水分解によって生成され得る。
【0072】
好適な食品処理プロセスにより食品104(図2)を処理するのに有用な調理媒体102などの食品処理媒体102の質を強化するために動作可能な食品処理システム100の1つの代表的な実施形態を例示するために、図1〜8を参照する。本明細書により安定化される食品処理の質を有するように意図される食品処理媒体102は、易酸化性かつ加水分解性である場合がある。そのような食品処理媒体102には、調理油、脂肪、水、ソース、又は他の好適な媒体を挙げることができる。調理油及び脂肪は、植物性、動物性、合成、又はそれらの配合物であってよく、一般に食用と見なされる。易酸化性及び加水分解性の植物性調理油の例としては、とうもろこし油、大豆油、キャノーラ油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、ヒマワリ種子油、及び綿実油が挙げられるが、これらに限定されない。意図される食品処理方法としては、料理、油炒め、加熱、ロースト、湯がき、温熱、冷却、蒸す、つけ焼き、串焼き、ソテー、油炒め、ベーキング、油で揚げる、蒸す、又は他の料理、保管、冷却、及び調合プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本明細書の食品処理システム100は、揚げ物調理機106を含むが、本明細書の食品処理プロセスが、鍋、平鍋、調理器具、フライパン、やかん、皿、ボウル、中華鍋、家電品、フライバスケットなど(ただしこれらに限定せず)を含む保管容器、冷却容器、調合容器、温熱容器(ただしこれらに限定せず)のような他の容器との組み合わせによって行われてもよいことを理解されたい。
【0074】
図1に図示した揚げ物調理機106は、ブロワーを含むハウジングアセンブリ108を含む既知のタイプの揚げ物調理機であってよい。ハウジングアセンブリ108は、本明細書にしたがって容易に改造されるように構成される。揚げ物調理機106は、食用チキン調理油102のような調理媒体102をそれぞれに保持できる2つのチャンバ112、114からなる槽110を含む。この代表的な実施形態では、チキン調理油102は大豆油とキャノーラ油との配合物のような植物性油である。そのような調理油102は、これから説明するように、それに対して電子を提供することによって酸化及び加水分解が抑制され得るタイプのものである。当然、他のタイプの同様の調理媒体を使用してもよい。
【0075】
調理油102は、既知の機構(図示せず)によって揚げ物調理機106によって、典型的なやり方で調理油が食品104(チキンナゲット、フライドポテトなど)を揚げるように作用する約163℃〜約204℃(325°F〜約400°F)の範囲であり得る温度に加熱することができる。コントロールノブ118a〜nを有するコントロールパネル118は、既知の方法で食品処理プロセスを制御するために設けられる。
【0076】
チャンバの1つに入っている調理油102に浸される任意の好適なサイズ及び形の揚げ物調理バスケット120を例示するために、図1とともに図2を参照する。典型的には、揚げ物調理バスケット120は、概して矩形の食品容器部分122とハンドル124とを含む。容器部分122は、開いたワイヤメッシュ(例えば、ステンレススチール)として作製されてよく、ここで、食品104は、食品処理中に調理油102に浸されている間、支持される。揚げ物調理バスケット120のほかに、本開示の食品支持アセンブリ、装置、又は機構は、調理媒体にて処理される食品を支持することが意図される。例えば、他の支持機構又は装置としては、串、鍋、鉄板、及び他の同様の装置が挙げられるが、これらに限定されない。揚げ物調理機106は、フィルターシステム(図示せず)を通して調理媒体を循環することができる、及び/又は一般に揚げ物調理を1日行った後で行われるように、源(図示せず)からの追加的な新しい調理媒体で槽110を補充できる、ポンプシステム126(図1を参照)を含むことができる。
【0077】
本明細書によると、揚げ物調理機106は、揚げ物調理機106に容易に追加又は改造据付することができるモニタリング及び安定化システム130を含むことができる。あるいは、本明細書は、そのようなモニタリング及び安定化システム130を揚げ物調理機と一体化することもできると想定する。あるいは、本明細書で説明するように、安定化システムだけを使用してもよい。この代表的な実施形態のモニタリング及び安定化システム130は、連続又は断続動作のいずれかで動作可能である。この実施形態は、調理媒体102の質をモニタリングすること、及びそのモニタリングの結果に基づいて自動的にそれを安定化することができる。具体的には、モニタリング及び安定化システム130は、以下に説明されるように、複数のコントロールボタン138a〜n(集合的に138)を含むコントローラ136によって制御可能なモニタリングアセンブリ又は装置132及び安定化アセンブリ又はユニット134を含むことができる。モニタリング及び安定化を実行するための多様なシステムが企図される。
【0078】
モニタリング機能に関しては、本明細書は、以下に説明するように、調理油102の質に相関する既定値を得るために、調理油102の少なくとも質パラメータをモニタリングすることを想定する。その後、得られた既定モニター値に応答して、手動で又は自動的に、電子を付加することによって調理油102を強化することができる。したがって、調理油の酸化及び加水分解が抑制され、その劣化の速度が抑制される。結果的に、例えば遊離脂肪酸、TPCなどの、調理媒体の質を低下させる分解生成物の増加が抑制される。物理的(例えば、粘性、密度、煙など)及び化学的(遊離脂肪酸、総極性成分など)な、食品処理媒体と関連付けられる質パラメータは、数多くある。本明細書は、数多くの質パラメータの1つ以上をモニタリングすることを想定する。例えば、発光測定値、誘電定数測定値、可視及び赤外線分光法測定値、フーリエ変換赤外線(FTIR)測定値、カラムクロマトグラフィー測定値、温度測定値、粘度測定値、密度測定値、電子嗅覚測定値、及び超音波測定値を含む(ただしこれらに限定せず)測定値を取ることによって、パラメータ値をモニタリングできる。質パラメータのモニタリングの更なる例としては、同一出願人による同時係属出願中の「METHODS AND DEVICES FOR MONITORING FRYING OIL QUALITY」と題する米国特許出願第61/033,487号(2008年3月4日付出願)及び「MONITORING OF FRYING OIL USING COMBINED OPTICAL INTERROGATION METHODS AND DEVICES」と題する同第61/033,481号(2008年3月4日付出願)に記載されているアプローチが挙げられる。
【0079】
モニタリング装置132の代表的な一実施形態では、質は、分解生成物の存在に応答して調理油102が発する蛍光レベル信号の測定から導くことが可能な発光値のモニタリングによって測定される。使用可能なそのような方法の1つは、同一出願人による同時係属出願中の「DEVICE FOR THE QUALIFICATION OF COOKING OILS,AND METHODS」と題する米国特許出願第61/007,894号(2007年1月8日出願)に記載されているものと同様の照射プロセスに調理油を曝したときに生じる。
【0080】
モニタリング装置132は、簡易で実時間によるやり方で調理油(例えば、揚げ油)の質を判定するように構成することができる。モニタリング装置132は、調理油のTPCのレベルと相関し得る調理油の蛍光レベルを測定し、次いで、生成された蛍光信号を、既知のモニタリング装置のメモリ内の、調理油の多様な質と関連付けられた既定曲線又は表の値と比較する。図2には、モニタリング装置132の一実施形態が図示されている。モニタリング装置132は、光学モニターコントローラ又はメーター142、及びメーター142と動作可能に係合可能な光学プローブ144を含むことができる。メーター及びプローブを含む多様な他の蛍光モニタリングシステムを使用できることを理解されたい。そのようなプローブの一例は、Ocean Engineering Corporationから市販されている。また、モニタープローブ144は、常に又は断続的に油に浸すことができる。
【0081】
光学プローブ144は調理媒体の発光応答をモニタリングするものであり、槽内の調理油バッチから試料を取り出す必要なしに、メーター142と動作可能に接合される。メーター142の制御下の光学プローブ144は、調理媒体102を照射し、メーターは、光学プローブ144を介して蛍光応答を測定する。プローブ144は、調理油に照射光線を伝達するための光ファイバーと、メーター142に蛍光応答を伝達するための光ファイバーとを含むことができる。メーター142は、コントローラ136の一部を形成する。メーター142は、情報(例えば、油の組成)を入力するためのボタン138、照射エネルギーを提供するレーザー又はLEDのような適切な機構、並びに任意の蛍光応答を測定する光検波器、及び測定された応答のレベルを値の既定曲線又は表と比較する電子機器のような適切な機構のような既知の特徴を含むことができる。使用者が結果を読むためのディスプレイ146(図1)が設けられてもよい。当然、本明細書は、データの入力及び出力のための他の好適な装置も企図する。別の例として、ディスプレイは、油の試料がまだ許容可能であることを示す緑色光、及び油をもはや使用すべきではないことを示す赤色光を含んでもよい。進行を示すために、黄色及び/又は橙色光が、緑色光と赤色光との間に存在してもよい。ディスプレイは、例えば油中のTPC、遊離脂肪酸の特定の数を提供する定量的ディスプレイであってよい。
【0082】
モニタリングの動作を安定化と統合するために、多くの異なるアプローチを使用することができる。代表的な本実施形態のコントローラ136は、光学モニターコントローラ又はメーター142及び低電圧コントローラ154の両方を制御することができる。この実施形態では、コントローラ136は、メーター142及び低電圧コントローラ154の両方を、以下に説明するやり方で動作及び制御するマイクロコントローラ156を含むことができる。マイクロコントローラは、メーターからの信号に応答して、安定化ユニットの動作を制御することができる。例えば、安定化ユニットは、固定又は変動出力(例えば、パルス)を提供することができる。代表的な本実施形態において、マイクロコントローラは、マイクロプロセッサ、プログラム可能なロジックデバイス、ポータブルコンピュータシステムなどの、プログラム可能な電子システムを含むことができる。プログラム可能な電子デバイスは、モニタリングアセンブリ及び安定化ユニットが本明細書に記載するように機能することを可能にするアプリケーションであるモジュール又は機構(図示せず)によってプログラムされ得る。代わりに、又は加えて、メーター142及びコントローラ154の両方をネットワーク147によってサーバシステムなどのプログラム可能な電子 システムに接続することができる。サーバシステム148はまた、レポート作成のためにプリンター(図示せず)を制御することもでき、以下に説明するように安定化ユニットを制御することができる。マイクロプロセッサのメモリ内のデータベースは、スペクトル蛍光応答及び調理油の質に関する対応する情報の値に関する格納された情報を保有することができる。それぞれがマイクロコントローラを介して動作可能に連結された別々の制御装置を備える代わりに、メーター及びイオンジェネレーターコントロールの機能を単一のユニットに組み合わせてもよいことが認識されるであろう。
【0083】
安定化ユニットに動作可能に連結する必要ないが安定化ユニットがどの値で及び/又はどれだけの時間動作し得るかを判断するための値を提供することができる他のパラメータモニタリングユニットを使用してもよい。例えば、調理油媒体の蛍光応答を測定するためのモニタリング装置332の別の代表的な実施形態を例示するために、図3を参照する。この実施形態は、最後に言及した特許出願に記載されている実施形態と同様であってよい。したがって、ここでは、関係すると考えられるその詳細のみを説明する。モニタリング装置332は、試料受け344に入れられることになる調理油の試料を、少なくとも部分的に試料受け344内に受け入れ可能な例えば綿棒、管、又はピペットによって受け入れる。蛍光マーカーのような添加剤が受液器344内に存在してもよく、又は油の試料の後に添加されてもよい。試料受け344はメーター322に又はこれに対して挿入可能であり、メーター322は調理油試料を照射し、発光応答を測定する。メーター322は、最後の実施形態に関して上述した特徴を含むことができる。使用者が安定化ユニットを操作してもよいし、又は他の制御装置が自動的に安定化ユニットを動作してもよい。
【0084】
モニタリングの別の代表的な実施形態は、図4に図示した手持ち式装置410によって実施され得る。この実施形態は前述のものと同じく安定化ユニットに動作可能に接続される必要はないが、油の質に関する独立した情報を提供することができる。手持ち式装置410は、最後に言及した特許出願に記載されているものと同様であってよい。手持ち式装置は、発せられる調理油の蛍光信号の測定に好適である。この実施形態では、油の試料に照射して油に接触せずに蛍光を測定するよう構成された装置410は非接触光学センサである。装置410は、情報(例えば、油の組成)を入力するための上述のもののような特徴、放射を提供するための適切な手段及び蛍光応答を測定するための適切な手段、測定した量を閾値と比較する電子機器、並びに使用者が結果を読み取るためのディスプレイのような機構を含む。装置410内のメモリ又はマイクロプロセッサ内のデータベースは、スペクトル蛍光応答及び調理油の質に関してそれに対応する情報の値に関する格納された情報を保有することができる。好適な電力源を提供して装置410を動作することができる。使用者が安定化ユニットを操作してもよいし、又は他の制御装置が自動的に安定化ユニットを動作してもよい。
【0085】
上記実施形態のいくつかにおいて、モニタリングに使用されるスペクトル周波数は可視光線である場合がある。470nmの波長を有する可視光線は、特に蛍光マーカーを用いない場合に、試験される油に照射するための1つの代表的な波長である。次いで、メーター142は、照射する波長と異なる波長で蛍光の量を測定する。470mmの波長を照射に使用する場合、測定波長は520nmであってよい。後方散乱及び暗騒音の機会を排除するためのものを含む、異なるスペクトル周波数を使用してよい。したがって、本開示の光学モニタリング装置は、容易かつ実時間方式で調理油(例えば、揚げ油)の質を決定するよう構成される。
【0086】
安定化アセンブリ又はユニット134の代表的な一実施形態を説明するために、図1及び2とともに図5を参照する。安定化アセンブリ134は、2003年11月5日付で発行された日本国特許公開公報(B2)(11)3463660号(P3463660)45号)などに記載されている、いわゆる負イオンジェネレータのような低出力電圧源であってよい。安定化アセンブリ134は、以下に説明するように、調理媒体に適用される電子源として作用するために、それ自身に付加されている電圧に応答して動作可能である。容量効果、電場、又は同類のものを含む(ただしこれらに限定せず)広範な好適なアプローチを用いて、低出力電圧源を提供することができる。したがって、電子の供給及び付与に企図される安定化アセンブリ134は、調理油中に浸されている場所又は調理油に浸されていない場所を含む任意の場所で使用することができる極めて汎用性のある源を提供する。例示したこの実施形態では、本明細書に記載したように、プローブは槽の導電性部分と接触してもよく、又は槽と一体化された部分であってもよい。また、容量効果を用いることができるので、電子の流れを容易に制御及び変化させることができる。これまで説明してきた汎用性は、調理油槽と一体化された部分として回路が形成される場合は、必ずしも容易かつ安価に利用できるものではないことが認識されるであろう。前述のプローブの容量効果は、既存の揚げ物調理機などの改造に用いられる本明細書の汎用性を強化するものであり、これにおいてプローブは調理油中に配置される必要がなく、食品は調理油中に存在する必要がなく、調理容器は電子を付加するための回路の一部を形成する必要がない。代表的な一実施形態において、安定化ユニット134は低電圧プローブ150を含むことができる。150は、金属遮蔽に囲まれた絶縁材によって囲まれた電極を含むことができる。理解されるように、容量効果は、金属遮蔽によって調理油に移動され得る電子を生成することができる。代表的な一実施形態において、プローブ150は、Rejuvenoil,Hoei America,Inc.(イリノイ州バッファローグローブ)から市販されているタイプのものでよい。そのようなアプローチでは、それ自身に供給される電圧に応答して低電圧を供給する半導体要素が提供される。それを受けて低電圧は、半導体要素を囲む導電遮蔽又はハウジングに移動され、生成された電子を移動する。そのようなプローブもまた、2003年11月5日付で発行された日本国特許公報(B2)(11)3463660号(P3463660)45号)に記載されている。後者のアプローチでは、半導体材料は露出される。半導体材料がそれによって特に制限されないことが理解されるであろう。本明細書と矛盾しない他の同等の材料を使用できることが理解されるであろう。これまで記載してきた装置によって生成される容量効果は、衝撃を避けるやり方で電子を生成することを可能にする。半導体材料がある又はない広範な種類のコンデンサ装置を使用して、本明細書に記載したような酸化の抑制及び低減に十分と見なされる量の電子を提供できることが理解されるであろう。これに関して、任意の材料を含む任意のコンデンサが使用され、かつ任意の電圧又は電圧量が付加されて、本明細書が企図する酸化の抑制及び低減の度合いを提供する速度で十分な量の低電圧が生成される。管152又はシースは、メーターとして機能し、コントローラ136(図2)内に位置することができ、マイクロコントローラユニット156の制御下にある、コントロールボックス154からプローブへのケーブル153を覆う。コントロールボックス154は、コントローラ及び揚げ物調理機と同じ源によって給電され得る。本明細書は、電子の他の源を調理媒体に適用する場合があることを企図する。本実施形態はそのような低電圧プローブの1つを開示するが、本明細書は、動作され得る1つを超えるものを企図することにより、調理媒体に低電圧を発するプローブの表面積を増大させる。後者は、槽の導電性表面と接触させて配置することができ、その結果、槽の表面積は電子を調理媒体に伝達することができる。プローブは油中になくてもよい。以下に説明するように、より大きい表面積により、電子の分布が向上され、したがって酸化及び加水分解の抑制が強化される。
【0087】
本明細書のコントローラは、モニター装置からのモニタリングされた信号に応答して安定化ユニットを作動させる。プローブは、調理媒体に対して安全でありかつ酸化及び加水分解を抑制するのに十分と見なされる一定速度で電子を発する。典型的には、プローブ150は約−12ボルトの直流で動作する。本明細書は、放出速度が可変であると想定する。例えば、低電圧プローブ150が槽の壁に接触していると、その分布速度はそれに対して印加される電圧に応答して変化してよい。例えば、電圧は約−0.1v〜12v、又は調理油若しくは調理媒体が分解するであろう値未満の値まで変化することができる。したがって、本明細書は、電子の量が、酸化及び加水分解の速度をどれだけすぐに下げるか、調理媒体、処理される食品、又は上記の任意の組み合わせなどの希望の結果に依存して変化できるものと想定する。安定化ユニットの出力は、モニタリング装置によって達せられたモニター値に基づいて変化する。本明細書は、調理油の耐用期間を向上させるための他のアプローチも企図する。当業者には理解されるように、用語「安定化」は、食品処理媒体の耐用期間の延長を指す。
【0088】
図6は、食品処理システム100によって実行可能な本明細書のモニタリング及び安定化プロセス600の代表的な一実施形態のフローチャートである。これに関して、プロセス600は、使用者によるコントローラ136のスタートボタンの作動に応答して開始ブロック602で開始することができる。プロセス600に従い、調理媒体102のモニタリングが開始される。「値を決定するために信号応答をモニタリングする」ブロック604において、時限レーザー起動信号を光学プローブ144(図2)を介して発することによって、調理油の質のモニタリングが開始され得る。レーザー起動信号は、プローブからの波長(例えば470nm)の放出を引き起こす。光学プローブ144は、光学モニターコントロール又はメーター142に戻された蛍光応答を収集する。「値を決定するために信号応答をモニタリングする」ブロック604において、メーター142の光検波器は、上で言及したように起動信号への応答の値を提供する。「応答は既定値か?」ブロック606において、メーター142は、起動信号に応答する信号の値が、安定化が望まれる不良又は最低限度である質の油であることを示す既定値かどうか決定する。そのような決定は、不良又は最低限度である質の油であることを示す格納されたスペクトル値と受信された値との比較に基づく。決定が「いいえ」であれば、質は、不良又は最低限度である質を示す値の1つに相当する既定値ではなく、良好であり、その場合、プロセス600はブロック604に戻りモニタリングを続行する。決定が「はい」であれば、その値は、油の質が不良又は最低限度であることを示す既定値であり、その場合、プロセス600は「プローブを作動する」ブロック608で安定化ユニットを作動するように進行する。これに関して、既定信号は、述べたように、安定化ユニットを動作するようにプログラムされるマイクロコントローラ156を作動する。したがって、ブロック608において、低電圧プローブは槽内に電子を放電するように動作可能になる。結果的に、酸化及び加水分解が抑制される。その後、プロセス600はそのようなデータを「データを格納する」ブロック612において、マイクロコントローラ又はサーバ148のいずれかのメモリを介して格納することができる。本明細書は、「レポートを作成する」ブロック610においてプロセスがレポートを生成できると想定する。本明細書は、実行される前述の機能に限定されず、プロセス600の他の態様の間にレポートを発行するなど、むしろ広範な機能を追加及び変更できるものと想定する。
【実施例】
【0089】
(実施例1及び2)
図7及び8は、本明細書の安定化プロセスの結果として達成可能な有利な結果をそれぞれ図示する棒グラフを示し、ここで、Rejuvenoil Hoei America,Inc.から市販されているモデル番号RA−L2のようなイオンジェネレータプローブ150を、チキンナゲットを揚げるための約52リットルの無トランス脂肪植物性配合油において使用した。比較を行うために、実質的に同じ試験条件を使用した。遊離脂肪酸(FFA%)の重量百分率は、既知の試験プロセスであるAOCS公認方法Ca 5a−40を用いて測定した。総極性化合物(TPC%)の百分率は、3Mの市販製品3MTM PCT 120で決定した。とうもろこし油と大豆油との配合物のような市販されている調理油を3日間を通して使用した。各試験日の初めに同量の調理油が揚げ物に利用できるように、調理油は1日の終わりに補充して52リットルにした。補充量は、プローブを有さない試料と低電圧プローブを有する試料とでほぼ同等であった。調理油の量に関し、補充オイルは無視してよい因子と見なされた。揚げ物作業中、調理媒体は約163℃〜約191℃(325°F〜約375°F)の範囲の温度に加熱された。各調理日の終わりに、槽から調理媒体を排出し、濾過システムを通して濾過した。揚げ物調理機は、Henny Penny(オハイオ州イートン)、Pitco Frialator,Inc(ニューハンプシャー州コンコード)、又はFrymaster(ルイジアナ州シュレブポート)から市販されているもののような揚げ物調理機であった。
【0090】
低電圧プローブを使用していない調理媒体に比べて、それを使用した調理媒体では、3日間の比較試験の後、調理媒体中の遊離脂肪酸(図7)及び総極性成分(図8)の量に有意な低減があることが観察できる。3日後、低電圧プローブのないフライドチキンナゲットのバッチの試験では、遊離脂肪酸(FFA%)及び総極性成分(TPC%)がそれぞれバッチの約2.70重量%及び25.7重量%のレベルであったことを示した。これらのレベルは、油の交換を示す既定レベルを超す場合がある。言及したように、これらの既定レベルは民間又は政府の基準と関係する場合がある。言及した既定レベルを超す値は、遊離脂肪酸及びTPCのレベルが許容範囲外であると見なされるため、調理媒体を交換すべきであることを示唆し得ることが、理解されるであろう。
【0091】
対照的に、低電圧プローブ150を用いて3日後、チキン油バッチの遊離脂肪酸(FFA%)レベルは約0.50%であり、一方、TPC%レベルは約10.0%である。どちらの値も、劣化油と関連付けられた既定値より低い。これらの値が交換レベル未満に維持されているので、本質的に同じバッチの調理油を引き続き使用することができる。有利なことに、これは、調理媒体の耐用期間を延長することによる有意なコスト節減をもたらす。更に、プローブが使用されたとき、有意に多くのチキンナゲットをプロセスすることができた。事実、プローブがない場合に対して、1つのプローブを使用した場合、重量にしてほぼ2倍のチキンナゲットを調理することができた。
【0092】
図9は、2つの槽チャンバ912(槽1)及び914(槽2)の1つの導電性の壁に装着されたプローブ950a、bを用いる別のシステム900の概略図である。プローブ950cを槽チャンバ912(槽1)に単独で懸架してよく、プローブ950dを槽チャンバ914(槽2)に懸架してよい。前記の利点を、図13A及び13Bとともに下表1の状況において説明する。言及したようにプローブ950a、bを取り付けることによって、2つの槽チャンバ912槽1及び914槽2の内面に電子が流れる。プローブ950eを槽チャンバの1つの外壁に接続することができ、電子はシステムの導電性部分を通って調理油902へと導電により流れる。調理油に浸されずに導電性揚げ物調理機槽の外側に接触するプローブによって本明細書の便益が達成され得ることが、理解されるであろう。また、プローブを揚げ物調理機の内部の導電性部分に導電的に取り付けてもよいし、調理油に浸してもよいことも、理解されるであろう。以下に指摘するように、本明細書は、これらの槽の1つだけの壁の外側のプローブによって耐用期間を延長することについて説明する。これに関して、プローブ950fが調理油から完全に出るようにプローブ950fを槽の内壁の表面に接続する。プローブ950fは、共通の槽壁による緊密係合においてプローブを共通の槽壁と連結及び支持することを可能にする連結アセンブリを含む構成を有することができる。プローブ950fはまた、上で図15及び16の代表的な実施形態で説明したものと類似の構成を有することもでき、この場合、プローブ950fは槽壁に電子を伝達するために槽壁と緊密な係合に配置される。本明細書のシステムは、プローブの表面の1つが調理油と緊密かつ直接に係合することができるように、槽の壁に組み込まれた別のプローブ950gを備える。また、プローブ950gの電力源が槽壁の内側にあっても槽壁の外側にあってよいことも指摘される。供給される電力及び調理油と係合する表面積を選択して、本明細書に記載された酸化及び低減を達成する電子速度を提供することができること、及びこの電源もまた槽壁に組み込まれることが、理解されるであろう。
【0093】
図10は、低電圧プローブを揚げ物調理機及びフライバスケットのような食品容器に追加するための低コストの改造アプローチを図示する。この実施形態では、プローブアセンブリ1020をフードバスケットと一緒に可動なものにするようにフードバスケットに接続することができる。プローブアセンブリ1020は、上述の低電圧プローブと同様である。プローブアセンブリ1020は、任意の好適な接続部1025によってフライバスケット1024に接続可能なプローブユニット1022を含む。プローブユニット1022はプローブホルダー1026により保持されており、プローブホルダーは可撓性ホース1028に取り付けられている。プローブホルダーは、その中に任意の配向でプローブユニットアセンブリの一部分を保持するための所望の形に曲げることができる曲げ可能な管であることができる。図18は、所望の配向でプローブ1022を保持するためのプローブホルダー1026の代表的な一実施形態を図示する。プローブホルダー1026は、ステンレススチール、アルミニウム、及びそれらと同類のもののような、それが置かれる環境に適した好適な材料で作製することができる曲げ可能かつ形状維持性の波形管1027であることができる。したがって、プローブは、所望の配向で調理油内に好適に保持及び離間配置され得る。そのような形状維持性の波形管は、市販されている。
【0094】
槽内にプローブユニットを据付けるために、可撓性ホルダー又は可撓性材料と曲げ可能な材料との組み合わせのような多様な好適な材料を提供することができる。プローブホルダー1026は、ブラケット、接着テープ、又はそれらと同類のもの(ただしこれらに限定せず)を含む任意の好適な手段によって、フライバスケット1024に保持することができる。支持されると、プローブユニット1022は、フライバスケットから、したがって食品から、離間配置され得る。プローブユニット1022は、フライバスケット1024から任意の配向及び間隔に配置され得る。バスケット1024から離間配置される故、プローブユニット1022は、それを貫通する調理媒体の流れを物理的に干渉又は阻止することがない。場合によっては、プローブはフライバスケットに取り付けられてもよい。プローブホルダー1026は、可撓性ホース1028に取り付けることができ、フライバスケットを揚げ物調理槽に入れ、そこから取り出す際に、プローブユニット1022を揚げ物調理槽から出し入れすることを可能にする。これは、槽を画定する壁に近接に嵌まる既存の揚げ物調理機の経済的な改造を可能にする。プローブアセンブリ1020は、プローブユニット1022に連結された外部電源1030を含むことができる。あるいは、又は加えて、プローブアセンブリ1020は、プローブユニット1022内の電池(図示せず)、熱電対(図示せず)又はそれと同類のもののような内部電源を含むことができる。
【0095】
図11は、プローブユニット1122を含むプローブアセンブリ1120を備品1128によって、フライバスケット1124ではなく壁1142に据付ける実施形態を図示する。備品1128は、槽壁の縁部分に固定して据付けられるブラケット1144を含む。プローブユニット1122は、フライバスケットの挿入及び取り出し作業を干渉しないように位置づけられる。プローブユニット1122は、フライバスケットが揚げ物チャンバ内にあるときにフライバスケットから離間配置されるように構成される。プローブユニット1122は、可撓性ホースによって適切な電源に接続される。プローブアセンブリの懸架ができるものとしてブラケット1144が図示されているが、所望の位置にプローブアセンブリを固定又は取り外し可能に保持するための任意の好適なブラケット又は締結装置が企図される。プローブユニット1122が槽壁と接触して保持され得ることが理解されるであろう。
【0096】
図12は、プローブを支持するための、2つの槽1220a及び1220bを分離する壁1248に据付けられたほぼT形状の備品1240を含むプローブアセンブリ1220の別の実施形態を図示する。備品1240は、揚げ物調理機内でフライバスケット1224が使用されるときに、それぞれの槽内のプローブアセンブリをフライバスケット1224から離すようにして、対応する一対のプローブアセンブリ1222a及び1222bを保持するように構成される。プローブアセンブリは、上述のものと同様である。T形状の備品1240は、一対の管状チャネル1246a及び1246bを含み、1つは、それぞれの管状チャネルは、各槽のプローブアセンブリに付随する可撓性ケーブル(図示せず)のそれぞれを受け入れ、覆って保護する。これに関して、管状チャネルは、プローブアセンブリがそれら両方を通して延びることができるように、上述のプローブホルダーと同様の管状プローブホルダー1226に接合される。このように、各プローブアセンブリ1222a及び1222bは、それぞれの槽内に据付けられる。管状チャネルのプローブアセンブリのそれぞれは、開口部1242を出て、それぞれのイオンジェネレータコントローラの制御下にあるプローブアセンブリのそれぞれに別々に電力を供給するケーブル1244に接続されることができ、イオンジェネレータは上述のようなマイクロコントローラの制御下に置かれることができる。したがって、異なるプローブは、異なる槽の調理媒体の酸化及び加水分解を独立に制御するために独立に動作することができる。例えば、異なるプローブアセンブリへの電圧を変化させることによって、異なる食品処理媒体の酸化及び加水分解を抑制するために、異なる電子放電速度を得ることができる。
【0097】
下表1は、2つの隣接する槽の揚げ油の遊離脂肪酸含有量を比較することによる、本明細にしたがって商用揚げ油でフライドポテトを揚げた結果を示す。使用した槽及びプローブは、図9に図示した槽912及び914と同等のものである。
【0098】
【表1】

【0099】
表1は、本明細書によって導き出される利点を例示している。表1を参照しつつ、図9もまた参照する。槽1は槽又はチャンバ912と見なされ、槽2は槽又はチャンバ914と見なされることができる。表は、両方の槽でフライを揚げることによって作成した。1つの試験条件下では、槽1及び2でプローブを使用せずにフライドポテトを揚げた。別の試験条件下では、分離したそれぞれの槽1及び2に1つの低電圧プローブを懸架した。第3の試験条件下では、槽2の壁と導電関係にある壁である、槽1を画定する壁と接触させて、2つのプローブを槽1に配置した。しかし、槽2ではプローブを使用しなかった。表の値は、上述のような試験工程を用いることによって、試験日の終わりに記録した。使用した全てのプローブは、Rejuvenoil Hoei America,Inc.から市販のイオンジェネレータユニットであった。
【0100】
比較を行うために、上述したほかは、実質的に同じ試験条件を両槽に用いた。遊離脂肪酸含有量は、上述の既知の試験プロセスを用いて測定した。上述のような市販の調理油を使用した。揚げ物調理作業中、調理油は約163℃〜約191℃(325°F〜約375°F)の範囲の温度に熱した。各調理日の終わりに、槽から調理油を排出し、揚げ物調理機に付随している既知の濾過システムを通して濾過した。揚げ物調理機は、市販の揚げ物調理機であった。翌日、前日に損失した調理油を新しい調理油で補充した。
【0101】
図13Aは、調理油又は揚げ油に対する遊離脂肪酸含有量を重量百分率ベースで比較した、上述の表1から得た試験結果のプロットを示す。例示のみを目的として、7%の遊離脂肪酸値は、許容範囲外のレベルと見なすことができる。プロット線1310は、プローブなしの槽1では2日の揚げ物調理の後、遊離脂肪酸値が6.81%に達したことを図示している。また、既知のやり方として、2日目の後に、補充を超える新しい揚げ油を追加した。3日目に、遊離脂肪酸値は5.39%であった。4日目に、遊離脂肪酸値は6.00%であった。また、4日目の後に、補充を超える追加的な新しい調理油を追加した。5日目に、遊離脂肪酸値は5.84%であった。6日目に、遊離脂肪酸値は9.40%であった。次いで、油のバッチ全部を廃棄した。プロット線1320は、本明細書の1つの態様を用い、槽1に懸架された1つのプローブ及び槽2に懸架されたもう1つのプローブを使用した場合の、遊離脂肪酸値を図示する。プロット線1330は、槽1内に懸架された2つのイオンジェネレータを槽1が有する一方で、槽2にはイオンジェネレータが浸されていないときの、遊離脂肪酸値を示す。この状況において、両方のイオンジェネレータプローブ950a、950bは槽壁と電気接触されていた。
【0102】
1つのプローブを有する槽1の遊離脂肪酸値が、プローブなしでの遊離脂肪酸値より有意に低いことが観測される。通常の補充を超えて、フライドポテトを揚げるために6日間を通して本質的に同じ揚げ油バッチを使用した。驚くべきことに、槽1に2つのプローブがあり槽2にプローブがない場合、遊離脂肪酸値は、1つのプローブが槽1にあり1つのプローブが槽2にある試験条件と概して同様であった。しかし、槽1に2つのプローブがある場合、7日目の遊離脂肪酸値は約7.2%であった。これに関して、槽1の2つの発電プローブ950a、bは、槽1及び2を画定する導電性の壁と電気的に接続されている。したがって、酸化及び加水分解をもたらすために、プローブを両方のチャンバに配置する必要はないと判定された。この状況において、本明細書は、上述のイオンジェネレータによってもたらされる容量効果を利用し、両方の槽に共通の導電性材料の全面に沿って調理油に電子を分布する。
【0103】
図14A及びBは、それぞれ、本明細によって実現可能な有利な結果を図示する棒グラフである。図14Aは、槽912では、4日間にかけて次のようなTPC重量%値であったことを示している。プローブなしでのTPC値は、1つのプローブ又は2つのプローブを有する同じ槽の場合に比べてはるかに高かった。1つのプローブ及び2つのプローブのどちらの場合も、TPC%はほぼ同じであった。図14Bは、槽914のTPC読み取り値を示す。プローブなしの棒は、槽914に1つのプローブがある場合の棒に比べて比較的高いTPC%値を示した。後者の状況では槽912と914の両方において1つのプローブが使用されたことが思い出されるであろう。別の棒は、槽912が2つのプローブを有し、槽914がプローブを有さない場合、4日目の後のTPC%値は槽912及び914のそれぞれに1つのプローブが存在したときの値とほぼ同等であったことを示した。イオンジェネレータプローブ950a、bからの容量性の電子分布、及び槽の導電性の壁による電子の導電のために、槽912及び914の両方にほぼ同等のTPC含有量の低減があったものと考えられる。各槽に1つのプローブがある場合及び1つの槽のみに2つのプローブがある場合、プローブが使用されない場合と比較して、TPC含有量の有意な低減があったことが理解されるであろう。結果的に、調理媒体の耐用期間は延長された。したがって、調理油の消費に関して、有意な節約ができる可能性がある。
【0104】
あるいは、又は加えて、本明細書は、安定化ユニット又はアセンブリの広範な他の代表的実施形態を企図する。概して、これらの他のアプローチは、これまでの構成体と同じく、油媒体の劣化を効果的かつ効率的に抑制するための槽及び/又は調理油媒体に対するプローブの全体的な多様な位置づけを充実させる。
【0105】
本明細書の安定化ユニット又はアセンブリ1500の別の代表的な実施形態を例示するために、図15を参照する。安定化ユニット1500は、上述のものと類似の少なくとも1つのプローブ1502を含むことができる。プローブ1502は、中に収容される半導体材料1505を囲むハウジングアセンブリ1504を含むことができる。半導体材料1505は、低電圧を生成するために上述の材料を含むことができる。ハウジングアセンブリ1504は、2つの対向する概して矩形の主平面プレート1506a、bを有する平行六面体構成体を有することができる。プレート1506aの主面1507は、連結アセンブリ1512と槽壁1508を緊密に係合するように構成され、意図された目的のために十分な量の電子を移動させるためのサイズ及び形に作られる。ハウジングアセンブリを平行六面体構成体として描写したが、他の形態及びサイズを使用してもよいことが理解されるであろう。例えば、薄い、ほぼ平面のシート又はプレートのような部材(図示せず)を、槽壁に緊密に係合させて設けることができる。ハウジングアセンブリ1504は、好適な導電材料で作製することができる。使用可能な好適な材料としては、ステンレススチール及びそれと同類のものが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書は、低電圧プローブを調理油1510に全体的に又は部分的に浸しても、全く浸さなくてもよいと説明している。したがって、本実施形態はまた、プレート1506a、bの底(図中の観点から)が、使用中、調理油1510の上に離間配置されるか、又は部分的に浸される(図示せず)若しくは全体的に浸される(図示せず)ようなサイズにハウジングアセンブリ1504を作ることができることが企図される。あるいは、クリップによって、ハウジングアセンブリを槽の外面に位置づけることができる。
【0106】
意図される目的のための緊密な係合を確保するために、図の実施形態は、槽壁1508と緊密な係合でハウジングアセンブリ1504を解放可能に固定するように形作られ構成される連結アセンブリ1512を含む安定化ユニット1500を提供する。結果的に、プローブユニット1502からの電子は、企図された調理油の安定化を引き起こすために十分な量で、槽壁1508の導電部分に到達する。図の代表的な実施形態において、連結アセンブリ1512は、弾力性のある可撓性材料でありかつ調理油と適合性がある、ステンレスチール、アルミニウム、又は他の好適な材料で作製されたほぼU形のばね付勢されたクリップ部材1512であってよい。クリップ部材1512は、主面1506aに取り付けられた近位端部分1514を有し、それに対向する遠位端1516を曲げて、槽壁1508の厚みを受容することができる。加えて、クリップ部材1512は、クリップが主面1506aから槽壁に電子を移動することも可能にするために導電材料で作製することができる。前述の構成は、使用者がプローブユニットを用いて多様な位置で多様な槽を改造据付することができることにおいて、汎用性がある。単一のクリップ部材が図示されているが、本明細書は、クラスプ、クランプ、及び同類のもののような(ただしこれらに限定せず)クリップの他の同等の構成体、並びに1つより多くのクリップの使用を想定するものであることが理解されるであろう。本実施形態は、解放式のタイプとして開示されているが、好適なファスナー(1つ又は複数)を用いて、より恒久的なやり方でクリップを槽壁に固定することができることが理解されるであろう。また、材料に通電するためのワイヤ(図示せず)を含む管1522をハウジングアセンブリに溶接することにより、外部の蒸気が管上に結露してハウジングアセンブリの内部に入ってハウジングアセンブリの構成要素に悪影響を与えて故障を引き起こすのを防ぐことができる。図示されていないが、本明細書は、近位部分1514の表面と槽壁との間に薄いプラスチックの吸収性材料を使用して、調理油蒸気があれば全て吸収することにより、それらの間のそのような材料の蓄積を軽減することを想定する。管1522が溶接され得ない状況では、この管を、ハウジングアセンブリ1504の頂上に位置づけるのでなくハウジングアセンブリの横側に接続することができる。そのようにすると、管の全長を伝わって滴下して重力の影響によりハウジングアセンブリと管との間の接合部(図示せず)からハウジングに入り得る調理油蒸気の結露の可能性が少なくなる。結果的に、故障を引き起こす水分が最低限になるので、安定化ユニットの貯蔵寿命を延長することができる。
【0107】
図16は、図15と同様の別の代表的な実施形態を図示する。代表的な本実施形態では、先の実施形態と同様のプローブ1602及び先の実施形態と同様の連結アセンブリ1604を含む、異なる構成の安定化ユニット又はアセンブリ1600が提供される。プローブ1602は平行六面体構成体を有するハウジングアセンブリ1606を含み、これは、先の実施形態より小さい断面積であり得、上述のように十分な量の移動される電子を生成するために上述のように通電する上述の種類の材料1607を含む。その壁1608は、連結アセンブリ1604に任意の好適なやり方で取り付けられてそれと緊密に係合し、それにより材料からの電子を移動させることができる。具体的には、連結アセンブリ1604は、図のように構成された遠位端を有する一対の対向するばね様の脚部分1610a、bを有するほぼU型の部材であり得る。1つの脚部分1610aは、その遠位端に隣接して適切に取り付けられたハウジングアセンブリ1606を有することができる。ハウジングアセンブリ及び連結アセンブリの材料は導電性であってよい。概して、脚部分1610aの長さによって、ハウジングアセンブリが調理油(cooling oil)より上にあるか、それに部分的に浸されるか、又は完全に浸されるかが決定される。あるいは、脚部分が槽内にはないが槽の外側又は外壁にあるようにしてプローブ1602を配置することができる。管1622が溶接され得ない状況では、この管を、ハウジングアセンブリ1606の頂上に位置づけるのでなくハウジングアセンブリの横側に接続することができる。そのようにすると、管の全長を伝わって滴下して重力の影響によりハウジングアセンブリと管との間の接合部(図示せず)からハウジングに入り得る調理油蒸気の結露の可能性が少なくなる。結果的に、安定化ユニットの貯蔵寿命を延長することができる。
【0108】
連結アセンブリのためのほぼU型のクリップを図示したが、他の同等の構成体を利用して好適な解放式接続部を得ることができる。あるいは、連結アセンブリは、槽壁に連結アセンブリを固定取り付けするための異なる種類の取り付け及び締結要素を含むことができる。
【0109】
図17は、本明細書の別の代表的な実施形態により作製された安定化ユニット又はアセンブリ1700を図示する。安定化ユニット1700は、一体式即ちワンピースのハウジングアセンブリ1706に含まれ得る一体式の一対の依存型低電圧プローブ部分1702、1704を含むことができる。他の実施形態と同様に、ハウジングアセンブリ1706は、電子を移動するための好適な導電材料で作製されている。上述の種類の半導体材料は、低電圧プローブ部分の材料を含んでもよい。ハウジングアセンブリ1706は、2つのほぼ平行な離間配置された対向する脚部分1708、1710を伴うほぼU型の構成体を有することができる。脚部分1708及び1710は、それぞれプローブ部分1702及び1704が収まるように構成される。脚部分1708及び1710は、図のように、槽壁部分1712の対向する側部にまたがり係合するように構成される。これに関して、脚部分に形成された開口部1720、及び壁の開口部(図示せず)とネジ協働可能なネジ付き締結要素1716又は同類のものを提供することにより、脚部分をしっかりと固定することができる。それらのそれぞれの表面1714a、bは、本明細書の教示と矛盾しない十分なやり方で電子の移動を実施するための多様な形及びサイズを有することができる。脚部分1702及び1704は、様々な量で下方に延びることができる。例えば、脚部分1702及び1704の1つ以上は、電子放出プローブ部分が調理油に完全に浸されるような長さであってよい。他の実施形態は、そのような部分の1つ以上が調理油に部分的に浸されるか又は全く浸されなくてもよいことを想定する。管1722が溶接され得ない状況では、この管を、ハウジングアセンブリ1706の頂上に位置づけるのでなくハウジングアセンブリの横側に接続することができる。そのようにすると、管の全長を伝わって滴下して重力の影響によりハウジングアセンブリと管との間の接合部(図示せず)からハウジングに入り得る調理油蒸気の結露の可能性が少なくなる。結果的に、安定化ユニットの貯蔵寿命を延長することができる。
【0110】
本明細書の別の代表的な実施形態を例示するために、図19を参照する。この実施形態では、異なる食品(図示されず)を処理するために、異なる調理油媒体(図示せず)が加えられ得るそれぞれのチャンバ1906a〜n(集合的に1906)を画定する複数の揚げ物調理槽1904a〜n(集合的に1904)を含む揚げ物調理システム1902に付随されるようにそれぞれが構成される、複数のプローブアセンブリ1902a〜n(集合的に1902)を制御するシステム1900が提供される。先に説明したものと同様に、槽壁は本明細書の趣旨及び範囲と矛盾しない導電性材料で作製され得る。プローブアセンブリは、調理油に電子を導入するための上述のものと同様のものでよい。プローブアセンブリ1902c、nは、例えば、それぞれの槽壁の側壁1907と係合するようなサイズで、プローブ950f(図9で説明した)と同様の方式で作製され得る。プローブアセンブリ1902a、bを、調理油(図示せず)の上に直接に懸架するか、又は部分的若しくは完全に浸され得るように配置することができる。全てのプローブアセンブリ1902は、調理油に対する所望の位置を達成するように様々な高さに架けることができる。単一のプローブアセンブリが各槽に付随されるが、各槽に他の好適なプローブアセンブリを利用できること又はプローブアセンブリを適用する必要はないことが理解されるであろう。また、図示されていないが、プローブアセンブリは槽の外壁表面に接続されてもよい。プローブアセンブリは、異なる構成及びサイズを有することもできる。プローブアセンブリ1902は全て、プローブアセンブリの材料(図示せず)にワイヤを運ぶ管1908の遠位端にある。プローブアセンブリの近位端で、内側ネジ連結部のような連結具1910を使用して、本明細に記載したようにプローブアセンブリを支持するための支持アセンブリの一部として働く中央導管1912に接続される外部嵌め合い(図示せず)と協働させることができる。ネジ接続部を用いて中央導管1912と連結具1910を接合するが、他の好適な機構及びアプローチを使用してもよい。あるいは、プローブアセンブリ1902を中央導管1912に固定接続してもよい。中央導管1912は、槽の一端からもう一方の端まで延在することができ、クランプ1914a、b、又は他の好適な同様の保持システムによって固定される。中央導管1912は、好適な金属、プラスチック、及び同類のもののような剛性材料であってよい。中央導管1912は、連結具1910の内側ネジと協働する外部ネジ嵌め合い(図示せず)を有することができる。そのような嵌め合いは、中央導管1912の内部で運ばれるそれぞれのプローブのワイヤの通過を可能にする。単一の細長い部材として中央導管を図示したが、中央導管はセグメント部分から作製されること及び/又は可撓性の材料で作製されること及び/又は非直線部分を有することができる。プローブアセンブリのそれぞれを制御するために提供される配線1918を介してコントローラ1920を連結することにより、言及したように電圧を変動させること、及びプローブアセンブリへの電力を「オン」/「オフ」することができる。コントローラは、好適な手動及び/又は自動制御装置を有することができ、プローブアセンブリのそれぞれを本明細書の趣旨及び範囲にしたがって制御することを可能にする。
【0111】
本明細にしたがった改造を可能にするやり方でプローブアセンブリ2002a〜n(集合的に2002)を含むシステム2000を据付及び制御するために使用される代表的な実施形態を例示するために、図20〜28を参照する。
【0112】
図20は、プローブアセンブリ2002を含む据付けられたシステム2000を図示し、このシステムは、複数の揚げ物調理槽2005a〜n(集合的に2005)を含む揚げ物調理システム2004と組み合わせて使用することができる。言及したように、本明細書は、異なるサイズ及び形、並びに食品処理システムと動作する自動フライバスケットのような異なる動作構成要素(図示せず)を有する調理/揚げ物調理システムのような、多くのタイプの食品処理システムと組み合わせて使用可能なものである。システム2000及び前記システムの据付け方法が、複数のプローブアセンブリ2002a〜n(集合的に2002)を利用する揚げ物調理システムなどの、汎用性があり低コストでありながら容易な改造を可能にすることは、明確であろう。プローブアセンブリ2002は、複数の既存の揚げ物調理槽2005の既定の位置に位置づけられるように構成されるので、プローブアセンブリは、本明細書の原則と矛盾しない操作条件を満たす。加えて、システム2000は、容易な改造据付を容易にし、かつ槽及びプローブアセンブリ自体の洗浄を容易にする。プローブアセンブリ2002は、槽及び調理油に低電圧を導入するための先に説明したものと同様であってよい。
【0113】
プローブアセンブリ2002は、先の代表的な実施形態に関して上述したようなプローブアセンブリと同様であってよい。1つの相違は、プローブアセンブリ2002が、図示したような概してパドル型の平行六面体構成を有するプローブ本体2010を有し得、約90°のような制限された量を通過して縦軸を中心に回転するように構成され得ることにより、プローブアセンブリが移動して、例えば直交に配置された槽の側壁と選択的に係合することができることである。パドル様プローブ本体2010のそのような回転は、多様な槽に改造据付される本実施形態の汎用性を強化する。
【0114】
揚げ物調理槽2005は、例えば異なる食品(図示せず)を処理するために調理油媒体(図示せず)を追加することができるそれぞれのチャンバ2006a〜n(集合的に2006)を画定することができる。各槽の槽内壁2007a〜n(集合的に2007)は、先に説明したようなものと同様であり、概して、少なくともその大半部分を覆う導電性表面を有する。プローブアセンブリ2002は、プローブ950f(図9で説明した)と同様の方法で側壁2007と係合するように構成されてもよい。また、プローブアセンブリ2002は、調理油に部分的に又は完全に浸された(図示せず)構成に配置される一方で、側壁と電気的に接触することができる。各槽とともに単一のプローブアセンブリを図示したが、1つより多くのプローブアセンブリを懸架できること、ないしは単一の槽に接続できることが理解されるであろう。また、図示されていないが、プローブアセンブリ2002は、各槽の外壁に取り付けることも可能である。言及したように、プローブアセンブリ2002は、先に図示したような種類の構成のような(ただし限定せず)異なる構成を有することができる。本明細書のプローブアセンブリ2002は、図示したプローブアセンブリのサイズ及び構成に限定されないことが理解されるであろう。
【0115】
プローブアセンブリ2002は全て、ワイヤをプローブアセンブリ2002内のイオン生成材料(図示せず)に運ぶ縦の支持管2008の遠位端にネジ接続により連結され得る。図22に図示するように、支持管2008の近位端には、概して水平に配置可能な中央の支持導管部材2012のネジ付き開口部(図示せず)とネジ係合するためのネジ付き接続部2008aが設けられる。支持管2008及び中央の水平に配置可能な支持導管部材2012は、それが支持する支持アセンブリ2009及びそこから懸架され得るプローブアセンブリ2002の一部として働く。そのような支持アセンブリ2009は、導管部材2012から概して延出し、概して直立した関係で、槽上で支持される前記水平に配置可能な支持部材に対応して、前記水平に配置可能な支持部材の長さに対してそれに沿って依存するように配置される延出した支持部材として作用する、管2008を含む。
【0116】
支持管2008のそれぞれは、その端に隣接するプローブアセンブリ2002のうちの対応する1つの頂上部分にある内部ネジ嵌め合い(図示せず)に遠位端2008bでネジ接続され得る。そのようにすると、使用者又は作業者は、管の縦軸に対して制限された特定の量だけ各プローブアセンブリを回転することができ、それによって、例えば、槽の角に配置されたプローブアセンブリ2002を選択的に移動して、直交に配置された槽の側壁2007と係合させることができる。あるいは、ネジ付き連結具以外のものによって遠位端部分2008bをプローブアセンブリ2002に連結して、その相対的回転を可能にすることができる。加えて、本明細書は、遠位端2008bをプローブアセンブリに溶接できると想定する。本明細書は、ある配向においてプローブアセンブリ側壁がそれぞれの槽の側壁の1つと係合し、例えば90度回転されたときに、もう1つの対向するプローブアセンブリ側壁がもう1つの槽側壁と係合することができるように、パドル形のプローブアセンブリ2002を回転できる、代表的な一実施形態を想定する。本明細書は、単一のプローブアセンブリの対向する壁部分が対応する異なる槽側壁と係合することができるように、プローブアセンブリを選択的に回転するための他の角度範囲を想定する。プローブアセンブリ2002自体は、平らな側壁を有さずに外向きにたわんだ壁を有してもよい。
【0117】
システム2000は、先の実施形態で言及したようにプローブアセンブリ2002のそれぞれからコントローラ2020に運ぶ管部材として構築され得る中央支持部材2012又は中央支持導管部材2012を含む。コントローラ2020は、その構造及び機能においてコントローラ1920(図19)と同様であり得るので、その説明はこの実施形態に必要ないと考えられる。中央支持部材2012又は導管2012は、線状に離間配置された間隔でネジ付き開口部(図示せず)を有して、プローブアセンブリ2002に接続された管2008とネジ協働するように構築することができる。あるいは、中央支持部材2012は、いくつかの異なる構成要素が終端間の関係で1つにつながれたものとして作製してもよい。中央支持部材2012は、図示したように、中央支持部材2012の端及び揚げ物調理システム2004の端に接続可能なブラケット2014a、b、又は同類のものによって支持又は連結することができる。ブラケット2014a、bは、中央支持部材2012をその長手方向軸を中心に回転することを可能にするタイプであってよい。そのようにすると、回転によって、そこに取り付けられたプローブアセンブリ2002が槽側壁2007から上へ離れるように回転されることができる。このようにすると、揚げ物調理槽2005及びプローブアセンブリ自体をより容易に洗浄することができる。多様なブラケット及び同類のものを使用して、槽システムに対して中央支持部材2012を支持することができる。あるいは、中央支持部材2012を、ブラケットアセンブリの助けなしに単に槽の上で支えてもよい。
【0118】
ここで再び、支持管2008のネジ連結具2008a、bを参照する。例えば、ネジ連結具のいずれか1つ又は両方は、所望の配向でプローブアセンブリをしっかりと固定した後でさえも4分の1回転(90度)のような制限された量だけプローブアセンブリを回転することを可能にすることができる。例えば、これを達成するための1つの好適なタイプのネジ連結具は、National Pipe Thread Tapered(即ち、NPT)パイプネジ嵌め合いのような、先細のネジ連結具として既知であり、容易に市販により入手可能である。先細のネジは、トルクされたときのシールの形成を可能にする。この種類のネジ連結は経済的なだけでなく、調理油、蒸気などが中央支持部材2012に入らないようにシールするシーリング効果も提供する。そのようなネジ付きパイプ嵌め合い又は連結具が利用されるが、プローブアセンブリ2002の固定及びシーリングを容易にする一方でプローブアセンブリの選択的回転を可能にするその他の種類のネジ嵌め合い又は連結具を使用してもよい。このようなその他のタイプのネジ連結具としては、UNC及びUNFシリーズネジ連結具が挙げられるが、これらに限定されない。先細ネジ連結具でシーリングを提供するほかに、ガスケット(図示せず)及びOリング(図示せず)又は他の類似の装置によってシーリングを実施することもできる。あるいは、中央支持部材2012のネジ付き開口部と係合可能なネジ連結具2008aの代わりに、別の連結構成が提供される。これに関して、図28を参照して、支持部材2012に溶接可能なハブ2011を含む連結部を例示する。ハブ2011は、プローブワイヤに中を貫通させる中央内部ネジ付き開口部(図示せず)を含む。管2008のネジ付き端部2008aは、中央内部ネジ付き開口ハブとネジ係合される。回転のためにロックナット2015をネジ付き端部2008aに取り付けることができる。ロックナット2015を緩めることにより、管及びパドルを回転して任意の所望の位置にすることができる。周知のやり方で、ロックナット2015を締め、ハブ2011に係合する際に管2008が更に回転しないよう防ぐ。このようにすると、管2008をその長手方向軸に対して任意の所望の角度配向にロックすることにより、プローブアセンブリ2002を、槽側壁に係合した所望の配向でロックすることができる。また、本明細書は、スナップ嵌め合い及び同類のものを含む他のアプローチにより連結を提供することも想定する。
【0119】
プローブアセンブリ2002は、導電性ばねクリップ2022のような1つ以上のばね付勢された導電要素2022を含むことができる。導電性ばねクリップ2022は、食品とともに使用可能であるための要件も満たす、好適な導電材料で構築される。そのような材料の1つはステンレススチールである。当然、本明細書の教示と矛盾しない他の好適な材料を提供してもよい。導電性ばねクリップ2022は、図23、24、26、及び27に図示されているタイプのようなたわんだ構成を有して、プローブアセンブリのプローブ本体の縦平面から離れるように延出することができる。図27では、ばねクリップ2022を、プローブの長手方向の側壁に沿ってでなく端部分に接続することができる。導電性ばねクリップ2022は、プローブアセンブリが槽側壁と係合して導電性になることを可能にするように構成及びサイズが選択される限りは、他の配向をとってもよい。ばねクリップのたわみは、槽側壁と接触するように所望のようにプローブアセンブリが配向されたときに、意図された配向にあるプローブアセンブリと槽側壁との間の隙間又は不整列を補正する。また、プローブハウジングの側壁に取り付けられた単一の導電性ばねクリップが図示されているが、1つより多くの導電性ばねクリップを設けてもよい。図の代表的な実施形態では、ばねクリップはプローブハウジングの下に配置されているが、ばねクリップは、プローブハウジングのすぐ隣に配置するなど、プローブアセンブリに対する他の位置で配置されてもよい。図の代表的な実施形態の導電性部材はばねクリップであってよいが、そのような導電性部材がばね付勢される必要はない。したがって、ばね付勢された導電性要素2022は、正しく整列されていないプローブアセンブリの不整列があれば補正して、壁部分と接触させて、上述の利点のためにプローブアセンブリの低電圧を確実にそれに移動させる。
【0120】
図24を参照して、据付用システムが、中央支持部材2012に取り付けられる保持アセンブリ2400を含むことによって槽仕切り壁2414に近接して配置できることを例示する。保持アセンブリ2400は、中央支持部材2012を固定した位置に概して保持する働きをし、その結果、隣接する槽側壁と係合したプローブアセンブリ2002をそのような位置に保持する。保持アセンブリ2400がいくつかの異なる構成体を有することができ、この図の代表的な実施形態では、中央支持部材2012上で摺動自在なスリーブ2426を含むことが理解されるであろう。スリープ2426は、セットスクリュー2428によって位置づけられる。スリーブ2426に依存している保持要素2430は、槽仕切り壁2414と係合するように構成されるばね付勢クリップ2432を含んでもよく、一方、プローブアセンブリは槽側壁と係合される。このようにすると、プローブアセンブリを所望の位置に安定させることを可能にする構成が提供される。
【0121】
次に、図21を参照して、特定のサイズの揚げ物調理システムに改造据付され得るシステム2000(図20)に適切な構成体を予め決定するために、本明細書と矛盾せずに使用され得る定型アセンブリ2110を例示する。実際の改造据付システム2000は、定型アセンブリ2110の最終構成体の使用に基づく場合がある。本明細書の定型アセンブリ2110は、異なる長さであり得る複数の嵌め合い管パイプ支持部分2112a〜n、即ち支持セグメント2112a〜n(集合的に2112)からなる定型支持部材2111を備えることができる。これに関して、異なる支持定型セグメント2112のそれぞれの対向する長手方向の端部分は、噛み合う管状の支持定型セグメント2112内に適切に滑入摩擦係合されるように先細に(図示せず)されてもよい。異なる長さの支持定型セグメント2112を使用して、終端間の関係において選択的に接続し、システム2000で改造される槽の構成と一致する全長を達成することができる。理想的には、支持定型セグメント2112は、改造される槽のサイズ及び間隔にかかわらず、定型アセンブリ2110を多様な槽に合わせてより容易に調整することを可能にするために異なる長さを有することができる。この実施形態では、物理的接触によって互いに連結される関係にあるセグメントを開示しているが、セグメントが互いに物理的接触に依存するかどうかにかかわらず、例えばブラケット及び同類のものなど追加的な連結装置を使用して、分離した定型セグメントを接合してもよいことが理解されるであろう。
【0122】
定型セグメント2112は、測定目的のために提供されるグラデーションマーキング2114を有することができる。グラデーションマーキングのほかに、他のアプローチを使用して、プローブアセンブリ2102を位置づけて槽側壁と係合させる定型支持部材2111に沿った位置を測定してもよい。あるいは、定型アセンブリ2110の定型支持部材2111は、複数の構成要素で作製されなくてもよく、むしろ多様な断面形を有する棒のような単一の支持部材2111を含むことができる。
【0123】
定型アセンブリ2110が、槽に対するプローブアセンブリ2002の適切な位置を決定するために、定型アセンブリ2110は、スリーブ2120として、支持部材2111の全長に沿って摺動可能な1つ以上の支持装置2120を含むことができる。支持装置は、それに連結され、支持要素2122又は支持棒2122によってそれに依存する、単一のプローブアセンブリ2102を有することができる。支持部材2111上のプローブアセンブリ2102の交換式取り付けを提供して、プローブアセンブリを調整して槽側壁に係合できるよう、摺動可能なスリーブの代わりに多様な他の構成体を提供できることが理解されるであろう。使用に際しては、改造される槽(図示せず)の側壁にプローブアセンブリ2102が隣接するまでスリーブ2120を支持部材2111に沿って滑らせることができる。この隣接した位置は、支持部材2111の全長に沿ったどの点で中央支持部材2012にプローブアセンブリ2002を配置すれば改造された槽壁に係合することができるかを示す。支持部材2111は据付のためにシステム2000の中央支持部材2012と長さにおいて同様となるように概して構成されることが理解されるであろう。使用者は将来の使用のために中央支持部材2012上にプローブアセンブリ2002を正確に位置決めすることができるよう、測定を行い、そのような位置及び測定値を事前に記録することができる。そのようなプロセスは、槽に隣接する位置にある全てのプローブアセンブリ2102の位置が記録されるまで繰り返される。更に、プローブアセンブリ2102が実際のプローブアセンブリである必要はなく、実際のプローブアセンブリを模倣してその代用として使用されるように設計された物体又は複製であってもよいことが理解されるであろう。そのような代用複製又はプローブアセンブリは、ばねクリップ電気コネクタも含むことができる。また、プローブアセンブリ2102は、支持棒2122に沿って垂直に移動可能であってよい。支持棒2122はその上にマーキング2123を有することができ、それによって、複製プローブアセンブリ2102を支持棒に対して縦に調整することが可能になり、槽内のどの距離までプローブアセンブリを懸架するかを決定することができる。
【0124】
したがって、定型アセンブリ2110は、改造据付の目的で使用できる据付システムを形成するために模倣して同じようなサイズに作られる実物大模型据付アセンブリの既成の容易な構成体を可能にする。そのようにすると、作業者は、単に定型アセンブリを複製することによって、比較的単純なやり方で、実際の据付システムに関する測定を行うことが可能となる。言及した定型アセンブリ2010を使用する改造据付手順が、有利なことに、据付を行う者が測定に多大な時間を費やさずに比較的高い正確さでプローブの配置を行うのを可能にすることが、理解されるであろう。更に、定型アセンブリを製造のために出荷することができるように、1つ以上の依存要素を細長い支持装置に、プローブアセンブリの所望の位置に対応する位置で付加した後に、定型アセンブリを最終的な配向でロック又は固定することができる。
【0125】
図25を参照し、システムを揚げ物調理システムに据付けるための別のアプローチを例示する。システム2000において、中央支持部材2012は揚げ物調理システムに直接接続されて、図のような構造及び相対的サイズを有する1つ以上のブラケット2030によって、揚げ物調理槽2005の上を渡るように配置される。ブラケット2030はチャネル2032を含み、このチャネルに中央支持導管2012が配置されて中央支持導管2012を支持することができる。ブラケット2030は、槽の側壁2007の1つに対して保持され摺動するように構成される垂直の部分2034を含むことができる。ブラケット2030は異なる構成を有することができ、異なる装置を用いてそれを定位置に保持することができる。ブラケット2030は、ネジ付き部材(図示せず)によって側壁に個別に取り付けることができるか、又は図のように定位置に保持され得、フライバスケットブラケット2040に対して垂直に移動可能であり得る。フライバスケットブラケット2040は、組み立てられたときにブラケット2030に係合する水平部分2042を含み、フライバスケット(図示せず)の縁部を保持するように構成される別の部分2044を含むことができる。本明細書が槽システムに対して導管2012を固定するための他のアプローチも想定することが理解されるであろう。
【0126】
図26に図示するように、プローブアセンブリ2600は、摺動装置2606に取り付けられたばね付勢された導電要素2604を設けるプローブ本体2602を含む。摺動装置と導電要素はどちらも、プローブによって生成される槽側壁への低電圧の流れを可能にする材料で作製される。摺動装置はまた、食品と適合性のある材料で作製される。ばね付勢された導電要素2604は、ばねクリップでもよく、図のものと同様の構成体を有してもよく、又は上述のように他の構成体を有してもよい。摺動装置2606は、プローブ本体2602に対してスライドに連結することができ、セットスクリュー2608又は同類のものによって所望の位置に固定される。摺動装置2606は、プローブ本体2602の対向する端部を抱持する構成を有することができる。他のばね付勢された導電要素2604を追加してもよい。摺動装置2606は取り外し及び交換が可能であるので汎用性があり、それにより、導電要素2604をプローブアセンブリの対向する側壁に位置づけることができる。
【0127】
本明細書にしたがった改造を可能にするやり方でプローブアセンブリ2902a〜n(集合的に、2902)を据付けるために使用される他の代表的な実施形態を例示するために、図29〜36を参照する。先の実施形態のように、システム2900は、容易な改造据付を可能にし、かつ槽並びにプローブアセンブリ自体の洗浄を可能にする。
【0128】
図29は、システム2900が、例えば異なる食品(図示せず)を処理するために調理油媒体(図示せず)を加えることが可能な複数の揚げ物調理槽2905a〜n(集合的に、2905)を含む揚げ物調理システム2904のような食品処理システム2904との組み合わせにおいて使用されるプローブアセンブリ2902を含むことができることを、図示している。各槽の内壁2906a〜n(集合的に、2906)は、先に説明したようなものと同様であり、概して、少なくともその大半部分を覆う導電性表面を有する。言及したように、本明細書は、異なるサイズ及び形、並びに食品処理システムと動作する自動フライバスケットのような異なる動作構成要素(図示せず)を有する調理/揚げ物調理システムのような、多くのタイプの食品処理システムと組み合わせて使用可能である。
【0129】
また、プローブアセンブリ2902は、内壁と電気接触されている間に調理油に部分的に又は完全に浸される(図示せず)ように構成され得る。プローブアセンブリ2902は、低電圧を槽及び調理油に導入するための先の実施形態で説明したものと同様のものであってよい。言及したように、プローブアセンブリ2902は、これまでに記載及び/又は例示した種類の構成のような(ただしこれらに限定せず)異なるサイズ及び構成を有することができる。本明細書のプローブアセンブリ2902は、例示したサイズ及び構成に限定されない。図33に図示するように、プローブアセンブリ2902は、導電ばねクリップ2937のような1つ以上のばね付勢された導電要素2937によって囲まれてもよい。他の代表的な実施形態のように、ばねクリップ2937は、プローブ本体2938を囲むために解放式に接続され得る。したがって、ばね付勢された導電要素2937が、据付け中に適切に整列されていないプローブアセンブリの不整合があれば補正して、内壁部分と接触させ、上述のような利点のためにプローブアセンブリの低電圧がそこに確実に移動されるようにする。
【0130】
この代表的な実施形態では、単一のプローブ2902が揚げ物調理槽2005のそれぞれと協働するように構成されることができる。図のように、一対の横方向に延在する端プローブ部分2902a、2902a;2902n、2902nは、槽のそれぞれの後方の(図29の観点で)内壁2906aと協働するように構成される。各槽に単一のプローブアセンブリ2902が図示されているが、任意の好適な数のプローブアセンブリ2902を設けることができる。各プローブアセンブリは、中央ホルダー2908a〜n(集合的に、2908)を含む。中央ホルダー2908は、食品との使用に好適な、ステンレススチール又は他の同類の材料のような導電性材料で作られた中央クランプ又はクリップ部材であってよい。中央ホルダー2908は、プローブアセンブリ2902にとともに、後方の内壁2906aと接触して、本明細書の教示に矛盾しない電子を分布することができる。あるいは、クリップは導電性材料で作られていなくてもよい。中央ホルダー2908を端部が中空の構成体で作製し、そこにプローブアセンブリを嵌合することができる。中央ホルダー2908には、プローブアセンブリ2902を保持及び留保するための他の構成体、固定形態、及び材料が想定される。中央ホルダー2908を連結管2910にネジ連結することができ、それを通して各プローブアセンブリ2902から中央支持部材又は導管2912に及びコントローラ(図示せず)へ配線(図示せず)することが可能になるが、上記実施形態で説明したものと同様である。連結管2910は、対向する端部分でネジ取り付けされてよく、又は溶接などの上述のものを含む他の好適なアプローチによって連結されてもよい。
【0131】
図示された代表的な実施形態のプローブアセンブリ2902は概して揚げ物調理槽2905の中央に配置されていることに注意されたい。しかし、プローブアセンブリ2902は、本明細書の原則と矛盾しない操作条件を満たすように、複数の既存の揚げ物調理槽2905の他の既定の位置に配置されるように構成される。例えば、本明細書の据付システムでは、プローブアセンブリ2902は、プローブ950f(図9に記載)と同様の方法で外壁2907(図29)と係合するようなやり方で支持され得る。
【0132】
装着されたときに概して直立の支持管2910、及び装着されたときに水平に配置可能な支持部材2912、即ち導管部材2912は、プローブアセンブリ2902を支持する支持アセンブリ2914の一部として働く。中央支持部材2912は、プローブアセンブリ2902に接続された支持管2910とネジ協働するために、線状に離間配置されたネジ嵌め合い(図示せず)とともに構築され得る。そのような支持アセンブリ2914は、導管部材2912から概して延出した支持管2910を含む。この図の代表的な実施形態では、先の実施形態で言及したように、支持部材2912は多角形部材として構築されることができ、プローブアセンブリ2902のそれぞれからコントローラ(図示せず)にプローブワイヤ(図示せず)を運ぶが、他の実施形態で説明したものと同様である。図の実施形態では、支持部材2912は、概して正方形の断面を有することができる。支持部材2912は、離間した長手方向の間隔に、断面が低減されたセンタリング部分2920を有し、これが後に説明するようなやり方で支持部材2912と協働して、後者がその長手方向軸に沿って線状変位をしないように横方向に拘束する。構成要素の寸法及び相対的なサイズが例示を目的としていること、例えば、低減されたセンタリング部分が図示されているよりも浅く作られ得ることが理解されるであろう。単一の片として図示されているが、支持部材2912は接合可能な構成要素で作製されてもよい。
【0133】
引き続き、図29及び30、並びに図31、32、及び34を参照する。代表的な一実施形態における支持アセンブリ2914は、槽仕切り壁2926の頂上に接続可能な取り付けブラケット部材2924又は同類のものを含む。代表的な一実施形態では、ブラケット部材2924は、中央支持部材2912がその長手方向軸を中心に回転することを可能にし、かつそれを線状変位せずに中心に位置づけるタイプのものであり得る。支持部材2912の回転を可能にするために、使用者は後者を持ち上げて90度又は180度回転させて、それに対応してプローブアセンブリを回転させることになる。そのようにすると、そこに取り付けられたプローブアセンブリ2902が回転によって上に回転して後方内壁2906aから離れることが可能になる。このようにすると、揚げ物調理槽2905及びプローブアセンブリ自体をより容易に洗浄することができる。多様なブラケット及び同類のものを使用して、槽システムに対して中央支持部材2912を支持することができる。代表的な本実施形態では、取り付けブラケット部材2924は、ほぼU型の付勢クリップ又は締め付け部分2928及び一対の直立して離間配置された突出要素2930、2932を含むことができる。締め付け部分2928は、仕切り壁2926に取り付けられるように構成されて、プローブアセンブリ2902を任意の位置(図の位置を含む)で摩擦係合して保持し、それにより支持部材2912は、揚げ物調理槽の後方内壁に直接に隣接する。
【0134】
図1、29、及び31に図示したように、突出要素2930、2932は、支持部材2912のセンタリング部分2920を取り外し可能に受容するための距離を空けて離間され得る。センタリング部分の全ては突出要素2930、2932の間に配置可能であり得る。水平配置可能な支持部材2912の中心合わせを確保するために、センタリング部分2920の両側部にあるその肩部分2934(図31、32を参照)は、突出要素2930の側縁部と係合し得る。また、図の実施形態における突出要素2932は、図34に図示されるように、支持部材又は導管2912の回転を可能にするために、突出要素2930より短くてよい。加えて、代表的な実施形態では、突起が突出要素2930の開口部2960を通って嵌る際に支持部材又は導管2912をセンタリングする目的で、溶接ボス又は突起2950をセンタリング部分に、又はセンタリング部分でない部分にでさえも、取り付けることができる。本明細書の実施形態に記載した支持部材又は導管2912の挿入、取り外し、及び回転を可能にするために、突出要素の1つ以上が比較的可撓性でありってよいことが理解されるであろう。更に、図34に図示されるように、回転は、ばねクリップ2937を含み得るプローブアセンブリ2902が、図のようにオフセットした配向を有する揚げ物調理機の槽の内壁を係合することを可能にする。突起2950と同様の突起の他の位置及び数が提供されてもよい。例えば、1つ以上の突起を、突出要素2930が側方係合するように位置づけることができる。突起のサイズ及び形は、本明細書の教示と矛盾なく変更され得る。支持部材2912の側方中心合わせが想定されるが、本明細書は、それが必要ない場合も想定する。そのような場合は、プローブアセンブリは、槽の別の側壁と接触することができる。2つの側壁との接触が想定されるならば、先の実施形態で説明したプローブアセンブリを使用することができる。
【0135】
図35及び36を参照して、本明細書の別の代表的な実施形態を例示する。この実施形態は、複数の互い違いの穴又は開口部2942を有する本体部分を有する取り付けブラケット2940を含む。取り付けブラケット2940は、保持部材(図示せず)によって例えば後方内壁に対して保持されるように構成される。取り付けブラケット2940は、取り外し可能にそこに支持部材2912を受け入れるための保持部分2944を有する。保持部分2944もまた、ばねクリップ又はクランプであってよい。取り付けブラケット2940は、想定される目的のために好適な材料で作製され得る。取り付けブラケット開口部2942は、槽の深さに対してプローブアセンブリ(図示せず)を垂直に位置づけることを可能にする。取り付けブラケット2940を上述のブラケットとともに使用する必要がないことが理解されるであろう。
【0136】
上記のシステムを据付ける方法は、図における観点から槽幅の中間を測定する工程を含む。取り付けブラケットは槽の仕切り壁に配置され、後方内壁に対して摺動される。支持部材2912は、突出要素2930、2932の間に取り付けられ、プローブアセンブリ2902が槽の中心に移動されるまで摺動される。明白なように、システム2900及び前記システムの据付け方法は、汎用性があり低コストでありながらも、複数のプローブアセンブリ2902を使用する揚げ物調理システム又は同類のものの容易な改造据付を可能にする。
【0137】
上記の実施形態について、特定の順序で達成されるように説明してきたが、そのような作業の順序が変更され得、なお本明細書の範囲内であり得ることは理解されるであろう。例えば、例示した一実施形態は、最初の読み取り値を得るために試験ガスを適用する前にガスモニターの最低限の検証値が満たされなくてはならない、一式の試験プロトコールを説明している。ガスセンサーアセンブリの試験を実施するためにそのような予備的手順に従う必要はないことが理解されるであろう。また、他の手順を加えることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品処理媒体の劣化を抑制する方法であって、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、前記導電性部分と接触している食品処理媒体を有する前記導電性部分と関連付けられる半導体材料を含む低電圧源からの電子源を付加する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
食品処理媒体の劣化を抑制するシステムであって、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器と、前記導電性部分の表面からの電子を前記導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、前記導電性部分と関連付けられる1つ以上の電子源と、を備える、システム。
【請求項3】
食品処理媒体の劣化を抑制する方法であって、食品処理媒体を収容するために1つ以上の槽を有しかつ前記1つ以上の槽のそれぞれに少なくとも1つの導電性部分を有する容器を提供する工程と、食品処理媒体の劣化を抑制するため前記導電性部分の表面からの電子を前記1つ以上の槽の前記導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、前記導電性部分を、容器から独立して、1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含む、方法。
【請求項4】
食品処理媒体の劣化を抑制する方法であって、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、前記導電性部分の表面からの電子を、前記導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、前記導電性部分を1つ以上の電子源と電気的に連結することによって電子を付加する工程と、を含み、前記1つ以上の源が前記容器に収容されている食品処理媒体から分離され離れている、方法。
【請求項5】
食品処理方法であって、質と相関する既定値を得るために食品処理媒体の少なくとも質パラメータをモニタリングする工程と、前記食品処理媒体の劣化を抑制するために前記既定値に応答して前記食品処理媒体に電子を付加する工程と、を含む、食品処理方法。
【請求項6】
食品処理システムであって、食品処理媒体を保持するように構成された食品処理装置と、質と相関する既定値を得るために食品処理媒体の少なくとも質パラメータをモニタリングするためのモニタリングアセンブリと、前記食品処理媒体の劣化を抑制するために前記既定値に応答して食品処理媒体に電子を付加するように動作可能な安定化アセンブリと、を備える、食品処理システム。
【請求項7】
調理油を保持するための共通の壁で仕切られた少なくとも第1のチャンバと第2のチャンバを画定するための一部分を有する少なくとも1つの壁を含む容器と、プローブが調理油内にあるように前記第1と第2のチャンバのそれぞれにおいて前記プローブを支持するために前記共通の壁に装着可能なプローブ支持アセンブリと、を備え、前記プローブ支持アセンブリが、前記第1と第2のチャンバのうち少なくとも1つに挿入可能な容器の下のある位置において前記プローブを支える、システム。
【請求項8】
導電性部分を含む支持壁によって部分的に画定された槽内の調理油媒体に電子を付加するためのプローブアセンブリであって、前記プローブアセンブリが、ハウジングアセンブリと、その通電に応答して電子を供給するための前記ハウジングアセンブリ内の材料であって、前記材料への電子の移動のために前記材料が前記ハウジングアセンブリの少なくとも一部分と導電性の関係にある、材料と、前記ハウジングアセンブリを支持壁上で固定及び支持するための、前記ハウジングアセンブリ上の連結アセンブリであって、それによって電子移動部分が前記支持壁の前記導電性部分と導電関係になる、連結アセンブリと、を備える、プローブアセンブリ。
【請求項9】
複数のプローブアセンブリを複数の槽を有する揚げ物調理機に対して実装するために適応されるシステムであって、前記システムは、複数のプローブアセンブリと、前記プローブアセンブリの1つ以上が前記槽の対応する少なくとも1つと協働するように前記プローブアセンブリのそれぞれを支持するための支持アセンブリと、を備え、前記支持アセンブリは前記揚げ物調理機に取り付け可能であり、前記プローブアセンブリは前記支持アセンブリに連結される、システム。
【請求項10】
異なる調理油媒体を加えることが可能な複数の槽を含む揚げ物調理システムに関連付けられるように適応される複数のプローブアセンブリを制御する方法であって、
それぞれが独立して動作する複数のプローブアセンブリを提供する工程と、
前記プローブアセンブリのそれぞれを、前記プローブアセンブリの1つ以上が前記槽の少なくとも1つと動作可能に関連付けられるように前記揚げ物調理システム上に支持する工程と、
前記プローブアセンブリの動作を制御する工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
食品処理媒体の劣化を抑制する方法であって、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器を提供する工程と、前記容器と一体化され、前記導電性部分と関連付けられ、かつ前記導電性部分と接触している食品処理媒体を有する半導体材料を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項12】
食品処理媒体の劣化を抑制するシステムであって、食品処理媒体を収容し、少なくとも1つの導電性部分を有するための容器と、前記容器と一体化され、前記導電性部分の表面からの電子を前記導電性部分と接触している食品処理媒体に付加するために、前記導電性部分と関連付けられる1つ以上の電子源と、を備える、システム。
【請求項13】
側壁を有する1つ以上の槽を有する食品処理システムを改造するための据付システムであって、
槽によって支持されるように適応される概して水平に配置可能な支持部材を含む支持アセンブリと、概して直立した関係で、槽上で支持される前記水平に配置可能な支持部材に対応して、前記水平に配置可能な支持部材の長さに対してそれに沿って依存するように配置される少なくとも1つ以上の概して延出した支持部材であって、前記1つ以上の延出支持部材のそれぞれが、前記水平に配置可能な支持部材にその一端で連結される、延出支持部材と、
前記1つ以上の延出支持部材のもう一方の端に連結され、槽の側壁と係合可能に配向される、少なくとも1つのプローブアセンブリと、
を備える、据付システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2011−516173(P2011−516173A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503158(P2011−503158)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/039242
【国際公開番号】WO2009/146092
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】