説明

食品包装のための印刷された可撓性フィルム

可撓性食品包装フィルムの主要な面上の印刷されたイメージは、セラックバリアコーティングによって覆われる。本発明は、食品包装フィルムであって、この食品包装フィルムは、酸素および水蒸気浸透に対して、紙よりも良好な耐性を示す材料から作られる可撓性フィルム基材を含み、上記可撓性フィルム基材が、一対の向かい合った主要な面、少なくとも1つの主要な面上に印刷されたイメージ、および印刷されたイメージを覆うバリアコーティングを有し、上記バリアコーティングが、水蒸気不透過性、有機物由来、食品適合性フィルム形成材料を含む、食品包装フィルムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
2009年8月29日に出願された米国仮特許出願第61/236,907号に対して、優先権が主張され、その開示は、本明細書中で参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
本発明は、印刷されたイメージを有する可撓性フィルムの形態の食品包装材料に関する。
【0003】
改善されたバリア特性を有する食品包装フィルムを提供するために、2つまたはそれより多くの合成樹脂の多層フィルムが通常使用される。例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対して積層された共押出ポリエチレン/ポリプロピレン(「coex」)、LDPE(低密度ポリエチレン)に対して積層されたPET、およびcoexに対して積層された金属化PETが挙げられる。他のこのような多層食品包装フィルムは、ナイロン、金属箔、ならびにエチレン酢酸ビニルポリマーおよびコポリマーから形成され得る。
【0004】
印刷されたイメージを有するこのような積層された包装フィルムを提供することが所望される場合、イメージは、通常、フィルムの外側、すなわち、包装において、食品に面していないフィルムの主要な面に印刷される。透明または半透明な包装フィルムが使用されるとき、イメージは、代わりにフィルムの内側に印刷され得る。
【0005】
これらの印刷されたイメージを、こすること、曲げること、磨耗および熱融着することに起因する損傷から保護するために、これらの印刷されたイメージは、適切なバリアコーティングまたは「トラッププリントフィルム(trap−print film)」でしばしば覆われる。Mossbrookらの特許文献1を参照のこと;その全開示は、本明細書中で参考として援用される。そうである場合、これらのトラッププリントフィルムは、イメージが包装フィルムの外側の面に印刷されている場合であっても、通常、直接的な食品接触に適した材料(「食品適合性材料」)から作られる。ほとんどの包装フィルムは、大きなロールの形態で供給されるので、フィルムの外側の面におけるトラッププリントフィルムは、ロールを形成する際、フィルムがそれ自体の上に巻かれるときに、フィルムの内側の面に接触する。従って、包装フィルムが、その外側の面に印刷されている場合であっても、トラッププリントフィルムは、通常、食品適合性材料から作られて、同じフィルムの内側の食品接触面のコンタミネーションを防ぐ。
【0006】
トラッププリントフィルムは、任意の従来の技術によって印刷された包装フィルムに適用され得る。例えば、トラッププリントフィルムは、所望される場合に、押出コーティングによって適用され得る。しかし、押出成形機をセットアップするのに必要とされる時間、および押出成形機が開始および停止するときに生成されるかなりの廃棄物に起因して、押出コーティングは、経済的に実行可能であるために、通常、長い生産期間を必要とする。
【0007】
トラッププリントフィルムは、接着剤結合で積層することによって適用され得る。しかし、このアプローチは、印刷に使用され得るインクを、引き続いて適用される接着剤の接着強さに有害な影響を及ぼさないように、非常に低いレベルの溶媒を保持するものに限定する。これらの接着剤は、一般に、硬化前に低い接着強さを示し、このことは、望まない気泡の形成および/または「トンネリング」をもたらし得る。さらに、これらの接着剤の完全な硬化は、遅いことがあり、このことは、これらのフィルムを、処理が完了する前に保管することをしばしば必要とし、このことは、次に、主要な費用を増加させる。二液型接着剤が使用される状況において、これらの接着剤は、十分に急いで適用されない場合、捨てられなければならず、これはまた費用を増加させる。
【0008】
これらの問題を回避するために、電子ビームからこのようなトラッププリントフィルムを形成することがコーティングを活性化することが提案されている。しかし、電子ビーム硬化装置は、食品包装産業において広く入手可能ではない。さらに、この装置ならびに電子ビームコーティングにおいて使用される材料は、一般に高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,063,882号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
要旨
本発明に従って、これらの問題は、セラックまたは類似体からこのようなトラッププリントフィルムを形成することによって回避される。
【0011】
従って、本発明は、食品包装フィルムであって、この食品包装フィルムは、酸素および水蒸気浸透に対して、紙よりも良好な耐性を示す材料から作られる可撓性フィルム基材を含み、上記可撓性フィルム基材が、一対の向かい合った主要な面、少なくとも1つの主要な面上に印刷されたイメージ、および印刷されたイメージを覆うバリアコーティングを有し、上記バリアコーティングが、水蒸気不透過性、有機物由来、食品適合性フィルム形成材料を含む、食品包装フィルムを提供する。
【0012】
このような食品包装フィルムによって包まれた食品品目を含む包装された食品製品も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
可撓性フィルム基材
改善されたバリア特性を有する、食品のための可撓性包装フィルムを形成するための、以前に使用されているか、または将来に使用される、本質的にあらゆる材料は、本発明の可撓性フィルム基材として使用され得る。この文脈において、「食品」は、液体および半固体(例えば、プディングおよびゼラチン)、ならびに慣習的な固体の食品を含むことが理解される。さらに「改善されたバリア特性」は、基材を形成するために使用される材料が、酸素および水蒸気浸透に対して、紙よりも良好な耐性を示すことを意味すると理解される。従って、本発明の食品包装フィルムの基材は、多種多様な異なる合成樹脂(例えば、ポリエチレン(LDPE、LLPE、VLDPE、HDPE、MDPE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、他のビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニルなどから作られるもの)など)から作られ得る。さらに、本発明の食品包装フィルムの基材はまた、金属箔(例えば、アルミニウム箔)などから作られ得る。さらに、本発明の食品包装フィルムの基材はまた、多種多様な、異なる、天然に存在するフィルム形成樹脂(特に分解性、生分解性、または堆肥化可能なもの)から作られ得る。
【0014】
分解性樹脂は、特定の環境条件下で、その化学構造の著しい変化を経て、いくつかの特性の損失をもたらす樹脂である。生分解性樹脂は、天然に存在する微生物(例えば、細菌、真菌類など)によって分解される分解性樹脂である。堆肥化可能樹脂は、セルロースと同様の時間枠で、非毒性、かつ崩壊される分解産物へと生分解する生分解性樹脂である。
【0015】
生分解性樹脂は、代表的に、再生可能な原料(例えば、デンプン(例えば、トウモロコシ、バレイショ、タピオカなど)、セルロース、ダイズタンパク質、乳酸など)に由来する。これらは、生産において、有害ではなく、通常、捨てられるときに、二酸化炭素、水、バイオマスなどへと分解する。トウモロコシデンプンは、現在、バイオプラスチック樹脂の製造において使用されている主要な原料である。Mater−Bi(主要な構成要素はトウモロコシデンプンである)、およびポリラクチド(PLA)(これもトウモロコシデンプンから作られる)は、現在、堆肥化可能樹脂、および生分解性樹脂の生産において今日使用されている2つの主要な樹脂(原料)であり、国際機関によって設定される規格下で、堆肥化可能性について証明されている。しかし、市場に入ってくる他のバイオプラスチックは、バレイショデンプン、ダイズタンパク質、セルロースなどから作られる。現在、これらのバイオプラスチックのほとんどは、堆肥化可能性について証明されていないが、いくつかは、生分解性について証明されている。バイオプラスチックの分野は、市場で機能している、および市場に持ち込まれている、新しい材料および科学技術で絶えず進化している。
【0016】
好ましい生分解性樹脂(「バイオプラスチック」)は、生分解性であるだけではなく、堆肥化可能であるものである。特に好ましいバイオプラスチックは、堆肥化可能プラスチックに関するASTM−6400を満たす。そこに記載されるように、この規格を満たす堆肥化可能プラスチックは、「利用可能なプログラムの一部としての堆肥部分において、生物学的分解を受けることが可能であり、その結果、樹脂は、視覚的に区別できず、公知の堆肥化可能材料(例えば、セルロース)と一致した速度で、二酸化炭素、水、無機化合物、およびバイオマスに分解され、毒性残留物を一切残さない」ものである。
【0017】
ASTM−6400下で、樹脂は、特定の最小限のレベルの生分解性、崩壊する能力、および非毒性を示す場合に、堆肥化可能である。樹脂は、この分解物によって生産されるCOの量によって測定されるときに、樹脂の少なくとも60%が180日で生分解する場合に、この規格下で生分解性である。樹脂は、ふるい分けられるとき、その分解産物の10%未満が2mmのふるい上に残る場合に、この規格下で崩壊性である。樹脂は、その分解産物の重金属含有量が特定の指示された制限より下のままである場合、および、さらに、異なる濃度で土壌と組み合わせたときに、それが、対照の堆肥と比較して植物成長の特定のレベルを支持することが可能である場合に、この規格下で非毒性である。
【0018】
堆肥化可能樹脂、ならびにそれから作られる包装および他の製品は、多数の最近公開および/または発行された特許文書に記載され、その例としては、米国特許第7,083,673号、同第2008/0153940号、同第2008/0113887号、同第2007/0259139号、同第2007/0203283号、同第2007/0148384号、同第2007/0129467号、同第2004/0217087号、同第2005/0192377号、同第2005/0039689号、同第2004/0059047号、同第2003/0236358号、同第2003/0204028号、同第2003/0204027号、および同第2003/0191210号が挙げられる。これらの文書の開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0019】
上に示されるように、多くの生分解性および/または堆肥化可能な樹脂および製品は、すでに公知であり、市販されている。例としては、100%サトウキビ繊維(バガス)から作られる製品、トウモロコシプラスチック(ポリラクチドすなわち「PLA」である)から作られる製品、およびバレイショデンプンおよび/またはトウモロコシデンプンから作られる製品が挙げられる。特定の市販の製品としては、Lutherville,Md.のEarthShell Corporationから入手可能である使い捨て製品のEarthShell(登録商標)系、Durango,ColoradoのNew Ice,Inc.によって現在導入されている堆肥化可能な食品および飲料の容器の系、およびMerelbeke,BelgiumのInnovia Filmsから入手可能である包装フィルムのNatureFlexTM系が挙げられる。
【0020】
上に示されるように、これらの材料のいずれかは、本発明の食品包装フィルムの基材を形成するために使用され得る。本発明のいくつかの実施形態において、これらの材料のうちの2つまたはそれより多くの組み合わせはまた、この目的のために使用され得る。例えば、これらの材料のうちの2つまたはそれより多くのブレンドは、単一層フィルム、または多層フィルムさえをも形成するために使用され得る。しかし、より一般的に、本発明の食品包装フィルムの基材は、任意の公知の技術(例えば、共押出、接着剤で積層または接着剤なしで積層すること、コーティングなど)によって一緒に接着される上記の材料の2つまたはそれより多くの層から構成される多層フィルムから形成される。例えば、本開示の背景セクションに記載される多層製品のいずれかは、この目的のために使用され得る;特にポリエチレンテレフタレート(PET)に対して積層された共押出ポリエチレン/ポリプロピレン(「coex」)、LDPE(低密度ポリエチレン)に対して積層されたPET、およびcoexに対して積層された金属化PET。
【0021】
印刷されたイメージが、基材の内側の主要な面に位置する本発明のそれらの実施形態において、この基材は、通常、イメージ−透明フィルムから形成される。この文脈において、「イメージ−透明」は、十分に半透明であるフィルムを指し、その結果、フィルムの内側の主要な面に印刷されたイメージは、フィルムの外側の(または他の)主要な面を介して見られるときに認識され得る。換言すると、このイメージは、フィルムを介して見られ得る。従って、イメージ−透明可撓性フィルム基材は、透明な材料からだけではなく、半透明である材料からも作られ得ることが理解され、ただし、フィルム基材は、十分薄く、その結果、その内側の主要な面に印刷されたイメージが、その外側の主要な面を介して見られるときに認識され得る。
【0022】
本発明の食品包装フィルムの可撓性フィルム基材の厚さは重要ではなく、本質的にあらゆる厚さが使用され得る。しかし、上記フィルム基材は、十分に薄くあるべきであり、その結果、それから作られる本発明の食品包装フィルムが、意図される適用について、食品包装ラップとして働くのに十分に可撓性だが、必要な構造の完全性およびバリア特性を提供するのには十分厚いままである。この文脈において、「包装ラップ」は、それ自体の上にロールされた長く続くシートの形態で供給され、次に上記ロールから解かれ、次に異なる食品品目を手で容易に包むために使用され得る意味における、可撓性に関して、従来のアルミニウム箔および/またはプラスチックラップに似ている材料のフィルムを指しているとして理解される。従って、「包装ラップ」は、例えば、プラスチック袋および他の比較的柔軟なプラスチックの包装材料を包含するが、より堅い材料を除外することが理解される。例えば、スチロフォームカップの壁は、「可撓性」と見なされ得るが、それは、異なる食品品目を手で包む間に、それ自体の上に巻かれる、またはそれ自体の上に容易に折り返すのに十分に可撓性ではないので、本開示の文脈において、「包装ラップ」であるとは考えられない。
【0023】
通常、これは、可撓性フィルム基材が、少なくとも約1ミクロンの厚さであることを意味する。少なくとも約10ミクロン、少なくとも約50ミクロン、またはさらに少なくとも約100ミクロン、もしくはさらに少なくとも約150ミクロンという最小限の厚さは、より興味深い。最大限の厚さに関して、これは、通常、可撓性フィルム基材が、約5,000ミクロンの厚さ以下であることを意味する。約1,000ミクロン以下、約500ミクロン以下、またはさらに約250ミクロン以下という最大限の厚さは、より興味深い。
【0024】
当業者によって認識されるように、最小限の厚さ、最大限の厚さ、および所望される厚さは、少なくともある程度、上記可撓性フィルム基材が作られる特定の材料、ならびにその意図される実用性に依存し、ごく普通の実験によって容易に決定され得る。
【0025】
印刷されたイメージ
上に示されるように、本発明の食品包装フィルムの印刷されたイメージは、上記フィルムの基材のいずれかの主要な面、すなわち、その内側の主要な面、またはその外側の主要な面に適用され得る。さらに、同じまたは異なる印刷されたイメージが、所望される場合、上記基材の両方の主要な面に適用され得る。この目的のために、あらゆる公知の印刷技術が使用され得、グラビア印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷、リソグラフ印刷、電子写真印刷、凹版印刷、タンポ印刷、パッド印刷、凸版印刷などが挙げられる。
【0026】
可撓性食品包装フィルム上にイメージを印刷するための以前に使用されているか、または将来に使用され得る、あらゆる印刷インクはまた、本発明の食品包装フィルムの印刷されたイメージを形成するために使用され得る。本発明の特定の利点は、本発明によって提供されるセラックおよび類似体のバリアコーティングが、このインクと包装されている食品製品との間の接触を有効に防ぐことである。結果として、これらのバリアコーティングは、使用されるインクを包まれている食品から有効に分離するので、食品接触に適さない印刷インク、ならびに食品グレードの接触に適したものが、本発明において使用され得る。
【0027】
本発明における使用に適した印刷インクの例としては、溶媒ベースのインク(例えば、ニトロセルロース修飾インク、ポリウレタンインク、ポリ塩化ビニルベースのインク、ポリアミドベースのインク、およびポリビニルブチラールベースのインク);水ベースのインク(例えば、アクリルポリマーベースのインク、ロジンマレイン酸ポリマー(rosin maleic polymer)ベースのインク、タンパク質ベースのインクおよびアクリル修飾インク);ならびに100%固体のインク(例えば、紫外線(UV)硬化アクリレートインク、UV硬化カチオンインク、電子ビーム(EB)硬化インク、および非アクリレートUV硬化インク)が挙げられる。
【0028】
これらの印刷インクは、任意のタイプの、本発明の可撓性食品包装フィルムの可撓性基材フィルムの1つまたは両方の主要な面上に印刷されたイメージを形成するために使用され得る。例えば、純粋に空想的なデザインおよびアートワークが、有用な情報を提供するイメージおよび/またはしるし(例えば、包装されている食品品目の画像、包装されている食品製品の大きさ、容量、質および/または銘柄など)が印刷され得るように印刷され得る。上記基材の内側の主要な面上に印刷されることが意図される印刷されたイメージは、もちろん、その外側の面から基材を介して見られるので、読み手によって見られるためにイメージが逆転したものである必要がある。
【0029】
バリアコーティング
本発明に従って、本発明の可撓性食品包装フィルムのフィルム基材の主要な面上に現れる印刷されたイメージは、セラックまたは他の類似の材料から作られるバリアコーティングでオーバーコーティングされる。このようなフィルムは、簡単なコーティング技術によって容易に適用されるので、押出コーティングおよび電子ビームコーティング技術に関連する困難および費用は、完全に回避される。さらに、セラックおよびその類似体は、可撓性食品包装フィルムを印刷するために通常使用される印刷インク(および溶媒)と実質的に反応性がないので、接着剤積層技術に関連する困難および費用も回避される。同時に、セラックおよびその類似体は、それらが適用される可撓性フィルム基材のバリア特性を補うために使用され得る非常に優れたバリア特性を示す。総合的な結果は、非常に優れたバリア特性を示している可撓性食品包装フィルムが、非常に簡単に、そして費用がかからずに生産され得ることである。
【0030】
セラックコーティングは、食品保存剤として長年使用されてきている。例えば、リンゴおよび他の果物の、全体および部分の両方は、一般的に、セラックでコーティングされて、水分および大気の酸素による分解を防ぐ。本発明に従って、セラックまたは類似体は、本発明の可撓性食品包装フィルムの基材の主要な面上に形成される印刷されたイメージ上でバリアコーティングとして使用される。それらは、包装されている食品品目を上記イメージが作られる印刷インクとの接触から保護するだけではなく、全体としての本発明の食品包装フィルムのバリア特性を改善する。
【0031】
セラックは、雌のラック虫の分泌物から得られる天然に存在する熱可塑性物である。それは、それを理想の食品包装材料にする特性の注目すべき組み合わせを示し、これらの特性としては、酸素、水蒸気、CO、エチレンおよび種々のにおいに対する低い透過性、低い脂質溶解度、非常に優れた色および非常に優れた清澄性が挙げられる。それはまた、食品適合性であり、非常に弱いにおいを有し、香味、香り、または味を包装された食品に与えない。
【0032】
セラックは、4つの異なるグレード(オレンジセラック(orange shellac and)、脱ろう性オレンジセラック、標準漂白セラック(regular bleached shellac)(ヨーロッパでは、「ろう質の白いセラック」)、および精製漂白セラック(refined bleached shellac))で市販されている。セラックのあらゆるグレードは、本発明を実施するのに有用である。脱ろう性オレンジセラックが、好ましく、他方、精製漂白セラックは、さらにより好ましい。
【0033】
セラックの代わりに、および/またはセラックの他に、任意の他の有機物由来の水蒸気不透過性食品適合性フィルム形成材料も使用され得る。この文脈において、「有機物由来」は、石炭、石油、天然ガス、タールサンド、または類似の炭化水素材料に由来する材料に対立するものとして、動物または植物由来の材料を意味する。さらに、「食品適合性」は、米国連邦規則集によって決定される通りに、上記材料が食品および/または飲料との接触に適していることを意味する。さらに、「水蒸気不透過性」は、室温での水蒸気透過に対する材料の耐性が、室温での水蒸気透過に対する精製漂白セラックの耐性の少なくとも50%であることを意味する。本発明のいくつかの実施形態において、上記セラックの類似体は、精製漂白セラックの、室温での水蒸気透過に対する耐性の少なくとも75%、85%、またはさらに95%の、室温での水蒸気透過に対する耐性を有し、他方、他の実施形態において、上記セラック類似体は、精製漂白セラックの、室温での水蒸気透過に対する耐性と少なくとも同じくらい良好な、室温での水蒸気透過に対する耐性を有する。
【0034】
好ましくは、これらのフィルム形成セラック類似体はまた、低い酸素透過性を有する。「低い酸素透過性」は、材料でコーティングされた、切ったリンゴの切断面のむき出しの果肉が、酸化を介した目立つ茶色を発達させるのにかかる時間によって決定される通りに、材料の酸素透過性が、精製漂白セラックの酸素透過性の少なくとも50%であることを意味する。好ましいセラック類似体は、精製漂白セラックの少なくとも75%、またはさらに85%、95%、もしくは100%の酸素透過性を有する。
【0035】
これらのセラック類似体が、脂質不溶性であることは、このことが、本発明の包装フィルムが、脂質または他の有機脂質に接触するときに、その透明性を失うことを防ぎ得るので、また望ましい。「脂質不溶性」は、室温で24時間後にカノーラ油に溶解する材料の1グラムのサンプルの量が、室温で24時間後にカノーラ油に溶解する精製漂白セラックの1グラムのサンプルの量の2倍未満であることを意味する。カノーラ油において、精製漂白セラックの溶解度の1.5倍未満の溶解度を有するセラック類似体が、より興味深く、他方、カノーラ油において、精製漂白セラックの溶解度より小さい溶解度を有するものは、さらにより興味深い。
【0036】
上記の特性を示している任意の有機物由来の食品適合性水蒸気不透過性フィルム形成材料は、本発明において、セラック類似体として使用され得る。従って、適切なセラック類似体は、特定の多糖類(セルロース、ならびにその誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルセルロース、および微結晶性セルロース)が挙げられる)から選択され得る。適切なセラック類似体はまた、脂質および樹脂(ろうおよび油(例えば、パラフィンろう、カルナウバろう、蜜ろう、カンデリラろう、およびポリエチレンろうが挙げられる));脂肪酸およびモノグリセリド(例えば、ステアリルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、モノグリセリドおよびジグリセリド);天然に存在する樹脂(例えば、ウッド樹脂(wood resin));ならびにクマロン−インデンから選択され得る。適切なセラック類似体はまた、タンパク質(トウモロコシゼイン(a−ゼイン、b−ゼイン、および/またはv−ゼイン)、コムギグルテン、ダイズタンパク質、落花生タンパク質、ケラチン、コラーゲン、ゼラチン、牛乳タンパク質(カゼイン)、およびホエータンパク質が挙げられる)から選択され得る。さらに、米国公開特許出願US2007/02922643に記載され、その全開示が本明細書中で参考として援用される保護コーティングも使用され得る。例としては、キトサン−NaOH、エチルセルロース、カードラン、脱アセチル化コンニャク、Michelman VaporCoat(登録商標)2200R、NuCoat(登録商標)6661Bなどが挙げられる。これらの材料の混合物も使用され得る。
【0037】
セラック類似体から作られるフィルムによって示される特性は、材料自体(分子量および純度のような特徴が挙げられる)だけではなく、他のパラメーター(例えば、また存在し得る任意の他の材料、コーティングの厚さ、およびフィルムが適用される様式)に依存する。従って、セラック類似体として使用するために特定の材料を選択することにおいて、これらの変化するものを考慮して、所望される水蒸気不透過性および他の特性のレベルを達成するそれらの材料および/または材料の組み合わせを選択するように配慮すべきである。これらの考慮に基づいて、当業者にとって、特定の適用のための特定のフィルム形成材料を選ぶことは困難ではないはずである。
【0038】
これらの天然に存在するフィルム形成物(former)の他に、本発明のバリアコーティングはまた、他の追加の成分で調合され得る。例えば、これらのバリアコーティングとしては、上記の水蒸気耐性特性を示さない有機物由来のフィルム形成材料が挙げられ得る。例としては、特定のタイプの多糖類(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC));デンプンおよび誘導体(例えば、生デンプン、修飾デンプン、α化デンプン、デキストリン、マルトデキストリン コーンシロップ スクロース、デキストロース/フルクトース、および糖ポリオール);押出物ゴム(例えば、アラビアゴム、ガッチゴム、カラヤゴム、およびトラガカントゴム);種子ゴム(例えば、ガーゴム、およびローカストビーンゴム);微生物発酵ゴム(例えば、キサンタン、ガランゴム(gallan gum)、およびチロサン(chilosan));海藻抽出物(例えば、寒天、アルギネート、カラゲーナン、およびファーセレラン);ならびにペクチン)が挙げられる。
【0039】
本発明のバリアコーティングに含まれ得るさらに追加の成分としては、可塑剤、脱粘着付与剤(detackifier)、および着色剤が挙げられる。適切な可塑剤の例としては、グリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)など)、脂質(例えば、植物油、鉱油、中鎖トリグリセリド、脂肪、脂肪酸、ろうなど)が挙げられる。適切な脱粘着付与剤の例としては、タンパク質(例えば、ゼインなど)、および脂質(例えば、アセチル化モノグリセリド、中鎖トリグリセリド、油、ろう、脂肪酸(例えば、ステアリン酸およびオレイン酸)など))が挙げられる。適切な着色剤の例としては、顔料(例えば、有機顔料、および無機顔料)、色素、および他の天然に存在する着色料が挙げられる。
【0040】
本発明のバリアコーティングは、任意の従来の技術によって可撓性基材フィルムに適用され得る。通常、本発明の保護コーティングを形成している成分は、適切な液体キャリアと組み合わされて、液体コーティング組成物を形成し、そしてそのように形成された組成物は、次に、任意の適切な手段(例えば、ブラッシング、吹付け、ディッピングなど)によって可撓性フィルム基材に適用される。適切なキャリア液体の例としては、水、種々のアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、種々のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、種々のグリコール(例えば、プロピレングリコールなど)、種々のグリコールエーテル、種々のエステル(例えば、酢酸エチル)などが挙げられる。有機溶媒ベースのキャリア液体を使用する特定の利点は、有機溶媒が、水よりも速く蒸発する傾向にあるので、適用の速さが一般に高速であることである。他方、水性ベースのキャリア液体の特定の利点は、大気への有機ベースの溶媒の排出が大いに排除されることである。
【0041】
本発明のバリアコーティングの厚さは、広く変動し得、所望される度合いの保護を提供する本質的にあらゆる厚さが使用され得る。概して、少なくとも約0.1ミクロン、より代表的には少なくとも約1ミクロン、またはさらに少なくとも約5ミクロンといったような最小限の厚さが企図され、また同様に、約100ミクロン未満、より代表的には、約50ミクロン未満、またはさらに約10ミクロン未満の最大限の厚さが企図される。通常、本発明のバリアコーティングを形成するのに使用されるコーティング組成物は、それらが単一の適用において適用され得るように調合されるが、所望される場合に複数の適用が使用され得る。これに関連して、複数の適用を使用する特定の利点は、1つのみの適用が使用される場合に、バリアコーティングにおいて生じ得る欠陥および/またはピンホールの有害な作用を、それが、排除または少なくとも実質的に低減することである。
【0042】
本発明のバリアコーティングにおける成分の特性はまた、広く変動し得、本質的にあらゆる量が使用され得る。通常、これらのコーティングは、コーティングを適用するのに使用される保護コーティングの合わせた重量に基づいて(すなわち、あらゆる液体キャリアを除く)、少なくとも約50重量%のセラックまたは類似体を含む。より一般的に、これらの保護コーティングは、約65重量%、約75重量%、約85重量%、またはさらに約95重量%、またはそれより多くのセラックまたは類似体を含む。
【0043】
同様に、本発明のバリアコーティングはまた、同じ基準で(すなわち、あらゆる液体キャリアを除く)約40重量%までの補フィルム(co−film)形成物を含み得るが、約30重量%まで、約20重量%まで、またはさらに約10重量%までといったような補フィルム形成物の量がより一般的である。使用される場合、上記補フィルム形成物は、同じ基準で、バリアコーティングの特徴における目立つ変化を達成するのに十分な量で、通常、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、またはさらに少なくとも約5重量%で通常存在する。
【0044】
本発明のバリアコーティングはまた、同じ基準で、約0重量%〜約50重量%の脱粘着付与剤を含み得るが、少なくともセラックが、主要なフィルム形成樹脂として選択されるときに0重量%超〜40重量%、約3重量%〜約35重量%、またはさらに約5重量%〜約35重量%といったような脱粘着付与剤の濃度がより一般的である。同様に、本発明のバリアコーティングはまた、同じ基準で、約0重量%〜約50重量%の可塑剤を含み得るが、0重量%超〜40重量%、約3重量%〜約35重量%、またはさらに約5重量%〜約35重量%といったような可塑剤の濃度がより一般的である。
【0045】
本発明のバリアコーティングは、澄んでいるか、または着色されていることがある。着色されている場合、使用される着色剤の量は、所望される色を現すのに十分であるべきである。この点で、本発明の特に興味深い特徴は、本発明のバリアコーティングが、基材コーティング上の印刷されたイメージを形成しているものから、対比する色を提供され得るものであることである。この文脈において、「対比する色」は、着色料が使用されていない他の同一のバリアフィルムと比較して、可撓性基材フィルム上に印刷されたイメージがより容易に見えることを引き起こす色を意味する。従って、非常に薄い色または色合いについて、約0.1重量%〜約3重量%、より一般的に約0.3重量%〜約2重量%、またはさらに0.4重量%〜1重量%といったような着色料の濃度が企図され、他方、有機顔料について10重量%〜30重量%、および無機顔料(例えば、二酸化チタン)について40重量%〜60重量%といったような着色料の濃度が企図される。
【0046】
上記の成分の他に、本発明のバリアコーティングはまた、所望される機能的特色を提供するための、さらに他の材料を提供され得る。例えば、バリアコーティングは、耐熱、所望される摩擦係数、ブロッキング耐性、クリンクル耐性、光沢または艶消しの外観、抗菌または抗真菌性特性、焼き印保護材料(brand protection material)、興味深い光学的効果(例えば、真珠光沢のある顔料または光干渉顔料、メタリック顔料から得られるもの)、芳香(時がたてば、またはカプセルが壊れるときに放出され得るカプセル化材料に組み込まれる芳香が挙げられる)などをコーティングに提供する材料を有する化合物であり得る。
【0047】
本発明のバリアコーティングを形成するのに使用されるコーティング組成物を形成するのに使用される、液体キャリアの濃度はまた、広く変動し得、本質的にあらゆる量が使用され得る。全体としてのコーティング組成物の総重量に基づいて、約20重量%〜約90重量%、またはそれより多く、といったような液体キャリアの濃度は可能であるが、40重量%〜85重量%、55重量%〜75重量%といったような濃度がより一般的である。
【0048】
本発明の別の実施形態に従って、本発明のバリアコーティングは、パターン適用であり、すなわち、それらは、可撓性フィルム基材の内側の主要な面のその時の全表面積よりも小さい範囲を含む予め決定されたパターンで適用される。このアプローチで、適切なバリアは、本発明の食品包装フィルムの選択された面積(例えば、印刷インクと包装されている食品品目との間の接触に対して、より大きな保護が必要である面積)において提供され得る。さらに、または代替的に、バリアコーティングは、可撓性フィルム基材およびその上に印刷されたイメージの両方とは異なる色で作られ得、その結果上記バリアコーティングは、それ自体の補足的なグラフィックを生み出し、それによって印刷インクで複数のイメージ/グラフィックデザインを作り出す。
【0049】
本発明の特定の利点は、セラックまたは他の類似の有機材料がバリアコーティングを形成するために使用されるときに、これらの材料が、再生可能な資源および持続可能な資源に由来することである。さらに、本発明の包装材料を形成するために使用される可撓性フィルム基材が、生分解性である場合、本発明のさらなる利益は、この全包装フィルムが生分解性であることであり、このことは、本発明の包装フィルムが埋め立てによって処分されるときに著しい利点である。
【0050】
本発明のさらに別の利点は、本発明のバリアコーティングが、少なくともセラックから形成されるとき、アルコールまたは他の類似の溶媒中での溶解によって容易に除かれ得ることである。これは、本発明の包装材料を再生利用して、その可撓性フィルム基材が作られる材料を回収および再利用することが所望される状況において、特に有利である。
【0051】
この点で、多くの積層品は、それらは、非適合性材料を含むので、埋め立てにおいて以外に有効に再生利用または処分され得ない。例えば、紙およびLDPEから構成される積層品は、生分解性ではなく、それゆえに、堆肥化可能ではない。LDPEの層も紙の層も、積層品の不可欠な部分であるので、別個に回収および再生利用され得ない。同様に、PET/Al−箔/LDPE積層品は、その層の全てが生分解性ではなく、互いに分けることができないので、再生利用され得ず、埋め立てにおいて処分され得るのみである。
【0052】
この問題は、本発明の包装フィルムのバリアコーティングが、確立された脱インクプロセス(例えば、印刷された紙の脱インクおよび再生利用に使用される水性洗浄または浮上分離脱インクプロセス)によって容易に除かれ得るので、本発明の包装フィルムによって回避される。さらに、本発明の包装フィルムのバリアコーティングは、有機物由来の食品適合性フィルム形成材料から作られるので、より低いグレードの再生利用されたポリマーから、熱形成可能ポリマーペレットを作るポリマー再生利用プロセスの供給材料として、そのままで直接、使用され得る。このような低グレードの再生利用されたポリマーは、これらの再生利用されたポリマーから生産される熱可塑性ポリマーペレットを成形することによって、多種多様な異なる製品(例えば、ガーデンファニチャー)を作るために使用される。金属箔および/または熱硬化性プラスチックから形成される積層構造は、これらの材料が再生利用または熱形成され得ないので、この目的に適していない。この問題は、少なくとも可撓性フィルム基材が熱可塑性材料から作られるときに、基材およびコーティングを一緒に組み合わせることによって生産されるアマルガム化材料が、依然として熱形成可能であるので、本発明の包装フィルムによって回避される。
【実施例】
【0053】
以下の表は、本発明に従うバリアコーティングを形成するために使用され得る仮定のコーティング組成物を例示する。
【0054】
表1
基礎の水不溶性、脂質不溶性、酸素不透過性バリアコーティングを提供するためのコーティング組成
【0055】
【表1】

表2
可塑化および脱粘着付与化の水不溶性、脂質不溶性、酸素不透過性バリアコーティングを提供するためのコーティング組成
【0056】
【表2】

本発明の数個のみの実施形態が上に記載されたが、本発明の趣旨および範囲から外れることなく、多くの改変体が作られ得ることが認識される。全てのこのような改変体は、本発明の範囲内に含まれることが意図され、これは、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品包装フィルムであって、該食品包装フィルムは、酸素および水蒸気浸透に対して、紙よりも良好な耐性を示す材料から作られる可撓性フィルム基材を含み、該可撓性フィルム基材が、一対の向かい合った主要な面、少なくとも1つの主要な面上に印刷されたイメージ、および該印刷されたイメージを覆うバリアコーティングを有し、該バリアコーティングが、水蒸気不透過性、有機物由来、食品適合性フィルム形成材料を含む、食品包装フィルム。
【請求項2】
基材が、合成樹脂、天然に存在する樹脂、金属、またはそれらの組み合わせから形成される、請求項1に記載の食品包装フィルム。
【請求項3】
前記バリアコーティングがセラックを含む、請求項2に記載の食品包装フィルム。
【請求項4】
前記バリアコーティングが、脱ろう性オレンジセラック、および精製漂白セラックのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の食品包装フィルム。
【請求項5】
前記バリアコーティングが、補フィルム形成物を含む、請求項3に記載の食品包装フィルム。
【請求項6】
前記基材が、多層の物であり、さらに該多層の物における層のうちの少なくとも2つが互いに異なる、請求項3に記載の食品包装フィルム。
【請求項7】
基材が、合成樹脂、天然に存在する樹脂、またはそれらの組み合わせから形成される、請求項2に記載の食品包装フィルム。
【請求項8】
前記バリアコーティングがセラックを含む、請求項7に記載の食品包装フィルム。
【請求項9】
前記バリアコーティングが、脱ろう性オレンジセラック、および精製漂白セラックのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の食品包装フィルム。
【請求項10】
前記バリアコーティングが、補フィルム形成物を含む、請求項8に記載の食品包装フィルム。
【請求項11】
前記基材が、多層の物であり、さらに該多層の物における層のうちの少なくとも2つが互いに異なる、請求項8に記載の食品包装フィルム。
【請求項12】
前記バリアコーティングが、精製漂白セラックの、室温での水蒸気透過に対する耐性の少なくとも75%の、室温での水蒸気透過に対する耐性、および精製漂白セラックの酸素透過性の少なくとも75%の酸素透過性を有する、請求項1に記載の食品包装フィルム。
【請求項13】
前記バリアコーティングが脂質不溶性である、請求項1に記載の食品包装フィルム。
【請求項14】
前記バリアコーティングが、精製漂白セラックの、室温での水蒸気透過に対する耐性の少なくとも75%の、室温での水蒸気透過に対する耐性、および精製漂白セラックの酸素透過性の少なくとも75%の酸素透過性を有する、請求項13に記載の食品包装フィルム。
【請求項15】
前記可撓性フィルム基材が生分解性であり、さらに前記バリアコーティングがセラックを含む、請求項1に記載の食品包装フィルム。
【請求項16】
前記可撓性フィルム基材が堆肥化可能である、請求項15に記載の食品包装フィルム。
【請求項17】
前記可撓性フィルム基材が、異なる材料の少なくとも2つの層から構成される多層フィルムである、請求項16に記載の食品包装フィルム。
【請求項18】
食品または薬学的品目、および該食品または薬学的品目を完全に囲んでいる包装物を含む組み合わせ物であって、ここで該包装物は、請求項1に記載の食品包装フィルムを含む、組み合わせ物。
【請求項19】
前記バリアコーティングがセラックを含む、請求項18に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
前記バリアコーティングが、脱ろう性オレンジセラック、および精製漂白セラックのうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の組み合わせ物。
【請求項21】
前記可撓性フィルム基材が生分解性である、請求項19に記載の組み合わせ物。
【請求項22】
前記可撓性フィルム基材が堆肥化可能である、請求項19に記載の組み合わせ物。

【公表番号】特表2013−503089(P2013−503089A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526971(P2012−526971)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/046754
【国際公開番号】WO2011/025858
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(500058327)マントローズ−ハウザー カンパニー, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】