説明

食品包装用容器

【課題】 包装作業性を確保するのは勿論のこと、購入者が蓋体を開けるときに収容食品類の不用意な飛び出しや飛散を確実に防止でき、軽量、コンパクト且つワンタッチで開閉操作可能な包装用容器を提供する。
【解決手段】 底面部21の外周縁から周壁面部23を立ち上げた可撓性プラスチック製の容器本体2に施蓋用ヒンジ機構3を一体形成し、該施蓋用ヒンジ機構3に連続した閉鎖縁41と、天面部44とからなる蓋体4を一体する一方、当該施蓋用ヒンジ機構3とは反対がわの蓋体4閉鎖縁41からは、バックル用ヒンジ機構5を介し、容器本体2開口縁24および周壁面部23の外がわを回り込み、底面部21下面22に届くように延伸し、その遊端61がわに容器本体2底面部21の仮着機構の一方71に掛け外し自在な仮着機構の他方72を設けた延伸型バックル部6を延伸してなる食品包装用容器1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装用の容器に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、容器本体を閉鎖した蓋体を仮固定可能とする技術に関連し、合成樹脂製の食品包装用容器を製造、梱包、保管、輸送、販売する分野は勿論のこと、その製造、梱包、保管、輸送、販売に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
弁当や惣菜またはファーストフードなどを販売する所謂、中食産業の発展に伴い、射出成型や合成樹脂シートまたは発泡合成樹脂シートを加熱、成型してなる合成樹脂製容器、あるいは紙製容器など様々な食品包装用の容器が、低価格な上に軽量で液状の食品類も密閉状に包装でき、衛生的であるなどの理由から、広く利用されているが、こうした使い捨て容器類は、容器生産工場における梱包、保管や出荷輸送を容易にするよう、高密度に積み重ねて収納できるよう製造され、食品工場や店舗において大量の弁当類を迅速に包装できるよう、容器本体に蓋体をワンタッチで装着できるよう工夫するなど、主に生産者がわの生産効率を高めることを重視したものが数多く提供されていた。
【0003】
従来から多用されてきている食品包装用の合成樹脂製容器の多くは、例えば、矩形箱状の天面が開口された容器本体の開口縁の一辺に、蓋体の対応する一辺を、薄肉化か、または外の応力集中形状かの何れかによって変形し易くしたヒンジ部を介して一体化するよう成型したものであり、弁当や惣菜などの食品を容器本体内に収容した後に、ヒンジ部を折り曲げるようにして蓋体を被せ、輪ゴムで留めたり、または、容器本体開口縁および蓋体開口縁の互いの補強用フランジ部分をホチキス留めや熔着によって仮封止するのが一般的であり、これら従前のものでは、包装作業の効率が悪いだけではなく、購入者が開封するときにも輪ゴムが飛んだり、ホチキスの針や熔着部分を引き剥がすときに、容器本体内に収容されていた食品が飛び出してしまったり、蓋体裏面に付着した湯気の滴や垂れなどが周囲に飛散して衣類を汚してしまうなど、不都合が多かった。
【0004】
(従来の技術)
こうした不都合に対処しようとして、例えば特開2003−192074号公報「包装用容器」発明として提案されているもののように、容器本体と蓋体とに全周に亘って嵌合部を形成することにより、容器本体内の水が外部に流出するのを防止できるとともに、食品と水滴との接触を有効に防止できるようにしたものや、特開2002−68347号公報に開示された「包装用容器」発明のように、容器本体のヒンジ部と反対側の縁部近傍に嵌合凹部と嵌合突部とを上記ヒンジ部と略平行な方向に交互に連続的に設け、上記嵌合凹部と嵌合突部に夫々嵌合して抜け止め保持される嵌合突部と嵌合凹部とを上記蓋体のヒンジ部と反対側の縁部近傍に交互且つ連続的に設けて簡単、確実に閉蓋状態に保持させることができるようにしたものがある。
【0005】
さらには、特開2000−33961号公報に開示されている「包装用容器」発明のように、容器本体とその上面開口に嵌合可能な蓋体とからなる合成樹脂製の包装用容器であって、前記蓋体周縁部の一部に閉塞部材が回動自在に設けられると共に、該閉塞部材の上向きへの回動を禁止するように該閉塞部材を係止する受け部材が容器本体に設けられ、且つ該受け部材は容器本体から除去可能に構成されてなり、容器本体への蓋体の嵌合時には、閉塞部材の上向きへの回動が禁止され、容器本体と蓋体との嵌合状態が確実に維持され、受け部材を容器本体から除去すると、蓋体の閉塞部材と容器本体の受け部材との係合状態が解除され、閉塞部材を上向きに回動することによって蓋体を容器本体から容易に取り外せて不用意に開口することがなく、しかも容器本体と蓋体との嵌合が確実になされ、且つ蓋体の開閉の操作をワンタッチで簡易に行うことのできるようにしたものもあり、その他にもこれらに類するものなどが散見される。
【0006】
しかし、前者の特開2003−192074号公報や、特開2002−68347号公報に開示された「包装用容器」発明は何れも、食品工場や店頭などでの包装作業のときには、容器本体に蓋体を装着することにより、ワンタッチで包装を完了することができて非常に便利な反面、購入者が開封する場合には、蓋体を容器本体に対して上方に回動させるよう開放操作することによって容器本体、蓋体相互間の嵌合部分を、強制的に離脱させる如く操作する必要があり、蓋体を開けた瞬間に容器本体に収容された食品が飛び出してしまったり、蓋体に付着した湯気の水滴やソース類などが周囲に飛び散ってしまう虞があり、消費者にとっては不都合の多いものとなっていた。
【0007】
また、後者の特開2000−33961号公報に開示された「包装用容器」発明もやはり、包装作業のときには容器本体に蓋体を装着し、蓋体周縁部の一部に設けられた閉鎖部材を閉鎖するだけで簡単に包装作業を完了することができるという特徴をもってはいるものの、購入者が蓋体を開放するときには、先ず受け部材を容器本体から分離してからでなければ閉鎖部材を開放操作できないばかりか、分離した受け部材を屑籠に入れるなど適正に処理しなければならず、屋外などでの利用には煩雑な思いをしなければならないこととなり、さらに、受け部材の保護や離脱操作性を確保するため、容器本体の各受け部材の両側夫々に摘み片が設けられており、容器本体の大型化を招いてしまうという欠点を有するものであった。
【特許文献1】(1)特開2003−192074号公報 (2)特開2002−68347号公報 (3)特開2000−33961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種の「包装用容器」は、何れもが食品工場や店舗厨房などにおける包装作業を重視したものが多く、容器本体への蓋体の装着をワンタッチで行えるように改良されているものの、購入者が蓋体を開放しようとすると、容器本体と蓋体との相互間の嵌合構造部分を引き剥がす操作と、蓋体を開放する操作方向とが一致しており、嵌合部分を離脱させるのと同時に蓋体が開放してしまい、不用意に収容食品類が飛び出してしまったり、水滴やソース類が周囲に飛散してしまう虞が高いという欠点を有するものが多く存在する外、こうした弊害を改善するため、蓋体周縁部の一部に容器本体周壁面に嵌合可能な閉鎖部材を回動自在に設け、該閉鎖部材を開放してから蓋体を開放できるようにしたものも開発済みとなっているが、この包装用容器とて、開封のときに開封防止用の受け部材を分離、除去しなければならず、しかも該受け部材の保護と操作性確保のための摘み片を有することとなって容器本体の大型化が避けられず、流通コストの増加や容器価格の高騰化を招くという欠点を有するものであった。
【0009】
(発明の目的)
そこで、この発明は、容器本体への蓋体の装着作業性を確保するのは勿論のこと、食品購入者が蓋体を開放するときにも、収容した食品類の不用意な飛び出しや水滴やソース類の飛散を確実に防止することができ、しかも軽量、コンパクト且つワンタッチで開閉操作可能な包装用容器の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の食品包装用容器を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の食品包装用容器は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、底面部、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる容器本体開口縁か、または蓋体閉鎖縁かの何れか一方の一箇所または複数箇所からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸するか、もしくは当該蓋体閉鎖縁の外がわを回り込んで同天面部上面に届くように延伸するかの何れかとし、その遊端がわ適所には、容器本体底面部または蓋体天面部何れかに形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成してなるものとした構成を要旨とする食品包装用容器である。
【0011】
この基本的な構成からなる食品包装用容器を、より具体的なものとして示すと、底面部、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一箇所からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成してなるものとした構成からなる食品包装用容器となる。
【0012】
さらに具体的に示すと、底面部、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一箇所からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成し、当該容器本体開口縁から同周壁面部の外側壁面および底面部に至る範囲には、仮着機構を仮着した状態で、該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる、帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能な操作用溝部が連続状に凹設されてなるものとした構成からなる食品包装用容器となる。
【0013】
この発明に包含される食品包装用容器を、より一段と具体的なものとして示すと、平面概略矩形状の底面部、およびその外周縁全周から一定の高さに立ち上がり、上端縁四辺夫々に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状一辺部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一辺中央からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成し、当該容器本体開口縁から同周壁面部の外側壁面および底面部に至る範囲には、仮着機構を仮着した状態で、該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる、帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能な操作用溝部が連続状に凹設されてなるものとした食品包装用容器ということが可能である。
【発明の効果】
【0014】
以上のとおり、この発明の食品包装用容器によれば、該容器本体開口縁か、または蓋体閉鎖縁かの何れか一方の一箇所または複数箇所からバックル用ヒンジ機構を介し、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸するか、もしくは当該蓋体閉鎖縁の外がわを回り込んで同天面部上面に届くように延伸するかの何れかとし、その遊端がわ適所には、容器本体底面部または蓋体天面部何れかに形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成してなり、延伸型バックル部を蓋体閉鎖縁適所から容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸、形成したものでは、最終消費者が包装済みの蓋体を開放するときに、該延伸型バックル部遊端がわ仮着機構の他方を容器本体底面部下面の仮着機構の一方から離脱させ、その後に、同延伸型バックル部仮着機構の離脱操作から独立した別の開放操作によって蓋体を開放するという二段階的操作によるものとなり、また、延伸型バックル部を容器本体開口縁適所から蓋体閉鎖縁の外がわを回り込んで同天面部上面に届くように延伸、形成したものでは、蓋体を開放するときに、該延伸型バックル部遊端がわ仮着機構の他方を蓋体天面部上面の仮着機構の一方から離脱させ、その後、同延伸型バックル部仮着機構の離脱操作から独立する別の開放操作によって蓋体を開放するという二段階的操作によることとなり、何れの場合にも、最も大きな操作力を要する延伸型バックル部仮着機構の離脱操作の段階において、蓋体の閉鎖状態をそのまま維持し続けているから、開封操作中に突如として収容食品類が飛び出してしまったり、蓋体の裏面に付着している湯気の滴やソース類などが容器本体外に飛散してしまう事態を確実に防止することができ、後は、蓋体をゆっくり開放して安全に収容食品類の取り扱いができるようになるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
【0015】
加えて、容器本体、施蓋用ヒンジ機構および蓋体のみに留まらず、バックル用ヒンジ機構が延伸型バックル部と共に、同一の合成樹脂素材から一体化成型されてなり、実質的に延伸型バックル部を含む全体を同一可撓性プラスチック製の一個の食品包装用容器として製造するようにし、製造段階における部品の生産や組み立て作業などを一切、不要として該食品包装用容器の工場生産、保管、輸送、販売および食品工場や店舗での管理ならびに包装の各段階における取扱い作業性を大幅に改善することが可能となり、生産効率を格段に向上させることができるという大きな効果が得られる。
【0016】
また、施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一箇所から、バックル用ヒンジ機構を介して延伸型バックル部を延伸、一体形成したものとし、延伸型バックル部の数を減少させて生産に要する合成樹脂量を削減し、小型、軽量化することが可能となり、しかも食品工場や店舗などで包装作業を行う場合にも、延伸型バックル部仮着機構を閉じる作業を簡便にし、より迅速な包装を実現化できるという利点も得られる。
【0017】
そして、蓋体閉鎖縁の一箇所から、バックル用ヒンジ機構を介して延伸型バックル部を延伸、一体形成したものとし、容器本体開口縁から同周壁面部の外側壁面および同底面部に至る範囲に、仮着機構を仮着した状態で、該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ、該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導、可能な操作用溝部が連続状に凹設したものとなし、閉鎖状態にある延伸型バックル部を、容器本体周壁面部の外側壁面から底面部に亘って該収容溝部に嵌合状に収容し、外がわに凸部を形成せずに閉じることが可能となり、包装後の小型化を図ることができ、しかも外観に秀れた食品包装用容器を提供することができると共に、開封するときには、収容溝部の周囲に凹設された操作用溝部の適所に手指を挿入して延伸型バックル部仮着機構の他方を容器本体底面部仮着機構の一方から簡単、確実に取り外すことができる上、購入者は、当該包装用容器の施蓋用ヒンジ機構およびこれとは反対がわ配置となるバックル用ヒンジ機構を配した両がわを左右の手で把持し、左右親指で食品包装用容器蓋体を上方から抑え込んだまま、容器本体底面部を保持する左右何れか対応する手指の操作によって延伸型バックル部仮着機構の他方を開放、操作することができ、より安全、確実に蓋体の不用意な開放を防止することができるという特徴を発揮するものとなる。
【0018】
さらに、容器本体底面部を平面概略矩形状に形成したものでは、該容器本体を円筒状または三角筒状などに形成した場合に比較し、仮着機構の閉鎖状態を維持したまま、延伸型バックル部が容器本体周壁面部に沿ってズレ動いてしまうのをより確実に阻止し、外力による不要な蓋体のズレや開放を確実に防止できるものとなり、容器本体の施蓋用ヒンジ機構とバックル用ヒンジ機構とに対応する部分を除く開口縁に補強用枠部を一体形成し、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の補強用枠部が凹欠状に切り欠かれてなるものでは、容器本体の剛性を一層高めて蓋体との密閉性も向上させ、衛生的な包装をより確実なものとし、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の補強用枠の凹欠状に切り欠いた部分は、補強用枠がバックル用ヒンジ機構に干渉して互いに変形、損傷するのを防止し、当該食品包装用容器の耐久強度を向上するという効果を奏することとなる。
【0019】
同様に、蓋体の施蓋用ヒンジ機構とバックル用ヒンジ機構とに対応する部分を除く閉鎖縁に、容器本体開口縁より外がわか、または容器本体開口縁に補強用枠部を有する場合には、同補強用枠部より外がわかの何れか一方に被着可能な被覆補強用枠部を一体形成するようにし、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の被覆補強用枠部が凹欠状に切り欠かれてなるものでは、蓋体の剛性を格段に高め、容器本体との密閉性を向上して収容された食品をより確実に保護することができ、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の被覆補強用枠部の凹欠状に切り欠いた部分が、バックル用ヒンジ機構の変形範囲を広げてその開閉操作性を高めると共に、被覆補強用枠部がバックル用ヒンジ機構に干渉して互いに変形、損傷してしまうのを確実に防止して当該包装用容器の耐久強度を一段と向上させるという効果を生じるものとなる。
【0020】
また、仮着機構の一方が、閉鎖状態にある延伸型バックル部仮着機構の他方が対応する容器本体底面部下面に、該延伸型バックル部の基端寄りとなる壁面を垂直面壁とした台形ブロック状に上向き没入するよう一体化、成型され、これに対応する延伸型バックル部遊端がわ適所の仮着機構の他方を、それと同一寸法か、または、それより僅かに大きい寸法かの何れかとした相似、台形ブロック状に突出し、互いに嵌脱自在とするよう一体化、成型したものとなし、容器本体底面部下面に安定載置性を失うような下向きの突出部分を形成せず、しかも同底面部に不要な貫通孔などを形成することなく仮着機構の一方を形成することができる上、同仮着機構の一方の延伸型バックル部の基端寄りとなる壁面が垂直面壁となる台形ブロック状に上向き没入した形状としてあることから、仮着機構の連結強度を高め、延伸型バックル部の基端がわを引っ張るような入力では容易に開放せずに閉鎖状態を維持し続け、延伸型バックル部の遊端がわを直接的に開放操作したときだけ簡単に開放することができるようになり、不用意な開放を防止して確実な開閉操作性を得ることができるという効果を発揮する。
【0021】
延伸型バックル部を、その基端がわが、蓋体を展開した場合、および蓋体を閉鎖した場合の双方で仮着していない同延伸型バックル部の姿勢を水平状に維持可能とする跳ね上げ用折曲部に形成すると共に、その遊端がわが、当該容器本体周壁面部から底面部下面に亘る縦断面形状か、または、当該蓋体閉鎖縁の外がわから同天面部上面に亘る縦断面形状かの何れか一方に一致するよう形成された形状適合部とされていて、工場生産された食品包装用容器を簡単且つ高密度に積み重ねて梱包、保管、輸送することが可能となり、しかも食品工場や店舗などで食品を包装するときにも、延伸型バックル部が上向きに突出して包装作業を妨げてしまうのを確実に防止し、包装後には形状適合部が不要な突出を無くして食品包装用容器の取扱性を向上させ、さらに、購入者が、仮着を解いて包装を開放した直後に、跳ね上げ用折曲部が自動的に延伸型バックル部遊端がわを水平状に跳ね上げ、仮着機構が不要に再仮着してしまうのを確実に防止できるという効果が得られ、一層操作性に秀れた包装用容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
容器本体は、有る程度の容量を有して食品類やその他のものを収容する器状の容器を形成可能とすると共に、外周縁上端の一部に施蓋用ヒンジ機構を、可撓性をもって一体形成する機能を果たし、その全体を可撓性プラスチック製としなければならず、例えばポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリスチレン、発泡ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどを含む各種の合成樹脂、またはそれら何れかにフィラーなどの無機物を添加した複合材料、あるいはそれら何れかに防水性や密閉性を高めるフィルムを貼着、一体化したものなどの各種樹脂材料の何れかからなるものとすべきであり、底面部およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなり、その開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体、形成したものとしなければならない。
【0023】
容器本体底面部は、その外周縁全周から立ち上がるよう形成された周壁面部と一体となって食品類またはその外のものを漏出させることなく収容可能とすると共に、その下面が、テーブル上面などの平面上に安定に載置可能とする機能を果たし、接地部分などの外には、不要な下向き突出部分を形成すべきでなく、蓋体に延伸型バックル部を設けたものの場合には、当該底面部下面の適所に仮着機構の一方を形成しなければならず、該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能な操作用溝部が連続状に凹設されてなるものとすることができ、必要に応じて蓋体適所に突設され、安定した積み重ねを可能とするスタッキング用凸部に嵌合可能なスタッキング用凹部を一体形成したものとすることが可能である。
【0024】
容器本体周壁面部は、同底面部の外周縁全周から立ち上がるよう形成され、底面部に一体化して食品類やその外のものを収容可能とすると共に、蓋体に延伸型バックル部を設けたものの場合には、当該周壁面部の適所に該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能な操作用溝部が連続状に凹設されてなるものとすることができ、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成し、同開口縁直線状部分に可撓性プラスチック素材からなる施蓋用ヒンジ機構を、一体成型したものとしなければならず、生産効率を考慮するならば、容器本体と施蓋用ヒンジ機構とを同一の合成樹脂によって成型すべきである。
また、同容器本体周壁面部の施蓋用ヒンジ機構とバックル用ヒンジ機構とに対応する部分を除く開口縁に補強用枠部を一体形成し、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の補強用枠部が凹欠状に切り欠かれたものとすることが可能である。
【0025】
容器本体周壁面部開口縁の補強用枠部は、容器本体の捩れ剛性を高めて開口縁を一平面状に維持するよう補強可能とすると共に、その上端縁が少なくとも蓋体閉鎖縁か、被覆補強用枠部かの何れかに接合し、密閉状の閉鎖を維持可能とする機能を果たし、食料品類を収容して片手で持ち上げたときに、容器本体が容易に歪んだり、捩れたりするのを防止可能とする程度の強度を有するものとしなければならず、蓋体との接合端縁を、平面状あるいは嵌合用凹凸条形状に形成したものとするのが望ましい。
【0026】
収容溝部は、蓋体の適所に延伸型バックル部を設けた場合に、仮着機構を仮付けして蓋体を閉鎖した延伸型バックル部が、容器本体の周壁面部および底面部下面から外側に突出しないよう収容する機能を果たし、延伸型バックル部を面一埋設状に回り込み可能とする帯型断面状に形成しなければならず、その外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能とする操作用溝部を連続状に凹設したものとするのが望ましい。
【0027】
操作用溝部は、蓋体適所に延伸型バックル部を設けてなる食品包装用容器の、蓋体を閉鎖して仮着機構を仮着けした遊端がわを含む延伸型バックル部の外周縁を、容器本体底面部下面から容易に引き剥がし易くする機能を果たし、指先を容易に挿入可能な溝幅および深さに設定すべきであり、少なくとも仮着機構を仮着けした延伸型バックル部遊端がわの周縁に沿って凹設したものとしなければならず、仮着機構を仮着けした延伸型バックル部のバックル用ヒンジ機構を除く周縁に沿って容器本体底面部下面から開口縁に至る周壁面部外面壁に亘って連続または点在状に形成したものとすることができる。
【0028】
施蓋用ヒンジ機構は、容器本体の開口縁直線状部分に対して蓋体閉鎖縁の対応する箇所を、可撓性を有して開閉自在に一体化、連結可能とする機能を果たすものであり、少なくとも容器本体の開口縁直線状部分に対して一体形成され、可撓性プラスチック製のものとしなければならず、製造効率を考慮すると、同一の可撓性プラスチックによって容器本体開口縁直線状部分と蓋体閉鎖縁とを連続状に一体成型したものとすべきだが、容器本体開口縁直線状部分と蓋体閉鎖縁との双方間に、熔着または接着剤により、一体化したものとすることが可能であり、容器本体開口縁直線状部分と蓋体閉鎖縁との連結部分中央付近であって同施蓋用ヒンジ機構の長さ方向端間に亘る範囲に、薄肉化や折曲加工、ミシン目状の孔加工などの応力集中部を形成したものとすることができる。
【0029】
蓋体は、容器本体の開口縁直線状部分に設けた施蓋用ヒンジ機構を介して一体、連続させて当該開口縁を開閉自在とし、容器本体内に収容された食品類その他の内容物を保護可能とする機能を果たし、容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同開口縁直線状部分に対応する閉鎖縁が施蓋用ヒンジ機構によって開閉自在に一体化されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、必要に応じて閉鎖縁と天面部との間全周に立ち上がり状の周壁面部を一体形成したものとすることが可能な外、天面部の施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる閉鎖縁適所にバックル用ヒンジ機構を介して延伸型バックル部を延伸、一体形成してなるものとすることもできたり、容器本体の施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる開口縁から延伸型バックル部を延伸形成するようにした包装用容器の場合には、天面部の適所に、延伸型バックル部遊端がわの仮着機構の他方を着脱自在に仮付け可能な仮着機構の一方が形成されたものとしなければならず、また、容器本体の底面部下面にスタッキング用凹部を形成した場合には、包装後の包装用容器の複数個を上下に積み重ねたときに、該スタッキング用凹部に嵌合可能なスタッキング用凸部を、閉鎖姿勢(内側壁面下向き)の蓋体に対して外向き(上向き)突設したものとすることが可能である。
【0030】
蓋体の閉鎖縁は、容器本体開口縁に接合して蓋体による閉鎖を可能とすると共に、蓋体の捩れや変形を防止するよう剛性を発揮する機能を果たし、容器本体の開口縁直線状部分に対応する部分に施蓋用ヒンジ機構を、また、容器本体の開口に対応する中央に天面部を夫々一体形成すると共に、施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる適所にバックル用ヒンジ機構を介して延伸型バックル部を延伸、一体形成したものとすることができ、施蓋用ヒンジ機構とバックル用ヒンジ機構とに対応する部分を除く閉鎖縁に、容器本体開口縁より外がわか、または容器本体開口縁に補強用枠部を有する場合には同補強用枠部より外がわかの何れか一方に被着可能な被覆補強用枠部を一体形成し、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の被覆補強用枠部が凹欠状に切り欠かれてなるものとしてもよい。
【0031】
蓋体の天面部は、容器本体開口縁に閉鎖縁が接合された場合に、容器本体開口を封鎖可能とすると共に、複数個の食品包装用容器同士を上下に積み重ねて運搬できる程度に十分な強度を確保する機能を果たし、必要に応じて外がわ適所に仮着機構の一方を形成し、収容溝部や操作用溝部を形成することが出来る外、既述のとおり、外側適所に閉鎖状態の上面に突出するスタッキング用凸部を一体形成したものとすることができる。
【0032】
バックル用ヒンジ機構は、容器本体開口に装着、閉鎖状とした蓋体を着脱自在に仮着可能とすると共に、仮着機構を離脱させたときに、容器本体開口を閉鎖している蓋体を不用意に開放させることなく、蓋体による閉鎖状態を維持できるようにする機能を果たすものであり、施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる容器本体開口縁か、または蓋体閉鎖縁かの何れか一方の一箇所または複数箇所に一体に形成され、延伸型バックル部の基端がわを連結、一体化するものとし、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸するか、もしくは当該蓋体閉鎖縁の外がわを回り込んで同天面部上面に届くように延伸するかの何れかとし、その遊端がわ適所には、容器本体底面部または蓋体天面部何れかに形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成してなるものとしなければならず、開閉操作性を考慮すると、蓋体閉鎖縁の一箇所に設けたものとするのが望ましく、蓋体閉閉鎖縁と延伸型バックル部とを一体成型したものとすべきであるが、蓋体閉閉鎖縁と延伸型バックル部との双方間に、熔着または接着剤によって一体化したものとすることが可能である外、後述する実施例に示すように、前述の施蓋用ヒンジ機構と同様に、蓋体閉閉鎖縁と延伸型バックル部との連結部分中央付近であって同バックル用ヒンジ機構の長さ方向端間に亘る範囲に、薄肉化や折曲加工、ミシン目状の孔加工などの応力集中部を形成したものとすることができ、容器本体、施蓋用ヒンジ機構、蓋体および延伸型バックル部と共に、同一の合成樹脂素材から一体化、成型されてなるものとするのが望ましい。
【0033】
延伸型バックル部は、容器本体と蓋体との施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる容器本体開口縁および蓋体閉鎖縁を着脱自在に閉鎖、仮着可能とすると共に、容器本体開口の蓋体による閉鎖状態を維持したまま、仮着機構を着脱操作可能とする機能を果たし、施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる容器本体開口縁か、または蓋体閉鎖縁かの何れか一方の一箇所または複数箇所から、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸するか、もしくは当該蓋体閉鎖縁の外がわを回り込んで同天面部上面に届くように延伸するかの何れかによるものとし、その遊端がわ適所には、容器本体底面部または蓋体天面部何れかに形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられたものとしなければならず、蓋体の開放操作性を考慮すると、施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一箇所から、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられたものとすべきであり、さらに、その基端がわを、蓋体が展開された場合、および蓋体を閉鎖した場合の双方で仮着していない同延伸型バックル部の姿勢を水平状に維持、可能とする跳ね上げ用折曲部に形成すると共に、その遊端がわが、当該容器本体周壁面部から底面部下面に亘る縦断面形状か、または、当該蓋体閉鎖縁の外がわから同天面部上面に亘る縦断面形状かの何れか一方に一致するよう形成された形状適合部とされてなるものとすることができる。
【0034】
跳ね上げ用折曲部は、容器本体に対して展開、開放された蓋体、および容器本体に対して閉鎖された蓋体の双方に対して延伸型バックル部を水平状に支持可能とする機能を果たすものであり、バックル用ヒンジ機構を弾性的に折り曲げて延伸型バックル部を仮着する場合には、蓋体閉鎖縁、被覆補強用枠部および容器本体開口縁、補強用枠部などより外側に突出しない程度の形状、寸法に設定されたものとし、延伸型バックル部を水平状に支持できる程度の弾性強度を有するものとしなければならず、また、形状適合部は、延伸型バックル部を仮着機構によって仮留めしたときに、円滑な取り扱いを可能とするよう、包装用容器の外壁面に不要な突出部分が形成されるのを防止する機能を果たすものであり、延伸型バックル部を仮着したときに対応する容器本体周壁面部および底面部下面、または、蓋体閉鎖縁ならびに天面部の外郭形状に略一致するよう形成されたものとしなければならず、収容溝部を形成した場合には、これに面一状に嵌合するものとすべきである。
【0035】
仮着機構は、容器本体と蓋体とを開閉自在に連結する施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる容器本体開口縁か、または蓋体閉鎖縁かの何れか一方の一箇所または複数箇所から延伸された延伸型バックル部の遊端がわ適所を、蓋体が容器本体を閉鎖した場合の容器本体底面部下面か、もしくは天面部上面の対応箇所かの何れかに仮着可能とする機能を果たし、包装および開封のときに簡単な操作によって着脱可能なものとしなければならず、より具体的に示すと、延伸型バックル部の遊端がわ接合面か、または閉鎖したときに該延伸型バックル部の遊端がわが接合される容器本体底面部下面か、あるいは天面部上面の対応箇所かの何れか一方に粘着剤を塗布、または両面粘着フィルムを貼着したものとすることができる外、後述する実施例に示すように、仮着機構の一方が、閉鎖状態にある延伸型バックル部仮着機構の他方が対応する容器本体底面部下面に、該延伸型バックル部の基端寄りとなる壁面を垂直面壁とした台形ブロック状に上向き没入するよう一体化、成型されたものとし、これに対応する延伸型バックル部遊端がわ適所の仮着機構の他方が、それと同一寸法か、または、それより僅かに大きい寸法かの何れかとした相似、台形ブロック状に突出し、互いに嵌脱自在とするよう一体化、成型されてなるものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0036】
図1の開放された食品包装用容器の平面図、図2の図1中A−A線部分の断面図、図3の図1中A−A線部分で断面化した食品包装用容器の施蓋状態の断面図、図4の図1中B線部分を断面化した食品包装用容器の正面図、および図5の図1中C線部分を断面化した食品包装用容器の背面図に示される事例は、底面部21、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分26を有する開口縁24を形成した周壁面部23からなる可撓性プラスチック製の容器本体2を設け、該容器本体2の開口縁24直線状部分26に施蓋用ヒンジ機構3を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構3に連続して、当該容器本体2の開口縁24全周に当接可能な閉鎖縁41と、該閉鎖縁41に囲まれた天面部44とからなり、同容器本体2の開口25に装着、閉鎖可能とした蓋体4を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構3とは反対がわとなる容器本体2開口縁24か、または蓋体4閉鎖縁41かの何れか一方の一箇所または複数箇所からは、バックル用ヒンジ機構5を介した上、当該容器本体2開口縁24および同周壁面部23の外がわを回り込んで同底面部21下面22に届くように延伸するか、もしくは当該蓋体4閉鎖縁41の外がわを回り込んで同天面部44上面45に届くように延伸するかの何れかとし、その遊端61がわ適所には、容器本体2底面部21または蓋体4天面部44何れかに形成した仮着機構の一方71との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方72が設けられた延伸型バックル部6を延伸、一体形成してなる、この発明の食品包装用容器における代表的な一実施例を示すものである。
【0037】
当該食品包装用容器1は、図1ないし図5に示すように、容器本体2、施蓋用ヒンジ機構3、蓋体4、バックル用ヒンジ機構5および延伸型バックル部6が、同一の発泡ポリスチレン樹脂によって一体に成型されたものとなっており、容器本体2は、平面概略長方形状の底面部21を有し、その外周縁全周から所定抜き勾配をもつ周壁面部23が一定の高さに立ち上げ、同一平面上に開口された平面概略長方形状の開口縁24を形成し、それら四辺の中、平行する長辺の中一辺の直線状部分26には、容器本体2開口縁24と、これに対応する蓋体4閉鎖縁41とを開閉自在に連結、一体化する施蓋用ヒンジ機構3が、連結された容器本体2開口縁24と蓋体4閉鎖縁41との中間箇所、長さ方向に亘り、直線状の縦断面形逆V字型または縦断面形逆M字型の折曲部分からなる応力集中部31を有するものに形成されている。
【0038】
蓋体4は、平面概略長方形状の閉鎖縁41の内周縁全周から所定抜き勾配をもつ周壁面部43が、図1および図2中に示すよう、一定の深さに形成され、該周壁面部43の下端縁に天面部44の外周縁全周が連続、一体化されたものとなっており、該閉鎖縁41の施蓋用ヒンジ機構3が連結されたのとは反対がわとなる平面概略長方形状の長辺中央には、所定幅のバックル用ヒンジ機構5が、その幅方向に亘り、直線状の縦断面形逆V字型または縦断面形逆M字型の折曲部分からなる応力集中部51を有して一体化され、さらに、該バックル用ヒンジ機構5には、同バックル用ヒンジ機構5と同等の幅寸法と、容器本体2開口縁24に蓋体4閉鎖縁41を接するよう閉鎖したときに、当該容器本体2開口縁24および同周壁面部23の外がわを回り込んで同底面部21下面22に届く長さとに設定した延伸型バックル部6の基端65がわを一体化したものとしてある。
【0039】
延伸型バックル部6は、その基端65がわを、図2中に示す食品包装用容器1が展開された場合、ならびに図3中に示す蓋体4を閉鎖した場合の双方で仮着していない延伸型バックル部6の姿勢を水平状に維持可能とする跳ね上げ用折曲部64に形成し、また、同図2および図3中に示すように、その遊端61がわを容器本体2周壁面部23から底面部21下面22に亘る縦断面形状に一致する如く、縦断面概略J字状またはL字状に湾曲形成された形状適合部63となし、図1ないし図3中に示すよう、仮着するときに容器本体2底面部21下面22に接合状となる遊端61がわ接合面62中央には、基端65がわ寄りとなる壁面を垂直面壁とし、図1中に示すように、延伸型バックル部6幅方向に長い台形ブロック状とした仮着機構の他方72を突出一体化、形成したものである。
【0040】
そして、図1ないし図3中に示すように、容器本体2の施蓋用ヒンジ機構3を形成したのとは反対がわとなる開口縁24、およびそれに連続する周壁面部23の長辺長さ方向中央となる外壁面、さらにそれに連続する底面部21下面22には、夫々当該蓋体4閉鎖縁41に一体に連結された延伸型バックル部6が、面一埋設状に装着可能となる帯型断面状の収容溝部27を凹設し、該収容溝部27の外側縁に沿って手指の挿入を誘導可能とする半径7mm程度の操作用溝部28が連続、凹設されたものとなっており、底面部21下面22収容溝部27範囲内の当該延伸型バックル部6の遊端61仮着機構の他方72が対応する箇所には、該仮着機構の他方72と同一寸法か、または、それより僅かに小さな寸法かの何れかとした相似、台形ブロック状に上向き没入する仮着機構の一方71を一体化、成型したものとしている。
【0041】
さらに、容器本体2は、施蓋用ヒンジ機構3とバックル用ヒンジ機構5とに対応する部分を除く開口縁24の外周縁に、幅3mm前後の補強用枠部25,25を一体形成し、バックル用ヒンジ機構5の幅方向両端直近となる補強用枠部25,25を、操作用溝部28に連続するよう凹欠状に切り欠くと共に、蓋体4は、施蓋用ヒンジ機構3とバックル用ヒンジ機構5とに対応する部分を除く閉鎖縁41の外周縁に、容器本体2の開口縁24の補強用枠部25,25より外がわに被着可能な被覆補強用枠部42,42を一体形成し、バックル用ヒンジ機構5の幅方向両端直近の被覆補強用枠部42,42を蓋体4で容器本体2を閉鎖したときには、操作用溝部28に連続するよう凹欠状に切り欠いたものとしてある。
【0042】
図1および図5中に示すように、容器本体2底面部21の施蓋用ヒンジ機構3とは反対がわとなる平面概略長方形状の長さ方向の両端がわには、夫々平断面長円形のスタッキング用凹部81,81を所定抜き勾配をもって上向き没入状に形成する一方、蓋体4天面部44の施蓋用ヒンジ機構3寄りとなる平面概略長方形状の長さ方向の両端付近で、蓋体4閉鎖、包装後の複数個の食品包装用容器1,1,……を上下に積み重ねたときに当該容器本体2底面部21の各スタッキング用凹部81,81に対応する箇所夫々には、スタッキング用凸部82,82を上向き突出状に形成してなるスタッキング機構8が設けられている。
【0043】
図1ないし図5中に示すように、容器本体2周壁面部23と開口縁24との間であって施蓋用ヒンジ機構3の両端がわに対応する二箇所、および、蓋体4閉鎖縁41と周壁面部43との間であって施蓋用ヒンジ機構3の両端がわに対応する二箇所、ならびに、蓋体4閉鎖縁41と周壁面部43との間であってバックル用ヒンジ機構5外側となる両端がわに対応する二箇所の夫々には、外側に向けて縮小するようにした平断面台形状の補強用膨出部9,9,……を形成してある。
【0044】
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の包装用容器1は、図1および図2のように、容器本体2および施蓋用ヒンジ機構3を介して連結された蓋体4が共に同一方向に開口され、仮着機構7の仮着機構の一方71、仮着機構の他方72や、スタッキング機構8のスタッキング用凹部81,81、スタッキング用凸部82,82、および各補強用膨出部9,9,……を含む全体が、夫々所定抜き勾配をもって形成され、しかも蓋体4の施蓋用ヒンジ機構3とは反対がわとなる閉鎖縁41にバックル用ヒンジ機構5を介して連結された延伸型バックル部6が、その跳ね上げ用折曲部64によって容器本体2および蓋体4の展開姿勢に略平行となる水平状に支持されたものとなし、一組の雄雌金型による一度の成型加工によって可撓性プラスチック製の一体型包装用容器1として効率的に製造することが可能となり、しかも成型後には、組み立て作業などを一切必要とせず、同図1および図2中に示した展開状態のまま、複数個同士を上下に積み重ねて梱包、保管、輸送することを可能にする。
【0045】
また、食品工場や店舗厨房などにおいて当該包装用容器1を利用し、弁当や惣菜などの食品類を包装する場合には、容器本体2および蓋体4が共に水平状の展開状態にあり、蓋体4の延伸型バックル部6も跳ね上げ用折曲部64によって同様に水平状に支持されたものとなり、食品類を容器本体2に盛り付けるときに蓋体4や延伸型バックル部6が障害とならず、効率的に作業を進めることが可能となり、しかも、図3中の実線矢印に示すように、盛り付けを終えて蓋体4を閉鎖した後に、バックル用ヒンジ機構5を回動状に弾性変形させ、延伸型バックル部6遊端61がわの仮着機構の他方72を、容器本体2底面部21下面22の仮着機構の一方71に圧入状に嵌合させると、該仮着機構の一方71と仮着機構の他方72とが互いに確りと連結され、さらに、同仮着機構の一方71および仮着機構の他方72の各台形ブロック形状の延伸型バックル部6の基端65寄りとなる夫々の垂直面壁同士が、同延伸型バックル部6を同基端65がわに牽引する引き外し力に抗するものとなり、仮着機構7の不用意な離脱を確実に阻止し、しかも、仮着された延伸型バックル部6は、容器本体2開口縁24から同周壁面部23の外側壁面および同底面部21下面22に至る範囲に凹設された収容溝部27に面一状に嵌合、埋設状に組み合わせられ、外側壁面から突出しないので他物への引っ掛かりなどを防止することができ、特に底面部21下面22を平面状にしてテーブル上などに安定的に置くことが可能であり、加えて、容器本体2内に収納した食品類の重量によって仮着機構7の嵌合がより一層確実に維持され続け、仮にその嵌合が十分でないとしても外れて蓋体4が開いてしまう状況を無くすことができる。
【0046】
図1ないし図5中に示したように、容器本体2および蓋体4の施蓋用ヒンジ機構3の両端付近、ならびに蓋体4のバックル用ヒンジ機構5の両端外側付近の夫々に形成された補強用膨出部9,9,……は、容器本体2周壁面部23の開口縁24、および蓋体4の閉鎖縁41の剛性を、各施蓋用ヒンジ機構3およびバックル用ヒンジ機構5の折り曲げ操作によって発生する応力に十分に耐えることができる程度に高め、包装用容器1の変形や破損を防止できるようにする。
【0047】
こうして包装された複数個の食品包装用容器1,1,……は、図1ないし図3および図5中に示すように、容器本体2底面部21の下面22適所に上向き没入状に凹設されたスタッキング用凹部81,81を、蓋体4天面部44の上面45適所に突設されたスタッキング用凸部82,82に夫々嵌合させ、上下に積み重ねることを可能にする。
【0048】
購入者は、包装済みの食品包装用容器1の蓋体4を開放するときに、先ず同包装用容器1の施蓋用ヒンジ機構3およびバックル用ヒンジ機構5を有して対峙する二辺の中央付近を左右の手で夫々把持して持ち上げ、延伸型バックル部6に添えた方の手指先を、当該容器本体2底面部21下面22の操作用溝部28に挿し入れ、該延伸型バックル部6遊端61がわに指先に引っ掛けて下向きに引き剥がすよう操作し、該容器本体2底面部21下面22の仮着機構の一方71から、同延伸型バックル部6遊端61がわの仮着機構の他方72を容易に離脱させることができ、しかもこの段階では、図3中に示すように、蓋体4の閉鎖状態は維持されたままとなり、仮着機構7を離脱させた後の延伸型バックル部6は、その基端65がわ跳ね上げ用折曲部64により、同図3中に示すよう、依然水平状姿勢に維持され、このまま食品包装用容器1をテーブル上などに置いても、再び仮着機構7が仮着されてしまうのを防止することが可能となり、加えて、帯状に長い延伸型バックル部6が水平状姿勢を維持し続けており、施蓋用ヒンジ機構3の弾性力による蓋体4の勝手な跳ね上がり現象を阻止するよう抑え込み続け、人が別途蓋体4を開放操作するまで施蓋状態を維持する。
【0049】
また、別途操作によって開放してしまった蓋体4は、図1および図2に示すように、容器本体2に並ぶよう水平状に展開状となし、同蓋体4の施蓋用ヒンジ機構3とは反対がわに延伸した延伸型バックル部6が、その跳ね上げ用折曲部64によって水平状の姿勢を維持することから、当該施蓋用ヒンジ機構3を中心に蓋体4が不用意に閉鎖方向に起きあがろうとするのを阻止するよう抑え込み、食事中や収容食品の取り出し作業中などに勝手に施蓋してしまうような動作を抑制し、安全に作業の続行ができるものとなる。
【0050】
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の食品包装用容器1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1および図2に示すように、容器本体2および蓋体4の双方を上向き開口状に展開させた姿勢に一体化すると共に、該蓋体4の施蓋用ヒンジ機構3とは反対がわとなる閉鎖縁41の中央一箇所から延伸型バックル部6を、その跳ね上げ用折曲部64によって水平状姿勢に延伸、一体化形成し、全体に亘って上下方向の所定抜き勾配を設定したものとしてあり、工場生産のときに一組の雄雌金型による一回の成型作業によって製造を完了することができ、成型後の組み立て作業などを一切必要とせず、完成した複数個同士をそのまま上下に高密度に積み重ねて梱包、保管、輸送することが可能なことから、製造工数や在庫管理に要する労力を大幅に軽減し、効率的な大量生産と物流コストの削減とを実現化することができる。
【0051】
また、この食品包装用容器1は、食品工場や店舗厨房などにおいて食品を包装するような場合、容器本体2、蓋体4および延伸型バックル部6が水平状に展開された状態にあるため、そのまま必要個数をテーブル上に載置、整列して同時に盛り付け作業を行うことができ、しかもその作業中に蓋体4や延伸型バックル部6が無用に起き上がり、盛り付け作業の障害となることがなく、効率的且つ迅速な盛り付け作業を実現化できるという特徴を得ることができる。
【0052】
さらに、盛り付けを終えた食品包装用容器1は、片方の手で容器本体2を持ち上げ、図3中に示すように、もう片方の手で蓋体4を閉じ合わせ、さらに、同図3の実線矢印のように、バックル用ヒンジ機構5を弾性変形させて延伸型バックル部6遊端61がわの仮着機構の他方72を、容器本体2底面部21下面22の仮着機構の一方71に圧入状に嵌合させて仮着してしまえば包装作業を終えることとなり、輪ゴムやホチキスなどを一切必要とせず、ワンタッチで簡単且つ確実に仮留めすることができ、経費の節減と作業工数の軽減とを実現化することから、使い勝手に加えて経済効果の上でも極めて秀れたものとなる。
【0053】
図1ないし図5に示したように、容器本体2および蓋体4の要所々々に一体化形成した補強用膨出部9,9,……は、施蓋用ヒンジ機構3およびバックル用ヒンジ機構5の折り曲げ操作による変形を阻止し、包装後の食品包装用容器1の歪みや変形、破損などを防止し、収容食品を確実に保護できるものとすることができ、また、複数個の包装済み食品包装用容器1,1,……同士を上下に積み重ねる場合に、容器本体2底面部21の下面22適所のスタッキング用凹部81,81と、蓋体4天面部44の上面45適所のスタッキング用凸部82,82とを互いに嵌合させるだけで安定的な積み重ねを実現化し、買い物袋などに収容して荷崩れしないよう運搬することも容易になるという効果が得られる。
【0054】
購入者は、容器本体2底面部21下面22の操作用溝部28に手指先を挿し入れ、延伸型バックル部6遊端61がわを指先に引っ掛けるように下向きに引き剥がすよう操作をして仮着機構7を簡単に引き剥がすよう離脱させることができ、しかも、図3に示すように、この延伸型バックル部6遊端61がわ仮着機構の他方72の離脱、操作によって直ちに蓋体4を開放させてしまうことがなく、延伸型バックル部6基端65がわの跳ね上げ用折曲部64が同延伸型バックル部6を水平姿勢に支持し、食品包装用容器1をテーブル上に載置したときなどに仮着機構7が無用に再仮着してしまうのを確実に阻止することができ、加えて、水平姿勢となった延伸型バックル部6の錘作用で、蓋体4が施蓋用ヒンジ機構3の弾性復帰力によって勝手に開放してしまうのを阻止できるという効果がある。
【0055】
また、図1および図2中に示すよう、蓋体4を水平状に展開させた場合にも、同様に延伸型バックル部6の錘作用によって勝手に蓋体4が起き上がろうとするのを抑制して蓋体4の開閉操作性を簡単、確実なものとすることができ、快適な食事や食品包装用容器1からの食品の取り出し作業を実現化することができ、さらに、仮着機構7を離脱させて蓋体4を開放した後にも、再度繰り返して容器本体2底面部21下面22の仮着機構の一方71に延伸型バックル部6遊端61がわの仮着機構の他方72を仮着することが可能となり、食品用フィルムなどを使用せずに食品を衛生的に保存できるという秀れた利点が得られる。
【0056】
(結 び)
叙述の如く、この発明の食品包装用容器は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも、製造も容易で従前からのこの種包装用容器に比較して軽量、コンパクト且つ低廉に製造することが可能であり、工場生産、梱包、保管、輸送および食品工場や店舗などにおける保管や包装作業に及ぶ様々な作業効率を格段に高めて、流通の各段階において遥かに経済的に取り扱うことができるものとなる上、最終消費者による包装済み食品の運搬や同容器の開閉操作性をも大幅に改善することができ、生産性の向上を目指す包装用容器業界は勿論のこと、包装作業の効率化を望む中食業界や、より快適な食品の購入、利用を希望する一般企業や一般家庭においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図面は、この発明の食品包装用容器の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
【図1】食品包装用容器を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線部分を断面化して示す側面図である。
【図3】施蓋した食品包装用容器を図1のA−A線部分で断面化して示す側面図である。
【図4】図1のB線部分を断面化した食品包装用容器を示す正面図である。
【図5】図1のC線部分を断面化した食品包装用容器を示す背面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 食品包装用容器
2 容器本体
21 同 底面部
22 同 下面
23 同 周壁面部
24 同 開口縁
25 同 補強用枠部
26 同 直線状部分
27 同 収容溝部
28 同 操作用溝部
3 施蓋用ヒンジ機構
31 同 応力集中部
4 蓋体
41 同 閉鎖縁
42 同 被覆補強用枠部
43 同 周壁面部
44 同 天面部
45 同 上面
5 バックル用ヒンジ機構
51 同 応力集中部
6 延伸型バックル部
61 同 遊端61
62 同 接合面
63 同 形状適合部
64 同 跳ね上げ用折曲部
65 同 基端65
7 仮着機構
71 同 仮着機構の一方
72 同 仮着機構の他方
8 スタッキング機構
81 同 スタッキング用凹部
82 同 スタッキング用凸部
9 補強用膨出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる容器本体開口縁か、または蓋体閉鎖縁かの何れか一方の一箇所または複数箇所からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸するか、もしくは当該蓋体閉鎖縁の外がわを回り込んで同天面部上面に届くように延伸するかの何れかとし、その遊端がわ適所には、容器本体底面部または蓋体天面部何れかに形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成してなるものとしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項2】
底面部、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一箇所からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成してなるものとしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項3】
底面部、およびその外周縁全周から立ち上がり、上端縁の少なくとも一部に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一箇所からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成し、当該容器本体開口縁から同周壁面部の外側壁面および同底面部に至る範囲には、仮着機構を仮着した状態で、該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる、帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能な操作用溝部が連続状に凹設されてなるものとしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項4】
平面概略矩形状の底面部、およびその外周縁全周から一定の高さに立ち上がり、上端縁四辺夫々に直線状部分を有する開口縁を形成した周壁面部からなる可撓性プラスチック製の容器本体を設け、該容器本体の開口縁直線状一辺部分に施蓋用ヒンジ機構を一体形成した上、該施蓋用ヒンジ機構に連続して、当該容器本体の開口縁全周に当接可能な閉鎖縁と、該閉鎖縁に囲まれた天面部とからなり、同容器本体の開口に装着、閉鎖可能とした蓋体を開閉自在に一体形成したものとする一方、当該施蓋用ヒンジ機構とは反対がわとなる蓋体閉鎖縁の一辺中央からは、バックル用ヒンジ機構を介した上、当該容器本体開口縁および同周壁面部の外がわを回り込んで同底面部下面に届くように延伸し、その遊端がわ適所には、容器本体底面部に形成した仮着機構の一方との間で掛け外し自在となる仮着機構の他方が設けられた延伸型バックル部を延伸、一体形成し、当該容器本体開口縁から同周壁面部の外側壁面および同底面部に至る範囲には、仮着機構を仮着した状態で、該延伸型バックル部が面一埋設状に回り込み可能となる、帯型断面状の収容溝部を形成し、且つ該収容溝部の外周縁に沿って延伸型バックル部、仮着機構の他方を操作する場合に手指の挿入を誘導可能な操作用溝部が連続状に凹設されてなるものとしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項5】
バックル用ヒンジ機構が、容器本体、施蓋用ヒンジ機構、蓋体および延伸型バックル部と共に、同一の合成樹脂素材から一体化成型されてなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の食品包装用容器。
【請求項6】
容器本体は、施蓋用ヒンジ機構とバックル用ヒンジ機構とに対応する部分を除く開口縁に補強用枠部を一体形成し、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の補強用枠部が、凹欠状に切り欠かれてなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の食品包装用容器。
【請求項7】
蓋体は、施蓋用ヒンジ機構とバックル用ヒンジ機構とに対応する部分を除く閉鎖縁に、容器本体開口縁より外がわか、または容器本体開口縁に補強用枠部を有する場合には同補強用枠部より外がわかの何れか一方に被着可能な被覆補強用枠部を一体形成し、バックル用ヒンジ機構の幅方向両端直近の被覆補強用枠部が、凹欠状に切り欠かれてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の食品包装用容器。
【請求項8】
仮着機構の一方は、閉鎖状態にある延伸型バックル部仮着機構の他方が対応する容器本体底面部下面に、該延伸型バックル部の基端寄りとなる壁面を、垂直面壁とした台形ブロック状に上向き没入するよう一体化、成型され、これに対応する延伸型バックル部遊端がわ適所の仮着機構の他方が、それと同一寸法か、または、それより僅かに大きい寸法かの何れかとした相似、台形ブロック状に突出し、互いに嵌脱自在とするよう一体化、成型されてなるものとした、請求項1ないし7何れか一項記載の食品包装用容器。
【請求項9】
延伸型バックル部は、その基端がわを、蓋体が展開された場合、および蓋体を閉鎖した場合の双方で仮着していない同延伸型バックル部の姿勢を水平状に維持、可能とする跳ね上げ用折曲部に形成すると共に、その遊端がわが、当該容器本体周壁面部から底面部下面に亘る縦断面形状か、または、当該蓋体閉鎖縁の外がわから同天面部上面に亘る縦断面形状かの何れか一方に一致するよう形成された形状適合部とされてなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の食品包装用容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−143571(P2008−143571A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333887(P2006−333887)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(593103766)株式会社蔵王ミート (1)
【Fターム(参考)】