説明

食品容器

【課題】内容物の分量にあわせ、容積サイズを調整することができる食品容器を提供する。
【解決手段】第1の切り欠き部8を有する第1の仕切り4と、第1の切り欠き部8に挿入可能な第2の仕切り6と、第1の仕切り4と第2の仕切り6を収容する容器本体2を備えた食品容器1であって、第1の仕切り4の第1の切り欠き部8に、第2の仕切り6が直交し、第1の仕切り4が第2の仕切り6に沿って第2の仕切り6の両端間を移動可能とすることにより、容器本体2の内部を第1〜第4区画15,16,17,18に4分割でき、しかも第1の仕切り4を移動させることによって2容積毎に自由に容積を調整することができるので、ごはんやおかず等の内容物の分量にあわせ、各容積サイズを調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内を分割する仕切りを持つ食品容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、弁当箱などの食品容器は、容器内を分割する仕切りを持つが、従来は相対する容器側壁に沿って移動し、容器内を2分割するものが殆どである(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−100024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の食品容器では、2分割では分割数が少なく、市販品の小分けパックやアルミホイルなどを使用し、分割スペースをつくり、内容物を分け入れることになる。それらは使い捨てのものが殆どであり、また容器内で固定されないため、弁当等で携帯した場合は容器内で偏りが発生し、他の内容物と混合してしまうことがある。
【0005】
そこで、本願発明は上記した問題点に鑑み、内容物の分量にあわせ、容積サイズを調整することができる食品容器を提供することを目的とする。
【0006】
また、容器内での内容物の偏りを防ぐ食品容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の食品容器では、任意の場所に1箇所以上の切り欠き部を有する第1の仕切りと、前記切り欠き部に挿入可能な第2の仕切りと、前記第1の仕切りと前記第2の仕切りを収容する容器本体を備えた食品容器であって、前記第1の仕切りの前記切り欠き部に、前記第2の仕切りが直交し、前記第1の仕切りを前記第2の仕切りに沿って第2の仕切りの両端間を移動可能とすることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明の食品容器では、第1の仕切りと第2の仕切りの両端が、前記容器本体の内側壁に当接することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明の食品容器では、前記第2の仕切りに前記第1の仕切りが挿入可能な切り欠き部を有し、前記第2の仕切りを前記第1の仕切りに沿って移動可能とすることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明の食品容器では、前記第1の仕切りあるいは前記第2の仕切りを複数とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1記載の発明によれば、容器内を4分割でき、しかも仕切られた2容積毎に自由に容積を調整することができるので、内容物の分量にあわせ、容積サイズを調整することができ、市販品の小分けパック等を使用しなくてもよい。
【0012】
本発明の請求項2記載の発明によれば、仕切りは容器本体の内側壁に接触させた場合、内側壁と固定する事ができ、本発明の食品容器を弁当箱として使用する場合、携帯時に動いて内容物が偏ったりすることはない。
【0013】
本発明の請求項3記載の発明によれば、容器内の容積サイズをさらに自由に調整することができる。
【0014】
本発明の請求項4記載の発明によれば、第1の、第2の仕切りを追加することで容器内をさらに複数に分割し、それぞれを移動し区切られた分割容積を自由に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係る食品容器の斜視図である。
【図2】同上、食品容器の平面図である。
【図3】同上、図2におけるA−A断面図である。
【図4】同上、図2におけるB−B断面図である。
【図5】本発明の実施例2に係る食品容器の斜視図である。
【図6】同上、食品容器の平面図である。
【図7】同上、図6におけるA−A断面図である。
【図8】同上、図6におけるB−B断面図である。
【図9】本発明の実施例3に係る食品容器の斜視図である。
【図10】同上、食品容器の平面図である。
【図11】本発明の実施例4に係る食品容器の斜視図である。
【図12】同上、食品容器の平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0017】
図1〜図4は実施例1を示しており、同図に示すように食品容器1は、平面視矩形状に形成された有底角筒型の容器本体2と、容器本体2の内側壁の短辺3と略同一の長さを有する第1の仕切り4と、容器本体2の内側壁の長辺5と略同一の長さを有し、第1の仕切り4と直交する第2の仕切り6とを有している。
【0018】
第1の仕切り4の本体7(以下、第1の本体7と呼称する)には、第1の本体7の水平方向の両端間の任意の場所、例えば図中に示す第1の本体7の中央部分に、第1の本体7上端から垂直下向きに切り欠いて形成された第1の切り欠き部8を備えている。
【0019】
この第1の切り欠き部8は、その切り欠き高さH1(以下、第1の切り欠き高さH1と呼称する)を第2の仕切り6の本体9(以下、第2の本体9と呼称する)の高さ寸法L2とほぼ同一とし、またその切り欠き幅W1(以下、第1の切り欠き幅W1と呼称する)を第2の本体9の板厚D2とほぼ同一かそれ以上に形成されたものである。
【0020】
第1の仕切り4の左右両端には、第1の本体7と略直交して一体に形成され、第1の本体7とともに平面視略T型を形成する第1の当接部10をそれぞれ備えている。
【0021】
同様に、第2の仕切り6の左右両端にも、第2の本体9と略直行して一体に形成され、第2の本体9とともに平面視略T型を形成する第2の当接部11をそれぞれ備えている。
【0022】
また、第1の仕切り4下部のほぼ全体には、第1の本体7と略直交して一体に形成され、第1の本体7とともに断面略T型を形成する第1の支持部12を備えている。
【0023】
同様に、第2の仕切り6下部の両端には、第2の本体9と略直交して一体に形成され、第2の本体9とともに断面略T型を形成する第2の支持部13を備えている。
【0024】
上記第1の仕切り4と第2の仕切り6は、第1の切り欠き部8に第2の本体9を挿入して、第1の仕切り4と第2の仕切り6を直交させて平面視略格子状の仕切り体14を構成している。
【0025】
前記仕切り体14は、第1の仕切り4が第2の仕切り6の第2の本体9に沿って第2の本体9の両端間を水平方向に移動可能としている。
【0026】
以上の構成の食品容器1の使用方法について説明する。容器本体2内部に仕切り体14が設置されると、容器内の容積は第1〜第4区画15,16,17,18に4分割される。
【0027】
前述の第1〜第4区画15,16,17,18は、第1の仕切り4を介して第1及び第2区画15,16と、第3及び第4区画17,18とに2分割され、第2の仕切り6を介して第1及び第3区画15,17と、第2及び第4区画16,18とに2分割されたものとする。
【0028】
また、第1の仕切り4を、第2の本体9に沿って第2の本体9の両端間を水平方向に移動させることにより、第1及び第2区画15,16の各容積を第3及び第4区画17,18の各容積に対して相対的に増減可能としており、ごはんやおかず等の内容物の分量にあわせて、各第1〜第4区画15,16,17,18の容積サイズを2容積毎に自由に調整して使用する。
【0029】
仕切り体14は、第1の仕切り4に備えた第1の当接部10と第2の仕切り6に備えた第2の当接部11により、容器本体2の内側壁3,5と略面接触状態で接触しており、仕切り体14は容器本体2の内側壁3,5に固定される。
【0030】
また、仕切り体14の下部は、第1の仕切り4に備えた第1の支持部12と第2の仕切り6に備えた第2の支持部13により、容器本体2の内底壁19と略面接触状態で接触しており、それによって仕切り体14の第1の仕切り4及び第2の仕切り6は容器本体2の内底壁19に起立状態で固定される。
【0031】
以上のように本実施例は請求項1に対応しており、第1の本体7に第1の切り欠き部8を有する第1の仕切り4と、第1の切り欠き部8の切り欠き高さH1とほぼ同一の高さL2と切り欠き幅W1とほぼ同一の板厚D2を有し第1の切り欠き部8に挿入可能な第2の仕切り6と、第1の仕切り4と第2の仕切り6を収容する容器本体2を備えた食品容器1であって、第1の仕切り4の第1の切り欠き部8に、第2の仕切り6が直交し、第1の仕切り4が第2の仕切り6に沿って第2の仕切り6の両端間を移動可能とすることにより、容器本体2の内部を第1〜第4区画15,16,17,18に4分割でき、しかも第1の仕切り4を移動させることによって第1区画15と第2区画16、そして第3区画17と第4区画18の2容積毎に自由に容積を調整することができるので、ごはんやおかず等の内容物の分量にあわせ、第1〜第4区画15,16,17,18の各容積サイズを調整することができ、市販品の小分けパック等を使用しなくてもよい。
【0032】
また、本実施例は請求項2に対応しており、第1の仕切り4と第2の仕切り6の両端が、第1の当接部10と第2の当接部11を介して容器本体2の内側壁3,5に当接することにより、第1及び第2の仕切り4,6は容器本体2の内側壁3,5に接触させた場合、内側壁3,5と固定する事ができ、本発明の食品容器1を弁当箱として使用する場合、携帯時に仕切り体14が動いて内容物が偏ったりすることはない。
【実施例2】
【0033】
図5〜図8は、実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2では、第2の仕切り6に第2の切り欠き部20を設けている。第2の切り欠き部20は、第2の本体9の水平方向の両端間の任意の場所、例えば図中に示す第2の本体9の中央部分に、第2の本体9下端から垂直上向きに切り欠いて形成されたものである。
【0034】
この第2の切り欠き部20は、その切り欠き高さH2(以下、第2の切り欠き高さH2と呼称する)を第1の本体7の高さ寸法L1とほぼ同一とし、またその切り欠き幅W2(以下、第2の切り欠き幅W2と呼称する)を第1の本体7の板厚D1とほぼ同一かそれ以上に形成されたものである。
【0035】
本実施例の格子体14は、第2の切り欠き部20に第1の本体7を挿入して、第1の仕切り4と第2の仕切り6を直交させて平面視略格子状を構成し、第2の仕切り6が第1の仕切り4の第1の本体7に沿って第1の本体7の両端間を水平方向に移動可能としたものである。
【0036】
上記の構成により本実施例では、第2の仕切り6を、第1の本体7に沿って第1の本体7の両端間を水平方向に移動させることにより、第1及び第3区画15,17の各容積を第2及び第4区画16,18の各容積に対して相対的に増減可能としており、前述の第1の仕切り4の移動と合わせて、ごはんやおかず等の内容物の分量にあわせて、各第1〜第4区画15,16,17,18の容積サイズを自由に調整して使用する。
【0037】
以上のように本実施例では請求項3に対応しており、第2の仕切り6に第1の仕切り4の板厚D1とほぼ同一の第2の切り欠き幅W2を有する第1の仕切り4が挿入可能な第2の切り欠き部20を有し、第2の仕切り6を第1の仕切り4に沿って移動可能とすることにより、容器本体2内の各第1〜第4区画15,16,17,18の容積サイズをさらに自由に調整することができる。
【実施例3】
【0038】
図9〜図10は、実施例3を示しており、前記実施例1及び実施例2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例3の格子体14は、第1の仕切り4を二つ備え、各第1の切り欠き部8,8に第2の本体9を挿入して、各第1の仕切り4,4と第2の仕切り6を直交させて平面視略格子状を構成し、各第1の仕切り4,4を第2の本体9に沿って第2の本体9の両端間を水平方向に移動可能としたものである。
【0039】
上記の構成により本実施例では、容器本体2内部に、仕切り体14が設置されると、容器内の容積は第1〜第6区画21,22,23,24,25,26に6分割される。
【0040】
前述の第1〜第6区画は、2つの第1の仕切り4,4を介して、第1及第2区画21,22と、第3及び第4区画23,24と、そして、第5及び第6区画25,26とに3分割され、さらに第2の仕切り6を介して、第1、第3、第5区画21,23,25と、第2、第4、第6区画22,24,26とに2分割されたものとする。
【0041】
また、各第1の仕切り4,4を、第2の本体9に沿って第2の本体9の両端間を水平方向に移動させることにより、第1及び第2区画21,22の各容積と、第3及び第4区画23,24の各容積と、第5及び第6区画25,26の各容積を相対的に増減可能としており、ごはんやおかず等の内容物の分量にあわせて、各第1〜第6区画21,22,23,24,25,26の容積サイズを自由に調整して使用する。
【0042】
以上のように本実施例では請求項4に対応しており、第1の仕切り4を複数にすることにより、第1の仕切り4を追加することで容器本体2内をさらに複数に分割し、第1の仕切り4を移動し第1〜第6区画21,22,23,24,25,26に区切られた分割容積をさらに自由に調整できる。
【実施例4】
【0043】
図11〜図12は、実施例4を示しており、前記実施例1〜3と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例4では、複数の第2の仕切り6,6に、それぞれ第2の本体9の水平方向の両端間に所定の間隔を有して第2の切り欠き部20を複数備えている。
【0044】
そのため、本実施例の格子体14は、複数の第2の仕切り6,6の複数第2の切り欠き部20,20に複数の第1の仕切り4,4の第1の本体7,7をそれぞれ挿入して、第1の仕切り4,4と第2の仕切り6,6を直交させて平面視略格子状を構成し、各第2の仕切り6,6を第1の本体7,7に沿って第1の本体7,7の両端間を水平方向に移動可能としたものである。
【0045】
上記の構成により本実施例では、容器本体2内部に、仕切り体14が設置されると、容器本体2内の容積は第1〜第9区画33,34,35,36,37,38,39,40,41に9分割される。
【0046】
前述の第1〜第9区画33,34,35,36,37,38,39,40,41は、2つの第1の仕切り4,4を介して第1〜第3区画33,34,35と、第4〜第6区画36,37,38と、そして、第7〜第9区画39,40,41とに3分割され、さらに2つの第2の仕切り6,6を介して第1、第4、第7区画33,36,39と、第2、第5、第8区画34,37,40と、第3、第6、第9区画35,38,41とに3分割されたものとする。
【0047】
また、各第2の仕切り6,6を、各第1の本体7,7に沿って各第1の本体7,7の両端間を水平方向に移動させることにより、第1、第4、第7区画33,36,39の各容積と、第2、第5、第8区画34,37,40の各容積と、第3、第6、第9区画35,38,41の各容積とを相対的に増減可能としており、ごはんやおかず等の内容物の分量にあわせて、各第1〜第9区画33,34,35,36,37,38,39,40,41の容積サイズを自由に調整して使用する。
【0048】
以上のように本実施例では請求項4に対応しており、第1の仕切り4と第2の仕切り6をそれぞれ2つにすることにより、第1の仕切り4、第2の仕切り6を追加することで容器本体2内をさらに複数に分割し、第1の仕切り4,4及び第2の仕切り6,6を移動し第1〜第9区画33,34,35,36,37,38,39,40,41に区切られた分割容積をさらに自由に調整できる。
【0049】
本発明は、各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、第1の切り欠け部及び第2の切り欠け部の位置や数、各当接部や各支持部の形状についても適宜変更可能である。また、第1の仕切り及び第2の仕切りの数は3つ以上の複数としても構わないものとする。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように本発明に係る食品容器は、弁当箱に限らず、各種の収納容器の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
1 食品容器
2 容器本体
3,5 内側壁
4 第1の仕切り
6 第2の仕切り
8 第1の切り欠き部
20 第2の切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の場所に1箇所以上の切り欠き部を有する第1の仕切りと、前記切り欠き部に挿入可能な第2の仕切りと、前記第1の仕切りと前記第2の仕切りを収容する容器本体を備えた食品容器であって、前記第1の仕切りの前記切り欠き部に、前記第2の仕切りが直交し、前記第1の仕切りを前記第2の仕切りに沿って第2の仕切りの両端間を移動可能とすることを特徴とする食品容器。
【請求項2】
第1の仕切りと第2の仕切りの両端が、前記容器本体の内側壁に当接することを特徴とする請求項1記載の食品容器。
【請求項3】
前記第2の仕切りに前記第1の仕切りが挿入可能な切り欠き部を有し、前記第2の仕切りを前記第1の仕切りに沿って移動可能とすることを特徴とする請求項1及び2に記載の食品容器。
【請求項4】
前記第1の仕切りあるいは前記第2の仕切りを複数とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−201580(P2011−201580A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71660(P2010−71660)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(591261602)サーモス株式会社 (76)
【Fターム(参考)】