説明

食品材料供給装置

【課題】投入された食品材料をほぐしつつ搬送でき、また、装置本体の構造を複雑化することなく、清掃が容易な搬送装置を備える食品材料供給装置を提供すること。
【解決手段】投入部から投入される食品材料を保持する保持部20と、該保持部20内に保持された食品材料を加工部5まで送り出す搬送装置と、を備える食品材料供給装置であって、前記搬送装置は、前記保持部20内に回動自在に設けられた回転軸24と、該回転軸24の周面に突設されるとともに、該回転軸24の長手方向にわたって列設された複数本の棒材25a,25bと、からなる複数の回転体22,23にて構成され、該複数の回転体22,23は、互いの棒材25a,25bの少なくとも一部が隣り合う回転体22,23の回転径内に入り込むように搬送方向に向けて並設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品材料、例えば米飯や食肉等を食品材料加工部まで搬送する搬送装置を備える食品材料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品材料としての米飯を握り寿司やおにぎり等に成型するための握り寿司成形装置として、例えば装置上部に設けられたホッパーから保持部材内に投入された米飯を、攪拌手段により攪拌してほぐしながら、保持部材の底部に配置されたベルトコンベアにより、装置前方に配置された圧縮移送機構まで送り出すようにしたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−60445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された握り寿司成形装置にあっては、ホッパーから保持部材内に投入された米飯を圧縮移送機構まで主にベルトコンベアにて送り出していることで、ベルトコンベアのベルトに米飯が付着しやすいばかりか、コンベア装置内部に米飯が入り込みやすいため、清掃やメンテナンスが大変であるとともに、ベルトコンベアの清掃のために機構が複雑化するばかりか、米飯をほぐすための攪拌手段と搬送手段とをそれぞれ別個に設けているため、製造コストが嵩むといった問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、投入された食品材料をほぐしつつ搬送でき、また、装置本体の構造を複雑化することなく、清掃が容易な搬送装置を備える食品材料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の食品材料供給装置は、
投入部から投入される食品材料を保持する保持部と、該保持部内に保持された食品材料を加工部まで送り出す搬送装置と、を備える食品材料供給装置であって、
前記搬送装置は、前記保持部内に回動自在に設けられた回転軸と、該回転軸の周面に突設されるとともに、該回転軸の長手方向にわたって列設された複数本の棒材と、からなる複数の回転体にて構成され、該複数の回転体は、互いの棒材の少なくとも一部が隣り合う回転体の回転径内に入り込むように搬送方向に向けて並設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、投入部から投入された食品材料は、各回転体の棒材によりほぐされながら、かつ掻き出されるように加工部まで搬送されるとともに、各回転体の棒材同士が互いの回転径内に入り込むことにより、上流側の回転体から送られてきた食品材料は、下流側の回転体の棒材により掻き出されて確実に搬送されるため、各回転体間に食品材料が滞留してしまうことがない。従って、回転体のみの簡単な構造で食品材料を搬送できるので、清掃が容易であるばかりか、製造コストが効果的に低減される。
【0007】
本発明の請求項2に記載の食品材料供給装置は、請求項1に記載の食品材料供給装置であって、
隣り合う回転体のうち少なくとも一方の回転体の回転軸の周面に対して、他方の回転体の棒材の先端が近接するように配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、少なくとも一方の回転体の回転軸近傍に食品材料が入り込んでも、他方の回転体の棒材にて確実に掻き出されるので、回転軸周りに食品材料が滞留して乾燥することが防止される。
【0008】
本発明の請求項3に記載の食品材料供給装置は、請求項2に記載の食品材料供給装置であって、
前記一方の回転軸の外径が、前記他方の回転軸の外径よりも大径であることを特徴としている。
この特徴によれば、回転体の回転径を小さくすることなく、かつ、食品材料を回転軸周りに滞留させることなく確実に搬送できる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の食品材料供給装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の食品材料供給装置であって、
前記複数の回転体のうち、搬送方向の上流側に配置される回転体の直上に前記投入部が配置されるとともに、該上流側の回転体の回転径は、下流側の回転体の回転径よりも大径であることを特徴としている。
この特徴によれば、投入された食品材料の荷重が回転体にかかっても、該回転体に大きな負荷をかけることなく回転させることができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の食品材料供給装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の食品材料供給装置であって、
隣り合う回転体の棒材は、回転時において互いに近傍を通過するように配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転時に互いの棒材に付着した食品材料を掻き落としあうため、棒材に食品材料が付着したまま乾燥することを防止できる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の食品材料供給装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の食品材料供給装置であって、
前記保持部の底壁内面が、前記複数の回転体の周面の一部に沿うように形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転体と底壁内面との間に食品材料が滞留することが防止される。
【0012】
本発明の請求項7に記載の食品材料供給装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の食品材料供給装置であって、
前記投入部は、前記回転体の上方に配置されるホッパーにて構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、投入された食品材料の荷重の一部がホッパーの傾斜面に加わり、回転体に加わる負荷が軽減されるばかりか、投入された食品材料は回転体の回転に伴い、傾斜面に沿って漸次回転体に送り出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0014】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例におけるシャリ玉製造装置を左斜め前上方から見た状態示す外観斜視図であり、図2は、図1の装置の上部を示すA−A断面図であり、図3は、米飯の保持部を示す平面図であり、図4は、回転体の構成を示す概略図であり、図5は、投入されたシャリの搬送状態を示す概略断面図である。尚、以下の説明において、図1の右斜め下側及び図2〜図5の左側を装置の正面側として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明が適用された食品材料供給装置の一例としてのシャリ玉製造装置であり、このシャリ玉製造装置1の本体は、下部本体2bと、該下部本体2bの後部上方に配置された上部本体2aと、から主に構成されている。上部本体2aの上部には、米飯が投入される投入部としてのホッパー3が配設されているとともに、該ホッパー3の下方には、該ホッパー3に投入された米飯を保持する保持部20が設けられている(図2,3参照)。上部本体2bの正面側には、保持部20の内部に設けられた後述する搬送装置により前側に送り出された米飯を、下方に向けて圧縮成形(加工)しながら移送するとともに、下部本体2bの上面に回動自在に設けられたターンテーブル4に向けて排出する移送筐体5が設けられている。該移送筐体5は、上面に米飯の流入部5aが形成されるとともに、下面に排出部5bが形成された中空状の箱体にて構成され、該排出部5bの下方には、移送筐体5にて移送された米飯を切り離す切り離し装置としてのカッター6が配設されている。
【0016】
ターンテーブル4の上面には、移送筐体5の下部に形成される排出部5bから排出され、かつカッター6にて切り離された所定量の米飯を受け入れる成形受部としての複数の成形孔7が形成されており、ターンテーブル4の回転(時計回り)に応じて、各成形孔7が移送筐体5の排出部5bの鉛直下方位置に順次配置されるようになっている。
【0017】
各成形孔7は、所定深さを有するとともに(図2参照)、その内部には、該成形孔7の底部を構成する下成形部8が、ターンテーブル4の回転に応じて昇降するように設けられているとともに、排出部5bの下方に配置される成形孔7の右側の成形孔7の上方には、上成形部9が配置されており、下成形部8は、排出部5bの下方において成形孔7内における最下位置に位置して米飯を受け入れることができるようになるとともに、上成形部9の下方の配置位置にて若干上昇して受け入れた米飯を上成形部9とともに上下から挟むように圧縮してシャリ玉形状に成形するようになっている。また、下成形部8は、上成形部9の下方位置から再度排出部5bの下方位置までの間は最上位置まで上昇し、成形したシャリ玉をターンテーブル4の上面まで上昇させるため、作業者がシャリ玉を取り出せるようになっている。
【0018】
また、ターンテーブル4は、回転中心位置に挿入した取り付けボルト10を介して下部本体2bに回動自在に取り付けられており、該取り付けボルト10を緩めて取り外すことで、ターンテーブル4を上方に向けて下部本体2bから離脱できるようになっている。尚、図1中の符号11は電源スイッチであり、12は操作パネルである。
【0019】
移送筐体5の内部には、正面から見て左右方向の中央部に上下方向に延びる移送路16(図2参照)が形成されているとともに、移送路16の左右側方には、左右一対の複数の移送ローラ13,13が、米飯の移送方向(上下方向)に沿って配置されており、これら移送ローラ13,13間に流入される米飯が、これら移送ローラ13の回転により移送されるようになっている。また、左右一対の移送ローラ13,13は、互いに対向するローラ同士が、上部の流入部5a側から下部の排出部5b側に向けて徐々に近接するように、正面視逆「ハ」の字形に配置されている。つまり移送路16の左右幅は、流入部5aから排出部5bに向かうに従い幅狭になるので、米飯は左右側から挟みこまれるように圧縮成形されながら移送される。
【0020】
尚、これら移送ローラ13は、図2に示されるように、それぞれの回転軸13aの後端に設けられたギヤ14を介して、移送筐体5の後方に配置されたローラモータ15に連係されており、該ローラモータ15の駆動により回転するようになっている。
【0021】
このように、保持部20から排出された米飯を圧縮成形しながら移送する複数の移送ローラ13,13を有する移送筐体5と、その下方に配置されて移送筐体5内から排出された米飯を成形する下成形部8や上成形部9を含むターンテーブル4とは、本発明の食品材料の加工部を構成している。
【0022】
次に、ホッパー3から投入された米飯を保持する保持部20の内部構造を、図2〜図4に基づいて説明する。
【0023】
保持部20は、図2及び図3に示されるように、上面が開口する箱状の合成樹脂製の容器21により構成されており、その上面開口の上部には平面視長方形状のホッパー3が配設されている。ホッパー3は、上下面が開口するじょうご型に形成されており、上面開口3a、つまり米飯の投入部は下面開口3bよりも大きく形成されている。また、前壁の内側面3cは、下方に行く従い後向きに傾斜する傾斜面とされており、投入された米飯の荷重を受け止めつつ、下方の回転体23まで案内するようになっている。すなわち、ホッパー3の下面開口3bは容器21の上面開口における後部に配置されるので(図3参照)、ホッパー3内に投入された米飯は容器21内後部に落下するようになっている。
【0024】
容器21内には、ホッパー3内に投入されて容器21内後部に落下した米飯を、該容器21の底壁21bの前部に形成された開口21aまで送り出す搬送装置としての回転体22,23と、該回転体22,23を駆動する図示しない搬送モータと、から構成されている。回転体22,23は、左右方向、すなわち、搬送方向に対して直交する方向を向く軸部材24a及び該軸部材24aの周囲に相対回転不能に嵌装される管体24bからなる回転軸24と、該回転軸24の周面に、長手方向に向けて所定間隔おきに複数列設される円柱状の棒材25a,25bと、から主に構成されている。
【0025】
回転体22,23は、図3に示されるように、軸部材24aの左右端が容器21の左右側壁内に挿通されて回転自在に軸支されているとともに、それら軸部材24aの左側端部には、図示しない搬送モータの駆動軸に固着された駆動ギヤ27に噛合する従動ギヤ26が固着されており、図示しない搬送モータの駆動により、図5中白矢印で示す方向に同期して回転するようになっている。
【0026】
各回転体22,23の棒材25a,25bは、図2及び図3に示されるように、その基部を管体24b内に埋設することにより、回転軸24の周面から放射状に延びるように突設されている。詳しくは、回転体22,23の周面には、回転軸24の軸心方向に対して平行に所定ピッチ(本実施例では約25ミリ)ごとに突設された複数本(本実施例では6本)の棒材25a,25bからなる櫛歯状の棒材群が、周方向に向けて所定角度おき(本実施例では90度おき)に配設されている。棒材25aからなる2列の棒材群と、棒材25bからなる2列の棒材群と、は周方向に向けて90度間隔で配設されているとともに、図3に示されるように、回転軸24の軸心方向に向けて互いに半ピッチ(P3)ずらして配置されており、これにより軸心方向に隣り合う棒材25a,25a及び25b,25b間に米飯が滞留することが防止されている。
【0027】
回転体22の回転径L1、つまり、回転中心C1から棒材25a,25bの先端までの長さ(回転体22の半径)は、本実施例では55ミリとされている。また、回転体23の回転径L2、つまり、回転中心C2から棒材25a,25bの先端までの長さ(回転体23の半径)は、本実施例では75ミリとされており、回転体23の回転径L2は回転体22の回転径L1よりも大径(L1<L2)とされている。これに対し、回転体23における棒材25a,25bの長さL4は、回転径L2の約半分の35ミリとされ、回転体22における棒材25a,25bの長さL3よりも短寸とされている(L4<L2,L4<L3)。すなわち、回転体23の回転径L2に対する回転軸24の半径の割合は約半分とされており、これにより回転軸24周り、つまり棒材25a,25bの基部に多量の米飯が滞留し、回転体23の回転に大きな負荷がかかることが防止されている。
【0028】
これら回転体22,23は、回動時において、互いの棒材25a,25bの一部が隣り合う回転体22,23の回転径L1,L2内に入り込むように、米飯の搬送方向に向けて並設されている(図4の1点鎖線参照)。これにより、搬送方向下流側の回転体22の棒材25a,25bの先端が、隣り合う上流側の回転体23の回転軸24の周面近傍に配置されるため、回転体23における棒材25a,25bの基部に米飯が入り込んでも、他方の回転体22の棒材25a,25bにて掻き出されるので、棒材25a,25bの基部に米飯が詰まって重くなり、回転体23の回転に大きな負荷がかかったり、滞留したまま乾燥することが防止される。
【0029】
さらに、図3に示されるように、互いの回転体22,23における棒材25a,25a同士及び棒材25b,25b同士はすれ違うように回転が同期されているとともに、棒材25a,25a同士のピッチP1及び棒材25b,25b同士のピッチP2(P1=P2)は、棒材25aと棒材25bとのピッチP3よりも小さくなるように近接配置されているため(P1<P3,P2<P3)、棒材25a,25a同士及び棒材25b,25b同士が回転時にすれ違うときに、各棒材25a,25bに付着した米飯が他方の回転体の棒材により掻き落とされるので、米飯が棒材25a,25bに付着したまま乾燥することが防止される。
【0030】
また、回転体22,23のうち、回転径が大径である回転体23が搬送方向の上流側であるホッパー3の下面開口3bの直下に配置されることで、投入された米飯の荷重が回転体23にかかっても、大きな負荷をかけることなく回転駆動させることができる。
【0031】
また、図2に示されるように、容器21の底壁21bの上面における各回転体22,23に対応する箇所は、回転体22,23それぞれの周面、すなわち、回転径L1,L2に沿う湾曲面28a,28bにて構成されているため、回転体22,23と底壁21bの上面との間に米飯が滞留することが防止されている。
【0032】
さらに、容器21の前部に形成された開口21aの左側面には、米飯があるか否かを検出する検出センサ29が配設されており、該検出センサ29により所定時間米飯が検出されたことを条件に、図示しない搬送モータの駆動が停止され、所定時間米飯が検出されないこと条件に、図示しない搬送モータの駆動が開始されるようになっており、無駄に回転体22,23を駆動することなく、かつ、多量の米飯が一気に送り出されることなく、効率よく移送筐体5内に向けて米飯が送り出されるようになっている。
【0033】
次に、このように構成された保持部20における米飯の搬送状況を、図5に基づいて説明する。尚、図5中白矢印は回転体22,23の回転方向を示し、黒矢印は米飯の搬送方向を示している。
【0034】
ホッパー3の上面開口3aから米飯を投入すると、米飯は下面開口3bから下方の回転体23の上方に落下する。ここで回転体22,23が図中白矢印方向に向けて回転すると、図中黒矢印で示されるように、回転体23の棒材25a,25bからなる棒材群により所定量ずつ米飯が掻き出されて容器21の後方に送り出され、容器21の後壁と回転体23との間に入り込んだ後、棒材25a,25bにより湾曲面28bに沿って前方に送り出される。
【0035】
そして、上流側の回転体22側まで送り出されたとき、棒材25a,25bの回転により上向きに持ち上げられようとするが、下向きに回転してくる他方の回転体22の棒材25a,25bにより下向き前方に向けて掻き出され、そのまま湾曲面28a沿って前方に送り出された後、開口21a内に落下し、下方の移送筐体5の流入部5aを介して移送路16内に入り込む。移送路16内に入り込んだ米飯は、前述したように移送ローラ13により圧縮成形されながら下方に向けて移送された後、排出部5bから排出され、その下方のターンテーブル4の成形孔7内に落下し、シャリ玉形状に成形される。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施例としてのシャリ玉製造装置1にあっては、投入部としてのホッパー3から投入された米飯は、各回転体22,23の棒材25a,25bによりほぐされながら、かつ軸心方向に向けて列設された棒材群により掻き出されるように移送筐体5まで搬送されるとともに、各回転体22,23の棒材25a,25b同士の一部が、互いの回転径L1,L2内に入り込んでいることにより、搬送方向の上流側の回転体23における各棒材群間に入り込んだ状態で送られてきた所定量の米飯は、下流側の回転体22の棒材25a,25bにより掻き出されて下流側に確実に搬送されるため、各回転体22,23間に米飯が滞留してしまうことがない。従って、回転体22,23のみの簡単な構造で米飯を搬送でき、特に回転体22,23の駆動源や従動ギヤ26,駆動ギヤ27等が容器21の外部に配置できるので、駆動源や従動ギヤ26,駆動ギヤ27に米飯が入り込むことがないので、清掃が容易であるばかりか、製造コストが効果的に低減される。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0038】
例えば、前記実施例では、容器21内に2つの回転体22,23が搬送方向に向けて並設されていたが、3以上の回転体を並設してもよい。また、棒材25a,25bの配設本数、長さ、太さ等は種々に変更可能である。また、前記実施例では、軸心方向に向けて該軸心と平行に列設された6本の棒材25a,25bからなる棒材群が、周方向に4列設けられていたが、これら棒材群が周方向に向けて1列のみ設けられていてもよいし、5列以上設けられていてもよい。さらにこれら棒材群は、例えば軸心方向に向かうに従い漸次周方向に傾くように、すなわち、螺旋状に列設されていてもよい。
【0039】
また、前記実施例では、食品材料の一例として米飯を記載したが、例えばひき肉等の食肉等の他の食品材料であってもよい。また、本実施例においては、食品材料供給装置の一例として、投入された米飯を成形(加工)する成形部(加工部)まで搬送する搬送装置を備えたシャリ玉製造装置が記載されていたが、投入された食品材料を加工部まで搬送する搬送装置を備えた装置であれば、例えばおにぎりや巻物等の握り玉を成形する製造装置に本発明の搬送装置を適用してもよい。
【0040】
また、前記実施例では、上流側の回転体23のみが、その回転径L2に対する回転軸24の半径の割合が約半分とされていたが、下流側の回転体22の回転径L1に対する回転軸24の半径の割合を約半分としてもよい。また、回転体の回転径に対する回転軸の半径の割合は、約半分(1/2)に限定されず、例えば約1/3の割合であってもよいし、あるいは約3/4の割合であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例におけるシャリ玉製造装置を左斜め前上方から見た状態示す外観斜視図である。
【図2】図1の装置の上部を示すA−A断面図である。
【図3】シャリの保持部を示す平面図である。
【図4】回転体の構成を示す概略図である。
【図5】投入された米飯の搬送状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 シャリ玉製造装置(食品材料供給装置)
2a 上部本体
2b 下部本体
3 ホッパー
4 ターンテーブル(成形受部)
5 移送筐体
5a 流入部
5b 排出部
7 成形孔(成形受部)
8 下成形部(成形受部)
13 移送ローラ
15 ローラモータ
16 移送路
20 保持部
21 容器(保持部)
21a 開口
21b 底壁
22,23 回転体(搬送装置)
24 回転軸
24b 管体
24a 軸部材
25a,25b 棒材
28a,28b 湾曲面(底壁内面)
29 検出センサ
L1,L2 回転径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入部から投入される食品材料を保持する保持部と、該保持部内に保持された食品材料を加工部まで送り出す搬送装置と、を備える食品材料供給装置であって、
前記搬送装置は、前記保持部内に回動自在に設けられた回転軸と、該回転軸の周面に突設されるとともに、該回転軸の長手方向にわたって列設された複数本の棒材と、からなる複数の回転体にて構成され、該複数の回転体は、互いの棒材の少なくとも一部が隣り合う回転体の回転径内に入り込むように搬送方向に向けて並設されていることを特徴とする食品材料供給装置。
【請求項2】
隣り合う回転体のうち少なくとも一方の回転体の回転軸の周面に対して、他方の回転体の棒材の先端が近接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の食品材料供給装置。
【請求項3】
前記一方の回転軸の外径が、前記他方の回転軸の外径よりも大径であることを特徴とする請求項2に記載の食品材料供給装置。
【請求項4】
前記複数の回転体のうち、搬送方向の上流側に配置される回転体の直上に前記投入部が配置されるとともに、該上流側の回転体の回転径は、下流側の回転体の回転径よりも大径であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食品材料供給装置。
【請求項5】
隣り合う回転体の棒材は、回転時において互いに近傍を通過するように配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食品材料供給装置。
【請求項6】
前記保持部の底壁内面が、前記複数の回転体の周面の一部に沿うように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食品材料供給装置。
【請求項7】
前記投入部は、前記回転体の上方に配置されるホッパーにて構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食品材料供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate