説明

食材用容器及び食材が収容された食材用容器

【課題】主食材を収容する容器本体と、副食材を収容することが可能な蓋体とよりなる食材用容器において、片手で支持することが容易な蓋体から、好みの副食材を選択することができる食材用容器を提供する。
【解決手段】容器本体2を閉合する蓋体5は、具材等の副食材を収容するための区画部30が形成された蓋本体部3と、一対の扉部40が設けられた外蓋4とを備えている。外蓋4は、蓋本体部3に対して、係合凹部33と係合凸部43との係合により固定されている。そして、一方の扉部40の部分を持ちながら、他方の扉部40を開くことにより、区画部30から副食材を取り出すことを容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麺類又は米飯等の主食材を収容する容器本体と、具材、薬味、汁等の副食材を収容することが可能な蓋体とよりなる食材用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている弁当には多彩な食材を用いたものがあり、様々な種類の弁当が手軽に食されるようになっている。これらの弁当は、プラスチックシート製容器に食材が収容され、全体がプラスチックフィルムで包装されているものがある。そして、これらの容器には、麺類や米飯等の主食材と、具材、薬味、汁等の副食材とを分けて収容するために、容器本体と中蓋と外蓋とより構成されているものがあり、中蓋に副食材が収容されている。
【0003】
特許文献1に開示されている即席麺収納容器は、即席麺を収納する容器本体と、蓋体とを備えている。その蓋体には、凹部が形成されると共に、この凹部内には複数の凹部内空所が形成されている。そして、複数の空所には、具材入り袋、調味液入り袋、薬味入り袋等が収納されるようになっている。また、凹部の底面が、湯通しのために注入された湯から浮き上がる麺を押し沈めるようになっている。
【0004】
特許文献2に開示されている食品用容器は、容器本体と、上蓋と、容器本体と上蓋との間に挟持されるように配置される中容器及び中皿とを備えている。この中皿は、低い周壁を備えた浅皿状に形成されると共に、仕切り板部により複数の小室が設けられている。そして、これらの小室には、煮卵、チャーシュー、メンマ等の具材が収容されるようになっている。また、更に小さく仕切られた小室には薬味が収容されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−40029号公報
【特許文献2】特開2005−88922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記弁当を食する人達の嗜好は、益々多様化する傾向がみられる。そして、容器内に収容されている副食材の全てが主食材と共に食されるとは限らず、好きな副食材が食されて、嫌いな副食材が除かれる場合がある。
【0007】
このため、特許文献1の容器にあっては、具材等は袋入りとなっているので、この袋内に複数種類の具材が入っている場合、その具材の中から嫌いな具材を除くことは容易ではない。このため、袋入りの具材とせずに、具材等を直に空所に収納することもできる。しかし、蓋体を片手で持つと共に、他方の手に持った箸等で、複数の空所に収容された具材の選択を行うためには、蓋体は持ちやすい形状とはなっていない。従って、蓋体をしっかり持とうとして、指を具材が直に収容されている空所に入れてしまったり、蓋体をしっかり持てなくて具材を零してしまったりすることが避けられない。
【0008】
また、特許文献2の容器の中皿は、合成樹脂製シートが浅皿状に形成されたものであるため、具材等を収容した状態で片もちされることに十分耐えられるほどの剛性を有していない。即ち、片持ちされた中皿は姿勢の安定性に欠けることになる。このため、中皿を中容器上から取り外すに際し、中皿を左右から支えるようにすることが好ましい。ところが、その作業を両手で行うことは容易であっても、片手で行う場合は、手を広げて伸ばした複数の指先に中皿の両端部を挟むようにする必要がある。このため、手の小さな人達にとっては、片手による作業は難しい。従って、一旦、中皿をテーブル上等に移動してから、好きな具材のみを選択して容器本体内へ移すことが行われる。
【0009】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、主食材を収容する容器本体と、副食材を収容することが可能な蓋体とよりなる食材用容器において、片手で支持することが容易な蓋体から、好みの副食材を選択することができる食材用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するために請求項1に記載の食材用容器の発明は、主食材を収容する容器本体と、蓋本体部と外蓋とよりなる蓋体とを備えた合成樹脂製シートよりなる食材用容器において、前記蓋本体部には、副食材を区画して収容するための区画部が形成され、前記外蓋は、一対の扉部と基体部とにより形成され、且つ、前記扉部は前記基体部に開閉可能に連結していると共に、前記基体部において前記外蓋が前記蓋本体部に固定されていることを特徴とするものである。なお、ここで言う「一対の」とは、必ずしも、対称位置にあったり、対称形状であったりすることを意味せず、二つあることを意味する。
【0011】
上記構成によれば、容器本体に閉合される蓋体が、蓋本体部と外蓋とを備えるようにした。そして、外蓋を、一対の扉部とその扉部間を連結する基体部とにより形成すると共に、基体部に対して扉部を開閉可能に連結した。また、このように構成された外蓋が基体部を介して蓋本体部に固定されるようにした。
【0012】
このため、一対の扉部のうちの一方の扉部を開く際に、他方の閉じた状態の扉部と共に蓋体を片手で持つことができる。そして、蓋体を持つ同じ手で、開かれた扉部を開いた状態で支えることができる。従って、例えば、蓋本体部の区画部に収容された複数の副食材から好みの副食材を選択して取り出すことを容易に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の食材用容器において、前記蓋本体部には係合凹部が形成されると共に、前記外蓋の基体部には係合凸部が形成されて、前記係合凹部と係合凸部との係合により、前記外蓋が前記蓋本体部に固定されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の食材用容器において、前記基体部は、長方形状をなすと共に、その長辺部分にヒンジ部が形成されて、前記一対の扉部と基体部とが前記ヒンジ部を介して連結していることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の食材用容器において、前記係合凹部は、前記蓋本体部の天板部において、蓋本体部の中心を通る直線上の2ヶ所に形成され、また、前記係合凸部は、前記外蓋の基体部において、前記2ヶ所の係合凹部に係合可能な位置に形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に記載の食材が収容された食材用容器の発明は、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の食材用容器において、前記容器本体に前記主食材が収容されると共に、前記蓋本体部の区画部に前記副食材が収容されたことを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、主食材に対して副食材を添加するために、片手で持つことが容易な蓋体を備えた食材用容器に、主食材及び副食材を収容するようにした。このため、この食材が収容された食材用容器を購入した人は、蓋体を容器本体から外すと共に、蓋体を片手で持ったまま、好みの副食材を、主食材に対して加えることを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、容器本体に収容された主食材に対して、蓋体に収容された副食材を選択的に加える際、片手で持つことが容易な蓋体を備えた食材用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の容器の構成を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の容器の閉合状態における断面図。
【図3】第1実施形態の蓋本体部を示す平面図。
【図4】図3のA−A矢視断面図。
【図5】図3のB−B矢視断面図。
【図6】第1実施形態の外蓋を示す平面図。
【図7】図6のC−C矢視断面図。
【図8】図6のD−D矢視断面図。
【図9】図6のE矢視図。
【図10】第1実施形態の容器の使用状態を示す斜視図。
【図11】第2実施形態の蓋本体部を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F矢視断面図、(c)は(a)のG−G矢視断面図。
【図12】第2実施形態の外蓋を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のH−H矢視断面図、(c)は(a)のI−I矢視断面図。
【図13】第3実施形態の蓋本体部を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のJ−J矢視断面図、(c)は(a)のK−K矢視断面図、(d)は(a)のL矢視図。
【図14】第3実施形態の外蓋を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のM−M矢視断面図、(c)は(a)のO−O矢視断面図、(d)は(a)のN矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図10を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の食材用容器1は、容器本体2と、蓋本体部3と外蓋4とよりなる蓋体5とを備えている。容器本体2、蓋本体部3及び外蓋4のそれぞれは、プラスチック製シートの成形品である。このシートとしては、ソリッドシート及び発泡シートのいずれをも用いることができる。
【0021】
容器本体2は、底板部24と、段部22を有する周壁部21とにより丼鉢状に形成されている。周壁部21の上縁は、外方及び下方へ曲げられて、逆U字状断面をなす環状の返部23となっている。この返部23と、後述する蓋本体部3の環状凸部36とが係合することにより、容器本体2に対して外蓋4と共に蓋本体部3が閉合される。
【0022】
図1及び図3〜図5に示すように、蓋本体部3は、環状縁部34と、天板部32と、隔壁31により区画された区画部30とによりトレー状に形成されている。
環状縁部34の外縁から下方へ延出するように、下側の第1周壁部35a及び上側の第2周壁部35bよりなる周壁部が形成されている。第1周壁部35aと第2周壁部35bとの間は段部35cにより連接されている。第1周壁部35aの内側には、内方に突出する環状凸部36が、円周方向に沿って形成されている。また、第2周壁部35bの上端近傍の円周上2ヶ所には、外方へ突出する所定長さの凸部38が、円周方向に沿って形成されている。この凸部38の一つが、後述する摘部39の直近に配置されている。
【0023】
そして、第1周壁部35aの下端から外方へ延出するようにフランジ部37が形成されると共に、更にその一部が外方へ延出して延出部37aが形成されている。また、その延出部37aの内側中央部に摘部39が設けられている。この摘部39を摘むことにより、環状凸部36と容器本体2の返部23との係合を外して、容器本体2に対して外蓋4と共に閉合している蓋本体部3の取り外しを容易に行うことができる。
【0024】
一方、環状縁部34の内側から内方へ延出するように、且つ、蓋本体部3の中心を通る直線に沿って、隔壁31が2ヶ所に形成され、それらの間に天板部32が設けられている。隔壁31の頂面と天板部32とは、同一高さに配置されると共に、外蓋4の形状に対応して環状縁部34よりも低い位置に配置されている。そして、この天板部32における前記直線に沿う方向において、且つ、蓋本体部3の中心に対して対称となる位置の2ヶ所に、裏面側に向かって凹む係合凹部33が形成されている。この係合凹部33は、図3及び図4に示すように、略平面四角形状をなしており、間口よりも広い底部33aと4ヶ所の側壁部33bとにより下側への末広がり状に形成されている。
【0025】
また、環状縁部34の内側においては、複数箇所(本実施形態では7ヶ所)に形成された隔壁31により区画部30が形成されている。区画部30は、底部30aと、環状縁部34の内縁から下方へ延出した縁部側壁部30bと、隔壁31の壁部30cとにより、種々形状の凹部として形成されている。
【0026】
図1及び図6〜図9に示すように、外蓋4は、環状縁部45と、外蓋4の中心を通る直線に沿って配置された長方形状の基体部42と、基体部42の長辺部分に形成されたヒンジ部44を介して配置された一対の扉板部41とを備えている。ヒンジ部44は、断面略逆V字状の突条体である。
【0027】
環状縁部45は、天板部45aと、天板部45aの内縁から下方へ延出した内側壁45bと、天板部45aの外縁から下方へ延出した外側壁45cとを備えている。外側壁45cの下端において、外蓋4の中心を通りヒンジ部44に直交する方向における2ヶ所には、外方へ延出するように摘部46が形成されている。また、それぞれの摘部46の直近の外側壁45cの内面には、内方に突出する所定長さの凸部47が円周方向に沿って形成されている。
【0028】
図6及び図9に示すように、2ヶ所のヒンジ部44のそれぞれの延長線が交差する外側壁45cの4ヶ所には、切欠部48が形成されている。図6に示すように、このヒンジ部44を含むそれぞれ2ヶ所の切欠部48間を結ぶ仮想線49のそれぞれの外側が一対の扉部40を構成する。摘部46を摘んで扉部40を開閉する場合、この仮想線49を中心に扉部40が回動することになる。
【0029】
図6〜図8に示すように、基体部42には、基体部42の長手方向に沿った中心線上に、且つ、外蓋4の中心に対して対称となる位置の2ヶ所に、裏面側に向かって突出する係合凸部43が形成されている。この係合凸部43は、底面部43aと、四つの側壁部43b、底面部43aと側壁部43bとを連接する曲面43cとにより略直方体状に形成されている。底面部43aは、根元の部分の断面積よりも広くなっている。このため、係合凸部43は先広がり状になっている。
【0030】
次に、蓋本体部3に外蓋4を固定させて蓋体5とした後、その蓋体5により容器本体2を閉合した状態の食材用容器1について説明する。
図2に示すように、外蓋4の2ヶ所の係合凸部43が蓋本体部3の係合凹部33に係合されることにより、蓋本体部3と外蓋4とにより蓋体5が形成される。このような2ヶ所の係合により、蓋本体部3と外蓋4との相対的回動が防止されている。また、この蓋体5においては、外蓋4の2ヶ所の凸部47が、蓋本体部3の凸部38に外嵌状態で係合しているので、外蓋4の一対の扉部40は、扉部40が開く方向に摘部46を引き上げない限り、振動やはずみで開くことがない。従って、シュリンクフィルム等で食材用容器1の全体を包装したり、粘着テープ等を貼着したりすることは必ずしも必要ではない。
【0031】
そして、容器本体2の返部23に、蓋本体部3の段部35cが載置されるようにして、容器本体2を蓋体5で閉合すれば、閉合状態の食材用容器1が形成される。この時、容器本体2の返部23に対して、蓋本体部3の環状凸部36が外嵌されるので、容器本体2から蓋体5が不用意に外れることはない。また、容器本体2から蓋体5を取り外すことは、蓋本体部3の摘部39を引き上げることにより、容易に行われる。
【0032】
次に、容器本体2に麺類又は米飯等の主食材を収容すると共に、蓋本体部3の複数の区画部30に具材等の多種の副食材を収容した食材用容器1において、好みの副食材を主食材に加えて食する時の、食材用容器1の取り扱いについて説明する。
【0033】
図10に示すように、蓋体5を容器本体2から取り外した後、蓋体5に収容されている副食材を取り出すためには、蓋本体部3の凸部38と外蓋4の凸部47との係合状態を外して、一対の扉部40のうちの一方の扉部40を開く。この時、閉じたままの他方の扉部40の扉板部41と、区画部30の底部30aとを片方の手で挟むようにして持つことができる。また、扉板部41と底部30aとの間は適宜厚さとなっているので、手の小さな人であっても、扉部40が閉じている側の蓋体5を難なく持つことができる。従って、蓋体5を安定した姿勢に保ちながら、扉部40が開いている側の区画部30から副食材を、好みの物を好みの量だけ、箸やスプーン等を用いて取り出すことを容易に行うことができる。
【0034】
更に、他方の扉部40が閉じた側の区画部30から副食材を取り出すためには、一方の側の扉部40を閉じて、その閉じた扉部40の扉板部41と底部30aとを手で支えるようにすれば、他方の扉部40を開けて、副食材を取り出すことを容易に行うことができる。この場合、一方の側の区画部30に取り出されずに残っていた副食材が零れ落ちることはない。
【0035】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、蓋本体部3と外蓋4とにより蓋体5を形成した。そして、蓋本体部3には複数の区画部30を形成して、その区画部30に具材等の副食材を収容できるようにした。また、蓋本体部3の環状凸部36と、容器本体2の返部23との係合により、容器本体2に対する蓋体5の閉合状態を維持できるようにした。このため、中蓋を設けた場合と異なり、容器本体2から蓋体5を取り外すだけで、副食材を蓋体5内に収容したまま、容器本体2に収容されている主食材を露出させることができる。
【0036】
(2)上記実施形態では、外蓋4が蓋本体部3に対して基体部42を介して固定されるようにした。また、一対の扉部40を、それぞれが回動可能となるように基体部42に連結した。このため、一方の扉部40を開くことにより、蓋本体部3から具材等の副食材を、好みに応じて取り出すことを容易に行うことができる。また、この時、他方の扉部40の扉板部41と、その扉板部41の裏側に当たる底部30aとを片方の手のみで持つことができる。従って、手の小さい人でも、容易に取り扱うことが可能な食材用容器1を提供することができる。
【0037】
(3)上記実施形態では、蓋本体部3に対して外蓋4を固定させるために、蓋本体部3の係合凹部33に、外蓋4の係合凸部43を係合させるようにした。このため、蓋本体部3の天板部32と外蓋4の基体部42とを熱溶着で固定する場合と異なり、熱溶着のための設備や工数を省くことができるので、蓋体5の製造コストを低減することができる。
【0038】
(4)上記実施形態では、外蓋4の外側壁45cの4ヶ所に切欠部48を設けた。そして、各切欠部48が、2ヶ所のヒンジ部44のそれぞれの延長線上に位置するようにした。このため、2ヶ所の切欠部48を結ぶと共に、その間の天板部45aとヒンジ部44とを含む仮想線49を回動中心として、扉部40の回動を容易に行うことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図11及び図12を用いて説明する。
【0040】
図11に示すように、本実施形態の蓋本体部3は、天板部32において、裏面側に向かって凹む係合凹部51が1ヶ所に形成されている。この係合凹部51は、略直方体状に、且つ末広がり状に形成された第1凹部52と、第1凹部52の長手方向において、それぞれの端部に連結された直方体状の第2凹部53とを備えている。
【0041】
また、図12に示すように、本実施形態の外蓋4は、基体部42において、裏面側に向かって突出する係合凸部55が1ヶ所に形成されている。この係合凸部55は、略直方体状に、且つ先広がり状に形成された第1凸部56と、第1凸部56の長手方向において、それぞれの端部に連結された直方体状の第2凸部57とを備えている。
【0042】
蓋本体部3に対して外蓋4を固定させるために、前記係合凸部55を係合凹部51に係合させる際は、先ず、第2凹部53に対する第2凸部57の位置合わせが行われる。そして、係合凹部51に係合凸部55を内嵌合させれば、容易には離脱しない状態で、係合凹部51に対して係合凸部55が係合される。また、それぞれの第2凹部53に対して第2凸部57が挿入されているので、蓋本体部3と外蓋4との相対的な回動が防止される。
【0043】
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(5)上記実施形態では、蓋本体部3の天板部32の1ヶ所に形成した係合凹部51に対して、外蓋4の基体部42に形成した係合凸部55を係合させるようにした。このため、天板部32を比較的小さな面積とすることができるので、蓋本体部3における複数の区画部30のそれぞれの容積を大きくすることができる。
【0044】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、第1及び第2実施形態と異なる部分を中心に図13及び図14を用いて説明する。
【0045】
図13に示すように、本実施形態の蓋本体部3aは、天板部32の一部が、蓋本体部3aの中心を通る直線に沿って外縁に至るように延在している。そして、その天板部32において、図13(a)における左右の外縁間に、裏面側に向かって凹む係合凹部60が形成されている。この係合凹部60は、中心側に位置する第1凹部61と、第1凹部61の両側に位置する第2凹部62とを備えている。第1凹部61は、間口63よりも底部61aの方が幅広の溝である。一方、第2凹部62は、間口63と底部62aとが同一幅の溝である。そして、第1凹部61と、2ヶ所の第2凹部62とのそれぞれの境界64には段差がある。
【0046】
また、図14に示すように、本実施形態の外蓋4aは、外蓋4aの中心を通る直線に沿って両外縁に至るように、裏面側に向かって突出する係合凸部65が形成されている。この係合凸部65は、基体部を構成すると共に、中心側に位置する第1凸部66と、第1凸部66の両側に位置する第2凸部67とを備えている。第1凸部66は、根元部66bの幅よりも頂面部66aの幅の方が広くなっている。一方、第2凸部67は、根元部67bの幅と頂面部67aの幅とが同一となっている。そして、第1凸部66と、2ヶ所の第2凸部67とのそれぞれの境界69には段差がある。本実施形態においては、一対の扉部40の扉板部41は、係合凸部65の根元部66b及び根元部67bに連接している。
【0047】
蓋本体部3aに対して外蓋4aを固定させるために、前記係合凸部65を係合凹部60に係合させる際は、先ず、第1凹部61に対する第1凸部66の位置合わせが、境界64と境界69とを一致させることにより行われる。そして、第1凹部61に第1凸部66を内嵌合させると共に、第2凹部62に第2凸部67を挿入すれば、容易には離脱しない状態で、係合凹部60に対して係合凸部65が係合される。
【0048】
この係合状態において、一対の扉部40のいずれかを開く場合、開かれる扉部40は係合凸部65における根元部66b及び根元部67bを中心に回動される。即ち、根元部66bと根元部67bとがヒンジ機能を有することになる。
【0049】
そして、この第3実施形態においては、第1及び第2の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態では、外蓋4aにおいて、外蓋4aの中心を通る直線に沿って両外縁に至るように、裏面側に向かって突出する係合凸部65を形成した。そして、この係合凸部65を蓋本体部3aの係合凹部60に係合させて、外蓋4aが蓋本体部3aに固定されるようにした。このため、扉部40を、係合凸部65の根元部66b及び根元部67bを中心に回動させることができる。また、第1凸部66と第2凸部67とのそれぞれにおいて、根元部66bと根元部67bとがヒンジ機能を有するので、ヒンジ部44を別に設ける必要がない。従って、外蓋4aの成形型の製作費を低減することができる。
【0050】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 食材用容器1の形状を平面視略円形としたが、長円形、楕円形又は多角形とすること。
・ 係合凹部33、第1凹部52の形状を平面視略四角形としたが、平面視円形、長円形又は楕円形とすること。この場合、係合凸部43、第1凸部56のそれぞれの形状を、係合凹部33、第1凹部52のそれぞれの形状に合わせる。
・ 上記第1及び第2実施形態において、係合凹部33と係合凸部43とを係合させたり、第1凹部52と第1凸部56とを係合させたりしたが、これらの凹部及び凸部を設けずに、基体部42の裏面と天板部32とを熱溶着すること。
・ 基体部42が外蓋4の中心を通るように、或いは基体部としての係合凸部65が外蓋4aの中心を通るように、それぞれを配置したが、外蓋4、4aの中心を外すように、基体部42或いは係合凸部65を配置すること。この場合、蓋本体部3、3aの天板部32も、蓋本体部3、3aの中心を外して配置される。
【符号の説明】
【0051】
1…食材用容器、2…容器本体、3,3a…蓋本体部、4,4a…外蓋、5…蓋体、30…区画部、32,45a…天板部、33,51,60…係合凹部、40…扉部、42…基体部、43,55,65…係合凸部、44…ヒンジ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主食材を収容する容器本体と、蓋本体部と外蓋とよりなる蓋体とを備えた合成樹脂製シートよりなる食材用容器において、前記蓋本体部には、副食材を区画して収容するための区画部が形成され、前記外蓋は、一対の扉部と基体部とにより形成され、且つ、前記扉部は前記基体部に開閉可能に連結していると共に、前記基体部において前記外蓋が前記蓋本体部に固定されていることを特徴とする食材用容器。
【請求項2】
前記蓋本体部には係合凹部が形成されると共に、前記外蓋の基体部には係合凸部が形成されて、前記係合凹部と係合凸部との係合により、前記外蓋が前記蓋本体部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の食材用容器。
【請求項3】
前記基体部は、長方形状をなすと共に、その長辺部分にヒンジ部が形成されて、前記一対の扉部と基体部とが前記ヒンジ部を介して連結していることを特徴とする請求項1又は2に記載の食材用容器。
【請求項4】
前記係合凹部は、前記蓋本体部の天板部において、蓋本体部の中心を通る直線上の2ヶ所に形成され、また、前記係合凸部は、前記外蓋の基体部において、前記2ヶ所の係合凹部に係合可能な位置に形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の食材用容器。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の食材用容器において、前記容器本体に前記主食材が収容されると共に、前記蓋本体部の区画部に前記副食材が収容されたことを特徴とする食材が収容された食材用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−20781(P2012−20781A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161716(P2010−161716)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(593215829)アテナ工業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】