説明

食用品の加工装置

本発明は、粘性乃至ペースト状材料の形態の食用品(1)、特に、チョコレートの如き脂肪を基とする食用品又はアイスクリームの如き水を基とする食用品の加工装置であって、成型ユニット(13)への材料(1)の或る定められた体積を計量し供給するための計量分配ユニット(2)を有する装置に係る。本発明によれば、装置に於いて、計量体積を決定する押し出し部材(6)の運動がサーボ駆動装置により行われ、吸入口(4)と吐出口の閉鎖及び開放が各々サーボ駆動装置又は空気圧式駆動装置によって為される。好適には、押し出し部材は、ストローク/回転ピストンであり、吸入行程及び分配行程のための線形運動並びに吸入口(4)及び吐出口の開放および閉鎖、即ち、弁機能のための回転運動を実行可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性乃至ペースト状材料の形態の食用品、特に、チョコレートの如き脂肪を基とする食用品又はアイスクリームの如き水を基とする食用品の加工装置であって、成型ユニットへの材料の或る定められた体積を計量し供給するための計量分配ユニットを有する装置に係る。
【背景技術】
【0002】
計量分配ユニットは、分配されるべき材料のための一つの密閉可能な吸入口と密閉可能な吐出口とを含むチャンバ、並びに、密封された態様にてチャンバ内に突出し且つチャンバ内にて可動の押し出し部材を含み、押し出し部材は、吐出口が閉鎖され吸入口が開放された状態で押し出し部材とチャンバとの間に画定される空洞容積が最大値となる第一の位置と、吸入口が閉鎖され吐出口が開放された状態で押し出し部材とチャンバとの間に画定される空洞容積が最小値となる第二の位置との間で移動可能となっている。
【0003】
吸入口及び吐出口は、ここで、各々、入口弁及び出口弁によって閉鎖可能となっている。
【0004】
かくして、計量(される)体積は、押し出し部材とチャンバとの間で形成される空洞容積の最大値と最小値との間の差により決定されることとなる。
【0005】
押し出し部材と弁の駆動は、前記の形式の公知の装置では、駅圧式又は空気圧式の装置を用いて行われる。
【0006】
例えば、そのような装置は、米国特許第6,161,733号又は欧州特許第1,196,044号に開示されている。
【0007】
前記の形式の公知の装置は、食品の処理のために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、食品の加工に於いて油圧式駆動装置を使用することは、全く問題がないわけではなく、この場合、食品加工に必要な衛生状態が容易に保証されない。例えば、食物の加工中に、漏損からが液圧油が漏れるか、液圧ラインが破裂すると、食品の汚染が生ずる。
【0009】
空気圧式駆動装置を使用する場合は、かかる駆動形式は、剛性が低く、このことは、計量精度の悪化に繋がるという不具合を有する。
【0010】
本発明は、従って、前記の形式の装置であって、その計量分配に関して、液圧式駆動装置に於ける衛生状態が良くないという不具合又は空気圧式駆動装置に於ける剛性が低いという不具合を解決する装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題は、請求項1に従って、前記の如き装置に於いて、計量体積を決定する押し出し部材の運動が特に電気機械式サーボ駆動装置により行われ、入口弁と出口弁の閉鎖及び開放が、各々、空気圧式駆動装置によって為され、そこに於いて、入口弁及び出口弁が、第一の位置に於いて吐出口のみを閉鎖し第二の位置に於いて吸入口のみを閉鎖する押し出し部材の一部分の領域によって形成されることにより解決される。
【0012】
これにより、本発明による装置は、衛生に関する要件を達成し、計量精度に必要な剛性を有することとなる。押し出し部材の二重機能は、本発明による装置の、コンパクトで且つ必要な可動要素数の少ない構成を可能にする。
【0013】
好適には、押し出し部材は、ストローク運動するピストン(ストロークピストン)であり、計量分配ユニットのチャンバ内で軸方向に滑動する状態にあり、チャンバ内でサーボ駆動装置によって、ストロークピストンとチャンバの間で画定される空洞容積がその最大値となる第一のストローク位置と、ストロークピストンとチャンバの間で画定される空洞容積がその最小値となる第二のストローク位置との間で往復動可能となっている。
【0014】
好適には、入口弁と出口弁は、通路に挿通させられた回転ピストンによって形成され、回転ピストンは、計量分配ユニットのチャンバ内にて回転可能な状態に置かれ、一つの駆動装置により、第一の回転位置と第二の回転位置との間を行き来するよう運動可能となっている。回転ピストンの第一の回転位置に於いて、通路は、空洞容積と吸入口との間の連通を確立する。回転ピストンの第二の回転位置では、通路は、空洞容積と吐出口との連通を確立する。かくして、回転ピストンは、ストロークピストンと同様に、チャンバ内に於いて第一の回転位置と第二の回転位置との間を行き来するよう運動可能となっている。
【0015】
特に有利なのは、押し出し部材が、チャンバ内で軸線方向に滑動し、且つ、その長手方向軸線周りに回転可能であるストローク/回転ピストンである場合である。
【0016】
この場合、ストローク/回転ピストンの第一の位置は、第一のストローク位置と第一の回転位置とにより形成され、ストローク/回転ピストンの第二の位置は、第二のストローク位置と第二の回転位置によって形成される。
【0017】
実施の態様に於いて、ストローク/回転ピストンの軸方向ストローク運動は、線形又は回転のサーボ駆動装置により生成され、ストローク/回転ピストンの回転運動は、線形又は回転の空気圧式駆動装置により生成される。回転運動の制御には、廉価な空気圧式駆動装置で十分であり、低い剛性にもかかわらず、十分に精度の良いストローク/回転ピストンの回転運動が可能となり、これにより、ストローク/回転ピストンの吸入行程乃至分配行程のために、吸入口と吐出口とを交互に開放又は閉鎖することが可能となる。
【0018】
好適には、ストローク/回転ピストンのストローク運動の駆動には、回転サーボモーターが使用され、回転サーボモーターは、歯車に対して回転しないように連結され、ストローク/回転ピストンと軸方向に固定され回転方向に回転可能に連結されたラックに於いて、ストローク/回転ピストン又はピストンの軸方向ストローク運動を生ずる。好適には、ストローク/回転ピストンの回転運動の駆動には、直線状の空気圧シリンダーが使用され、空気圧シリンダーは、ラックに固定的に連結され、ラックは、ストローク/回転ピストンに回転しないように連結された歯車にかみ合う。全てのストローク/回転ピストンが一緒にストローク方向に運動させられる、即ち、それらは、ラックに固定的に連結された梁の状態にあり、ラックは、回転モーターに連結された一つのピニオン軸上にて進行するようになっていてよい。
【0019】
特に一つの実施形態に於いて、複数の成型ユニットが、各々、定められた体積の材料を送出する噴出口と、噴出口に対向し前記の定められた体積の材料に接触する接触面とを含み、そこに於いて、接触面は、例えば、鋳型の内側面であってよい。
【0020】
その際、接触面は、好適には、3つの線形独立方向に沿って各々線形サーボ駆動装置によって作動可能な成型テーブルの上面である。
【0021】
噴出口が柔軟な(食品の輸送用の)流体ラインを介して計量分配ユニットの吐出口に接続される場合、噴出口が、成型テーブルの作動の代わりに又は成型テーブルの作動を補って、3つの線形独立方向に沿って各々線形サーボ駆動装置によって作動可能であってよい。
【0022】
しかしながら、噴出口は、吐出口に固定的に連結されていてよい。この場合、噴出口と、これと共にピストン/弁ユニット全体とが3つの線形独立方向に沿って空間的に移動可能となっている。
【0023】
特に有利なことは、ストローク/回転ピストンが一つの歯車となっており、回転サーボ駆動装置に代わって、線形サーボ駆動装置又は線形空気圧式駆動装置が準備され、その歯車とかみ合うラックを駆動するようになっていることである。この手法によれば、線形サーボ駆動装置及び線形空気圧式駆動装置による全ての駆動が実現され、これにより、装置の構成要素の種類が少なくなり、それらの保守・維持の容易性が向上する。一つの線形サーボモータが使用される場合、ストローク運動と、サーボ駆動装置の運動が線形であるので、場合によっては、全体として、歯車/ラックの組合せが必要ではなくなる。
【0024】
実施の形態に於いて、本発明による装置は、個々に歯車を有する多くのストローク/回転ピストンを有し、そこに於いて、一つの線形サーボ駆動装置のみ又は一つの空気圧式駆動装置のみにより駆動されるラックがいくつかのストローク/回転ピストンのいくつかの歯車とかみ合う。これにより、本発明による装置の製造費用及び運転費用が低減される。
【0025】
液圧式駆動装置なしで装置を実現し、これにより、液圧流体による製造物の領域の汚染を回避するという本発明による衛生に関する構成を補強するためには、本発明による装置には、駆動領域と製造物領域との間に、衛生壁が設けられる。これにより、更に、駆動領域の上記の駆動要素が、送出される製造物(脂肪材料、チョコレート材料)による汚染から防護された状態が維持される。
【0026】
本発明による装置の他の利点、特徴及び用途の可能性は、図面に基づく下記の説明から明らかになるであろう:
【0027】
図面に於いて、種々の構成に於ける相互に一致する部分は、各々、同一の符号が用いられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1及び図2に於いて、従来の技術による対称的に構成された計量分配ユニット2が示されている。図1は、対称面Sの右側に在る吸入相に於ける計量分配ユニット2の部分を示し、そこに於いて、液状チョコレート1が漏斗19から吸入される。図2は、対称面Sの左側に在る分配相に於ける計量分配ユニット2の部分を示し、そこに於いて、既に吸引された液状チョコレート1が鋳型13へ分配される。このために、これらの公知の計量分配ユニット20は、シリンダケーシング21が組み込まれたケーシング20から構成される。シリンダケーシング21は、一方の側では、いくつかの並列のストロークピストン孔が貫通され、それらの各々には、一つのストロークピストン7が収容され、シリンダケーシング21の他方の側では、ストロークピストン孔に対して直角に配列された二つの並列の回転弁孔が貫通され、それらの各々には、弁通路が貫通されている回転弁8が収容されている。図1に示されている回転弁8の状態に於いて、漏斗19は、ストロークピストン孔に連結され、そこに於いて、ストロークピストン7は、矢印Aに従って、液状チョコレート1を吸引する。図2に示されている回転弁8の状態に於いて、ストロークピストン孔は、各々の注入通路17へ連結され、そこに於いて、ストロークピストン7は、矢印Bに従って、液状チョコレート1を、注入通路17とその注入通路17の各々の端部に配置された噴出口11を介して鋳型13に於ける小孔12内へ分配する。ストロークピストン7の吸入行程Aと分配行程Bは、連結端24を介して一つの(図示していない)ストロークピストン駆動装置により為される。ストロークピストン7のストロークの停止は、例えば、シリンダケーシング21に備えられた停止部、即ち、いくつかのストロークピストン7を案内する案内ブロック25と協働するスペーサ18により為される。回転弁8の回転は、一つの(やはり図示されていない)回転ピストン駆動装置により為される。
【0029】
図3及び図4は、模式的に描かれた吸入相(矢印A)乃至分配相(矢印B)中の本発明による計量分配ユニット2の側面図である。図示の本発明による計量分配ユニット2の構成は、やはり、対称面Sについて対称的に構成される。
【0030】
計量分配ユニット2は、対称的に配置された2つのシリンダケーシング21が連結されたケーシング20から成る。2つのシリンダケーシング21の各々は、シリンダケーシング21の円筒状の内部を漏斗19に接続する吸入口4(図4を参照)と、注入通路17を介してシリンダケーシング21の円筒状の内部を噴出口(図示せず)に接続する吐出口5(図5を参照)とを有する。噴出口は、従来技術と同様に設計され、従来技術の如く、鋳型と協働する(図1及び図2を参照)。
【0031】
シリンダケーシング21の各々の円筒状内部には、ストローク/回転ピストン6が配置され、その基本的な形状は、円筒状であり、一方の端に窪みが設けられる。そのストローク/回転ピストン6の窪みにより、各シリンダケーシング21内に於いて、チャンバ3が形成される。チャンバ3は、ストローク/回転ピストン6の移動と回転により拡大又は収縮可能な、即ち、置換可能な空洞容積を定める。ストローク/回転ピストン6の第二のピストン端部には、連結端24が設けられ、これを介して、ストローク/回転ピストン6が駆動要素(図5を参照)に連結される。ストローク/回転ピストン又は組合せピストン6は、二重の機能を果たす。組合せピストン6のシリンダ軸線に沿った軸方向の移動によって、チャンバ3の容積が増大されるか(矢印A)又は低減され(矢印B)、これにより、吸入機能又は分配機能が達成される。また、組合せピストン6のシリンダ軸線周りの回転により、吸入口4が開放されると共に吐出口5が閉鎖されるか(図3を参照)、或いは、吸入口4が閉鎖されると共に吐出口5が開放され(図4を参照)、かくして、弁機能が達成される。
【0032】
組合せピストンの回転は、チャンバ3の容積を変動させない。この場合、シリンダケーシング21の各々の内壁は、円筒形状を有し、吸入口3及びそれと正反対に対向する吐出口5以外に、かかる円筒形状の変化又は窪みの低減が無いからである。かくして、組合せピストン6の移動により果たされる吸入機能及び分配機能は、組合せピストン6のねじれ回転により果たされる弁機能により遮断される。
【0033】
好適には、組合せピストン6の移動は、サーボ駆動装置9によって為される(図5を参照)。そこに於いて、組合せピストン6を矢印A及びBに沿って動作する線形サーボ駆動装置が用いられてよく、或いは、(図5に示されている如き)回転サーボ駆動装置9が用いられてよい。回転サーボ駆動装置9は、歯車/ラック組合せにより組合せピストン6を動作し、そこに於いて、駆動力変換器として、歯車装置が組み込まれていてよい。組合せピストン6の吸入及び分配運動のためのサーボ駆動装置9の使用により、高い剛性と計量精度が保証される。また更に、サーボ駆動装置9により、吸入行程(矢印A)及び分配行程(矢印B)の両方の経時的な状態が容易に制御される。また、サーボ駆動装置は、組合せピストン6の回転に用いることもできる。しかしながら、分配機能とは異なり、組合せピストン6の弁機能に対しては、駆動装置の剛性は必要とされないので、吸入口4及び吐出口5の開放及び閉鎖のための回転は、比較的単純な空気圧式駆動装置により達成させるので十分である。
【0034】
本発明による計量分配ユニット2の組合せピストン6のための一つの運動サイクルの全体は、連続した4つの部分的な運動から構成される。
【0035】
吸入行程に於いて、サーボ駆動装置(図5)が、組合せピストン6を、図3に示された吸入口4が開放し吐出口5が閉鎖した位置から、計量体積を確定する予め定められた距離に亙って、矢印Aに従って、シリンダケーシング21から外方へ移動する。これにより、漏斗19から流体材料1がチャンバ3の増大する容積内へ吸入される。
【0036】
かかる吸入行程が完了した後に生ずる第一の弁の切換に於いて、組合せピストン6はその長手方向軸線周りに180度回転され、これにより、組合せピストン6により吸入口4が閉鎖され、組合せピストン6により吐出口5が開放される。ここで、チャンバ3の、そのとき最大となっている容積は変化しない。チャンバ3の位置が回転運動のみによって転換されるだけである。そして、組合せピストン6は、図4に示された状態となる。なお、全ての場合に於いて、ピストンの回転は、180度でなくてもよい。二重の装置の場合では、回転角は、より小さくてもよい。
【0037】
分配行程に於いて、サーボ駆動装置(図5)が、組合せピストン6を、吸入口4が閉鎖し吐出口5が開放した図4に示された位置から、計量体積を確定する予め定められた距離に亙って、矢印Bに従って、シリンダケーシング21の内方へ移動する。これにより、チャンバ3の低減する容積から流体材料1が注入通路17を通って噴出口(図示せず)へ圧送される。
【0038】
分配行程が完了した後に生ずる第二の弁の切換に於いて、組合せピストン6はその長手方向軸線周りに更に180度回転され(別の回転角であってもよい。)、これにより、組合せピストン6により吐出口5が閉鎖され、組合せピストン6により吸入口4が開放される。ここで、チャンバ3の、そのとき最小となっている容積は変化しない。チャンバ3の位置のみが転換される。そして、組合せピストン6は、図3に示された状態になる。
【0039】
組合せピストン6の運動サイクルは、その後、更に開始されてよい。
【0040】
別の態様として、シリンダケーシング21の内部表面に窪みが設けられてよく、かかる窪みは、シリンダケーシング21の内壁に於いて周方向に沿って、吸入口4と吐出口5の間に位置し、吸入口4と吐出口5からの間隔が増大するとともに更に深くなり、そこに於いて、最も増大した深さは、例えば、90度の角距にて、吸入口4と吐出口5の間の半分の周方向距離に於いて形成される。かくして、組合せピストン6の回転運動の間、直線方向の吸入行程の前の前記の第二の弁の切換に於いて、回転による吸入行程が生ずる。換言すれば、チャンバ3の容積の増大は、組合せピストン6の吸入行程のストローク運動の間に最初に行われるのではなく、その前の回転運動の間に於いても行われる。
【0041】
従って、シリンダケーシング21の内部表面に、シリンダケーシング21の内壁に於いて周方向に沿って、吸入口4と吐出口5の間に位置し、吸入口4と吐出口5からの間隔が増大するとともに更に浅くなる、即ち、深さが低減する窪みが設けられていてもよく、そこに於いて、最も低減した深さは、例えば、90度の角距にて、吸入口4と吐出口5の間の半分の周方向距離に於いて形成される。かくして、組合せピストン6の回転運動の間、直線状の分配行程の前の前記の第一の弁の切換に於いて、回転による分配行程が生ずる。換言すれば、チャンバ3の容積の低減は、組合せピストン6の分配行程のストローク運動の間に最初に行われるのではなく、その前の回転運動の間に於いても行われる。
【0042】
シリンダケーシング21の内壁の窪みは、流体工学的に、好適には流体材料1の乱流を与え、デッド体積が形成されないように形成される。
【0043】
これらのもう一つのシリンダケーシング21の構成によれば、本発明の計量分配ユニット2の予め与えられた大きさに対して、組合せピストンの運動サイクル当たりに、より大きな分配量が達成され、或いは、予め与えられた分配量に対して、計量分配ユニット2をよりコンパクトなものにすることができ、或いは、組合せピストン6の線形ストロークをより短いものとすることが可能となる。更に、いくつかの注入成型技術に於いて有利な乱流が形成される。
【0044】
好適には、組合せピストン6の線形及び回転運動は、電気機械式サーボ駆動装置により制御される。
【0045】
図5は、計量分配ユニット2を有する本発明による装置全体の模式的な斜視図である。二つの漏斗19とケーシング20を有する計量分配ユニット2は、機械台22に運動可能に装着される。ケーシング20の両側の駆動装置ケーシング23の各々に於いて、前記の歯車/ラックの組合せ、歯車装置又は空気圧式要素が装備されており、それらは、吸入行程及び分配行程のための各々の回転駆動装置9により、又は、組合せピストン6の第一及び第二の弁の切換のための各々の(図示していない)空気圧式駆動装置により駆動される。更に、三つの線形サーボ駆動装置14、15、16が設けられ、これらにより、噴出口(図示せず)を有する計量分配ユニット2が、水平横方向運動のためにX方向に沿って、水平長手方向運動のためにY方向に沿って及び鉛直方向運動のためにZ方向に沿って駆動される。これにより、噴出口が、鋳型13の小孔12に於ける点状成型(図1及び図2参照)のために(場合によっては、冷間押し抜き器とともに)、或いは、直線状成型(帯状成型)のために、成型テーブル上にて運動させられる。
【0046】
別の態様として、三つの線形サーボ駆動装置が設けられ、これらにより、成型テーブルが、固定された計量分配ユニット2に対して相対的に、X方向に沿って、Y方向に沿って及びZ方向に沿って各々駆動されるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、従来技術の計量分配ユニットの吸入相中の断面図を示す。
【図2】図2は、従来技術の計量分配ユニットの分配相中の断面図を示す。
【図3】図3は、本発明による計量分配ユニットの吸入相中の断面図を示す。
【図4】図4は、本発明による計量分配ユニットの分配相中の断面図を示す。
【図5】図5は、計量分配ユニットを備えた本発明による装置全体の模式的な斜視図を示す。
【符号の説明】
【0048】
1 材料、チョコレート
2 計量分配ユニット
3 チャンバ
4 吸入口
5 吐出口
6 押し出し部材、ストローク/回転ピストン、組合せピストン
4,6 入口弁
5,6 出口弁
7 ストロークピストン
8 回転ピストン
9 回転サーボ駆動 (計量体積用)
10 通路(ストローク/回転ピストン中)
11 噴出口
12 接触面、小孔
13 鋳型
14 線形サーボ駆動装置(x-方向用)
15 線形サーボ駆動装置(y-方向用)
16 線形サーボ駆動装置(z-方向用)
17 注入通路
18 停止部
19 漏斗
20 ケーシング
21 シリンダケーシング
22 台
23 駆動装置ケーシング
24 連結端
25 案内ブロック
A 吸引運動の方向
B 分配運動の方向
S 対称面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性乃至ペースト状材料の形態の食用品、特に、チョコレートの如き脂肪を基とする食用品又はアイスクリームの如き水を基とする食用品の加工装置にして、成型ユニット(13)への前記材料の或る定められた体積を計量し供給するための計量分配ユニット(2)を有し、前記計量分配ユニット(2)が、計量分配されるべき前記材料のための密閉可能な吸入口(4)と密閉可能な吐出口(5)とを含むチャンバ(3)と、密封された態様にて前記チャンバ(3)内に突出し且つ前記チャンバ(3)内にて可動の押し出し部材(6)とを含み、前記押し出し部材は、前記吐出口(5)が閉鎖され前記吸入口(4)が開放された状態で前記押し出し部材(6)と前記チャンバ(3)との間にて画定される空洞容積が最大値となる第一の位置と、前記吸入口(4)が閉鎖され前記吐出口(5)が開放された状態で前記押し出し部材(6)と前記チャンバ(3)との間にて画定される前記空洞容積が最小値となる第二の位置との間で移動可能であり、前記吸入口(4)及び前記吐出口(5)が、各々、入口弁及び出口弁によって閉鎖可能である装置であって、前記入口弁及び前記出口弁が、前記第一の位置に於いて前記吐出口のみを閉鎖し前記第二の位置に於いて前記吸入口のみを閉鎖する前記押し出し部材の一部分の領域によって形成され、前記計量される体積を決定する前記押し出し部材(6)の運動がサーボ駆動装置(9)により行われ、前記入口弁と前記出口弁の閉鎖及び開放が空気圧式駆動装置により各々行われることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1の装置であって、前記押し出し部材がストロークピストン(6)であり、前記計量分配ユニットのチャンバ(3)内で軸方向に滑動する状態にあり、前記チャンバ(3)内で前記サーボ駆動装置(9)によって、前記ストロークピストン(6)と前記チャンバ(3)の間で画定される空洞容積がその最大値となる第一のストローク位置と、前記ストロークピストン(6)と前記チャンバ(3)の間で画定される空洞容積がその最小値となる第二のストローク位置との間で往復動可能となっていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1又は2の装置であって、前記入口弁と前記出口弁が、通路(10)に挿通させられた回転ピストン(6)によって形成され、前記回転ピストンが、前記計量分配ユニットのチャンバ(3)内にて回転可能な状態に置かれ、一つの駆動装置により、第一の回転位置と第二の回転位置との間にて運動可能であり、前記回転ピストンの前記第一の回転位置に於いて、前記通路が前記空洞容積と前記吸入口との間を連通し、前記回転ピストンの前記第二の回転位置に於いて、前記通路が前記空洞容積と前記吐出口との間を連通することを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1の装置であって、前記押し出し部材が、前記チャンバ内で軸線方向に滑動し且つその長手方向軸線周りに回転可能であるストローク/回転ピストンであり、前記ストローク/回転ピストンの前記第一の位置が第一のストローク位置と第一の回転位置とであり、前記ストローク/回転ピストンの第二の位置が第二のストローク位置と第二の回転位置であることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4の装置であって、前記ストローク/回転ピストンの軸方向ストローク運動が、線形又は回転のサーボ駆動装置により生成され、前記ストローク/回転ピストンの回転運動が、線形又は回転の空気圧式駆動装置により生成されることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5の装置であって、前記ストローク/回転ピストンのストローク運動の駆動には、回転サーボモーターが使用され、前記回転サーボモーターが、歯車に対して回転しないように連結され、前記ストローク/回転ピストンと軸方向に固定され回転方向に回転可能に連結されたラックに於いて、前記ストローク/回転ピストンの軸方向ストローク運動を生ずることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6の装置であって、前記ストローク/回転ピストンの回転運動の駆動に、直線状の空気圧シリンダーが使用され、前記空気圧シリンダーが、ラックに固定的に連結され、前記ラックは、ストローク/回転ピストンに回転しないように連結された歯車にかみ合うことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の装置であって、前記成型ユニットが、各々、前記定められた体積の材料を送出する噴出口(11)と、前記噴出口に対向し前記定められた体積の材料に接触する接触面とを含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8の装置であって、前記接触面が鋳型の内側面であることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8又は9の装置であって、前記接触面が3つの線形独立方向(x,y,z)に沿って各々線形サーボ駆動装置によって作動可能な成型テーブルの上面であることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項8乃至10の装置であって、前記噴出口が柔軟な流体ラインを介して前記計量分配ユニットの前記吐出口に接続され、線形独立方向に沿って各々線形サーボ駆動装置によって作動可能であることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1乃至6の装置であって、前記ストローク/回転ピストンが一つの歯車となっており、線形サーボ駆動装置が設けられ、前記歯車とかみ合うラックを駆動することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12の装置であって、個々に歯車を有する複数のストローク/回転ピストンを有し、前記線形サーボ駆動装置により駆動されるラックがいくつかのストローク/回転ピストンのいくつかの歯車とかみ合うことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1乃至13の装置であって、駆動領域と製造物領域との間に、衛生壁が設けられていることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−528022(P2008−528022A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552737(P2007−552737)
【出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053587
【国際公開番号】WO2006/095220
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(505199234)ビューラー アーゲー (6)
【Fターム(参考)】