説明

食用油濾過装置

【課題】天ぷら等で使用した後の残り油を器具を汚さずに濾過し、サラダ油の空き容器、ペットボトル等の容器で保存する。
【解決手段】使い捨ての濾過フィルターカートリッジに耐油性、気密性のある袋を取り付けることによって、油と濾過フィルター部分を本体から隔離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天ぷら等で使用した後の食用油の残り油(以後、中古油又は油とする)を器具を汚さずに濾過し、ペットボトル、サラダ油の空き容器等の任意の容器に保存できる家庭用食用油濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭での中古油の保存方法は、金属製のオイルポットでろ紙を使って濾過した油をそのままオイルポット内で保存する。というものである。しかし、中古油の為にオイルポットは汚れやすく、この方法で衛生的に保存するためには小まめな手入れが必要であり大変手間のかかるものであった。また、高性能の濾過フィルターも市販されているが、やはり前述のオイルポットと組み合わせて使われているのが現状である。
【0003】
なお、本願発明に関連する公知技術として次の特許文献1を挙げることができる。
【0004】
【特許文献1】 特開2005−161295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く、従来の中古油の保存方法ではオイルポットに鍋から直接、又は杓子等の器具を用いて移し変えていたが、その際油が傍にこぼれることも多く後始末に手間がかかった。又、オイルポット本体にも酸化油がこびり付きあまり衛生的とは言えなかった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて成されたものであり、その目的は、可能な限り器具を汚すことなく中古油を濾過し、ペットボトル等の任意の容器に保存することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成する本発明の食用油濾過装置は、主に、底部のフィルターカートリッジ取付口の開いたシリンダー、ピストン、フィルターカートリッジ固定カバーからなるポンプであって、耐油性、気密性のある袋を有するフィルターカートリッジを取り付けることによってシリンダーが密閉され、ピストンの上昇により生じるシリンダー内の負圧を利用して、フィルターカートリッジの吸込ノズルから吸い上げた油を袋内に密封することを特徴とする。
【0008】
上記ポンプの取手部分に収納された足を組み立てるとそのまま濾過スタンドとなり、袋内に密封された油を濾過できる。このときペットボトル、サラダ油の空き容器等の任意の容器を受け容器とすることで濾過された油をそのまま保存することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、耐油性、気密性のある袋により油と濾過フィルター部分を本体から隔離することができ、器具を汚すことなくペットボトル等の任意の容器に濾過された油を保存することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1はその外観斜視図、図2はその中央部の縦断面図である。
【0012】
図1〜図4に示すように、本濾過装置はシリンダー2のフィルターカートリッジ取付口にフィルターカートリッジ12を取り付け、カートリッジ固定カバー4で締め付けることによりシリンダー内が密閉され、ピストン3を引き上げることによりシリンダー内が負圧となり、吸込ノズル15から吸い上げられた油が16の袋内に取り込まれ、吸込ノズル15を引っぱりスライドさせることでバルブ17が塞がり袋16内に油を密封するものである。
【0013】
図3に示すように、フィルターカートリッジは原則使い捨てなので安価な素材でよく、14、15、19部にはポリエチレン、12.18部には紙(飲料水の紙パックのようなもの)等が適している。接続部21は、カートリッジ側、本体側共に勾配をつけることによってカートリッジ固定カバー4の締め付け時に気密性を確保できる。吸込ノズル15にはバルブ17の目詰まりを防ぐ為の天かすの吸込防止措置22をしておく。
【0014】
図5は本発明の第2の実施の形態に係わる濾過装置の中央部の縦断面図である。同図に示すようにシリンダー2、ピストン3を小型の別ポンプとして外部から本体25内の空気を抜き取ることによって本体25内の負圧を得ることができる。また、ポンプの小型化により1回のストロークでの油の吸込量は少なくなるがその分1回のストロークに係る力が少なくなり、バネ等の弾性部材を取り付けたレバー23を併用することにより操作が楽になる。
【0015】
図5に示すように、取手7内に収納された足11を取り出して取手キャップ9に差し込んでおき、シャフト8を引き出して高さを受け容器に合わせて固定ボルト10で固定したものを、前述の取手キャップ9に差し込めば濾過スタンドとなり、ドレンノズル18の19部分で防湿膜14を突き破れば濾過を開始する。この時、空気穴5のキャップを緩めておく。
【0016】
濾過中、吸い込みノズル15が邪魔になる時はクリップ24で止めておく。また、埃や虫よけには、紙等でできたスカートをテープ等でドレンノズル18に巻きつけるなどの方法がある。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は家庭用台所用品を製造、販売する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係わる食用油濾過装置の外観斜視図である。
【図2】 図1の食用油濾過装置の中央部縦断面図である。
【図3】 フィルターカートリッジの中央部縦断面図である。
【図4】 吸込ノズルのバルブ部の詳細図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係わる食用油濾過装置の中央部縦断面図である。
【符号の説明】
【0019】
2 シリンダー
3 ピストン
4 カートリッジ固定カバー
7 取手
8 シャフト
9 取手キャップ
11 足
12 カートリッジ
13 濾過フィルター
14 防湿膜
15 吸込ノズル
16 耐油性、気密性のある袋
17 バルブ
18・19 ドレンノズル
25 第2の実施の形態に係わる食用油濾過装置の本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に、フィルターカートリッジ取付口の開いたシリンダー、ピストン、フィルターカートリッジ固定カバーからなるポンプであって、耐油性、気密性のある袋を有するフィルターカートリッジを取り付けることによってシリンダーが密閉され、ピストンの上昇により生じるシリンダー内の負圧を利用してフィルターカートリッジの吸込ノズルから吸い上げた油を袋内に密封することを特徴とする食用油濾過装置。
【請求項2】
上記のポンプに取り付けることによって吸込ノズルから耐油性、気密性のある袋内に油を取り入れバルブ17により密封することができ、フィルター下の防湿膜をドレンノズルの19部で突き破ることにより濾過を開始することを特徴とする請求項1記載のフィルターカートリッジ。
【請求項3】
取手内に収納された足を取手キャップに差し込み、受け容器の高さに合わせて引き伸ばして固定したシャフトを前述の取手キャップに差し込めば、そのまま濾過スタンドとして使用できる請求項1記載の食用油濾過装置。
【請求項4】
シリンダー、ピストン部を小型化し、本体25外部に取り付けた請求項3記載の食用油濾過装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−24749(P2012−24749A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198283(P2010−198283)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(510011972)
【Fターム(参考)】