説明

飲料の熟成装置

【目的】
ワイン、日本酒、ウィスキー等の熟成を早める。
【構成】
酒類、酢等の飲料の容器に電場を付与するための筒状電極4を筒体3内に収納し、前記電極4を前記筒体3の下部に設けた電場発生装置に接続し、飲料の分子に極性をもたせて分子を整列させ熟成を早める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイン、日本酒、ウィスキー、酢、梅酒、薬草抽出液等の飲料を熟成するための熟成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイン、日本酒、ウィスキー、酢、梅酒、焼酎等の発酵飲料あるいは漢方の薬草抽出液は、発酵後にあるいは抽出後に熟成させることが行なわれているが、これらの期間は長い場合が多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、これらの飲料においては、熟成期間が経過する迄は、商品として販売できず生産性が悪いばかりでなく、一旦需要者に販売した後は、その品質を高めることは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は、ワイン、日本酒、ウィスキー、酢、薬草抽出液等の飲料に電場を付与するための電極と、この電極に電圧を付与するための電場発生装置とからなる飲料の熟成装置とした。
【0005】
また、前記電場発生装置は、100V以下の電圧でパルス幅0.1μ秒〜15μ秒で1秒間に1000〜20000回パルス電流を発生するようにした。
【発明の効果】
【0006】
ワイン、日本酒、ウィスキー、酢、薬草抽出液等の飲料が電界内に置かれ、液内の水分子が整列して味がまろやかになり、熟成が早く進んで熟成度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1、2において、本発明の熟成装置1は、略円筒形状をなし、その上部に開口部2が形成されたプラスチック等の絶縁材料で形成された筒体3を有している。この筒体3内には、導電性の筒状電極4が収納され、この筒状電極4は、円形の底部電極4aと、そこから立上がった側部電極4bとからなっており、前記筒状電極4内に、ワイン、日本酒、ウィスキー、梅酒、養命酒(登録商標)のような薬草抽出液の瓶bが収納されている。前記筒体3の底部空間には電場発生装置10がセットされ、この電場発生装置10は、商用電源100V(50Hz又は60Hz)にプラグ11を介して接続されるようになっている。この電場発生装置10からの出力は前記筒状電極4に与えられ、この電極4が100V〜3000V程度の電圧で0.1mA〜10mAの電流に帯電して筒体3を電場雰囲気とする。
【0009】
なお、図3に示すように左右2つの湾曲電極板20、21を対向配置せしめ、これら電極板20、21間にコンデンサを形成するようにしてもよく、これら電極板20、21間に瓶bが収納される。なお、電極板20、21をスプリングS、Sによって内側に付勢せしめ、電極板20、21を瓶bの周壁に付着せしめるようにしてもよい。
【0010】
更に、図4に示すように電極板の一方を電場発生装置10に接続して帯電させ、他方の電極をアースしてもよい。図5は、筒体40の上部空間の底部に電極板41を設け、その下部空間に電場発生装置10をセットし、この電場発生装置10を電極板41に接続した状態を示している。なお、図6に示すように、絶縁処理された円形電極板50を電場発生装置10に接続し、円形電極板50条にワイン等の瓶bをセットするようにしてもよい。
【0011】
前記電場発生装置10の発生する波形は必ずしも正弦波に限定されず、その周波数も商用周波数でなくでもよい。例えば、図7に示すように、パルス電流の形式でもよくこのパルス電流は100V以下で(5〜50Vが好ましい)、パルス幅Tが0.1〜15μs(秒)で1秒(s)に1000〜20000回のパルスPをプラスとマイナス側に交互に発生させるようなものでもよい。このように低い電圧の場合、パルス電流とすると使用者が電気を感じないし、しかも熟成度を増すことに加え、食品の酸化防止効果も期待できる。
【0012】
このようなパルス電流を発生させるためには、図8に示すように、発振器60で発振した波を増幅器61で増幅し、波形整形器62で波形形成してパルス電流発生器63を介して出力させる。
【0013】
図9は、瓶bを寝かせた状態で電場をかける装置を示すものであり、連結板69、69により連結された前後の支持板70、71には、瓶bの底部及び首部を支持するための凹部70a、71aが設けられ、この凹部70a、70aに 状の電極板70b、71bが付着され、これら電極板70b、71bに電場発生装置10が接続されている。
【0014】
また、ワイン貯蔵室で多量のワインに電場をかける場合は、図10に示すように格段の瓶列B、L間に電極板100、100…100を挟むようにする。この電極板100は、例えば、図11に示すようにアルミ箔101をPET等のプラスチック102で上下で挟み込んでラミネートしたものでもよい。
【0015】
更に、ワインの樽200に電場をかける場合には、図12に示すように、ワイン樽にバンド状の電極120、120を巻くようにすればよい。
【0016】
また、図13に示すように冷蔵装置を備えたワイン貯蔵庫300は、電場がかかっている電場室301と電場がかかっていない非電場室302とに区分され、これら電場室又は非電場室302のいずれかには電磁波(電場)を遮断するための電磁波(電場遮蔽板)303が設けられている。前記非電場室302に電磁波遮蔽板303を設ける場合には、室壁の内壁又は外壁又は壁内のいずれかに付着せしめればよいが、電場室に設ける場合は、室外壁に付着せしめるとよい。なお、電磁波遮蔽板を設ける室には、前扉を設ける必要があり、この前扉にも電磁波遮蔽板303が付着されている。前記ワイン冷蔵庫300にはボトル支持棚304、304…304が設けられ、電場室301のボトル支持棚304上には、図9に示すような状態で連続した電極板305が設けられている。そして、この連続電極板305が電場発生装置10に接続されている。
【0017】
前記電磁波遮蔽板としては、例えば、磁化しにくい鉄系材料等公知の特殊材料のいかななるものでもよい。また、特別の電磁被遮蔽板ではなく通常の導電性のアルミ、銅等の電気伝導度のよい材料で非電場室を覆うとともにそれら材料をアースしてもその内部のワインボトルに電場がかかることはない。このようなワイン貯蔵庫には、例えば、高価で味が変わるのを好まないワインが貯蔵されるのであるが、非電場室にも電極板をセットし、通常はOFFとし、必要に応じてONして電場室に変えることができるように回路構成してもよい。
【0018】
更に、ワイン冷蔵庫に限らず、図14bに示すように業務用及び家庭用冷蔵庫500においても電場室400と非電場室401に区分して、非電場室401を電場遮蔽板402で被う等の手段を講じる必要がある。これは電場内では、ビール、ワイン、日本酒、清涼飲料等は味が変ったり性質が変わってしまうので、従来電場冷蔵庫には職人を選択的に貯蔵する必要があり、不便であり、このように非電場室と電場室の両室を設ければ全ての食品を貯蔵することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の飲料の熟成装置の構成図である。
【図2】図1に示した熟成装置の電極板の構成図である。
【図3】電極板の他の構成図である。
【図4】電極板の更に他の構成図である。
【図5】電極板の更に他の構成図である。
【図6】電極板の更に他の構成図である。
【図7】電場発生装置の出力波形である。
【図8】電場発生装置の概略回路構成ブロック図である。
【図9】本発明の飲料の熟成装置の体の実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の熟成装置の更に他の実施例を示す構成図である。
【図11】図10に示した電極板の斜視図である。
【図12】本発明の熟成装置の更に他の実施例を示す構成図である。
【図13】ワインの熟成冷蔵庫の正面図である。
【図14】家庭用及び業務用冷蔵庫の正面図である。
【符号の説明】
【0020】
1…熟成装置
3…筒体
4…筒状電極
10…電場発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイン、日本酒、ウィスキー、酢、薬草抽出液等の飲料に電場を付与するための電極と、この電極に電圧を付与するための電場発生装置とからなる飲料の熟成装置。
【請求項2】
前記電場発生装置は、100V以下の電圧でパルス幅0.1μ秒〜15μ秒で1秒間に1000〜20000回パルス電流を発生する請求項1記載の飲料の熟成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−246704(P2006−246704A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63250(P2005−63250)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(504323205)
【Fターム(参考)】