説明

飲料抽出機

【課題】小型、省エネ、低コストで、飲料の種類が拡大できる飲料抽出機を提供する。
【解決手段】飲料水を加熱する加熱装置(図示せず)と、飲料パック(図示せず)を開封し熱湯を吐出する第一のインジェクター13と容器(図示せず)を連通する第一の抽出経路16の途中に配された経路切替装置21と、経路切替装置21と第二の抽出経路23を介して連通し熱湯を吐出する第二のインジェクター22を備え、経路切替装置21は通常第二の抽出経路23に連通し、切替軸32の動作で第一の抽出経路16に切替える経路切替弁33と、ダイヤル(図示せず)の動作に連動するカム36のカム作用部35で切替軸32に作用し第一の抽出経路16に切替える作用レバー37と、作用レバー37を第一の抽出経路16側で保持するフック部38を有するラッチレバー39と、ラッチレバー39を駆動して経路切替弁33を第二の抽出経路23に切替えるソレノイド40を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、紅茶、ココアなどの飲料を一杯づつ密封した飲料パックによりいつでも新鮮でおいしい飲料が手軽に飲める飲料抽出機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の飲料抽出機は、開閉可能な飲料固定部を、操作レバーの押し下げ操作により開き、飲料パックを、開いた飲料固定部にセットし、飲料固定部を閉じ、操作レバーを押し下げることにより飲料パックを開封し、1つの抽出経路により飲料を抽出する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−070165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の飲料抽出機の構成では、1つの抽出経路による飲料抽出構成のため飲料の種類の拡大を図ることができないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、消費電力低減による省エネ、ソレノイドの小型化・コスト低減、さらに制御装置のコスト低減を実現した構成で飲料の種類が拡大できる飲料抽出機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために本発明の飲料抽出機は、飲料水を収容する容器と、前記容器に収容された飲料水を加熱保温する加熱装置と、粉末飲料などを密閉保存した飲料パックを収納固定するパック収納部と、前記飲料パックを開封すると共に熱湯を吐出する第一のインジェクターと、前記容器と前記第一のインジェクターを連通する第一の抽出経路の途中に配され熱湯を送る抽出装置と、前記抽出装置と前記第一のインジェクターの間に配した経路切替装置と、第二の抽出経路を介して前記経路切替装置と連通すると共に熱湯を吐出する第二のインジェクターとを備え、前記経路切替装置は、通常前記第二の抽出経路に連通し、切替軸を動作させることにより前記第一の抽出経路に切り替える経路切替弁と、外部操作により設定コースを選択するダイヤルと、前記ダイヤルの動作に連動すると共にカム作用部を形成したカムと、前記カム作用部の作用により前記切替軸に作用し前記第一の抽出経路に切替える作用レバーと、フック部を有すると共に前記作用レバーの作用により前記経路切替弁を前記第一の抽出経路に切り替えた状態で保持するラッチレバーと、前記ラッチレバーを動作させて前記フック部を移動させ前記作用レバーを解放し前記経路切替弁を前記第二の抽出経路に切り替えるソレノイドとを備えたもので、外部からのダイヤル操作で、2つのインジェクターへの経路切替が簡単にできると共に抽出可能な飲料の種類を拡大することができる。また、経路切替の間、ソレノイドに連続通電する必要が無く、瞬時駆動で経路が切り換えられるので、ソレノイド駆動時の消費電力が大きく低減でき省エネを実現し、また瞬時駆動のため連続駆動型のソレノイドに比べソレノイドの小型化ができコスト低減もでき、さらにソレノイド駆動のための供給電源の供給電力量を小さくできるため制御装置のコスト低減も図ることができる飲料抽出機を提供することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の飲料抽出機は、ソレノイドの駆動は瞬時駆動ですむので、ソレノイドを連続通電する構成に比べ、消費電力が低減し、省エネ、ソレノイドの小型化・コスト低減、さらに制御装置のコスト低減を実現した構成で、飲料の種類が拡大できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、飲料水を収容する容器と、前記容器に収容された飲料水を加熱保温する加熱装置と、粉末飲料などを密閉保存した飲料パックを収納固定するパック収納部と、前記飲料パックを開封すると共に熱湯を吐出する第一のインジェクターと、前記容器と前記第一のインジェクターを連通する第一の抽出経路の途中に配され熱湯を送る抽出装置と、前記抽出装置と前記第一のインジェクターの間に配した経路切替装置と、第二の抽出経路を介して前記経路切替装置と連通すると共に熱湯を吐出する第二のインジェクターとを備え、前記経路切替装置は、通常前記第二の抽出経路に連通し、切替軸を動作させることにより前記第一の抽出経路に切り替える経路切替弁と、外部操作により設定コースを選択するダイヤルと、前記ダイヤルの動作に連動すると共にカム作用部を形成したカムと、前記カム作用部の作用により前記切替軸に作用し前記第一の抽出経路に切替える作用レバーと、フック部を有すると共に前記作用レバーの作用により前記経路切替弁を前記第一の抽出経路に切り替えた状態で保持するラッチレバーと、前記ラッチレバーを動作させて前記フック部を移動させ前記作用レバーを解放し前記経路切替弁を前記第二の抽出経路に切り替えるソレノイドとを備えたもので、外部からのダイヤル操作で、2つのインジェクターへの経路切替が簡単にできると共に抽出可能な飲料の種類を拡大することができる。また、経路切替の間、ソレノイドに連続通電する必要が無く、瞬時駆動で経路が切り換えられるので、ソレノイド駆動時の消費電力が大きく低減でき省エネを実現し、また瞬時駆動のため連続駆動型のソレノイドに比べソレノイドの小型化ができコスト低減もでき、さらにソレノイド駆動のための供給電源の供給電力量を小さくできるため制御装置のコスト低減も図ることができる飲料抽出機を提供することができる。
【0008】
第2の発明は、特に、第1の発明のダイヤルに複数の切替位置を設け、前記複数の切替位置の中間位置で経路切替弁を切り替えるもので、ダイヤルの操作のたびに確実に経路切替弁を切替えることができる飲料抽出機を提供することができる。
【0009】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の経路切替装置をユニット化したもので、組み立てが容易にできる飲料抽出機を提供することができる。
【0010】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれかひつの発明のソレノイドを短時間駆動式としたもので、経路切替弁を切り替えている間、ソレノイド駆動のための電力量を、連続通電するタイプのソレノイドに比べ、大きく低減できる飲料抽出機を提供することができる。
【0011】
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の飲料抽出機において、一回の経路切替動作時に、ソレノイドを複数回短時間駆動するもので、ソレノイド駆動による切替弁の切替え動作をより確実に行い、信頼性を向上させることができる飲料抽出機を提供することができる。
【0012】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか一つの発明の飲料抽出機において、駆動電源として、商用電源を使用する第一の電源装置と、本体内蔵の第二の電源装置とを備え、前記第一の電源装置と前記第二の電源装置とを選択的に使用することができるようにしたもので、第一の電源装置がない状況下でも第二の電源装置使用で飲料抽出ができる飲料抽出機を提供することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における飲料抽出機の全体構成図、図2(a)は、同飲
料抽出機の表示操作部の部分図、図2(b)は、同飲料抽出機の経路切替装置の部分図、図3(a)は、同経路切替装置の第二の出水口への連通状態を示す拡大図、図3(b)は、同経路切替装置の第一の出水口への連通状態を示す拡大図、図4(a)は、同表示操作部のダイヤル位置を示す図(「ミルク泡立て」設定状態)、図4(b)は、同飲料抽出機でのミルク溶液作成状態を示す図、図5(a)は、同表示操作部のダイヤルの位置を示す図(「ミルク泡立て」設定状態)、図5(b)は、同経路切替装置のソレノイド駆動時の瞬間及びミルク溶解状態を示す図、図5(c)は、同表示操作部のダイヤル位置を示す図(「ミルク泡立て」設定状態)、図5(d)は、同経路切替装置が切替り第二のインジェクターに切り替わった状態及びミルクの泡立て状態を示す図、図6(a)は、同表示操作部のダイヤルを「コーヒー/紅茶」に切替えた状態を示す図、図6(b)は、同経路切替装置が第一のインジェクターに切り替わった状態及びコーヒー抽出後を示す図(コーヒー層の上に泡立てミルク層が構成された状態)である。
【0015】
図1〜6において、本実施の形態における飲料抽出機は、本体1と、本体1内に収納され飲料水を収納する容器2と、容器2内の飲料水を加熱保温すると共に、容器2の底面に配された加熱装置3と、容器2の上部開放部を液密に覆い蒸気通路4を有する蓋5と、前面部を開放し、粉末飲料などを密閉保存した飲料パック8の固定用フランジ6を固定する固定部9を有するパック収納部10と、パック収納部10の前面開放部10aを覆い下方の水平方向に回転軸11を有し本体1に回動自在に軸支され外部操作で開閉するパックドアー12と、容器2内の熱湯を飲料パック8内に吐出する第一のインジェクター13を有する飲料パック8の開封装置14と、容器2の底面に設けられた出湯口15と開封装置14の第一のインジェクター13を連通する第一の抽出経路16と、第一の抽出経路16の途中に配され容器2内の熱湯を飲料パック8に送る抽出装置17と、抽出装置17と第一のインジェクター13の間の抽出経路16の途中から分岐した空気経路18と、空気経路18の一端に設けられた空気ポンプ19と、パックドアー12の開閉動作を、飲料パック8を開封する開封装置14に伝達する開封連動装置20と、抽出経路16の空気経路18への分岐部から第一のインジェクター13の間の途中に配した経路切替装置21と、コップ27などに直接熱湯を吐出する第二のインジェクター22と、第二のインジェクター22と経路切替装置21とを連通する第二の抽出経路23と、本体1の上部前面に配した表示操作部24と、容器2の底の加熱装置3の中央部に設けられた温度センサー25と、飲料パック8の有無を検知する飲料パック有無検知装置(図示せず)と、パックドアー12の閉成を検知するドアー閉検知装置(図示せず)と、表示操作部24、飲料パック有無検知装置、ドアー閉検知装置、温度センサー25等からの信号により加熱装置3、空気ポンプ19、抽出装置17、経路切替装置21等の電気的制御を行う制御装置26と、抽出飲料を受けるコップ27を置くカップスタンドと、本体1に対し着脱自在でこぼれた飲料を受けるトレイ28とを備えている。
【0016】
また、経路切替装置21は、入水口29と、第一のインジェクター13に連通する第一の出水口30と、第二のインジェクター22に連通する第二の出水口31と、通常第二の出水口31に連通し外部からの押し込み作用により第一の出水口30への連通に経路を切り替える切替軸32とを備えた経路切替弁33と、外部操作により設定コースを選択するダイヤル34と、ダイヤル34の動作に連動すると共にカム作用部35を形成したカム36と、本体1に回動自在に設けられると共に、カム作用部35の作用により、経路切替弁33の切替軸32に作用し第一の抽出経路16に切替える作用レバー37と、フック部38を形成し作用レバー37の作用により経路切替弁33を第一の抽出経路16に切り替えた状態を保持するラッチレバー39と、電気的信号によりラッチレバー39を動作させ、作用レバー37を保持しているフック部38を移動させ作用レバー37を解放し経路切替弁33を第二の抽出経路23に切り替えるソレノイド40とを有している。
【0017】
作用レバー37とラッチレバー39は、それぞればね37a、39aにより一定方向に
付勢されている。パックドアー12の回転軸11の周辺には、第一のリンク腕41を一体形成している。開封装置14は、第一のインジェクター13を一体成形した第一のリンク42と、カム43と第二のリンク腕44を一体形成したカム機構45が回動自在に本体1に軸支され、第一のリンク42とカム43との接触部の第一のリンク42の上端にローラー46を回動自在に装着し、第一のリンク42は、上方にばね(図示せず)により付勢された状態で、上下方向にスライドするように本体1に支持され、第一のリンク腕41の先端の回転軸41aとカム機構45の第二のリンク腕44の先端の回転軸44aとが開封連動装置20の第二のリンク47で連結され、パックドアー12の開閉動作に連動して、カム機構45のカム43が回動するようになっている。
【0018】
なお、経路切替装置21には、スタートスイッチ48と、ダイヤル34のメニュー選択位置を検知するメニュー検知装置49が設けられている。
【0019】
以上のように構成された本実施の形態における飲料抽出機について、以下にその動作、作用を説明する。
【0020】
まず、ミルクとコーヒーの2種類の飲料パックを使用したカプチーノ飲料の抽出について以下に述べる。
【0021】
容器2内に飲料水を入れ加熱装置3で湯沸しし、温度センサー25により検知した温度により制御装置26で、飲料水が所定の温度で保温される。外部操作により、例えば4種類のメニュー選択可能なダイヤル34を「ミルク泡立て」に合わす。
【0022】
この操作により、図5に示すように、ダイヤル34に連結されたカム36が回転し、カム作用部35が、ばね37aにより付勢されると共に軸支された作用レバー37に作用し、ばね37aの付勢力に抗して、図の右方向に回転し、さらに経路切替弁33の切替軸32を押し込み、経路切替弁33の経路を切り替えて、第一の出水口30側を開口し、第一のインジェクター13に連通する。
【0023】
同時に、作用レバー37の先端部が、ばね39aにより付勢され軸支されたラッチレバー39のばね39aの付勢力に抗してフック部38を乗り越え、切替軸32を押し込んだ状態を維持するようにフック部38が作用レバー37を支持し、第一のインジェクター13への連通状態を保持する。
【0024】
パックドアー12を開き、最初にミルク用の飲料パック8をパック収納部10の所定位置にセット固定する。
【0025】
パックドアー12を閉じ、パックドアー12に形成された第一のリンク腕41から開封連動装置20の第二のリンク47を介し、カム機構45の第二のリンク腕44からカム43を介し、第一のリンク42のローラー46から第一のリンク42に伝達され、第一のインジェクター13が下方に移動し、その先端部が飲料パック8のノズル7を突き刺し開封する。
【0026】
次に、スタートスイッチ48を押すことにより、メニュー検知装置49からの信号により、あらかじめ決められたプログラムにより抽出装置17が駆動し、熱湯を飲料パック8に送りミルクの飲料パック8の4辺の内、下方を熱湯で開封し、粉末ミルクをコップ27内に送り出し、さらに粉末を熱湯で溶かしミルク溶液をつくる。
【0027】
次に、制御装置26により、ソレノイド40を短時間駆動し、ラッチレバー39の一端を引き込み、フック部38を作用レバー37の先端部の支持状態から解除し、作用レバー
37をばね37aの付勢力で左回転させ、切替軸32の押し込みを解除し、経路切替弁33を、第二の抽出経路23側に、すなわち第二のインジェクター22側に切り替える。
【0028】
その後、抽出装置17を駆動し、先端部の開口面積が、第一のインジェクター13より小さい第二のインジェクター22から、コップ27内のミルク溶液に熱湯を勢いよく噴射させミルクを泡立たせる。
【0029】
次に、パックドアー12を開き、最初のミルク用の飲料パック8を取り出し、図6に示すようにダイヤル34を操作し、「コーヒー/紅茶」に切り替え、2つ目のコーヒー用の飲料パック8をセットする。
【0030】
このダイヤル34の操作により、カム作用部35が作用レバー37に作用し切替軸32を押し込み、経路切替弁33を第一の抽出経路16側に切り換えて、第一のインジェクター13に連通し、ラッチレバー39のフック部38により、作用レバー37の先端部を支持し、経路切替弁33を、第一のインジェクター13への連通状態を保持する。
【0031】
その後、スタートスイッチ48を押すことにより、メニュー検知装置49からの信号により、あらかじめ決められたプログラムにより、抽出装置17が駆動し、2つ目のコーヒーの飲料パック8を開封し所定量の抽出を行い、コップ27内の泡立てたミルクの下側にコーヒーを抽出することにより、コーヒー液層の上に泡立てられたミルクを載せたカプチーノができ上がる。
【0032】
また、ダイヤル34を操作し、他のメニューを使用したい場合は、例えば「ココア」の場合、ダイヤル34を「ココア」に切替え、ココア用の飲料パック8をセットしてスタートスイッチ48を押し、メニュー検知装置49からの信号により、あらかじめ決められたプログラムにより、ココアの抽出を行うことができる。
【0033】
さらに、「お湯」については、ダイヤル34を「お湯」に切替え、メニュー検知装置49からの信号により、飲料パック8なしの状態でスタートスイッチ48を押している間、お湯のみを出湯させることもできる。
【0034】
本実施の形態における飲料抽出機は、以上のように構成されているため、カプチーノのミルクの泡立てのように、1つの飲料パック8の抽出時に抽出経路を自動切替するメニューにおいても、ダイヤル34の操作と、レバー機構(操作レバー37、ランチレバー39)と瞬時駆動型のソレノイド40の組み合わせにより、経路切替の間ソレノイド40を連続通電する構成に比べ、ソレノイド40駆動時の消費電力が瞬時駆動のため大きく低減でき省エネが実現でき、また瞬時駆動のため、連続駆動型のソレノイドに比べソレノイドの小型化ができコスト低減もでき、さらにソレノイド駆動のための供給電源の供給電力量を小さくできるため制御装置26のコスト低減も図ることができ、さらに抽出可能な飲料の種類を拡大することができる飲料抽出機を提供することができるものである。
【0035】
また、本実施の形態では、ダイヤル34に4箇所あるメニュー選択位置の4箇所の切替位置の中間位置で、経路切替弁33を第一のインジェクター13と第二のインジェクター22のいずれかに切り替える構成、すなわち、ダイヤル34の操作のたびにカム作用部35が作用レバー37に作用し、作用レバー37を介し経路切替弁33に作用し、毎回経路切替え動作を実行する構成としているため、確実に経路切替動作を行うことができる飲料抽出機を提供することができるものである。
【0036】
又、本実施の形態では、ダイヤル34の操作に連動するカム36、作用レバー37、ラッチレバー39、ソレノイド40、経路切替弁33など多くの部品を一箇所に集約させユ
ニット化して経路切替装置21としているので、本体1への組み立てが容易にできる。また、経路切替装置21のユニット単独での機能確認ができるため、品質の向上を図ることも可能になるものである。
【0037】
また、ダイヤル34に連動したカム36と、作用レバー37とラッチレバー39とソレノイド40の組み合わせにより、ソレノイド40を制御装置26により、一回の経路切替動作において、ソレノイド40を一回の短時間駆動でラッチレバー39を動かし作用レバー37の解除を行うようにしているので、経路切替の間ソレノイド40を連続通電する構成に比べ、経路切替動作のためのソレノイド駆動電力が大幅に省エネ化でき、また、連続通電タイプのソレノイドに比べ、ソレノイド40の小型化ができコスト低減も図れ、さらにソレノイド駆動のための供給電源の供給電力量を小さくできるため制御装置26のコスト低減も図ることができるものである。
【0038】
尚、一回の経路切替動作時に、短時間に、ソレノイド40を複数回駆動するようにすれば、わずかな消費電力量の増加で、ソレノイド40による経路切替動作をより確実に実行することができ、動作の信頼性を向上させることができるものである。
【0039】
(実施の形態2)
図7は、本発明の第2の実施の形態における飲料抽出機の全体構成を示す図である。尚、上記第1の実施の形態における飲料抽出機と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
本実施の形態における飲料抽出機は、図7に示すように、着脱可能なマグネットプラグ方式の電源コード50で結合され、商用電源を使用する第一の電源装置51と、本体1に内蔵され、乾電池または二次電池または電気二重層コンデンサなどからなる第二の電源装置52とを備え、第一の電源装置51と第二の電源装置52とを選択的に使用することができるようにしたもので、他の構成は、上記第1の実施の形態における飲料抽出機と同一である。
【0041】
本実施の形態における飲料抽出機は、以上のように構成されているので、例えば、第二の電源装置52を電気二重層コンデンサとした場合、商用電源の第一の電源装置51による湯沸し中に、電気二重層コンデンサを充電しておき、保温に切り替わった後、電源コード50を外し、第一の電源装置51からの電力供給をなくし、本体1を商用電源のないところに移動させて使用する場合、電力供給能力が限られた第二の電源装置52使用時でも飲料抽出が多くできるように消費電力量を少なくするため、消費電力量の多い連続通電タイプのソレノイド方式ではなく、短時間駆動のソレノイド駆動が可能な構成としているため、商用電源なしでも、抽出途中に抽出経路を自動的に切り替えて作る飲料パック8を使用したメニューが楽しめる飲料抽出機を提供することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように本発明に係る飲料抽出機は、省エネ、小型、低コストで、飲料の種類が拡大できるもので、各種家庭用、業務用飲料抽出機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1における飲料抽出機の全体構成図
【図2】(a)同飲料抽出機の表示操作部の部分図(b)同飲料抽出機の経路切替装置の部分図
【図3】(a)同経路切替装置の第二の出水口への連通状態を示す拡大図(b)同経路切替装置の第一の出水口への連通状態を示す拡大図
【図4】(a)同表示操作部のダイヤル位置を示す図(「ミルク泡立て」設定状態)(b)同飲料抽出機でのミルク溶液作成状態を示す図
【図5】(a)同表示操作部のダイヤルの位置を示す図(「ミルク泡立て」設定状態)(b)同経路切替装置のソレノイド駆動時の瞬間及びミルク溶解状態を示す図(c)同表示操作部のダイヤル位置を示す図(「ミルク泡立て」設定状態)(d)同経路切替装置が切替り第二のインジェクターに切り替わった状態及びミルクの泡立て状態を示す図
【図6】(a)同表示操作部のダイヤルを「コーヒー/紅茶」に切替えた状態を示す図(b)同経路切替装置が第一のインジェクターに切り替わった状態及びコーヒー抽出後を示す図(コーヒー層の上に泡立てミルク層が構成された状態)
【図7】本発明の実施の形態2における飲料抽出機の全体構成を示す図
【符号の説明】
【0044】
2 容器
3 加熱装置
5 蓋
8 飲料パック
10 パック収納部
12 パックドアー
13 第一のインジェクター
14 開封装置
15 出湯口
16 第一の抽出経路
17 抽出装置
21 経路切替装置
22 第二のインジェクター
23 第二の抽出経路
33 経路切替弁
34 ダイヤル
35 カム作用部
36 カム
37 作用レバー
38 フック部
39 ラッチレバー
40 ソレノイド
51 第一の電源装置
52 第二の電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料水を収容する容器と、前記容器に収容された飲料水を加熱保温する加熱装置と、粉末飲料などを密閉保存した飲料パックを収納固定するパック収納部と、前記飲料パックを開封すると共に熱湯を吐出する第一のインジェクターと、前記容器と前記第一のインジェクターを連通する第一の抽出経路の途中に配され熱湯を送る抽出装置と、前記抽出装置と前記第一のインジェクターの間に配した経路切替装置と、第二の抽出経路を介して前記経路切替装置と連通すると共に熱湯を吐出する第二のインジェクターとを備え、前記経路切替装置は、通常前記第二の抽出経路に連通し、切替軸を動作させることにより前記第一の抽出経路に切り替える経路切替弁と、外部操作により設定コースを選択するダイヤルと、前記ダイヤルの動作に連動すると共にカム作用部を形成したカムと、前記カム作用部の作用により前記切替軸に作用し前記第一の抽出経路に切替える作用レバーと、フック部を有すると共に前記作用レバーの作用により前記経路切替弁を前記第一の抽出経路に切り替えた状態で保持するラッチレバーと、前記ラッチレバーを動作させて前記フック部を移動させ前記作用レバーを解放し前記経路切替弁を前記第二の抽出経路に切り替えるソレノイドとを備えた飲料抽出機。
【請求項2】
ダイヤルに複数の切替位置を設け、前記複数の切替位置の中間位置で経路切替弁を切り替える請求項1に記載の飲料抽出機。
【請求項3】
経路切替装置をユニット化した請求項1または2に記載の飲料抽出機。
【請求項4】
ソレノイドを短時間駆動式とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料抽出機。
【請求項5】
一回の経路切替動作時に、ソレノイドを複数回短時間駆動する請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料抽出機。
【請求項6】
駆動電源として、商用電源を使用する第一の電源装置と、本体内蔵の第二の電源装置とを備え、前記第一の電源装置と前記第二の電源装置とを選択的に使用することができる請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料抽出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−273681(P2009−273681A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128016(P2008−128016)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】