説明

飲料水サーバ

【課題】簡単な構造により、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止するとともに、飲料水サーバ内での細菌類の繁殖を抑制することができる飲料水サーバを提供する。
【解決手段】飲料水サーバにおいて、外気取り入れ用のエアフィルタ1として、孔径0.2〜0.8μmのフッ素樹脂製多孔膜の両面に保護用多孔膜が固定されてなるものを用いるとともに、タンク内に、低密度ポリエチレンと、ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体とからなる複数の粒状抗菌剤を通水性多孔袋に密封してなる抗菌部材2を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能に取り付けた飲料水入り容器からコップ等に採水できる飲料水サーバにおいて、細菌類の侵入を防止するとともに、細菌類の繁殖を抑制することができる飲料水サーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料水入り容器を、交換可能に取り付け、必要な時に必要な量の飲料水を、上記容器からコップ等に採水できる飲料水サーバが、職場等で使用されている。上記飲料水入り容器としては、一般に、変形しない硬質タイプ(ガロンボトルタイプ)が用いられている。
【0003】
この種の飲料水サーバは、例えば、図8に示すように、上記飲料水入り容器Bの口部を着脱自在に接続する容器接続部11が上部に設けられ、この容器接続部11の下方に、上記容器Bから落下した飲料水を貯留する冷水タンク12および温水タンク13が設けられ、この各タンク12,13内に貯留された飲料水をそれぞれ採水する冷水側蛇口(フォーセット)14aおよび温水側蛇口(フォーセット)14bが設けられている(図8では、温水側蛇口14bは、冷水側蛇口14aに隠れている)。また、上記容器接続部11を介して上記飲料水入り容器B内と連通する外気取り入れ口15が設けられ、この外気取り入れ口15を覆った状態でエアフィルタ16が設けられている。
【0004】
上記容器接続部11は、二重筒状に形成されており、外側が、上記容器Bの口部が嵌合される有底筒状の嵌合用筒状体11aに形成され、内側が、上記容器Bの口部内に挿入される有天筒状の挿入用筒状体11bに形成されている。その内側の挿入用筒状体11bの周壁には、空気流通用の貫通孔11cと、飲料水流通用の貫通孔11dとが形成されており、底面に開口部11eが形成されている。上記温水タンク13は、水密な密封タンクとなっており、冷水タンク12の下方に配置され、冷水タンク12の底部と温水タンク13の内部とが連絡パイプ17で連通している。上記冷水タンク12は、天井部が開放されたタンクとなっており、その冷水タンク12内の高さ方向の中央部には、中心部に貫通孔が形成され、中継パイプ19と一体化された円形板状のセパレータ18が、冷水タンク12の周側壁と隙間をあけた状態で配置されている。そして、そのセパレータ18の中心部の貫通孔と上記連絡パイプ17とが、中継パイプ19で接続されている。また、冷水タンク12の周側壁の外側表面には、冷却用パイプ12aが巻装されており、温水タンク13の周側壁の外側表面には、ヒーター13aが巻装されている。
【0005】
上記飲料水サーバは、つぎのようにして使用される。すなわち、まず、飲料水サーバの上部に設けられた容器接続部11に、上記飲料水入り容器Bの口部を接続して、その飲料水入り容器Bを上記飲料水サーバの上部に取り付ける。すると、空気が、容器接続部11の挿入用筒状体11bの底面の開口部11eから、空気流通用貫通孔11cを通って、上記容器B内に入るとともに、その容器B内の飲料水が、上記容器接続部11の挿入用筒状体11bの飲料水流通用貫通孔11dから、底面の開口部11eを通って、落下する。この落下した飲料水は、まず、セパレータ18の貫通孔、およびセパレータ18と冷水タンク12の周側壁との隙間を通って、温水タンク13および冷水タンク12に入る。これにより、冷水タンク12に飲料水が貯留し、その飲料水の水面が上昇する。そして、その水面がセパレータ18を超えて容器接続部11の底面に達すると、その底面の開口部11eを閉栓し、上記容器Bからの飲料水の落下を止める。ついで、この状態で、上記冷水側蛇口14aまたは温水側蛇口14bから飲料水を採水する。すると、セパレータ18上にある飲料水の水面が下降し、その水面による閉栓が解除される。このため、上記と同様にして、容器接続部11から上記容器B内に空気が入るとともに、上記容器Bの口部から飲料水が落下する。つぎに、上記蛇口14a,14bからの採水を止める。すると、セパレータ18上において飲料水の水面が上昇し、その水面が容器接続部11の底面に達すると、再度、上記底面の開口部11eを閉栓し、飲料水の落下を止める。このようにして、上記飲料水サーバにより、上記容器Bから飲料水を採水することができる。
【0006】
ここで、上記容器B内に入る空気は、飲料水サーバの外部からエアフィルタ16を通してのみ取り入れられる。その際に、上記エアフィルタ16は、外部から塵埃等が飲料水サーバ内に侵入するのを防止する。そのエアフィルタ16としては、不織布やスポンジ等の、目を粗く(孔径を大きく)して通気性をよくしたものが使用される。目が細かいものを用いると、通気性が悪くなり、上記容器B内に充分な空気(外気)を取り入れることができないため、上記容器Bから飲料水を適正に落下させられなくなり、蛇口14a,14bでの採水性が悪化するからである。
【0007】
しかしながら、上記外気の取り入れを、不織布やスポンジ等の、目の粗いものを通して行うと、塵埃等の比較的大きいものの侵入は防止できるものの、細菌類等の比較的小さいものの侵入は充分に防止できない。また、細菌類は、上記エアフィルタ16を通して侵入するだけでなく、蛇口14a,14bに手や指等が触れることにより、その蛇口14a,14bから侵入する場合もある。採水が頻繁に行われると、飲料水サーバ内で飲料水に動きが生じるため、侵入した細菌類は繁殖し難いが、夜間等の採水が行われない時間帯は、飲料水サーバ内の飲料水に動きが生じず、細菌類が繁殖し易くなる。
【0008】
そこで、その細菌類を殺菌するために、加熱装置を備えた飲料水サーバ(例えば、特許文献1,2参照)、紫外線ランプを備えた飲料水サーバ(例えば、特許文献3参照)、オゾン発生装置を備えた飲料水サーバ(例えば、特許文献4参照)、プラズマイオン発生装置と他の殺菌装置とを備えた飲料水サーバ(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−076662号公報
【特許文献2】特開2009−083871号公報
【特許文献3】特開2009−083868号公報
【特許文献4】特許第4317259号公報
【特許文献5】実用新案登録第3110564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記加熱装置を備えた飲料水サーバは、配管系統が極めて複雑になり、飲料水サーバ自体が高価になるだけでなく、消費電力が増加し、ランニングコストも高くなるという問題や、加熱装置が作動している間は、飲料水サーバが使用できないという問題等がある。また、紫外線ランプを備えた飲料水サーバは、紫外線が人体や眼球に有害であるという問題や、紫外線が飲料水サーバ内の樹脂部品やゴム部品を劣化させるという問題等がある。また、オゾン発生装置を備えた飲料水サーバは、オゾンガスが人体に有用でないため、オゾンガス濃度に規制があるという問題や、オゾン独特の不快臭があり飲料水の風味を損なうという問題等がある。また、プラズマイオン発生装置と他の殺菌装置とを備えた飲料水サーバは、複数の殺菌装置を同時に稼働させるため、エネルギー消費が大きくなるという問題や、装置が極めて複雑になるという問題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、簡単な構造により、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止するとともに、飲料水サーバ内での細菌類の繁殖を抑制することができる飲料水サーバの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の飲料水サーバは、飲料水入り容器の口部を着脱自在に接続する容器接続部と、この容器接続部の下方に設けられ,上記容器から落下した飲料水を貯留するタンクと、このタンク内に貯留された飲料水を採水する蛇口と、上記容器接続部を介して上記飲料水入り容器内に連通する外気取り入れ口と、この外気取り入れ口を覆った状態で設けられたエアフィルタとを備えた飲料水サーバであって、上記エアフィルタが、下記(A)のエアフィルタであり、上記タンク内に、下記(B)の抗菌部材が設置されているという構成をとる。
(A)フッ素樹脂製多孔膜と、このフッ素樹脂製多孔膜の表裏両面に固定された保護用多孔膜とからなり、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径が、0.2〜0.8μmの範囲内に設定され、上記保護用多孔膜の孔径が、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径以上に設定されているエアフィルタ。
(B)複数の粒状抗菌剤と、これら粒状抗菌剤を密封した通水性多孔袋とからなり、上記粒状抗菌剤が、低密度ポリエチレンと、ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体とからなるものである抗菌部材。
【0013】
本発明者らは、飲料水サーバにおける衛生管理を、簡単な構造で実現すべく、従来の、侵入した細菌類を飲料水サーバ内で殺菌する手段を採用するのではなく、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止する手段を採用するとともに、蛇口に人の手や指が触れることにより、その蛇口から細菌類が飲料水サーバ内に侵入してしまうことによる細菌類の繁殖を抑制する手段を採用することに着想した。
【0014】
そこで、本発明者らは、まず、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止すべく、エアフィルタの形成材料や構造等について研究を重ねた。その過程で、フッ素樹脂を形成材料とすると、孔径を小さくしても、通気性に優れた多孔膜を作製できることを突き止めた。しかも、フッ素樹脂は、耐水性に優れるため、水を使用する飲料水サーバに適している。さらに、上記フッ素樹脂製多孔膜を保護してフィルタ性能を維持するために、上記フッ素樹脂製多孔膜の両面に、保護用多孔膜を固定することに着想した。そして、この着想に基づき、さらに研究を重ねた。その結果、上記フッ素樹脂製多孔膜の両面に保護用多孔膜を固定してなるエアフィルタにおいて、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径を、0.2〜0.8μmの範囲内に設定し、上記保護用多孔膜の孔径を、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径以上に設定すると、長期にわたって、通気性を充分に確保して採水性を維持しつつ、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止できることを突き止めた。
【0015】
なお、食中毒菌等は、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径0.2〜0.8μmよりも小さいが、静電気の働き、および上記食中毒菌等のフッ素樹脂製多孔膜透過時の慣性衝突とブラウン運動の効果から、上記フッ素樹脂製多孔膜を透過しないと想定できる。
【0016】
ついで、本発明者らは、飲料水サーバ内での細菌類の繁殖を抑制すべく、飲料水サーバのタンク内に、抗菌部材を設置することに着想し、その抗菌部材の形成材料や構造等について研究を重ねた。その結果、上記抗菌部材を、複数の粒状抗菌剤と、これら粒状抗菌剤を密封した通水性多孔袋とからなるものとし、上記粒状抗菌剤を、低密度ポリエチレンと、ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体とからなるものとすると、上記粒状抗菌剤が水中に上記銀イオンを放出し、その銀イオンの作用により、飲料水サーバ内での細菌類の繁殖を抑制できることを突き止めた。しかも、上記粒状抗菌剤は、人体に悪影響を与えないことも突き止めた。
【0017】
すなわち、本発明者らは、飲料水サーバのエアフィルタとして、上記特定のエアフィルタを採用し、飲料水サーバのタンク内に、上記特定の抗菌部材を設置することにより、簡単な構造で、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止できるとともに、飲料水サーバ内での細菌類の繁殖を抑制できることを見出し、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0018】
本発明の飲料水サーバは、外気取り入れが、上記(A)のエアフィルタを通して行われるようになっているため、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止することができる。さらに、タンク内に、上記(B)の抗菌部材を設置するため、たとえ細菌類が蛇口から侵入したとしても、その繁殖を抑制することができる。そして、上記(A)のエアフィルタおよび上記(B)の抗菌部材による衛生管理は、従来の飲料水サーバにおける加熱装置等の複雑な殺菌装置とは異なり、簡単な構造で実現することができる。そのため、メンテナンスが容易であるとともに、衛生管理に電力を使用しないという利点を有する。
【0019】
特に、上記(A)のエアフィルタにおいて、上記フッ素樹脂製多孔膜の厚みが1〜15μmの範囲内に設定され、上記保護用多孔膜の厚みが120〜170μmの範囲内に設定されている場合には、上記エアフィルタの通気性能と細菌類侵入防止性能とのバランスをより適正化することができる。
【0020】
また、上記(B)の抗菌部材において、上記粒状抗菌剤を構成する低密度ポリエチレンとイオン交換体との割合(低密度ポリエチレン/イオン交換体)が(70重量%/30重量%)〜(95重量%/5重量%)の範囲内に設定され、上記粒状抗菌剤の平均直径が3〜10mmの範囲内に設定され、上記通水性多孔袋の孔径が50〜100μmの範囲内に設定され、上記通水性多孔袋内部における上記粒状抗菌剤の占める容積率が30〜70%の範囲内に設定されている場合には、上記抗菌部材の細菌類繁殖抑制性能をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の飲料水サーバの一実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図2】上記飲料水サーバに用いるエアフィルタを模式的に示す断面図である。
【図3】上記エアフィルタが取り付けられる外気取り入れ口部分を拡大して模式的に示す断面図である。
【図4】上記飲料水サーバに用いる抗菌部材を模式的に示す斜視図である。
【図5】実施例の、累積フィルタフローと細孔径との関係を示すグラフである。
【図6】実施例の、細孔径分布と平均孔径との関係を示すグラフである。
【図7】実施例および比較例における一般生菌のコロニー数の分析結果を示すグラフである。
【図8】従来の飲料水サーバを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明の飲料水サーバの一実施の形態を模式的に示す断面図である。この飲料水サーバは、図1に示すように、従来の飲料水サーバ(図8参照)と同様、容器接続部11,冷水タンク12,温水タンク13,冷水側蛇口14a,温水側蛇口14b,外気取り入れ口15,エアフィルタ1等が設けられている。同様の部分については、同じ符号を付し、その説明を省略する。そして、この実施の形態の飲料水サーバでは、上記エアフィルタ1として、図2に拡大して示すように、フッ素樹脂製多孔膜1aと、このフッ素樹脂製多孔膜1aの両面に固定された保護用多孔膜1bとからなり、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの孔径が、0.2〜0.8μmの範囲内に設定され、上記保護用多孔膜1bの孔径が、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの孔径以上に設定されているものを用いているのであり、これが本発明の特徴の一つである。この実施の形態では、上記エアフィルタ1は、図3に示すように(図3では上記3層構造のエアフィルタ1を1層に図示している)、外気取り入れ口15に気密に取り付けられる外気取り入れ用筒状体3に、その中空部(外気の流路)を覆うように、熱溶着されている。さらに、そのエアフィルタ1は、通気可能な状態(図3に図示した矢印参照)で、蓋体4で覆われている。
【0024】
また、この実施の形態の飲料水サーバでは、上記従来の一般的な飲料水サーバ(図8参照)には用いられていなかった抗菌部材2を、冷水タンク12内のセパレータ18上に設置している。この抗菌部材2は、図4に示すように、複数の粒状抗菌剤2aと、これら粒状抗菌剤2aを密封した通水性多孔袋2bとからなり(なお、図4では、上記粒状抗菌剤2aの数を少なく図示している)、上記粒状抗菌剤2aが、低密度ポリエチレンと、ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体とからなっている。上記抗菌部材2をタンク(この実施の形態では冷水タンク12)内に設置することが、本発明のもう一つの特徴である。
【0025】
このように、本発明の飲料水サーバは、エアフィルタ1として、上記特定のエアフィルタ1を採用するとともに、飲料水サーバのタンク内に、上記特定の抗菌部材2を設置することが、大きな特徴である。
【0026】
より詳しく説明すると、上記エアフィルタ1(図2参照)を構成するフッ素樹脂製多孔膜1aの形成材料(フッ素樹脂)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。このフッ素樹脂製多孔膜1aの作製は、例えば、フッ素樹脂半焼成体を50倍以上に二軸延伸し、フッ素樹脂の融点以上の温度で熱処理することより行われる。これにより、孔径が0.2〜0.8μmの範囲内のフッ素樹脂製多孔膜1aが作製される。
【0027】
ここで、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの孔径(0.2〜0.8μmの範囲内)は、例えば、バブルポイント法により確認することができる。このバブルポイント法は、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、上記フッ素樹脂製多孔膜1aに、大気圧下でフッ素系の試液を含浸させる。ついで、そのフッ素樹脂製多孔膜1aをアダプタに取り付け、そのアダプタを、多孔質材料マルチ物性評価装置のサンプルチャンバに取り付ける。その後、上記多孔質材料マルチ物性評価装置により、最大細孔径の検出および濡れ流量曲線(WETカーブ)を、最大圧力または最大流量に到達するまで計測する。また、上記多孔質材料マルチ物性評価装置により、乾き曲線(DRYカーブ)の計測を最大圧力または最大流量に到達するまで計測する。そして、上記計測により、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの孔径の分布が得られ、この分布から、上記孔径の範囲を確認することができる。
【0028】
また、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの両面に固定された保護用多孔膜1bは、樹脂からなる不織布または織布であることが好ましい。その樹脂としては、上記エアフィルタ1を取り付ける上記外気取り入れ用筒状体3に熱溶着可能としてその取付構造を簡単にする観点から、上記外気取り入れ用筒状体3の樹脂材料と同一とすることが好ましい。そのような樹脂としては、例えば、ポリエチレンがあげられる。
【0029】
そして、フッ素樹脂製多孔膜1aの両面に保護用多孔膜1bを固定する方法としては、例えば、フッ素樹脂製多孔膜1aの両面に、保護用多孔膜1bを重ね合わせ、加熱圧着することが行われる。このようにして作製されたエアフィルタ1は、先に述べたように、通気性を充分に確保しつつ、細菌類の侵入を防止することができる性能を有している。また、先に述べたように、上記保護用多孔膜1bの孔径が、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの孔径以上に設定されていることから、上記性能は、上記フッ素樹脂製多孔膜1aに依存する性能である。そして、上記性能を向上させる観点から、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの厚みは、1〜15μmの範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは2〜9μm程度である。また、上記保護用多孔膜1bの厚みは、120〜170μmの範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは145μm程度である。
【0030】
ここで、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの厚み(1〜15μmの範囲内)は、例えば、電界放出形走査電子顕微鏡により確認することができる。すなわち、まず、上記フッ素樹脂製多孔膜1aは、非常に薄く、可撓性を有するため、そのフッ素樹脂製多孔膜1aを樹脂包埋して固める。ついで、そのフッ素樹脂製多孔膜1aの断面を、クロスセクションポリッシャ(CP)により形成する。このクロスセクションポリッシャは、イオンビームの照射により断面を形成する装置であり、機械研磨で断面を形成すると試料が変形する場合に用いられる。そして、その断面を、上記電界放出形走査電子顕微鏡で観察することにより、上記厚みの範囲を確認することができる。なお、この観察中の帯電を軽減するために、上記フッ素樹脂製多孔膜1aの断面に白金をコーティングしてもよい。
【0031】
なお、上記エアフィルタ1は、JIS Z 8122に「定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されているULPA(Ultra Low Penetration Air )フィルタと同等の性能を有している。上記圧力損失は、値が小さいほど、通気性に優れることを示す。
【0032】
また、上記エアフィルタ1が熱溶着されている上記外気取り入れ用筒状体3(図3参照)は、上部の大径部3aと、下部の小径部3bとからなっており、これら大径部3aと小径部3bとの境界部分が段部に形成されている。この段部(大径部の底部分)に、上記円形のエアフィルタ1の周縁部が熱溶着されている。また、大径部3aの上端開口縁には、4個(図3は断面図であるため図示されているのは2個)の凸部3cが均等に配置されており、それら凸部3cの上端面が上記蓋体4をその天井面の周縁部で支えている。そして、隣り合う凸部3cの間の隙間が、外気の流路(図3に図示した矢印参照)となり、上記外気取り入れ用筒状体3の中空部と連通している。なお、図3において、符号3dは、上記外気取り入れ用筒状体3の外周面に取り付けられたOリングであり、それにより、上記外気取り入れ用筒状体3を外気取り入れ口15に取り付けた状態では、上記外気取り入れ用筒状体3の外周面と外気取り入れ口15の内周面との間を気密にしている。また、上記外気取り入れ用筒状体3は、外気取り入れ口15に着脱自在になっている。
【0033】
上記蓋体4は、有天筒状に形成されている。その頂面は、中心部から周縁部にいくにつれて徐々に低くなる曲面に形成されており、その曲面により、頂面に、塵や水滴等が溜まるのを防止している。また、上記蓋体4の周側面の内面には、上記外気取り入れ用筒状体3の大径部3aの下端周縁部に係脱自在に係合する係合爪(図示せず)が、4個均等に配置されており、その係合爪により、上記外気取り入れ用筒状体3に着脱自在に取り付けられている。そして、上記蓋体4が、上記エアフィルタ1を覆うよう、上記外気取り入れ用筒状体3の上部に取り付けられることにより、塵や水滴等がエアフィルタ1に接触するのを防止している。
【0034】
一方、上記抗菌部材2(図4参照)を構成する粒状抗菌剤2aの作製は、例えば、上記低密度ポリエチレンに、上記ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体を担持させた100μm程度の粉体を、100℃程度で加熱成型し、低密度ポリエチレン樹脂が全て溶けきらないで空隙を残した状態で行われる。そして、細菌類の繁殖を抑制する観点から、低密度ポリエチレンとイオン交換体との割合(低密度ポリエチレン/イオン交換体)は、(70重量%/30重量%)〜(95重量%/5重量%)の範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは(90重量%/10重量%)程度である。また、上記粒状抗菌剤2aの平均直径は、3〜10mmの範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは6mm程度である。この平均直径6mmの粒状抗菌剤2aの質量は、53.3mg/個程度である。なお、上記イオン交換体としては、例えば、下記の化学式(1)で示されるものがあげられる。そして、上記粒状抗菌剤2aにおける銀の含有量は、0.1〜0.5重量%、好ましくは0.2〜0.3重量%の範囲内である。また、上記平均直径は、任意の10個の粒状抗菌剤2aについて、任意の1箇所の直径をノギスで測定し、それらの平均値をとったものである。
【0035】
【化1】

【0036】
ここで、上記粒状抗菌剤2aにおける銀の含有量(0.1〜0.5重量%の範囲内)は、例えば、ICP発光分析法により確認することができる。すなわち、まず、上記粒状抗菌剤2aに硫酸を添加し、その粒状抗菌剤2aを灰化する。ついで、その灰化したものをフッ酸処理した後、硫酸水素カリウムにて融解する。つぎに、希硝酸に溶解し、純水にて定容する。そして、それをICP発光分析機にかけ、上記銀の含有量を確認することができる。
【0037】
また、上記抗菌部材2を構成する通水性多孔袋2bは、樹脂からなる不織布または織布であることが好ましい。その樹脂としては、強度等の観点から、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの複合素材であることが好ましい。また、上記不織布等の質量は、17.0〜27.0g/m2の範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは22.4g/m2である。上記不織布等の厚みは、0.05〜0.15mmの範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは0.10mmである。さらに、通水性を良好にする観点から、上記不織布等の孔径は50〜100μmの範囲内に設定されることが好ましい。
【0038】
そして、上記通水性多孔袋2bへの粒状抗菌剤2aの密封は、例えば、上記不織布等で粒状抗菌剤2aを包み、その不織布等の周縁部をヒートシールして袋状にすることにより行われる。上記粒状抗菌剤2aと飲料水との接触をより適正にして細菌類の繁殖をより一層抑制するとともに、上記抗菌部材2における飲料水の通過性をより適正にする観点から、上記通水性多孔袋2b内部における上記粒状抗菌剤2aの占める容積率は30〜70%の範囲内に設定されることが好ましい。
【0039】
なお、上記実施の形態では、上記抗菌部材2を冷水タンク12内のセパレータ18上に設置したが、セパレータ18の下に設置してもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、冷水タンク12と温水タンク13の2個のタンクを設けたが、いずれか一方のタンクのみを設けてもよい。その場合は、上記セパレータ18は不要となるため、上記抗菌部材2の設置位置は、タンク内のいずれかの位置でよい。
【0041】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0042】
図1に示す飲料水サーバを準備した。エアフィルタは、PTFE製多孔膜(厚み10μm)の両面にポリエチレン製多孔膜(厚み145μm)を加熱圧着してなるシート材〔ダイキン社製、ニューロファイン(登録商標)、合計厚み300μm〕から、直径22.8mmの円形に打ち抜きしたものを用いた。上記エアフィルタのPTFE製多孔膜の孔径は、バブルポイント法により確認した結果、0.2〜0.8μmの範囲内に形成されていた。また、上記エアフィルタは、JIS Z 8122に規定されているULPAフィルタの粒子捕集率99.9995%以上および初期圧力損失245Pa以下を満たすものであった。そして、上記円形のエアフィルタの周縁部を、超音波(発振機出力1200W、発振周波数15.15±0.15kHz、溶着時間0.2秒間、保持時間0.4秒間)により、外気取り入れ用筒状体の中空部(外気の流路)を覆うように熱溶着した。この外気取り入れ用筒状体の流路径は14mmであった。また、抗菌部材を構成する粒状抗菌剤は、低密度ポリエチレン90重量%と、ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体10重量%とからなり、平均直径6mm(53.3mg/個)に加熱成型されたもの(シナネンゼオミック社製、PB6LJ10−1:銀の含有量0.23重量%)を用いた。そして、その粒状抗菌剤を30g秤量して、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの複合素材からなる厚み0.10mmの不織布(22.4g/m2、孔径50〜100μm)を袋状(170mm×90mm)にした通水性多孔袋に入れ、ヒートシールにより密封した。上記通水性多孔袋内部における上記粒状抗菌剤の占める容積率を50%とした。
【0043】
ここで、上記バブルポイント法は、つぎのようにして行った。すなわち、まず、上記フッ素樹脂製多孔膜に、大気圧下でGalwick(フッ素系の試液,表面張力0.0157N/m)を含浸させた。そして、それを多孔質材料マルチ物性評価装置(米国PMI社製、パームポロメーター:CFP−1200AEXLCBBJ)により計測した。その結果、図5に示す「累積フィルタフローvs細孔径」グラフ、および図6に示す「細孔径分布vs平均孔径」グラフを得た。これらグラフから、孔径0.39μm付近を極大としてピークが確認され、孔径が0.2〜0.8μmの範囲内にあることが確認された。また、平均流量孔径が0.389μm、極大細孔径が0.386μmあることが確認された。
【0044】
また、上記粒状抗菌剤における銀の含有量(0.23重量%)は、ICP発光分析機(島津製作所社製、ICPS−8100)を用いたICP発光分析法により確認した。
【0045】
〔比較例1〕
上記実施例の飲料水サーバにおいて、エアフィルタとして、ポリエチレン製スポンジ(直径22.8mmの円形、厚み5mm)を用い、外気取り入れ用筒状体に取り付けた(熱溶着せず)。それ以外の部分は、上記実施例と同様にした。
【0046】
〔比較例2〕
上記実施例の飲料水サーバにおいて、抗菌部材を設置しないものとした。それ以外の部分は、上記実施例と同様にした。
【0047】
〔比較例3〕
上記実施例の飲料水サーバにおいて、エアフィルタとして、ポリエチレン製スポンジ(直径22.8mmの円形、厚み5mm)を用い、外気取り入れ用筒状体に取り付けた(熱溶着せず)。また、抗菌部材を設置しないものとした。それ以外の部分は、上記実施例と同様にした。
【0048】
〔一般生菌のコロニー数の分析方法〕
上記実施例および比較例1〜3の飲料水サーバを、80人が事務作業を行うオフィスのフロア(面積600m2)に設置した。そして、各飲料水サーバについて、つぎのようにして、14日間、一般生菌のコロニー数を分析し、図7にグラフで示した。
(a)まず、飲料水サーバの各所を、熱湯殺菌およびアルコール殺菌の方法により、殺菌洗浄した。
(b)ついで、ミネラルウォーター(東日本エア・ウォーター・エネルギー社製、AW・ウォーター)が12L入ったガロンボトルを各飲料水サーバに取り付けた。
(c)つぎに、冷水側蛇口から、500mLのミネラルウォーターを採水し、それを破棄した。
(d)そして、冷水側蛇口から、100mLのミネラルウォーターを、容量100mLのポリエチレン製の滅菌採水瓶(サンセイ医療器材社製、型番2−6425−05)に採水し、それを、ペトリフィルム培地(住友スリーエム社製、型番6400AC、培地の接種面積20cm2)にて、一般生菌を培養した。
(e)48時間経過後、希釈倍率1倍としてペトリフィルム培地のコロニー数を目視にて数えた。このとき、コロニー数が250を超えるような場合、ペトリフィルム培地の1cm2格子の中のコロニー数の平均値を求め、これを20倍することにより、コロニー数を推定する。また、希釈倍率1倍の際のコロニー数の上限を2500とした。
(f)各飲料水サーバについて、1日に1回、上記(c)〜(e)のようにして、コロニー数を確認した。
【0049】
図7のグラフに示すように、実施例の飲料水サーバでは、14日間、一般生菌は全く確認されなかった。これに対し、比較例1の飲料水サーバでは、9日目から一般生菌が確認され、その後少しだけ増加し、11日目以降急増した。このことから、目の粗いエアフィルタを用いた比較例1では、一般生菌が侵入しており、9日目までは抗菌部材の作用により殺菌が可能であったが、それ以降は抗菌部材の細菌の繁殖を抑制する能力を超える一般生菌が侵入したことがわかる。また、比較例2の飲料水サーバでは、2日目から一般生菌が確認され、その後少しだけ増加し、7日目以降急増した。このことから、比較例2では、目の細かいエアフィルタにより、一般生菌の侵入をある程度防止できるが、抗菌部材がないため、一旦侵入した一般生菌が増殖し、そのコロニー数の制御ができないことがわかる。そして、比較例3の飲料水サーバでは、2日目から一般生菌が確認され、その後少しだけ増加し、3日目以降急増し、12日目には上限の2500個に達した。この試験では、上限を2500個に設定しているため、図7のグラフでは12日目以降も2500個であるが、12日目も増殖している可能性がある。このことから、比較例3では、エアフィルタの目が粗いため、一般生菌が侵入し易く、しかも、抗菌部材がないため、侵入した一般生菌が増殖し易くなっていることがわかる。以上のことから、実施例の飲料水サーバのように、上記特定のエアフィルタと上記特定の抗菌部材との併用は、一般生菌のコロニー数の抑制に有用であることがわかる。
【0050】
また、上記実施例において、エアフィルタのPTFE製多孔膜の厚みおよびポリエチレン製多孔膜の厚みを変えて、上記と同様にして、一般生菌のコロニー数の分析を行った結果、上記PTFE製多孔膜の厚みを1〜15μmの範囲内に設定し、上記ポリエチレン製多孔膜の厚みを120〜170μmの範囲内に設定すると、上記実施例と同様、好ましい結果が得られた。
【0051】
ここで、上記フッ素樹脂製多孔膜の厚み(1〜15μmの範囲内)は、つぎのようにして確認した。すなわち、まず、主剤〔応研商事社製、エポック812(E.M.grade)〕,硬化剤〔応研商事社製、MNA(methyl nadic anhydride)〕,重合促進剤〔応研商事社製、D.M.P.−30(Tri−dimethyl aminomethyl phenol)からなるエポキシ樹脂を用い、上記フッ素樹脂製多孔膜を樹脂包埋して固めた。ついで、クロスセクションポリッシャ(日本電子社製、SM−09010)により、上記フッ素樹脂製多孔膜の断面を形成した。その際、加工イオンとしてアルゴンを用い、イオン加速電圧を5kV、加工速度を1.3μm/分(加速電圧6kV,SiO2 換算)、断面位置決め精度を15μm(光学顕微鏡による位置決め)とした。その後、上記断面に、帯電軽減用の白金コーティングを施した。そして、上記断面を、電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)を用い、倍率3500倍で観察した。その結果、上記断面の厚みは、不均一であったが、上記1〜15μmの範囲内に形成されていた。
【0052】
さらに、また、抗菌部材の粒状抗菌剤の成分比,粒状抗菌剤の平均直径,通水性多孔袋の孔径,通水性多孔袋内部における粒状抗菌剤の占める容積率についても、数値を変えて、上記と同様にして、一般生菌のコロニー数の分析を行った結果、粒状抗菌剤を構成する低密度ポリエチレンとイオン交換体との割合(低密度ポリエチレン/イオン交換体)を(70重量%/30重量%)〜(95重量%/5重量%)の範囲内に設定し、粒状抗菌剤の平均直径を3〜10mmの範囲内に設定し、通水性多孔袋の孔径を50〜100μmの範囲内に設定し、上記容積率を30〜70%の範囲内に設定すると、上記実施例と同様、好ましい結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の飲料水サーバは、特定のエアフィルタと特定の抗菌部材との併用により、外気取り入れに伴う細菌類の侵入を防止するとともに、飲料水サーバ内での細菌類の繁殖を抑制し、衛生管理を、簡単な構造で実現する。
【符号の説明】
【0054】
1 エアフィルタ
2 抗菌部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料水入り容器の口部を着脱自在に接続する容器接続部と、この容器接続部の下方に設けられ,上記容器から落下した飲料水を貯留するタンクと、このタンク内に貯留された飲料水を採水する蛇口と、上記容器接続部を介して上記飲料水入り容器内に連通する外気取り入れ口と、この外気取り入れ口を覆った状態で設けられたエアフィルタとを備えた飲料水サーバであって、上記エアフィルタが、下記(A)のエアフィルタであり、上記タンク内に、下記(B)の抗菌部材が設置されていることを特徴とする飲料水サーバ。
(A)フッ素樹脂製多孔膜と、このフッ素樹脂製多孔膜の表裏両面に固定された保護用多孔膜とからなり、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径が、0.2〜0.8μmの範囲内に設定され、上記保護用多孔膜の孔径が、上記フッ素樹脂製多孔膜の孔径以上に設定されているエアフィルタ。
(B)複数の粒状抗菌剤と、これら粒状抗菌剤を密封した通水性多孔袋とからなり、上記粒状抗菌剤が、低密度ポリエチレンと、ゼオライトに銀イオンをイオン結合させたイオン交換体とからなるものである抗菌部材。
【請求項2】
上記(A)のエアフィルタにおいて、上記フッ素樹脂製多孔膜の厚みが1〜15μmの範囲内に設定され、上記保護用多孔膜の厚みが120〜170μmの範囲内に設定されている請求項1記載の飲料水サーバ。
【請求項3】
上記(B)の抗菌部材において、上記粒状抗菌剤を構成する低密度ポリエチレンとイオン交換体との割合(低密度ポリエチレン/イオン交換体)が(70重量%/30重量%)〜(95重量%/5重量%)の範囲内に設定され、上記粒状抗菌剤の平均直径が3〜10mmの範囲内に設定され、上記通水性多孔袋の孔径が50〜100μmの範囲内に設定され、上記通水性多孔袋内部における上記粒状抗菌剤の占める容積率が30〜70%の範囲内に設定されている請求項1または2記載の飲料水サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−255960(P2011−255960A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87248(P2011−87248)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000126115)エア・ウォーター株式会社 (254)
【Fターム(参考)】